説明

成膜装置及び蒸着装置

【課題】 メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる成膜装置及び蒸着装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る成膜装置は、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bを有する外部チャンバー1と、前記外部チャンバー1内に配置され、前記チャンバー下部1bに取り付けられた内部チャンバー6と、前記内部チャンバー6内に配置され、被成膜基板16が保持される基板保持部4aと、具備し、前記チャンバー上部1aと前記チャンバー下部1bは分離自在に形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置及び蒸着装置に係わり、特に、メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる成膜装置及び蒸着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラス基板等の透明基板に有機EL薄膜を形成した有機ELディスプレイは、次世代のフラットパネルディスプレイの有力候補の一つである。透明基板に有機EL薄膜を形成する技術の一つとして、蒸着装置によって有機EL薄膜を透明基板に蒸着する方法がある。
【0003】
蒸着装置は、蒸発材料又は昇華材料を蒸発又は昇華させ、この蒸発又は昇華した蒸着物質を基板上に成膜することにより、基板上に蒸着膜を形成するものである。この蒸着過程で、チャンバーの内部に設けられた内カバー(防着板)等にも蒸着膜が付着する。この付着した蒸着膜の厚さが厚くなると、その蒸着膜が剥離してしまい、剥離した蒸着物が基板上に成膜した蒸着膜に付着してコンタミ(異物)となることがある。このため、定期的に防着板の交換又は掃除を行うメンテナンス作業が必要となる(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平9−104971号公報(2〜4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したメンテナンス作業は、作業者が蒸着装置のチャンバーの上蓋を開けて、チャンバー内に頭を入れて防着板のネジを外し、全ての防着板を取り外して交換又は掃除を行い、その後、チャンバーに防着板をネジで取り付け、蒸着装置を組み立てて装置の調整を行うというものである。このメンテナンス作業には長時間を要していた。
【0006】
本発明は上記のような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる成膜装置及び蒸着装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明に係る成膜装置は、チャンバー上部とチャンバー下部を有する外部チャンバーと、
前記外部チャンバー内に配置され、前記チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーと、
前記内部チャンバー内に配置され、被成膜基板が保持される基板保持部と、
を具備し、
前記チャンバー上部と前記チャンバー下部は分離自在に形成されていることを特徴とする。
【0008】
上記本発明に係る成膜装置によれば、チャンバー上部とチャンバー下部を分離できる構成とすることにより、チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーを短時間で容易に取り外すことができ、また内部チャンバーをチャンバー下部に短時間で容易に取り付けることができる。これにより、メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる。
【0009】
また、本発明に係る成膜装置において、前記内部チャンバーは、前記チャンバー下部からワンタッチで取り外すことができるように、前記チャンバー下部に載置又ははめ込まれて取り付けられていることが好ましい。これにより、チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーを短時間で容易に取り外すことができ、また内部チャンバーをチャンバー下部に短時間で容易に取り付けることができる。
【0010】
また、本発明に係る成膜装置において、前記チャンバー下部を上下方向に移動させる上下移動機構をさらに具備することも可能である。
また、本発明に係る成膜装置において、前記チャンバー下部を上下方向と略直角方向に移動させる移動機構をさらに具備することも可能である。
【0011】
本発明に係る蒸着装置は、チャンバー上部、チャンバー下部及びチャンバー底部を有する外部チャンバーと、
前記外部チャンバー内に配置され、前記チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーと、
前記内部チャンバー内に配置され、前記チャンバー底部に取り付けられた蒸発源と、
前記内部チャンバー内に配置され、前記蒸発源に対向する位置に被成膜基板が保持される基板保持部と、
を具備し、
前記チャンバー上部と前記チャンバー下部は分離自在に形成されており、
