説明

投写型映像表示装置

【課題】
光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供する。
【解決手段】
投写型映像表示装置100は、色分離部40と、偏光調整素子60と、液晶パネル71Gと、液晶パネル71RBと、入射側偏光板72RBとを備える。偏光調整素子60は、赤成分光Rを構成する第1偏光成分の量及び青成分光Bを構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子60に入射する光の偏光を調整する。第1偏光成分は、入射側偏光板72RBを透過する偏光成分である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色光源が発する白色光を複数の色成分光に分離した上で、各色成分光を変調する投写型映像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、白色光源が発する白色光を3つの色成分光(赤成分光R、緑成分光G及び青成分光B)に分離する色分離部と、3つの色成分光をそれぞれ変調する3つの光変調素子とを有する投写型映像表示装置が知られている。
【0003】
一方で、コスト削減を目的として、2つの光変調素子を有する投写型映像表示装置も提案されている。具体的には、色分離部は、白色光から1つの色成分光を分離するとともに、白色光から2つの色成分光の合成光を分離する。2つの色成分光の合成光の光路上には、2つの色成分光のそれぞれを時分割で出射するカラースイッチが設けられる(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−244203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、一般的には、上述したカラースイッチは、液晶パネル及び偏光板によって構成される。また、光変調素子が液晶パネルである場合には、液晶パネルの光入射側に偏光板が設けられる。このように、上述した技術では、カラースイッチを構成する偏光板及び光変調素子の光入射側に設けられる偏光板が重複してしまう。
【0006】
そこで、本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の特徴に係る投写型映像表示装置(投写型映像表示装置100)は、第1色成分光(例えば、緑成分光G)、第2色成分光(例えば、赤成分光R)及び第3色成分光(例えば、青成分光B)を含む白色光を分離する色分離部(色分離部40)と、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子(偏光調整素子60)と、第1信号値(例えば、緑入力信号Gin)に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子(液晶パネル71G)と、第2信号値(例えば、赤入力信号Rin)に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値(例えば、青入力信号Bin)に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2光変調素子(液晶パネル71RB)と、前記第2光変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板(入射側偏光板72RB)とを備える。前記偏光調整素子は、前記第2色成分光を構成する前記第1偏光成分の量及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分の量が変わるように、前記偏光調整素子に入射する光の偏光を調整する。
【0008】
第1の特徴において、1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成される。前記偏光調整素子は、前記1つのフレーム内において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分が1つのサブフレーム内で混合されるように、前記偏光調整素子に入射する光の偏光を調整する。
【0009】
第1の特徴において、1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成される。前記第1光変調素子は、前記第1信号値に基づいて、前記2つのサブフレームのそれぞれにおいて前記投写型映像表示装置から出射される前記第1色成分光の光量が変化するように、前記第1色成分光を変調する。
【0010】
第1の特徴において、1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成される。前記第1光変調素子は、前記第2信号値及び前記第3信号値の比率に基づいて、前記2つのサブフレームのそれぞれにおいて前記投写型映像表示装置から出射される前記第1色成分光の光量が変化するように、前記第1色成分光を変調する。
【0011】
第1の特徴において、1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成される。前記第1信号値は、オリジナル信号値及び補間信号値を含む。前記第1光変調素子は、一方のサブフレームにおいて、前記オリジナル信号値に基づいて前記第1色成分光を変調し、他方のサブフレームにおいて、前記補間信号値に基づいて前記第1色成分光を変調する。
【0012】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記色分離部の光入射側に設けられた分離前偏光調整素子をさらに備える。前記色分離部は、前記色分離部に入射する光の偏光に応じて、前記白色成分光を分離する。前記分離前偏光調整素子は、前記第1色成分光と前記第3色成分光とが前記色分離部によって異なる光路に分離されるように、前記第1色成分光及び前記第3色成分光の偏光を調整する。前記分離前偏光調整素子は、前記第1色成分光が導かれる光路及び/又は前記第3色成分光が導かれる光路に前記第2色成分光が前記色分離部によって分離されるように、前記第2色成分光の偏光を調整する。
【0013】
第1の特徴において、1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成される。前記偏光調整素子は、前記第1信号値、前記第2信号値及び前記第3信号値に応じて、前記2つのフレームのそれぞれにおいて、前記第2色成分光を構成する前記第1偏光成分及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分を独立して制御する。
【0014】
第1の特徴において、投写型映像表示装置は、前記第1光変調素子から出射される前記第1色成分光の光量、前記第2光変調素子から出射される前記第2色成分光の光量及び前記第2光変調素子から出射される前記第3色成分光の光量を制御する光量制御部(制御部220)をさらに備える。前記光量制御部は、サブフレームの切替えにおいて、前記第2光変調素子から光が出射されない期間を設ける。
【0015】
第1の特徴において、前記光量制御部は、前記第1信号値、前記第2信号値及び前記第3信号値に応じて、前記第1光変調素子から出射される前記第1色成分光の光量を増大する。
【0016】
第1の特徴において、前記光量制御部は、前記第1信号値、前記第2信号値及び前記第3信号値に応じて、前記第2光変調素子から出射される前記第2色成分光及び/又は前記第3色成分光の光量を増大する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、光変調素子の数を減らしながら、さらにコストダウンを図ることを可能とする投写型映像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1実施形態に係る制御例1を示す図である。
【図6】図6は、第1実施形態に係る制御例2を示す図である。
【図7】図7は、第1実施形態に係る制御例3を示す図である。
【図8】図8は、変更例1に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図9】図9は、変更例2に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図10】図10は、変更例3に係る制御例を示す図である。
【図11】図11は、変更例3に係る偏光調整素子60を説明するための図である。
【図12】図12は、変更例3に係る色再現範囲を説明するための図である。
【図13】図13は、変更例4に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【図14】図14は、変更例4に係る制御例を示す図である。
【図15】図15は、変更例4に係る他の制御例を示す図である。
【図16】図16は、変更例5に係る通常制御例を説明するための図である。
【図17】図17は、変更例5に係る通常制御例を説明するための図である。
【図18】図18は、変更例5に係る通常制御例を説明するための図である。
【図19】図19は、変更例5に係る高輝度制御例1を説明するための図である。
【図20】図20は、変更例5に係る高輝度制御例1を説明するための図である。
【図21】図21は、変更例5に係る高輝度制御例1を説明するための図である。
【図22】図22は、変更例5に係る高輝度制御例1の色再現範囲を説明するための図である。
