説明

成膜方法及びその成膜装置

【課題】粒径のバラツキが大きい原料粉末を用いても、空隙の少ない緻密な堆積膜を成膜可能にすること。
【解決手段】網の目状に貫通孔が形成された平板に原料粉末を付着させ、前記平板に付着した前記原料粉末にガスを吹き付けて、前記原料粉末を形成する粒子と前記ガスを混合し、前記粒子を、真空中で前記ガスと共に基板に向かって噴射する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜方法及びその成膜装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、パーソナルコンピュータや携帯端末などの電子機器に対して、小型化、高機能化、多機能化への要求が高まっている。これらの要求を満たすためには、これらの電子機器を形成する半導体装置や電子部品を小型化・高機能化・多機能化するだけでは不十分であり、これら半導体装置や電子部品を搭載するプリント基板の小型化・高機能化・多機能化も必要である。
【0003】
そこで、金属やセラミックスをプリント基板内に埋め込んで、コンデンサやインダクタンス等の回路部品をプリント基板に集積化する複合化技術の研究・開発が進められている。
【0004】
しかし、プリント基板を形成する樹脂と、セラミックや金属は形成条件(成膜温度等)が大きく異なっている。このため、従来の成膜技術によって、プリント基板内に金属やセラミックスを埋め込むことには、種々の問題があった。
【0005】
これに対して、最近、衝撃固化現象を利用したエアロゾルデポジション(Aerosol Deposition;ASD)技術が注目されている。エアロゾルデポジション技術は、原料粉末(例えば、金属粉末)を浮遊粉塵(エアロゾル)化し、真空中で基板に吹き付けて堆積膜を形成する技術である。
【0006】
この技術によれば、室温に於いて、セラミックスや金属を成膜することが可能になる。
【0007】
また、メッキによる金属膜の形成のように、有害な廃液が発生することもない。すなわち、エアロゾルデポジション技術は、環境負荷が小さい成膜技術でもある。
【0008】
このため、エアロゾルデポジション技術は、セラミックスや金属の複合化を容易にする技術として期待されている。
【特許文献1】特開2006−82023号公報
【特許文献2】特開2007−231390号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、金属粉末等を形成する微粒子の粒径は必ずしも一定ではない。例えば、微粒子の平均粒径が0.5μmのチタン酸バリウム粉末の場合、0.9μm以上の粒径を持った粒子が10%程度存在している。
【0010】
このような大粒径の粒子を含む粉末をガスで加速して基板に吹き付けた場合、大粒径の粒子が堆積膜中に取り込まれ、その周囲に空隙が形成される。このため、緻密な膜の形成が阻害され、種々の問題が生じる。
【0011】
例えば、これらの空隙の密度が高くなると、空隙が互いに繋がって、堆積膜の上面から下面に至るパスが形成される。このよう堆積膜を誘電体層としてキャパシタを作製すると、堆積膜上に形成した金属が、空隙に侵入してリーク電流の原因となる。
【0012】
そこで、エアロゾルデポジッションに用いる原料粉末には、粉末にガスを吹き付けて、粒径の小さい微粒子だけを選別する分級処理が施される。ここで、粒径の選別には、微粒子の質量差が利用される。しかし、分級処理には、多くの手間とコストが必要である。
【0013】
そこで、本発明の目的は、分級処理が施されていない、粒径のバラツキが大きい原料粉末を用いても、空隙の少ない緻密な膜の形成が可能になる成膜方法及びその成膜装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために、本成膜方法は、網の目状に貫通孔が形成された平板に原料粉末を付着させる第1の工程と、前記平板に付着した前記原料粉末にガスを吹き付けて、前記原料粉末を形成する粒子と前記ガスを混合する第2の工程と、前記粒子を、真空中で前記ガスと共に基板に向かって噴射する第3の工程を具備する。
【発明の効果】
【0015】
本成膜方法によれば、粒径のバラツキが大きい原料粉末を用いても、空隙の少ない緻密な堆積膜を成膜することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
【0017】
図1は、本発明者が使用してきた、エアロゾルデポジション装置2の構成を説明する図である。図1を参照して、まず、本発明者が実施してきた成膜方法を説明する。尚、以後の説明では、図面が異なっても対応する部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0018】