前記チャンバー下部と前記チャンバー底部は分離自在に形成されていることを特徴とする。
【0012】
上記本発明に係る蒸着装置によれば、チャンバー上部とチャンバー下部を分離できる構成とすることにより、チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーを短時間で容易に取り外すことができ、また内部チャンバーをチャンバー下部に短時間で容易に取り付けることができる。これにより、メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる。また、チャンバー下部とチャンバー底部を分離できる構成とすることにより、蒸発源のメンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる。
【0013】
また、本発明に係る蒸着装置において、前記内部チャンバーは、前記チャンバー下部からワンタッチで取り外すことができるように、前記チャンバー下部に載置又ははめ込まれて取り付けられていることが好ましい。
【0014】
また、本発明に係る蒸着装置において、前記チャンバー下部及び前記チャンバー底部を上下方向に移動させる上下移動機構をさらに具備することも可能である。
また、本発明に係る蒸着装置において、前記チャンバー底部を上下方向に移動させる上下移動機構をさらに具備することも可能である。
【0015】
また、本発明に係る蒸着装置において、前記チャンバー下部及び前記チャンバー底部を上下方向と略直角方向に移動させる移動機構をさらに具備することも可能である。
また、本発明に係る蒸着装置において、前記チャンバー底部を上下方向と略直角方向に移動させる移動機構をさらに具備することも可能である。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる成膜装置及び蒸着装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明の実施の形態1による有機EL蒸着装置の構成を示す断面図である。この有機EL蒸着装置は、フラットディスプレイパネルとなるガラス基板に有機EL膜を蒸着するためのものである。
【0019】
有機EL蒸着装置は外部チャンバー1を備えており、外部チャンバー1はチャンバー上部1aとチャンバー下部1bを有している。チャンバー上部1a及びチャンバー下部1bによって外部チャンバーの側面部が構成されており、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bは互いに分離可能となっている。チャンバー上部1aの上には蓋部2が配置されており、チャンバー下部1bの下にはベースフランジ(チャンバー底部)3が配置されている。外部チャンバー1、蓋部2及びベースフランジ3によって気密性を保持できるチャンバーが形成されている。
【0020】
外部チャンバー1内には内部チャンバー6が配置されており、この内部チャンバー6はチャンバー下部1bに取り付けられている。内部チャンバー6の下部には蒸発源7が配置されており、この蒸発源7は保持部材8によって保持されている。この保持部材8はベースフランジ3に取り付けられている。また、蒸発源7には、蒸発材料又は昇華材料を加熱する加熱機構(図示せず)が設けられている。
【0021】
また、有機EL蒸着装置は基板保持機構4を備えており、この基板保持機構4は基板保持部4aと回転軸4bを有している。前記基板保持部4aは、ガラス基板などの被成膜基板16を保持するものであって、この被成膜基板16に対向するように蒸発源7の上方且つ内部チャンバー6の上部に配置されている。前記回転軸4bは、基板保持部4aを支持し且つ回転力を加えるものである。この回転軸4bは蓋部2を介してモーター5に接続されており、このモーター5によって回転軸4bに回転力を加えて基板保持部4を回転させるようになっている。
【0022】
上記有機EL蒸着装置では、内部チャンバー6内を所定の真空状態とし、モーター5によって基板保持部4aを回転させながら、蒸発源7を加熱して蒸発材料又は昇華材料を上方に放出させることにより、基板16の全面に蒸着膜を成膜するようになっている。このように基板保持部4aを回転させるのは、基板16が回転することにより、基板16に面内均一性良く蒸着膜を成膜するためである。
【0023】
上記有機EL蒸着装置において、上述したように蒸発材料又は昇華材料を蒸発又は昇華させ、この蒸発又は昇華した蒸着物質を基板16上に成膜することにより基板16上に蒸着膜を形成する過程で、内部チャンバー6にも蒸着膜が付着する。この付着した蒸着膜の厚さが厚くなると、その蒸着膜が剥離してしまい、剥離した蒸着物が基板16上に成膜した蒸着膜に付着してコンタミ(異物)となることがある。このため、内部チャンバー6に付着した蒸着膜の厚さが厚くなる前に内部チャンバー6を交換する作業を行う。
【0024】
この交換作業は、蒸着膜が付着した内部チャンバー6を有機EL蒸着装置から取り外し、新しい内部チャンバー又は付着した蒸着膜を除去する掃除を行った内部チャンバーを有機EL蒸着装置に取り付けるものである。取り外した内部チャンバー6は有機EL蒸着装置を可動中に蒸着膜を除去する掃除を行い、次に内部チャンバーを交換する際に、この掃除を行った内部チャンバーを有機EL蒸着装置に取り付けるようにするのが好ましい。
【0025】
