説明

抗ウイルス剤としての置換アリールスルホンアミド類

本発明は、式(I)の置換アリールスルホンアミ類、並びに、それらの製造方法、疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用、特に抗ウイルス剤としての、特にサイトメガロウイルスに対する使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置換アリールスルホンアミド類およびそれらの製造方法、並びに疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するためのそれらの使用、特に抗ウイルス剤としての、ことさらにサイトメガロウイルスに対する使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO02/085869は、置換アリールスルホンアミド類を、特にサイトメガロウイルスに対する抗ウイルス剤として記載している。
【0003】
本発明の1つの目的は、ヒトおよび動物におけるウイルス感染性疾患の処置用の、同等または改良された抗ウイルス活性、改良された薬物動態、特に、より長い半減期および/または改良された経口バイオアベイラビリティーを有し、その代謝分解経路が、ヒトとラットやイヌなどの通常の毒性試験種(tox species)で有意に異ならない、新しい化合物を提供することである。
【0004】
驚くべきことに、本発明で説明する置換アリールスルホンアミド類が、抗ウイルス活性を有し、改良された薬物動態特性を示し、それらの代謝分解経路がヒト、ラットおよびイヌで有意に異ならないことが見出された。
【発明の開示】
【0005】
本発明は、式
【化1】

[式中、
Aは、式
【化2】

(式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である)
の基を表し、
は、水素、アミノまたはメチルカルボニルアミノを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素、ハロゲンまたはシアノを表し、
は、水素、ハロゲンまたはシアノを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素、ハロゲンまたはC−C−アルキルを表し、
は、水素、ハロゲンまたはC−C−アルキルを表す]
の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物に関する。
【0006】
本発明の化合物は、式(I)の化合物およびそれらの塩、溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物、並びに、式(I)に包含され、例示的実施態様として下記で特定される化合物およびそれらの塩、溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物(式(I)に包含され、後述する化合物が既に塩、溶媒和物および塩の溶媒和物でない場合に)である。
【0007】
本発明の化合物は、それらの構造に応じて、立体異性体(エナンチオマー、ジアステレオマー)で存在し得る。従って、本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマー、およびそれらの各々の混合物に関する。そのようなエナンチオマーおよび/またはジアステレオマーの混合物から、立体異性的に均一な成分を既知方法で単離することが可能である。
本発明の化合物が互変異性体で生じ得る場合、本発明は、全ての互変異性体を含む。
【0008】
本発明の目的上、好ましい塩は、本発明の化合物の生理的に許容し得る塩である。しかしながら、それら自体は医薬適用に適さないが、例えば本発明の化合物の単離または精製に使用できる塩も含まれる。
【0009】
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、鉱酸、カルボン酸およびスルホン酸の酸付加塩、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸および安息香酸の塩が含まれる。
【0010】
本発明の化合物の生理的に許容し得る塩には、また、通常の塩基の塩、例えば、そして好ましくは、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウムおよびカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩)およびアンモニアまたは1個ないし16個の炭素原子を有する有機アミン類(例えば、そして好ましくは、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、プロカイン、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンおよびN−メチルピペリジン)から誘導されるアンモニウム塩も含まれる。
【0011】
本発明の目的上、溶媒和物は、溶媒分子との配位により固体または液体状態で錯体を形成している本発明の化合物の形態を表す。水和物は、配位が水と起こる、溶媒和物の特別な形態である。
【0012】
さらに、本発明は、本発明の化合物のプロドラッグも包含する。用語「プロドラッグ」は、それら自体は生物学的に活性であっても不活性であってもよいが、それらの体内残留時間中に(例えば代謝的または加水分解的に)本発明の化合物に変換される化合物を包含する。
【0013】
本発明の目的上、断りの無い限り、置換基は以下の意味を有する:
アルキルは、通常1個ないし6個、特に好ましくは1個ないし2個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルラジカル、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピルおよびイソプロピルを表す。
ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素、好ましくはフッ素および塩素を表す。
【0014】
Aを表し得る基の式中、その横に*または#がある線の末端は、炭素原子またはCH基を表さず、Aが結合している原子への結合の成分である。
【0015】
好ましいのは、式中、
Aが、式
【化3】

(式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である)
の基を表し、
が、水素、アミノまたはメチルカルボニルアミノを表し、
、RおよびRが水素を表し、
が水素またはハロゲンを表し、
が水素またはハロゲンを表し、
およびRが水素を表す、
式(I)の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
【0016】
好ましいのは、また、式中、
Aが、式
【化4】

(式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である)
の基を表し、
が、アミノまたはメチルカルボニルアミノを表し、
、RおよびRが水素を表し、
が水素を表し、
が水素またはハロゲンを表し、
およびRが水素を表す、
式(I)の化合物、並びにそれらの塩、それらの溶媒和物およびそれらの塩の溶媒和物である。
【0017】
好ましいのは、また、式中、Aが、式
【化5】

(式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である)
の基を表す、式(I)の化合物である。
【0018】
好ましいのは、また、式中、Rがアミノを表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rがフッ素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表し、Rがフッ素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
好ましいのは、また、式中、Rが水素を表す、式(I)の化合物である。
【0019】
ラジカルの各々の組合せおよび好ましい組合せで特定して与えられたラジカルの定義は、また、与えられた特定のラジカルの組合せに関係なく、所望により他の組合せのラジカルの定義により置き換えられる。
ことさら特に好ましいのは、上述の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せである。
【0020】
本発明は、さらに、式(I)の化合物の製造方法に関し、その方法では、式
【化6】

(式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、式
【化7】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、またはヒドロキシを表す)
の化合物と反応させる。
【0021】
がハロゲンを表すならば、この反応は、一般に、不活性溶媒中、塩基の存在下、好ましくは0℃ないし40℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0022】
不活性溶媒の例には、塩化メチレン、トリクロロメタンもしくは1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類、ジオキサン、テトラヒドロフランもしくは1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、または、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、2−ブタノンもしくはアセトニトリルなどの他の溶媒が含まれ、好ましいのは、テトラヒドロフランまたは塩化メチレンである。
【0023】
塩基の例には、炭酸セシウム、炭酸ナトリウムもしくはカリウムなどのアルカリ金属炭酸塩、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、または、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジン、4−ジメチルアミノピリジンもしくはピリジンなどの有機塩基が含まれ、好ましいのは、ジイソプロピルエチルアミンである。
【0024】
がヒドロキシを表すならば、この反応は、一般に、不活性溶媒中、脱水剤の存在下、必要に応じて塩基の存在下、好ましくは0℃ないし室温の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0025】
ここで、適する脱水剤の例には、カルボジイミド類、例えば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(必要に応じて、ペンタフルオロフェノール(PFP)の存在下)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチルポリスチレン(PS−カルボジイミド)、または、カルボニル化合物、例えばカルボニルジイミダゾール、または、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−サルフェート、または、2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムパークロレート、または、アシルアミノ化合物、例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、または、プロパンホスホン酸無水物、または、イソブチルクロロホルメート、または、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)ホスホリルクロリド、または、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリ(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、または、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、または、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス−(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、または、これらの塩基との混合物が含まれる。好ましくは、縮合は、HATUを用いて実施する。
【0026】
塩基の例には、ナトリウムまたはカリウムの炭酸塩または炭酸水素塩などのアルカリ金属炭酸塩、または、例えばトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミン類、もしくは、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリジンもしくは4−ジメチルアミノピリジンなどの有機塩基が含まれ、好ましいのはジイソプロピルエチルアミンである。
【0027】
不活性溶媒の例には、ジクロロメタンもしくはトリクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素類、例えばベンゼンなどの炭化水素類、または、ニトロメタン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、テトラヒドロフランまたはヘキサメチルリン酸トリアミド、または、これらの溶媒の混合物が含まれ、特に好ましいのは、ジクロロメタン、テトラヒドロフランまたはジメチルホルムアミドである。
【0028】
式(III)の化合物は、知られているか、既知方法により対応する出発物質から合成できる。
【0029】
式(II)の化合物は、知られているか、または、式
【化8】

