説明

成膜装置

【課題】成膜材料がカバーに付着した際のメンテナンス作業の簡素化を図ることが可能な成膜装置を提供すること。
【解決手段】主ハース21とカバー28との間に絶縁体22を配置し、電源33と主ハース21とを接続する第1の配線31に第1のスイッチ34を設け、電源33とカバー28とを接続する第2の配線32に第2のスイッチ35を設ける。これにより、スイッチ34,35を開閉することで、主ハース21とカバー28との間に電位差を生じさせることができる。よって、プラズマ源7から生成されたプラズマビームを主ハース21側へ誘導することが可能となり、プラズマビームをカバー28側へ誘導することも可能となる。プラズマビームをカバー28へ誘導することで、カバー28に付着した成膜材料を加熱して、再昇華させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成膜装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被処理物の表面に成膜材料を成膜する方法として、例えば、真空容器内において成膜材料にプラズマ照射を行うことによって成膜材料をイオン化し拡散させ、被処理物の表面にイオン化した該成膜材料を付着させて成膜するイオンプレーティング法がある。この方法では、拡散した成膜材料の一部が成膜材料付近に留まり、成膜材料を保持する主ハース(主陽極)の縁や、主ハースの周囲に配置された補助陽極に堆積する。この堆積物が過度に堆積して主ハースと補助陽極とが短絡されると、主ハース及び補助陽極それぞれの機能が失われてしまう。
【0003】
例えば、固形材料である成膜材料を高密度プラズマにより昇華させて成膜するRPD成膜装置が知られている(例えば、特許文献1、2参照)。特許文献1に記載の成膜装置では、主ハースの外側に配置されたカバーを複数備える構成として、カバーに付着した堆積物が多くなるとハンドリング装置を用いてカバーを移動させることで、新たなカバーを露出させて成膜を実施している。また、特許文献2に記載の成膜装置では、カバーに付着した堆積物が多くなるとハンドリング装置を用いてカバーをたたくことで、カバーに付着した堆積物を落下させて除去している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−346765号公報
【特許文献2】特開2006−348318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記の従来技術では、カバーに付着した堆積物が増加すると、その都度、運転作業員がハンドリング装置を用いてカバーを取り除いて交換したり、堆積物を叩き落としたりしていた。このように運転作業員が手動で、メンテナンス作業を行う必要があるため、メンテナンス作業の簡素化が求められている。
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために成されたものであり、成膜材料がカバーに付着した際のメンテナンス作業の簡素化を図ることが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による成膜装置は、プラズマビームによって成膜材料を加熱し、成膜材料から気化した粒子を被成膜物に付着させて成膜する成膜装置であって、真空環境を形成する真空容器と、真空容器内にプラズマビームを生成するプラズマ源と、成膜材料を保持すると共に、プラズマビームを成膜材料へ導く主陽極またはプラズマビームが導かれる主陽極である主ハースと、主ハースの周囲に配置されプラズマビームを誘導する補助陽極と、主ハースの周囲に配置されプラズマビームを誘導する補助陽極と、主ハースと補助陽極との間に配置され主ハースを覆うカバーと、主ハースとカバーとを電気的に絶縁する絶縁体と、プラズマ源と主ハースとを電気的に接続する第1の配線と、第1の配線中に設けられた電源と、電源と前記カバーとを電気的に接続する第2の配線と、電源と主ハースとの間の第1の配線に設けられた第1のスイッチと、電源とカバーとの間の第2の配線に設けられた第2のスイッチと、を備えることを特徴としている。
【0008】
