説明

抗ウイルス剤

【課題】薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに有効であり、また薬剤耐性ウイルスを新たに生じさせることのない新規な作用点を有する抗HSV剤を提供すること。
【解決手段】センダングサ属植物酵素処理物は宿主細胞とHSVの吸着を阻害し、更に感染後宿主細胞内でのHSV増殖を抑制するなど複数の作用点があり、HSVの薬剤耐性株に対して高い効果を奏することから、センダングサ属植物酵素処理物を有効成分とする、薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに対する抗HSV剤におり、課題が解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンダングサ属植物酵素処理物を有効成分として含む薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに対する抗単純ヘルペスウイルス剤(抗HSV剤ともいう)に関する。
【背景技術】
【0002】
現在単純ヘルペスウイルス(ヒトヘルペスウイルス)は8種類が知られており、ヒトに対して様々な病気を引き起こす。単純ヘルペスウイルス感染の特徴としては、感染成立後ウイルスは宿主内に潜伏し、宿主の免疫力低下時に再活性化して回帰発症を起こすことがあげられる。また、抗ヘルペスウイルス薬の多くはその作用点がウイルスDNAポリメラーゼにある。これらの薬を長期間使用すると薬剤耐性ウイルスを生じることが問題とされており、作用点が異なる新たな抗ヘルペスウイルス薬の開発が求められている。
一方、ビデンス・ピローサ等のセンダングサ属植物は昔から身近にあるハーブであり、干した地上部分を煎じたものが飲用に供されている。ビデンス・ピローサの抗炎症作用については特許文献1に報告がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−83463号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに有効であり、また薬剤耐性ウイルスを新たに生じさせることのない新規な作用点を有する抗HSV剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者等は、上記課題に対し、センダングサ属植物酵素処理物について単純ヘルペスウイルス(HSV)に対する作用について検討したところ、前記処理物が、宿主細胞とHSVの吸着を阻害し、更に感染後宿主細胞内でのHSV増殖を抑制するなど複数の作用点があること、更にHSVの薬剤耐性株に対して高い効果を奏すること、また既存の抗HSV剤であるアシクロビルと併用すると、両者の抗HSV作用が相乗的に増強されることを見いだした。
【0006】
すなわち、本発明は下記の抗単純ヘルペスウイルス剤に関する。
1.センダングサ属植物酵素処理物を有効成分として含む、薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに対する抗単純ヘルペスウイルス剤。
2.薬剤耐性単純ヘルペスウイルスが、アシクロビル耐性株、アシクロビル・ホスホノ酢酸多剤耐性株、ガンシクロビル耐性株、ペンシクロビル耐性株、ピリブジン耐性株、シドフォビル耐性株、からなる群より選択される、上記1記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
3.センダングサ属植物がビデンス・ピローサ類である、上記1または2に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
4.センダングサ属植物を処理する酵素が、多糖類加水分解酵素からなる群より選択される少なくとも一種である、上記1〜3のいずれか一に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
5.センダングサ属植物酵素処理物の含有量(乾燥固形分換算)が0.001〜5g/kg体重/日となるように投与されることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
6.更にアシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、ピリブジン、からなる群より選択される抗単純ヘルペスウイルス剤を有効成分として含む、上記1〜5のいずれか一に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
7.センダングサ属植物酵素処理物からなる第一の抗単純ヘルペスウイルス剤と、アシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、ピリブジン、シドフォビルからなる群より選択される少なくとも一種である第二の抗単純ヘルペスウイルス剤とを有効成分として含み、第二の抗単純ヘルペスウイルス剤の投与量が、第二の抗単純ヘルペスウイルス剤を単独で使用する際の投与量範囲の1/2〜1/100の投与量であることを特徴とする、抗単純ヘルペスウイルス剤。