(式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、酸と反応させることにより製造できる。
【0030】
この反応は、一般に、極性溶媒中、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0031】
酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸またはトリフルオロ酢酸が含まれ、特に好ましいのは塩酸である。
【0032】
極性溶媒の例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたは酢酸、または、これらの溶媒の混合物および溶媒と水の混合物が含まれ、特に好ましいのはエタノールである。
【0033】
式(IV)の化合物は、知られているか、または、方法
[A]式
【化9】

(式中、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、式
【化10】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させ、式
【化11】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
【0034】
[B]式
【化12】

(式中、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を、式
【化13】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させ、式
【化14】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
【0035】
[C]第1段階で、式(Vb)の化合物を、式
【化15】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させ、第2段階で、オキシ塩化リンと反応させ、式
【化16】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得る、
または、
【0036】
[D]式
【化17】

(式中、R、R、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくはヨウ素または臭素を表す)
の化合物を、式
【化18】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させ、式
【化19】

(式中、R、R、R、R、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物を得る、
に従い製造できる。
【0037】
合成中、Rのアミノ基は、必要に応じて、例えばアシルなどの当業者に知られている保護基で保護される。それは、合成後、当業者に知られている条件下で除去される。
【0038】
式(IVa)、(IVb)、(IVc)および(IVd)の化合物は、共に式(IV)の化合物群を形成する。
【0039】
方法[A]、[B]および方法[C]の第1段階による反応は、一般に、不活性溶媒中、脱水剤の存在下、好ましくは室温ないし100℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0040】
不活性溶媒の例には、ベンゼンまたはトルエンなどの炭化水素類、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドまたはアセトニトリルなどの他の溶媒、または、これらの溶媒の混合物が含まれ、特に好ましいのはジメチルホルムアミドである。
【0041】
脱水剤の例には、カルボジイミド類、例えば、N,N'−ジエチル−、N,N'−ジプロピル−、N,N'−ジイソプロピル−、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N−(3−ジメチルアミノイソプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)(必要に応じて、ペンタフルオロフェノール(PFP)の存在下)、N−シクロヘキシルカルボジイミド−N'−プロピルオキシメチルポリスチレン(PS−カルボジイミド)、または、カルボニル化合物、例えばカルボニルジイミダゾール、または、1,2−オキサゾリウム化合物、例えば2−エチル−5−フェニル−1,2−オキサゾリウム−3−サルフェート、または、2−tert−ブチル−5−メチルイソオキサゾリウムパークロレート、または、アシルアミノ化合物、例えば2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン、または、プロパンホスホン酸無水物、または、イソブチルクロロホルメート、または、ビス(2−オキソ−3−オキサゾリジニル)−ホスホリルクロリド、または、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリ(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート、または、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、2−(2−オキソ−1−(2H)−ピリジル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TPTU)またはO−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N',N'−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)、または、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、または、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(BOP)、または、これらの塩基との混合物が含まれる。特に好ましいのは、カルボニルジイミダゾールである。
【0042】
方法[C]による第2段階の反応は、一般に、不活性溶媒中、好ましくは50℃ないし100℃の温度範囲で、大気圧下で行う。これらの溶媒の混合物、溶媒とPOClの混合物、または純粋なPOClを使用することも可能である。
【0043】
不活性溶媒の例には、ベンゼンもしくはトルエンなどの炭化水素類、または、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドもしくはアセトニトリルなどの他の溶媒、または、これらの溶媒の混合物が含まれ、特に好ましいのは、ジオキサンおよび/またはジメチルホルムアミドである。
【0044】
方法[D]による反応は、一般に、薗頭反応条件下、アルゴン下、不活性および脱気溶媒中、触媒の存在下、必要に応じて補助剤の存在下、塩基および必要に応じてトリフェニルホスフィンの存在下、好ましくは室温ないし溶媒の還流の温度範囲で、大気圧下で行う(R. R. Tykwinski, Angew. Chem. Int. Ed. 2003, 42, 1566-1568, K. Sonogashira in Handbook of organopalladium chemistry for organic synthesis (Ed. E.-I. Negishi), 1133-1178 Wiley-Interscience, New York (2002))。
【0045】
触媒の例には、薗頭反応条件に通常のパラジウム触媒が含まれ、好ましいのは、例えば、トリ(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、パラジウム(II)−アセテート、1,1'−ビス[(ビフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム−II−クロリド(1:1)のジクロロメタンとの錯体などの触媒である。
【0046】
補助剤の例には、ヨウ化銅(I)およびトリフェニルホスフィンが含まれる。
塩基の例には、トリエチルアミンなどのアミン塩基が含まれる。
不活性溶媒の例には、ジオキサン、テトラヒドロフランまたは1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、ベンゼン、キシレンまたはトルエンなどの炭化水素類、または、ニトロベンゼン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたはN−メチルピロリドンなどの他の溶媒が含まれ、好ましいのは、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドまたは1,2−ジメトキシエタンなどの溶媒である。
【0047】
式(VIa)、(VIb)、(VIc)および(VId)の化合物は、知られているか、または、既知方法により、対応する出発物質から合成できる。
【0048】
式(Va)、(Vb)および(Vc)の化合物は、知られているか、または、式
【化20】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくはヨウ素または臭素、ヒドロキシカルボニルまたはシアノを表す)
の化合物を、式
【化21】

(式中、RおよびRは、上記の意味を有する)
の化合物と反応させることにより製造できる。
【0049】
この反応は、一般に、不活性溶媒中、塩基の存在下、好ましくは0℃ないし40℃の温度範囲で、大気圧下で行う。
【0050】
不活性溶媒の例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、テトラヒドロフラン、アセトン、ジオキサンまたはピリジン、または、これらの溶媒の混合物、または、溶媒と水の混合物が含まれ、特に好ましいのは、テトラヒドロフランまたはイソプロパノール(少量の水を含む)である。
【0051】
塩基の例には、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはトリエチルアミンもしくはジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基が含まれ、特に好ましいのは、酢酸ナトリウムである。
【0052】
式(VII)および(VIII)の化合物は、知られているか、または、既知方法により、対応する出発物質から合成できる。
【0053】
代替的方法では、式(IV)の化合物は、異なる順序の合成構成要素のカップリングで製造できる。
【0054】
本発明の化合物の製造は、以下の合成スキームで例示説明できる。
合成スキーム1:
【化22】