次に、上記交換作業について図1(B)を参照しつつ説明する。
図1(B)は、図1(A)に示す有機EL蒸着装置においてチャンバー上部とチャンバー下部を分離した状態を示す断面図である。
【0026】
図1(B)に示すように、有機EL蒸着装置はチャンバー上部1aとチャンバー下部1bを分離できるようになっており、チャンバー下部1及びベースフランジ3は移動機構(図示せず)により上下に移動可能に構成されている。チャンバー下部1b及びベースフランジ3を下方に移動させることにより、チャンバー下部1bに取り付けられた内部チャンバー6及びベースフランジ3に取り付けられた保持部材8も下方に移動する。この状態では内部チャンバー6はチャンバー下部1bから容易に又はワンタッチで取り外すことができる。
【0027】
つまり、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bを分離した状態では、内部チャンバー6はチャンバー下部1bの上部に載置又ははめ込まれた状態となり、チャンバー上部1aにチャンバー下部1bを取り付けた図1(A)の状態では、内部チャンバー6はチャンバー上部1aとチャンバー下部1bに挟まれた状態となる。従って、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bを分離した状態では、内部チャンバー6をチャンバー下部1bから容易に又はワンタッチで取り外すことができる。
【0028】
上記実施の形態1によれば、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bを分離できる構成とすることにより、内部チャンバー6を短時間で容易に取り外すことができ、また内部チャンバーを短時間で容易に取り付けることができる。これにより、内部チャンバーを交換するメンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる。従って、有機EL蒸着装置の稼働率を向上させることができる。
【0029】
また、内部チャンバーを短時間で交換することにより、外部チャンバー1を大気開放する時間を短くすることができる。
【0030】
また、内部チャンバー6を取り外した状態では、保持部材8はベースフランジ3に取り付けられ、蒸発源7は保持部材8に取り付けられた状態となる。この状態で蒸発源7を掃除し、蒸発源7に蒸発材料又は昇華材料を補充することは容易である。
【0031】
尚、本実施の形態では、内部チャンバー6をチャンバー下部1bの上部に載置する構成としているが、内部チャンバーをチャンバー下部に固定手段(例えばネジ等)で固定する構成とすることも可能である。
【0032】
(実施の形態2)
図2(A)は、本発明の実施の形態2による有機EL蒸着装置の構成を示す断面図であり、図2(B)は、図2(A)に示す有機EL蒸着装置のチャンバー下部とベースフランジを分離した状態を示す断面図である。図2において、図1と同一部分には同一符号を付し、同一部分の説明は省略する。
【0033】
図2(A)に示す有機EL蒸着装置は、実施の形態1による有機EL蒸着装置と同様にチャンバー上部1aとチャンバー下部1bが分離可能に構成されており、更に、図2(B)に示すようにチャンバー下部とベースフランジも分離可能に構成されている。このベースフランジ3は移動機構(図示せず)により上下に移動可能に構成されている。
【0034】
図2(B)に示すように、ベースフランジ3を下方に移動させることにより、ベースフランジ3に取り付けられた保持部材8及びこの保持部材8に保持された蒸発源7も下方に移動する。この状態では蒸発源7は保持部材8から容易に取り外すことができる。
【0035】
上記実施の形態2においても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0036】
また、本実施の形態では、チャンバー下部1bとベースフランジ3を分離できる構成とすることにより、蒸発源7のメンテナンス作業(蒸発材料又は昇華材料の補充、蒸発源の掃除、蒸発源の不具合の解消など)を短時間で容易に行うことができる。従って、有機EL蒸着装置の稼働率を向上させることができる。
【0037】
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3による有機EL蒸着装置を示す構成図である。図4は、図3に示す有機EL蒸着装置においてチャンバー上部とチャンバー下部を分離した状態を示す構成図である。図5は、図3に示す有機EL蒸着装置においてチャンバー下部を横移動(スライド)させた状態を示す構成図である。図3において、図1と同一部分には同一符号を付し、同一部分の説明は省略する。
【0038】
図3に示す有機EL蒸着装置における外部チャンバー1、蓋部2、ベースフランジ3、基板保持機構4、内部チャンバー6、蒸発源7及び保持部材8の構成は実施の形態1,2と同様である。
【0039】
ベースフランジ3は、スライド用ガイド部材9に取り付けられており、スライド用ガイド部材9上を横方向(上下方向と略直角方向)にスライドさせることができるようになっている。スライド用ガイド部材9は第1のマウントプレート10に保持されている。第1のマウントプレート10にはスライド用モーター11が取り付けられており、このスライド用モーター11の回転駆動力によってベースフランジ3及びチャンバー下部1bをスライド用ガイド部材9上で横移動(スライド)させることができるようになっている。