8.第二の抗単純ヘルペスウイルス剤がアシクロビルであり、アシクロビルの投与量が0.5〜25mg/kg/日である、上記7記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
【発明の効果】
【0007】
本発明のセンダングサ属植物酵素処理物を有効成分として含む抗HSV剤は、その新規な作用機序により、HSVの薬剤耐性株に対して高い効果を奏するため、従来の抗HSV剤で治療しえなかったHSV感染症を治療することができる。更に、既存の抗HSV剤と併用すると、抗HSV作用が相乗的に増強されるため、抗HSV作用を低下させることなく既存の抗HSV剤の量を低減させて、HSV感染を治療することができる。既存の抗HSV剤単独で抗HSV作用を奏する量において副作用が知られている場合には、本発明の抗HSV剤を併用することにより、かかる副作用を低減させることができ、有利である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末の細胞(vero,Raw264.7)に対する細胞毒性確認試験の結果を示している。
【図2】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末の抗単純ヘルペスウイルス感染不活化試験の結果を示している。
【図3】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末の抗HSV作用の作用点を解析するために行ったtime−of−addition実験の結果を示している。
【図4】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末のHSV増殖抑制実験の結果を示している。
【図5】Raw264.7細胞におけるビデンス・ピローサ酵素処理物粉末のウイルス感染価を示している。
【図6】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末の抗HSV作用にNOは関与していないことを示す実験の結果を示している。
【図7】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末の薬剤耐性株に対する作用を示す実験の結果を示している。
【図8】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末とアシクロビルを併用した時の抗HSV作用を示している。
【図9A】アイソボログラム解析におけるモデルグラフを示す。
【図9B】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末とアシクロビルを併用した時の抗HSV作用をアイソボログラム解析図を示す。
【図10】ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末中の構成成分であるカフェ酸とルチンの抗HSV作用を示している。
【図11】マウスにおける、ビデンス・ピローサ酵素処理物粉末の抗HSV作用を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に使用されるセンダングサ属植物は、特開2001−178390号公報および特開2001−233727号公報に記載されるように、学名ではビデンス(Bidens)属と言われる一群の植物である。種類も多岐に亘り互いに交配するので変種も多く、植物学上も混乱が見られ、学名、和名、漢名、の対応も交錯していて同定することは極めて困難であるが、本発明で用いられるセンダングサ属植物は以下に掲げるものを包含する。
【0010】
Bidens pilosa L.(コセンダングサ、コシロノセンダングサ、咸豊草)
Bidens pilosa L. var. minor (Blume)Sherff (シロバナセンダングサ、シロノセンダングサ、コシロノセンダングサ、コセンダングサ、咸豊草)
Bidens pilosa L. var. bisetosa Ohtani et S.Suzuki(アワユキセンダングサ)
Bidens pilosa L. f. decumbens Scherff (ハイアワユキセンダングサ)
Bidens pilosa L. var. radiata Scherff (タチアワユキセンダングサ、ハイアワユキセンダングサを含むこともある)
Bidens pilosa L. var. radiata Schultz Bipontinus (シロノセンダングサ、オオバナノセンダングサ)
Bidens biternata Lour. Merrill et Sherff(センダングサ)
Bidens bipinnata L.(コバノセンダングサ、センダングサ)
Bidens cernua L.(ヤナギタウコギ)
Bidens frondosa L.(アメリカセンダングサ、セイタカタウコギ)
Bidens maximowicziana Oett(羽叶鬼針草)
