説明

成膜方法およびスパッタリング装置

【課題】スパッタリング法により、不連続被膜を形成する。
【解決手段】真空槽内で基板とターゲットとを対向させ、スパッタリング法により、前記基板上に成膜処理をする成膜方法であって、前記ターゲットの表面温度が常温よりも所定温度以上になるように制御し、前記ターゲットの表面温度を所定温度としない場合に比べ、高抵抗な被膜を前記基板上に成膜する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法に関し、具体的には、スパッタリング法による成膜方法およびスパッタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板上に薄膜を形成する成膜方法として、真空蒸着法やスパッタリング法がある。真空蒸着法では、るつぼ、蒸着ボート等に原料を供給して、真空中で原料を蒸発させることにより基板上に薄膜を形成する。一方、スパッタリング法では、ターゲットをスパッタリングすることによりターゲットから飛遊する粒子を基板上に堆積させ、基板上に薄膜を形成する。
【0003】
これらの成膜法では、膜成分が同じであっても、膜質が異なることが知られている。例えば、金属薄膜については、スパッタリング法よりも真空蒸着法のほうが不連続被膜を形成し易いと言われている(例えば、特許文献1参照)。このため、不連続被膜を意図的に形成するには、一般的にスパッタリング法よりも真空蒸着法を選択する傾向にある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−138270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、真空蒸着法は、膜厚の微妙な制御がスパッタリング法に比べて難しい。また、真空蒸着装置は、バッチ式が主流であり、量産性に優れない。
本発明の目的は、スパッタリング法によって、不連続被膜を容易に形成する成膜方法およびスパッタリング装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、真空槽内で基板とターゲットとを対向させ、スパッタリング法により、前記基板上に成膜をする成膜方法であって、前記ターゲットの表面温度が常温よりも高い所定温度になるように制御し、前記ターゲットの表面温度を前記所定温度としない場合に比べ、高抵抗な被膜を前記基板上に形成することを特徴とする成膜方法が提供される。
【0007】
また、本発明の一態様によれば、上記成膜方法を可能にするスパッタリング装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、スパッタリング法により、不連続被膜が容易に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】成膜装置の要部断面図である。
【図2】成膜装置のブロック図である。
【図3】膜質の変化を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。まず、成膜方法を説明する前に、本実施の形態に係る成膜装置について説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、成膜装置の要部断面図である。図1(a)には、成膜装置1の全体が示され、図1(b)には、成膜装置1に取り付けられた対向電極30近傍の拡大図が示されている。先ず、図1(a)により、成膜装置1の概要について説明する。
【0012】
成膜装置1は、スパッタ装置であり、真空槽10と、支持台20と、対向電極30と、を備えている。また、支持台20および対向電極30を除く真空槽10の内壁上には、防着板11が取り付けられている。これ以外に、成膜装置1には、真空槽10内に各種ガスを供給するための供給管、真空槽10内の雰囲気を排気するための排気管が設けられている(図示しない)。支持台20上には、シャッタ60が設けられている。
【0013】
真空槽10は、減圧状態を維持する、いわゆる真空容器である。真空槽10の底面には、支持台20が設けられ、真空槽10の上面の直下には、対向電極30が設けられている。
支持台20と対向電極30とは、対向するように配置されている。支持台20は、真空槽10内で処理される基板50を保持することができる。対向電極30は、放電用の電極である。
【0014】
