説明

打ち抜き装置

【課題】打ち抜き時、ワークに損傷や形状不良が発生することを防止できる打ち抜き装置を提供すること。
【解決手段】パンチ1と、このパンチ1に嵌合する打ち抜き孔2aを有するダイ2とを備え、ダイ2に載置された板状のワークWをパンチ1によって打ち抜く打ち抜き装置において、ダイ2の打ち抜き孔2a周囲のワーク載置面に、ワークWを着脱可能に真空吸着して固定するワーク固定手段として多孔質体4を装着し、ワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを使用することなくワークを打ち抜くようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状のワークの打ち抜き装置に関する。
【背景技術】
【0002】
板状のワークを打ち抜く打ち抜き装置として、パンチを使用した打ち抜き装置が多用されている。この打ち抜き装置は、一般的に、パンチと、このパンチに嵌合する打ち抜き孔を有するダイと、ワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを備え、ダイの上にワークを載置し、ストリッパでワークをダイに押さえ付けた状態でパンチをダイの打ち抜き孔に嵌合させることにより、パンチの周縁と打ち抜き孔の周縁との間でワークを剪断し打ち抜く。打ち抜かれたワークは、ダイの穴から下方に排出される。
【0003】
しかし、このような打ち抜き装置においては、打ち抜き時にストリッパでワークをダイに押さえ付けるようにしているため、とくに薄板状のワークを打ち抜く場合、不均一な応力が一部に掛かり、ワークの表面を傷つけたり、ワークをゆがめたりしてワークに損傷や形状不良が発生するという問題があった。例えば、電気を貯蔵できる蓄電デバイスの一種である電気二重層キャパシタでは、厚みが10〜20μm程度の電極箔の両面に活性炭等の多孔質物質を塗布したものに電解質溶液を浸み込ませることで、電気を蓄えたり放出するようにしているが、このような積層板は、厚みが薄いことに加え、多孔質物質層があることから、ストリッパでワークをダイに押さえ付けると、その押圧力によって多孔質物質層が潰れてしまい、性能劣化を招くことになる。
【0004】
これに対して、特許文献1には、ダイのワーク載置面に吸着手段として多孔質吸着プレートを装着し、この多孔質吸着プレートによってワークをダイ上に真空吸着させた状態で、パンチによってワークを打ち抜くようにした打ち抜き装置が開示されている。
【0005】
しかし、この特許文献1の打ち抜き装置においても、打ち抜き時にワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを使用しており、上述の問題は解消されていない。
【0006】
また、特許文献1の打ち抜き装置においては、ダイのワーク載置面に吸着手段として装着した多孔質吸着プレートによってワークに損傷や形状不良が生じるおそれがある。すなわち、多孔質吸着プレートを構成する多孔質体には多数の気孔が存在し、その気孔を介して真空吸着するが、その吸引力により吸着部分が局所的に変形して多孔質体の凹凸が転写された形となり、打ち抜かれたワークに損傷や形状不良が生じるおそれがある。このような多孔質体の凹凸によるワークの損傷や形状不良の問題は、上記特許文献1ではまったく認識されていない。
【特許文献1】特開2006−88302号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、打ち抜き時、ワークに損傷や形状不良が発生することを防止できる打ち抜き装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、パンチと、このパンチに嵌合する打ち抜き孔を有するダイとを備え、ダイに載置された板状のワークをパンチによって打ち抜く打ち抜き装置において、ダイの打ち抜き孔周囲のワーク載置面に、ワークを着脱可能に吸着して固定するワーク固定手段を装着し、ワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを使用することなくワークを打ち抜くようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
