投写型映像表示装置
【課題】 投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーの配置精度を良好に保つことを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、映像光生成部200と、投写光学系300とを備える。投写光学系300は、反射ミラー320を有する。投写型映像表示装置100は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330を配置するか否かを切り替え可能に反射光学素子330を支持する支持機構を備える。
【解決手段】 投写型映像表示装置100は、映像光生成部200と、投写光学系300とを備える。投写光学系300は、反射ミラー320を有する。投写型映像表示装置100は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330を配置するか否かを切り替え可能に反射光学素子330を支持する支持機構を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写面上に映像光を投写する投写光学系を有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源が発する光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面(スクリーン)上に投写する投写レンズとを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
ここで、スクリーン上に映像を大きく表示するためには、投写レンズとスクリーンとの距離を長くとる必要がある。これに対して、投写レンズから出射される光をスクリーン側に反射する反射ミラーを利用して、投写型映像表示装置とスクリーンとの距離の短縮を図った投写型表示システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ここで、投写型映像表示装置とスクリーンとの距離の短縮を図ると、投写型映像表示装置がスクリーンに近くなり、投写型映像表示装置がユーザの視野に入ることになるため、スクリーンの上下又は横から斜め投写を行う必要がある。例えば、上述した投写型表示システムでは、光変調素子と投写光学系との位置関係を上下方向にシフトするとともに、反射ミラーとして凹面ミラーを用いることにより、投写距離の短縮と斜め投写を行っている。
【特許文献1】特開2006−235516号公報(請求項1、図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、投写型映像表示装置の設置方法としては、投写型映像表示装置を床面などに設置する方法(以下、床置き設置)や投写型映像表示装置を天井などに設置する方法(以下、天吊り設置)が考えられる。一方で、投写面上に投写される映像を適切に表示するためには、反射ミラーの配置は非常に重要な要素である。
【0006】
ここで、床置き設置及び天吊り設置では、投写型映像表示装置の上下を反転する必要がある。すなわち、投写型映像表示装置に設けられた反射ミラーにかかる重力の方向が逆転する。従って、反射ミラーの自重によって、反射ミラーの配置精度が低下する可能性がある。
【0007】
具体的には、床置き設置をターゲットに反射ミラーを配置した場合には、天吊り設置において反射ミラーの配置精度が低下する。逆に、天吊り設置をターゲットに反射ミラーを配置した場合には、床置き設置において反射ミラーの配置精度が低下する。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーの配置精度を良好に保つことを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、映像光を生成する映像光生成部(映像光生成部200)と、前記映像光を投写面(投写面210)上に投写する投写光学系(投写光学系300)とを備える。前記投写光学系は、前記映像光生成部から出射された前記映像光を反射する反射ミラー(反射ミラー320)を有する。投写型映像表示装置は、前記反射ミラーで反射された前記映像光を反射する反射光学素子(反射光学素子330)の状態として第1状態と第2状態とを切り替え可能に前記反射光学素子を支持する支持機構(支持機構500)を備える。前記第1状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に前記反射光学素子が配置された状態である。前記第2状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上から前記反射光学素子が外された状態である。前記投写光学系は、前記第1状態において、前記反射光学素子で反射された前記映像光を前記投写面上に投写し、前記第2状態において、前記反射ミラーで反射された前記映像光を前記投写面上に投写する。
【0010】
かかる特徴によれば、支持機構は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に反射光学素子を支持する。投写光学系は、第1状態において、反射光学素子で反射された映像光を投写し、第2状態において、反射ミラーで反射された映像光を投写する。
【0011】
これによって、投写型映像表示装置の上下を反転せずに、床置き設置と天吊り設置とを切り替えることができる。すなわち、投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーにかかる重力の方向が逆転しないため、反射ミラーの配置精度を良好に保つことができる。
【0012】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に設けられた防護カバー(防護カバー400)を備える。前記防護カバーは、前記映像光を透過する開口部を有する。前記開口部は、前記第1状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第1開口部(第1開口部410)と、前記第2状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第2開口部(第2開口部420)とを含む。
【0013】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記開口部を制御する開口制御部(開閉機構制御部255、開閉機構600)をさらに備える。前記開口部は、前記映像光を透過する開口(第1開口411、第2開口421)と、前記開口を塞ぐ蓋体(第1蓋体412、第2蓋体422)とを有する。前記開口制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記開口を前記蓋体で塞ぐか否かを制御する。
【0014】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記投写面上に表示される映像を制御する映像制御部(映像制御部253)をさらに備える。前記映像制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記投写面上に表示される映像の向きを制御する。
【0015】
第1の特徴において、前記反射ミラーは、前記第1状態において、前記反射光学素子と前記投写面との間で前記映像光を集光し、前記第2状態において、前記反射ミラーと前記投写面との間で前記映像光を集光する。前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記映像光が集光される位置近傍に配置される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーの配置精度を良好に保つことを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0018】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図1は、床置き設置の一例を示しており、図2は、天吊り設置の一例を示している。
【0020】
図1及び図2に示すように、投写型映像表示装置100は、映像光生成部200と、投写光学系300と、防護カバー400とを有する。
【0021】
映像光生成部200は、映像光を生成する。具体的には、映像光生成部200は、映像光を出射する表示素子40を少なくとも有する。表示素子40は、投写光学系300の光軸Lに対してシフトした位置に設けられている。表示素子40は、例えば、反射型液晶パネル、透過型液晶パネル、DMD(Digital Micromirror Device)などである。映像光生成部200の詳細については後述する(図5を参照)。
【0022】
投写光学系300は、映像光生成部200から出射された映像光を投写する。ここで、投写光学系300は、投写面210上に映像光を投写する。具体的には、投写光学系300は、投写レンズ310と、反射ミラー320と、反射光学素子330とを有する。
【0023】
投写レンズ310は、映像光生成部200から出射された映像光を反射ミラー320側に出射する。
【0024】
反射ミラー320は、投写レンズ310から出射された映像光を反射する。反射ミラー320は、映像光を集光した上で、映像光を広角化する。例えば、反射ミラー320は、映像光生成部200側に凹面を有する非球面ミラーである。
【0025】
反射光学素子330は、反射ミラー320で反射された映像光を反射する反射ミラーである。反射光学素子330の状態としては、図1に示す状態(以下、第1状態)及び図2に示す状態(以下、第2状態)が考えられる。
【0026】
第1状態は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が配置された状態である。すなわち、第1状態においては、図1に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が取付けられている。
【0027】
一方で、第2状態は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が外された状態である。すなわち、第2状態においては、図2に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が取り外されている。
【0028】
第1実施形態では、反射光学素子330は、着脱可能に構成されている。図1及び図2では省略されているが、投写型映像表示装置100は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に反射光学素子330を支持する支持機構(後述する支持機構500)を有する。支持機構の詳細については後述する(図3及び図4を参照)。
【0029】
防護カバー400は、反射ミラー320を保護するカバーである。防護カバー400は、少なくとも、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に設けられている。防護カバー400は、映像光を透過する開口部を有する。具体的には、防護カバー400は、図1に示すように、第1状態において、反射光学素子330で反射された映像光を透過する第1開口部410を有する。防護カバー400は、図2に示すように、第2状態において、反射ミラー320で反射された映像光を透過する第2開口部420を有する。なお、第1実施形態では、第1開口部410は、第2開口部420と対向する防護カバー400の側面に設けられている。
【0030】
このように、投写光学系300は、第1状態において、第1開口部410を透過した映像光を投写面210上に投写する。投写光学系300は、第2状態において、第2開口部420を透過した映像光を投写面210上に投写する。
【0031】
(支持機構の構成)
以下において、第1実施形態に係る支持機構の構成について、図面を参照しながら説明する。図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る支持機構500を示す図である(第1状態)。図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る支持機構500を示す図である(第2状態)。
【0032】
第1実施形態では、上述したように、反射光学素子330は、着脱可能に構成されている。すなわち、支持機構500は、反射光学素子330を着脱可能に支持する。
【0033】