このような成膜装置によれば、主ハースとカバーとの間に絶縁体が配置され、電源と主ハースとを接続する第1の配線に第1のスイッチが設置され、電源とカバーとを接続する第2の配線に第2のスイッチが設置されているため、スイッチを開閉することで、主ハースとカバーとの間に電位差を生じさせることができる。これにより、プラズマ源から生成されたプラズマビームを主ハース側へ誘導することが可能であり、プラズマビームをカバー側へ誘導することも可能となる。このように、プラズマビームをカバーへ誘導することで、カバーに付着した成膜材料を加熱して、再昇華させることができる。そのため、プラズマビームの導出先を切り替えるだけで、カバーに付着した成膜材料を除去することが可能となり、メンテナンス作業の簡素化を図ることができる。
【0009】
また、被成膜物に成膜材料を付着させて成膜する運転モードである成膜運転モードと、カバーに付着した付着物である成膜材料を除去する運転モードである清掃運転モードとの切り替えを制御する制御部を更に備え、制御部は、第1のスイッチ及び第2のスイッチをON状態とすることで、プラズマビームを主ハース又は成膜材料へ導いて成膜運転モードへの切り替えを行い、第1のスイッチをOFF状態とする共に第2のスイッチをON状態とすることで、プラズマビームをカバーへ導いて清掃運転モードへの切り替えを行うことが好適である。
【0010】
このように、成膜運転モードと清掃運転モードとの切り替えを制御する制御部を備える構成であるため、スイッチの切り替えを行い自動的に行い、カバーに付着した成膜材料を除去することができる。これにより、真空状態を解除して行うメンテナンス作業の周期を延長することができる。その結果、連続運転時間の延長を図り、生産効率の向上を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、成膜材料がカバーに付着した際のメンテナンス作業の簡素化を図ることが可能な成膜装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。
【図2】図1中の主ハース及びカバーを拡大して示す断面図である。
【図3】図1中の主ハース及びカバーを拡大して示す断面図であり、成膜運転モード実行時のスイッチの開閉状態を示す図である。
【図4】図1中の主ハース及びカバーを拡大して示す断面図であり、清掃運転モード実行時のスイッチの開閉状態を示す図である。
【図5】成膜装置の制御部及びスイッチを示すブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しながら本発明による成膜装置の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0014】
図1は、本発明による成膜装置の一実施形態の構成を示す側面断面図である。図2は図1中の主ハース及びカバーを拡大して示す断面図である。本実施形態の成膜装置1は、いわゆるイオンプレーティング法に用いられるイオンプレーティング装置である。なお、図1及び図2には、説明を容易にする為にXYZ直交座標系も示されている。
【0015】
本実施形態の成膜装置1は、ハース機構2、搬送機構3、補助陽極6、プラズマ源7、及び真空容器10を備える。
【0016】
真空容器10は、成膜対象である被処理物(被成膜物)11を搬送するための搬送室10aと、成膜材料Maを拡散させる成膜室10bと、プラズマ源7から照射されるプラズマPを真空容器10へ受け入れるプラズマ口10cとを有する。搬送室10a、成膜室10b、及びプラズマ口10cは互いに連通している。搬送室10aは、所定の搬送方向(図中の矢印A)に延びており、成膜室10b上に配置されている。本実施形態においては、搬送方向(矢印A)はX軸に沿って設定されている。また、真空容器10は、導電性の材料からなり接地電位に接続されている。
【0017】
搬送機構3は、成膜材料Maと対向した状態で被処理物11を保持する被処理物保持部材32を搬送方向Aに搬送する。搬送機構3は、搬送室10a内に設置された複数の搬送ローラ31によって構成されている。搬送ローラ31は、搬送方向(矢印A)に沿って等間隔で並んでおり、被処理物保持部材32を支持しつつ搬送方向に搬送することができる。なお、被処理物11としては、例えばガラス基板やプラスチック基板などの板状部材が例示される。
【0018】