成膜に使用するエアロゾルデポジション装置2は、成膜室4と、排気装置6と、エアロゾル発生装置8と、ガス供給装置10を具備している。ここで、エアロゾル発生装置8は、エアロゾル発生容器16と振動器20を具備している。
【0019】
エアロゾルデポジションは、この装置2を用いて、以下の手順に従って実施される。
【0020】
まず、エアロゾル発生容器16に原料粉末18を充填する。
【0021】
次に、成膜室4の内部を排気装置6によって排気する。
【0022】
次に、振動器20によって、エアロゾル発生容器16全体に振動を印加する。振動が加えられたエアロゾル発生容器16は、原料粉末18全体を振動させ攪拌する。
【0023】
次に、原料粉末18の攪拌を継続したまま、ガス供給装置10からエアロゾル発生容器16に圧縮ガスを導入する。すると、原料粉末18を形成する微粒子が圧縮ガスと混合され、圧縮ガス中が浮遊し始める。このようにして、原料粉末18が、エアロゾル化(浮遊粉塵化)される。
【0024】
この時、原料粉末18を形成する微粒子は、その粒径によらず、等しくエアロゾル化される。
【0025】
次に、配管58に設けた第3のバルブ86を開いて、このエアロゾルを、スリット状のノズル22から成膜室4に配置した基板14に向かって噴射する。
【0026】
成膜室は、排気装置6によって減圧されている。このため、エアロゾルを形成する微粒子は、音速程度の高速で基板14に向かって噴出する。ノズル22から噴出した微粒子は、基板14に衝突し、基板表面に固着する。
【0027】
上述したように、本発明者が実施してきた方法では、原料粉末18を形成する微粒子が、その粒径によらずエアロゾル化される。従って、分級処理が施されていない粉末をそのまま原料粉末として使用した場合、大粒径の粒子もエアロゾル化され基板14に衝突する。このため、堆積膜中に多くの空隙が発生して、緻密な膜の形成が阻害される。その結果、種々の不都合が発生する。
【0028】
例えば、このような堆積膜の上に電極を形成すると、電極を形成する金属が空隙に侵入して、電流パスを形成する。このため、漏れ電流が大きくなる。尚、堆積膜中の空隙は、例えば、走査電子線顕微鏡によって観測することができる。
【0029】
そこで、本実施の形態では、粒径の小さな微粒子を選び出してエアロゾルを形成する機能(以下、粒径選別機能と呼ぶ)を備えた、新規なエアロゾル発生装置によって、エアロゾルを生成し成膜を行う。
【0030】
−エアロゾル発生装置の構成−
図2は、本実施の形態で使用するエアロゾル発生装置24の構成を説明する断面図である。
【0031】
本実施の形態で使用するエアロゾル発生装置24は、原料粉末18を装填する容器26を具備している。また、エアロゾル発生装置24は、網の目状に貫通孔が形成された平板状の回転体28を具備している。
【0032】
図3は、回転体28の平面図である。図4は、回転体28のA−A線に於ける断面を矢印の方向から見た図である。
【0033】
回転体28は、例えば、金属製の円板30に貫通孔32が網の目状に形成された部材である。図3に示すように、回転体28は、同心円状の4つの領域に分割されている。最外周に位置する第1の領域34は、貫通孔が設けられていない平坦な領域である。第1の領域34の内側に隣接する第2の領域36には、貫通孔32が、網の目状に形成されている。第2の領域36の内側に隣接する第3の領域38は、貫通孔32が設けられていない平坦な領域である。第3の領域38の内側に隣接する第4の領域40は、回転体28の回転中心を含む領域である。
【0034】
第4の領域40は、平板30が刳り貫かれた領域である。この第4の領域40には、回転軸42が固定されている。この回転軸42には、駆動ユニット(図示せず)が接続されている。この駆動ユニットが回転軸42を回転させることによって、回転体28が回転する。
【0035】
更に、本エアロゾル発生装置24は、貫通孔32が形成された第2の領域36の一部分に向かって、ガスを噴射するガス噴射ユニット44を具備している(図2参照)。
【0036】
ガス噴射ユニット44は、例えば、筒状の部材である。そして、その先端46が、第2の領域36に面するように配置されている。
【0037】
この先端46とは反対側の端48には、配管56を介してガス供給装置10(図1参照)が接続される。ガス供給装置10は、ガス噴射ユニット44に圧縮ガスを供給する。そして、ガス噴射ユニット44は、先端部46が面している、回転体28の第2の領域36の一部分に向かって、上記圧縮ガスを噴射する。
【0038】
また、本エアロゾル発生装置24は、回転体28を挟んでガス噴射ユニット44に対向し、噴射された上記ガスが入射するガス受入ユニット50を具備している。