Bidens parviflora Willd(ホソバノセンダングサ)
Bidens radiata Thuill. var. pinnatifida (Turcz.)Kitamura(エゾノタウコギ)
Bidens tripartita L.(タウコギ)
【0011】
上記センダングサ属植物の中で、特にビデンス・ピローサ(Bidens pilosa)類が、効果の観点から好ましい。
【0012】
上記センダングサ属植物の使用部位は、根、地上部(茎、葉、花等)又は全草何れの部位を用いてもよい。特に、葉及び茎の部分を使用することが効力の点において好ましい。
上記センダングサ属植物は、生で用いても良いが、乾燥物、あるいは加工乾燥物でもよい。通常、生の植物を天日乾燥または熱風(例えば70〜80℃)乾燥したもの、又は蒸気で、例えば1時間〜1時間半程度蒸した後、乾燥したものを使用する。また、特開2001−178390の方法により加工乾燥した物を用いてもよい。
【0013】
さらに、常温又は加温下に水又は含水溶媒を添加して抽出したものを用いてもよい。抽出方法としては例えば、浸漬して静置、またはソックスレー抽出器等の抽出器具を用いて抽出物を得ることもできる。
【0014】
抽出若しくは固液分離後に酵素処理を行う場合において、濃縮物として使用する場合、濃度を調整した後そのまま用いてもよい。また、抽出物は、脱色、不要物除去のため活性炭処理、HP20等の樹脂処理、低温放置、瀘過等の処理を施してから用いてもよい。さらに当該抽出物を適当な分離手段、例えばゲル瀘過法やシリカゲルカラムクロマト法、又は逆相若しくは順相の高速液体クロマト法により活性の高い画分を分画して用いることもできる。本発明においてセンダングサ属植物にはこのような分画物も含むものとする。また使用目的に応じて他の成分を混合してもよい。
【0015】
上記のように得られた加工乾燥物あるいは抽出物を酵素により処理を行う。酵素処理は酵素の種類によって異なるが、通常20〜90℃の温度範囲で、1〜50時間程度行うことが好ましい。また、反応液のpHは酵素の種類にもよるが、通常3.5〜9.0程度の範囲に調整して処理することが好ましい。加工乾燥物をそのまま用いる場合には、加工乾燥物1kgに対して、1〜30Lの水または30%以上含水の親水性有機溶媒(例えば、エタノール、メタノール等)を添加して酵素処理を行う。
【0016】
酵素の種類は、多糖類加水分解酵素が特に好ましく、セルラーゼ、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、キシラナーゼ、マンナーゼ、マセレイティングエンザイム、アミラーゼ、グルコシダーゼ、プルラナーゼがより好ましい。セルラーゼとペクチナーゼを組み合わせて使用することが最も好ましい。
本発明において酵素はAsp.nigerなどの菌類由来のものを初めとして様々な由来のものを使用することができる。また、酵素を含有する微生物の培養液、麹などの培養物そのもの、あるいはそれらの抽出物を用いてもよい。
【0017】
使用する酵素の量は、基質の全質量(乾燥質量)に対して、0.001〜10質量%程度添加することが好ましい。2種類以上使用する場合には合計がこの範囲となればよい。
【0018】
酵素処理終了後、酵素を高温(90〜120℃)で失活させることが好ましい。失活後、フィルタープレスまたは遠心分離等の工程を加えて固液分離し、清澄な液相を使用することが好ましい。
【0019】
また酵素処理後、抽出溶媒により更に抽出処理を行っててもよい。
酵素を作用させた後、抽出に使用される溶媒の例としては、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、グリセリン等のアルコール類、並びにこれらの含水物、アセトン、エチルメチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン及び酢酸エチル、並びにそれらの含水物を用いてもよい。また、上記溶媒を二種以上含む混合物であってもよい。溶媒の添加量は、例えば用いる植物の合計乾燥重量1kgに対して1L〜100L程度使用することができる。本発明において特に水抽出が好ましい。
【0020】
抽出時の温度は、通常、室温〜沸点程度で行うことができる。また、抽出時間は、温度や溶媒にもよるが、室温〜沸点程度で抽出を行う場合には、1〜300時間程度の範囲にわたって行うことができる。
抽出液は必要により溶媒を留去濃縮して濃縮物または固形物(乾燥物)としてもよい。
濾液または抽出液を濃縮し、乾燥することにより、本発明のセンダングサ属植物の酵素処理物を得ることができる。
【0021】
上記センダングサ属植物酵素処理物を有効成分として含む本発明の抗HSV剤は、薬剤耐性単純ヘルペスウイルスによる感染を予防あるいは治療することができる。既存の抗HSV剤の多くはその作用点がウイルスDNAポリメラーゼにあることが知られている。一方、本発明の抗HSV剤は、宿主細胞とHSVの吸着を阻害し、更に感染後宿主細胞内でのHSV増殖を抑制するなど複数の作用点があることが実験により明らかにされた。本発明の抗HSV剤の薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに対する効果は、複数の作用点をもつためと考えられる。また、複数の作用点をもつことから、本発明の抗HSV剤は、ウイルスに対して薬剤耐性を誘起しにくいという有利な効果をも奏するものである。