プラズマ源7は、圧力勾配型であり、その本体部分が成膜室10bの側壁(プラズマ口10c)に設けられている。プラズマ源7において生成されたプラズマPは、プラズマ口10cから成膜室10b内へ出射される。プラズマPは、プラズマ口10cに設けられた図示しないステアリングコイルによって出射方向が制御される。
【0019】
ハース機構2は、成膜材料Maを保持するための機構である。ハース機構2は、真空容器10の成膜室10b内に設けられ、搬送機構3から見てZ軸方向の負方向に配置されている。ハース機構2は、プラズマ源7から出射されたプラズマPを成膜材料Maへ導く主陽極、またはプラズマ源7から出射されたプラズマPが導かれる主陽極である主ハース21を有する。主ハース21は、接地電位である真空容器10に対して正電位に保たれており、プラズマPを吸引する。このプラズマPが入射する主ハース21の中央部には、成膜材料Maを装填するための貫通孔が形成されている。そして、成膜材料Maの先端部分が、この貫通孔の一端において露出している。
【0020】
補助陽極6は、プラズマPを誘導するための電磁石である。補助陽極6は、成膜材料Maを保持する主ハース21の周囲に配置されており、環状の容器、並びに該容器内に収容されたコイル6a及び永久磁石6bを有する。コイル6a及び永久磁石6bは、コイル6aに流れる電流量に応じて、成膜材料Maに入射するプラズマPの向き、または、主ハース21に入射するプラズマPの向きを制御する。
【0021】
成膜材料Maとしては、ITOやZnOなどの透明導電材料や、SiONなどの絶縁封止材料が例示される。成膜材料Maが絶縁性物質からなる場合、主ハース21にプラズマPが照射されると、プラズマPからの電流によって主ハース21が加熱され、成膜材料Maの先端部分が蒸発し、プラズマPによりイオン化された成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散する。また、成膜材料Maが導電性物質からなる場合、主ハース21にプラズマPが照射されると、プラズマPが成膜材料Maに直接入射し、成膜材料Maの先端部分が加熱されて蒸発し、プラズマPによりイオン化された成膜材料粒子Mbが成膜室10b内に拡散する。成膜室10b内に拡散した成膜材料粒子Mbは、成膜室10bの上方(Z軸正方向)へ移動し、搬送室10a内において被処理物11の表面に付着する。なお、成膜材料Maは、所定長さの円柱状の固体に成形されており、一度に複数の成膜材料Maがハース機構2にセットされる。そして、最上部の成膜材料Maの先端部分が主ハース21の上端との所定の位置関係を保つように、成膜材料Maの消費に応じて、成膜材料Maがハース機構2の下方から順次押し出される。
【0022】
また、ハース機構2は、主ハース21の周囲に配置されたカバー28を更に有する。このカバー28は、成膜材料Maが成膜時に主ハース21の周囲に堆積することによる主ハース21と補助陽極6との短絡を防止するために設けられている。
【0023】
図2に示すように、ハース機構2が有するカバー28は、円筒状の有底容器であり、主ハース21を取り囲むように配置された側壁28bを有する。また、カバー28の底部には、主ハース21が挿通される円形の開口28aが形成されている。そして、カバー28の開口28aに主ハース21が挿通されている。また、カバー28の側壁28bの上部は、カバー28の側方へ向けて徐々に反っている。
【0024】
また、ハース機構2は、主ハース21とカバー28との間にインシュレーター22を更に有する。このインシュレーター22は、主ハース21とカバー28とを電気的に絶縁する絶縁体である。インシュレーター22には、主ハース21を挿通させる筒状部22aと、筒状部22aから外方に張り出すつば部22bとを有する。筒状部22aは、カバー28の開口部28aに下方から挿通され、主ハース21は、筒状部22aの開口部に挿通されている。つば部22bは、カバー28の底面に当接して配置されている。すなわち、主ハース21とカバー28との間に、インシュレーター22が配置されて、主ハース21及びカバー28は互いに接触していない状態である。
【0025】