図3(a)に示すように、反射光学素子330は、ベース331に取付けられる。ベース331は、1対のガイドピン(ガイドピン332a及びガイドピン332b)と、固定ねじ333とを有する。
【0034】
図4(a)に示すように、支持機構500は、防護カバー400の外枠を兼ねた1対の外枠(外枠511及び外枠512)と、1対のアーム部(アーム部513及びアーム部514)とを有する。外枠511は、ガイドピン332aが差し込まれるガイド溝511a及びガイドピン332bが差し込まれるガイド溝511bを有する。外枠512は、固定ねじ333が回し込まれるねじ穴512aを有する。アーム部513及びアーム部514は、ベース331の位置を定めるとともに、ベース331を支持する。
【0035】
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、支持機構500に取付けられる。具体的には、第1に、ベース331に設けられたガイドピン332a及びガイドピン332bは、それぞれ、支持機構500に設けられたガイド溝511a及びガイド溝511bに差し込まれる。第2に、ベース331に設けられた固定ねじ333は、支持機構500に設けられたねじ穴512aに回し込まれる。
【0036】
図4(a)及び図4(b)に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、支持機構500から取り外される。
【0037】
なお、支持機構500は、防護カバー400と一体であることが好ましい。すなわち、防護カバー400は、支持機構500を有することが好ましい。
【0038】
(映像光生成部の構成)
以下において、第1実施形態に係る映像光生成部の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る映像光生成部200を主として示す図である。映像光生成部200は、図5に示した構成に加えて、電源回路(不図示)、映像信号処理回路(不図示)などを有する。ここでは、表示素子40が透過型液晶パネルであるケースについて例示する。
【0039】
映像光生成部200は、光源10と、フライアイレンズユニット20と、PBSアレイ30と、複数の液晶パネル40(液晶パネル40R、液晶パネル40G、液晶パネル40B)と、クロスダイクロイックプリズム50とを有する。
【0040】
光源10は、バーナ及びリフレクタによって構成されるUHPランプなどである。光源10が発する光は、赤成分光、緑成分光及び青成分光を含む。
【0041】
フライアイレンズユニット20は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット20は、フライアイレンズ20a及びフライアイレンズ20bによって構成される。
【0042】
フライアイレンズ20a及びフライアイレンズ20bは、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル40の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0043】
PBSアレイ30は、フライアイレンズユニット20から出射された光の偏光状態を揃える。第1実施形態では、PBSアレイ30は、フライアイレンズユニット20から出射された光をP偏光に揃える。
【0044】
液晶パネル40Rは、赤成分光の偏光方向を回転させることによって赤成分光を変調する。液晶パネル40Rの光入射面側には、一の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板41Rが設けられている。液晶パネル40Rの光出射面側には、一の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過する出射側偏光板42Rが設けられている。
【0045】
同様に、液晶パネル40G及び液晶パネル40Bは、それぞれ、緑成分光及び青成分光の偏光方向を回転させることによって緑成分光及び青成分光を変調する。液晶パネル40Gの光入射面側には、入射側偏光板41Gが設けられており、液晶パネル40Gの光出射面側には、出射側偏光板42Gが設けられている。液晶パネル40Bの光入射面側には、入射側偏光板41Bが設けられており、液晶パネル40Bの光出射面側には、出射側偏光板42Bが設けられている。
【0046】
クロスダイクロイックプリズム50は、液晶パネル40R、液晶パネル40G及び液晶パネル40Bから出射された光を合成する。クロスダイクロイックプリズム50は、投写レンズ310側に合成光を出射する。
【0047】
また、映像光生成部200は、ミラー群(ダイクロイックミラー111、ダイクロイックミラー112、反射ミラー121〜反射ミラー123)と、レンズ群(コンデンサレンズ131、コンデンサレンズ140R、コンデンサレンズ140G、コンデンサレンズ140B、リレーレンズ151〜リレーレンズ152)とを有する。
【0048】
ダイクロイックミラー111は、PBSアレイ30から出射された光のうち、赤成分光及び緑成分光を透過する。ダイクロイックミラー111は、PBSアレイ30から出射された光のうち、青成分光を反射する。
【0049】
ダイクロイックミラー112は、ダイクロイックミラー111を透過した光のうち、赤成分光を透過する。ダイクロイックミラー112は、ダイクロイックミラー111を透過した光のうち、緑成分光を反射する。
【0050】
反射ミラー121は、青成分光を反射して青成分光を液晶パネル40B側に導く。反射ミラー122及び反射ミラー123は、赤成分光を反射して赤成分光を液晶パネル40R側に導く。
【0051】
コンデンサレンズ131は、光源10が発する白色光を集光するレンズである。
【0052】
コンデンサレンズ140Rは、液晶パネル40Rに赤成分光が照射されるように、赤成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ140Gは、液晶パネル40Gに緑成分光が照射されるように、緑成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ140Bは、液晶パネル40Bに青成分光が照射されるように、青成分光を略平行光化する。
【0053】
リレーレンズ151〜リレーレンズ152は、赤成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル40R上に赤成分光を略結像する。
【0054】
(作用及び効果)
第1実施形態では、支持機構500は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に反射光学素子330を支持する。投写光学系300は、第1状態において、反射光学素子330で反射された映像光を投写し、第2状態において、反射ミラー320で反射された映像光を投写する。
【0055】
これによって、投写型映像表示装置100の上下を反転せずに、床置き設置と天吊り設置とを切り替えることができる。すなわち、投写型映像表示装置100と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラー320にかかる重力の方向が逆転しないため、反射ミラー320の配置精度を良好に保つことができる。
【0056】
第1実施形態では、防護カバー400は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に設けられている。従って、ユーザが反射ミラー320に接触して反射ミラー320の角度などが変わることを抑制することができる。また、防護カバー400は、反射ミラー320で反射された映像光を透過する開口部(第1開口部410及び第2開口部420)を有する。従って、投写面210上に照射される映像光が防護カバー400によって妨げられることがない。このように、投写型映像表示装置100と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラー320の配置精度を良好に保つことができる。
【0057】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。
【0058】
具体的には、第1実施形態では、反射光学素子330は、着脱可能に構成される。これに対して、第2実施形態では、反射光学素子330は、回動可能に構成される。
【0059】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第2実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図6及び図7は、第2実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図6は、床置き設置の一例を示しており、図7は、天吊り設置の一例を示している。図6及び図7では、図1及び図2と同様の構成について同様の符号を付している。
【0060】
第1状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が配置された状態である。すなわち、第1状態においては、図6に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が回動している。
【0061】
一方で、第2状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が外された状態である。すなわち、第2状態においては、図7に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるように反射光学素子330が回動している。
【0062】
(支持機構の構成)
以下において、第2実施形態に係る支持機構の構成について、図面を参照しながら説明する。図8(a)及び図8(b)は、第2実施形態に係る支持機構500を示す図である(第1状態)。図9(a)及び図9(b)は、第2実施形態に係る支持機構500を示す図である(第2状態)。
【0063】
第2実施形態では、上述したように、反射光学素子330は、回動可能に構成されている。すなわち、支持機構500は、反射光学素子330を回動可能に支持する。
【0064】
図8(a)及び図9(a)に示すように、反射光学素子330は、ベース331に取付けられる。ベース331は、支持機構500に設けられた回動軸524に取付けられる。
【0065】
図8(a)〜図9(b)に示すように、支持機構500は、偏心カム521と、カムシャフト522と、モータ機構523と、回動軸524と、ガイド溝525とを有する。
【0066】
偏心カム521は、カムシャフト522を中心として回動する。偏心カム521は、反射光学素子330が取付けられたベース331を支持する。カムシャフト522は、モータ機構523によって発生される駆動力によって回動する。カムシャフト522は、偏心カム521の中心から外れた位置に設けられる。回動軸524は、反射光学素子330が取付けられたベース331を回動可能に支持する。ガイド溝525は、回動軸524を中心として回動するベース331が描く円弧に沿った溝である。ガイド溝525は、反射光学素子330が取付けられたベース331の回動を補助する。
【0067】
このように、モータ機構523によって発生される駆動力によって、反射光学素子330が取付けられたベース331は、回動軸524を中心としてガイド溝525に沿って回動する。ガイド溝525は、ベース331の回動範囲を規定してもよい。
【0068】
図8(a)及び図8(b)に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、カムシャフト522の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に回動する。一方で、図9(a)及び図9(b)に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、カムシャフト522の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるように回動する。
【0069】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第3実施形態との相違点について主として説明する。
【0070】
具体的には、第1実施形態では、反射光学素子330は、着脱可能に構成される。これに対して、第3実施形態では、反射光学素子330は、スライド可能に構成される。
