説明

成形機の自動昇温制御方法

【課題】バレル部のマスター区間(マスターゾーン)とスレーブ区間(スレーブゾーン)がそれぞれ最終目標温度に到達する昇温完了までの時間を短縮することができる成形機の自動昇温制御方法を提供する。
【解決手段】複数の加熱ゾーンCH1、CH2を同時に昇温する際に各加熱ゾーンに仮の目標温度HV1、HV2を設定して昇温させ、仮の目標温度に到達した時点で複数の加熱ゾーンの中からマスターゾーンを選択して、マスターゾーン以外の加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、仮の目標温度到達以降で最終の目標温度SV1、SV2までの昇温では、マスターゾーンの昇温到達度合いに基づきスレーブゾーンを昇温制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば押出成形機や射出成形機等の成形機の自動昇温制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
成形機の一例である射出成形機は、加熱シリンダ(バレル部)の内部にスクリューを回転自在に配置して加熱シリンダ内を軸方向に沿って進退できるようになっている。加熱シリンダの先端部にはノズル(射出口)が設けられており、加熱シリンダの外周部分には、複数のヒータが配置されている。スクリューは駆動モータにより加熱シリンダ内部で進退しながら回転することで、ホッパーからシリンダ内に投入された原料の樹脂チップを加熱溶融するとともに、スクリューがノズルから射出して成形するようになっている。
【0003】
この種の成形機では、加熱シリンダの外周部分を軸方向に沿って複数の加熱区間(加熱ゾーンとも言う)に分けて、各加熱区間にはヒータが配置されている。各ヒータの近傍には、温度センサーが設けられている。温度計測部には、各温度センサーからの入力があり、温度計測部が計測した加熱区間の温度と目標温度設定部で記憶した目標温度によりヒータの温度制御を行う。各加熱区間を昇温する時には、目標設定温度への到達時間が最も遅い加熱区間をマスター区間とし、このマスター区間以外の加熱区間をスレーブ区間としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−35090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に開示された成形機の自動昇温制御方法では、マスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を同時に昇温している。予めセルフチューニング法によって得られた各加熱区間の目標温度到達時間によりマスター区間を決めておき、マスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を同時に昇温している。
【0006】
このようにマスター区間の目標設定温度到達率に合わせてスレーブ区間を同時に昇温していると、昇温開始直後ではスレーブ区間がマスター区間よりも昇温能力が高いにもかかわらず、スレーブ区間のヒータの発熱が抑えられてしまうことになり、スレーブ区間からバレル部を通じてマスター区間に与える熱量が少なくなってしまう。このため、バレル部のマスター区間とスレーブ区間を同時にそれぞれの最終目標温度に到達する昇温完了までの時間が、とても長くなってしまうという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的は、バレル部のマスター区間(マスターゾーン)とスレーブ区間(スレーブゾーン)がそれぞれ最終目標温度に到達する昇温完了までの時間を短縮することができる成形機の自動昇温制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の成形機の自動昇温制御方法は、成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に前記加熱ゾーンの昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、
前記加熱ゾーン毎に設けたヒータと、前記加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、前記温度センサーからの入力を行う温度計測部と、前記ヒータの制御を行うヒータ制御部と、前記ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、前記温度計測部が計測した前記加熱ゾーンの温度と、前記目標温度設定部で記憶した前記目標温度により、前記ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、