ここで、本実施形態の成膜装置1は、被成膜物に成膜材料を付着させて成膜する運転モードである成膜運転モードと、カバー28に付着した付着物である成膜材料を除去する運転モードである清掃運動モードとを切り替え可能な構成とされている。具体的には、成膜装置1は、プラズマ源7と主ハース21とを電気的に接続する第1の配線31、第1の配線31に直列に接続された電源33、電源33とカバー28とを電気的に接続する第2の配線32、電源33と主ハース21との間の第1の配線31に直列に接続された第1のスイッチ(開閉器)34、電源33とカバー28との間の第2の配線32に設けられた第2のスイッチ(開閉器)35、及び成膜運転モードと清掃運転モードとの切り替えを制御する制御部36(図5参照)を備える。第1のスイッチ34及び第2のスイッチ35は、有接点スイッチ(機械式スイッチ)に限定されず、無接点スイッチでも良い。
【0026】
図5は、成膜装置の制御部及びスイッチを示すブロック構成図である。図5に示すように、制御部36は、真空容器10外に配置され、第1のスイッチ34及び第2のスイッチ35と電気的に接続されている。制御部36は、第1のスイッチ34及び第2のスイッチ35をON状態とすることで、プラズマビームPを主ハース21へ導いて成膜運転モードへの切り替えを行い、第1のスイッチ34をOFF状態とする共に第2のスイッチ35をON状態とすることで、プラズマビームPをカバー28へ導いて清掃運転モードへの切り替えを行う。制御部36は、第1のスイッチ34及び第2のスイッチ35に指令信号を送信することで、ON/OFFの切り替えを行う。
【0027】
また、制御部36は、成膜運転モードでの運転時間を積算しておき、運転時間の積算値が、運転モードの切り替えを判定するための判定閾値に達したか否かの判定を行う機能を有する。成膜装置1には、運転時間の積算値が判定閾値に達していることを報知する警告手段が設けられている。制御部36は、成膜運転モードによる運転時間の積算値が判定閾値に達した場合に、警告手段であるアラームランプやモニター画面を用いた警告を行い、清掃運転モードへの切り替え操作の実行をオペレーターに報知することができる。オペレーターは、警告手段による警告を受け、所定の操作を行い清掃運転モードへの切り替えを行う。
【0028】
なお、運転時間の積算値が判定閾値に達した場合に、清掃運転モードへの切り替えを自動的に、実行可能な成膜装置でもよい。また、カメラなどを用いて、オペレーターが堆積物の付着量を確認して、清掃運転モードへの切り替え時期を判定してもよい。
【0029】
次に、成膜装置1を用いた成膜方法について説明する。まず、主ハース21へ成膜材料Maを装着するとともに、被処理物11を保持した被処理物保持部材32を搬送機構3に複数セットする。そして、真空容器10内を真空状態にする。
【0030】
続いて、接地電位にある真空容器10を挟んで、負電圧をプラズマ源7に、正電圧を主ハース21に印加して放電を生じさせ、プラズマPを生成する。このとき、制御部36は、第1のスイッチ34をON状態とし、第2のスイッチ35をON状態とする(図3参照)。主ハース21とカバー28とを同じ電位とする。プラズマPは、補助陽極6に案内されて主ハース21へ照射される。プラズマPによって昇華し、活性化された成膜材料粒子Mbは、成膜室10b内をZ軸方向の正方向に上昇する。
【0031】
他方、被処理物11は、搬送機構3によって搬送されて成膜室10bの上方に達し、成膜室10b内を拡散している成膜材料粒子Mbに曝される。そして、主ハース21と対向する被処理物11の成膜面に、成膜室10b内に拡散した成膜材料粒子Mbのイオン化粒子が膜状に付着する。被処理物11が一定速度で搬送されながら成膜材料粒子Mbに所定時間曝されることにより、被処理物11の表面に所定の厚さの膜が形成される。こうして、被処理物11の表面に所望の膜が形成される。
【0032】
以上の成膜工程においては、複数の被処理物11を搬送しながらこれらの被処理物11に対して成膜する。また、主ハース21には複数の成膜材料Maを装着することが可能となっている。従って、真空容器10の真空状態を維持したまま長時間にわたって成膜作業を行うことができるが、長時間の成膜作業の結果、カバー22の側壁の内側に成膜材料Maの堆積物D(図4)が堆積する。この堆積物Dは、蒸発した成膜材料粒子Mbが上昇せずに主ハース21の周囲に留まることにより次第に大きく形成される。
【0033】