このようにワーク固定手段によってワークをダイのワーク載置面に吸着して固定し、ワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを使用することなくワークを打ち抜くようにしたことで、従来のようにストリッパによってワークが押さえ付けられることがないので、ワークに損傷や形状不良が発生することを防止できる。
【0010】
本発明においてワーク固定手段は、ダイの打ち抜き孔の周縁から0.05mmの範囲を除く領域に装着することが好ましい。ダイの打ち抜き孔の周縁から0.05mmの範囲内に多孔質体を装着すると、ダイの周縁部の金属や超硬合金に剥離などのおそれがでる。
【0011】
また、本発明においてワーク固定手段は、ワークを着脱可能に真空吸着する多孔質体によって構成することが好ましい。
【0012】
このワーク固定手段としての多孔質体は、セラミックス焼結体によって構成することができる。そして、セラミックス焼結体としては、一般的には、その気孔率が15〜40%、平均気孔径が0.1〜20μmであるのものを使用することが、ワークの局所的な変形や損傷を防止する上で好ましい。気孔率が15%未満では十分な吸着力が得られず、また、減圧および加圧の際に応答速度が遅くなり、非効率になる。一方、40%を超えると表面の気孔による多孔質体の表面凹凸がワークに転写されるおそれがある。また、平均気孔径が0.1μm未満では吸着力が十分確保できず、一方、20μmを超えると先に述べたようにワークに多孔質体の表面凹凸が転写されるおそれがある。なお、気孔径の測定は水銀圧入法にて行った。
【0013】
さらに、セラミックス焼結体の気孔率を15〜25%の範囲に限定すると、ワークをセラミックス焼結体の表面全体で吸着しなくても部分的な領域で吸着可能となる。気孔率が25%を超える場合、セラミックス焼結体の表面全体でワークを吸着しないと、ワークが吸着されない領域からの外気の流入が多いため、必要な吸着力を得ることができない。これに対して、気孔率を15〜25%の範囲にすると、セラミックス焼結体の表面全体でワークを吸着しなくても、ワークが吸着されない領域からの外気の流入が少ないため、必要な吸着力を得ることができ、セラミックス焼結体の部分的な領域にのみワークが存在する場合であってもワークを吸着することができる。例えば、ダイに装着されたセラミックス焼結体の大きさよりもワークの大きさが小さい場合や、ワークから製品部分であるプロダクトを連続的に打ち抜く際にプロダクトが打ち抜かれたワークがセラミックス焼結体上に位置する場合であっても、問題なくワークを吸着することができる。
【0014】
また、多孔質体(セラミックス焼結体)の表面粗さは、算述平均粗さ(JIS規格1994年度版)Raで0.1(μm)以下であることが好ましく、より好ましくは0.05(μm)以下である。これによって、多孔質体(セラミックス焼結体)自体の表面凹凸によるワークの局所的な変形や損傷をより確実に防止できる。
【0015】
多孔質体(セラミックス焼結体)の材質としては、Al、Mg、Zr、Si、Caのうちのいずれかの酸化物の1種または2種以上を主成分として70体積%以上100体積%以下含むものが好ましい。これらの酸化物に共通する事項は、安価である、焼成および加工が容易である、表面粗さを加工により一定以下に抑えるのが容易であることなどであり、気孔径や気孔率が同様であれば、いずれを用いた場合にも同様の特徴が得られる。これらの酸化物のみから多孔質体を製造しても良いが、炭化物や窒化物などを30体積%未満で含んでも良い。一般に炭化物や窒化物は酸化物に比べて難焼結材であるために、気孔を形成するのには都合が良いが、30体積%を超えると焼成が難しくなるだけでなく、緻密化が進まないために脆いセラミックスになりやすい。
【0016】
本発明において、ワーク固定手段としては、上述の多孔質体のほか、これと同様にワークを着脱可能に真空吸着可能なパンチングメタル等のパンチング材を用いることができる。この場合、パンチング材の孔径は1mm以下、開孔率は0.1〜50%とすることが好ましい。また、静電チャック体や電磁石もワーク固定手段として使用することができる。
【0017】
本発明の打ち抜き装置によって打ち抜かれるワークは、ワークの製品部分であるプロダクトであっても良いし、ワークの不要部であるトリムであっても良い。打ち抜かれるワークがワークの製品部分であるプロダクトである場合、パンチの先端面に、打ち抜かれるワークを着脱可能に真空吸着する吸着手段を設け、打ち抜かれたワークを吸着手段に吸着した状態でパンチを移動させ、次工程に移送するようにすることができる。