複数の前記加熱ゾーンを同時に昇温する際に各前記加熱ゾーンに仮の目標温度を設定して昇温させ、前記仮の目標温度に到達した時点で複数の前記加熱ゾーンの中からマスターゾーンを選択して、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、前記仮の目標温度到達以降で最終の前記目標温度までの昇温では、前記マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき前記マスターゾーンと前記スレーブゾーンを昇温制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、バレル部のマスター区間(マスターゾーン)とスレーブ区間(スレーブゾーン)がそれぞれ最終目標温度に到達する昇温完了までの時間を短縮することができる成形機の自動昇温制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の成形機の自動昇温制御方法の実施形態を実施するための成形機の好ましい例を示す図である。
【図2】縦軸を温度として横軸を経過時間とした場合の本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程例と、従来の同時昇温による場合の昇温の様子を示すグラフである。
【図3】本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態の工程を示すフロー図である。
【図4】本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態の工程を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態を実施するための成形機の構造例を示している。
【0013】
図1に示す成形機10は射出成形機であり、成形機10は、加熱シリンダ11と、複数のヒータH1、H2、H3、H4、H5と、複数の温度センサー12,13,14,15,16と、スクリュー27と、温度計測部17と、ヒータ制御部18と、温度制御部19と、目標温度設定部20と、目標温度記憶域21と、ホッパー22を有している。
【0014】
図1に示す成形機10は、樹脂チップ23を原料にして射出成形する装置であり、加熱シリンダ11は、バレル部とも言いほぼ円筒状の部材である。加熱シリンダ11の先端部にはノズル(射出口とも言う)24が設けられている。加熱シリンダ11の内部には、スクリュー27が、駆動部25の駆動により軸方向CLに沿って進退可能にしかも回転可能に配置されている。ホッパー22から供給される樹脂チップ23は、加熱シリンダ11の内部の材料貯蔵部26に供給でき、スクリュー27が回転してしかも軸方向CLに沿って進むことにより、ノズル24から溶融樹脂の射出を行うようになっている。
【0015】
図1に示すように、加熱シリンダ11の外周部分には、軸方向CLに沿って複数のリング状の加熱体としてのヒータH1〜H5が配置されている。これらのヒータH1〜H5はそれぞれ間隔をおいて配置されており、ヒータH1〜H5は加熱シリンダ11の外周部分を複数の加熱区間Z1〜Z5に分けている。すなわち、各ヒータH1〜H5は加熱区間Z1〜Z5毎に設けられており、各加熱区間Z1〜Z5は、ノズル24側からスクリュー27側にかけて順番に形成されている。成形機の自動昇温制御方法をわかりやすく説明するために、例えば加熱区間Z1〜Z5の中から2つの加熱区間を選択して、後で説明するように、これら選択された2つの加熱区間は、図2に示す2つの加熱区間CH1と加熱区間CH2として説明する。加熱区間は、加熱ゾーンともいう。
【0016】
図1に示すように、温度センサー12,13,14,15,16は、対応する加熱区間Z1〜Z5毎に配置されている。これにより、各温度センサー12,13,14,15,16は、それぞれ対応する加熱区間Z1〜Z5の温度を測定することができる。
【0017】
温度計測部17は、各温度センサー12,13,14,15,16に電気的に接続されている。各温度センサー12,13,14,15,16から各加熱区間Z1〜Z5の温度を測定した温度測定信号が、温度計測部17に入力される。
【0018】
図1に示すように、ヒータ制御部18は、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5に電気的に接続されている。ヒータ制御部18は、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5に対して個別に通電制御をすることで、各ヒータH1、H2、H3、H4、H5を個別に発熱させることができる。
【0019】
図1に示すように、温度制御部19は、温度計測部17とヒータ制御部18に対して電気的に接続されている。温度制御部19と温度計測部17とヒータ制御部18は、PIDコントローラを構成している。また、温度制御部19は、目標温度設定部20に対して電気的に接続されており、目標温度設定部20は目標温度記憶域21を有している。
【0020】
目標温度設定部20は、目標温度記憶域21に予め記憶されている仮の目標温度と最終の目標温度の値を、各ヒータH1〜H5の目標温度として設定することができ、目標温度設定部20で設定される仮の目標温度と最終の目標温度は、複数の加熱区間についてそれぞれ個別に設定可能である。温度制御部19は、温度計測部17において計測された各加熱区間Z1〜Z5の温度と、目標温度設定部20で記憶された仮の目標温度と最終の目標温度とにより、各ヒータH1〜H5の温度制御を行うようになっている。