【0039】
ガス受入ユニット50は、例えば、筒状の部材である。そして、ガス受入ユニット50の先端52は、回転体28を挟んで、ガス噴射ユニット44の先端46に対向するように配置されている。従って、ガス噴射ユニット44が噴射する上記圧縮ガスは、この先端52からガス受入ユニット50に流入する。
【0040】
この先端52とは反対側の端54には、配管58を介して、成膜室4内にエアロゾル68を噴射するノズル22が接続されている(図1参照)。尚、ガス噴射ユニット44とガス受入ユニット50は、図2に示すように、同一直線状に配置されていることが好ましい。
【0041】
本エアロゾル発生装置24では、原料粉末18は、容器26を部分的に満たすように装填される。そして、回転体28は、このように原料粉末18を容器26に装填した際に、貫通孔32が形成された領域(第2の領域36)の下側が部分的に原料粉末18に埋もれるように配置されている。
【0042】
また、本エアロゾル発生装置24では、ガス噴射ユニット44は、上述したように原料粉末18を容器26に装填した際に、ガス噴射口62が原料粉末18に埋もれないように配置されている。
【0043】
また、本エアロゾル発生装置24では、ガス受入ユニット50は、上述したように原料粉末18を容器26に装填した際に、ガス受入口64が原料粉末18に埋もれないように配置されている。
【0044】
−エアロゾル発生装置の動作−
図5は、本実施の形態で使用するエアロゾル発生装置24の動作を説明する図である。
【0045】
エアロゾル発生装置24の容器26には、回転体28の、網の目状に貫通孔32が形成された領域(第2の領域36)の下側が埋もれるように、原料粉末18が部分的に充填される。
【0046】
すると、原料粉末18に埋もれた貫通孔33に、原料粉末18を形成する微粒子が侵入してくる。この時、粒径が小さな微粒子ほど、貫通孔33に入り込みやすい。このように貫通孔33に微粒子が侵入することによって、回転体28に原料粉末18が付着する。
【0047】
回転体28は、貫通孔32内に微粒子を取り込んだまま、ゆっくりと回転する(例えば、10回転/分)。貫通孔32内に取り込まれた微粒子は、回転の進行に従ってやがて、原料粉末18の外側に取り出される。この時取り出される微粒子は、大半が、貫通孔32に侵入しやすい、粒径の小さい粒子である。
【0048】
回転体28が更に回転すると、微粒子を取り込んだ複数の貫通孔32の一部は、ガス噴射ユニット44のガス噴射口62に対面する位置まで進む。すると、貫通孔内の微粒子は、ガス噴射ユニット44が噴射する圧縮ガス66に曝される。この時、貫通孔内に取り込まれていた微粒子は、圧縮ガスによって貫通孔から吹き飛ばされ、圧縮ガスと混合される。その結果、粒径の大きな微粒子を殆ど含まない、エアロゾル68が生成される。
【0049】
図6は、回転中の回転体28を、正面から見た図である。図6に示すように、回転体28には原料粉末が付着する。付着した原料粉末70には、圧縮ガスが吹き付けられ、エアロゾルが発生する。図6の破線で囲われた領域72は、圧縮ガスが吹き付けられている部分を表している。
【0050】
圧縮ガスが吹き付けられると、貫通孔は空になる。空になった貫通孔73は、回転体28の回転に従って更に回転し、再度、原料粉末18中に潜り込む。この時、再び貫通孔内に粒径の小さな微粒子が入り込む。
【0051】
以上の過程が繰り返されて、粒径の大きな粒子を殆ど含まないエアロゾルが生成される。
【0052】
このようにして生成されたエアロゾル68は、ガス受入口64からガス受入ユニット50に流入する(図5参照)。
【0053】
その後、エアロゾル68は、配管58を経由して真空に排気された成膜室4に導かれ、ノズル22から基板14に向かって噴射される。
【0054】
このように、本エアロゾル発生装置24は、回転体28に設けられた貫通孔によって原料粉末から粒径の小さい微粒子を選び出す。更に、本エアロゾル発生装置24は、この微粒子をガスと混合して、エアロゾルを生成する。従って、本エアロゾル発生装置24によれば、分級処理が施されていない、粒径のバラツキが大きい原料粉末から、粒径の大きな粒子を殆ど含まず、従って粒径バラツキが少ないエアロゾルを生成することができる。
【0055】
−成膜方法−
次に、上記エアロゾル発生装置24を使用した成膜方法の要部を説明する。尚、本成膜方法の詳細は、下記実施例1で説明する。
【0056】
本成膜方法で使用する成膜装置は、図1を参照して説明した、エアロゾルデポジション装置2のエアロゾル発生装置8を、上述したエアロゾル発生装置24で置き換えた装置である。
【0057】