【図23】図23は、変更例5に係る高輝度制御例2を説明するための図である。
【図24】図24は、変更例5に係る高輝度制御例2を説明するための図である。
【図25】図25は、変更例5に係る高輝度制御例2を説明するための図である。
【図26】図26は、変更例5に係る高輝度制御例2の色再現範囲を説明するための図である。
【図27】図27は、変更例6に係るγカーブの補正を説明するための図である。
【図28】図28は、変更例7に係る投写型映像表示装置100を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下において、本発明の実施形態に係る投写型映像表示装置について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0020】
ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0021】
[実施形態の概要]
実施形態に係る投写型映像表示装置は、第1色成分光、第2色成分光及び第3色成分光を含む白色光を分離する色分離部と、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子と、第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子と、第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2光変調素子と、前記第2光変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板とを備える。前記偏光調整素子は、前記第2色成分光を構成する前記第1偏光成分の量及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分の量が変わるように、前記偏光調整素子に入射する光の偏光を調整する。
【0022】
かかる特徴によれば、偏光調整素子は、第2色成分光及び第3色成分光を構成する第1偏光成分の量を調整する。すなわち、第2色成分光及び第3色成分光のそれぞれについて、入射側偏光板を透過して第2光変調素子に導かれる光量が調整される。
【0023】
これによって、光変調素子の数を減らすことができる。また、偏光調整素子が偏光板を有する必要がないため、さらにコストダウンを図ることができる。
【0024】
[第1実施形態]
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、第1実施形態に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。
【0025】
図1に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、フライアイレンズ20と、PBSアレイ30と、色分離部40と、複数のミラー50(ミラー51及びミラー52)と、偏光調整素子60とを有する。投写型映像表示装置100は、1対の液晶パネル71(液晶パネル71G、液晶パネル71RB)と、1対の入射側偏光板72(入射側偏光板72G、入射側偏光板72RB)と、1対の出射側偏光板73(出射側偏光板73G、出射側偏光板73RB)とを有する。投写型映像表示装置100は、合成部80と、投写レンズユニット90とを有する。なお、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111、レンズ112、レンズ113)を有する。
【0026】
光源10は、白色光を出射するUHPランプなどである。すなわち、光源10が出射する白色光は、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bを少なくとも含む。白色光は、黄成分光Yeを含んでいる。
【0027】
なお、第1実施形態において、緑成分光Gは、第1色成分光の一例であり、赤成分光Rは、第2色成分光の一例であり、青成分光Bは、第3色成分光の一例である。
【0028】
フライアイレンズ20は、光源10が出射する白色光を均質化する素子である。詳細には、フライアイレンズ20は、複数の微小レンズを有しており、各レンズから出射される光は、液晶パネル71に照射される。
【0029】
PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向を揃える素子(Polarized Beam Splitter)である。例えば、PBSアレイ30は、光源10が出射する白色光の偏光方向をY軸方向(或いは、Z軸方向)に揃える。
【0030】
色分離部40は、光源10が出射する白色光を分離する。詳細には、色分離部40は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を白色光から分離するとともに、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を白色光から分離する。
【0031】
ミラー51は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を液晶パネル71G側に反射する。ミラー52は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光を液晶パネル71RB側に反射する。
【0032】
偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光の光路上に設けられる。具体的には、偏光調整素子60は、偏光調整素子60に入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0033】
詳細には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する第1偏光成分の量及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子60に入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、後述する入射側偏光板72を透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0034】
例えば、偏光調整素子60は、図2示すように、偏光調整素子60に印加される電圧に応じて、偏光調整素子60に入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合には、偏光調整素子60は、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を第2偏光成分に調整して、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を第1偏光成分に調整する。従って、第3色成分光(ここでは、青成分光B)は、入射側偏光板72を透過して液晶パネル71に導かれる。一方で、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合には、偏光調整素子60は、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を第2偏光成分に調整して、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を第1偏光成分に調整する。従って、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)は、入射側偏光板72を透過して液晶パネル71に導かれる。
【0035】
例えば、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図3に示すように、黄成分光Yeの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、黄成分光Yeの一部(短波長側)が青成分光Bに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、黄成分光Yeが赤成分光Rに重畳される。
【0036】
なお、図3の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図3の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0037】
なお、色分離部40の特性(カットオフ波長)によっては、黄成分光Yeが緑成分光Gに重畳されてもよい。
【0038】
液晶パネル71Gは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調する。液晶パネル71Gの光入射側には、第1偏光成分を有する光透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72Gが設けられる。一方で、液晶パネル71Gの光出射側には、第1偏光成分を有する透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73Gが設けられる。
【0039】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71Gは、第1信号値(ここでは、緑入力信号Gin)に基づいて、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する第1光変調素子の一例である。