【0021】
次に、図2と図3を参照して、図1に示す成形機10を用いて実施される本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態について、詳しく説明する。
【0022】
図2は、縦軸を温度として横軸を経過時間とした場合の本発明の成形機の自動昇温制御方法の実施形態の工程例と、従来の同時昇温による場合の昇温の様子を示すグラフである。図3は、本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態の工程を示すフロー図である。
【0023】
図2では、加熱区間CH1の最終目標温度をSV1で示し、加熱区間CH2の最終目標温度をSV2で示す。また、加熱区間CH1の仮の目標温度をHV1で示し、加熱区間CH2の仮の目標温度をHV2で示す。最終目標温度SV1は最終目標温度SV2よりも高く、仮の目標温度HV1は仮の目標温度HV2よりも高い。最終目標温度SV2は、仮の目標温度HV1よりも高い。加熱区間CH1の昇温開始時温度をPV01で示し、加熱区間CH2の昇温開始時温度をPV02で示す。
【0024】
図2では、本発明の成形機の自動昇温制御方法の実施形態における温度データ線L1、L2を実線で示しているが、比較例として従来の同時昇温による場合の温度データ線R1、R2を破線で示している。
【0025】
図2の実線で示す温度データ線L1は、加熱区間CH1の昇温の様子を示し、図2の実線で示す温度データ線L2は、加熱区間CH2の昇温の様子を示している。また、図2の破線で示す温度データ線R1は、従来例のおける同時昇温による加熱区間CH1の昇温の様子を示し、図2の破線で示す温度データ線R2は、従来例のおける同時昇温による加熱区間CH2の昇温の様子を示している。従来例の場合には、加熱区間CH1と加熱区間CH2は同時昇温をしており個別昇温はしていない。
【0026】
図2では、昇温開始時間からの同時昇温オフ期間、すなわち昇温開始時間からの個別昇温期間をD1で示し、次の個別昇温期間をD2で示し、さらに同時昇温期間(同時昇温オン期間)をDsで示している。この場合に、個別昇温期間をD1と次の個別昇温期間D2では、図1に示す温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、ヒータ制御部18が、加熱区間CH1のヒータと、加熱区間CH2のヒータを、個別に通電制御する。同時昇温期間(同時昇温オン期間)Dsでは、図1に示す温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、ヒータ制御部18が、加熱区間CH1のヒータと、加熱区間CH2のヒータを通電制御して、仮の目標温度到達以降で最終の前記目標温度までの昇温において、加熱区間の昇温到達度合いに合わせて加熱区間CH1、CH2を同時に昇温するようになっている。
【0027】
図2の例では、加熱区間CH1は、時点ゼロから時点S1において仮の目標温度HV1に達しているが、加熱区間CH2は、時点S1よりも遅い時点S2において仮の目標温度HV2に到達している。個別昇温期間D2では、加熱区間CH1は仮の目標温度HV1に保持されるが、加熱区間CH2はさらに上昇して時点S2において仮の目標温度HV2に到達する。同時昇温期間Dsでは、加熱区間CH1は時点Gtにおいて最終目標温度SV1まで昇温して到達し、加熱区間CH2は時点Gtにおいて最終目標温度SV2まで昇温して到達し、その後、加熱区間CH1は最終目標温度SV1に保持され、加熱区間CH2は最終目標温度SV2に保持される。
【0028】
一方、従来例の場合には、加熱区間CH1と加熱区間CH2は、破線で示す温度データ線R1、R2のように、時点Gpにおいて最終目標温度SV1、SV2にそれぞれ到達する。時点Gpは、時点Gtよりも後である。
【0029】
次に、図3を参照する。図3に示す本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態の工程を示すフローは、ステップS1〜ステップS12を有している。
【0030】
図3において、加熱区間CH1の最終目標温度をSV1で示し、加熱区間CH2の最終目標温度をSV2で示す。加熱区間CH1の現在温度をPV1で示し、加熱区間CH2の現在温度をPV2で示す。また、加熱区間CH1の仮の目標温度をHV1で示し、加熱区間CH2の仮の目標温度をHV2で示す。
【0031】
ここで、図1に示す成形機10を用いて実施される本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態を、図1と図2を参照しながら、図3の同時昇温制御機能の動作フローチャートに示すステップに従って説明する。この例は、動作フローの途中において、加熱区間CH2がマスター区間(マスターゾーン)に設定され、加熱区間CH1がスレーブ区間(スレーブゾーン)に設定される場合を示している。
【0032】
図3において、昇温制御を開始すると、ステップS1では、図1に示す温度制御部19が同時昇温モードになっているかどうかを判断して、同時昇温モードになっていればステップS2に移る。