防着板11は、例えば、平面板をもとに作製された着脱可能な交換部品であり、真空槽10内に取り付けたり、真空槽10から取り出したりすることができる。このような防着板11を真空槽10の内壁に取り付けることにより、スパッタ粒子が直接、真空槽10の内壁に堆積するのを防ぐことができる。
【0015】
真空槽10および防着板11の材質は、例えば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム(Al)等の金属が該当する。また、真空槽10、防着板11および支持台20は、接地されている。
【0016】
続いて、図1(b)により、対向電極30の構造について説明する。
対向電極30は、例えば、支持台20側に対向するターゲット30tと、ターゲット30tを加熱する加熱機構30hと、ターゲット30tを冷却する冷却機構30cと、を有する。
【0017】
加熱機構30h内には、例えば、電熱線と温度センサとが設けられている(図示しない)。冷却機構30c内には、例えば、媒体流路30chが形成されている。媒体(例えば、水、有機溶剤、有機物含有水、伝熱ガス)は、矢印Aから流入され、媒体流路30ch内を流れ、矢印Bのように媒体流路30chから放出することができる。これにより、加熱機構30hから発せられる熱量と、冷却機構30cへの放熱が調整されて、ターゲット30tの表面温度が調整される。
【0018】
また、ターゲット30tの表面温度は、加熱機構30hを使用せず、放電中の自発的な温度上昇と、媒体の温度との調整によって制御してもよい。例えば、媒体温度は、外付けの温度調節器により、常温よりも低い温度に設定することができる。また、加熱機構30hを用いずとも、媒体の温度を常温(例えば22℃)よりも高く設定することにより、ターゲット30tの表面温度を常温よりも高く設定することができる。
【0019】
加熱機構30hは、絶縁材で覆われている。これにより、加熱機構30hとターゲット30tとの絶縁、あるいは、加熱機構30hと冷却機構30cとの絶縁が確保されている。また、対向電極30の裏面側には、マグネトロンスパッタリングを行うために、磁石を設けてもよい(図示しない)。
【0020】
対向電極30には、絶縁部材31を介して電源32が接続されている。電源32は、直流電源であってもよく、高周波電源(RF電源)でもよい。また、対向電極30の側面と、防着板11との間隙によって、対向電極30の側面と、防着板11との間にシース厚みが形成されている。これにより、この間隙でのプラズマ発生が抑制される。
【0021】
なお、温度センサを設ける場所は、加熱機構30h内とは限らず、冷却機構30c内に設けてもよい。ターゲット30tの表面温度は、放射温度計で計測してもよい。
【0022】
これらのターゲット30tの温度調整機構を有する成膜装置1を、さらに詳細に説明するために、図2に成膜装置のブロック図を示す。
【0023】
成膜装置1は、上述した電源32、冷却機構30cに相当する冷却手段33、加熱機構30hに相当する加熱手段34を有する。さらに、成膜装置1は、真空槽10内にガスを供給するためのガス供給源36、流量調整器35を有する。ガス供給源36については複数設けてもよい。
【0024】
これらの電源32、冷却手段33、加熱手段34、流量調整器35は、成膜装置1に設けられた制御部(コントローラ)40により制御されている。
【0025】
例えば、計測部40aは、真空槽10内の圧力、印加電力(電圧、電流、印加時間)、ターゲット30tの温度、冷却手段33の設定温度、加熱手段34の設定温度、ガス流量、およびガス種を検知する。また、温度制御部40bは、冷却手段33および加熱手段34を制御する。これにより、ターゲット30tの表面温度が所定の温度に設定される。また、放電制御部40cは、電源32を制御する。これにより、印加電力(電圧、電流、印加時間)が制御される。さらに、ガス制御部40dは、例えば、帰還制御により真空槽10内の圧力、ガス流量を制御する。また、複数の種類のガス種が設けられている場合は、必要とするガス種を選択制御する。
【0026】
ターゲット30tの表面温度は、冷却手段33および加熱手段34の温度を制御して調整するほか、真空槽10内のガス圧、ガス種、ターゲット30tへの印加電力、ターゲット30tへの電力印加時間を含む成膜条件によっても調整される。冷却手段および加熱手段の設定温度と、上述した成膜条件と、ターゲット30tの表面温度との相関関係は、予め実験等により求められている。これら相関関係は、関係テーブルとして記憶部40eに格納されている。