【0022】
薬剤耐性単純ヘルペスウイルスの例として、アシクロビル耐性株、アシクロビル・ホスホノ酢酸多剤耐性株、ガンシクロビル耐性株、ペンシクロビル耐性株、ピリブジン耐性株、シドフォビル耐性株、その他、臨床的に単離される様々な耐性株を挙げることができる。本発明の抗HSV剤は、特に、アシクロビル耐性株、アシクロビル・ホスホノ酢酸多剤耐性株に対して、有効な治療効果を奏する。
【0023】
本発明の抗HSV剤は、経口、経皮、静脈内、腹腔内等様々な投与方法により投与することができる。特に経口あるいは経皮による投与が簡便でかつ有効であり好ましい。
経口で投与する場合には、センダングサ属植物酵素処理物固形分に換算して、0.001〜5g/kg体重/日程度投与することが好ましく、0.01〜2g/kg体重/日程度投与することが更に好ましい。
本発明の抗HSV剤は、ウイルス感染後のみではなく、ウイルス感染前に接種することによりウイルス感染を予防的に防ぐことができる。
【0024】
経口で投与する場合には、センダングサ属植物酵素処理物の乾固物をそのまま、あるいはデキストリン等の賦形剤を添加して、粉末、錠剤顆粒剤、ハードカプセル等の剤形に形成して投与してもよい。また、上述のとおり、水または湯に植物乾燥物を添加してその場で抽出して飲用することも可能である。錠剤等に成型する場合には従来知られている担体、倍散剤、崩壊剤、滑沢剤等を用いることができる。
経皮投与する場合には、例えば、クリーム、ローション、ゲル、軟膏、溶液、チック剤等の剤形に形成して皮膚に適用してもよい。
【0025】
センダングサ属植物酵素処理物を含む抗HSV剤は、更に、既存の抗HSV剤と併用すると、既存の抗HSV作用を相乗的に増強することが実験的に見いだされた。すなわち、アシクロビル感受性株であるHF株を細胞に感染後、様々な濃度で本発明の抗HSV剤とアシクロビルとを併用して作用させたところ、抗HSV作用が相乗的に増強された。従って、本発明の他の態様は、センダングサ属植物酵素処理物からなるる第一の抗単純ヘルペスウイルス剤と、既存の抗HSV剤から選択される第二の抗単純ヘルペスウイルス剤とを有効成分として含む抗HSV剤である。
【0026】
本発明の抗HSV剤と併用しうる既存の抗HSV剤としては、トリホスフェート形態への燐酸化後のヌクレオシド類似体のようなウイルスDNAポリメラーゼに対して作用する化合物、ホスホノギ酸およびホスホノ酢酸およびそれらの類似体、および異なる作用機構を有する他の抗HSV剤からなる群から選択することができる。
より具体的には、アシクロビル、アシクロビル−ホスホネート、ブリブジン、ブシクロビル、シドホビル、デスシクロビル、エドクスウジン、フアムシクロビル、ガンシクロビル、ガンシクロビル−ホスホネート、等が挙げられる。
【0027】
他の抗HSV剤と併用する場合には、他の抗HSV剤が通常使用されうる投与量範囲あるいは前記投与量の1/2〜1/100程度の低い投与量で投与することができる。例えば、アシクロビルの場合、通常50mg/kg/日程度であるが、本発明の抗HSV剤を0.001〜5g/kg体重/日程度、より好ましくは0.01〜2g/kg体重/日程度で併用する場合には、アシクロビルの投与量を0.5〜25mg/kg/日程度まで量を減らすことができる。
【実施例】
【0028】
以下に本発明の実施例について述べる。
薬剤製造例
ビデンス・ピローサ(Bidens pilosa L. var. radiate Sch)の加工乾燥物(特開2001−178390の方法により加工した乾燥物)100kgを1800Lの熱水に2時間浸漬後、pH4.5、50℃に調整してセルラーゼ(阪急バイオインダストリー(株)のセルロシンAC−40)とペクチナーゼ(セルロシンPE−60)各200gを添加して攪拌後、一夜置いた。その後、90℃で1時間加熱して酵素を失活させ、濾過して固形物を除去し、濾液を減圧濃縮した。減圧濃縮物に、デキストリン8kgを添加混合し、噴霧乾燥した。得られた乾燥粉末物は40kgであった。以下、これを“BP酵素処理物”と呼ぶ。なお、以下の実験において、BP酵素処理物の量を述べる場合には、乾燥粉末中のビデンス・ピローサの固形物量に換算した値を述べる。例えば、「BP酵素処理物粉末1g」とは、「デキストリンを含まないビデンス・ピローサ酵素処理物の乾燥固形物に換算した1g」に相当し、デキストリンを含む粉末の1.25gに相当する。
【0029】
細胞毒性確認実験
BP酵素処理物粉末単体に毒性がないことを確認するため、以下の実験を行った。
Vero細胞とRaw264.7細胞をそれぞれ1×105/mlの濃度に調整し、96穴プレートに50μl入れ、炭酸ガスインクベーター内で24時間培養した。培養後BP酵素処理物粉末を培養液(Vero細胞は10%FBS添加イーグルMEM培養液、Raw264.7細胞は10%FBS添加ダルベッコMEM培養液)で各濃度に調整し、50μlずつ入れた。炭酸ガスインキュベーターで72時間培養後、WST−8法により細胞毒性を測定した。
