説明

抗アレルギー食品及び抗アレルギー外用剤

【課題】 食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等に有効なI型及びIV型アレルギーに対する抗アレルギー作用を有する植物抽出物を含有し、長期的に摂取又は塗布することが可能な食品及び外用剤を提供すること。
【解決手段】 スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー食品又は抗アレルギー外用剤とする。また、有効成分は、スベリヒユからの水単独、水溶性溶媒単独、又は、水及び水溶性溶媒の混合物による抽出物であることを特徴とする。さらに、スベリヒユ以外の生薬の有効成分、ペプチド、タンパク質及び糖類等を有効成分として含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗アレルギー作用、特にI型及びIV型のアレルギーに対する抗アレルギー作用を有するスベリヒユ抽出物を含有する食品及び外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、気管支喘息等、何らかのアレルギー症状を示す人が増えており、社会的にも問題になっている。
これらのアレルギーは、GellとCoombsによってI型〜IV型の4タイプに分類される。
I型は、IgE抗体によって短時間で反応が現れる即時型アレルギーであり、アナフィラキシー型とも言われ、花粉症、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、気管支喘息等である。
II型は、IgG抗体やIgM抗体によって細胞に障害を引き起こす細胞障害性アレルギーであり、血液型不適合輸血による溶血、インスリン抵抗性糖尿病等である。
【0003】
III型は、抗原抗体反応によってできた免疫複合体が身体組織に障害を引き起こす免疫複合体性アレルギーであり、血清病、糸球体腎炎等である。
IV型は、T細胞によるため、反応が現れるまでに時間がかかる遅延型アレルギーであり、接触性皮膚炎、ツベルクリン反応、移植拒絶反応等である。
ただし、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等は、I型だけでなくIV型アレルギーも関与する複合型アレルギーと言われている。近年増加して特に問題となっているのは、I型アレルギーの花粉症等や、I型及びIV型の複合型アレルギーの食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等である。
【0004】
このI型アレルギーは、抗原が体内に侵入すると、B細胞によってIgEが産生され、これが肥満細胞(マスト細胞)や好塩基球の細胞膜上に存在する高親和性IgE受容体(FcεRI)に結合し、そこに再び抗原が浸入して細胞膜上のIgEを架橋すると、ヒスタミン等の媒介物質が放出され、これが結合することによって発症する。
またIV型アレルギーは、T細胞が関与するが、T細胞は抗原と反応すると、リンホカインを産生放出し、反応部にマクロファージ、リンパ球、好中球、好塩基球、好酸球等の細胞を集積させ、それらを活性化する。活性化されたマクロファージは、プロスタグランジン、インターロイキン1、活性酸素等を産生、放出する。また、プロスタグランジンや好塩基球からのヒスタミンは、血管透過性を亢進させ、細胞の遊出や血漿成分の滲出がさらに増強され、インターロイキン1は線維芽細胞や血管内皮細胞を増殖させ、好中球から活性酸素を放出させる。さらに、リンホカインには、血管新生因子があって毛細血管を増やす。このようにして反応部に細胞浸潤、血漿タンパクの滲出、間質組織の増殖、毛細血管増殖といった炎症反応がもたらされ、その部分の組織が障害を受ける
【0005】
このようなI型アレルギーに対しては、抗ヒスタミン剤や、ヒスタミン以外の媒介物質の遊走抑制作用を有する薬剤が多用され、IV型アレルギーに対しては、炎症反応を惹起するサイトカインの産生を抑制するステロイド剤等が使用されている。
これらの薬剤は、効果が高い反面、副作用が問題である。アレルギー症状を改善するためには長期間を要するので、これらの薬剤ではなく、長期服用においても副作用がなく又は少なく、抗アレルギー作用を有する生薬等の植物抽出物が望まれる。また、長期間を要するため、重篤でない場合には、薬剤による治療ではなく、抗アレルギー作用を有する成分を、食品として摂取したり、医薬部外品等の日常的に使用可能な外用剤として使用したりすることが望まれる。
【0006】
抗アレルギー作用を有する生薬としては、キキョウ、コガネバナ、コブシ、コンフリー、サンシュユ、シソ、シャクヤク、ジャノヒゲ、ドクダミ、ナツメ、ヒナタイノコズチ、ボタン、ローズマリー等が報告されているが、I型やIV型アレルギーに有効であるとの報告はない。