【0055】
合成スキーム2:
【化23】

【0056】
合成スキーム3:
【化24】

【0057】
合成スキーム4:
【化25】

【0058】
本発明の化合物は、予想し得なかった驚くべき効果の範囲を示す。それらは、ヘルペスウイルス科(Herpes viridae)の群の代表例(ヘルペスウイルス)に対して、特にサイトメガロウイルス(CMV)に対して、ことさらにヒトサイトメガロウイルス(HCMV)に対して、抗ウイルス活性を示す。
【0059】
例として言及し得る適合症の領域は、以下のものである:
1)AIDS患者におけるHCMV感染の処置および予防(網膜炎、肺臓炎、胃腸の感染)。
2)生命を脅かすHCMV肺臓炎または脳炎、並びに、胃腸および全身のHCMV感染をしばしば発症する、骨髄および臓器移植患者におけるサイトメガロウイルス感染の処置および予防。
3)新生児および幼児におけるHCMV感染の処置および予防。
4)妊婦における急性HCMV感染の処置。
5)癌および癌治療中の免疫抑制患者におけるHCMV感染の処置。
6)HCMVに媒介される腫瘍の進行を低減することを目的とする、HCMV陽性癌患者の処置(J. Cinatl, et al., FEMS Microbiology Reviews 2004, 28, 59-77 参照)。
【0060】
本発明はさらに、疾患、特に、ウイルス、ことさら上述のウイルスによる感染、およびそれに起因する感染性疾患の処置および/または予防のための、本発明の化合物の使用に関する。ウイルス感染は、これ以後、ウイルス感染およびウイルス感染に起因する疾患の両方を意味する。
【0061】
本発明はさらに、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防のための本発明の化合物の使用に関する。
【0062】
本発明はさらに、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防用の医薬を製造するための本発明の化合物の使用に関する。
【0063】
本発明の化合物は、好ましくは、ヘルペスウイルス科の群の代表例、特にサイトメガロウイルス、ことさらにヒトサイトメガロウイルスによる感染の、予防および/または処置に適する医薬の製造に使用される。
【0064】
本発明はさらに、抗ウイルス的に有効な量の本発明の化合物を使用する、疾患、特に上述の疾患の処置および/または予防方法に関する。
【0065】
本発明はさらに、特に上述の疾患の処置および/または予防のための、少なくとも1種の本発明の化合物および少なくとも1種またはそれ以上のさらなる有効成分を含む医薬に関する。例として、そして好ましく言及し得る、組合せ中の適する有効成分は、バルガンシクロビル、ガンシクロビルまたはアシクロビルなどの抗ウイルス性有効成分である。
【0066】
本発明の化合物は、全身的および/または局所的に作用し得る。この目的のために、それらは、例えば、経口で、非経腸で、肺に、鼻腔に、舌下に、舌に、頬側に、直腸に、皮膚に、経皮で、結膜に、耳に、局所的に、または、インプラントもしくはステントとして、適する方法で投与できる。
【0067】
これらの投与経路のために、本発明の化合物を適する投与形で投与できる。
経口投与に適するのは、先行技術に準じて機能し、本発明の化合物を、迅速に、かつ/または、修飾された方法で送達し、そして、本発明の化合物を結晶形および/または無定形および/または溶解形で含む投与形、例えば、錠剤(非被覆または被覆錠剤、例えば、胃液耐性であるか、遅れて溶解するか、または、不溶であり、本発明の化合物の放出を制御する被覆を有するもの)、口腔中で迅速に崩壊する錠剤またはフィルム/オブラート、フィルム/凍結乾燥剤、カプセル剤(例えば、ハードまたはソフトゼラチンカプセル剤)、糖衣錠、顆粒剤、ペレット剤、散剤、乳剤、懸濁剤、エアゾール剤または液剤である。
【0068】
非経腸投与は、吸収段階を避けて(例えば、静脈内、動脈内、心臓内、脊髄内または腰椎内)、または、吸収を含めて(例えば、筋肉内、皮下、皮内、経皮または腹腔内)行うことができる。非経腸投与に適する投与形は、とりわけ、液剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥剤または滅菌散剤の形態の、注射および点滴用製剤である。
【0069】
他の投与経路に適する例には、吸入用医薬形(とりわけ、散剤吸入器、噴霧器)、点鼻薬、液、スプレー;舌に、舌下に、または頬側に投与できる、錠剤、フィルム/オブラートまたはカプセル剤、坐剤、耳または眼用製剤、膣カプセル剤、水性懸濁剤(ローション剤、振盪混合物)、親油性懸濁剤、軟膏、クリーム、経皮治療システム、ミルク、ペースト、フォーム、散布剤(dusting powder)、インプラントまたはステントが含まれる。
【0070】
本発明の化合物は、上述の投与形に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と混合することにより、それ自体既知の方法で行うことができる。これらの補助剤には、とりわけ、担体(例えば微結晶セルロース、ラクトース、マンニトール)、溶媒(例えば液体ポリエチレングリコール類)、乳化剤および分散剤または湿潤剤(例えばドデシル硫酸ナトリウム、ポリオキシソルビタンオレエート)、結合剤(例えばポリビニルピロリドン)、合成および天然ポリマー(例えばアルブミン)、安定化剤(例えばアスコルビン酸などの抗酸化剤)、着色料(例えば酸化鉄などの無機色素)または味および/または臭気隠蔽剤。
【0071】
本発明はさらに、少なくとも1種の本発明の化合物を、通常1種またはそれ以上の不活性、非毒性、医薬的に許容し得る補助剤と共に含む医薬、並びに、上述の目的のためのそれらの使用に関する。
【0072】
静脈内投与で約0.001ないし10mg/体重kg、好ましくは約0.01ないし5mg/体重kgの量を投与するのが、有効な結果を達成するために有利であると一般的に明らかになり、経口投与の投与量は、約0.01ないし25mg/体重kg、好ましくは0.1ないし10mg/体重kgである。
【0073】
それにも拘わらず、必要に応じて、特に、体重、投与経路、有効成分に対する個体の応答、製剤のタイプおよび投与を行う時間または間隔に応じて、上述の量から離れることが必要であり得る。従って、上述の最小量より少なくても十分な場合があり得、一方上述の上限を超えなければならない場合もある。大量に投与する場合、これらを1日に亘る複数の個別用量に分割するのが望ましいことがある。
【0074】
以下の試験および実施例におけるパーセントのデータは、断りの無い限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度のデータは、各場合で体積に基づく。
【実施例】
【0075】
A. 実施例
略号:
【表1】

【0076】
一般的LC−MSおよびHPLCの方法:
方法1(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ、HPLC装置タイプ:HP 1100 series; UV DAD;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0077】
方法2(LC−MS):装置: HPLC Agilent series 1100 を備えた Micromass Quattro LCZ;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:208−400nm。
【0078】
方法3(LC−MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:Waters Alliance 2795;カラム:Phenomenex Synergi 2μ Hydro-RP Mercury 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0079】
方法4(LC−MS):装置:HPLC Agilent series 1100 を備えた Micromass Platform LCZ;カラム:Thermo Hypersil GOLD 3μ 20 mm x 4 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分100%A→0.2分100%A→2.9分30%A→3.1分10%A→5.5分10%A;オーブン:50℃;流速:0.8ml/分;UV検出:210nm。
【0080】
方法5(HPLC):装置:DAD 検出を備えた HP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤A:過塩素酸5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、9分90%B、9.2分2%B、10分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン30℃;UV検出:210nm。
【0081】
方法6(HPLC):装置:DAD 検出を備えた HP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤A:過塩素酸5ml/水1l、溶離剤B:アセトニトリル;グラジエント:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B、6.7分2%B、7.5分2%B;流速:0.75ml/分;オーブン30℃;UV検出:210nm。
【0082】
方法7(LC/MS):MS装置タイプ:Micromass ZQ;HPLC装置タイプ:HP 1100 series; UV DAD;カラム:Phenomenex Gemini 3μ 30 mm x 3.00 mm;溶離剤A:水1l+50%ギ酸0.5ml、溶離剤B:アセトニトリル1l+50%ギ酸0.5ml;グラジエント:0.0分90%A→2.5分30%A→3.0分5%A→4.5分5%A;流速:0.0分1ml/分、2.5分/3.0分/4.5分2ml/分;オーブン:50℃;UV検出:210nm。
【0083】
出発化合物
実施例1A
4−(ベンジルチオ)ベンゾニトリル
【化26】