WST−8法は、高感度水溶性ホルマザンを生成する新規テトラゾリウム塩WST−8(2−(2−メトキシ−4−ニトロフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム,一ナトリウム塩)を発色基質として用いる方法である(M. Ishiyama, Y. Miyazono, K. Sasamoto, Y. Ohkura, K. Ueno, Talanta Volume 44, Issue 7, July 1997, Pages 1299-1305)。WST−8は細胞内脱水素酵素により還元され、水溶性のホルマザンを生成する。このホルマザンの450 nmの吸光度を測定することにより、細胞毒性を計測することができる。結果を図1に示す。
BP酵素処理物粉末は2mg/ml程度の濃度まで殆ど細胞毒性は見られなかった。
【0030】
抗単純ヘルペスウイルス感染不活化試験
Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBS(リン酸緩衝液)で洗浄後EMEM培地を1ml入れた。また、PBSで各濃度に調整したBP酵素処理物粉末と培地で希釈したヘルペスウイルス(HSV−1:HF株、HSV−2:savage株)(各々1×106PFU/ml)を37℃で1時間反応させた。これを上記Vero細胞に0.1ml感染させた。4℃で1時間感染後PBSで洗浄し、0.5%メチルセルロース添加EMEM培地を2ml/well入れ、72時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。これをメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。BP酵素処理物を添加していないものを100%とし、各濃度の感染率を比較した。結果を図2に示す。
図2の結果から明らかなとおり、本発明の抗HSV剤は、単純ヘルペスウイルスに直接作用して感染力を不活化し、Vero細胞との吸着を阻害する。
【0031】
抗HSV作用点の解析
本発明の抗HSV剤がウイルス粒子に直接作用する以外に抗HSV作用を持つかどうか調べるためにtime−of−addition実験を行った。この実験はウイルスのライフサイクルにあわせて本発明の抗HSV剤を作用させ、それぞれの感染価を比較することで作用点を解明する方法である。
BP酵素処理物の作用点を(1)細胞前処理、(2)吸着時、(3)侵入時、(4)増殖時、(5)全過程とした。Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後EMEM培地を0.9ml入れた。(1)細胞前処理と(5)全過程にEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml加え、37℃で1時間炭酸ガスインキュベーターに静置した。(2)と(3)と(4)にはEMEM培地を0.1ml加えた。すべてのプレートをPBSで洗浄後、EMEM培地を0.8ml入れた。すべてのプレートに1×104PFU/mlに調整したウイルス溶液(HSV−1:HF株、HSV−2:savage株)を0.1ml加え、(2)吸着時と(5)全過程にEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml、(1)と(3)と(4)EMEM培地を0.1ml加え、4℃で1時間冷蔵庫内で静置した。すべてのプレートをPBSで洗浄後、EMEM培地を0.9ml入れた。(3)侵入時と(5)全過程にEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml加え、37℃で1時間炭酸ガスインキュベーターに静置した。(1)と(2)と(4)にはEMEM培地を0.1ml加えた。すべてのプレートをPBSで洗浄後、EMEM培地を0.9ml入れた。(4)増殖時と(5)全過程にEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml、(1)と(2)と(3)EMEM培地を0.1ml入れた。すべてのプレートに1%メチルセルロース添加EMEM培地を1ml加え、37℃で72時間炭酸ガスインキュベーターに静置した。培養後すべてのプレートをPBSで洗浄しメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。
HSV−1,2が細胞に吸着時、侵入時、増殖時でBP酵素処理物粉末はHSVの感染を抑制した。また細胞に1時間BP酵素処理物粉末を前処理した場合は抗HSV作用は見られなかった(図3)。
この結果は本発明の抗HSV剤の抗HSV作用が、ウイルスに直接作用しているだけでなく、感染後の増殖についても関与していることを示唆している。
【0032】
HSV増殖抑制実験