【0040】
液晶パネル71RBは、赤入力信号Rin(赤出力信号Rout)に基づいて赤成分光Rを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71RBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72RBが設けられる。一方で、液晶パネル71RBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73RBが設けられる。
【0041】
ここで、液晶パネル71RBは、赤成分光R及び青成分光Bを時分割で変調する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、液晶パネル71RBは、一方のサブフレームにおいて赤成分光Rを変調し、他方のサブフレームにおいて青成分光Bを変調する。但し、液晶パネル71RBは、同一のサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを変調してもよい。
【0042】
なお、第1実施形態において、液晶パネル71RBは、第2信号値(ここでは、赤入力信号Rin)に基づいて、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)を変調するとともに、第3信号値(ここでは、青入力信号Bin)に基づいて、第3色成分光(ここでは、青成分光B)を変調する第2光変調素子の一例である。
【0043】
合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光及び液晶パネル71RBから出射される光を合成する。例えば、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックプリズムである。なお、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するダイクロイックミラーであってもよい。
【0044】
或いは、合成部80は、液晶パネル71Gから出射される光を反射して、液晶パネル71RBから出射される光を透過するPBSプリズムやPBSミラーであってもよい。このようなケースでは、液晶パネル71Gから出射される光の偏光は、液晶パネル71RBから出射される光の偏光と異なることに留意すべきである。
【0045】
投写レンズユニット90は、合成部80から出射される光(映像光)を投写面(不図示)上などに投写する。
【0046】
なお、光源10、色分離部40、偏光調整素子60、液晶パネル71及び入射側偏光板72は、照明装置を構成してもよい。照明装置は、これらの素子以外にも、出射側偏光板73や合成部80などを含んでもよい。
【0047】
(制御ユニットの構成)
以下において、第1実施形態に係る制御ユニットについて、図面を参照しながら説明する。図4は、第1実施形態に係る制御ユニット200を示すブロック図である。制御ユニット200は、投写型映像表示装置100に設けられており、投写型映像表示装置100を制御する。
【0048】
なお、制御ユニット200は、映像入力信号を映像出力信号に変換する。映像入力信号は、赤入力信号Rin、緑入力信号Gin及び青入力信号Binによって構成される。映像出力信号は、赤出力信号Rout、緑出力信号Gout及び青出力信号Boutによって構成される。映像入力信号及び映像出力信号は、1フレームを構成する画素毎に入力される信号である。
【0049】
図4に示すように、制御ユニット200は、映像信号受付部210と、制御部220とを有する。
【0050】
映像信号受付部210は、パーソナルコンピュータ、DVDなどの外部装置から映像入力信号を受付ける。
【0051】
制御部220は、偏光調整素子60及び液晶パネル71に接続されており、偏光調整素子60及び液晶パネル71を制御する。
【0052】
第1に、制御部220は、偏光調整素子60に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる光を制御する。詳細には、制御部220は、偏光調整素子60に電圧を印加することによって、第3色成分光(ここでは、青成分光B)が液晶パネル71RBに導かれるように、偏光調整素子60を制御する。また、制御部220は、偏光調整素子60に電圧を印加しないことによって、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)が液晶パネル71RBに導かれるように、偏光調整素子60を制御する。
【0053】
第2に、制御部220は、映像入力信号を映像出力信号に変換して、映像出力信号に基づいて、液晶パネル71を制御する。具体的には、制御部220は、緑出力信号Goutに基づいて、液晶パネル71Gを制御する。一方で、制御部220は、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御し、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御する。
【0054】
なお、制御部220は、赤出力信号Rout及び青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを時分割で制御する。例えば、1つのフレームが2つのサブフレームによって構成される場合には、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御し、他方のサブフレームにおいて、青出力信号Boutに基づいて、液晶パネル71RBを制御する。
【0055】
(制御例1)
以下において、第1実施形態に係る制御例1について、図5を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る制御例1を説明するための図である。なお、図5では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0056】
図5の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0057】
これに対して、図5の下段に示すように、特定モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームのそれぞれにおいて異なる。
【0058】
詳細には、制御部220は、1つのフレームにおける総光量が変化しないように、2つのサブフレームのうち、いずれか一方のサブフレームに、緑成分光Gの光量が偏るように、液晶パネル71Gを制御する。なお、1つのフレームにおける総光量は、緑入力信号Ginに基づいて定まることに留意すべきである。
【0059】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、第1信号値(ここでは、緑入力信号Gin)に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0060】
例えば、緑入力信号Ginが“153/255≒60%”である場合には、1フレーム全体において、60%の緑成分光Gが出力されればよい。このようなケースにおいて、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、100%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、他方のサブフレームにおいて、20%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。
【0061】
このように、2つのサブフレームのうち、一方のサブフレームの輝度を低下させることによって、黒挿入のような動ボケ改善効果が得られる。
【0062】
(制御例2)
以下において、第1実施形態に係る制御例2について、図6を参照しながら説明する。図6は、第1実施形態に係る制御例2を説明するための図である。なお、図6では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0063】
図6の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0064】
これに対して、図6の下段に示すように、特定モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームのそれぞれにおいて異なる。
【0065】
詳細には、制御部220は、1つのフレームにおける総光量が変化しないように、赤入力信号Rinと青入力信号Binとの比率に基づいて、緑成分光Gの光量が2つのサブフレームに分配されるように、液晶パネル71Gを制御する。なお、1つのフレームにおける総光量は、緑入力信号Ginに基づいて定まることに留意すべきである。
【0066】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、第2信号値(ここでは、赤入力信号Rin)及び第3信号値(ここでは、青入力信号Bin)の比率に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0067】