水素化ナトリウム(油中60%分散5g)を、ヘキサンで洗浄し、真空下で乾燥する。残渣を乾燥DMF(100ml)中、0℃でスラリー化し、ベンジルメルカプタン(14.82g)を30分間かけて滴下して添加する。続いて、反応混合物を30分間室温で撹拌する。4−フルオロベンゾニトリル(14.45g)を注意深く添加し、反応混合物を、出発物質が完全に反応するまで(HPLCにより監視、約3時間)撹拌する。反応混合物を氷水(400ml)に注ぎ、5分間撹拌する。生成物を濾過により回収し、水で洗浄し(3回)、フィルター上で乾燥する。粗生成物をシクロヘキサンから再結晶し、濾過により回収し、石油エーテルで洗浄し、乾燥する。生成物23.04g(理論値の86%)を得る。
LC−MS(方法1):R=2.85分
MS(ESI):m/z=226[M+H]
【0084】
実施例2A
4−(ベンジルチオ)−N'−ヒドロキシベンゾカルボキシイミドアミド
【化27】

4−(ベンジルチオ)ベンゾニトリル(23.00g)およびヒドロキシルアミン塩酸塩(10.66g)を、乾燥エタノール(10ml)中に提供し、トリエチルアミン(17ml)を添加する。反応混合物を最初に30分間50℃で撹拌し、次いで還流下で2時間加熱する。続いて、溶液が濁るまで水を添加する。反応混合物を室温に冷却し、得られる固体を濾過により回収する。固体を水で洗浄し、続いて乾燥オーブン中、85℃で乾燥する。粗生成物をn−ブタノールから再結晶し、結晶性生成物を濾過により回収し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥オーブン中、65℃で乾燥する。生成物23.40g(理論値の88%)を固体として得る。
LC−MS(方法1):R=1.79分
MS(ESI):m/z=229[M+H]
【0085】
実施例3A
N−(6−{3−[4−(ベンジルチオ)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−イル)アセトアミド
【化28】

1,1−カルボニルジイミダゾール(15.16g)を、乾燥DMF(75ml)中の6−アセトアミドピリジン−2−カルボン酸(16.84g)に、少しずつゆっくりと添加する(気体の放出)。得られる溶液を室温で1.5時間撹拌する。次いで、4−(ベンジルチオ)−N'−ヒドロキシベンゾカルボキシイミドアミド(23.00g)を添加し、反応混合物を室温で出発物質が完全に反応するまで(約3時間)撹拌する。反応混合物を100℃に加熱し、2時間撹拌する。続いて、溶液がわずかに濁るまで水を添加し、反応混合物を室温に冷却する。粗生成物を濾過により回収し、水で3回洗浄し、乾燥オーブン中、65℃で乾燥する。生成物24.42g(理論値の67%)を固体として得る。
LC−MS(方法1):R=2.98分
MS(ESI):m/z=403[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.96 (s, 1H), 8.38 (d, 1H), 8.08 (t, 1H), 8.02-7.95 (m, 3H), 7.53 (d, 2H), 7.43 (d, 2H), 7.35-7.21 (m, 3H), 4.36 (s, 2H), 2.15 (s, 3H).
【0086】
実施例4A
6−{3−[4−(ベンジルチオ)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−アミン塩酸塩
【化29】

水(50ml)および濃塩酸(50ml)を、エタノール(150ml)中のN−(6−{3−[4−(ベンジルチオ)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−イル)アセトアミド(40.55g)に添加する。反応混合物を還流下で出発物質が完全に反応するまで(約3時間)加熱し、続いて室温に冷却する。固体を濾過により回収し、エタノールで3回洗浄し、真空オーブン中、80℃で乾燥する。生成物36.60g(理論値の92%)を固体として得る。
LC−MS(方法2):R=2.76分
MS(ESI):m/z=361[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 7.95 (d, 2H), 7.73 (t, 1H), 7.53 (d, 2H), 7.51 (m, 1H), 7.42 (d, 2H), 7.30 (t, 2H), 7.25 (m, 1H), 6.85 (d, 1H), 4.38 (s, 2H).
【0087】
実施例5A
4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンゾスルホニルクロリド
【化30】

6−{3−[4−(ベンジルチオ)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−アミン(35.95g)を、酢酸(200ml)と水(100ml)の混合物中、氷浴で5℃に冷却する。出発物質が完全に反応するまで(HPLCにより監視)、塩素を徐々に導入し、そこで温度は10℃を超えてはならない。反応混合物を5℃で15分間撹拌し、次いで氷水(200ml)で希釈する。粗生成物を濾過により回収し、氷水(3回)およびジエチルエーテル(3回)で洗浄し、続いて真空下で乾燥する。生成物26.00g(理論値の85%)を固体として得る。
LC−MS(方法3):R=2.22分
MS(ESI):m/z=337[M+H]
【0088】
実施例6A
2−クロロ−5−フルオロ−1,3−ジニトロベンゼン
【化31】

DMF(10ml)および塩化チオニル(14ml)を、ベンゼン(50ml)中の4−フルオロ−2,6−ジニトロフェノール(26.00g)に連続的に添加する。得られる溶液を室温で5分間撹拌し(中間体が沈殿する)、次いで還流下で1.5時間(または、出発物質が完全に反応するまで)加熱する。反応混合物を室温に冷却し、濃縮し、残渣を氷/水に注ぐ。沈殿を濾過により回収し、水で3回洗浄し、乾燥する。エタノールからの再結晶後、生成物23.50g(理論値の83%)を結晶形で得る。
H−NMR(400MHz,DMSO−d):δ=8.56(d,2H)
【0089】
実施例7A
5−フルオロ−1,3−アミノベンゼン
【化32】

トリエチルアミン(12.6ml)およびパラジウム(10%、炭素上)(6.0g)を、メタノール(450ml)中の2−クロロ−5−フルオロ−1,3−ジニトロベンゼン(10.00g)に添加する。反応混合物を、室温、水素圧3bar下で、出発物質が完全に反応するまで(2時間)水素化する。そのバッチをセライトで濾過し、濃縮する。残渣をDCM(150ml)に取り、10%クエン酸溶液で処理する。続いて、水相を2N水酸化ナトリウム溶液で塩基性pHに調節し、DCM(3回、各100ml)で抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。生成物5.0g(理論値の88%)を油状物として得る。
LC−MS(方法4):R=0.58分
MS(ESI):m/z=127[M+H]
【0090】
実施例8A
N−(3−アミノ−5−フルオロフェニル)−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド
【化33】

1,1−カルボニルジイミダゾール(3.29g)を、THF中の1−シアノシクロプロパンカルボン酸(2.05g)に添加し、得られる溶液を室温で45分間撹拌する。5−フルオロ−1,3−アミノベンゼン(3.00g)を添加し、混合物をさらに2.5時間撹拌する。続いて、反応溶液を濃縮し、残渣をDCM(150ml)に取り、水で洗浄する。水相をDCMで2回抽出する。有機抽出物を集め、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(溶離剤DCMないしDCM−メタノール50:1)。関連する画分を濃縮した後、生成物2.35g(理論値の58%)を単離する。
LC−MS(方法1):R=1.31分
MS(ESI):m/z=220[M+H]
【0091】
実施例9A
N−(3−{[(4−シアノフェニル)スルホニル]アミノ}フェニル)アセトアミド
【化34】