【0071】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第3実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図10及び図11は、第3実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図10は、床置き設置の一例を示しており、図11は、天吊り設置の一例を示している。図10及び図11では、図1及び図2と同様の構成について同様の符号を付している。
【0072】
第1状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が配置された状態である。すなわち、第1状態においては、図10に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330がスライドしている。
【0073】
一方で、第2状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が外された状態である。すなわち、第2状態においては、図11に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるように反射光学素子330がスライドしている。
【0074】
(支持機構の構成)
以下において、第3実施形態に係る支持機構の構成について、図面を参照しながら説明する。図12(a)及び図12(b)は、第3実施形態に係る支持機構500を示す図である(第1状態)。図13(a)及び図13(b)は、第3実施形態に係る支持機構500を示す図である(第2状態)。
【0075】
第3実施形態では、上述したように、反射光学素子330は、スライド可能に構成されている。すなわち、支持機構500は、反射光学素子330をスライド可能に支持する。
【0076】
図12(a)及び図13(a)に示すように、反射光学素子330は、ベース331に取付けられる。ベース331は、支持機構500に設けられたアーム部532に固定される。
【0077】
図12(a)〜図13(b)に示すように、支持機構500は、1対のガイドレール531(ガイドレール531a及びガイドレール531b)と、アーム部532と、歯車533と、モータ機構534とを有する。
【0078】
ガイドレール531は、アーム部532をスライド可能に支持するレールである。歯車533は、モータ機構534によって発生される駆動力によって回転する。すなわち、モータ機構534によって発生される駆動力によって、アーム部532に固定されたベース331がガイドレール531上をスライドする。
【0079】
図12(a)及び図12(b)に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上にスライドする。一方で、図13(a)及び図13(b)に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるようにスライドする。
【0080】
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第4実施形態との相違点について主として説明する。
【0081】
具体的には、第4実施形態は、開口部は、開口及び蓋体によって構成される。なお、第4実施形態では、第2実施形態に示した支持機構500が用いられるケースについて例示する。
【0082】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第4実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図14及び図15は、第4実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図14は、床置き設置の一例を示しており、図15は、天吊り設置の一例を示している。図14及び図15では、図1及び図2と同様の構成について同様の符号を付している。
【0083】
図14及び図15に示すように、第1開口部410は、第1開口411と、第1蓋体412とを有する。第1開口411は、映像光を透過する。第1蓋体412は、第1開口411を塞ぐことが可能である。例えば、第1蓋体412のスライドによって、第1開口411を第1蓋体412によって塞ぐことが可能である。同様に、第1蓋体412のスライドによって、第1開口411を露出させることが可能である。
【0084】
第2開口部420は、第2開口421と、第2蓋体422とを有する。第2開口421は、映像光を透過する。第2蓋体422は、第2開口421を塞ぐことが可能である。例えば、第2蓋体422のスライドによって、第2開口421を第2蓋体422によって塞ぐことが可能である。同様に、第2蓋体422のスライドによって、第2開口421を露出させることが可能である。
【0085】
図14及び図16(a)に示すように、第1状態において、第1開口部410は、第1蓋体412のスライドによって、第1開口411が露出した状態となる。一方で、図14及び図16(b)に示すように、第1状態において、第2開口部420は、第2蓋体422のスライドによって、第2蓋体422によって第2開口421が塞がれた状態となる。
【0086】
図15及び図17(a)に示すように、第2状態において、第1開口部410は、第1蓋体412のスライドによって、第1蓋体412によって第1開口411が塞がれた状態となる。図15及び図17(b)に示すように、第2状態において、第2開口部420は、第2蓋体422のスライドによって、第2開口421が露出した状態となる。
【0087】
(作用及び効果)
第4実施形態では、第1開口部410及び第2開口部420は、それぞれ、第1蓋体412及び第2蓋体422を有する。従って、映像光の投写で用いない開口を蓋体によって塞いで、埃や塵などが開口から装置内に入ることを抑制することができる。
【0088】
[第5実施形態]
以下において、第5実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第5実施形態との相違点について主として説明する。
【0089】
具体的には、第5実施形態は、開口部は、開口及び蓋体によって構成される。なお、第5実施形態では、第3実施形態に示した支持機構500が用いられるケースについて例示する。また、蓋体は、支持機構500と連動して動作する。
【0090】
(反射光学素子及び蓋体の動作)
以下において、第5実施形態に係る反射光学素子及び蓋体の動作について、図面を参照しながら説明する。図18及び図19は、第5実施形態に係る反射光学素子及び蓋体の動作を説明するための図である。なお、図18は、床置き設置の一例を示しており、図19は、天吊り設置の一例を示している。図18及び図19では、図12及び図13と同様の構成について同様の符号を付している。
【0091】
図18及び図19に示すように、第1開口部410は、第1開口411と、第1蓋体412とを有する。第1開口411は、映像光を透過する。第1蓋体412は、第1開口411を塞ぐことが可能である。第2開口部420は、第2開口421と、第2蓋体422とを有する。第2開口421は、映像光を透過する。第2蓋体422は、第2開口421を塞ぐことが可能である。
【0092】
ここで、投写型映像表示装置100は、第1開口部410に設けられた第1蓋体412及び第2開口部420に設けられた第2蓋体422を動かす開閉機構600を有する。
【0093】
開閉機構600は、第1アーム部611と、第1歯車612と、第2アーム部621と、第2歯車622とを有する。
【0094】
第1アーム部611は、第1蓋体412及び第1歯車612に取付けられる。第1歯車612は、歯車533と噛み合わされており、歯車533と連動して回動する。第2アーム部621は、第2蓋体422及び第2歯車622に取付けられる。第2歯車622は、歯車533と噛み合わされており、歯車533と連動して回動する。
【0095】
ここで、図18に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上にスライドする。これに連動して、第1蓋体412は、歯車533及び第1歯車612の回動によって、第1開口411を露出するようにスライドする。第2蓋体422は、歯車533及び第2歯車622の回動によって、第2開口421を塞ぐようにスライドする。
【0096】
一方で、図19に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるようにスライドする。これに連動して、第1蓋体412は、歯車533及び第1歯車612の回動によって、第1開口411を塞ぐようにスライドする。第2蓋体422は、歯車533及び第2歯車622の回動によって、第2開口421を露出するようにスライドする。
【0097】
このように、反射光学素子330の状態に応じて、支持機構500及び開閉機構600が連動して動作する。すなわち、反射光学素子330の状態に応じて、反射光学素子330、第1蓋体412及び第2蓋体422が適切に動作する。
【0098】
(作用及び効果)
第5実施形態では、第1開口部410及び第2開口部420は、それぞれ、第1蓋体412及び第2蓋体422を有する。また、開閉機構600は、反射光学素子330の状態に連動して、映像光の投写で用いない開口を蓋体によって塞ぐ。これによって、埃や塵などが開口から装置内に入ることを自動的に抑制することができる。
【0099】
[第6実施形態]
以下において、第6実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第6実施形態との相違点について主として説明する。
【0100】
具体的には、第6実施形態では、反射光学素子330の状態に応じて、各構成(例えば、液晶パネル40、支持機構500及び開閉機構600)を制御するケースについて説明する。
【0101】
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第6実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図20は、第6実施形態に係る投写型映像表示装置100に設けられた制御ユニット250を示すブロック図である。
【0102】
図20に示すように、制御ユニット250は、入力IF251と、受信部252と、映像制御部253と、支持機構制御部254と、開閉機構制御部255とを有する。
【0103】
入力IF251は、ユーザが操作する操作IF(タッチパネルやスイッチ)から各種情報を受け付ける。例えば、入力IF251は、投写型映像表示装置100の設置方法を指定する指定情報を受け付ける。指定情報は、床置き設置を指定する情報、天吊り設置を指定する情報などである。
【0104】
受信部252は、投写型映像表示装置100を遠隔操作するリモートコントローラから各種情報を受信する。例えば、受信部252は、投写型映像表示装置100の設置方法を指定する指定情報を受信する。
【0105】
映像制御部253は、投写面210上に表示される映像を制御する。すなわち、映像制御部253は、表示素子40(液晶パネル40R〜液晶パネル40B)を制御する。
【0106】
具体的には、映像制御部253は、投写型映像表示装置100の設置方法に応じて、投写面210上に表示される映像の向きを制御する。
【0107】
例えば、設置方法が床置き設置である場合に、投写面210上に表示される映像の向きが適切になるように映像制御部253が設定されているケースについて考える。このようなケースでは、設置方法が天吊り設置である場合に、特に映像制御が行われないと、投写面210上に表示される映像の上下が反転する。従って、設置方法が天吊り設置である場合には、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。すなわち、反射光学素子330の状態が第2状態である場合に、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。
【0108】
また、設置方法が天吊り設置である場合に、投写面210上に表示される映像の向きが適切になるように映像制御部253が設定されているケースについて考える。このようなケースでは、設置方法が床置き設置である場合に、特に映像制御が行われないと、投写面210上に表示される映像の上下が反転する。従って、設置方法が床置き設置である場合には、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。すなわち、反射光学素子330の状態が第1状態である場合に、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。