例えば、緑入力信号Ginが“153/255≒60%”であり、赤入力信号Rinが“204/255≒80%”であり、青入力信号Binが“51/255≒20%”である場合には、1フレーム全体において、60%の緑成分光Gが出力されればよい。このようなケースにおいて、制御部220は、赤成分光Rが出力されるサブフレーム(すなわち、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレーム)において、96%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、青成分光Bが出力されるサブフレーム(すなわち、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレーム)において、24%の緑成分光Gが出力されるように液晶パネル71Gを制御する。
【0068】
これによって、1つのサブフレームにおいて、緑成分光Gが赤成分光R(或いは、青成分光B)よりも著しく大きいことに起因するカラーブレイクが抑制される。
【0069】
(制御例3)
以下において、第1実施形態に係る制御例3について、図7を参照しながら説明する。図7は、第1実施形態に係る制御例3を説明するための図である。なお、図7では、合成部80に導かれる光量(すなわち、投写型映像表示装置100から出射される映像光の光量)が示されていることに留意すべきである。
【0070】
図7の上段に示すように、通常モードにおいては、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)の光量は、2つのサブフレームにおいて均等に分配される。
【0071】
これに対して、図7の下段に示すように、特定モードにおいては、一方のサブフレームにおいて、オリジナル映像が出力され、他方のサブフレームにおいて、補間フレームが出力される。なお、オリジナル映像は、外部装置から入力されるオリジナル信号に基づいて表示される映像であり、補間映像は、オリジナル信号に基づいて生成される補間信号に基づいて表示される映像である。補間映像の生成方法は任意である。
【0072】
詳細には、制御部220は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号に基づいて液晶パネル71Gを制御する。また、制御部220は、他方のサブフレームにおいて、補間信号に基づいて液晶パネル71Gを制御する。
【0073】
すなわち、第1光変調素子(ここでは、液晶パネル71G)は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号値に基づいて第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調し、他方のサブフレームにおいて、補間信号値に基づいて第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を変調する。
【0074】
このように、2つのサブフレームのいずれかにおいて補間映像が出力されるため、動ボケ改善効果が得られる。
【0075】
(作用及び効果)
第1実施形態では、偏光調整素子60は、第2色成分光(赤成分光R)及び第3色成分光(青成分光B)を構成する第1偏光成分の量を調整する。すなわち、第2色成分光及び第3色成分光のそれぞれについて、入射側偏光板72RBを透過して液晶パネル71RBに導かれる光量が調整される。
【0076】
これによって、光変調素子(液晶パネル71)の数を減らすことができる。また、偏光調整素子60が偏光板を有する必要がないため、さらにコストダウンを図ることができる。
【0077】
制御例1では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、第1信号値(緑入力信号Gin)に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0078】
このように、2つのサブフレームのうち、一方のサブフレームの輝度を低下させることによって、黒挿入のような動ボケ改善効果が得られる。
【0079】
制御例2では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、第2信号値(赤入力信号Rin)及び第3信号値(青入力信号Bin)の比率に基づいて、2つのサブフレームのそれぞれにおいて投写型映像表示装置100から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量が変化するように、第1色成分光を変調する。
【0080】
これによって、1つのサブフレームにおいて、緑成分光Gが赤成分光R(或いは、青成分光B)よりも著しく大きいことに起因するカラーブレイクが抑制される。
【0081】
制御例3では、第1光変調素子(液晶パネル71G)は、一方のサブフレームにおいて、オリジナル信号値に基づいて第1色成分光(緑成分光G)を変調し、他方のサブフレームにおいて、補間信号値に基づいて第1色成分光(緑成分光G)を変調する。
【0082】
このように、2つのサブフレームのいずれかにおいて補間映像が出力されるため、動ボケ改善効果が得られる。
【0083】
第1実施形態では、緑成分光Gが2つのサブフレームで出力されるため、映像の輝度が優先される。また、赤成分光R及び青成分光Bが時分割で出力される。赤成分光Rの波長帯及び青成分光Bの波長帯が離れているため、偏光調整素子60が赤成分光R及び青成分光Bを分離することが容易である。
【0084】
第1実施形態では、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長が黄成分光Yeの波長帯を跨っているため、赤成分光R又は青成分光Bを重畳して、映像の高輝度化を図ることができる。
【0085】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0086】
第1実施形態では、第1色成分光が緑成分光Gであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が青成分光Bであるケースについて例示した。
【0087】
これに対して、変更例1では、第1色成分光が赤成分光Rであり、第2色成分光が緑成分光Gであり、第3色成分光が青成分光Bである。変更例1では、上述した色分離部40の構成などが第1実施形態と異なることは勿論である。
【0088】
ここで、変更例1において、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図8に示すように、シアン成分光Cyの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、シアン成分光Cyの一部(短波長側)が青成分光Bに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、シアン成分光Cyが緑成分光Gに重畳される。
【0089】
なお、図8の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図8の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0090】
(作用及び効果)
変更例1では、赤成分光Rが2つのサブフレームで出力されるため、映像の色味が優先される。また、緑成分光G及び青成分光Bが時分割で出力される。緑成分光Gの波長帯及び青成分光Bの波長帯が離れているため、偏光調整素子60が緑成分光G及び青成分光Bを分離することが容易である。
【0091】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0092】
第1実施形態では、第1色成分光が緑成分光Gであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が青成分光Bであるケースについて例示した。
【0093】
これに対して、変更例2では、第1色成分光が青成分光Bであり、第2色成分光が赤成分光Rであり、第3色成分光が緑成分光Gである。変更例1では、上述した色分離部40の構成などが第1実施形態と異なることは勿論である。
【0094】
ここで、変更例1において、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長は、図9に示すように、黄成分光Yeの波長帯に跨っている。これによって、偏光調整素子60に電圧が印加されていない場合に、黄成分光Yeが緑成分光Gに重畳される。また、偏光調整素子60に電圧が印加されている場合に、黄成分光Yeが赤成分光Rに重畳される。
【0095】
なお、図9の縦軸は、偏光調整素子60から出射される第1偏光成分の強度を示している。また、図9の横軸は、色成分光の波長を示している。
【0096】
(作用及び効果)
変更例2では、青成分光Bが2つのサブフレームで出力されるため、映像の色温度が優先される。
【0097】
変更例2では、偏光調整素子60に印加される電圧のオン/オフによって偏光を調整する特性が切り替わる波長が黄成分光Yeの波長帯を跨っているため、緑成分光Gに黄成分光Yeを重畳して、映像の高輝度化を図ることができる。
【0098】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0099】
