説明

抗変異原性剤

【課題】変異原の活性を抑制できる新規な抗変異原性剤を提供する。
【解決手段】イエロー・バタイの抽出物を有効成分とする式1で示す抗変異原性剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イエロー・バタイ(Yellow batai)OLE_LINK4(Peltophorum dasyrachis)OLE_LINK4から得られる抽出物を有効成分とする抗変異原性剤、並びに該抗変異原性剤からなる食品添加剤及び化粧品添加剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、癌にならないための予防措置の重要性が広く叫ばれており、発癌の原因となる変異原性物質に関する研究も数多くなされている。例えば、さんまを食塩で処理することによって、さんま中に存在するメチオニンから生成される物質である、2−クロロ−4−メチルチオ酪酸(CMBA)に変異原性があることが報告されている(非特許文献1及び2)。さらに、動物実験の結果によると、CMBAが胃癌の原因となる可能性もあることも示されている(非特許文献3及び4)。
【0003】
この様に、さんまなどの魚類の成分に変異原性を有するもととなる物質があるということは、魚類を多食する日本人にとっては重大な問題である。その他、食品を含む各種の生活環境中には、変異原性を有する物質が数多く存在している。
【0004】
このため、癌の発症の予防措置として、変異原性を有する物質の活性を抑制できる物質の重要性が大きくなっているのが現状である。
【非特許文献1】Chen,W., et al., Nature, 374, 599 (1995)
【非特許文献2】Chen,W., et al., Chem. Res. Toxicol., 9, 58-66 (1996)
【非特許文献3】Weisburger,J.H., et al., J. Natl. Cancer Inst., 64, 163-167 (1980)
【非特許文献4】Furihata,C. et al., Cance Lett., 108, 129-135 (1996)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、変異原の活性を抑制できる新規な抗変異原性剤を提供することである。詳しくは、食品として使用できる成分を原料とした、安全性が高く、しかも変異原に対する優れた抑制作用を有する新規な抗変異原性剤、並びに該抗変異原性剤からなる食品添加剤及び化粧品添加剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、イエロー・バタイの抽出物が変異原に対する優れた抑制作用を有することを見出し、ここに本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、下記の抗変異原性剤を提供することである。
【0008】
項1.イエロー・バタイ(Peltophorum dasyrachis)の抽出物を有効成分とする抗変異原性剤。
【0009】
項2.抽出物が、水及び極性有機溶媒からなる群から選ばれた少なくとも一種の抽出溶媒を用いて抽出されたものである項1に記載の抗変異原性剤。
【0010】
項3.抽出溶媒が、水、アルコール、又は水とアルコールの混合溶媒である項2に記載の抗変異原性剤。
【0011】
項4.抽出物が式(I):
【0012】
【化1】

【0013】
で示されるスランジンCを含む項1〜3のいずれかに記載の抗変異原性剤。
【0014】
項5.式(I):
【0015】
【化2】

【0016】
で示されるスランジンCを有効成分として含む抗変異原性剤。
【0017】
項6.式(Ia):
【0018】
【化3】

【0019】
で示される(+)−(9S)−スランジンCを有効成分として含む抗変異原性剤。
【0020】
項7.項1〜6のいずれかに記載の抗変異原性剤からなる食品添加剤。
【0021】
項8.項1〜6のいずれかに記載の抗変異原性剤からなる化粧品用添加剤。
【0022】
項9.式(Ia):
【0023】
【化4】