まず、網の目状に貫通孔32が形成された平板(回転体28)に原料粉末18を付着させる(図5及び図6参照)。
【0058】
次に、上記平板(回転体28)に付着した原料粉末にガス66を吹き付けて、原料粉末18を形成する粒子とガス66を混合して、エアロゾル68を生成する。
【0059】
次に、上記粒子を、真空中(成長室4内)でガス66と共に基板14に向かって噴射する。
【0060】
この時、基板14に向かって噴射される粒子は、殆ど、貫通孔32によって選別された、粒径の小さな粒子である。従って、本成膜方法によれば、粒径のバラツキが大きい原料粉末から、空隙の少ない緻密な堆積膜を形成することができる。
【実施例1】
【0061】
(1)成膜装置
図7は、本実施例で使用する成膜装置74の構成を説明する図である。
【0062】
本成膜装置74は、図2乃至図6を参照して説明したエアロゾル発生装置24を具備している。エアロゾル発生装置24の構成及び動作は、上述した通りである。尚、本実施例の回転体28の直径は約5cmである。また、回転体28の厚さは、約10μmである。
【0063】
回転体28は、回転軸42に着脱可能なように形成されている。本実施例では、貫通孔32の形状が正方形であり、その一辺の長さが3μm及び2μmの2種類の回転体を使用する。また、本成膜装置74は、成膜室4を具備している。成膜室4は、エアロゾル発生装置24で生成されたエアロゾル68が吹き付けられる基板14を保持する基板ホルダー(ステージ12)を有している。また、成膜室4は、エアロゾル68を噴射するノズル22を有している。このノズル22は、配管58によって、エアロゾル発生装置24のガス受入ユニット50に接続されていれる。
【0064】
また、本成膜装置74は、成膜室4を排気する排気装置6を具備している。
【0065】
排気装置6は、ブースターポンプ76と真空ポンプ78を具備している。尚、排気装置6は、成膜室4を排気するだけでなく、配管60を通して、エアロゾル発生装置24も排気する。
【0066】
更に、本成膜装置74は、エアロゾル発生装置24に、圧縮ガスを供給するガス供給装置10(例えば、ガスボンベ)を具備している。ガス供給装置10は、配管56によって、エアロゾル発生装置24のガス噴射ユニット44に接続されている。ガス噴射ユニット44に供給される圧縮ガスの流量は、配管56の途中に設けられたマスフローメータ(図示せず)によって計測される。
【0067】
(2)成膜方法
まず、樹脂製の基板14を基板ホルダ(ステージ12)に固定する。
【0068】
次に、原料粉末を用意する。原料粉末には、アトマイズ法で製造した銅粉末(日本アトマイズ株式会社製;HXR-Cu3.5)を使用する。原料粉末の平均粒径は、3.8μmである。原料粉末の最大粒径(粒径0μmから累積した粒子数が、全粒子数の90%になる粒径)は、6.4μmである。原料粉末の最小粒径(粒径0μmから累積した粒子数が、全粒子数の10%になる粒径)は、1.6μmである。尚、粉末の粒径は、シマズ社製遠心粒径測定装置(製品番号;SA-CP3)を用いて、遠心分離沈降法によって測定した(以下の実施例でも、同じである。)。
【0069】
次に、この銅粉末を約80度に加熱しながら、30分間真空脱気する。この前処理によって、粉末表面に吸着した水分を除去する。
【0070】
次に、エアロゾル発生装置24の容器26に、上記前処理を施した銅粉末(原料粉末18)を充填する。この時、回転体28の下側が部分的に銅粉末に埋ように、銅粉末を容器26の途中まで充填する。一方、ガス噴射ユニット44の噴射口62とガス受入ユニット50のガス受入口64は銅粉末に埋まらないようにする。
【0071】
その後、エアロゾル発生装置24を排気する。排気中は、エアロゾル発生装置24と排気装置6を接続する、配管60に設けられた第1のバルブ82を開いて行う。
【0072】
この時、ガス供給装置10をエアロゾル発生装置24に接続する、配管56に設けられた第2のバルブ84は、閉じられている。また、エアロゾル発生装置24を成膜室4に接続する配管58に設けられた第3のバルブ86も、閉じられている。排気終了後、第1のバルブ82は、閉じられる。
【0073】
次に、成膜室4を、排気装置6によって真空に排気し、10Pa以下に減圧する。
【0074】
次に、回転体28の回転を開始する。回転速度は、10回転/分である。
【0075】
この時、回転体28の下側は、銅粉末(原料粉末18)に部分的に埋もれ、銅粉末(原料粉末18)に接触している。このため、銅粉末を形成する銅粒子が、回転体28の貫通孔32に侵入し、回転体28に付着する。この際、粒径の小さな銅粒子が、優先的に貫通孔に侵入し、回転体28に付着する。
【0076】