BP酵素処理物粉末のウイルス増殖時の抗HSV作用について詳細に検討するため、HSVを細胞に感染させた直後からBP酵素処理物粉末を作用させ、一定時間ごとに培養上清と培養細胞内でのウイルスの感染価を比較した。この実験ではウイルスが細胞に感染し、1回の増殖サイクルを経て細胞外に放出されるまでを調べることができる。
Vero細胞4×105/Wellを24穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後EMEM培地を0.9ml入れた。すべてのプレートに4×105PFU/mlに調整したウイルス溶液(HSV−1:HF株)を0.1ml加え、4℃で1時間冷蔵庫内で感染させた。すべてのプレートをPBSで洗浄し、EMEM培地を0.9mlとEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml加え、37℃で炭酸ガスインキュベーター内で培養した。0、3、6、9、12、18、24時間後に培養上清を回収し、ウェルには新たにEMEM培地を1ml入れた。培養上清は3000rpm15分遠心しウイルス溶液とした。細胞はプレートごと3回凍結・融解を繰り返し回収後3000rpm15分遠心しウイルス溶液とした。
Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後EMEM培地を0.9ml入れた。培養上清と細胞のウイルス溶液を0.1ml入れ、4℃で1時間冷蔵庫内で感染させた。すべてのプレートをPBSで洗浄後0.5%メチルセルロース添加EMEM培地を2ml/well入れ、72時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。これをメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。結果を図4に示す。
図4からわかるように、細胞外へのウイルス放出以前の段階でBP酵素処理物粉末はHSVの増殖を抑制した。
これらのことから、本発明の抗HSV剤の抗HSV作用は、ウイルスが細胞に吸着するときと、感染後細胞内で増殖するときの両方に働いていることが示唆された。
【0033】
抗HSV作用におけるNOの関与
これまでの研究でマクロファージ様細胞(Raw264.7)においてBP酵素処理物粉末はNO産生を誘導することで免疫賦活作用を発揮することが明らかにされている。
Raw264.7細胞4×105/Wellを24穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後DMEM培地を0.9ml入れた。すべてのプレートに4×105PFU/mlに調整したウイルス溶液を0.1ml加え、4℃で1時間冷蔵庫内で感染させた。すべてのプレートをPBSで洗浄し、DMEM培地を0.9mlとDMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml加え、37℃で炭酸ガスインキュベーター内で培養した。24時間後、48時間後、72時間後に培養上清を回収し、ウェルには新たにDMEM培地を1ml入れた。培養上清は3000rpm15分遠心しウイルス溶液(HSV−1:HF株)とした。細胞はプレートごと3回凍結・融解を繰り返し回収後3000rpm15分遠心し、ウイルス溶液とした。Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後EMEM培地を0.9ml入れた。培養上清と細胞のウイルス溶液を0.1ml入れ、4℃で1時間冷蔵庫内で感染させた。すべてのプレートをPBSで洗浄後0.5%メチルセルロース添加EMEM培地を2ml/well入れ、72時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。これをメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。結果を図5に示す。
また同様の実験をBP酵素処理物溶液に代わりにNO合成阻害剤であるL−NAMEを用いて行った。培養上清中のNO量は阻害剤によって低下しているにも関わらず、抗HSV作用は変化が見られなかったことからBP酵素処理物粉末の抗HSV作用にNOは関与していないことを示唆している。結果を図6に示す。
【0034】
薬剤耐性株に対する作用
Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後EMEM培地を0.8ml入れた。EMEM培地で1×104PFU/mlに調整したウイルス溶液(野生型HSV−1株:
7401H株、アシクロビル耐性HSV−1株:TK-HSV-1、アシクロビル・酢酸多剤耐性HSV−1株:AprHSV-1)、を0.1mlとEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml加え、4℃で1時間冷蔵庫内で感染させた。すべてのプレートをPBSで洗浄後、EMEM培地を0.9mlとEMEM培地で各濃度に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml入れた。すべてのプレートに1%メチルセルロース添加EMEM培地を1ml加え、37℃で72時間炭酸ガスインキュベーターに静置した。培養後すべてのプレートをPBSで洗浄しメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。結果を図7に示す。