【0109】
支持機構制御部254は、支持機構500を制御する。具体的には、支持機構制御部254は、投写型映像表示装置100の設置方法に応じて、支持機構500を制御する。
【0110】
例えば、設置方法が床置き設置である場合には、支持機構制御部254は、反射光学素子330の状態を第1状態に制御する。すなわち、支持機構制御部254は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330を配置する。
【0111】
一方で、設置方法が天吊り設置である場合には、支持機構制御部254は、反射光学素子330の状態を第2状態に制御する。すなわち、支持機構制御部254は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330を外す。
【0112】
開閉機構制御部255は、開閉機構600を制御する。具体的には、開閉機構制御部255は、投写型映像表示装置100の設置方法に応じて、開閉機構600を制御する。
【0113】
例えば、設置方法が床置き設置である場合には、開閉機構制御部255は、第1開口411を露出するように第1蓋体412を動かすとともに、第2開口421を塞ぐように第2蓋体422を動かす。すなわち、開閉機構制御部255は、第1状態において、第1開口411を露出させて、第2開口421を塞ぐ。
【0114】
一方で、設置方法が天吊り設置である場合には、開閉機構制御部255は、第1開口411を塞ぐように第1蓋体412を動かすとともに、第2開口421を露出するように第2蓋体422を動かす。すなわち、開閉機構制御部255は、第2状態において、第1開口411を塞いで、第2開口421を露出させる。
【0115】
なお、第5実施形態に示したように、支持機構500及び開閉機構600が連動する場合には、支持機構制御部254及び開閉機構制御部255は、1つの制御部によって構成されてもよい。
【0116】
また、第6実施形態で用いる支持機構500は、例えば、上述した第1実施形態〜第3実施形態に係る支持機構500のいずれかを用いてもよい。
【0117】
第6実施形態では、入力IF251又は受信部252から取得する指定情報によって投写型映像表示装置100の設置方法が特定されているが、投写型映像表示装置100の設置方法の特定方法は、これに限定されるものではない。例えば、投写型映像表示装置100内に加速度センサなどのセンサを搭載して、センサの検出結果によって投写型映像表示装置100の設置方法が特定されてもよい。
【0118】
(作用及び効果)
第6実施形態では、映像制御部253は、投写型映像表示装置100の設置方法(すなわち、反射光学素子330の状態)に応じて、投写面210上に表示される映像の向きを制御する。従って、床置き設置と天吊り設置とを切り替えた場合であっても、投写面210上に適切な映像を表示することができる。
【0119】
第6実施形態では、開閉機構制御部255は、投写型映像表示装置100の設置方法(すなわち、反射光学素子330の状態)に応じて、開閉機構600を制御する。すなわち、開閉機構制御部255は、映像光の投写で用いない開口を蓋体によって塞ぐように開閉機構600を制御する。これによって、埃や塵などが開口から装置内に入ることを自動的に抑制することができる。
【0120】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0121】
上述した実施形態では特に触れていないが、反射ミラー320は、第1状態において、反射光学素子330と投写面210との間で映像光を集光する。第1開口部410は、反射ミラー320によって映像光が集光される位置近傍に設けられることが好ましい。同様に、反射ミラー320は、第2状態において、反射ミラー320と投写面210との間で映像光を集光する。第2開口部420は、反射ミラー320によって映像光が集光される位置近傍に設けられることが好ましい。
【0122】
上述した実施形態では、反射ミラー320として非球面ミラーを用いるケースについて例示したが、反射ミラー320はこれに限定されるものではない。例えば、反射ミラー320として自由曲面ミラーを用いてもよい。収差や解像度について工夫をすれば、反射ミラー320として球面ミラーを用いてもよい。
【0123】
上述した実施形態では、映像光生成部200の構成として複数の表示素子40を用いるケース(3板式)について例示したが、映像光生成部200の構成はこれに限定されるものではない。映像光生成部200の構成として単数の表示素子40を用いてもよい(単板式)。
【0124】
上述した実施形態では、反射光学素子330が反射ミラーであるケースについて例示したが、反射光学素子330は、これに限定されるものではない。反射光学素子330は、映像光の一部分を反射して、映像光の他部分を透過するハーフミラーであってもよい。反射光学素子330は、第1偏光を有する映像光を反射して、第2偏光を有する光を透過する反射型偏光板であってもよい。
【0125】
このようなケースでは、反射光学素子330の状態が第1状態である場合に、反射光学素子330は、反射ミラー320で反射された映像光のうち、一部分の映像光を第1開口部410側に反射して、他部分の映像光を第2開口部420側に透過してもよい。これによって、第1開口部410を透過した一部分の映像光によって第1投写面上に映像が表示され、第2開口部420を透過した他部分の映像光によって第2投写面上に映像が表示される。すなわち、投写型映像表示装置100は、2箇所に映像を表示することができる。
【0126】
上述した実施形態では、投写型映像表示装置100が床置き設置である場合に、反射光学素子330の状態が第1状態であり、投写型映像表示装置100が天吊り設置である場合に、反射光学素子330の状態が第2状態である。しかしながら、投写型映像表示装置100の構成によっては、投写型映像表示装置100が床置き設置である場合に、反射光学素子330の状態が第2状態であり、投写型映像表示装置100が天吊り設置である場合に、反射光学素子330の状態が第1状態であってもよい。
【0127】
上述した実施形態では特に触れていないが、投写面210は、映像光が投写される面であればよい。従って、投写面210は、投写型映像表示装置に専用のスクリーンでなくてもよい。例えば、投写面210は、壁面、床面、天井、ガラス窓などであってもよい。
【0128】
各実施形態によれば、上述したように、反射ミラー320を設けることによって、投写型映像表示装置と投写面との距離が短縮される。従って、投写型映像表示装置と投写面との間に人などが入り込んで、映像光が遮られることを抑制することができる。また、光源10としてLDを用いた場合に、レーザ光(映像光)が人に照射される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る映像光生成部200の構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図11】第3実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図13】第3実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図14】第4実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図15】第4実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図16】第4実施形態に係る第1開口部410及び第2開口部420を示す図である。
【図17】第4実施形態に係る第1開口部410及び第2開口部420を示す図である。
【図18】第5実施形態に係る支持機構500及び開閉機構600を示す図である。
【図19】第5実施形態に係る支持機構500及び開閉機構600を示す図である。
【図20】第6実施形態に係る制御ユニット250を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0130】
10・・・光源、20・・・フライアイレンズユニット、30・・・PBSアレイ、40・・・表示素子、41・・・入射側偏光板、42・・・出射側偏光板、50・・・クロスダイクロイックプリズム、100・・・投写型映像表示装置、111・・・ダイクロイックミラー、112・・・ダイクロイックミラー、121〜123・・・反射ミラー、131・・・コンデンサレンズ、140・・・コンデンサレンズ、151〜152・・・リレーレンズ、200・・・映像光生成部、210・・・投写面、250・・・制御ユニット、251・・・入力IF、252・・・受信部、253・・・映像制御部、254・・・支持機構制御部、255・・・開閉機構制御部、300・・・投写光学系、310・・・投写レンズ、320・・・反射ミラー、330・・・反射光学素子、331・・・ベース、332a、332b・・・ガイドピン、333・・・固定ねじ、400・・・防護カバー、410・・・第1開口部、411・・・第1開口、412・・・第1蓋体、420・・・第2開口部、421・・・第2開口、422・・・第2蓋体、500・・・支持機構、511・・・外枠、511a,511b・・・ガイド溝、512・・・外枠、512a・・・ねじ穴、521・・・偏心カム、522・・・偏心シャフト、523・・・モータ機構、524・・・回動軸、525・・・ガイド溝、531・・・ガイドレール、532・・・アーム部、533・・・歯車、534・・・モータ機構、600・・・開閉機構、611・・・第1アーム部、612・・・第1歯車、621・・・第2アーム部、622・・・第2歯車
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写面上に映像光を投写する投写光学系を有する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源が発する光を変調する光変調素子と、光変調素子から出射される光を投写面(スクリーン)上に投写する投写レンズとを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
ここで、スクリーン上に映像を大きく表示するためには、投写レンズとスクリーンとの距離を長くとる必要がある。これに対して、投写レンズから出射される光をスクリーン側に反射する反射ミラーを利用して、投写型映像表示装置とスクリーンとの距離の短縮を図った投写型表示システムが提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
ここで、投写型映像表示装置とスクリーンとの距離の短縮を図ると、投写型映像表示装置がスクリーンに近くなり、投写型映像表示装置がユーザの視野に入ることになるため、スクリーンの上下又は横から斜め投写を行う必要がある。例えば、上述した投写型表示システムでは、光変調素子と投写光学系との位置関係を上下方向にシフトするとともに、反射ミラーとして凹面ミラーを用いることにより、投写距離の短縮と斜め投写を行っている。
【特許文献1】特開2006−235516号公報(請求項1、図1など)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、投写型映像表示装置の設置方法としては、投写型映像表示装置を床面などに設置する方法(以下、床置き設置)や投写型映像表示装置を天井などに設置する方法(以下、天吊り設置)が考えられる。一方で、投写面上に投写される映像を適切に表示するためには、反射ミラーの配置は非常に重要な要素である。
【0006】
ここで、床置き設置及び天吊り設置では、投写型映像表示装置の上下を反転する必要がある。すなわち、投写型映像表示装置に設けられた反射ミラーにかかる重力の方向が逆転する。従って、反射ミラーの自重によって、反射ミラーの配置精度が低下する可能性がある。
【0007】
具体的には、床置き設置をターゲットに反射ミラーを配置した場合には、天吊り設置において反射ミラーの配置精度が低下する。逆に、天吊り設置をターゲットに反射ミラーを配置した場合には、床置き設置において反射ミラーの配置精度が低下する。