【0027】
このように、本実施の形態に係る成膜装置1は、ターゲット30tの表面温度と、媒体もしくは加熱手段の設定温度と、真空槽10内のガス圧、ガス種、ターゲット30tへの印加電力、ターゲット30tへの電力印加時間を含む成膜条件と、ターゲット30tの材質および形状(径、厚み、縦横比)と、の関係を予め求め、この関係からターゲット30tの表面温度が所望温度になるように制御する。
【0028】
また、相関関係は、基板50の材質、形状によっても補正される。例えば、ターゲット30t、基板50の材質(半導体、ガラス、樹脂等)に応じた換算表が記憶部40eに格納されている。
なお、入力部40fからは、必要に応じて記憶部40eにデータの入力をすることができる。
【0029】
このような成膜装置1により、ターゲット30tの表面温度は、成膜中、非成膜中に係わらず、所望の温度に調整される。
【0030】
なお、支持台20と対向電極30とが設けられる場所は、図1(a)に示す位置に限らず、支持台20と対向電極30とを上下逆にして配置してもよい。あるいは、支持台20と対向電極30とを真空槽10の側面に設け、それぞれを対向させてもよい。
【0031】
ターゲット30tの材質は、基板50上に形成する被膜の成分により決定される。例えば、基板50上に形成する被膜が錫(Sn)、インジウム(In)、銀(Ag)、これら少なくともいずれかを含む合金または酸化物などからなる被膜である場合には、ターゲット30tは、これらの金属成分、合金成分を含む金属で構成されている。
【0032】
次に、成膜装置1を用いた成膜方法について説明する。
先ず、成膜を行う前に、成膜装置1の予備運転を行う。予備運転では、シャッタ60を閉じ、基板を覆った状態で、冷却機構30cに媒体を流し、加熱機構30hを駆動する。また、所定の条件下でプラズマ放電がなされる。この際、上述した帰還制御により、ターゲット30tの表面温度が所定の温度に調整される。この温度は、例えば、常温からターゲット30tの融点までの範囲で設定される。
【0033】
ターゲット30tと加熱機構30hとの界面、あるいは加熱機構30hと冷却機構30cとの界面に、接着部材(例えば、In(インジウム))が設けられている場合は、ターゲット30tの表面温度は、常温から接着部材の融点までの範囲で設定してもよい。
【0034】
加熱機構30hによって充分な熱量が確保できれば、予備運転を省略してもよい。また、シャッタ60を配置せずとも、ダミー基板を用いることにより、予備運転は実行可能である。さらに、温度設定については、ターゲット30tおよび接着部材、その他の部材において、最も融点の低い部材の融点を上限としてもよい。
【0035】
ターゲット30tの表面温度が安定したら、予備運転を終わらせ、シャッタ60を開く。すなわち、成膜を開始する。そして、基板50上に所定の厚みの被膜が堆積したら、成膜を終了する。
【0036】
このように、本実施の形態では真空槽10内に設けられた対向電極30に電力を供給し、真空槽10内にプラズマを発生させ、対向電極30に対向する基板50上にターゲット成分を堆積させる。そして、ターゲット30tの表面を常温以上に加熱しながらスパッタ成膜を行うことができる。
【0037】
次に、ターゲット30tの表面を常温以上に加熱してスパッタ成膜した場合と、ターゲット30tの表面を常温以上に加熱しないでスパッタ成膜した場合で、膜質がどのように変化するかを説明する。以下の説明では、錫(Sn)膜を例に説明する。但し、本実施の形態では、錫膜を形成する方法に限られるものではない。
【0038】
図3は、膜質の変化を説明する図である。
まず、図3の横軸は、成膜処理の順番(回目)であり、縦軸は、被膜のシート抵抗(Ω/□)である。成膜条件は、以下の通りである。
【0039】
(成膜条件)
雰囲気ガス:アルゴン(Ar)
圧力:0.5Pa
放電時間:160秒
ターゲット:錫(Sn)ターゲット、3インチ径
放電パワー:約300W
膜厚:250nm
ターゲット媒体温度:5℃、22℃(常温)、50℃
なお、成膜処理毎に、新規の基板が準備され、この基板上に略同じ厚みの被膜が形成される。また、各成膜処理の間には、例えば、10分間の休止時間が設けられる。
【0040】