【0033】
図3のステップS2では、図2に示すように、加熱区間CH1の目標温度を図2に示す仮の目標温度HV1に予め設定して、加熱区間CH2の目標温度を図2に示す仮の目標温度HV2に予め設定する。また、加熱区間CH1の個別昇温開始時温度はPV01で示し、加熱区間CH2の個別昇温開始時温度はPV02で示している。
【0034】
図3のステップS3では、加熱区間CH1の現在温度PV1が、加熱区間CH1の仮の目標温度HV1以上であるかどうかを判断するとともに、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の仮の目標温度HV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の仮の目標温度HV1に到達したかどうか、そして加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の仮の目標温度HV2に到達したかどうかを判断する。ステップS3において、加熱区間CH1の現在温度PV1≧加熱区間CH1の仮の目標温度HV1に達し、加熱区間CH2の現在温度PV2≧加熱区間CH2の仮の目標温度HV2に達して、全加熱区間(全ゾーン)が仮の目標温度に到達した場合には、ステップS4に移る。なお、全区間(全ゾーン)が仮の目標温度にまだ到達していない場合には、ステップS9において、図1に示す温度制御部19は加熱区間CH1、加熱区間CH2それぞれの目標温度でヒータ制御部18をコントロールし、ステップS10において図2に示すように、先に仮の目標温度へ到達した加熱区間CH1は、この仮の目標温度HV1を保持した状態で待機させる。
【0035】
次に、図3のステップS4では、図2に示す個別昇温期間D1において温度上昇率が最も低い加熱区間CH2をマスター区間(マスターゾーン)と設定する。すなわち、個別昇温期間D1では、温度データ線L2の温度上昇率が温度データ線L1の温度上昇率よりも低いので、加熱区間CH2をマスター区間に設定して、加熱区間CH1をスレーブ区間(スレーブゾーン)に設定する。
【0036】
ステップS5に移ると、加熱区間(スレーブ区間)CH1と加熱区間(マスター区間)CH2を同時に昇温することを開始して、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の最終目標温度SV2に達しているかどうかを判断する。加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の最終目標温度SV2に達していない場合には、ステップS6に移る。
【0037】
ステップS6では、下式で計算した目標温度を、加熱区間CH1の目標温度とする。
【0038】
HV1+((SV1−HV1)/(SV2−HV2))×(PV2−HV2)
また、加熱区間CH2の目標温度を最終目標温度SV2とする。
【0039】
次に、図3のステップS7では、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の最終目標温度SV1以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH1が最終目標温度SV1に到達したかを判断して、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の最終目標温度SV1に到達していなければステップS9において、図1に示す温度制御部19は加熱区間CH1、加熱区間CH2それぞれの目標温度でヒータ制御部18をコントロールして、ステップS5に戻ってステップS5以降のステップを実行する。
【0040】
また、ステップS7において、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の最終目標温度SV1に到達していれば、ステップS8に移る。
【0041】
ステップS8では、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH2は最終目標温度SV2に到達したかどうかを判断して、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達していなければステップS9に移り、図1に示す温度制御部19は加熱区間CH1、加熱区間CH2それぞれの目標温度でヒータ制御部18をコントロールして、ステップS5に戻ってステップS5以降のステップを実行する。また、ステップS8では、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達していれば、昇温制御を終了する。
【0042】
一方、ステップS5において、加熱区間CH2の現在温度PV2≧加熱区間CH2の最終目標温度SV2である場合、すなわち、加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達している場合には、ステップS11において、加熱区間CH1の最終目標温度SV1を加熱区間CH1の目標温度にして、ステップS7に移る。その後は、ステップS7以降のステップを実行する。
【0043】