【0008】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーの配置精度を良好に保つことを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置は、映像光を生成する映像光生成部(映像光生成部200)と、前記映像光を投写面(投写面210)上に投写する投写光学系(投写光学系300)とを備える。前記投写光学系は、前記映像光生成部から出射された前記映像光を反射する反射ミラー(反射ミラー320)を有する。投写型映像表示装置は、前記反射ミラーで反射された前記映像光を反射する反射光学素子(反射光学素子330)の状態として第1状態と第2状態とを切り替え可能に前記反射光学素子を支持する支持機構(支持機構500)を備える。前記第1状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に前記反射光学素子が配置された状態である。前記第2状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上から前記反射光学素子が外された状態である。前記投写光学系は、前記第1状態において、前記反射光学素子で反射された前記映像光を前記投写面上に投写し、前記第2状態において、前記反射ミラーで反射された前記映像光を前記投写面上に投写する。
【0010】
かかる特徴によれば、支持機構は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に反射光学素子を支持する。投写光学系は、第1状態において、反射光学素子で反射された映像光を投写し、第2状態において、反射ミラーで反射された映像光を投写する。
【0011】
これによって、投写型映像表示装置の上下を反転せずに、床置き設置と天吊り設置とを切り替えることができる。すなわち、投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーにかかる重力の方向が逆転しないため、反射ミラーの配置精度を良好に保つことができる。
【0012】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に設けられた防護カバー(防護カバー400)を備える。前記防護カバーは、前記映像光を透過する開口部を有する。前記開口部は、前記第1状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第1開口部(第1開口部410)と、前記第2状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第2開口部(第2開口部420)とを含む。
【0013】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記開口部を制御する開口制御部(開閉機構制御部255、開閉機構600)をさらに備える。前記開口部は、前記映像光を透過する開口(第1開口411、第2開口421)と、前記開口を塞ぐ蓋体(第1蓋体412、第2蓋体422)とを有する。前記開口制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記開口を前記蓋体で塞ぐか否かを制御する。
【0014】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記投写面上に表示される映像を制御する映像制御部(映像制御部253)をさらに備える。前記映像制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記投写面上に表示される映像の向きを制御する。
【0015】
第1の特徴において、前記反射ミラーは、前記第1状態において、前記反射光学素子と前記投写面との間で前記映像光を集光し、前記第2状態において、前記反射ミラーと前記投写面との間で前記映像光を集光する。前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記映像光が集光される位置近傍に配置される。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、投写型映像表示装置と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラーの配置精度を良好に保つことを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0018】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図1は、床置き設置の一例を示しており、図2は、天吊り設置の一例を示している。
【0020】
図1及び図2に示すように、投写型映像表示装置100は、映像光生成部200と、投写光学系300と、防護カバー400とを有する。
【0021】
映像光生成部200は、映像光を生成する。具体的には、映像光生成部200は、映像光を出射する表示素子40を少なくとも有する。表示素子40は、投写光学系300の光軸Lに対してシフトした位置に設けられている。表示素子40は、例えば、反射型液晶パネル、透過型液晶パネル、DMD(Digital Micromirror Device)などである。映像光生成部200の詳細については後述する(図5を参照)。
【0022】
投写光学系300は、映像光生成部200から出射された映像光を投写する。ここで、投写光学系300は、投写面210上に映像光を投写する。具体的には、投写光学系300は、投写レンズ310と、反射ミラー320と、反射光学素子330とを有する。
【0023】
投写レンズ310は、映像光生成部200から出射された映像光を反射ミラー320側に出射する。
【0024】
反射ミラー320は、投写レンズ310から出射された映像光を反射する。反射ミラー320は、映像光を集光した上で、映像光を広角化する。例えば、反射ミラー320は、映像光生成部200側に凹面を有する非球面ミラーである。
【0025】
反射光学素子330は、反射ミラー320で反射された映像光を反射する反射ミラーである。反射光学素子330の状態としては、図1に示す状態(以下、第1状態)及び図2に示す状態(以下、第2状態)が考えられる。
【0026】
第1状態は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が配置された状態である。すなわち、第1状態においては、図1に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が取付けられている。
【0027】
一方で、第2状態は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が外された状態である。すなわち、第2状態においては、図2に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が取り外されている。
【0028】
第1実施形態では、反射光学素子330は、着脱可能に構成されている。図1及び図2では省略されているが、投写型映像表示装置100は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に反射光学素子330を支持する支持機構(後述する支持機構500)を有する。支持機構の詳細については後述する(図3及び図4を参照)。
【0029】
防護カバー400は、反射ミラー320を保護するカバーである。防護カバー400は、少なくとも、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に設けられている。防護カバー400は、映像光を透過する開口部を有する。具体的には、防護カバー400は、図1に示すように、第1状態において、反射光学素子330で反射された映像光を透過する第1開口部410を有する。防護カバー400は、図2に示すように、第2状態において、反射ミラー320で反射された映像光を透過する第2開口部420を有する。なお、第1実施形態では、第1開口部410は、第2開口部420と対向する防護カバー400の側面に設けられている。
【0030】
このように、投写光学系300は、第1状態において、第1開口部410を透過した映像光を投写面210上に投写する。投写光学系300は、第2状態において、第2開口部420を透過した映像光を投写面210上に投写する。
【0031】
(支持機構の構成)
以下において、第1実施形態に係る支持機構の構成について、図面を参照しながら説明する。図3(a)及び図3(b)は、第1実施形態に係る支持機構500を示す図である(第1状態)。図4(a)及び図4(b)は、第1実施形態に係る支持機構500を示す図である(第2状態)。
【0032】
第1実施形態では、上述したように、反射光学素子330は、着脱可能に構成されている。すなわち、支持機構500は、反射光学素子330を着脱可能に支持する。
【0033】
図3(a)に示すように、反射光学素子330は、ベース331に取付けられる。ベース331は、1対のガイドピン(ガイドピン332a及びガイドピン332b)と、固定ねじ333とを有する。
【0034】
図4(a)に示すように、支持機構500は、防護カバー400の外枠を兼ねた1対の外枠(外枠511及び外枠512)と、1対のアーム部(アーム部513及びアーム部514)とを有する。外枠511は、ガイドピン332aが差し込まれるガイド溝511a及びガイドピン332bが差し込まれるガイド溝511bを有する。外枠512は、固定ねじ333が回し込まれるねじ穴512aを有する。アーム部513及びアーム部514は、ベース331の位置を定めるとともに、ベース331を支持する。
【0035】
図3(a)及び図3(b)に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、支持機構500に取付けられる。具体的には、第1に、ベース331に設けられたガイドピン332a及びガイドピン332bは、それぞれ、支持機構500に設けられたガイド溝511a及びガイド溝511bに差し込まれる。第2に、ベース331に設けられた固定ねじ333は、支持機構500に設けられたねじ穴512aに回し込まれる。
【0036】
図4(a)及び図4(b)に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、支持機構500から取り外される。
【0037】
なお、支持機構500は、防護カバー400と一体であることが好ましい。すなわち、防護カバー400は、支持機構500を有することが好ましい。
【0038】
(映像光生成部の構成)
以下において、第1実施形態に係る映像光生成部の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る映像光生成部200を主として示す図である。映像光生成部200は、図5に示した構成に加えて、電源回路(不図示)、映像信号処理回路(不図示)などを有する。ここでは、表示素子40が透過型液晶パネルであるケースについて例示する。
【0039】
映像光生成部200は、光源10と、フライアイレンズユニット20と、PBSアレイ30と、複数の液晶パネル40(液晶パネル40R、液晶パネル40G、液晶パネル40B)と、クロスダイクロイックプリズム50とを有する。
【0040】
光源10は、バーナ及びリフレクタによって構成されるUHPランプなどである。光源10が発する光は、赤成分光、緑成分光及び青成分光を含む。
【0041】
フライアイレンズユニット20は、光源10が発する光を均一化する。具体的には、フライアイレンズユニット20は、フライアイレンズ20a及びフライアイレンズ20bによって構成される。
【0042】
フライアイレンズ20a及びフライアイレンズ20bは、それぞれ、複数の微少レンズによって構成される。各微少レンズは、光源10が発する光が液晶パネル40の全面に照射されるように、光源10が発する光を集光する。
【0043】
PBSアレイ30は、フライアイレンズユニット20から出射された光の偏光状態を揃える。第1実施形態では、PBSアレイ30は、フライアイレンズユニット20から出射された光をP偏光に揃える。
【0044】
液晶パネル40Rは、赤成分光の偏光方向を回転させることによって赤成分光を変調する。液晶パネル40Rの光入射面側には、一の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を透過して、他の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を遮光する入射側偏光板41Rが設けられている。液晶パネル40Rの光出射面側には、一の偏光方向(例えば、P偏光)を有する光を遮光して、他の偏光方向(例えば、S偏光)を有する光を透過する出射側偏光板42Rが設けられている。