3'−アミノアセトアニリド(13.54g)を、2−プロパノール(200ml)に溶解し、水(100ml)中の酢酸ナトリウム(8.51g)の溶液を室温で添加する。4−シアノベンゾスルホニルクロリド(20.0g)を添加し、反応混合物を30℃に加熱し、室温で3時間撹拌する。そのバッチを氷(250ml)に注ぎ、得られる固体を濾過により回収し、水(3回)で洗浄し、次いで乾燥オーブン中で乾燥する。生成物27.8g(理論値の98%)を固体として得る。
LC−MS(方法1):R=1.79分
MS(ESI):m/z=316[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.52 (s, 1H), 9.94 (s, 1H), 8.05 (d, 2H), 7.90 (d, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.13 (t, 1H), 6.72 (d, 1H), 2.00 (s, 3H).
【0092】
実施例10A
N−{3−[({4−[(Z)−アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェニル}スルホニル)アミノ]フェニル}アセトアミド
【化35】

N−(3−{[(4−シアノフェニル)スルホニル]アミノ}フェニル)アセトアミド(27.00g)を、エタノール(190ml)中に提供し、ヒドロキシルアミン塩酸塩(7.14g)およびトリエチルアミン(14.0ml)を連続的に添加する。反応混合物を50℃で2時間撹拌し、続いて氷に注ぎ、濾過により回収し、真空キャビネット中で乾燥する。生成物25.78g(理論値の86%)を固体として得る。
LC−MS(方法1):R=1.14分
MS(ESI):m/z=349[M+H]
【0093】
実施例11A
N−(6−{3−[4−({[3−(アセチルアミノ)フェニル]アミノ}スルホニル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−イル)アセトアミド
【化36】

ジオキサン(100ml)中に溶解した1,1−カルボニルジイミダゾール(9.78g)を、ジオキサン(100ml)とDMF(60ml)の混合物中の6−アセチルアミノピリジン−2−カルボン酸(10.86g)に滴下して添加し、混合物を室温で3時間撹拌する。次いで、N−{3−[({4−[(Z)−アミノ(ヒドロキシイミノ)メチル]フェニル}スルホニル)アミノ]フェニル}アセトアミドを固体として添加し、反応混合物を室温で16時間撹拌する。続いて、反応混合物を100℃で4時間撹拌し、次いで、氷/水に注ぐ。生成物を10分間静置し、濾過により回収し、水で洗浄し(3回)、真空オーブン中で乾燥する。生成物25.55g(理論値の90%)を固体として得る。
HPLC(方法5):R=4.03分
MS(ESI):m/z=493[M+H]
【0094】
実施例12A
N−(3−アミノフェニル)−4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンゾスルホンアミド
【化37】

15%塩酸(150ml)を、エタノール(200ml)中のN−(6−{3−[4−({[3−(アセチルアミノ)フェニル]アミノ}スルホニル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−イル)アセトアミド(20.00g)に添加する。反応混合物を還流下で6時間撹拌し、続いて、10%水酸化ナトリウム溶液を使用して、pHをその温度でpH4に調節する。反応混合物を5℃に冷却し、16時間撹拌する。粗生成物を吸引濾過により回収し、水で洗浄し(2回)、続いて乾燥する。生成物12.73g(理論値の77%)を固体として得る。
HPLC(方法5):R=3.53分
MS(ESI):m/z=409[M+H]
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 10.16 (br s, 1H), 8.23 (d, 2H), 7.97 (d, 2H), 7.63 (t, 1H), 7.45 (d, 1H), 6.85 (t, 1H), 6.74 (d, 1H), 6.58 (br s, 2H), 6.42 (s, 1H), 6.28 (t, 1H), 5.44 (br s, 2H).
【0095】
実施例13A
N−(6−ブロモピリジン−2−イル)アセトアミド
【化38】

2−アミノ−6−ブロモピリジン(5.40g)および塩化アセチル(2.66ml)を、塩化メチレン(80ml)中に提供し、0℃に冷却する。次いで、トリエチルアミン(6.53ml)を滴下して添加し、続いて、混合物を撹拌しながら室温に温める。10%炭酸水素ナトリウム溶液をバッチに添加し、バッチを塩化メチレンで抽出する。有機相を水および飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィー(溶離剤塩化メチレン/メタノール1:0、500:1)の後、生成物5.84g(理論値の86%)を得る。
HPLC(方法6):R=3.66分
MS(DCI/NH):m/z=215および217[M+H]、232および234[M+NH、249および251[M+NH+NH
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.79 (s, 1H, NH), 8.08 (d, 1H), 7.71 (t, 1H), 7.31 (d, 1H), 2.09 (s, 3H).
【0096】
実施例14A
N−[6−(3−ヒドロキシ−3−メチルブト−1−イン−1−イル)ピリジン−2−イル]アセトアミド
【化39】

N−(6−ブロモピリジン−2−イル)アセトアミド(5.84g)を、ジエチルアミン(50ml)中に提供する。2−メチル−3−ブチン−2−オール(2.51g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド(381mg)およびヨウ化銅(I)(52mg)を添加した後、混合物を室温で2時間撹拌する。次いで、バッチを濃縮し、フラッシュ−クロマトグラフィーする(溶離剤塩化メチレン/メタノール200:1、100:1、50:1)。生成物5.20g(理論値の88%)を得る。
HPLC(方法6):R=3.30分
MS(方法M−40,DCI/NH):m/z=219[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.68 (s, 1H, NH), 8.05 (d, 1H), 7.75 (t, 1H), 7.14 (d, 1H), 5.55 (s, 1H, OH), 2.07 (s, 3H), 1.46 (s, 6H).
【0097】
実施例15A
N−(6−エチニルピリジン−2−イル)アセトアミド
【化40】

N−[6−(3−ヒドロキシ−3−メチルブト−1−イン−1−イル)ピリジン−2−イル]アセトアミド(5.20g)をトルエン(50ml)中に提供し、水素化ナトリウム(95mg)を添加し、混合物を120℃で1.5時間撹拌する。バッチを濃縮し、残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、フラッシュ−クロマトグラフィーする(溶離剤塩化メチレン/メタノール1:0、500:1、200:1、100:1)。生成物1.75g(理論値の43%)を得る。
HPLC(方法6):R=3.18分
MS(方法M−40,DCI/NH):m/z=161[M+H]、178[M+NH,
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.68 (s, 1H, NH), 8.10 (d, 1H), 7.78 (t, 1H), 7.26 (d, 1H), 4.31 (s, 1H), 2.08 (s, 3H).
【0098】
実施例16A
N−(3−{[(4−ヨードフェニル)スルホニル]アミノ}フェニル)アセトアミド
【化41】

4−ヨードベンジルスルホニルクロリド(10.0g)を、イソプロパノール(100ml)中に提供し、少量の水に溶解した酢酸ナトリウム(3.12g)を添加し、混合物を室温で30分間撹拌する。次いで、N−(3−アミノフェニル)アセトアミド(4.96g)を添加し、混合物をさらに終夜撹拌する。バッチを水および飽和塩化ナトリウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮し、フラッシュ−クロマトグラフィーする(溶離剤塩化メチレン/メタノール1:0、100:1、80:1)。生成物9.62g(理論値の70%)を得る。
HPLC(方法6):R=4.14分
MS(ES,ES):m/z=417[M+H]、415[M−H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.31 (s, 1H, NH), 9.91 (s, 1H, NH), 7.93 (d, 2H), 7.51 (d, 2H), 7.45 (s, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.12 (t, 1H), 6.73 (d, 1H), 2.00 (s, 3H).
【0099】
実施例17A
N−(6−{[4−({[3−(アセチルアミノ)フェニル]アミノ}スルホニル)フェニル]エチニル}ピリジン−2−イル)アセトアミド
【化42】