【0018】
また、このような吸着手段としては多孔質体を使用することができ、この多孔質体としては上述のワーク固定手段としてのセラミックス焼結体と同じセラミックス焼結体を使用することができる。これによって、ワークの打ち抜き工程から次工程への移送まで、ワークの損傷や形状不良を生じることなく、ワークを確実かつ円滑に取り扱うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ワーク固定手段によってワークをダイのワーク載置面に真空吸着して固定し、ワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを使用することなくワークを打ち抜くようにしたことで、従来のようにストリッパによってワークが押さえ付けられることがないので、ワークに損傷や形状不良が発生することを防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に示す実施例に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の打ち抜き装置の一実施例を示す断面図である。同図に示す打ち抜き装置は、ワークWを打ち抜くために、パンチ1と、パンチ1に嵌合する打ち抜き孔2aを有するダイ2とを備える。
【0022】
パンチ1は、先端側部材1aとこれと一体的に接合された基端側部材1bとからなり、先端側部材1aの下端面に、ワークWを着脱可能に真空吸着する吸着手段として多孔質体3が装着されている。基端側部材1aは、打ち抜き刃として打ち抜き特性を確保するために超硬合金等の切断用硬質体によって形成する。また、基端側部材1bの材質はとくに限定されないが、剛性を確保するためにヤング率200GPa以上とすることが好ましい。基端側部材1aと基端側部材1bとは別々に形成され、基端側部材1aに多孔質体3を装着したのちに、嵌合、焼き嵌め、冷やし嵌め、接着等の手法によって一体的に接合される。なおこのように、パンチ1を先端側部材1aと基端側部材1bとに分けて形成するのではなく、超硬合金等によって単一の部材として形成することもできる。
【0023】
一方、ダイ2の打ち抜き孔2aの周囲上面(ワーク載置面)にも、ワークWを着脱可能に真空吸着する吸着手段として多孔質体4が装着されている。
【0024】
これらの多孔質体3,4は、それぞれ吸気路5,6を介して真空ポンプ等の真空吸引手段7に接続されており、この真空吸引手段7を稼働させることによって、吸着手段として作用する。なお、吸気路5,6には、それぞれ開閉弁5a,6aが設けられている。
【0025】
多孔質体3,4は、実施例では、気孔率が25%、平均気孔径が10μm、アルミナ焼結体で形成した。
【0026】
図2は、図1のパンチ1(先端側部材1a)を下端面側から見た図である。パンチ1の多孔質体3は、パンチ1の下端面の周縁から幅Aの部分を除く全面に装着されている。この幅Aは、多孔質体3による吸着性能を考えると薄い方が好ましいが、パンチ1による打ち抜き性能を考えると0.1mm〜2mmの範囲とするのが好ましい。
【0027】
図3は、図1のダイ2を上面側から見た図である。ダイ2の多孔質体4は、ダイ2の打ち抜き孔2aの周縁から幅Bを開けて、その周縁に沿って環状に装着されている。この幅Bは、ダイ2による打ち抜き性能、すなわちダイ2の切れ刃部分の超硬合金や硬質金属などの剥離、破壊などを考えると、0.05mmより大きくすることが好ましい。また、多孔質体4による吸着性能とのバランスを考えると、0.1〜5mmの範囲とするのがより好ましい。
【0028】
次に、図1に示す打ち抜き装置によるワークWの打ち抜き動作について説明する。
【0029】
図4は、その打ち抜き動作の工程を示す要部の断面図で、図4(a)は図1の状態から、パンチ1をワークWに接するまで下降させた状態を示す。このとき、吸気路5,6の開閉弁5a,6aは開にしておき、多孔質体3,4を吸着状態とする。これにより、ワークWは、ダイ2の上面およびパンチ1の下面にて確実に吸着保持される。
【0030】
この状態から、図4(b)に示すようにパンチ1を下降させ、パンチ1の周縁とダイ2の打ち抜き孔2aの周縁との間でワークWを剪断し打ち抜く。その後、図4(c)に示すようにパンチ1を上昇させる。このとき打ち抜かれたワークWはパンチ1の多孔質体3によって吸着保持されているので、パンチ1の下端面に残る。