最初に、コールドスタートと呼ばれる、上述した予備運転なしで成膜処理を開始する場合の結果について説明する。
【0041】
まず、ターゲット30tの表面を常温以上に加熱しない場合(媒体温度:22℃)では、1回目〜4回目の成膜で、錫(Sn)膜のシート抵抗は、1.0×10(Ω/□)以下に止まっている。5回目の成膜で、錫膜のシート抵抗は、2.3×10(Ω/□)程度である。また、6回目の成膜でも、錫膜のシート抵抗は、1.6×10(Ω/□)程度である。このように、ターゲット30tの表面を常温以上に加熱しない場合は、錫膜のシート抵抗が低い傾向にある。
【0042】
これに対して、ターゲット30tの表面を加熱した場合(媒体温度:50℃)では、1回目の成膜で、すでに錫膜のシート抵抗は、2.6×10(Ω/□)程度になる。そして、2回目の成膜で、錫膜のシート抵抗は、2.5×1011(Ω/□)程度にまで増加する。
【0043】
次に、ホットスタートと呼ばれる予備運転ありでの成膜処理を開始する結果について説明する。予備運転は、上述した成膜条件で、例えば、30分間の連続放電を行っている。また、ターゲット30tは、媒体によって加熱されている(媒体温度:50℃)。
【0044】
ホットスタートでは、1回目の成膜で、錫膜のシート抵抗は、すでに、2.5×1011(Ω/□)程度になる。そして、2回目、3回目の成膜は休止し、4回目の成膜を試みると、錫膜のシート抵抗は、5.0×1012(Ω/□)程度にまで増加する。ここで、ホットスタートでの「休止」では、放電は行わず、媒体(50℃)の循環を実行している。さらに、5回目〜10回目までの成膜を休止し、11回目の成膜を試みると、錫膜のシート抵抗は、9.9×1010(Ω/□)程度を維持する。
【0045】
このように、コールドスタートおよびホットスタートのいずれの場合においても、ターゲット30tの温度がより高温になるほど、錫膜のシート抵抗が高くなることがわかった。
【0046】
また、ターゲット30tの表面温度がより高温になるほど、予備運転後の休止時間によって、錫(Sn)膜の抵抗率は、影響を受け難くなることがわかった。
【0047】
これらの理由は、ターゲット30tの表面温度がより高温になるほど、基板50上に堆積させる被膜の凝集性が高まり、被膜が基板50の主面と略平行な方向において不連続(島状)になり易くなるためと考えられる。すなわち、本実施の形態によれば、スパッタリング法で基板50上に不連続被膜を容易に形成することができる。換言すれば、ターゲット30tの表面温度により、基板50上に形成する被膜の電気的特性(例えば、シート抵抗、抵抗率等)を制御することができる。
【0048】
また、スパッタリング法は、真空蒸着法よりも膜厚の制御が容易であり、より緻密な被膜を形成できる。また、スパッタリング装置は、インライン型の装置に組み込むことができ、真空蒸着法よりも量産性に優れる。
【0049】
このように、ターゲット30tを加熱することにより、基板50上に形成される被膜の抵抗は、ターゲット30tを加熱しない場合に比べ上昇する。ターゲット30tは、対向電極30内に流れる媒体の温度を上昇させることにより加熱される。すなわち、スパッタリング法によって、高い生産性をもって高抵抗且つ高密度の被膜を容易に形成できる。
【0050】
また、このような不連続被膜は、金属性が薄れ、絶縁性に近づく。これにより、不連続被膜は、電波(例えば、数MHz〜数GHz)を通し易くなり、携帯電話、車載用レーダ等の装飾用被膜に用いることができる。
【0051】
このような効果は、被膜の材料として錫を用いた場合だけでなく、例えば、インジウム(In)、銀(Ag)、錫とインジウムと銀の少なくともいずれかを含む合金、錫とインジウムと銀の少なくともいずれかを含む酸化物、のいずれかを被膜の材料として用いた場合も同様に得ることか可能である。
【0052】
ところで、基板温度を制御(上昇)することによっても不連続被膜が形成されることが知られている(例えば、特開2001−26071号公報、特開2003−289005号公報参照)。しかし、このような方法では、基板を加熱する手段が複雑になる場合がある。
【0053】
例えば、基板50の径に対して小さいターゲット30tを使用する場合には、膜厚の不均一性を是正するために支持台20を回転させながら成膜を行う場合もある。このような場合、支持台20は、加熱手段のほか、回転手段を備える必要があり、その機構が複雑になる。また、不連続被膜を均一に基板50上に形成するには、基板面内における温度制御もしなければならず、その制御手段は複雑になる。