なお、抗炎症作用を有する生薬として、アオツヅラフジ、アケビ、エンジュ、オウバク、オウレン、オトギリソウ、キキョウ、クマザサ、コガネバナ、コンフリー、シャクヤク、ジャノヒゲ、セイヨウノコリギソウ、トチバニンジン、パセリ、ボタン、ミシマサイコ、ヤエムグラ、ヤマウコギ、ヨクイニン等が報告されているが、抗アレルギー作用とは別の作用である。
I型アレルギーに対しては、ジュズダマ属植物抽出物、ドクダミ科植物抽出物、シナノキ属植物抽出物等を有効成分として含有する化粧料及び食品(特許文献1)や、モモタマナ又は月桃のエキスを含有する食品(特許文献2)が報告されている。
しかしながら、上述のように、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等には、I型のみでなくIV型アレルギーに対しても有効であることが必要である。
【0007】
【特許文献1】特開2002−154979号公報
【特許文献2】特開2006−117562号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等に有効なI型及びIV型アレルギーに対する抗アレルギー作用を有する植物抽出物を含有し、長期的に摂取又は塗布することが可能な食品及び外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、スベリヒユ(Portulaca oleracea)の抽出物に、抗I型アレルギー作用及び抗IV型アレルギー作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、請求項1に係る発明は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー食品に関する。
請求項2に係る発明は、前記有効成分は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)からの水単独、水溶性溶媒単独、又は、水及び水溶性溶媒の混合物による抽出物であることを特徴とする請求項1記載の抗アレルギー食品に関する。
請求項3に係る発明は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)以外の生薬の有効成分をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2記載の抗アレルギー食品に関する。
請求項4に係る発明は、ペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれか一方を有効成分として含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の抗アレルギー食品に関する。
請求項5に係る発明は、糖類を有効成分として含有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の抗アレルギー食品に関する。
請求項6に係る発明は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー外用剤に関する。
請求項7に係る発明は、前記有効成分は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)からの水単独、水溶性溶媒単独、又は、水及び水溶性溶媒の混合物による抽出物であることを特徴とする請求項6記載の抗アレルギー外用剤に関する。
請求項8に係る発明は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)以外の生薬の有効成分をさらに含有することを特徴とする請求項6又は7記載の抗アレルギー外用剤に関する。
請求項9に係る発明は、ペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれか一方を有効成分として含有することを特徴とする請求項6乃至8いずれか記載の抗アレルギー外用剤に関する。
請求項10に係る発明は、糖類を有効成分として含有することを特徴とする請求項6乃至9いずれか記載の抗アレルギー外用剤に関する。
【発明の効果】
【0011】
発明に係る食品及び外用剤は、抗I型アレルギー作用のみでなく抗IV型アレルギー作用をも有する植物由来成分である、スベリヒユ又はスベリヒユ抽出物を含有し、長期的に摂取又は塗布することが可能で、特にI型及びIV型アレルギーの複合型アレルギーである食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等の症状を長期的に改善することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明に係る食品である「スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー食品」及び、本発明に係る外用剤である「スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー外用剤」について説明する。
【0013】