第1実施形態では、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレームにおいては、赤成分光Rが出力されており、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレームにおいては、青成分光Bが出力される。
【0100】
これに対して、偏光調整素子60は、1つのフレーム内において、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分が1つのサブフレーム内で混合されるように、偏光調整素子に入射する光の偏光を調整する。
【0101】
詳細には、図10に示すように、フレーム#1のサブフレーム1aにおいては、赤成分光Rが出力されており、フレーム#1のサブフレーム1bにおいては、青成分光Bが出力される。すなわち、フレーム#1は、第1実施形態と同様である。
【0102】
これに対して、フレーム#2のサブフレーム2bにおいては、青成分光Bに加えて、赤成分光Rが出力される。また、フレーム#4のサブフレーム4aにおいては、赤成分光Rに加えて、青成分光Bが出力される。
【0103】
なお、図10では、液晶パネル71RBに導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72RBを透過する光量)が示されていることに留意すべきである。すなわち、図10に示す光量は、上述した図5〜図7に示す光量と異なっていることに留意すべきである。
【0104】
ここで、偏光調整素子60によって第1偏光成分に調整される光量は、図11に示すように、偏光調整素子60に印加される電圧によって異なる。例えば、電圧Vが偏光調整素子60に印加される場合には、上述したフレーム#2のサブフレーム2bに示すように、1つのサブフレームにおいて、赤成分光R及び青成分光Bを構成する第1偏光成分が混合される。
【0105】
すなわち、上述した制御部220は、偏光調整素子60に印加する電圧を制御することによって、液晶パネル71RBに導かれる赤成分光R及び青成分光Bの混合比を制御する。
【0106】
このように、赤入力信号Rinに基づいて制御されるサブフレームにおいて、赤成分光Rに加えて青成分光Bを出力することによって、図12に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、映像の輝度を向上することができる。同様に、青入力信号Binに基づいて制御されるサブフレームにおいて、青成分光Bに加えて赤成分光Rを出力することによって、図12に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、映像の輝度を向上することができる。
【0107】
[変更例4]
以下において、第1実施形態の変更例4について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0108】
第1実施形態では、緑成分光Gが白色光から分離されるとともに、赤成分光R及び青成分光Bを含む合成光が白色光から分離されるケースについて例示した。
【0109】
これに対して、変更例4では、緑成分光G及び青成分光Bの一部を含む合成光が白色光から分離可能であり、赤成分光R及び青成分光Bの一部を含む合成光が白色光から分離可能である。
【0110】
変更例4においては、緑成分光Gは、第1色成分光の一例であり、青成分光Bは、第2色成分光の一例であり、赤成分光Rは、第3色成分光の一例である。
【0111】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、変更例4に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図13は、変更例4に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図13では、図1と同様の構成について同様の符号を付している。
【0112】
図13に示すように、投写型映像表示装置100は、液晶パネル71G、入射側偏光板72G及び出射側偏光板73Gに代えて、液晶パネル71GB、入射側偏光板72GB及び出射側偏光板73GBを有する。投写型映像表示装置100は、分離前偏光調整素子130と、色分離部140と、偏光調整素子160RBと、偏光調整素子160GBとを有する。なお、色分離部140は、色分離部40に代えて設けられている。
【0113】
分離前偏光調整素子130は、色分離部140の光入射側に設けられる。具体的には、分離前偏光調整素子130は、偏光調整素子60に入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0114】
分離前偏光調整素子130は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)と第3色成分光(ここでは、赤成分光R)とが色分離部140によって異なる光路に分離されるように、第1色成分光及び第3色成分光の偏光を調整する。
【0115】
分離前偏光調整素子130は、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)が導かれる光路及び/又は第3色成分光(ここでは、赤成分光R)が導かれる光路に第2色成分光が色分離部140によって分離されるように、第2色成分光(ここでは、青成分光B)の偏光を調整する。
【0116】
例えば、分離前偏光調整素子130は、緑成分光GをP偏光成分に調整し、赤成分光RをS偏光成分に調整する。また、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に印加される電圧に応じて、青成分光Bを構成するP偏光成分及びS偏光成分の比率を調整する。例えば、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に電圧が印加されている場合に、青成分光Bを構成するS偏光成分に調整する。一方で、分離前偏光調整素子130は、分離前偏光調整素子130に電圧が印加されていない場合に、青成分光Bを構成するP偏光成分に調整する。
【0117】
色分離部140は、色分離部140に入射する光の偏光に応じて、白色成分光を分離する。具体的には、色分離部140は、一方の偏光成分(例えば、P偏光成分)を透過して、他方の偏光成分(例えば、S偏光成分)を反射するPBS(Polarized Beam Splitter)である。
【0118】
偏光調整素子160GBは、偏光調整素子160GBに入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0119】
詳細には、偏光調整素子160GBは、第1色成分光(ここでは、緑成分光G)を構成する第1偏光成分の量及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子160GBに入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、入射側偏光板72GBを透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0120】
偏光調整素子160RBは、第3色成分光(ここでは、赤成分光R)を構成する第1偏光成分の量及び第2色成分光(ここでは、青成分光B)を構成する第1偏光成分の量が変わるように、偏光調整素子160RBに入射する光の偏光を調整する。なお、第1偏光成分とは、入射側偏光板72RBを透過する偏光成分であることに留意すべきである。
【0121】
液晶パネル71GBは、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。液晶パネル71GBの光入射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する入射側偏光板72GBが設けられる。一方で、液晶パネル71GBの光出射側には、第1偏光成分を有する光を透過して、第2偏光成分を有する光を遮光する出射側偏光板73GBが設けられる。
【0122】
変更例4では、分離前偏光調整素子130によって青成分光Bの偏光を調整することによって、偏光調整素子160GBに導かれる青成分光Bと偏光調整素子160RBに導かれる青成分光Bとの比率を調整することができる。
【0123】
また、偏光調整素子160GBによって緑成分光G及び青成分光Bの偏光を調整することによって、液晶パネル71GBに導かれる緑成分光Gと青成分光Bとの比率を調整することができる。同様に、偏光調整素子160RBによって赤成分光R及び青成分光Bの偏光を調整することによって、液晶パネル71RBに導かれる赤成分光Rと青成分光Bとの比率を調整することができる。
【0124】
従って、映像の色バランスに応じて、1フレーム内において、液晶パネル71に導かれる赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を任意に調整することが可能である。
【0125】
(制御例)
以下において、変更例4に係る制御例について、図14を参照しながら説明する。図14は、変更例4に係る制御例を説明するための図である。なお、図14では、液晶パネル71に導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72を透過する光量)が示されていることに留意すべきである。
【0126】