【0031】
その後、図4(d)に示すように、ワークWを吸着保持したままパンチ1を水平方向に移動させ、ワークWを次工程の所定場所まで移送する。そして、吸気路5の開閉弁5a(図1参照)を閉にし、パンチ1の多孔質体3によるワークWの吸着を解除し、図4(e)に示すようにワークWを所定場所に載置する。なお、ワークWを所定場所に載置する際に、ワークWがパンチ1の多孔質体3から離れやすくなるように、図1に示すように、吸気路5の開閉弁5aの多孔質体3側にガス導入路8を接続し、このガス導入路8から多孔質体3側にガスを導入し、ガスの圧力によって多孔質体3からワークWを押し離すようにすることもできる。
【0032】
以上のように、本発明では、ワークの打ち抜き工程から次工程への移送まで、ワークWの吸着を多孔質体によって行うので、ワークWに局所的な変形や損傷を生じることなく、確実かつ円滑に取り扱うことができる。
【0033】
なお、この実施例では、パンチ1によってワークWを所定場所に移送するようにしたが、ワークWを着脱可能に真空吸着する吸着手段として上記多孔質体3,4と同様の多孔質体を備えるアーム手段を設け、パンチ1の多孔質体3に吸着された打ち抜き後のワークをアーム手段の多孔質体に吸着させて移し換え、その後アーム手段によって所定場所に移送するようにすることもできる。また、ダイ2の多孔質体4は、環状に連続的に設けたが、断続的に設けてもよい。
【0034】
さらにこの実施例では、ワーク固定手段として多孔質体4を使用したが、この多孔質体4をそのままパンチングメタル等のパンチング材に置き換えてもよいし、多孔質体4が装着されている場所に、多孔質体に代えて静電チャック体や電磁石を装着し、ワークを着脱可能に吸着するようにしてもよい。
【実施例2】
【0035】
図5は、本発明の打ち抜き装置の他の実施例を示す要部の平面図である。
【0036】
この実施例は、ワークWを図5中の矢印方向に移動させながら、ワークWの製品部分であるプロダクトを連続的に打ち抜くようにしたものである。
【0037】
ワーク固定手段としては、ダイ2の打ち抜き孔2aのワークW進行方向上流側に多孔質体4aが装着され、打ち抜き孔2aのワークW進行方向下流側に多孔質体4bが装着されている。その他の構成は、先の実施例1と実質的に同一である。
【0038】
多孔質体4a,4bは、ともにセラミックス焼結体からなるが、図5に示すように上流側の多孔質体4aは、その表面全体でワークWを吸着するように配置されているため、気孔率に厳密な制限はなく、例えば15〜40%の範囲とすることができる。一方、下流側の多孔質体4bは、プロダクトが打ち抜かれたワークWを吸着するため、ワークWを表面全体ではなく部分的な領域で吸着することになる。この部分的な吸着を可能とするため、多孔質体4bの気孔率は15〜25%の範囲とする。
【0039】
打ち抜かれたプロダクトは、先の実施例1で説明したように、パンチによって回収することが好ましい。無論、別途にアーム手段を設けて、このアーム手段によって打ち抜かれたプロダクトを回収するようにしてもよい。
【実施例3】
【0040】
図6は、本発明の打ち抜き装置のさらに他の実施例を示す要部の平面図である。
【0041】
この実施例では、ワークWを図6中の矢印方向に移動させながら、ワークWの不要部であるトリムを連続的に打ち抜くことにより、製品部分となるプロダクトを回収するようにしたものである。
【0042】
ワーク固定手段としては、ダイ2の打ち抜き孔2aのワークW進行方向上流側と下流側にそれぞれ多孔質体4が装着されている。また、トリムを連続的に打ち抜いてプロダクトを回収するために、ダイ2の打ち抜き孔2aは図6に示すように、ワークWの幅よりも大きく、ワークWを分断するように形成されている。図示していないが、当然、パンチも打ち抜き孔2aに対応する形状に形成されている。その他の構成は、先の実施例1と実質的に同一である。
【0043】
多孔質体4は、セラミックス焼結体からなるが、図6に示すように上流側および下流側の多孔質体4ともに、その表面全体でワークWを吸着するように配置されているため、気孔率に厳密な制限はなく、例えば15〜40%の範囲とすることができる。
【0044】
この実施例では、トリムをパンチで打ち抜くようにしているため、プロダクトをパンチで回収することはできない。したがって、別途にアーム手段を設けて、このアーム手段によってプロダクトを回収する。このアーム手段としては、実施例1でも説明したように、ワーク吸着部に多孔質体を備えるアーム手段を使用することができる。