【0054】
しかしながら、本実施の形態では、ターゲット30tの表面温度を調整するだけで、簡便に不連続被膜を基板50上に形成することができる。
【0055】
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本実施の形態はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、以上の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、ターゲット30tの加熱に関しては、加熱ランプから発せられる光をターゲット30tに照射してもよい。また、前述した各具体例が備える各要素およびその形成、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
【0056】
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて複合することができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
その他、本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものも含まれる。
【符号の説明】
【0057】
10 真空槽
11 防着板
20 支持台
30 対向電極
30ch 媒体流路
30c 冷却機構
30h 加熱機構
30t ターゲット
31 絶縁部材
32 電源
33 冷却手段
34 加熱手段
35 流量調整器
36 ガス供給源
40 制御部
40a 計測部
40b 温度制御部
40c 放電制御部
40d ガス制御部
40e 記憶部
40f 入力部
50 基板
60 シャッタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空槽内で基板とターゲットとを対向させ、スパッタリング法により、前記基板上に成膜をする成膜方法であって、
前記ターゲットの表面温度が常温よりも高い所定温度になるように制御し、
前記ターゲットの表面温度を前記所定温度としない場合に比べ、高抵抗な被膜を前記基板上に形成することを特徴とする成膜方法。
【請求項2】
前記被膜を前記基板上に形成する前に、前記ターゲットの表面温度を前記所定温度に調整することを特徴とする請求項1記載の成膜方法。
【請求項3】
前記被膜は、不連続被膜であることを特徴とする請求項1または2に記載の成膜方法。
【請求項4】
前記ターゲットを含む電極内に流れる媒体の温度を常温よりも高くする手段、もしくは加熱体によって前記ターゲットを加熱する手段により、前記ターゲットを加熱することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項5】
前記ターゲットの表面温度と、
前記媒体もしくは前記加熱体の設定温度と、前記真空槽内のガス圧、ガス種、前記ターゲットへの印加電力、前記ターゲットへの電力印加時間を含む成膜条件と、前記ターゲットの材質および形状と、の関係を求め、
前記関係から前記ターゲットの表面温度が前記所定温度になるように制御することを特徴とする請求項4記載の成膜方法。
【請求項6】
常温以上かつ前記ターゲットの材料の融点以下で前記ターゲットの表面温度を調整することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項7】
前記被膜は、錫(Sn)、インジウム(In)、銀(Ag)、これら少なくともいずれかを含む合金または酸化物よりなる群から選択されたいずれかからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の成膜方法。
【請求項8】
前記請求項1〜7のいずれか1つに記載の成膜方法を可能にすることを特徴とするスパッタリング装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−67331(P2012−67331A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−210830(P2010−210830)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】