BP酵素処理物は明らかに、薬剤耐性株(アシクロビル耐性HSV−1株:TK-HSV-1、アシクロビル・酢酸多剤耐性HSV−1株:AprHSV-1)に対して、アシクロビル、ホスホノ酢酸よりも強い効果を示した。
【0035】
アシクロビル併用の効果の検討
Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBSで洗浄後EMEM培地を0.8ml入れた。EMEM培地で1×104PFU/mlに調整したウイルス溶液(HSV−1:HF株)を0.1mlとEMEM培地で各濃度(0.125,0.25,0.5,1.0mg/mL)に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml、EMEM培地で各濃度(1.25,2.5,5,10μg/mL)に調整したアシクロビル溶液を0.1ml加え、4℃で1時間冷蔵庫内で感染させた。すべてのプレートをPBSで洗浄後EMEM培地を0.8mlとEMEM培地で各濃度(0.125,0.25,0.5,1.0mg/mL)に調整したBP酵素処理物溶液を0.1ml、EMEM培地で各濃度(1.25,2.5,5,10μg/mL)に調整したアシクロビル溶液を0.1ml加えた。すべてのプレートに1%メチルセルロース添加EMEM培地を1ml加え、37℃で72時間炭酸ガスインキュベーターに静置した。培養後すべてのプレートをPBSで洗浄しメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。結果を図8に示す。
図8の結果から明らかなとおり、アシクロビルと本発明の抗HSV剤を併用した場合、ウイルス感染を抑制することができた。
【0036】
なお、アシクロビルとビデンスピローサの併用が相乗的効果であるか相加的効果であるか調べるために、Chouらの方法(J Biol Chem. 1977 Sep 25;252(18):6438-42. A simple generalized equation for the analysis of multiple inhibitions of Michaelis-Menten kinetic systems. Chou TC, Talaly P.)をもとに作製された統計ソフト「CalcuSyn」(BIOSOFT社)を用いて判定した。上記実験(「アシクロビル併用の効果の検討」)で得られた結果をCaicuSynでアイソボログラム解析を行った。アイソボログラム解析とは薬剤単独のIC50値から、併用時のIC50値を計算的に求め、薬剤A、薬剤Bをそれぞれ縦軸、横軸としたグラフに示し、実際に得られた併用時のIC50値をプロットしたものである。単剤でのIC50値を1として相対値(CI値:combination index)でプロットした。プロットがA単剤とB単剤のCI値を結ぶ直線状にあれば、AとBの作用は相加的、直線より下部にプロットされれば相乗的、直線より上部にプロットされれば拮抗的と判定される(図9A参照)。アシクロビルとビデンスピローサを併用した場合、相乗的作用エリアにプロットされ、これらの薬剤は相乗的に作用していると判定した(図9B参照)。
【0037】
構成成分の抗HSV作用
BP酵素処理物の構成成分の一つである、カフェ酸(Caffeic acid)とルチン(Rutin)について感染不活化による抗HSV作用を検討した。Vero細胞6×105/Wellを6穴プレートに入れ、炭酸ガスインキュベーターで24時間培養した後、培地を除去しPBS(リン酸緩衝液)で洗浄後EMEM培地を0.9ml入れた。また、PBSで各濃度に調整したカフェ酸もしくはルチンとEMEM培地で希釈したヘルペスウイルス(HSV−1:HF株1×106PFU/ml)を37℃で1時間反応させた。これを先ほどのVero細胞に0.1ml感染させた。4℃で1時間感染後PBSで洗浄し、0.5%メチルセルロース添加EMEM培地を2ml/well入れ、72時間炭酸ガスインキュベーターで培養した。これをメタノールで固定し、0.5%クリスタルバイオレットで染色し、水洗後プラーク数を測定した。BP酵素処理物を添加していないものを100%とし、各濃度の感染率を比較した。結果を図10に示す。
この結果から、BP酵素処理物粉末の抗HSV作用はカフェ酸によることが示唆されたが、含有濃度からカフェ酸だけによるものではないことも示唆される。
【0038】
インビボ試験
マウスを対照群、BP酵素処理物粉末前投与群、BP酵素処理物粉末投与群、アシクロビル投与群の4群(各群6匹づつ)に分けて感染実験を行った。
使用したマウス:C57BL/6J 4週齢
使用したウイルス:7401H株(単純ヘルペスウイルス1型)
BP酵素処理物粉末投与量:1g/kg(マウス体重) 2回/日
アシクロビル投与量:5mg/kg(マウス体重) 2回/日