N−(3−{[(4−ヨードフェニル)スルホニル]アミノ}フェニル)アセトアミド(4.60g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.28g)およびヨウ化銅(I)(421mg)をDMF中にアルゴン雰囲気下で提供し、N−(6−エチニルピリジン−2−イル)アセトアミド(2.66g)およびトリエチルアミン(15.4ml)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌する。次いで、混合物を水で希釈し、塩化メチレンに抽出し、有機相を乾燥し、フラッシュ−クロマトグラフィーする(溶離剤塩化メチレン/メタノール1:0、200:1、100:1、50:1、30:1)。生成物3.56g(理論値の48%)を得る。
HPLC(方法6):R=3.86分
MS(ES,ES):m/z=449[M+H]、447[M−H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.76 (s, 1H, NH), 10.38 (s, 1H, NH), 9.93 (s, 1H, NH), 8.13 (d, 1H), 7.88-7.78 (m, 3H), 7.73 (d, 2H), 7.48 (s, 1H), 7.37 (d, 1H), 7.26 (d, 1H), 7.12 (t, 1H), 6.76 (d, 1H), 2.09 (s, 3H), 2.00 (s, 3H).
【0100】
実施例18A
N−(3−アミノフェニル)−4−[(6−アミノピリジン−2−イル)エチニル]ベンゾスルホンアミド二塩酸塩
【化43】

N−(6−{[4−({[3−(アセチルアミノ)フェニル]アミノ}スルホニル)フェニル]エチニル}ピリジン−2−イル)アセトアミド(3.12g)を、エタノール(45ml)中に提供し、20%塩酸(45ml)を添加し、混合物を60℃で3時間撹拌する。バッチを濃縮し、残渣をアセトニトリルで撹拌する。吸引濾過により回収し、さらにアセトニトリルで洗浄し、高真空下で乾燥した後、生成物3.45g(定量的)を得る。
HPLC(方法6):R=3.65分
MS(ES,ES):m/z=365[M+H]、363[M−H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.70 (s, 1H, NH), 7.91-7.78 (m, 5H), 7.24 (t, 1H), 7.09 (d, 1H), 7.02 (s, 1H), 6.96-6.83 (m, 3H).
【0101】
実施例19A
4−[5−(6−アセチルアミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンゾスルホニルクロリド
【化44】

N−(6−{3−[4−(ベンジルチオ)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル}ピリジン−2−イル)アセトアミド(11.55g)を、酢酸(80ml)と水(50ml)の混合物中、氷浴で撹拌し、5℃に冷却する。出発物質が完全に反応するまで(HPLCにより監視)、塩素を徐々に導入し、ここで温度が10℃を超えてはならない。反応混合物を5℃で15分間撹拌し、次いで氷水(100ml)で希釈する。粗生成物を濾過により回収し、氷水(3回)およびジエチルエーテル(3回)で洗浄し、続いて真空下で乾燥する。生成物9.60g(理論値の88%)を固体として得る。
LC−MS(方法3):R=2.31分
MS(ESI):m/z=379[M+H]
【0102】
例示的実施態様
実施例1
N−{3−[({4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]フェニル}スルホニル)アミノ]−5−フルオロフェニル}−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド
【化45】

N−(3−アミノ−5−フルオロフェニル)−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド(2.46g)を、乾燥ピリジン(120ml)中の4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンゾスルホニルクロリド(3.78g)に添加する。得られる溶液を室温で18時間撹拌し、続いて氷/水に注ぐ。粗生成物を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥する。シリカゲルでのクロマトグラフィー(塩化メチレンないし塩化メチレン/メタノール50:1)および関連する画分の濃縮の後、生成物2.28g(理論値の40%)を単離する。
LC−MS(方法3):R=2.07分
MS(ESI):m/z=520[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 8.37 (d, 2H), 8.01 (d, 2H), 7.64 (t, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.21 (br d, 1H), 6.73 (d, 1H), 6.68 (br d, 1H), 6.56 (br s, 2H), 1.65 (s, 4H).
【0103】
実施例2
N−{3−[({4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]フェニル}スルホニル)アミノ]フェニル}−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド
【化46】

N−(3−アミノフェニル)−4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンゾスルホンアミド(4.50g)を乾燥DMF(110ml)中に提供し、HATU(6.28g)、1−シアノシクロプロパンカルボン酸(2.45g)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.90ml)を添加し、反応混合物を、アルゴン下、室温で1時間撹拌し、続いて濃縮する。残渣をシリカゲルでクロマトグラフィーする(溶離剤塩化メチレン/メタノール100:1ないし20:1)。関連する画分の濃縮後、生成物4.99g(理論値の90%)を単離できる。
LC−MS(方法2):R=2.13分
MS(ESI):m/z=502[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.47 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.23 (d, 2H), 7.97 (d, 2H), 7.64 (t, 1H), 7.53 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 7.17 (t, 1H), 6.84 (d, 1H), 6.73 (d, 1H), 1.65 (s, 4H).
【0104】
実施例3
N−{3−[({4−[5−(6−アミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]フェニル}スルホニル)アミノ]−2−メチルフェニル}−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド
【化47】

製造は、実施例2と同様に、3'−アミノ−2'−メチルフェニルアセトアミドから出発して行う。
LC−MS(方法3):R=1.91分
MS(ESI):m/z=516[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 9.91 (s, 1H), 9.67 (s, 1H), 8.26 (d, 2H), 7.87 (d, 2H), 7.65 (t, 1H), 7.47 (d, 1H), 7.10 (m, 2H), 6.84 (dd, 1H), 6.76 (d, 1H), 1.91 (s, 3H), 1.63 (m, 4H).
【0105】
実施例4
N−{3−[({4−[(6−アミノピリジン−2−イル)エチニル]フェニル}スルホニル)アミノ]フェニル}−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド塩酸塩
【化48】

N−(3−アミノフェニル)−4−[(6−アミノピリジン−2−イル)エチニル]ベンゾスルホンアミド二塩酸塩(750mg)、1−シアノシクロプロピオン酸(229mg)、HATU(783mg)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.04ml)を終夜室温で乾燥DMF(7ml)中で撹拌する。バッチを分取HPLC(溶離剤水(1%塩酸を含む)/アセトニトリル、流速50ml/分)により直接精製し、生成物400mg(理論値の47%)を得る。
HPLC(方法6):R=3.87分
MS(ES,ES):m/z=458[M−HCl+H]、456[M−HCl−H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.45 (s, 1H, NH), 10.07 (s, 1H, NH), 7.83 (d, 2H), 7.79-7.66 (m, 3H), 7.51 (s, 1H), 7.27 (d, 1H), 7.17 (t, 1H), 7.01 (d, 1H), 6.82 (d, 2H), 1.65 (s, 4H).
【0106】
実施例5
N−{3−[({4−[5−(6−アセチルアミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]フェニル}スルホニル)アミノ]−5−フルオロフェニル}−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド
【化49】