【0040】
第1のマウントプレート10には昇降用ガイド部材である昇降ボールネジ12a,12bを介して第2のマウントプレート13が連結されている。第2のマウントプレート13には昇降駆動力伝達用ジョイント14a,14b,14cが取り付けられている。昇降ボールネジ12aの基端は昇降駆動力伝達用ジョイント14aに接続されており、昇降ボールネジ12bの基端は昇降駆動力伝達用ジョイント14bに接続されている。昇降駆動力伝達用ジョイント14a〜14cはボールネジによって互いに連結されている。昇降駆動力伝達用ジョイント14cは昇降用モーター15に接続されている。この昇降用モーター15の回転駆動力は昇降駆動力伝達用ジョイント14a〜14cを介して昇降ボールネジ12a,12bに伝達される。そして、これら昇降ボールネジ12a,12bを回転させることによって第1のマウントプレート10を上下に移動させることができるようになっている。
【0041】
図3に示す状態の有機EL蒸着装置で基板16上に蒸着膜を成膜した後、内部チャンバー6の交換作業を行う。この交換作業について図4及び図5を参照しつつ説明する。
【0042】
まず、図4に示すように、昇降用モーター15の回転駆動力を、昇降駆動力伝達用ジョイント14a〜14cを介して昇降ボールネジ12a,12bに伝達することによって昇降ボールネジを回転させる。これにより、第1のマウントプレート10と共にチャンバー下部1b、ベースフランジ3、内部チャンバー6、蒸発源7及び保持機構8を下降させ、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bを分離させる。
【0043】
次に、図5に示すように、スライド用モーター11の回転駆動力によってベースフランジ3及びチャンバー下部1bをスライド用ガイド部材9上で横移動(スライド)させる。これにより、内部チャンバー6及び蒸発源7をチャンバー上部1aの下方から移動させる。つまり、内部チャンバー6及び蒸発源7の上方にスペース(空間)を設ける。
【0044】
次いで、内部チャンバー6をチャンバー下部1bからワンタッチで取り外し、新しい内部チャンバー又は付着した蒸着膜を除去する掃除を行った内部チャンバーをチャンバー下部1bに取り付ける。取り外した内部チャンバー6は有機EL蒸着装置を可動中に蒸着膜を除去する掃除を行うことが好ましい。
【0045】
次いで、スライド用モーター11の回転駆動力によってベースフランジ3及びチャンバー下部1bをスライド用ガイド部材9上でスライドさせてチャンバー上部1aの下方に移動させる。次いで、昇降用モーター15の回転駆動力を、昇降駆動力伝達用ジョイント14a〜14cを介して昇降ボールネジ12a,12bに伝達することによって昇降ボールネジを回転させる。これにより、第1のマウントプレート10と共にチャンバー下部1b、ベースフランジ3、内部チャンバー6、蒸発源7及び保持機構8を上昇させ、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bとを連結して一体化する。
【0046】
上述したような方法で内部チャンバーの交換作業を行うことにより、メンテナンス作業を短時間で容易に行うことができる。従って、有機EL蒸着装置の稼働率を向上させることができる。また、内部チャンバーを短時間で交換することにより、外部チャンバー1を大気開放する時間を短くすることができる。また、内部チャンバー6を取り外した状態では、保持部材8はベースフランジ3に取り付けられ、蒸発源7は保持部材8に取り付けられた状態となる。この状態で蒸発源7を掃除し、蒸発源7に蒸発材料又は昇華材料を補充することも容易となる。
【0047】
また、図3に示す有機EL蒸着装置はチャンバー下部1bとベースフランジ3も分離可能に構成されている。従って、チャンバー上部1aとチャンバー下部1bを分離する場合と同様の方法でチャンバー下部1bとベースフランジ3を分離することができる。以下、これについて説明する。
【0048】
まず、昇降用モーター15によって昇降ボールネジ12a,12bを回転させ、第1のマウントプレート10と共にベースフランジ3、蒸発源7及び保持機構8を下降させ、ベースフランジ3とチャンバー下部1bを分離させる。次いで、スライド用モーター11によってベースフランジ3をスライド用ガイド部材9上で横移動(スライド)させ、蒸発源7をチャンバー上部1aの下方から移動させる。つまり、蒸発源7の上方にスペース(空間)を設ける。次いで、蒸発源7を保持部材8から取り外し、蒸発源7のメンテナンス作業(蒸発材料又は昇華材料の補充、蒸発源の掃除、蒸発源の不具合の解消など)を行う。
【0049】
次いで、スライド用モーター11によってベースフランジ3をスライド用ガイド部材9上でスライドさせてチャンバー下部1bの下方に移動させる。次いで、昇降用モーター15によって昇降ボールネジ12a,12bを回転させ、第1のマウントプレート10と共にベースフランジ3、蒸発源7及び保持機構8を上昇させ、チャンバー下部1bとベースフランジ3とを連結して一体化する。
【0050】