【0045】
同様に、液晶パネル40G及び液晶パネル40Bは、それぞれ、緑成分光及び青成分光の偏光方向を回転させることによって緑成分光及び青成分光を変調する。液晶パネル40Gの光入射面側には、入射側偏光板41Gが設けられており、液晶パネル40Gの光出射面側には、出射側偏光板42Gが設けられている。液晶パネル40Bの光入射面側には、入射側偏光板41Bが設けられており、液晶パネル40Bの光出射面側には、出射側偏光板42Bが設けられている。
【0046】
クロスダイクロイックプリズム50は、液晶パネル40R、液晶パネル40G及び液晶パネル40Bから出射された光を合成する。クロスダイクロイックプリズム50は、投写レンズ310側に合成光を出射する。
【0047】
また、映像光生成部200は、ミラー群(ダイクロイックミラー111、ダイクロイックミラー112、反射ミラー121〜反射ミラー123)と、レンズ群(コンデンサレンズ131、コンデンサレンズ140R、コンデンサレンズ140G、コンデンサレンズ140B、リレーレンズ151〜リレーレンズ152)とを有する。
【0048】
ダイクロイックミラー111は、PBSアレイ30から出射された光のうち、赤成分光及び緑成分光を透過する。ダイクロイックミラー111は、PBSアレイ30から出射された光のうち、青成分光を反射する。
【0049】
ダイクロイックミラー112は、ダイクロイックミラー111を透過した光のうち、赤成分光を透過する。ダイクロイックミラー112は、ダイクロイックミラー111を透過した光のうち、緑成分光を反射する。
【0050】
反射ミラー121は、青成分光を反射して青成分光を液晶パネル40B側に導く。反射ミラー122及び反射ミラー123は、赤成分光を反射して赤成分光を液晶パネル40R側に導く。
【0051】
コンデンサレンズ131は、光源10が発する白色光を集光するレンズである。
【0052】
コンデンサレンズ140Rは、液晶パネル40Rに赤成分光が照射されるように、赤成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ140Gは、液晶パネル40Gに緑成分光が照射されるように、緑成分光を略平行光化する。コンデンサレンズ140Bは、液晶パネル40Bに青成分光が照射されるように、青成分光を略平行光化する。
【0053】
リレーレンズ151〜リレーレンズ152は、赤成分光の拡大を抑制しながら、液晶パネル40R上に赤成分光を略結像する。
【0054】
(作用及び効果)
第1実施形態では、支持機構500は、第1状態と第2状態とを切り替え可能に反射光学素子330を支持する。投写光学系300は、第1状態において、反射光学素子330で反射された映像光を投写し、第2状態において、反射ミラー320で反射された映像光を投写する。
【0055】
これによって、投写型映像表示装置100の上下を反転せずに、床置き設置と天吊り設置とを切り替えることができる。すなわち、投写型映像表示装置100と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラー320にかかる重力の方向が逆転しないため、反射ミラー320の配置精度を良好に保つことができる。
【0056】
第1実施形態では、防護カバー400は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に設けられている。従って、ユーザが反射ミラー320に接触して反射ミラー320の角度などが変わることを抑制することができる。また、防護カバー400は、反射ミラー320で反射された映像光を透過する開口部(第1開口部410及び第2開口部420)を有する。従って、投写面210上に照射される映像光が防護カバー400によって妨げられることがない。このように、投写型映像表示装置100と投写面との距離の短縮を図るために設けられた反射ミラー320の配置精度を良好に保つことができる。
【0057】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第2実施形態との相違点について主として説明する。
【0058】
具体的には、第1実施形態では、反射光学素子330は、着脱可能に構成される。これに対して、第2実施形態では、反射光学素子330は、回動可能に構成される。
【0059】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第2実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図6及び図7は、第2実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図6は、床置き設置の一例を示しており、図7は、天吊り設置の一例を示している。図6及び図7では、図1及び図2と同様の構成について同様の符号を付している。
【0060】
第1状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が配置された状態である。すなわち、第1状態においては、図6に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が回動している。
【0061】
一方で、第2状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が外された状態である。すなわち、第2状態においては、図7に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるように反射光学素子330が回動している。
【0062】
(支持機構の構成)
以下において、第2実施形態に係る支持機構の構成について、図面を参照しながら説明する。図8(a)及び図8(b)は、第2実施形態に係る支持機構500を示す図である(第1状態)。図9(a)及び図9(b)は、第2実施形態に係る支持機構500を示す図である(第2状態)。
【0063】
第2実施形態では、上述したように、反射光学素子330は、回動可能に構成されている。すなわち、支持機構500は、反射光学素子330を回動可能に支持する。
【0064】
図8(a)及び図9(a)に示すように、反射光学素子330は、ベース331に取付けられる。ベース331は、支持機構500に設けられた回動軸524に取付けられる。
【0065】
図8(a)〜図9(b)に示すように、支持機構500は、偏心カム521と、カムシャフト522と、モータ機構523と、回動軸524と、ガイド溝525とを有する。
【0066】
偏心カム521は、カムシャフト522を中心として回動する。偏心カム521は、反射光学素子330が取付けられたベース331を支持する。カムシャフト522は、モータ機構523によって発生される駆動力によって回動する。カムシャフト522は、偏心カム521の中心から外れた位置に設けられる。回動軸524は、反射光学素子330が取付けられたベース331を回動可能に支持する。ガイド溝525は、回動軸524を中心として回動するベース331が描く円弧に沿った溝である。ガイド溝525は、反射光学素子330が取付けられたベース331の回動を補助する。
【0067】
このように、モータ機構523によって発生される駆動力によって、反射光学素子330が取付けられたベース331は、回動軸524を中心としてガイド溝525に沿って回動する。ガイド溝525は、ベース331の回動範囲を規定してもよい。
【0068】
図8(a)及び図8(b)に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、カムシャフト522の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に回動する。一方で、図9(a)及び図9(b)に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、カムシャフト522の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるように回動する。
【0069】
[第3実施形態]
以下において、第3実施形態について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第3実施形態との相違点について主として説明する。
【0070】
具体的には、第1実施形態では、反射光学素子330は、着脱可能に構成される。これに対して、第3実施形態では、反射光学素子330は、スライド可能に構成される。
【0071】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第3実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図10及び図11は、第3実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図10は、床置き設置の一例を示しており、図11は、天吊り設置の一例を示している。図10及び図11では、図1及び図2と同様の構成について同様の符号を付している。
【0072】
第1状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330が配置された状態である。すなわち、第1状態においては、図10に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330がスライドしている。
【0073】
一方で、第2状態は、第1実施形態と同様に、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330が外された状態である。すなわち、第2状態においては、図11に示すように、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるように反射光学素子330がスライドしている。
【0074】
(支持機構の構成)
以下において、第3実施形態に係る支持機構の構成について、図面を参照しながら説明する。図12(a)及び図12(b)は、第3実施形態に係る支持機構500を示す図である(第1状態)。図13(a)及び図13(b)は、第3実施形態に係る支持機構500を示す図である(第2状態)。
【0075】
第3実施形態では、上述したように、反射光学素子330は、スライド可能に構成されている。すなわち、支持機構500は、反射光学素子330をスライド可能に支持する。
【0076】
図12(a)及び図13(a)に示すように、反射光学素子330は、ベース331に取付けられる。ベース331は、支持機構500に設けられたアーム部532に固定される。
【0077】
図12(a)〜図13(b)に示すように、支持機構500は、1対のガイドレール531(ガイドレール531a及びガイドレール531b)と、アーム部532と、歯車533と、モータ機構534とを有する。
【0078】
ガイドレール531は、アーム部532をスライド可能に支持するレールである。歯車533は、モータ機構534によって発生される駆動力によって回転する。すなわち、モータ機構534によって発生される駆動力によって、アーム部532に固定されたベース331がガイドレール531上をスライドする。
【0079】
図12(a)及び図12(b)に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上にスライドする。一方で、図13(a)及び図13(b)に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるようにスライドする。
【0080】
[第4実施形態]
以下において、第4実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第4実施形態との相違点について主として説明する。
【0081】
具体的には、第4実施形態は、開口部は、開口及び蓋体によって構成される。なお、第4実施形態では、第2実施形態に示した支持機構500が用いられるケースについて例示する。
【0082】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第4実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図14及び図15は、第4実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図14は、床置き設置の一例を示しており、図15は、天吊り設置の一例を示している。図14及び図15では、図1及び図2と同様の構成について同様の符号を付している。