尚、本成膜方法では、成膜中、原料粉末18を振動させることはない(すなわち、銅粉末は、無振動状態に保たれる。)。
【0077】
次に、第2のバルブ84を開けてガス噴射ユニット44にヘリウムガスを供給し、回転体28に付着した銅粉末(原料粉末18)に、ヘリウムガス(圧縮ガス66)を吹き付ける(図5参照)。この時、銅粉末(原料粉末18)を形成する粒子とヘリウムガスが混合し、エアロゾルになる。尚、ヘリウムガスの流量は、20L/分である。
【0078】
エアロゾル68は、回転体28を挟んでガス噴射ユニット44に対向するガス受入ユニット50に流入する。
【0079】
次に、配管58に設けた第3のバルブ86を開ける。すると、エアロゾル68は、配管58を通ってノズル22から、減圧され真空状態になっている成膜室4内に噴出する(図7参照)。この時、エアロゾル68内の銅粒子は、音速程度の高速に加速される。このように高速に加速された銅粒子は、ノズル22の上方に配置された基板14に衝突し固着する。その結果、基板14上に堆積膜が形成される。尚、成膜中、成膜室の圧力は、50〜1000Paになる。
【0080】
ところで、エアロゾル68を形成する粒子は、殆どが、粒径の小さい微粒子である。このため、基板14に衝突する微粒子には、堆積膜の緻密化を阻害する大粒径(例えば、5μm以上)の粒子は殆ど含まれていない。
【0081】
故に、本成膜方法によれば、空隙の少ない緻密な堆積膜の形成が可能になる。
【0082】
(3)粒径選別機能
本成膜方法は、バラツキが大きい原料粉末から粒径の小さな微粒子を優先的に取り出す、エアロゾル発生装置24の粒径選別機能を利用する。この粒径選別機能を実証するため、ノズル22が噴射するエアロゾル68に含まれる銅粒子の粒径分布を測定した。
【0083】
まず、ノズル22を配管58から取り外して、ノズル22の取り付け口に、粉末回収機(図示せず)を装着した。
【0084】
次に、エアロゾル発生装置24を動作させてエアロゾルを発生し、ノズルの取り付け口から流出する粉末を回収した。エアロゾル発生装置24を動作させた時間は、60秒間である。次に、先に説明したシマズ社製遠心粒径測定装置(製品番号;SA-CP3)を用いて、回収した微粒子の粒径を測定した。
【0085】
【表1】

【0086】
表1は、以上のようにして測定した、微粒子の粒径を纏めた表である。
【0087】
表1には、平均粒径、最大粒径、及び最小粒径が記載されている。尚、最大粒径及び最小粒径の定義は、先に説明したとおりである。
【0088】
表1の第2列目には、原料粉末(銅粉末)の粒径が記載されている。第3列目には、図1を参照して説明した、振動を加えて攪拌した原料粉末と圧縮ガスを混合して生成したエアロゾルに関するデータが記載されている(尚、このようなエアロゾル生成法を、以後、振動法と呼ぶ。)。第4列目には、本実施例のエアロゾル発生装置24を用いて生成したエアロゾルに関するデータが記載されている。但し、エアロゾルの発生に使用した、回転体28に形成された貫通孔32の一辺の長さは、3μmである。第5列目には、同じく、本実施例のエアロゾル発生装置24を用いて生成したエアロゾルに関するデータが記載されている。但し、貫通孔32のは、2μmである。
【0089】
表1に示すように、振動法によって生成したエアロゾル中の微粒子の粒径(平均粒径、最大粒径)は、原料粉末の粒径と同じである。すなわち、振動法には、粒径選別機能がない。
【0090】
一方、本成膜方法で生成するエアロゾル微粒子では、平均粒径及び最大粒径共に、原料粉末の粒径より小さくなっている。すなわち、本成膜方法には粒径選別機能がある。
【0091】
従って、本成膜方法によれば、粒径の大きな微粒子を殆ど含まないエアロゾルの生成が、可能になる。また、最大粒径と平均粒径の差が、本成膜方法によれば、原料粉末より小さくなる。すなわち、微粒子の粒径のバラツキが、原料粉末より小さくなる。従って、本成膜方法によれば、緻密な堆積膜の形成が可能になる。
【0092】
ところで、表1から明らかなように、平均粒径及び最大粒径は、貫通孔の一辺が短くなるほど小さくなる。従って、貫通孔の一辺の長さが異なる回転体を用意することにより、エアロゾル中の微粒子の粒径分布を調整することができる。
【0093】
本実施例の成膜装置では、この点を考慮して、回転体が着脱可能なように、エアロゾル発生装置が形成されている。
【0094】
(4)その他
図1を参照して説明した振動タイプのエアロゾルデポジッション法では、振動を印加して攪拌した原料粉末18と、圧縮ガスを混合してエアロゾルを生成する。
【0095】
しかし、原料粉末に振動を印加する時間が長くなると、原料粉末を形成する微粒子が凝集して、エアロゾル化され難くなる。このため、エアロゾル中の微粒子の濃度が、時間の経過と共に次第に薄くなっていく。