上述したような方法でメンテナンス作業を行うことにより、作業を短時間で容易に行うことができる。従って、有機EL蒸着装置の稼働率を向上させることができる。また、メンテナンス作業を短時間で行うことにより、外部チャンバー1を大気開放する時間を短くすることができる。
【0051】
尚、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、上記実施の形態1〜3では、本発明を有機EL蒸着装置に適用しているが、本発明を他の成膜装置、例えばスパッタリング装置、CVD(chemical vapor deposition)装置等に適用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】(A)は、本発明の実施の形態1による有機EL蒸着装置の構成を示す断面図であり、(B)は、(A)に示す有機EL蒸着装置においてチャンバー上部とチャンバー下部を分離した状態を示す断面図である。
【図2】(A)は、本発明の実施の形態2による有機EL蒸着装置の構成を示す断面図であり、(B)は、(A)に示す有機EL蒸着装置のチャンバー下部とベースフランジを分離した状態を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3による有機EL蒸着装置を示す構成図である。
【図4】図3に示す有機EL蒸着装置においてチャンバー上部とチャンバー下部を分離した状態を示す構成図である。
【図5】図3に示す有機EL蒸着装置においてチャンバー下部を横移動(スライド)させた状態を示す構成図である。
【符号の説明】
【0053】
1…外部チャンバー
1a…チャンバー上部
1b…チャンバー下部
2…蓋部
3…ベースフランジ(チャンバー底部)
4…基板保持機構
4a…基板保持部
4b…回転軸
5…モーター
6…内部チャンバー
7…蒸発源
8…保持部材
9…スライド用ガイド部材
10…第1のマウントプレート
11…スライド用モーター
12a,12b…昇降ボールネジ
13…第2のマウントプレート
14a,14b,14c…昇降駆動力伝達用ジョイント
15…昇降用モーター
16…被成膜基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバー上部とチャンバー下部を有する外部チャンバーと、
前記外部チャンバー内に配置され、前記チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーと、
前記内部チャンバー内に配置され、被成膜基板が保持される基板保持部と、
を具備し、
前記チャンバー上部と前記チャンバー下部は分離自在に形成されていることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
請求項1において、前記内部チャンバーは、前記チャンバー下部からワンタッチで取り外すことができるように、前記チャンバー下部に載置又ははめ込まれて取り付けられていることを特徴とする成膜装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記チャンバー下部を上下方向に移動させる上下移動機構をさらに具備することを特徴とする成膜装置。
【請求項4】
請求項3において、前記チャンバー下部を上下方向と略直角方向に移動させる移動機構をさらに具備することを特徴とする成膜装置。
【請求項5】
チャンバー上部、チャンバー下部及びチャンバー底部を有する外部チャンバーと、
前記外部チャンバー内に配置され、前記チャンバー下部に取り付けられた内部チャンバーと、
前記内部チャンバー内に配置され、前記チャンバー底部に取り付けられた蒸発源と、
前記内部チャンバー内に配置され、前記蒸発源に対向する位置に被成膜基板が保持される基板保持部と、
を具備し、
前記チャンバー上部と前記チャンバー下部は分離自在に形成されており、
前記チャンバー下部と前記チャンバー底部は分離自在に形成されていることを特徴とする蒸着装置。
【請求項6】
請求項5において、前記内部チャンバーは、前記チャンバー下部からワンタッチで取り外すことができるように、前記チャンバー下部に載置又ははめ込まれて取り付けられていることを特徴とする蒸着装置。
【請求項7】
請求項5又は6において、前記チャンバー下部及び前記チャンバー底部を上下方向に移動させる上下移動機構をさらに具備することを特徴とする蒸着装置。
【請求項8】
請求項5乃至7のいずれか一項において、前記チャンバー底部を上下方向に移動させる上下移動機構をさらに具備することを特徴とする蒸着装置。
【請求項9】
請求項7において、前記チャンバー下部及び前記チャンバー底部を上下方向と略直角方向に移動させる移動機構をさらに具備することを特徴とする蒸着装置。
【請求項10】
請求項8において、前記チャンバー底部を上下方向と略直角方向に移動させる移動機構をさらに具備することを特徴とする蒸着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−176867(P2006−176867A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374088(P2004−374088)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(595152438)株式会社ユーテック (59)
【Fターム(参考)】