上述したように、分離前偏光調整素子130、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBによって、液晶パネル71に導かれる赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を任意に調整することが可能である。
【0127】
従って、例えば、図14に示すように、1つのフレーム内において、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bが出射されるサブフレームの組み合わせを任意に変更することができる。
【0128】
詳細には、フレーム#1のように、緑成分光Gが出力されるサブフレーム数を2つにして、赤成分光R(或いは、青成分光B)が出力されるサブフレーム数を1つにしてもよい。また、フレーム#2のように、赤成分光Rが出力されるサブフレーム数を2つにして、緑成分光G(或いは、青成分光B)が出力されるサブフレーム数を1つにしてもよい。さらに、フレーム#3のように、緑成分光G(或いは、赤成分光R)が出力されるサブフレーム数を2つにして、青成分光Bが出力されるサブフレーム数を0にしてもよい。
【0129】
なお、図14では、説明を簡略化するために、1つのサブフレームで出力される色成分光が1色であるケースについて例示したが、1つのサブフレームで出力される色成分光が2色であってもよい。
【0130】
(他の制御例)
以下において、変更例4に係る他の制御例について、図15を参照しながら説明する。図15は、変更例4に係る他の制御例を説明するための図である。なお、図15では、液晶パネル71に導かれる光量(すなわち、入射側偏光板72を透過する光量)が示されていることに留意すべきである。
【0131】
他の制御例では、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBのいずれか一方が設けられるケースについて説明する。ここでは、偏光調整素子160RBのみが設けられているケースについて例示する。
【0132】
上述したように、分離前偏光調整素子130によって、緑成分光Gの光路に導かれる青成分光Bと赤成分光Rの光路に導かれる青成分光Bとの比率が調整される。
【0133】
従って、例えば、図15に示すように、サブフレーム毎に、青成分光Bの重畳量を調整することが可能である。
【0134】
詳細には、フレーム#1のように、青成分光Bの全てを赤成分光Rの光路に導いた上で、赤成分光Rが出力されるサブフレームと青成分光Bが出力されるサブフレームとが切り替えられてもよい。
【0135】
サブフレーム#2のサブフレーム2aのように、青成分光Bの全てを緑成分光Gの光路に導いた上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されてもよい。サブフレーム#2のサブフレーム2bのように、緑成分光G及び赤成分光Rの光路に青成分光Bを分離した上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されるとともに、青成分光Bが単独で出力されてもよい。
【0136】
サブフレーム#2のサブフレーム3aのように、緑成分光G及び赤成分光Rの光路に青成分光Bを分離した上で、青成分光Bが緑成分光Gに重畳されるとともに、青成分光Bが出力されなくてもよい。
【0137】
[変更例5]
以下において、第1実施形態の変更例5について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0138】
第1実施形態では、偏光調整素子60が1枚の液晶パネルによって構成されるケースについて例示した。変更例5では、偏光調整素子60は、例えば、2枚の液晶パネルによって構成されている。言い換えると、変更例5では、偏光調整素子60は、第2色成分光(赤成分光R)を構成する第1偏光成分及び第3色成分光(青成分光B)を構成する第1偏光成分を独立して制御する。
【0139】
以下においては、液晶パネル71の駆動周波数が120Hzであるケースを例示する。また、1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成される。また、液晶パネル71は、サブフレーム間の混色を避けるために、上述した制御部220は、映像出力信号に応じて映像データをフレームバッファに書き込む期間(すなわち、サブフレームの切替え)において、液晶パネル71(特に、液晶パネル71RB)から光が出射されないように液晶パネル71を制御する。
【0140】
なお、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されると、サブフレーム間の混色が生じる。同様に、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、赤成分光Rが液晶パネル71RBから出射されると、サブフレーム間の混色が生じる。
【0141】
変更例5において、制御部220は、第1光変調素子(液晶パネル71G)から出射される第1色成分光(緑成分光G)の光量、第2光変調素子(液晶パネル71RB)から出射される第2色成分光(赤成分光R)の光量及び第2光変調素子(液晶パネル71RB)から出射される第3色成分光(青成分光B)の光量を制御する光量制御部を構成する。
【0142】
(通常制御例)
以下において、通常制御例について図16〜図18を参照しながら説明する。第1に、図16に示すように、制御部220は、サブフレームの切替えにおいて、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBから光が出射されない期間(黒表示期間)を設ける。言い換えると、制御部220は、映像出力信号に応じて映像データをフレームバッファに書き込む期間において、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBから光が出射されないように、液晶パネル71G及び液晶パネル71RBを制御する。或いは、制御部220は、映像出力信号に応じて映像データをフレームバッファに書き込む期間において、液晶パネル71RBに光が照射されないように、偏光調整素子60を制御してもよい。
【0143】
ここで、緑成分光Gについては、サブフレーム間の混色が生じないため、図17に示すように、液晶パネル71Gに緑成分光Gが常に出射されてもよい。しかしながら、赤成分光R及び青成分光Bの光量に比べて、緑成分光Gの光量が大き過ぎる。
【0144】
従って、図18に示すように、液晶パネル71Gから緑成分光Gが出射される期間は、液晶パネル71RBから赤成分光R及び青成分光Bが出射される期間に応じて定められる。このように、通常制御例では、赤成分光R及び青成分光Bの光量が制約条件となってしまい、十分な高輝度化を図ることができない。
【0145】
(高輝度制御例1)
以下において、変更例5に係る高輝度制御例1について図19〜図21を参照しながら説明する。
【0146】
第1に、制御部220は、映像入力信号に基づいて、フレームで表示すべき映像の色度を算出する。続いて、制御部220は、赤及び青を結ぶライン上において色再現範囲を縮小可能であるか否かを判定する。例えば、制御部220は、フレームで表示すべき映像において、赤或いは青の彩度の代表値が閾値以下である場合に、赤及び青を結ぶライン上において色再現範囲を縮小可能であると判定する。彩度の代表値としては、フレームで表示すべき映像に含まれる彩度の最大値又は平均値を用いることが可能である。
【0147】
制御部220は、赤及び青を結ぶライン上において赤側の色再現範囲を縮小可能であると判定した場合には、図20に示すように、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、赤成分光Rに加えて青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように、偏光調整素子60を制御する。すなわち、制御部220は、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、青成分光Bに含まれる第1偏光成分(図20に示すB(例えば、20%))が増大するように偏光調整素子60を制御する。
【0148】
同様に、制御部220は、赤及び青を結ぶライン上において青側の色再現範囲を縮小可能であると判定した場合には、図20に示すように、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、青成分光Bに加えて赤成分光Rが液晶パネル71RBから出射されるように、偏光調整素子60を制御する。すなわち、制御部220は、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、赤成分光Rに含まれる第1偏光成分(図20に示すR(例えば、20%))が増大するように偏光調整素子60を制御する。
【0149】
さらに、制御部220は、図21に示すように、図19に対して追加された赤成分光R及び青成分光Bの光量(図21に示すR(例えば、20%)及びB(例えば、20%))に応じて、液晶パネル71Gから出射される緑成分光Gの光量(図21に示すG(例えば、20%+20%=40%))を増大する。これによって、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量バランスが維持される。
【0150】