【0024】
で示される(+)−(9S)−スランジンC。
【0025】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0026】
本発明の抗変異原性組成物は、イエロー・バタイからの抽出物を有効成分とするものである。
【0027】
本発明において、イエロー・バタイ(Peltophorum dasyrachis)とは、タイ、カンボジア、ラオス、ベトナム、マレーシア、スマトラ島等の東南アジア諸国で植栽されている植物である。イエロー・バタイの抽出物は、その樹木の抽出物であればよく、特に樹皮の抽出物が好ましい。
【0028】
上記のイエロー・バタイは、そのまま抽出に供することができるが、より細かく粉砕した後、抽出に供してもよい。また、粉末にした後更に乾燥して抽出したり、水中で粉砕してスラリー状にして抽出することもできる。
【0029】
抽出溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール等のグリコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エチルエーテル、プロピルエーテル、イソプロピルエーテル,テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素等の極性有機溶媒、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の無極性有機溶媒等や水等を用いることができる。これらの抽出溶媒は、一種単独又は二種以上混合して用いることができる。
【0030】
これらの内で、水及び極性有機溶媒からなる群から選ばれた少なくとも一種の溶媒は、優れた抗変異原活性を有する抽出物を効率よく得ることができる点で好ましい。特に、メタノール、エタノール等のアルコール又は水を単独で用いるか、或いは、水とアルコールとの混合溶液を用いる場合には、取り扱いが容易であり、しかも優れた活性を有する抽出物を得ることができる点で好ましい。この場合、特に抽出物を食品添加物等の経口摂取する用途で用いる場合には、アルコールとしては、エタノールを用いることが好ましい。
【0031】
溶媒を混合して用いる場合には、各溶媒の混合比は、溶媒の種類に応じて適宜調整すればよいが、例えば、水とアルコールとの混合溶液として用いる場合には、水:アルコール(重量比)=1:100〜100:1程度とすれば良く、1:50〜50:1程度とすることが好ましく、ほぼ等重量で用いることがより好ましい。
【0032】
抽出方法については、特に限定されるものではなく、イエロー・バタイに溶媒を加えた後、抽出物の抗変異原活性を失活させない程度に加温加熱する加熱抽出法や、超臨界抽出法等を適宜適用できる。また、一定量の溶媒に米糠及び玄米からなる群から選ばれた少なくとも一種を浸漬してバッチ処理する浸漬抽出法や連続的に溶媒を送り続ける連続抽出法等、公知の種々の抽出法を適用できる。
【0033】
具体的な抽出方法の一例を挙げると、例えば、イエロー・バタイの乾燥重量に対して、0.5〜5重量倍程度、好ましくは、0.8〜1.2重量倍程度の抽出溶媒を加えて浸漬して加熱し、30〜60分間程度溶媒を還流させることにより、抗変異原活性を有する成分を抽出することができる。或いは、イエロー・バタイの乾燥重量に対して0.5〜5重量倍程度、好ましくは、0.8〜1.2重量倍程度の抽出溶媒を加えて浸漬し、室温で1〜14日間程度放置するか、或いは40〜60℃程度に加熱して10〜20時間程度加熱することにより有効成分を抽出することも可能である、勿論、溶媒量や加熱温度、加熱時間等については、優れた抗変異原活性を有する成分を抽出できるように適宜調整すればよい。
【0034】
上記した方法によってイエロー・バタイから抽出物を得た後、通常、濾過、遠心分離等の常法によって残渣と固液分離することによって、抽出液を得ることができる。本発明では、得られた抽出液をそのまま抗変異原性剤として用いることが可能であるが、活性が低い場合もあるため、適宜濃縮又は溶媒を留去して、エキス状や粉末状として用いることもできる。
【0035】
更に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ベンゼン等の有機溶媒を1種又は2種以上用いた溶媒分画操作により得られた抽出画分から、活性画分を分取したものを抗変異原性剤として用いることも可能である。
【0036】
更に、必要に応じて、アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルクロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー等の適当な分離精製手段を1種若しくは2種以上組み合わせて、変異原の活性抑制作用のある画分又は化合物を取り出して、抗変異原性剤とすることできる。これにより、少量の摂取で優れた活性を発揮させることができる。
【0037】
次に、図1を参照して、イエロー・バタイからの活性化合物の精製・同定の手順を具体的に示す。
【0038】
イエロー・バタイをアルコール性溶媒(例えば、メタノール、エタノール)で還流し、アルコール抽出物を得る。この抽出物を水に懸濁させ、クロロホルム、酢酸エチル、t−ブタノール及び水でそれぞれ再抽出し、それらの画分を減圧下濃縮して、クロロホルム画分、酢酸エチル画分、ブタノール画分及び水画分を得る。変異原の活性抑制作用のあるクロロホルム画分を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分画する。変異原の活性抑制作用のある画分を、更にシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分画して、変異原の活性抑制作用のある活性化合物1を得る。
【0039】
各種スペクトル分析により、活性化合物1は、式(I):
【0040】
【化5】

【0041】
で示されるスランジンC(Surangin C)と同定された。さらに、このスランジンCの9位の絶対配置を精査したところ、式(Ia):
【0042】
【化6】