N−(3−アミノ−5−フルオロフェニル)−1−シアノシクロプロパンカルボキサミド(100mg)を、乾燥ピリジン(2ml)中の4−[5−(6−アセチルアミノピリジン−2−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ベンゾスルホニルクロリド(148mg)に添加する。得られる溶液を室温で18時間撹拌し、続いて氷/水に注ぐ。粗生成物を濾過により回収し、水で洗浄し、乾燥する。分取RP−HPLC(溶離剤アセトニトリル:水グラジエント)および関連する画分の濃縮の後、生成物53mg(理論値の24%)を単離する。
LC−MS(方法7):R=2.46分
MS(ESI):m/z=562[M+H]
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ = 10.99 (s, 1H), 10.78 (s, 1H), 10.26 (s, 1H), 8.40 (d, 1H), 8.17 (d, 2H), 8.06 (m, 4H), 7.37 (s, 1H), 7.21 (d, 1H), 6.68 (d, 1H), 2.15 (s, 3H), 1.66 (s, 4H).
【0107】
B. 生理活性の評価
本発明の化合物のインビトロでの活性は、以下のアッセイで示すことができる:
抗−HCMV(抗−ヒトサイトメガロウイルス)細胞変性試験
試験化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の50ミリモル濃度(mM)溶液として用いる。ガンシクロビル(登録商標)を参照化合物として供する。50、5、0.5および0.05mMのDMSO原液各2μlを、2A−H行の細胞培養培地98μlにデュプリケート測定で添加した後、培地50μlで96ウェルプレートの11行まで1:2希釈を実施する。1および12行のウェルは、各々50μlの培地を含む。次いで、細胞1x10個(ヒト包皮線維芽細胞[NHDF])の懸濁液150μlを各ウェルにピペットで加え(1行=細胞対照)、2−12行には、HCMV感染および非感染NHDF細胞の混合物(M.O.I.=0.001−0.003)、即ち、1000個の非感染細胞につき1−3個の感染細胞を加える。行12(物質なし)は、ウイルス対照として役立つ。最終試験濃度は、250−0.0005μMである。プレートを37℃/5%COで6日間、即ち、ウイルス対照の全細胞が感染する(100%細胞変性効果[CPE])までインキュベートする。次いで、ウェルを固定し、ホルマリンとギムザ染料の混合物の添加により染色し(30分間)、二重蒸留水で洗浄し、乾燥オーブン中50℃で乾燥させる。次いで、オーバーヘッド顕微鏡を使用してプレートを目視評価する(Technomara のプラーク拡大装置(plaque multiplier))。
【0108】
以下のデータを、試験プレートから得ることができる:
CC50(NHDF)=非処理細胞対照と比較して、細胞に対する目視できる細胞変性効果が明白ではない、μM表記の物質濃度;
EC50(HCMV)=非処理ウイルス対照と比較して、CPE(細胞変性効果)を50%まで阻害する、μM表記の物質濃度;
SI(選択性指数)=CC50(NHDF)/EC50(HCMV)
【0109】
本発明の化合物について代表的なインビトロの活性データを表Aに示す:
表A
【表2】

【0110】
本発明の化合物のHCMV感染の処置への適合性は、以下の動物モデルで示すことができる:
HCMV異種移植 Gelfoam(登録商標)モデル
動物:
5−6週齢の免疫不全マウス(16−20g)の Fox Chase SCID.NOD または NOD.CB17-Prkdc/J を、育種業者(Taconic M&B, Denmark; Jackson, USA)から入手する。動物を隔離飼育器中、滅菌条件(寝床および飼料を含む)下で飼育する。
【0111】
ウイルスの増殖:
Davis または AD169 系統のヒトサイトメガロウイルス(HCMV)を、ヒト胚性包皮線維芽細胞(NHDF細胞)において、インビトロで増殖させる。NHDF細胞を感染効率(M.O.I.)0.01−0.03で感染させた後、ウイルス感染細胞を5−10日後に回収し、最小必須培地(MEM)、20%ウシ胎児血清(FCS)(v/v)、1%グルタミン(v/v)、1%Pen/Strep(v/v)(10%DMSOを含む)の存在下、−80℃で保存する。ウイルス感染細胞の連続10倍希釈の後、コンフルエントNHDF細胞の24ウェルプレートで、ギムザホルムアルデヒド溶液による固定および染色の後、力価を決定する。
【0112】
スポンジの調製、移植、処置および評価:
サイズ1x1x1cmのコラーゲンスポンジ(Gelfoam(登録商標); Peasel & Lorey, order no. 407534; K.T. Chong et al., Abstracts of 39th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, 1999, p. 439)を、最初にリン酸緩衝塩水(PBS)で湿らせ、閉じ込められた気泡を脱気により除去し、次いで、MEM、10%FCS(v/v)、1%グルタミン(v/v)、1%Pen/Strep(v/v)中で保存する。1x10個のウイルス感染NHDF細胞(HCMV Davis または HCMV AD169 に感染、M.O.I.=0.03)を、感染の3時間後に剥がし、20μlのMEM、10%FCS(v/v)、1%グルタミン(v/v)、1%Pen/Strep(v/v)中で滴下して、湿ったスポンジに添加する。スポンジを3−4時間インキュベートして、細胞を接着させる。続いて、培地(MEM、10%FCS(v/v)、1%グルタミン(v/v)、1%Pen/Strep(v/v))を添加した後、スポンジを終夜インキュベートする。移植のために、免疫不全マウスをアベルチン(Avertin)またはケタミン/キシラジン/アゼプロマジン(azepromazine)混合物で麻酔し、電気カミソリを使用して背中の毛を除去し、表皮を1−2cm切開し、緊張を解き(unstressed)、背側の皮膚の下に湿ったスポンジを移植する。手術創を組織接着剤(tissue glue)またはクリップで閉じる。移植の4−6時間後、マウスを初めて処置できる(手術当日に1回の処置を行う)。翌日、物質による処置を、経口で1日3回(7.00時および14.00時および19.00時)、1日2回(8時および18時)または1日1回(9時)、8日間実施する。1日の用量は、例えば1または3または10または30または100mg/体重kgであり、投与体積は、10ml/体重kgである。各物質は、2%DMSOを含む0.5%タイローズ(tylose)懸濁液/PBS、または、物質の溶解を補助する他の適する混合物、例えば2%エタノール、2.5% ソルトール(solutol)、95.5%PBSの形態で製剤化する。移植の10日後および最後の物質投与の約16時間後、動物を無痛に殺し、スポンジを取り出す。コラゲナーゼ切断(330U/1.5ml)によりウイルス感染細胞をスポンジから解放し、MEM、10%FCS(v/v)、1%グルタミン(v/v)、1%Pen/Strep(v/v)、10%DMSOの存在下、−140℃で保存する。評価は、ウイルス感染細胞の連続10倍希釈の後、コンフルエントNHDF細胞の24ウェルプレートで、ギムザホルムアルデヒド溶液による固定および染色の後、力価を決定することにより行う。プラセボ処置対照群と比較して、物質処置後の感染細胞または感染性ウイルス粒子(感染中心アッセイ)の数を決定する。GraphPad Prism などの適するコンピュータープログラムにより、統計的評価を行う。
【0113】
薬物動態学的調査
活性物質の薬物動態を、投与経路につき3匹のオスの Wistar ラットへの1mg/kg静脈内および3mg/kg経口の範囲の用量の静脈内または経口投与後に調査する。血液の反復採取を可能にするために、実験前日に動物の頸静脈にカテーテルを移植する。物質を静脈内および経口で溶液として投与する。そこで、殆どの場合、血漿製剤(1−2%エタノールまたはDMSOを含むラット血漿、2ml/kg)を静脈内投与に使用し、PEG製剤(10%エタノール、40%PEG400、50%水、5ml/kg)を経口投与に使用する。
【0114】
活性物質の投与後、血液サンプルを24時間にわたりカテーテルを介してヘパリン含有サンプルチューブに回収する。採血後、血液サンプルを遠心分離し、血漿上清をエッペンドルフ(Eppendorf)チューブにピペットで移す。血漿サンプルを、分析を行うまで少なくとも−15℃で保存する。
【0115】
後処理のために、サンプルを融解する。続いて、アセトニトリルの添加により血漿タンパク質を沈殿させ、これは、内部標準を構成する。内部標準として、活性化合物と可能な限り構造的に近似する同じ構造クラスからの物質を選択する。較正サンプルの調製のために、異なる濃度の活性物質を空の血漿のアリコートに添加し、これらを未知サンプルと共に後処理する。加えて、3つの異なる濃度の品質制御サンプルを調製し、分析操作の確認用に供する。
【0116】
サンプル中の活性物質の測定は、質量分析的検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(LC/MS−MS)により行う。未知サンプル中の活性物質濃度を、プログラム Concalc for Windows (CCW, Integrierte Labordatensysteme, version 2.5 or later, Bayer AG) を使用して、較正曲線と比較したそれらの相対的ピークの高さまたは面積に基づき決定する。続いて、プログラム KINCALC、バージョン2.50.02 (Bayer AG, 2001) を利用する非コンパートメント分析を使用して、1匹の動物に個別化した血漿濃度の経時的展開から薬物動態的パラメーターを算出する。
【0117】
ラットにおいて所望の改良された薬物動態プロフィールを示す化合物を、続いて、マウスおよびイヌに投与した後の薬物動態学的調査に付す。この全データに基づき、Boxenbaum に従う異種間拡大(interspecies upscaling)により、最初のヒトの薬物動態の評価を実施する。
【0118】
以下のデータをこれらの試験から獲得できる:
ss=分布容積;
CL=排出速度;
1/2=半減期;
AUC=薬物濃度の経時曲線下の総面積;
max=最高濃度;
F=バイオアベイラビリティー;
【0119】
オス Wistar ラットへの単回静脈内および経口投与後の実施例1の化合物の薬物動態データ(各々、n=3/時点またはn=3)を、表Bに提示する。本発明の化合物は、改良された薬物動態挙動を示す。
表B
【表3】