【0096】
このため、同一基板上に複数の堆積膜を順次形成しようとする場合、最初に堆積した膜と最後に堆積した膜では、厚さが異なってしまう。
【0097】
この場合、原料粉末の利用効率が悪いという事に止まらず、種々の不都合が生じる。例えば、内蔵キャパシタ形成のために複数のセラミックス膜を順次プリント基板上に成膜した場合、後に形成した膜ほど絶縁性が悪くなる。これは、堆積膜が薄いと、衝撃固化した微粒子間に残存する空隙が繋がって、膜上面から下面に至る電流パスが、形成されやすくなるためである。
【0098】
しかし、本実施例の成膜法では、原料粉末を無振動状態に保ったまま、原料粉末をエアロゾル化するので、このような問題は生じない。尚、原料粉末に振動を加えずにエアロゾルを生成する方法は幾つか提案されている。しかし、これらの方法は、本成膜法のような粒径選別機能を備えていない(特許文献1及び2)。
【実施例2】
【0099】
本実施例では、実施例1で説明した方法を用い、チタン酸バリウム粉末を原料粉末として、銅貼りプリント基板上にチタン酸バリウム層を堆積する。その後、この堆積膜を誘電体層として、キャパシタを作製する。このようなキャパシタは、例えば、基板内蔵キャパシタとして使用することができる。
【0100】
原料粉末としては、平均粒径0.5μmのチタン酸バリウム粉末(堺化学株式会社;BT−05)を使用する。原料粉末の最大粒径は、0.9μmである。また、原料粉末の最小粒径は、0.3μmである。
【0101】
このような原料粉末に前処理を施して、粉末表面に吸着した水分を除去する。前処理温度は、250℃である。前処理時間は、100時間である。
【0102】
堆積膜の成膜手順は、実施例1と手順と略同じである。但し、圧縮ガスには、酸素ガスを用いる。また、酸素ガスの流量は、14L/分である。成膜時間は、120秒である。
【0103】
尚、回転体28に形成された貫通孔は正方形であり、その一辺の長さは3μmである。
【0104】
成膜後、堆積膜の表面に、直径1mmのAu製の電極を形成する。このAu製の電極が、キャパシタの上部電極となる。一方、プリント基板上の銅箔が下部電極となる。
【0105】
これらの電極の間に10V電圧を印加して、上記キャパシタのリーク電流を測定した。また、インピーダンスメータにより、このキャパシタの容量も測定した。更に、堆積膜の断面を走査電子線顕微鏡で観察して、空隙率(堆積膜の全体積に占める空隙の割合)を測定した。
【0106】
比較のため、振動法によって成膜した堆積膜を誘電体層とするキャパシタも作製して、リーク電流・容量等を測定した。成膜条件やキャパシタの構造は、本キャパシタと略同じである。
【0107】
【表2】

【0108】
表2は、これら測定の結果を纏めた表である。第2列目には、図1を参照して説明した、振動法によって形成したキャパシタに関するデータが記載されている。第3列目には、本実施例のキャパシタに関するデータが記載されている。
【0109】
表2に示すように、本キャパシタのリーク電流(10−7A/cm)は、振動法によって形成したキャパシタのリーク電流(10−5A/cm)より格段に小さい。これは、本キャパシタの空隙率(1.2%)が、振動法よるキャパシタの空隙率(5.7%)の5分1でしかないことに起因する。
【0110】
すなわち、本実施例によれば、緻密な誘電体層の形成が可能になり、その結果、キャパシタのリーク電流が顕著に小さくなる。
【0111】
尚、堆積膜の厚さは、表2の第2行目に示すように、本実施例及び振動法の何れで形成した場合でも5μmであった。
【実施例3】
【0112】
図8は、エアロゾルの生成を長時間継続した場合の、エアロゾル発生装置24内の状態を説明する図である。
【0113】
図8に示すように、エアロゾルの生成を長時間継続すると、回転体28の周辺で原料粉末が欠乏する。このような状態では、回転体28に原料粉末は付着しない。このため、エアロゾルは生成されない。
【0114】
図9は、本実施例のエアロゾル発生装置内部の構成を説明する図である。
【0115】
本エアロゾル発生装置では、回転体28が回転している間、原料粉末18を装填した容器88が、除々に回転体28の回転面の法線方向90に移動する。従って、回転体28は、周辺の原料粉末18が欠乏する前に、原料粉末が豊富な領域に移動することができる。従って、本実施例によれば、回転体28に原料粉末18が付着可能な時間が長くなる。尚、容器88は、回転面の法線方向90に往復運動をしてもよい。
【0116】