ここで、図19に対して追加された赤成分光Rの光量Rは、図19に対して追加された青成分光Bの光量Bと同様であることが好ましい。また、緑成分光Gの光量Gは、図19に対して追加された赤成分光Rの光量R及び青成分光Bの光量Bに応じて決定されることが好ましい。
【0151】
なお、制御部220は、例えば、液晶パネル71Gから緑成分光Gが出射される期間を増大する。なお、図19は、上述した図18と同様であることに留意すべきである。
【0152】
このように、高輝度制御例1では、赤成分光R及び青成分光Bの光量(図21に示すR及びB)の追加によって、図22に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向に縮小するが、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量(図21に示すR、G、及びB)の追加によって、映像の高輝度化を図ることができる。
【0153】
(高輝度制御例2)
以下において、変更例5に係る高輝度制御例2について図23〜図25を参照しながら説明する。
【0154】
第1に、制御部220は、映像入力信号に基づいて、フレームで表示すべき映像の色度を算出する。続いて、制御部220は、赤及び青を結ぶライン上の各色について緑側に色再現範囲を縮小可能であるか否かを判定する。例えば、制御部220は、フレームで表示すべき映像において、赤及び青を結ぶライン上の各色の彩度の代表値が閾値以下である場合に、色再現範囲を縮小可能であると判定する。彩度の代表値としては、フレームで表示すべき映像に含まれる彩度の最大値又は平均値を用いることが可能である。
【0155】
制御部220は、赤側の色再現範囲を縮小可能であると判定した場合には、図24に示すように、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、赤成分光Rに加えて青成分光Bが液晶パネル71RBから出射されるように、偏光調整素子60を制御する。すなわち、制御部220は、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、青成分光Bに含まれる第1偏光成分(図24に示すB(例えば、20%))が増大するように偏光調整素子60を制御する。
【0156】
同様に、制御部220は、青側の色再現範囲を縮小可能であると判定した場合には、図24に示すように、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、青成分光Bに加えて赤成分光Rが液晶パネル71RBから出射されるように、偏光調整素子60を制御する。すなわち、制御部220は、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、赤成分光Rに含まれる第1偏光成分(図24に示すR(例えば、20%))が増大するように偏光調整素子60を制御する。
【0157】
高輝度制御例2では、制御部220は、図24に示すように、図23に対して追加された赤成分光R及び青成分光Bの光量(図24に示すR及びB)に応じて、液晶パネル71Gから出射される緑成分光Gの光量(図24に示すG及びG)を増大する。
【0158】
具体的には、制御部220は、赤側において緑側に縮小可能な色再現範囲に応じて、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、液晶パネル71Gから出射される緑成分光Gの光量(図24に示すG(例えば、20%))を増大する。同様に、制御部220は、青側において緑側に縮小可能な色再現範囲に応じて、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、液晶パネル71Gから出射される緑成分光Gの光量(図24に示すG(例えば、40%))を増大する。
【0159】
さらに、制御部220は、図25に示すように、図23に対して追加された赤成分光R及び青成分光Bの光量(図25に示すR(例えば、20%)及びB(例えば、20%))に応じて、液晶パネル71Gから出射される緑成分光Gの光量(図25に示すG(例えば、20%+20%=40%))を増大する。これによって、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量バランスが維持される。
【0160】
ここで、図23に対して追加された赤成分光Rの光量Rは、図23に対して追加された青成分光Bの光量Bと同様であることが好ましい。また、緑成分光Gの光量Gは、図23に対して追加された赤成分光Rの光量R及び青成分光Bの光量Bに応じて決定されることが好ましい。
【0161】
このように、高輝度制御例2では、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量(図25に示すR、G、G及びB)の追加によって、図26に示すように、色再現範囲がマゼンタ方向及び緑方向に縮小するが、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量(図25に示すR、G、G、G及びB)の追加によって、映像の高輝度化を図ることができる。
【0162】
[変更例6]
以下において、第1実施形態の変更例6について、図面を参照しながら説明する。以下においては、変更例5に対する相違点について主として説明する。
【0163】
変更例5では、制御部220は、偏光調整素子60の制御によって、赤成分光R及び青成分光Bの光量(R及びB)を追加する。また、制御部220は、液晶パネル71Gから緑成分光Gが出射される期間の増大によって、緑成分光Gの光量(G、G’及びG’’)を追加する。
【0164】
これに対して、変更例6では、制御部220は、図27に示すように、γカーブの補正によって、赤成分光R、緑成分光G及び青成分光Bの光量を追加する。なお、γカーブは、映像入力信号と映像出力信号との対応関係を示すカーブであり、映像入力信号を映像出力信号に変換するために用いられる。
【0165】
詳細には、赤成分光Rの追加光量(R)が青成分光Bの追加光量(B)と異なるケースが考えられる。このようなケースでは、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において液晶パネル71RBから出射される光量が青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において液晶パネル71RBから出射される光量と異なる。従って、このようなアンバランスを解消するために、γカーブの補正によって、サブフレーム間の光量のバランスをとることが可能である。
【0166】
例えば、青成分光Bの光量(B)が20%であり、赤成分光Rの追加光量(R)が0%であるケースでは、赤出力信号Routに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において液晶パネル71RBから出射される光量は増大するが、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において液晶パネル71RBから出射される光量は増大しない。従って、青出力信号Boutに基づいて液晶パネル71RBを制御すべき期間において、制御部220は、γカーブを補正して、サブフレーム間の光量のバランスを取る。
【0167】
[変更例7]
以下において、第1実施形態の変更例7について、図面を参照しながら説明する。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0168】
第1実施形態では、光変調素子として、透過型の液晶パネルを用いるケースについて例示した。これに対して、変更例7では、光変調素子として、反射型の液晶パネル(例えば、LCOS;Liquid Crystal on Silicon)を用いる。
【0169】
(投写型映像表示装置の構成)
以下において、変更例7に係る投写型映像表示装置の構成について、図面を参照しながら説明する。図28は、変更例7に係る投写型映像表示装置100の構成を示す図である。なお、図28では、図1と同様の構成について同様の符号を付していることに留意すべきである。
【0170】
図28に示すように、投写型映像表示装置100は、光源10と、フライアイレンズ20と、PBSアレイ30と、カラースイッチ320と、偏光調整素子360と、1対の反射型液晶パネル371(反射型液晶パネル371G、反射型液晶パネル371RB)と、分離合成素子380と、投写レンズユニット90とを有する。また、投写型映像表示装置100は、必要なレンズ群(レンズ111)を有する。
【0171】
カラースイッチ320は、特定の波長帯を有する光の偏光を90°回転する。ここでは、カラースイッチ320は、赤成分光R及び青成分光Bの偏光を90°回転して、赤成分光R及び青成分光Bを透過する。一方で、カラースイッチ320は、緑成分光Gの偏光を回転せずに、緑成分光Gを透過する。
【0172】
偏光調整素子360は、偏光調整素子60と同様に、第2色成分光(ここでは、赤成分光R)及び第3色成分光(ここでは、青成分光B)を含む合成光の光路上に設けられる。具体的には、偏光調整素子60は、偏光調整素子60に入射する光の偏光を波長帯毎に制御する。
【0173】
反射型液晶パネル371Gは、液晶パネル71Gと同様に、緑入力信号Gin(緑出力信号Gout)に基づいて緑成分光Gを変調する。なお、反射型液晶パネル371Gは、例えば、LCOSである。
【0174】