スベリヒユは、別名をイハイズル、トンボグサ、馬歯見又は五行草といい、スベリヒユ科(Portulacaceae)スベリヒユ属(Portulaca)スベリヒユ種(P. oleracea)、学名Portulaca oleracea L.を意味する。スベリヒユは、多肉質で茎が赤褐色を呈する1年生の草花植物であり、畑地や路傍の日当たりの良いところに広く分布していて入手が容易である。
スベリヒユは、成分として、抗酸化性ビタミンA,C及びE、グルタチオン、ノルアドレナリン及びドーパミン等のアミン類、カリウム塩、マグネシウム塩、Ca、葉酸塩、Liを含む。
【0014】
これらの成分による効用として、抗酸化性ビタミンA,C及びEによる抗酸化作用、グルタチオンによる強力な抗酸化性と免疫システム増強性、MgとCaは1:1の割合で含み、心臓病に高い予防効果があることが知られ、これらは抗老化作用につながる。また、Ca,葉酸塩及びLiによる抗うつ病に対する有効性があることも知られている。
さらに、スベリヒユ抽出物は、痢疾桿菌、大腸菌、赤痢菌、黄色ブドウ球菌等に強い抗菌作用があり、子宮に興奮及び収縮作用、子宮平滑筋に麦角塩基に匹敵する作用があり、副作用は少なく、解熱及び解毒薬として吹き出物、悪瘡、ニキビ、ソバカス、急慢性の細菌性下痢及び腸炎に対する治療効果は、スルファグアニジン及びクロラムフェニコール等の抗生物質に匹敵することが知られている。
【0015】
本発明においては、これらの作用の他、スベリヒユに、抗I型アレルギー作用及び抗IV型アレルギー作用があることを見出した。
スベリヒユは、食品においては、全草を使用することが好ましく、例えば全草を乾燥させた後に粉砕等して使用することができ、外用剤においては、抽出物として使用することができる。抽出物は食品においても使用することができる。
【0016】
本発明の食品及び外用剤に含有するスベリヒユ抽出物の調製は、含有する食品の形態又は外用剤の剤型等に応じ、臨機応変に調製することができる。
即ち、水単独、アルコールやグリコール等の水溶性溶媒単独、又は、水及び水溶性溶媒の混合物で抽出することができる。
【0017】
本発明において使用するスベリヒユ抽出物の調製方法としては、例えば次のようにして行うことができる。
例えば、スベリヒユの全草を乾燥後、粉砕し、その粉砕物からスベリヒユ抽出物を得る。
熱水抽出方法としては、スベリヒユ乾燥物20gに精製水300mLを加え、1時間煮沸した後40℃まで冷却し、濾過剤としてセライトを用いて吸引濾過して抽出液200gを得る。さらにこの抽出液を乾固することにより不揮発成分6.6gを得る。
一方、50質量%エタノールでの抽出方法としては、スベリヒユ乾燥物20gに50質量%エタノール300mLを加え、1時間煮沸した後40℃まで、冷却し、濾過剤としてセライトを用いて吸引濾過して抽出液220gを得る。さらにこの抽出液を乾固することにより不揮発成分5gを得る。
【0018】
このようにして抽出したスベリヒユ抽出物において、抗I型アレルギー作用及び抗IV型アレルギー作用を示す有効成分については、特定されていないが、このスベリヒユ抽出物がヒスタミン遊離抑制作用を示すことは明らかである。
例えば、上述のようにしてスベリヒユから50%EtOH(水:エタノール=1:1)にて抽出した50%EtOH抽出物は、ラットのマスト細胞からのヒスタミン遊離を有意に抑制する。具体的には、50%EtOH抽出物の不揮発成分を50%EtOHで50μg/mL及び500μg/mLの濃度に調整したものは、医薬品であるクロモグリク酸ナトリウム500μg/mLと比較し、夫々70%程度及び90%程度のヒスタミン遊離抑制効果を示す。
【0019】
また、スベリヒユ抽出物は、I型アレルギーモデルとしてのDNFB誘発3相性皮膚反応試験、及びIV型アレルギーモデルとしての接触皮膚炎誘発試験において、共に有意な抗アレルギー作用を示す。
【0020】
本発明の食品及び外用剤においては、スベリヒユに加え、他の生薬を含有することができる。
食品及び外用剤のいずれにおいても、抗アレルギー作用、抗炎症作用、抗酸化作用、抗老化作用、抗菌作用等を有することが知られている生薬等を含有することができる。
抗アレルギー作用を有する生薬としては、キキョウ、コガネバナ、コブシ、コンフリー、サンシュユ、シソ、シャクヤク、ジャノヒゲ、ドクダミ、ナツメ、ヒナタイノコズチ、ボタン、ローズマリーを例示することができる。
【0021】
抗炎症作用を有する生薬としては、アオツヅラフジ、アケビ、エンジュ、オウバク、オウレン、オトギリソウ、キキョウ、クマザサ、コガネバナ、コンフリー、シャクヤク、ジャノヒゲ、セイヨウノコリギソウ、トチバニンジン、パセリ、ボタン、ミシマサイコ、ヤエムグラ、ヤマウコギ、ヨクイニンを例示することができる。
抗酸化作用を有する生薬としては、アーティチョーク、アカワイン、アマチャ、オウゴン、オニク、オレガノ、カッコン、カルドン、ガマズミ、クガイソウ、クズ、クワ、コーヒー、コガネバナ、コメ、ゴバイシ、ゴマ、サンザシ、サンシチニンジン、シャクヤク、スイカズラ、セージ、ダリヤ、ノアザミ、ヒマワリ、ビンロウジュ、フランキンセンス、ボタンピ、ローズマリーを例示することができる。