尚、実施例1のエアロゾル発生装置では、原料粉末18を装填する容器26が、回転体28、ガス噴射ユニット44、及びガス受入ユニット50等を格納している(図2参照)。一方、本実施例のエアロゾル発生装置の容器88は、これらの部材を格納していない。代わりに、真空排気可能な他の容器(図示せず)が、回転体28、ガス噴射ユニット44、ガス受入ユニット50、及び容器88を格納する(図9参照)。
【実施例4】
【0117】
図10は、本実施例のエアロゾル発生装置の内部の構成を説明する図である。
【0118】
本エアロゾル発生装置では、回転体28が、回転中に回転面の法線方向90に除々に移動する。従って、回転体28は、周囲の原料粉末18が欠乏する前に、原料粉末が豊富な領域に移動することができる。故に、本実施例によれば、回転体28に原料粉末18が付着可能な時間が、長くなる。尚、回転体28は、回転面の法線方向90に往復運動をしてもよい。
【0119】
上述したように、実施例1のエアロゾル発生装置24では、原料粉末を充填する容器26が、回転体28、ガス噴射ユニット44、及びガス受入ユニット50等を格納している。
【0120】
一方、本実施例のエアロゾル発生装置の容器92は、実施例4の容器88と同様、これらの部材を格納しない。代わりに、真空排気可能な他の容器(図示せず)が、回転体28、ガス噴射ユニット44、ガス受入ユニット50、及び容器92を格納する。
【0121】
以上の実施の形態をまとめると、次の付記のとおりである。
【0122】
(付記1)
網の目状に貫通孔が形成された平板に原料粉末を付着させる第1の工程と、
前記平板に付着した前記原料粉末にガスを吹き付けて、前記原料粉末を形成する粒子と前記ガスを混合する第2の工程と、
前記粒子を、真空中で前記ガスと共に基板に向かって噴射する第3の工程を、
具備する成膜方法。
【0123】
(付記2)
付記1に記載の成膜方法において、
前記第1の工程が、回転する前記平板に前記原料粉末を接触させて、前記平板に前記原料粉末を付着させる工程であることを、
特徴とする成膜方法。
【0124】
(付記3)
付記2に記載の成膜方法において、
前記平板が回転している間、前記原料粉末が装填された容器を、前記平板の回転面の法線方向に移動させることを、
特徴とする成膜方法。
【0125】
(付記4)
付記2に記載の成膜方法において、
前記平板が回転している間、前記平板を、前記平板の回転面の法線方向に移動させることを、
特徴とする成膜方法。
【0126】
(付記5)
付記1乃至4の何れか1項に記載の成膜方法において、
前記第1の工程を、前記原料粉末を無振動状態に保ったまま実施することを、
特徴とする成膜方法。
【0127】
(付記6)
原料粉末を装填する容器と、
網の目状に貫通孔が形成された平板状の回転体と、
前記貫通孔が形成された領域に向かって、ガスを噴射するガス噴射ユニットと、
前記回転体を挟んで前記ガス噴射ユニットに対向し、噴射された前記ガスが流入するガス受入ユニットを有し、
前記回転体は、前記容器に原料粉末を装填した際に、前記領域の下側が前記原料粉末に埋もれるように配置され、
前記ガス噴射ユニットは、前記容器に原料粉末を装填した際に、ガス噴射口が前記原料粉末に埋もれないように配置され、
前記ガス受入ユニットは、前記容器に原料粉末を装填した際に、ガス受入口が前記原料粉末に埋もれないように配置されているエアロゾル発生装置を具備し、
更に、前記エアロゾル発生装置で生成されたエアロゾルが吹き付けられる基板を保持する基板ホルダーを有する成膜室と、
前記成膜室を排気する排気装置を具備する成膜装置。
【0128】
(付記7)
付記6に記載の成膜装置において、
前記回転体が回転している間、前記容器が、前記回転体の回転面の法線方向に移動することを、
特徴とするエアロゾル発生装置。
【0129】
(付記8)
付記6に記載のエアロゾル発生装置において、
前記回転体が回転している間、前記回転体が、前記回転体の回転面の法線方向に移動することを、
特徴とするエアロゾル発生装置。
【0130】
(付記9)
原料粉末を装填する容器と、
網の目状に貫通孔が形成された平板状の回転体と、
前記貫通孔が形成された領域に向かって、ガスを噴射するガス噴射ユニットと、
前記回転体を挟んで前記ガス噴射ユニットに対向し、噴射された前記ガスが流入するガス受入ユニットを具備し、
前記回転体は、前記容器に原料粉末を装填した際に、前記領域の下側が前記原料粉末に埋もれるように配置され、
前記ガス噴射ユニットは、前記容器に原料粉末を装填した際に、ガス噴射口が前記原料粉末に埋もれないように配置され、
前記ガス受入ユニットは、前記容器に原料粉末を装填した際に、ガス受入口が前記原料粉末に埋もれないように配置されている
エアロゾル発生装置。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明者が使用してきた、エアロゾルデポジション装置の構成を説明する図である。