また、ステップS1において、同時昇温モードでない場合には、ステップS12において、加熱区間CH1の目標温度を加熱区間CH1の最終目標温度SV1とし、加熱区間CH2の目標温度を加熱区間CH2の最終目標温度SV2として、ステップS7に移り、ステップS7以降のステップを実行する。
【0044】
ここで、図2と図3を参照して、本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態の特徴をさらに詳しく説明する。
【0045】
上述した本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態では、事前に加熱区間CH1、CH2に対してマスター区間とスレーブ区間を決めておく必要は無く、図3に示す自動昇温制御フローのステップS4において加熱区間CH2、CH1に対してマスター区間とスレーブ区間を設定するようにしている。
【0046】
図2に示す個別昇温期間D1においては、実線で示す温度データ線L1で示すように、加熱区間CH1が昇温開始時温度PV01から昇温を開始して仮の目標温度HV1に向かってフルに加熱される。加熱区間CH2は、実線で示す温度データ線L2で示すように、昇温開始時温度PV02から昇温を開始して仮の目標温度HV2に向かってフルに加熱される。このように、図1の温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、加熱区間CH1と加熱区間CH2は、それぞれ個別に昇温される。
【0047】
そこで、図3に示す自動昇温制御フローのステップS4において、仮の目標温度に到達するまでの温度上昇率が一番低い加熱区間(ゾーン)をマスター区間(マスターゾーン)と設定し、その他の加熱区間(ゾーン)は、スレーブ区間(スレーブゾーン)と設定する。すなわち、加熱区間CH2をマスター区間に設定し、加熱区間CH1をスレーブ区間に設定する。
【0048】
そして、加熱区間CH1が仮の目標温度HV1に到達し、加熱区間CH2が仮の目標温度HV2に到達し、マスター区間が決まったら、以後は、同時昇温オン期間Dsでは、マスター区間である加熱区間CH2の昇温に合わせてスレーブ区間である加熱区間CH1を最終目標温度SV1へ向かって同時昇温を行う。すなわち、同時昇温オン期間Dsにおいて、加熱区間CH1は仮の目標温度HV1から改めて真の最終目標温度SV1に向かって加熱され、加熱区間CH2は仮の目標温度HV2から改めて真の最終目標温度SV2に向かって加熱されるが、この際にはスレーブ区間である加熱区間CH1は、マスター区間である加熱区間CH2の目標設定温度到達率(昇温到達度合い)に合わせて昇温(同時昇温)するようにしている。
【0049】
これに対して、図2に示す従来の同時昇温による場合には、破線で示す温度データ線R1、R2で示すように、スレーブ区間は昇温開始時温度PV01からマスター区間の目標設定温度到達率に合わせて最終目標温度SV1まで昇温しているだけである。
【0050】
本発明の成形機の自動昇温制御方法の第1の実施形態では、昇温開始直後では、加熱区間CH2よりも昇温能力が高い加熱区間CH1を、加熱区間CH2の昇温度合いには合わせずに、加熱区間CH2と加熱区間CH1の個別の能力をフルに使っている。このため、加熱区間CH1は、個別昇温期間D1の終了時に、設定した仮の目標温度HV1まで早い時間で到達する。また、加熱区間CH2と加熱区間CH1は、ともに図1に示す1本のバレル部(加熱シリンダ11)上に存在しており、温度の高い場所から低い場所へ熱が移動するので、加熱区間CH1が早く昇温すればするほど、加熱区間CH1から加熱区間CH2への熱の流入量が増える。
【0051】
このように加熱区間CH1が早く昇温すればするほど、加熱区間CH1から加熱区間CH2への熱の流入量が増えるので、図2に示す本発明の実施形態と従来の同時昇温方式と比較すると、加熱区間CH1が最終目標温度SV1に到達しかつ加熱区間CH2が最終目標温度SV2に到達して昇温完了する時点Gtは、従来の同時昇温方式での加熱区間CH1が最終目標温度SV1に到達しかつ加熱区間CH2が最終目標温度SV2に到達して昇温完了する時点Gpに比べて、時間TSだけ時間短縮をすることができる。これにより、成形機10の立ち上げ動作を早めることができる。
【0052】
(第2の実施形態)
次に、図2と図4を参照して、図1に示す成形機10を用いて実施される本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態について、詳しく説明する。
【0053】
本発明の第2の実施形態では、図1に示す成形機10を用い、図2に示す本発明の成形機の自動昇温制御方法の好ましい実施形態の工程例を用いる。図4は、本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態の工程を示すフロー図である。図4に示す本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態の工程を示すフローは、ステップS21〜ステップS32を有している。この例も、動作フローの途中において、加熱区間CH2がマスター区間(マスターゾーン)に設定され、加熱区間CH1がスレーブ区間(スレーブゾーン)に設定される場合を示している。