反射型液晶パネル371RBは、液晶パネル71RBと同様に、赤入力信号Rin(赤出力信号Rout)に基づいて赤成分光Rを変調し、青入力信号Bin(青出力信号Bout)に基づいて青成分光Bを変調する。なお、反射型液晶パネル371RBは、例えば、LCOSである。
【0175】
分離合成素子380は、赤成分光R及び青成分光Bを含む合成光と緑成分光Gとを分離する。また、分離合成素子380は、赤成分光R及び青成分光Bを含む合成光と緑成分光Gとを合成する。なお、分離合成素子380は、例えば、PBSキューブである。
【0176】
詳細には、分離合成素子380は、カラースイッチ320から出射されたS偏光の緑成分光Gを反射型液晶パネル371G側に反射する。分離合成素子380は、カラースイッチ320から出射されたP偏光の赤成分光R及び青成分光Bを反射型液晶パネル371RB側に透過する。
【0177】
また、分離合成素子380は、反射型液晶パネル371Gから出射されたP偏光の緑成分光Gを投写レンズユニット90側に透過する。分離合成素子380は、反射型液晶パネル371RBから出射されたS偏光の赤成分光R及び青成分光Bを投写レンズユニット90側に反射する。
【0178】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0179】
実施形態では特に触れていないが、偏光調整素子60、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBは、1枚の液晶パネルによって構成されていてもよい。或いは、偏光調整素子60、偏光調整素子160GB及び偏光調整素子160RBは、2枚の液晶パネルによって構成されていてもよい。このようなケースでは、2色の色成分光を構成する第1偏光成分の量を独立で制御することが可能である。
【0180】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの駆動周波数(例えば、60Hz)は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの駆動周波数(例えば、120Hz)よりも低くてもよい。
【0181】
実施形態では特に触れていないが、単色の色成分光を変調する液晶パネル71Gの解像度は、複数色の色成分光を変調する液晶パネル71RBの解像度よりも低くてもよい。なお、液晶パネル71Gは、2つのサブフレームにおいて緑成分光Gを変調するため、例えば、制御例3のように、補間映像の表示によって、低解像度を補うことが可能である。
【0182】
第1実施形態では特に触れていないが、制御例1〜制御例3は、映像入力信号に基づいて切り替えられてもよい。例えば、映像入力信号に基づいて特定される動きベクトルに基づいて、制御例1〜制御例3の中から適切な制御例が選択される。或いは、映像入力信号に基づいて特定される映像の色バランスに基づいて、制御例1〜制御例3の中から適切な制御例が選択される。
【0183】
変更例4では特に触れていないが、MacAdamの楕円によれば、短波長側の光が混ざっても、人間は色の変化を認識しにくいことが知られている。従って、他の色成分光に重畳される第2色成分光は青成分光Bであることが好ましい。
【符号の説明】
【0184】
10…光源、20…フライアイレンズ、30…PBSアレイ、40…色分離部、50…ミラー、60…偏光調整素子、71…液晶パネル、72…入射側偏光板、73…出射側偏光板、80…合成部、90…投写レンズユニット、100…投写型映像表示装置、111〜113…レンズ、130…分離前偏光調整素子、140…色分離部、160GB…偏光調整素子、160RB…偏光調整素子、200…制御ユニット、210…映像信号受付部、220…制御部、320…カラースイッチ、360…偏光調整素子、371…反射型液晶パネル、380…分離合成素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1色成分光、第2色成分光及び第3色成分光を含む白色光を分離する色分離部と、
前記第2色成分光及び前記第3色成分光を含む合成光の光路上に設けられた偏光調整素子と、
第1信号値に基づいて、前記第1色成分光を変調する第1光変調素子と、
第2信号値に基づいて、前記第2色成分光を変調するとともに、第3信号値に基づいて、前記第3色成分光を変調する第2光変調素子と、
前記第2光変調素子の光入射側に設けられており、第1偏光成分を透過して、第2偏光成分を遮光する入射側偏光板とを備えており、
前記偏光調整素子は、前記第2色成分光を構成する前記第1偏光成分の量及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分の量が変わるように、前記偏光調整素子に入射する光の偏光を調整することを特徴とする投写型映像表示装置。
【請求項2】
1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成されており、
前記偏光調整素子は、前記1つのフレーム内において、前記第2色成分光及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分が1つのサブフレーム内で混合されるように、前記偏光調整素子に入射する光の偏光を調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項3】
1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成されており、
前記第1光変調素子は、前記第1信号値に基づいて、前記2つのサブフレームのそれぞれにおいて前記投写型映像表示装置から出射される前記第1色成分光の光量が変化するように、前記第1色成分光を変調することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項4】
1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成されており、
前記第1光変調素子は、前記第2信号値及び前記第3信号値の比率に基づいて、前記2つのサブフレームのそれぞれにおいて前記投写型映像表示装置から出射される前記第1色成分光の光量が変化するように、前記第1色成分光を変調することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項5】
1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成されており、
前記第1信号値は、オリジナル信号値及び補間信号値を含み、
前記第1光変調素子は、一方のサブフレームにおいて、前記オリジナル信号値に基づいて前記第1色成分光を変調し、他方のサブフレームにおいて、前記補間信号値に基づいて前記第1色成分光を変調することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項6】
前記色分離部の光入射側に設けられた分離前偏光調整素子をさらに備え、
前記色分離部は、前記色分離部に入射する光の偏光に応じて、前記白色成分光を分離し、
前記分離前偏光調整素子は、前記第1色成分光と前記第3色成分光とが前記色分離部によって異なる光路に分離されるように、前記第1色成分光及び前記第3色成分光の偏光を調整し、
前記分離前偏光調整素子は、前記第1色成分光が導かれる光路及び/又は前記第3色成分光が導かれる光路に前記第2色成分光が前記色分離部によって分離されるように、前記第2色成分光の偏光を調整することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項7】
1つのフレームは、2つのサブフレームによって構成されており、
前記偏光調整素子は、前記第1信号値、前記第2信号値及び前記第3信号値に応じて、前記2つのフレームのそれぞれにおいて、前記第2色成分光を構成する前記第1偏光成分及び前記第3色成分光を構成する前記第1偏光成分を独立して制御することを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項8】
前記第1光変調素子から出射される前記第1色成分光の光量、前記第2光変調素子から出射される前記第2色成分光の光量及び前記第2光変調素子から出射される前記第3色成分光の光量を制御する光量制御部をさらに備え、
前記光量制御部は、サブフレームの切替えにおいて、前記第2光変調素子から光が出射されない期間を設けることを特徴とする請求項1に記載の投写型映像表示装置。
【請求項9】
前記光量制御部は、前記第1信号値、前記第2信号値及び前記第3信号値に応じて、前記第1光変調素子から出射される前記第1色成分光の光量を増大することを特徴とする請求項8に記載の投写型映像表示装置。
【請求項10】
前記光量制御部は、前記第1信号値、前記第2信号値及び前記第3信号値に応じて、前記第2光変調素子から出射される前記第2色成分光及び/又は前記第3色成分光の光量を増大することを特徴とする請求項8に記載の投写型映像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2012−237962(P2012−237962A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217015(P2011−217015)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】