【図2】実施の形態のエアロゾル発生装置の構成を説明する断面図である。
【図3】回転体の平面図である。
【図4】回転体のA−A線に於ける断面を矢印の方向から見た図である。
【図5】実施の形態のエアロゾル発生装置の動作を説明する図である。
【図6】回転中の回転体を正面から見た図である。
【図7】実施例1で使用する成膜装置の構成を説明する図である。
【図8】エアロゾルの生成を長時間継続した場合の、エアロゾル発生装置内の状態を説明する図である。
【図9】実施例3のエアロゾル発生装置の内部の構成を説明する図である。
【図10】実施例4のエアロゾル発生装置の内部の構成を説明する図である。
【符号の説明】
【0132】
2・・・エアロゾルデポジション装置 4・・・成膜室
6・・・排気装置 8・・・エアロゾル発生装置
10・・・ガス供給装置 12・・・ステージ
14・・・基板 16・・・エアロゾル発生容器
18・・・原料粉末 20・・・振動器
22・・・ノズル 24・・・エアロゾル発生装置(実施の形態)
26・・・容器 28・・・回転体
30・・・円板 32・・・貫通孔
33・・・(原料粉末に埋もれた)貫通孔
34・・・第1の領域 36・・・第2の領域
38・・・第3の領域 40・・・第4の領域
42・・・回転軸 44・・・ガス噴射ユニット
46・・・(ガス噴射ユニットの)先端
48・・・(ガス噴射ユニットの反対側の)端
50・・・ガス受入ユニット
52・・・(ガス受入ユニットの)先端
54・・・(ガス受入ユニットの反対側の)端
56,58,60・・・配管
62・・・ガス噴射口 64・・・ガス受入口
66・・・圧縮ガス 68・・・エアロゾル
70・・・(回転体に付着した)原料粉末
73・・・空になった貫通孔
74・・・成膜装置(実施例1) 76・・・ブースターポンプ
78・・・真空ポンプ
82・・・第1のバルブ 84・・・第2のバルブ
86・・・第3のバルブ 88・・・容器(実施例3)
90・・・法線方向 92・・・容器(実施例4)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
網の目状に貫通孔が形成された平板に原料粉末を付着させる第1の工程と、
前記平板に付着した前記原料粉末にガスを吹き付けて、前記原料粉末を形成する粒子と前記ガスを混合する第2の工程と、
前記粒子を、真空中で前記ガスと共に基板に向かって噴射する第3の工程を、
具備する成膜方法。
【請求項2】
請求項1に記載の成膜方法において、
前記第1の工程が、回転する前記平板に前記原料粉末を接触させて、前記平板に前記原料粉末を付着させる工程であることを、
特徴とする成膜方法。
【請求項3】
請求項2に記載の成膜方法において、
前記平板が回転している間、前記原料粉末が装填された容器を、前記平板の回転面の法線方向に移動させることを、
特徴とする成膜方法。
【請求項4】
請求項2に記載の成膜方法において、
前記平板が回転している間、前記平板を、前記平板の回転面の法線方向に移動させることを、
特徴とする成膜方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の成膜方法において、
前記第1の工程を、前記原料粉末を無振動状態に保ったまま実施することを、
特徴とする成膜方法。
【請求項6】
原料粉末を装填する容器と、
網の目状に貫通孔が形成された平板状の回転体と、
前記貫通孔が形成された領域に向かって、ガスを噴射するガス噴射ユニットと、
前記回転体を挟んで前記ガス噴射ユニットに対向し、噴射された前記ガスが流入するガス受入ユニットを有し、
前記回転体は、前記容器に原料粉末を装填した際に、前記領域の下側が前記原料粉末に埋もれるように配置され、
前記ガス噴射ユニットは、前記容器に原料粉末を装填した際に、ガス噴射口が前記原料粉末に埋もれないように配置され、
前記ガス受入ユニットは、前記容器に原料粉末を装填した際に、ガス受入口が前記原料粉末に埋もれないように配置されているエアロゾル発生装置を具備し、
更に、前記エアロゾル発生装置で生成されたエアロゾルが吹き付けられる基板を保持する基板ホルダーを有する成膜室と、
前記成膜室を排気する排気装置を具備する成膜装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2010−138447(P2010−138447A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−315569(P2008−315569)
【出願日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】