:ラット血漿中の溶液、1%DMSOを含む、2ml/kg
:10%エタノール、40%PEG400、50%水中の溶液、5ml/kg
【0120】
代謝物の同定
活性化合物の代謝において異なる種は、その展開性(developability)に大きな影響を有し得る。ヒトと、例えばラットおよびイヌなどの通常の毒性試験種との間で代謝分解経路が有意に異ならない物質を見出すのが目的である。このために、第I相代謝を比較する目的で、新しい活性物質を最初にインビトロでラット、イヌおよびヒトの肝臓ミクロソームと共にインキュベートする。続いて、完全な肝臓の第I相および第II相代謝を得、それを比較するために、依然として関心のある化合物を、さらにラットおよびヒトの肝細胞中でインキュベートする。
【0121】
全ての新しい活性化合物を、20μMの濃度でインキュベートする。このために、2mMの濃度を有するアセトニトリル中の原液を調製し、次いで、最高1%のアセトニトリルをバッチ中に有するように、それを1:100希釈でインキュベーションバッチにピペットで加える。肝臓ミクロソームを、37℃、50mMリン酸カリウムバッファーpH7.4中で、1mM NADP、10mMグルコース−6−ホスフェートおよびグルコース−6−ホスフェートデヒドロゲナーゼ1ユニットからなるNADPH−生成システムを加えて、または加えずに、インキュベートする。初代肝細胞も、37℃で、Williams E 培地中で懸濁してインキュベートする。0−4時間のインキュベーション時間の後、インキュベーションバッチをアセトニトリル(最終濃度約30%)で停止し、タンパク質を約15000xgで遠心分離する。かくして停止したサンプルを、直接分析するか、または、分析まで−20℃で保存する。
【0122】
紫外および質量分析的検出を伴う高速液体クロマトグラフィー(HPLC−UV−MS)を使用して分析を行う。このために、適するC18逆相カラムおよびアセトニトリルとギ酸アンモニウム10mMの様々な混合物を使用して、インキュベーションサンプルの上清をクロマトグラフィーする。質量分析的データに関連するUV−クロマトグラムは、代謝物の同定に役立つ。かくして生成される各々の調査される種の代謝物のプロフィールを比較し、種間の差異の同定に供する。
【0123】
C. 医薬組成物の例示的実施態様
本発明の化合物は、以下の方法で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシデンプン(天然)50mg、ポリビニルピロリドン (PVP 25) (BASF, Ludwigshafen, Germany) 10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
有効成分、ラクトースおよびデンプンの混合物を、5%PVP水溶液(m/m)で造粒する。次いで、顆粒を乾燥させ、ステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機を使用して打錠する(錠剤の形状について、上記参照)。打錠に使用する打錠力のガイドラインは、15kNである。
【0124】
経口投与できる懸濁剤:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel (FMCのキサンタンゴム、Pennsylvania, USA) 400mgおよび水99g。
経口懸濁液10mlは、本発明の化合物100mgの単回用量に相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、有効成分を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。Rhodigel の膨潤が完了するまで、混合物を約6時間撹拌する。
【0125】
静脈内投与できる液剤:
組成:
実施例1の化合物10−500mg、ポリエチレングリコール400 15g、および注射用水250g。
製造:
実施例1の化合物を、ポリエチレングリコール400と共に、撹拌しながら水に溶解する。溶液を濾過(孔直径0.22μm)により滅菌し、加熱滅菌した点滴瓶に無菌条件下で分注する。これらを点滴ストッパーおよびクリンプキャップで閉じる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

【化1】

{式中、
Aは、式
【化2】

(式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である)
の基を表し、
は、水素、アミノまたはメチルカルボニルアミノを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素、ハロゲンまたはシアノを表し、
は、水素、ハロゲンまたはシアノを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素またはハロゲンを表し、
は、水素、ハロゲンまたはC−C−アルキルを表し、
は、水素、ハロゲンまたはC−C−アルキルを表す}
の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項2】
式中、
Aが、式
【化3】

(式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である)
の基を表し、
が、水素、アミノまたはメチルカルボニルアミノを表し、
、RおよびRが水素を表し、
が水素またはハロゲンを表し、
が水素またはハロゲンを表し、
およびRが水素を表す、
ことを特徴とする、請求項1に記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項3】
式中、
Aが、式
【化4】

{式中、*は、ピリジニル環の炭素原子への結合部位であり、
そして、#は、フェニル環の炭素原子への結合部位である}
の基を表し、
が、アミノまたはメチルカルボニルアミノを表し、
、RおよびRが水素を表し、
が水素を表し、
が水素またはハロゲンを表し、
およびRが水素を表す、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の化合物、またはその塩、その溶媒和物もしくはその塩の溶媒和物の1つ。
【請求項4】
請求項1に記載の式(I)の化合物の製造方法であって、式
【化5】

(式中、A、R、R、R、R、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有する)
の化合物を、式
【化6】

(式中、RおよびRは、請求項1に記載の意味を有し、そして、
は、ハロゲン、好ましくは塩素もしくは臭素、またはヒドロキシを表す)
の化合物と反応させることを特徴とする、方法。
【請求項5】
疾患の処置および/または予防のための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物を、不活性、非毒性の医薬的に許容し得る補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項7】
ウイルス感染の処置および/または予防用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項8】
ウイルス感染が、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)またはヘルペスウイルス科の群の他の代表例による感染であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
ウイルス感染の処置および/または予防用の請求項6に記載の医薬。
【請求項10】
抗ウイルス的に有効な量の、少なくとも1種の請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の化合物、請求項6に記載の医薬、または、請求項7もしくは請求項8により得られる医薬を投与することによる、ヒトおよび動物におけるウイルス感染の制御方法。

【公表番号】特表2009−529016(P2009−529016A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557628(P2008−557628)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【国際出願番号】PCT/EP2007/001620
【国際公開番号】WO2007/101573
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
【出願人】(506207901)アイキュリス・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフト (30)
【氏名又は名称原語表記】AiCuris GmbH & Co. KG
【Fターム(参考)】