抗老化作用を有する生薬としては、アメリカニンジン、イチョウ、エキナケア、ビンロウジュ、ヤナギを例示することができる。
【0022】
抗菌作用を有する生薬としては、アカネ、アカヤジオウ、アキノキリンソウ、アザミ、アロエ、イタドリ、ウツボグサ、ウド、ウメ、エゴマ、オウバク、オウレン、オケラ、オトギリソウ、カナムグラ、カミツレ、カワラヨモギ、ガジュツ、キク、キハダ、キランソウ、キンミズヒキ、ギシギシ、クチナシ、クマザサ、クララ、ゲンノショウコ、コガネバナ、コブシ、ゴボウ、サンザシ、サンシュユ、サンショウ、シソ、シャクヤク、ショウガ、スイカズラ、スイバ、セージ、セロリ、タマネギ、タンポポ、ダイコン、ツルドクダミ、ツルナ、ツワブキ、トウガラシ、トウキ、ドクダミ、ナツメ、ナンテン、ニンニク、ネズ、ネズミモチ、ハマスゲ、ヒキオコシ、ヒマワリ、フサザクラ、ボタン、ミカン、ミソハギ、ミチヤナギ、メギ、ヤブコウジ、ユーカリノキ、ヨモギ、リンドウ、レンギョウ、ローズマリー、ワレモコウを例示することができる。
なお、上記作用に限定されるものではなく、他の作用を有する生薬であってもよく、一般に食品用として添加される生薬を含有することができる。
スベリヒユ以外の生薬についても、その生薬に応じ、従来公知の方法等によって臨機応変に調整することができる。
【0023】
また、本発明の食品及び外用剤においては、スベリヒユに加え、ペプチド及びタンパク質を含有することができる。
ペプチドとは、決まった順でアミノ酸が繋がってできた分子の系統群、即ち、タンパク質を構成しているアミノ酸が2〜10個位に結合している状態をいい、ポリグルタミン酸(PGA)を例示することができる。
ポリペプチドとは、アミノ酸の一つの線形の鎖をいう。
タンパク質とは、50以上のアミノ酸からなる一つ以上のポリペプチドをいい、例えば、コラーゲン、シルクタンパクを例示することができる。
【0024】
また、本発明の食品及び外用剤においては、スベリヒユに加え、糖類を含有することができる。
糖類とは、単糖、オリゴ糖及び多糖だけでなく、アミノ糖及び糖アルコール等も含み、トレハロース、ヒアルロン酸、キチン、キトサン(グルコサミン)、ムチン、コンドロイチン硫酸、アルギン酸を例示することができる。
さらに、クロレラ、イースト菌、ヨーグルトエキス等、種々の有効成分を含有することも可能である。
【0025】
本発明に係る食品には、スベリヒユは、スベリヒユ抽出物とした場合、不揮発成分として一日の摂取量を10〜6000mgとなるように配合するのが好ましく、より好ましくは50〜3000mgになるように配合する。従って、スベリヒユを全草で配合する場合には、スベリヒユ抽出物の不揮発性成分に換算して配合することになる。
10mg未満では、本発明の効果(抗I型及びIV型アレルギー作用)を充分に発揮することができず、6000mgを超えて配合しても好ましい範囲の効果に比較して期待されるほどの効果は得られず、いずれの場合も好ましくないからである。
【0026】
スベリヒユに追加して、本発明に係る食品に添加する他の成分、即ち、スベリヒユ以外の生薬、ペプチド、タンパク質及び糖類についても、スベリヒユ抽出物と同様の理由で、夫々10〜6000mg配合するのが好ましく、より好ましくは10〜3000mg配合する。
【0027】
本発明に係る食品は、スベリヒユ又はスベリヒユ抽出物に、適宜上記他の成分を追加して、薬学的に許容される製剤担体を用いて、食品として従来公知の形態とすることができる。
これらの食品の製造方法は、スベリヒユ又はスベリヒユ抽出物を含有するものであれば特に限定されず、各用途で当業者によって使用されている方法に従えばよい。
本発明に係る食品としては、例えば、健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメント等)、栄養機能食品、特定保健用食品、病者用食品、口腔ケア用食品等が挙げられる。また、本発明におけるスベリヒユ又はスベリヒユ抽出物は、通常の手段を用いてジュース、飴、ガム、アイスクリーム等の通常の食品に含有させればよく、食品の味覚等を損なわない範囲で含有させることができる。
【0028】
本発明に係る外用剤は、スベリヒユ抽出物に、適宜上記他の成分を追加して、薬学的に許容される製剤担体を用いて、外用剤として従来公知の形態とすることができる。
外用剤としては、主に皮膚外用剤や毛髪処理剤として使用することができ、化粧品、浴用剤、医薬部外品等に適用することが可能である。
例えば医薬部外品において、美白用であれば、紫外線防御、抗炎症、突然変異抑制、抗酸化、チロシナーゼ阻害、メラニン抑制及び細胞賦活等の効果を有する成分を含有することができる。
老化防止用であって生理的老化防止用であれば、保湿、創傷治癒、免疫賦活、細胞賦活、コラーゲン産生促進、ヒアルロン酸産生促進、皮膚弾力改善及びメイラード反応阻害等の効果を有する成分を含有することができる。また、光老化防止用であれば、紫外線防止、抗酸化、突然変異抑制、表皮肥厚抑制、皮膚弾力改善、抗炎症、エラスチン保護、コラーゲン保護、免疫賦活及び細胞賦活等の効果を有する成分を含有することができる。