【0083】
図14及び図15に示すように、第1開口部410は、第1開口411と、第1蓋体412とを有する。第1開口411は、映像光を透過する。第1蓋体412は、第1開口411を塞ぐことが可能である。例えば、第1蓋体412のスライドによって、第1開口411を第1蓋体412によって塞ぐことが可能である。同様に、第1蓋体412のスライドによって、第1開口411を露出させることが可能である。
【0084】
第2開口部420は、第2開口421と、第2蓋体422とを有する。第2開口421は、映像光を透過する。第2蓋体422は、第2開口421を塞ぐことが可能である。例えば、第2蓋体422のスライドによって、第2開口421を第2蓋体422によって塞ぐことが可能である。同様に、第2蓋体422のスライドによって、第2開口421を露出させることが可能である。
【0085】
図14及び図16(a)に示すように、第1状態において、第1開口部410は、第1蓋体412のスライドによって、第1開口411が露出した状態となる。一方で、図14及び図16(b)に示すように、第1状態において、第2開口部420は、第2蓋体422のスライドによって、第2蓋体422によって第2開口421が塞がれた状態となる。
【0086】
図15及び図17(a)に示すように、第2状態において、第1開口部410は、第1蓋体412のスライドによって、第1蓋体412によって第1開口411が塞がれた状態となる。図15及び図17(b)に示すように、第2状態において、第2開口部420は、第2蓋体422のスライドによって、第2開口421が露出した状態となる。
【0087】
(作用及び効果)
第4実施形態では、第1開口部410及び第2開口部420は、それぞれ、第1蓋体412及び第2蓋体422を有する。従って、映像光の投写で用いない開口を蓋体によって塞いで、埃や塵などが開口から装置内に入ることを抑制することができる。
【0088】
[第5実施形態]
以下において、第5実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第5実施形態との相違点について主として説明する。
【0089】
具体的には、第5実施形態は、開口部は、開口及び蓋体によって構成される。なお、第5実施形態では、第3実施形態に示した支持機構500が用いられるケースについて例示する。また、蓋体は、支持機構500と連動して動作する。
【0090】
(反射光学素子及び蓋体の動作)
以下において、第5実施形態に係る反射光学素子及び蓋体の動作について、図面を参照しながら説明する。図18及び図19は、第5実施形態に係る反射光学素子及び蓋体の動作を説明するための図である。なお、図18は、床置き設置の一例を示しており、図19は、天吊り設置の一例を示している。図18及び図19では、図12及び図13と同様の構成について同様の符号を付している。
【0091】
図18及び図19に示すように、第1開口部410は、第1開口411と、第1蓋体412とを有する。第1開口411は、映像光を透過する。第1蓋体412は、第1開口411を塞ぐことが可能である。第2開口部420は、第2開口421と、第2蓋体422とを有する。第2開口421は、映像光を透過する。第2蓋体422は、第2開口421を塞ぐことが可能である。
【0092】
ここで、投写型映像表示装置100は、第1開口部410に設けられた第1蓋体412及び第2開口部420に設けられた第2蓋体422を動かす開閉機構600を有する。
【0093】
開閉機構600は、第1アーム部611と、第1歯車612と、第2アーム部621と、第2歯車622とを有する。
【0094】
第1アーム部611は、第1蓋体412及び第1歯車612に取付けられる。第1歯車612は、歯車533と噛み合わされており、歯車533と連動して回動する。第2アーム部621は、第2蓋体422及び第2歯車622に取付けられる。第2歯車622は、歯車533と噛み合わされており、歯車533と連動して回動する。
【0095】
ここで、図18に示すように、第1状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上にスライドする。これに連動して、第1蓋体412は、歯車533及び第1歯車612の回動によって、第1開口411を露出するようにスライドする。第2蓋体422は、歯車533及び第2歯車622の回動によって、第2開口421を塞ぐようにスライドする。
【0096】
一方で、図19に示すように、第2状態において、反射光学素子330が取付けられたベース331は、歯車533の回転によって、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から外れるようにスライドする。これに連動して、第1蓋体412は、歯車533及び第1歯車612の回動によって、第1開口411を塞ぐようにスライドする。第2蓋体422は、歯車533及び第2歯車622の回動によって、第2開口421を露出するようにスライドする。
【0097】
このように、反射光学素子330の状態に応じて、支持機構500及び開閉機構600が連動して動作する。すなわち、反射光学素子330の状態に応じて、反射光学素子330、第1蓋体412及び第2蓋体422が適切に動作する。
【0098】
(作用及び効果)
第5実施形態では、第1開口部410及び第2開口部420は、それぞれ、第1蓋体412及び第2蓋体422を有する。また、開閉機構600は、反射光学素子330の状態に連動して、映像光の投写で用いない開口を蓋体によって塞ぐ。これによって、埃や塵などが開口から装置内に入ることを自動的に抑制することができる。
【0099】
[第6実施形態]
以下において、第6実施形態について図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態と第6実施形態との相違点について主として説明する。
【0100】
具体的には、第6実施形態では、反射光学素子330の状態に応じて、各構成(例えば、液晶パネル40、支持機構500及び開閉機構600)を制御するケースについて説明する。
【0101】
(投写型映像表示装置の機能)
以下において、第6実施形態に係る投写型映像表示装置の機能について、図面を参照しながら説明する。図20は、第6実施形態に係る投写型映像表示装置100に設けられた制御ユニット250を示すブロック図である。
【0102】
図20に示すように、制御ユニット250は、入力IF251と、受信部252と、映像制御部253と、支持機構制御部254と、開閉機構制御部255とを有する。
【0103】
入力IF251は、ユーザが操作する操作IF(タッチパネルやスイッチ)から各種情報を受け付ける。例えば、入力IF251は、投写型映像表示装置100の設置方法を指定する指定情報を受け付ける。指定情報は、床置き設置を指定する情報、天吊り設置を指定する情報などである。
【0104】
受信部252は、投写型映像表示装置100を遠隔操作するリモートコントローラから各種情報を受信する。例えば、受信部252は、投写型映像表示装置100の設置方法を指定する指定情報を受信する。
【0105】
映像制御部253は、投写面210上に表示される映像を制御する。すなわち、映像制御部253は、表示素子40(液晶パネル40R〜液晶パネル40B)を制御する。
【0106】
具体的には、映像制御部253は、投写型映像表示装置100の設置方法に応じて、投写面210上に表示される映像の向きを制御する。
【0107】
例えば、設置方法が床置き設置である場合に、投写面210上に表示される映像の向きが適切になるように映像制御部253が設定されているケースについて考える。このようなケースでは、設置方法が天吊り設置である場合に、特に映像制御が行われないと、投写面210上に表示される映像の上下が反転する。従って、設置方法が天吊り設置である場合には、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。すなわち、反射光学素子330の状態が第2状態である場合に、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。
【0108】
また、設置方法が天吊り設置である場合に、投写面210上に表示される映像の向きが適切になるように映像制御部253が設定されているケースについて考える。このようなケースでは、設置方法が床置き設置である場合に、特に映像制御が行われないと、投写面210上に表示される映像の上下が反転する。従って、設置方法が床置き設置である場合には、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。すなわち、反射光学素子330の状態が第1状態である場合に、映像制御部253は、表示素子40上に表示される映像の上下を反転する。
【0109】
支持機構制御部254は、支持機構500を制御する。具体的には、支持機構制御部254は、投写型映像表示装置100の設置方法に応じて、支持機構500を制御する。
【0110】
例えば、設置方法が床置き設置である場合には、支持機構制御部254は、反射光学素子330の状態を第1状態に制御する。すなわち、支持機構制御部254は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上に反射光学素子330を配置する。
【0111】
一方で、設置方法が天吊り設置である場合には、支持機構制御部254は、反射光学素子330の状態を第2状態に制御する。すなわち、支持機構制御部254は、反射ミラー320で反射された映像光の光路上から反射光学素子330を外す。
【0112】
開閉機構制御部255は、開閉機構600を制御する。具体的には、開閉機構制御部255は、投写型映像表示装置100の設置方法に応じて、開閉機構600を制御する。
【0113】
例えば、設置方法が床置き設置である場合には、開閉機構制御部255は、第1開口411を露出するように第1蓋体412を動かすとともに、第2開口421を塞ぐように第2蓋体422を動かす。すなわち、開閉機構制御部255は、第1状態において、第1開口411を露出させて、第2開口421を塞ぐ。
【0114】
一方で、設置方法が天吊り設置である場合には、開閉機構制御部255は、第1開口411を塞ぐように第1蓋体412を動かすとともに、第2開口421を露出するように第2蓋体422を動かす。すなわち、開閉機構制御部255は、第2状態において、第1開口411を塞いで、第2開口421を露出させる。
【0115】
なお、第5実施形態に示したように、支持機構500及び開閉機構600が連動する場合には、支持機構制御部254及び開閉機構制御部255は、1つの制御部によって構成されてもよい。
【0116】
また、第6実施形態で用いる支持機構500は、例えば、上述した第1実施形態〜第3実施形態に係る支持機構500のいずれかを用いてもよい。
【0117】
第6実施形態では、入力IF251又は受信部252から取得する指定情報によって投写型映像表示装置100の設置方法が特定されているが、投写型映像表示装置100の設置方法の特定方法は、これに限定されるものではない。例えば、投写型映像表示装置100内に加速度センサなどのセンサを搭載して、センサの検出結果によって投写型映像表示装置100の設置方法が特定されてもよい。
【0118】
(作用及び効果)
第6実施形態では、映像制御部253は、投写型映像表示装置100の設置方法(すなわち、反射光学素子330の状態)に応じて、投写面210上に表示される映像の向きを制御する。従って、床置き設置と天吊り設置とを切り替えた場合であっても、投写面210上に適切な映像を表示することができる。
【0119】
第6実施形態では、開閉機構制御部255は、投写型映像表示装置100の設置方法(すなわち、反射光学素子330の状態)に応じて、開閉機構600を制御する。すなわち、開閉機構制御部255は、映像光の投写で用いない開口を蓋体によって塞ぐように開閉機構600を制御する。これによって、埃や塵などが開口から装置内に入ることを自動的に抑制することができる。
【0120】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0121】
上述した実施形態では特に触れていないが、反射ミラー320は、第1状態において、反射光学素子330と投写面210との間で映像光を集光する。第1開口部410は、反射ミラー320によって映像光が集光される位置近傍に設けられることが好ましい。同様に、反射ミラー320は、第2状態において、反射ミラー320と投写面210との間で映像光を集光する。第2開口部420は、反射ミラー320によって映像光が集光される位置近傍に設けられることが好ましい。