【0045】
この実施例によれば、ワークWの幅方向の両端にトリムが発生しないので、ワークの価格が高くワークを有効利用したい場合にとくに有効である。
【0046】
なお、以上説明した本発明の打ち抜き装置によって打ち抜くワークは板状であれば限定はなく、金属板のほか、樹脂板、あるいは各種積層板等、あらゆる種類の板状のワークを打ち抜くことができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の打ち抜き装置の一実施例を示す断面図である。
【図2】図1の上パンチを下端面側から見た図である。
【図3】図1のダイを上面側から見た図である。
【図4】図1に示す打ち抜き装置によるワークの打ち抜き動作の工程を示す要部の断面図である。
【図5】本発明の打ち抜き装置の他の実施例を示す要部の平面図である。
【図6】本発明の打ち抜き装置のさらに他の実施例を示す要部の平面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 パンチ
1a 先端側部材
1b 基端側部材
2 ダイ
2a 打ち抜き孔
3,4,4a,4b 多孔質体
5,6 吸気路
5a,6a 開閉弁
7 真空吸引手段
8 ガス導入路
W ワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パンチと、このパンチに嵌合する打ち抜き孔を有するダイとを備え、ダイに載置された板状のワークをパンチによって打ち抜く打ち抜き装置において、ダイの打ち抜き孔周囲のワーク載置面に、ワークを着脱可能に吸着して固定するワーク固定手段を装着し、ワークをダイに押さえ付けて固定するストリッパを使用することなくワークを打ち抜くようにしたことを特徴とする打ち抜き装置。
【請求項2】
ワーク固定手段が、ダイの打ち抜き孔の周縁から0.05mmの範囲を除く領域に装着されている請求項1に記載の打ち抜き装置。
【請求項3】
ワーク固定手段が、ワークを着脱可能に真空吸着する多孔質体またはパンチング材からなる請求項1または請求項2に記載の打ち抜き装置。
【請求項4】
多孔質体がセラミックス焼結体からなる請求項3に記載の打ち抜き装置。
【請求項5】
セラミックス焼結体の気孔率が15〜40%、平均気孔径が0.1〜20μmである請求項4に記載の打ち抜き装置。
【請求項6】
多孔質体の少なくとも一部が、気孔率が15〜25%のセラミックス焼結体からなり、このセラミックス焼結体の領域においては、ワークを表面全体で吸着しなくても部分的な領域で吸着可能である請求項3または請求項4に記載の打ち抜き装置。
【請求項7】
セラミックス焼結体の表面粗さが、算術平均粗さ(JIS規格、1994年版)Raで0.1(μm)以下である請求項4から請求項6のいずれかに記載の打ち抜き装置。
【請求項8】
セラミックス焼結体が、Al、Mg、Zr、Si、Caのうちのいずれかの酸化物の1種または2種以上を主成分として70体積%以上100体積%以下含む請求項4から請求項7のいずれかに記載の打ち抜き装置。
【請求項9】
ワーク固定手段が、静電チャック体または電磁石からなる請求項1または請求項2に記載の打ち抜き装置。
【請求項10】
打ち抜かれるワークが、ワークの製品部分であるプロダクトである請求項1から請求項9のいずれかに記載の打ち抜き装置。
【請求項11】
パンチの先端面に、打ち抜かれるワークを着脱可能に真空吸着する吸着手段を設け、打ち抜かれたワークを吸着手段に吸着した状態でパンチを移動させ、次工程に移送するようにした請求項10に記載の打ち抜き装置。
【請求項12】
パンチの先端面に、前記吸着手段として多孔質体を装着した請求項11に記載の打ち抜き装置。
【請求項13】
打ち抜かれるワークが、ワークの不要部であるトリムである請求項1から請求項9のいずれかに記載の打ち抜き装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−202330(P2009−202330A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−50178(P2008−50178)
【出願日】平成20年2月29日(2008.2.29)
【出願人】(000229173)日本タングステン株式会社 (80)
【Fターム(参考)】