ここで、制御部36は、成膜運転モードから清掃運転モードへの切り替えを行う。このとき、制御部36は、第1のスイッチ34をOFF状態とする共に第2のスイッチ35をON状態とすることで、プラズマビームPをカバー28へ導いて清掃運転モードへの切り替えを行う(図4参照)。
【0034】
このような成膜装置1によれば、主ハース21とカバー28との間にインシュレーター22が配置され、電源33と主ハース21とを接続する第1の配線31に第1のスイッチ34が設置され、電源33とカバー28とを接続する第2の配線32に第2のスイッチ35が設置されているため、スイッチを開閉することで、主ハース21とカバー28との間に電位差を生じさせることができる。これにより、プラズマ源7から生成されたプラズマビームPを主ハース21側へ誘導することが可能であり、プラズマビームPをカバー28側へ誘導することも可能となる。このように、プラズマビームPをカバー28へ誘導することで、カバー28に付着した成膜材料を加熱して、再昇華させることができる。そのため、プラズマビームPの導出先を切り替えるだけで、カバー28に付着した成膜材料を除去することが可能となり、メンテナンス作業の簡素化を図ることができる。
【0035】
また、成膜装置1は、成膜運転モードと清掃運転モードとの切り替えを制御する制御部36を備える構成であるため、スイッチ34,35の切り替えを行い自動的に行い、カバー28に付着した成膜材料を除去することができる。これにより、真空状態を解除して行うメンテナンス作業の周期を延長することができる。その結果、連続運転時間の延長を図り、生産効率の向上を図ることが可能となる。
【0036】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0037】
1…成膜装置、2…ハース機構、7…プラズマガン(プラズマ源)、21…主ハース、22…インシュレーター、28…カバー、31…第1の配線、32…第2の配線、33…電源、34…第1のスイッチ、35…第2のスイッチ、36…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマビームによって成膜材料を加熱し、前記成膜材料から気化した粒子を被成膜物に付着させて成膜する成膜装置であって、
真空環境を形成する真空容器と、
前記真空容器内に前記プラズマビームを生成するプラズマ源と、
前記成膜材料を保持すると共に、前記プラズマビームを前記成膜材料へ導く主陽極または前記プラズマビームが導かれる主陽極である主ハースと、
前記主ハースの周囲に配置され前記プラズマビームを誘導する補助陽極と、
前記主ハースと前記補助陽極との間に配置され前記主ハースを覆うカバーと、
前記主ハースと前記カバーとを電気的に絶縁する絶縁体と、
前記プラズマ源と前記主ハースとを電気的に接続する第1の配線と、
前記第1の配線中に設けられた電源と、
前記電源と前記カバーとを電気的に接続する第2の配線と、
前記電源と前記主ハースとの間の前記第1の配線に設けられた第1のスイッチと、
前記電源と前記カバーとの間の前記第2の配線に設けられた第2のスイッチと、を備えることを特徴とする成膜装置。
【請求項2】
前記被成膜物に前記成膜材料を付着させて成膜する運転モードである成膜運転モードと、前記カバーに付着した付着物である前記成膜材料を除去する運転モードである清掃運転モードとの切り替えを制御する制御部を更に備え、
前記制御部は、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチをON状態とすることで、前記プラズマビームを前記主ハース又は前記成膜材料へ導いて前記成膜運転モードへの切り替えを行い、
前記第1のスイッチをOFF状態とする共に前記第2のスイッチをON状態とすることで、前記プラズマビームを前記カバーへ導いて前記清掃運転モードへの切り替えを行うことを特徴とする請求項1に記載の成膜装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−207287(P2012−207287A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74818(P2011−74818)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000002107)住友重機械工業株式会社 (2,241)
【Fターム(参考)】