【0043】
で示される(+)−(9S)−スランジンCであることが明らかとなった。このスランジンCは、これまで相対配置は知られていたが、今回初めて9位の絶対配置を明らかにすることができた。
【0044】
上述のイエロー・バタイからの抽出物及びスランジンC(特に、(+)−(9S)−スランジンC)は、優れた抗変異原作用を有している。そのため、人及び動物に対する抗変異原性剤として用いることができる。特に、突然変異に基づく諸疾患、例えば、癌等の予防、治療等に有効に利用することができる。また、これだけではなく、広く生化学の分野において、細菌の突然変異を抑制する必要がある場合、例えば、培養、生化学的分析等の場合にも使用できる。
【0045】
本発明の抗変異原性剤の使用形態については、特に限定はなく、経口、非経口の何れも可能であるが、例えば、経口的に摂取する場合には、食品添加剤として食品に添加して摂取することができる。また、化粧品等に添加して皮膚等に塗布することによって、皮膚癌等の予防にも有効に使用できる。
【0046】
食品添加剤として用いる場合には、その添加量については、特に限定的ではなく、食品の種類に応じ適宜決めればよい。例えば、清涼飲料、炭酸飲料などの液体食品や菓子類やその他の各種食品等の固形食品に添加して用いることができるが、これらの場合の添加量については、食品の種類に応じて適宜決めればよく、一例としては、上記した抽出物の乾燥重量として、含有量が0.005重量%〜5重量%程度の範囲内となるように添加すればよい。
【0047】
また、化粧品に添加する場合には、化粧品の本来の機能を阻害しない範囲において、添加量を適宜決めればよい。
【0048】
また、その他に、本発明の抗変異原性剤を人体に投与する場合の投与方法及び投与量の一例を示すと次の通りである。
【0049】
投与は、種々の方法で行うことができ、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤等による経口投与とすることができる。投与量については、経口投与の場合には、通常、成人において、有効成分量として0.01〜1000mg/kg程度が適当であり、これを1日1回〜数回に分けて投与すればよい。経口投与剤は、通常の製造方法に従って製造することができる。例えば、デンプン、乳糖、マンニット等の賦形剤、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース等の結合剤、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤、タルク、ステアリン酸マグネシウム等の滑沢剤、軽質無水ケイ酸等の流動性向上剤等を適宜組み合わせて処方することにより、錠剤、カプセル剤、顆粒剤等として製造することができる。
【0050】
また、近年ペットとして飼育される動物(イヌ、ネコ等)の悪性腫瘍が増加の傾向にあるが、これらの動物の餌に本願の抗変異原性剤を添加することにより、或いは動物に該抗変異原性剤を薬剤として投与することにより悪性腫瘍の予防、治療が可能となる。
【発明の効果】
【0051】
本発明の抗変異原性剤は、天然植物であるイエロー・バタイの抽出物を有効成分とするものであり、優れた変異原抑制作用を有する。
【0052】
また、今回、上記抽出物における活性化合物を精製・同定することに成功し、スランジンCがその有効成分であることをつきとめた。
【0053】
本発明の抗変異原性剤は、食品添加剤、化粧用添加剤などとして利用される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0054】
以下、実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
【0055】
実施例1
イエロー・バタイの抽出物について変異原検出試験を行った。
(1)変異原検出試験
イエロー・バタイの各抽出物の変異原抑制効果は、SOS反応の誘導を指標とした変異原物質検出法(UMUテスト;科学と工業、第62巻、第4号、142頁、1988年)により調べた。ここで、「UMUテスト」とは、大腸菌のDNA損傷時にみられるSOS反応を利用した変異原検出試験であり、短時間で結果が出るなど多くの利点を備えている。
【0056】
尚、変異原物質としては、2−アミノ−3,4−ジメチルイミダゾ[4,5−f]キノリン(MeIQ)を用い、菌株としては、Salmonella typhimurium OY1001/1A2を用いた。試験方法の概略を以下に説明する。
【0057】
即ち、LB培地(トリプトン1%、酵母エキス0.5%、食塩0.5%)にて37℃で一夜培養した試験菌液を、Tgly培地(トリプトン1%、食塩0.5%、グリセロール0.002mL/mLにテトラサイクリン1.0μg/mL、イソプロピル−β−D−チオガラクトシド1.0mM、δ−アミノレブリックアシッド0.5μM、トレースエレメント0.25μL/mLの割合で加えたもの)に1/50量植菌し、37℃で振とう培養した。
【0058】
そして、菌濃度が対数増殖期(A600が0.25〜0.30)に達したとき、菌液を1.0mlずつ試験管にとり、これに変異原物質と図2のグラフに示された各濃度となる量の抽出物を加えて、37℃で3時間培養した。尚、変異原物質の添加量は、MeIQについては10μg/mlDMSO溶液を10μlとした。
【0059】
培養後に菌液を遠沈し集菌した後、菌を生理的食塩水に再懸濁し、この菌液の一部で菌量を測定し、他の一部でβ−ガラクトシダーゼ活性を測定した。尚、ここで、対数増殖期とは、細菌や細胞の数が対数的に増加していく時期で、指数増殖期ともいわれるものである。
【0060】
β−ガラクトシダーゼ活性の測定は、Millerの方法(Miller,J.H: Experiments in molecular genetics, Cold spring Harbor Laboratory, New York, P352-355 (1972))に準じて行った。即ち、Z緩衝液2.25mlに上記試験菌液0.25mlを加えた後、0.1%のドデシル硫酸ナトリウム水溶液50μl及びクロロホルム10μlを加え強く攪拌した。その液に基質(o-nitrophenyl-β-D-galactopyranoside 4 mg/ml)0.25mlを加え、28℃で反応させた。そして、15分後に1M NaCOを1.25ml加えて反応を止め、分光光度計でA420、A550及びA600(吸光度)を測定した。
【0061】
ここで、β−ガラクトシダーゼ活性値は、次式により算出した。
【0062】
β−ガラクトシダーゼ活性値(unit)
=1000(A420−1.75×A550)/1.5×A600
また、SOS反応抑制率は、次式により算出した。
【0063】
SOS反応抑制率(%)
=[1−(A−C)/(B−C)]×100
但し、上式中Aは変異原物質に各抽出物を加えた場合のβ−ガラクトシダーゼ活性値を、Bは変異原物質のみにより誘導されたβ−ガラクトシダーゼ活性値を、Cはコントロールのβ−ガラクトシダーゼ活性値をそれぞれ示す。尚、コントロールには同量のDMSOを使用した。また、各試験は試行を1組として行い、その平均をとった。
(2)イエロー・バタイの抽出分離
図1の手順に従ってイエロー・バタイを抽出分離し、各分画について上記(1)の変異原検出試験を行った。
【0064】
イエロー・バタイの樹皮(5kg)に対して、50%エタノール(5リットル)添加し、5時間加熱還流した後、エタノールを留去することによって、エタノール抽出物452.29gを得た。
【0065】
次いで、この抽出物に対して水(1.5リットル)を加えた後、クロロホルム、酢酸エチル及びブタノールの各溶媒を順次用いて再抽出し、溶媒を留去して各溶媒による抽出物を得た。抽出物の量は、クロロホルム抽出物9.44g、酢酸エチル抽出物30.01g、ブタノール抽出物231.26g及び水抽出物181.58gであった。さらに活性なクロロホルム分画部をカラムクロマトグラフィーで分画することにより活性化合物1を得た(図1)。
【0066】
以上の試験結果について、各分画のβ−ガラクトシダーゼ活性値を表1に示し、SOS反応抑制率を図2においてグラフとして示す。
【0067】
【表1】