【0029】
シワ防止用であれば、紫外線防止、シワ改善、保湿、表皮肥厚抑制、抗炎症、皮膚弾力改善、抗酸化、細胞賦活、エラスチン保護、コラーゲン保護、コラーゲン産生促進、ヒアルロン酸保護及びヒアルロン酸産生促進等の効果を有する成分を含有することができる。
抗炎症用であれば、脱感作、IgE抗体産生抑制、補体活性抑制、PCA反応抑制、接触皮膚炎抑制、カラゲニン浮腫抑制、ヒスタミン遊離抑制、アラキドン酸浮腫抑制及びヒアルロニダーゼ阻害等の効果を有する成分を含有することができる。
ニキビ防止用であれば、抗男性ホルモン、収斂、皮脂腺抑制、ニキビ発生抑制、抗酸化、抗炎症、抗菌及びリパーゼ活性阻害等の効果を有する成分を含有することができる。
【0030】
保湿用であれば、肌荒れ改善、経表皮水分損失抑制、皮膜形成、NMF産生促進、角質水分量増加、細胞保護、ヒアルロン酸産生促進及びコラーゲン産生促進等の効果を有する成分を含有することができる。
スリミング用であれば、前駆脂肪細胞分化抑制及び脂肪分解促進等の効果を有する成分を含有することができる。
スカルプケア用であれば、抗男性ホルモン、収斂、抗酸化、抗菌、保湿及び抗炎症等の効果を有する成分を含有することができる。
育毛用であれば、抗男性ホルモン、育毛及び細胞賦活等の効果を有する成分を含有することができる。
【0031】
ダメージヘア用であれば、紫外線防御、キューティクル保護、保湿、帯電防止、皮膜形成及び毛髪改善等の効果を有する成分を含有することができる。
上記紫外線防止効果を有する成分としては、オウゴン、カミツレ、シルクタンパク、クララ、スイカズラ、ソウハクヒ及びヨクイニンを例示することができる。
抗炎症効果を有する成分としては、オウレン、オトギリソウ、カワラヨモギ、シソ、セイヨウサンザシ、セージ、ドクダミ及びホオノキ、突然変異抑制効果を有する成分としては、アマチャ、ウイキョウ及びユキノシタを例示することができる。
抗酸化効果を有する成分としては、オウゴン、オウバク、オウレン、オトギリソウ、カッコン、グレープフルーツ、サイシン、シソ、セイヨウサンザシ、セージ、ソウハクヒ、ユーカリ、レモングラス及びローズマリーを例示することができる。
【0032】
チロシナーゼ阻害効果を有する成分としては、オウゴン、クララ、シソ、ソウハクヒ及びヨクイニン、メラニン抑制効果を有する成分としては、シャクヤク、カッコン、セイヨウサンザシ及びソウハクヒ、細胞賦活効果を有する成分としてはアロエベラを例示することができる。
保湿効果を有する成分としては、アルギン酸、アロエベラ、イースト菌、キチン、キトサン、コラーゲン、シルクタンパク、トレハロース、ヒアルロン酸、PGA、オトギリソウ、カワラヨモギ、グレープフルーツ、ノバラ、ヨーグルトエキス、ヨクイニンを例示することができる。
創傷治癒効果を有する成分としてはムチン、免疫賦活効果を有する成分としてはオウゴン、細胞賦活効果を有する成分としては、イースト菌、アロエベラ、クロレラ、ムチンを例示することができる。
【0033】
コラーゲン産生促進効果を有する成分としてはアロエベラ、ヒアルロン酸産生促進効果を有する成分としてはヒアルロン酸、皮膚弾力改善効果を有する成分としてはキチン、ホオノキ、メイラード反応阻害効果を有する成分としてはマロニエを例示することができる。
表皮肥厚抑制効果を有する成分としてはオウゴン、ホオノキ、エラスチン保護効果を有する成分としてはオトギリソウ、ボダイジュ、コラーゲン保護効果を有する成分としてはオウゴン、ビワの葉、ホオノキ、ユーカリ、シワ改善効果を有する成分としてはアルギン酸、キチン、アロエベラ、ヨーグルトエキスを例示することができる。
脱感作効果を有する成分としてはボダイジュ、IgE抗体産生抑制効果を有する成分としてはラクトフェリン、補体活性抑制効果を有する成分としてはオトギリソウ、シソ、セイヨウサンザシ、ドクダミ、ビワの葉、ローズマリー、PCA反応抑制効果を有する成分としてはシソ、ドクダミ、ビワの葉を例示することができる。
【0034】
接触皮膚炎抑制効果を有する成分としては、シソ、ボタンピ、カラゲニン浮腫抑制効果を有する成分としてはイースト菌、オウゴン、シソ、ビワの葉、ボタンピ、ヒスタミン遊離抑制効果を有する成分としてはオウレン、オトギリソウ、カワラヨモギ、シソ、セイヨウサンザシ、セージ、ドクダミ、ビワの葉、ホオノキ、ボタンピ、レモングラスを例示することができる。
アラキドン酸浮腫抑制効果を有する成分としてはボタンピ、ヒアルロニダーゼ阻害効果を有する成分としてはオウゴン、オトギリソウ、カワラヨモギ、シソ、ドクダミを例示することができる。
抗男性ホルモン効果を有する成分としてはオウゴン、ジオウ、収斂効果を有する成分としてはオトギリソウ、セージ、ドクダミ、ニキビ発生抑制効果を有する成分としてはヨーグルトエキスを例示することができる。
【0035】