【0054】
図4において、昇温制御を開始すると、ステップS21では、図1に示す温度制御部19が同時昇温モードになっているかどうかを判断して、同時昇温モードになっていればステップS22に移る。
【0055】
図4のステップS22では、図2に示すように、加熱区間CH1の目標温度を図2に示す仮の目標温度HV1に予め設定して、加熱区間CH2の目標温度を図2に示す仮の目標温度HV2に予め設定する。また、加熱区間CH1の個別昇温開始時温度はPV01で示し、加熱区間CH2の個別昇温開始時温度はPV02で示している。
【0056】
図4のステップS23では、加熱区間CH1の現在温度PV1が、加熱区間CH1の仮の目標温度HV1以上であるかどうかを判断するとともに、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の仮の目標温度HV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の仮の目標温度HV1に到達したかどうか、そして加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の仮の目標温度HV2に到達したかどうかを判断する。ステップS23において、加熱区間CH1の現在温度PV1≧加熱区間CH1の仮の目標温度HV1に達し、加熱区間CH2の現在温度PV2≧加熱区間CH2の仮の目標温度HV2に達して、全加熱区間(全ゾーン)が仮の目標温度に到達した場合には、ステップS24に移る。なお、全区間(全ゾーン)が仮の目標温度にまだ到達していない場合には、ステップS30において図2に示すように、先に仮の目標温度へ到達した加熱区間CH1は、この仮の目標温度HV1を保持した状態で待機させる。
【0057】
次に、図4のステップS24では、図2に示す個別昇温期間D1の様子から最終目標温度到達に最も時間が掛かる(最も遅い)と予想される加熱区間CH2をマスター区間(マスターゾーン)に設定する。すなわち、個別昇温期間D1の様子では、温度データ線L2が温度データ線L1に比べて最終目標温度到達に最も時間が掛かると予想されるので、加熱区間CH2をマスター区間に設定し、加熱区間CH1をスレーブ区間(スレーブゾーン)に設定する。
【0058】
ここで、加熱区間CH1が仮の目標温度HV1への到達に要した時間をt1とし、加熱区間CH2が仮の目標温度HV2への到達に要した時間をt2とし、加熱区間CH1の目標到達予測時間をT1とし、加熱区間CH2の目標到達予測時間をT2とすると、
加熱区間CH1の目標到達予測時間T1=(SV1−HV1)/{(HV1−PV01)/t1}であり、加熱区間CH2の目標到達予測時間T2=(SV2−HV2)/{(HV2−PV02)/t2}である。ただし、T1<T2と仮定する。
【0059】
図4のステップS25に移ると、加熱区間(スレーブ区間)CH1と加熱区間(マスター区間)CH2を同時に昇温することを開始して、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達しているかどうかを判断する。加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達していない場合には、ステップS26に移る。
【0060】
ステップS26では、下式で計算した目標温度を、加熱区間CH1の目標温度とする。
【0061】
HV1+((SV1−HV1)/(SV2−HV2))×(PV2−HV2)
また、加熱区間CH2の目標温度を最終目標温度SV2とする。
【0062】
次に、図4のステップS27では、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の最終目標温度SV1以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH1が最終目標温度SV1に到達したかを判断して、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の最終目標温度SV1に到達していなければステップS29において、図1に示す温度制御部19は加熱区間CH1、加熱区間CH2それぞれの目標温度でヒータ制御部18をコントロールして、ステップS25に戻ってステップS25以降のステップを実行する。
【0063】
また、ステップS27において、加熱区間CH1の現在温度PV1が加熱区間CH1の最終目標温度SV1に到達していれば、ステップS28に移る。ステップS28では、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2以上であるかどうかを判断する。すなわち、加熱区間CH2は最終目標温度SV2に到達したかどうかを判断して、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達していなければステップS29に移り、図1に示す温度制御部19は加熱区間CH1、加熱区間CH2それぞれの目標温度でヒータ制御部18をコントロールして、ステップS25に戻ってステップS25以降のステップを実行する。また、ステップS8では、加熱区間CH2の現在温度PV2が、加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達していれば、昇温制御を終了する。