【0068】
上記表1及び図2の各試験結果より、クロロホルム分画部及び化合物1において強いSOS反応抑制効果が観測された。化合物1のID50は26μg/mLであった。
【0069】
図1中の活性化合物1は、各種スペクトルデータよりスランジンCであることが分かった。その構造式及びスペクトルデータを図3に示す。
【0070】
スランジンCは、これまで相対配置のみ報告されていたが(Mahandru, M. M. et al. (1986) Phytochemistry, 25, 555-556)、今回、初めて9位の絶対配置を明らかにすると共に、強い抗変異原活性を有することを明らかにした。9位の絶対配置は、Mosher法により決定した。そのデータは、表2の通りである。
【0071】
【表2】

【0072】
(R)-および(S)-MTPA エステルにおいて、3位のケミカルシフト値の差がプラス、11位のケミカルシフト値の差がマイナスとなっており、これらをMosher法にあてはめることにより9位の絶対配置はS配位であると決定した。以上の結果より、化合物1の構造は(+)-(9S)-Surangin Cであると決定した。参考文献:Lee, K.-H. et al. (2003) Phytochemistry, 64, 535-541.
以上のように、イエロー・バタイの抽出物及びスランジンCは、強い変異原抑制作用を有しており、抗変異原性剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】イエロー・バタイの抽出分離工程を示す図である。
【図2】実施例1におけるMeIQに対する抑制効果を示すグラフ。
【図3】スランジンCの構造式及びスペクトルデータを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イエロー・バタイ(Peltophorum dasyrachis)の抽出物を有効成分とする抗変異原性剤。
【請求項2】
抽出物が、水及び極性有機溶媒からなる群から選ばれた少なくとも一種の抽出溶媒を用いて抽出されたものである請求項1に記載の抗変異原性剤。
【請求項3】
抽出溶媒が、水、アルコール、又は水とアルコールの混合溶媒である請求項2に記載の抗変異原性剤。
【請求項4】
抽出物が式(I):
【化1】

で示されるスランジンCを含む請求項1〜3のいずれかに記載の抗変異原性剤。
【請求項5】
式(I):
【化2】

で示されるスランジンCを有効成分として含む抗変異原性剤。
【請求項6】
式(Ia):
【化3】

で示される(+)−(9S)−スランジンCを有効成分として含む抗変異原性剤。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の抗変異原性剤からなる食品添加剤。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の抗変異原性剤からなる化粧品用添加剤。
【請求項9】
式(Ia):
【化4】

で示される(+)−(9S)−スランジンC。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−151855(P2006−151855A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−343504(P2004−343504)
【出願日】平成16年11月29日(2004.11.29)
【出願人】(399091120)株式会社ピカソ美化学研究所 (29)
【Fターム(参考)】