抗菌効果を有する成分としてはオウバク、レモングラス、ラクトフェリン、リパーゼ活性阻害効果を有する成分としてはキトサン、オトギリソウを例示することができる。
肌荒れ改善効果を有する成分としてはアロエベラ、ムチン、ヨーグルトエキス、経表皮水分損失抑制効果を有する成分としてはアルギン酸、アロエベラ、キチン、シルクタンパク、PGA、ヒアルロン酸、皮膜形成効果を有する成分としてはキトサン、シルクタンパク、PGA、ヒアルロン酸、ヨクイニンを例示することができる。
NMF産生促進効果を有する成分としては、PGA、コラーゲン、角質水分量増加効果を有する成分としてはアルギン酸、アロエベラ、イースト菌、キチン、コラーゲン、トレハロース、PGA、クロレラ、オトギリソウ、カワラヨモギ、グレープフルーツ、ノバラ、細胞保護効果を有する成分としてはトレハロースを例示することができる。
【0036】
前駆脂肪細胞分化抑制効果を有する成分としてはアマチャ、脂肪分解促進効果を有する成分としてはクロレラ、レモングラス、クララ、ソウハクヒを例示することができる。
育毛効果を有する成分としてはジオウ、セージ、ボタンピ、キューティクル保護効果を有する成分としてはキトサン、PGA、毛髪改善効果を有する成分としてはキトサン、シルクタンパク、PGAを例示することができる。
これらの外用剤の製造方法は、スベリヒユ抽出物を含有するものであれば特に限定されず、各用途で当業者によって使用されている方法に従えばよい。
【0037】
本発明に係る食品及び外用剤は、抗I型アレルギー作用のみでなく抗IV型アレルギー作用をも有するスベリヒユ又はスベリヒユ抽出物を必須の有効成分として含有し、適宜スベリヒユ以外の生薬、ペプチド、タンパク質及び糖類のうちのいずれか一種以上を含有することによって、長期的に摂取又は塗布することが可能で、特にI型及びIV型アレルギーの複合型アレルギーである食物アレルギーやアトピー性皮膚炎等の症状を長期的に改善することができる。
【実施例】
【0038】
以下に、本発明におけるスベリヒユ抽出物についての試験例を示す。
【0039】
(試験例1)
マスト細胞からのヒスタミン遊離に及ぼすスベリヒユエキスの影響を検討した。
スベリヒユ(Portulaca oleracea)の抗アレルギー作用をcompound48/80誘発マスト細胞からのヒスタミン遊離抑制を指標に検討した。
スベリヒユ50質量%エタノール抽出エキス(以下、PO−extと略記)を検体とした。
【0040】
(ラット腹腔マスト細胞の調整)
Wistar系雄性ラット(160−180g)からの腹腔マスト細胞の分離はUvnasらの方法に準じて行った。ラットを断頭しゃ血後、直ちにHank's液(10U/mLのヘパリン含有)10mLを腹腔内に注入した。約90秒間腹部を静かにマッサージした後、腹腔内液を採取し、40質量%ficoll溶液に静かに重層し、室温で30分間放置後、5℃、1,200rpm、10分間遠心分離を行い、ficoll層状のマスト細胞を集めた。このマスト細胞はリン酸緩衝液(PBS、pH7.0)に懸濁させ、遠心分離による洗浄を4回繰返し、再びPBSに浮遊(2.9×10cells/mL)させた。この浮遊液中のマスト細胞含有率は85−90質量%で、生存率はトルイジンブルー(0.1質量%、50質量%エタノール溶液)染色法で90質量%以上を確認した。
【0041】
(マスト細胞からのヒスタミン遊離量の測定)
マスト細胞遊離液1.8mLを37℃、予め10分間のインキュベーション後、被検液(10質量%DMSO・PBS溶液に溶解)0.1mLを加え、5分間インキュベートし、さらにcompound48/80(最終濃度10μg/mL)0.1mLを加えて15分間インキュベートした。氷冷により反応を停止し、5℃、1,200rpm、5分間遠心分離後、上清中のヒスタミン量をShoreの方法に準じて測定した。即ち、上清0.7mLに水1.4mL、1N NaOH溶液0.4mL、1質量%o−フタルジアルデヒド−メタノール溶液0.1mLを加えて4分間放置後、3N HCl溶液0.2mLで反応を停止させた。反応終了10分後に5℃、3,000rpm、5分間遠心分離を行い、上清及び沈渣を得た。上清の蛍光は励起波長360nm、蛍光波長450nmで測定した。また、マスト細胞に残存するヒスタミン量は沈渣にPBS2mLを加え、超音波処理、さらに凍結融解法でマスト細胞からヒスタミンを遊離させ、上記と同様の方法で測定した。
【0042】
(結果)
結果は下記の表に示した。表中、各値は3回実施したものの平均±S.E.で表し、ヒスタミン遊離率において、♯♯は、自然遊離群との有意差pが0.01未満であったことを示し、**は、対照群との有意差pが0.01未満であったことを示す。
マスト細胞からのヒスタミン自然遊離率は13.7±0.5質量%であった。compound48/80をマスト細胞に処置すると、79.9±0.4質量%ヒスタミンが遊離した。陽性対照薬のクロモグリク酸ナトリウムは500μg/mL濃度でヒスタミン遊離率は25.4±6.8質量%であった。スベリヒユ50質量%エタノールエキスは50及び500μg/mLの濃度でヒスタミン遊離を有意に抑制し、夫々の抑制率は45.7±12.7、61.5±10.3質量%であった。