【0064】
一方、ステップS25において、加熱区間CH2の現在温度PV2≧加熱区間CH2の最終目標温度SV2である場合、すなわち、加熱区間CH2の現在温度PV2が加熱区間CH2の最終目標温度SV2に到達している場合には、ステップS31において、加熱区間CH1の最終目標温度SV1を加熱区間CH1の目標温度にして、ステップS27に移る。その後は、ステップS27以降のステップを実行する。
【0065】
また、ステップS21において、同時昇温モードでない場合には、ステップS32において、加熱区間CH1の目標温度を加熱区間CH1の最終目標温度SV1とし、加熱区間CH2の目標温度を加熱区間CH2の最終目標温度SV2として、ステップS27に移り、ステップS27以降のステップを実行する。
【0066】
ここで、図2と図4を参照して、本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態の特徴をさらに詳しく説明する。
【0067】
上述した本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態では、事前に加熱区間CH1、CH2に対してマスター区間とスレーブ区間を決めておく必要は無く、図3に示す自動昇温制御フローのステップS4において加熱区間CH2、CH1に対してマスター区間とスレーブ区間を設定するようにしている。
【0068】
図2に示す個別昇温期間D1においては、実線で示す温度データ線L1で示すように、加熱区間CH1が昇温開始時温度PV01から昇温を開始して仮の目標温度HV1に向かってフルに加熱される。加熱区間CH2は、実線で示す温度データ線L2で示すように、昇温開始時温度PV02から昇温を開始して仮の目標温度HV2に向かってフルに加熱される。このように、図1の温度制御部19がヒータ制御部18に指令を与えることで、加熱区間CH1と加熱区間CH2は、それぞれ個別に昇温される。
【0069】
そこで、図4に示す自動昇温制御フローのステップS24において、仮の目標温度から最終目標温度への到達が一番遅いと予測される加熱区間(ゾーン)をマスター区間(マスターゾーン)と設定し、その他の加熱区間(ゾーン)は、スレーブ区間(スレーブゾーン)と設定する。すなわち、加熱区間CH2をマスター区間に設定し、加熱区間CH1をスレーブ区間に設定する。
【0070】
そして、加熱区間CH1が仮の目標温度HV1に到達し、加熱区間CH2が仮の目標温度HV2に到達し、マスター区間が決まったら、以後は、同時昇温オン期間Dsでは、マスター区間である加熱区間CH2の昇温に合わせて加熱区間CH1を最終目標温度SV2へ向かって同時昇温を行う。同時昇温オン期間Dsにおいて、加熱区間CH1は仮の目標温度HV1から改めて真の最終目標温度SV1に向かって加熱され、加熱区間CH2は仮の目標温度HV2から改めて真の最終目標温度SV2に向かって加熱されるが、この際にはスレーブ区間である加熱区間CH1は、マスター区間である加熱区間CH2の目標設定温度到達率(昇温到達度合い)に合わせて昇温(同時昇温)するようにしている。
【0071】
これに対して、図2に示す従来の同時昇温による場合には、破線で示す温度データ線R1、R2で示すように、スレーブ区間は昇温開始時温度PV01からマスター区間の目標設定温度到達率に合わせて最終目標温度SV1まで昇温しているだけである。
【0072】
本発明の成形機の自動昇温制御方法の第2の実施形態では、昇温開始直後では、加熱区間CH2よりも昇温能力が高い加熱区間CH1を、加熱区間CH2の昇温度合いには合わせずに、加熱区間CH2と加熱区間CH1の個別の能力をフルに使っている。このため、加熱区間CH1は、個別昇温期間D1の終了時に、設定した仮の目標温度HV1まで早い時間で到達する。また、加熱区間CH2と加熱区間CH1は、ともに図1に示す1本のバレル部(加熱シリンダ11)上に存在しており、温度の高い場所から低い場所へ熱が移動するので、加熱区間CH1が早く昇温すればするほど、加熱区間CH1から加熱区間CH2への熱の流入量が増える。
【0073】
このように加熱区間CH1が早く昇温すればするほど、加熱区間CH1から加熱区間CH2への熱の流入量が増えるので、図2に示す本発明の実施形態と従来の同時昇温方式と比較すると、加熱区間CH1が最終目標温度SV1に到達しかつ加熱区間CH2が最終目標温度SV2に到達して昇温完了する時点Gtは、従来の同時昇温方式での加熱区間CH1が最終目標温度SV1に到達しかつ加熱区間CH2が最終目標温度SV2に到達して昇温完了する時点Gpに比べて、時間TSだけ時間短縮をすることができる。これにより、成形機10の立ち上げ動作を早めることができる。
【0074】