BP酵素処理物粉末前投与群は、ウイルス感染1週間前から投与を開始した。
【0039】
感染方法:
C57BL/6jマウスにセボフレン麻酔後固定し、左側の後肢、腰部をハサミと除毛クリームで除毛処置を行った。除毛後27G注射針で乱切し、1×107 pfuのHSV−1(7401H株)を滴下、塗布することによりHSV−1経皮接種を行った。ウイルス接種後、帯状疱疹の発生をスコア化し、各群で比較した。病変のスコア化は報告されている方法(Takasaki et al.,Pain 86:95-101,2000)で行った。
【0040】
結果
対照群に比較してBP酵素処理物粉末前投与群、BP酵素処理物粉末投与群、アシクロビル投与群で帯状疱疹スコアの低下が確認された(図11)。
BP酵素処理物粉末を投与することで、マウスにおける帯状疱疹の軽減が確認され、その効果は感染後からBP酵素処理物粉末を投与した群よりも1週間前から前投与した方がより強かった。またその効果はアシクロビルとほぼ同程度であった。
【0041】
以上のとおり、本発明の抗HSV剤は、単純ヘルペスウイルスに直接作用して感染力を不活化し、宿主細胞との吸着を阻害する点と、感染後宿主細胞の中でウイルスが増殖するのを阻害する点の複数の作用点があることが明らかになった。アシクロビルを含め、現在の抗単純ヘルペスウイルス薬はウイルスの増殖抑制薬であり、宿主からウイルスを排除することができない。さらにこれらの薬は長期使用で耐性株を出現させることが問題となっている。これに対し、本発明の抗HSV剤は吸着時に作用するという、現行の抗単純ヘルペスウイルス剤とは異なる作用点を持ち、さらに薬剤耐性株に対しても抗HSV作用を発揮することが明らかになった。従って、本発明の抗HSV剤は、薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに対する抗HSV剤として、非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
センダングサ属植物酵素処理物を有効成分として含む、薬剤耐性単純ヘルペスウイルスに対する抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項2】
薬剤耐性単純ヘルペスウイルスが、アシクロビル耐性株、アシクロビル・ホスホノ酢酸多剤耐性株、ガンシクロビル耐性株、ペンシクロビル耐性株、ピリブジン耐性株、シドフォビル耐性株、からなる群より選択される、請求項1記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項3】
センダングサ属植物がビデンス・ピローサ類である、請求項1または2に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項4】
センダングサ属植物を処理する酵素が、多糖類加水分解酵素からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項5】
センダングサ属植物酵素処理物の含有量(乾燥固形分換算)が0.001〜5g/kg体重/日程度となるように投与されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項6】
更にアシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、ピリブジン、シドフォビル、からなる群より選択される抗単純ヘルペスウイルス剤を有効成分として含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項7】
センダングサ属植物酵素処理物からなる第一の抗単純ヘルペスウイルス剤と、アシクロビル、ガンシクロビル、ペンシクロビル、ピリブジン、シドフォビルからなる群より選択される少なくとも一種である第二の抗単純ヘルペスウイルス剤とを有効成分として含み、第二の抗単純ヘルペスウイルス剤の投与量が、第二の抗単純ヘルペスウイルス剤を単独で使用する際の投与量範囲の1/2〜1/100の投与量であることを特徴とする、抗単純ヘルペスウイルス剤。
【請求項8】
第二の抗単純ヘルペスウイルス剤がアシクロビルであり、アシクロビルの投与量が0.5〜25mg/kg/日である、請求項7記載の抗単純ヘルペスウイルス剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−213636(P2011−213636A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82166(P2010−82166)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成21年10月1日 「日本ウイルス学会会長 宮村達男」発行 「第57回日本ウイルス学会学術集会 プログラム・抄録集」 第372頁
【出願人】(591035391)株式会社武蔵野免疫研究所 (10)
【出願人】(504145308)国立大学法人 琉球大学 (100)
【Fターム(参考)】