【0043】
【表1】

【0044】
(試験例2)
2,4−ジニトロフルオロベンゼン(DNFB)誘発3相性皮膚反応試験に及ぼす影響を検討した。
スベリヒユ(Portulaca oleracea)の抗アレルギー作用をcompound48/80誘発マスト細胞からのヒスタミン遊離抑制を指標に検討し、その有効性が確認され、スベリヒユの機能性食品として開発する価値があるか否かを見極めることを目的に、in vivoにおける実験系で経口投与による抗アレルギー作用を検討した。
まず、I型アレルギーモデルのDNFB誘発3相性皮膚反応試験を実験モデルとして用い、検討した。
また、被検体には、今後の製剤化の指標を得るために、スベリヒユの熱水抽出エキス(以下、POH−ext)と50質量%エタノール抽出エキス(以下、POE−ext)を用いて行った。
【0045】
DNFB誘発3相性皮膚反応試験は、Taharaらの方法に準じて行った。まず、Yamaguchiらの方法に準じて、BALB/c系雌性マウスに、マウスで産生したモノクローナル抗DNP抗体(PCAによる抗体価 1:1,000,000)10μg/mL含む生理食塩液0.5mLを尾静脈内投与し、受動的に感作した。その24時間後に、0.15質量%DNFB/アセトン:オリーブオイル(3:1)25μLを両耳朶に塗布し、DNFB誘発3相性皮膚反応を惹起させた。両耳朶の厚さは反応惹起前、反応惹起1時間後[即時相;immediate phase response (IPR)]、24時間後[遅発相;late phase response(LPR)]及び8日後[超遅発相;very late phase response (vLPR)]にdial thickness gauge(商品名:DIAL THICKNESS GAGE メーカー:Mitutoyo)を用いて測定し、耳朶浮腫率を算定した。
なお、各被検体は0.2質量%CMC・Naに懸濁し、反応惹起1時間前、LPR測定1時間前及びvLPR測定1時間前まで1日1回連日経口投与した。対照群には0.2質量%CMC・Naを、陽性対照群には0.2質量%CMC・Naに懸濁したプレドニソロン(prednisolone)を投与した。いずれの投与群もマウス体重10gあたり0.2mLの用量で経口投与した。
【0046】
(結果)
結果は表2に示した。表中、各値はマウス10匹の耳の膨張率の平均±S.E.で表し、対照群との有意差pが、は0.05未満、**は0.01未満であったことを示す。
マウス抗DNPモノクローナルIgE抗体で感作したマウスにDNFBを塗布すると、その1時間後(IPR)には20.3±1.2質量%、24時間後(LPR)には21.1±1.4質量%、さらに誘発8日後(vLPR)には26.9±0.8質量%の耳浮腫が認められた。POE−ext及びPOH−ext 200、500mg/kgはIPR,LPR及びvLPRの耳浮腫を有意に抑制した。陽性対照薬として用いたプレドニソロンは10mg/kgの用量でIPR、LPR及びvLPRの耳浮腫を有意に抑制した。
【0047】
また、スベリヒユには副腎髄質で産生されるノルアドレナリンが含まれていることが指摘されていることから、8日後(vLPR)の耳浮腫測定後、副腎、胸腺及び脾臓を摘出し、対照群との湿重量/体重の変動を指標に、被検体の反復投与による各臓器に及ぼす影響について検討した。
その結果は表3に示した。表中、各値はマウス10匹の湿重量/体重(%)±S.E.で表し、対照群との有意差pが、は0.05未満、**は0.01未満であったことを示す。
被検体の反復投与による副腎、胸腺及び脾臓の湿重量への影響は認められなかった。陽性対照薬として用いたプレドニソロンの反復投与により胸腺及び脾臓の湿重量は、対照群のそれと比して有意に低下した。
【0048】
以上の結果より、POE−ext及びPOH−extはいずれもI型アレルギーであるDNFB誘発3相性皮膚反応モデルにおいて有効性が認められ、被検体の反復投与による各臓器に及ぼす影響は認められなかった。POE−extは、試験例1においてcompound48/80誘発マスト細胞からのヒスタミン遊離抑制試験を行った結果、50及び500μg/mLの濃度で有意にヒスタミン遊離を抑制したことから、その作用機序のひとつとしてマスト細胞からのヒスタミン遊離を抑制することにより抗I型アレルギー作用を有することが示唆された。
【0049】
【表2】

【0050】
【表3】

【0051】
(試験例3)
塩化ピクリル誘発接触性皮膚炎(PC−CD)に及ぼす影響を検討した。
抗I型アレルギー作用が見出されたスベリヒユのin vivoにおける塩化ピクリル誘発接触性皮膚炎(PC−CD)試験を実験モデルとして用い、IV型アレルギー作用について検討した。
また、被検体には、スベリヒユの熱水抽出エキス(POH−ext)と50質量%EtOH抽出エキス(POE−ext)を用いて行った。
【0052】