本発明の上記実施形態では、複数の加熱区間(加熱ゾーン)を同時に昇温する際にそれぞれの加熱区間に予め仮の目標温度を設定して昇温させ、仮の目標温度に到達した時点で複数の加熱区間の中からマスター区間を選択して、マスター区間以外の加熱区間をスレーブ区間と設定する。そして、仮の目標温度到達以降で最終の目標温度までの昇温では、マスター区間の目標設定温度到達率(昇温到達度合い)に基づき、マスター区間とスレーブ区間を昇温制御するようになっている。このように、本発明の上記実施形態では、各加熱区間に対して予め仮の目標温度を設定しておくことで、従来のようにセルフチューニングにより予め各加熱区間の昇温データを採取してマスター区間を予め決めておく事前作業の必要がない。そして、本発明の上記実施形態では、各加熱区間は、それぞれ仮の目標温度へ向かって個別に昇温するので、マスター区間の昇温度合いには合わせずに各加熱区間の個別の能力をフルに使えるために、仮の目標温度まで早く到達する。
【0075】
また、マスター区間とスレーブ区間はともに1本のバレル部(シリンダ部)上に存在し、温度の高い加熱区間から温度の低い加熱区間へ熱が移動するので、スレーブ区間が早く昇温すればするほど、スレーブ区間からマスター区間への熱の流量が増えて、マスター区間の昇温時間が短縮される。よって、本発明の実施形態は、従来技術よりも昇温時間を短縮できる。
【0076】
本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形をおこなうことができる。
【0077】
なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0078】
図1に示す成形機10は、一例として5つのヒータH1〜H5と5つの温度センサー12〜16の組み合わせ例を示しているが、これに限らず、2つのヒータと2つの温度センサーの組み合わせ、3つのヒータと3つの温度センサーの組み合わせ、4つのヒータと4つの温度センサーの組み合わせ、あるいは6つ以上のヒータと6つ以上の温度センサーの組み合わせを採用することもできる。成形機としては、射出成形機や押出成形機であっても良い。
【符号の説明】
【0079】
10 成形機
11 加熱シリンダ(バレル部)
12〜16 温度センサー
17 温度計測部
18 ヒータ制御部
19 温度制御部
21 目標温度記憶域
27 スクリュー
H1〜H5 ヒータ
Z1〜Z5 加熱域
CH1 加熱区間(スレーブ区間(スレーブゾーン)としての加熱ゾーン)
CH2 加熱区間(マスター区間(マスターゾーン)としての加熱ゾーン)
SV1 加熱区間CH1の最終目標温度
SV2 加熱区間CH2の最終目標温度
PV1 加熱区間CH1の現在温度
PV2 加熱区間CH2の現在温度
PV01 加熱区間CH1の昇温開始時温度
PV02 加熱区間CH2の昇温開始時温度
D1 同時昇温オフ期間(個別昇温期間)
D2 個別昇温期間
Ds 同時昇温オン期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機のバレル部を複数に分割した加熱ゾーンで加熱する際に前記加熱ゾーンの昇温を制御する成形機の自動昇温制御方法であって、
前記加熱ゾーン毎に設けたヒータと、前記加熱ゾーン毎に設けた温度センサーと、前記温度センサーからの入力を行う温度計測部と、前記ヒータの制御を行うヒータ制御部と、前記ヒータの目標温度を設定して記憶する目標温度設定部と、前記温度計測部が計測した前記加熱ゾーンの温度と、前記目標温度設定部で記憶した前記目標温度により、前記ヒータの温度制御を行う温度制御部と、を備え、
複数の前記加熱ゾーンを同時に昇温する際に各前記加熱ゾーンに仮の目標温度を設定して昇温させ、前記仮の目標温度に到達した時点で複数の前記加熱ゾーンの中からマスターゾーンを選択して、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンをスレーブゾーンとして、前記仮の目標温度到達以降で最終の前記目標温度までの昇温では、前記マスターゾーンの昇温到達度合いに基づき前記マスターゾーンと前記スレーブゾーンを昇温制御することを特徴とする成形機の自動昇温制御方法。
【請求項2】
前記マスターゾーンを選択する際に、複数の前記加熱ゾーンの中で温度上昇率が最も低い前記加熱ゾーンを前記マスターゾーンとし、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンを前記スレーブゾーンとすることを特徴とする請求項1に記載の成形機の自動昇温制御方法。
【請求項3】
前記マスターゾーンを選択する際に、複数の前記加熱ゾーンの中で前記仮の目標温度から最終の前記目標温度への到達が一番遅いと予測される前記加熱ゾーンを前記マスターゾーンとし、前記マスターゾーン以外の前記加熱ゾーンを前記スレーブゾーンとすることを特徴とする請求項1に記載の成形機の自動昇温制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−230381(P2011−230381A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102939(P2010−102939)
【出願日】平成22年4月28日(2010.4.28)
【出願人】(000003458)東芝機械株式会社 (843)
【Fターム(参考)】