【0122】
上述した実施形態では、反射ミラー320として非球面ミラーを用いるケースについて例示したが、反射ミラー320はこれに限定されるものではない。例えば、反射ミラー320として自由曲面ミラーを用いてもよい。収差や解像度について工夫をすれば、反射ミラー320として球面ミラーを用いてもよい。
【0123】
上述した実施形態では、映像光生成部200の構成として複数の表示素子40を用いるケース(3板式)について例示したが、映像光生成部200の構成はこれに限定されるものではない。映像光生成部200の構成として単数の表示素子40を用いてもよい(単板式)。
【0124】
上述した実施形態では、反射光学素子330が反射ミラーであるケースについて例示したが、反射光学素子330は、これに限定されるものではない。反射光学素子330は、映像光の一部分を反射して、映像光の他部分を透過するハーフミラーであってもよい。反射光学素子330は、第1偏光を有する映像光を反射して、第2偏光を有する光を透過する反射型偏光板であってもよい。
【0125】
このようなケースでは、反射光学素子330の状態が第1状態である場合に、反射光学素子330は、反射ミラー320で反射された映像光のうち、一部分の映像光を第1開口部410側に反射して、他部分の映像光を第2開口部420側に透過してもよい。これによって、第1開口部410を透過した一部分の映像光によって第1投写面上に映像が表示され、第2開口部420を透過した他部分の映像光によって第2投写面上に映像が表示される。すなわち、投写型映像表示装置100は、2箇所に映像を表示することができる。
【0126】
上述した実施形態では、投写型映像表示装置100が床置き設置である場合に、反射光学素子330の状態が第1状態であり、投写型映像表示装置100が天吊り設置である場合に、反射光学素子330の状態が第2状態である。しかしながら、投写型映像表示装置100の構成によっては、投写型映像表示装置100が床置き設置である場合に、反射光学素子330の状態が第2状態であり、投写型映像表示装置100が天吊り設置である場合に、反射光学素子330の状態が第1状態であってもよい。
【0127】
上述した実施形態では特に触れていないが、投写面210は、映像光が投写される面であればよい。従って、投写面210は、投写型映像表示装置に専用のスクリーンでなくてもよい。例えば、投写面210は、壁面、床面、天井、ガラス窓などであってもよい。
【0128】
各実施形態によれば、上述したように、反射ミラー320を設けることによって、投写型映像表示装置と投写面との距離が短縮される。従って、投写型映像表示装置と投写面との間に人などが入り込んで、映像光が遮られることを抑制することができる。また、光源10としてLDを用いた場合に、レーザ光(映像光)が人に照射される可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図5】第1実施形態に係る映像光生成部200の構成を示す図である。
【図6】第2実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図10】第3実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図11】第3実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図12】第3実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図13】第3実施形態に係る支持機構500を示す図である。
【図14】第4実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図15】第4実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図16】第4実施形態に係る第1開口部410及び第2開口部420を示す図である。
【図17】第4実施形態に係る第1開口部410及び第2開口部420を示す図である。
【図18】第5実施形態に係る支持機構500及び開閉機構600を示す図である。
【図19】第5実施形態に係る支持機構500及び開閉機構600を示す図である。
【図20】第6実施形態に係る制御ユニット250を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0130】
10・・・光源、20・・・フライアイレンズユニット、30・・・PBSアレイ、40・・・表示素子、41・・・入射側偏光板、42・・・出射側偏光板、50・・・クロスダイクロイックプリズム、100・・・投写型映像表示装置、111・・・ダイクロイックミラー、112・・・ダイクロイックミラー、121〜123・・・反射ミラー、131・・・コンデンサレンズ、140・・・コンデンサレンズ、151〜152・・・リレーレンズ、200・・・映像光生成部、210・・・投写面、250・・・制御ユニット、251・・・入力IF、252・・・受信部、253・・・映像制御部、254・・・支持機構制御部、255・・・開閉機構制御部、300・・・投写光学系、310・・・投写レンズ、320・・・反射ミラー、330・・・反射光学素子、331・・・ベース、332a、332b・・・ガイドピン、333・・・固定ねじ、400・・・防護カバー、410・・・第1開口部、411・・・第1開口、412・・・第1蓋体、420・・・第2開口部、421・・・第2開口、422・・・第2蓋体、500・・・支持機構、511・・・外枠、511a,511b・・・ガイド溝、512・・・外枠、512a・・・ねじ穴、521・・・偏心カム、522・・・偏心シャフト、523・・・モータ機構、524・・・回動軸、525・・・ガイド溝、531・・・ガイドレール、532・・・アーム部、533・・・歯車、534・・・モータ機構、600・・・開閉機構、611・・・第1アーム部、612・・・第1歯車、621・・・第2アーム部、622・・・第2歯車
【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像光を生成する映像光生成部と、前記映像光を投写面上に投写する投写光学系とを備えた投写型映像表示装置であって、
前記投写光学系は、前記映像光生成部から出射された前記映像光を反射する反射ミラーを有しており、
前記反射ミラーで反射された前記映像光を反射する反射光学素子の状態として第1状態と第2状態とを切り替え可能に前記反射光学素子を支持する支持機構を備え、
前記第1状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に前記反射光学素子が配置された状態であり、
前記第2状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上から前記反射光学素子が外された状態であり、
前記投写光学系は、前記第1状態において、前記反射光学素子で反射された前記映像光を前記投写面上に投写し、前記第2状態において、前記反射ミラーで反射された前記映像光を前記投写面上に投写することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に設けられた防護カバーをさらに備え、
前記防護カバーは、前記映像光を透過する開口部を有しており、
前記開口部は、前記第1状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第1開口部と、前記第2状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第2開口部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記開口部を制御する開口制御部をさらに備え、
前記開口部は、前記映像光を透過する開口と、前記開口を塞ぐ蓋体とを有しており、
前記開口制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記開口を前記蓋体で塞ぐか否かを制御することを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記投写面上に表示される映像を制御する映像制御部をさらに備え、
前記映像制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記投写面上に表示される映像の向きを制御することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記反射ミラーは、前記第1状態において、前記反射光学素子と前記投写面との間で前記映像光を集光し、前記第2状態において、前記反射ミラーと前記投写面との間で前記映像光を集光し、
前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記映像光が集光される位置近傍に配置されることを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項1】
映像光を生成する映像光生成部と、前記映像光を投写面上に投写する投写光学系とを備えた投写型映像表示装置であって、
前記投写光学系は、前記映像光生成部から出射された前記映像光を反射する反射ミラーを有しており、
前記反射ミラーで反射された前記映像光を反射する反射光学素子の状態として第1状態と第2状態とを切り替え可能に前記反射光学素子を支持する支持機構を備え、
前記第1状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に前記反射光学素子が配置された状態であり、
前記第2状態は、前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上から前記反射光学素子が外された状態であり、
前記投写光学系は、前記第1状態において、前記反射光学素子で反射された前記映像光を前記投写面上に投写し、前記第2状態において、前記反射ミラーで反射された前記映像光を前記投写面上に投写することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
前記反射ミラーで反射された前記映像光の光路上に設けられた防護カバーをさらに備え、
前記防護カバーは、前記映像光を透過する開口部を有しており、
前記開口部は、前記第1状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第1開口部と、前記第2状態において前記映像光を前記投写面側に透過する第2開口部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
前記開口部を制御する開口制御部をさらに備え、
前記開口部は、前記映像光を透過する開口と、前記開口を塞ぐ蓋体とを有しており、
前記開口制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記開口を前記蓋体で塞ぐか否かを制御することを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
前記投写面上に表示される映像を制御する映像制御部をさらに備え、
前記映像制御部は、前記反射光学素子の状態に応じて、前記投写面上に表示される映像の向きを制御することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
前記反射ミラーは、前記第1状態において、前記反射光学素子と前記投写面との間で前記映像光を集光し、前記第2状態において、前記反射ミラーと前記投写面との間で前記映像光を集光し、
前記第1開口部及び前記第2開口部は、前記映像光が集光される位置近傍に配置されることを特徴とする請求項2に記載の投写型映像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2009−237383(P2009−237383A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−85038(P2008−85038)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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