AshersonとPtakの方法に準じて行った。即ち、ICR系雌性マウスの腹部を剪毛し、7質量%PC−エタノール溶液0.1mLを塗布して感作した。7日後に1質量%PC−オリーブオイル溶液0.02mLを両耳介に塗布して接触性皮膚炎を誘発した。誘発前の耳介の厚さ、24時間後の耳介の厚さから耳介浮腫率を算定した。PC−CDの誘導期(induction phase)に及ぼす被検体の影響を検定するときは、誘発前及び誘発24時間後にdial thickness gage(商品名:DIAL THICKNESS GAGE メーカー:Mitutoyo)を用いて、耳介の一定部位を3回測定し、その平均値と誘発直前の値から浮腫率を算出した。なお、被検体(0.2質量%CMC・Naに懸濁)は感作1日前から1日1回7日間連日経口投与した。陽性対照薬のプレドニソロン(0.2質量%CMC・Naに懸濁)は感作当日から1日1回6日間連日経口投与して検定した。
【0053】
(結果)
PC−CDの誘導期に及ぼすPOE−ext及びPOH−extの影響を検討した。その結果を表4に示した。表中、各値はマウス10匹の耳の膨張率の平均±S.E.で表し、対照群との有意差pが、は0.05未満、**は0.01未満であったことを示す。
PC−CDを惹起させると65.4±0.6質量%の耳浮腫が認められた。POE−ext及びPOH−extは200、500mg/kgの用量でPC−CDによる耳浮腫を有意に抑制した。陽性対照薬のプレドニソロンは10mg/kgの用量でPC−CDによる耳浮腫を有意に抑制した。
【0054】
また、スベリヒユには副腎髄質で産生されるノルアドレナリンが含まれていることが指摘されたことから、耳浮腫測定後、副腎、胸腺及び脾臓を摘出し、対照群との湿重量/体重の変動を指標に、被検体の反復投与による各臓器に及ぼす影響について検討した。
その結果は表5に示した。表中、各値はマウス10匹の湿重量/体重(%)±S.E.で表し、**は、対照群との有意差pが0.01未満であったことを示す。
被検体の反復投与による副腎、胸腺及び脾臓の湿重量への影響は認められなかった。陽性対照薬として用いたプレドニソロンは、反復投与により胸腺及び脾臓の湿重量は対照群のそれと比して有意に低下した。
【0055】
【表4】

【0056】
【表5】

【0057】
以上の結果より、POE−ext及びPOH−extはいずれもIV型アレルギーであるPC誘発接触性皮膚炎(PC−CD)試験において抗IV型アレルギー作用が認められた。また、本試験において、POE−extがPOH−extよりも、より抗IV型アレルギー作用活性が高いことが示唆された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー食品。
【請求項2】
前記有効成分は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)からの水単独、水溶性溶媒単独、又は、水及び水溶性溶媒の混合物による抽出物であることを特徴とする請求項1記載の抗アレルギー食品。
【請求項3】
スベリヒユ(Portulaca oleracea)以外の生薬の有効成分をさらに含有することを特徴とする請求項1又は2記載の抗アレルギー食品。
【請求項4】
ペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれか一方を有効成分として含有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか記載の抗アレルギー食品。
【請求項5】
糖類を有効成分として含有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の抗アレルギー食品。
【請求項6】
スベリヒユ(Portulaca oleracea)の有効成分を含有することを特徴とする抗アレルギー外用剤。
【請求項7】
前記有効成分は、スベリヒユ(Portulaca oleracea)からの水単独、水溶性溶媒単独、又は、水及び水溶性溶媒の混合物による抽出物であることを特徴とする請求項6記載の抗アレルギー外用剤。
【請求項8】
スベリヒユ(Portulaca oleracea)以外の生薬の有効成分をさらに含有することを特徴とする請求項6又は7記載の抗アレルギー外用剤。
【請求項9】
ペプチド及びタンパク質のうち少なくともいずれか一方を有効成分として含有することを特徴とする請求項6乃至8いずれか記載の抗アレルギー外用剤。
【請求項10】
糖類を有効成分として含有することを特徴とする請求項6乃至9いずれか記載の抗アレルギー外用剤。

【公開番号】特開2008−247779(P2008−247779A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89553(P2007−89553)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(505432636)日本タブレット株式会社 (8)
【Fターム(参考)】