説明

抗菌スペクトルの広い抗菌香

【課題】日常的に使用することにより日和見感染等を予防することができる抗菌香、特に食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮し、これらの菌が原因で発症する感染症を広く予防することができる、抗菌スペクトルの広い抗菌香を提供すること。
【解決手段】燃焼することにより配合した抗菌成分が気化し、気化した抗菌成分が室内空間を拡散することによって抗菌効果を発揮する抗菌香において、抗菌成分として蒼朮を配合したことを特徴とする抗菌スペクトルの広い抗菌香。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、燃焼することにより配合した抗菌成分が気化し、気化した抗菌成分が室内空間を拡散することによって抗菌作用を発揮する抗菌香に関し、特に食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮する抗菌スペクトルの広い抗菌香、より具体的には直接火をつけて燃焼させる抗菌線香、抗菌抹香および抗菌焼香に関する。なお、スティック型、コーン型、コイル型およびチップ型の直接火をつけて燃焼させる抗菌香も含む。
【背景技術】
【0002】
従来、線香に代表される香は、宗教行事などで厳格な雰囲気を作り出すために、また、仏様へ香りを手向けるために、あるいは、部屋で香りを楽しむために使用されてきた。これら以外を目的とする香としては、除虫菊の殺虫成分を利用した蚊取り線香や、煙の少ない少煙線香が古くから知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ところで、我々の生活の周りには多種多様な細菌や真菌が存在することは周知のとおりであり、このうち健康な人では感染症を起こさない菌であっても、小児や高齢者など抵抗力の低い人がこれらの菌が原因で日和見感染等を発症する原因菌が多数確認されている。特に医療現場においては、各種基礎疾患を有する患者や臓器移植等で免疫抑制剤を使用している患者が感染する院内感染が人命に関わる重大な問題となっており、これら感染症の予防策である原因菌の抑制策を講じることが喫緊の課題となっている。
【0004】
このような背景のもと、近年においては抗菌香、すなわち抗菌効果を付与した線香や香に関する特許出願が多数されている(例えば、特許文献2〜3参照)。例えば、特許文献2においては、ヒノキチオール等の蒸散性のある抗菌剤を添加した線香が開示されている。また、特許文献3においては、炭焼きの煙から採取した炭窯木酢液を香の原材料中に調合混合した香が開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献2〜3のいずれにおいても線香または香の抗菌効果を謳ってはいるものの、具体的にどのような菌に対して抗菌効果を発揮するのかについては明確に特定されておらず、さらには、その効果を裏付ける実験データも開示されていない。例えば、特許文献2においては、ヒノキチオールの優れた抗菌作用については科学的に立証されており、それが線香の煙に混ざって部屋中に拡散するため、室内の衛生効果が高まるのは実験データが無くても判るとの記載に留まる程度である。
【0006】
すなわち、前記した背景のもと、抗菌剤を線香や香に配合することにより室内を衛生な状態にしようとする試みはあるものの、その効果は漠然としたものであり、必ずしも科学的に立証されているものではなかった。
【特許文献1】特開平07−309736号公報
【特許文献2】特開平10−287539号公報
【特許文献3】特開平11−012151号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の解決すべき課題は、日常的に使用することにより日和見感染等を予防することができる抗菌香、特に食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮し、これらの菌が原因で発症する感染症を広く予防することができる、抗菌スペクトルの広い抗菌香を提供することである。
そして、抵抗力の低い小児や高齢者が安心して暮らすことができる居住空間や生活空間、さらには各種基礎疾患を有する患者や臓器移植等で免疫抑制剤を使用している患者等、およびこれらの患者等をサポートする医療スタッフが安心して治療に専念することができる医療環境を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、前記課題を解決すべく、日和見感染等を発症する原因菌に対する抗菌効果を確認するための試験法を独自に開発するとともに、当該試験法を用いて、様々な生薬や精油を配合した香の抗菌効果を確認していく地道な実験を数多く積み重ねた。そして、生薬のうち特に蒼朮(そうじゅつ)と丁子(ちょうじ)に、そして精油であるヒバオイルに前記原因菌に対する顕著な抗菌活性が認められることを知見し、蒼朮、丁子およびヒバオイルの各配合量を変えた30数種類の香を調製し、それぞれの抗菌効果を数値化する実験を数多く積み重ねた。
【0009】
香の抗菌活性を確認する試験菌としては、食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす原因菌とされる合計9種の細菌と真菌、具体的には(1)Acinetobacter calcoaceticus ATCC19606,(2)Enterobacter aerogenes ATCC23355,(3)Escherichia coli ATCC25922,(4)Enterococcus faecalis ATCC33186,(5)Enterococcus faecalis ATCC19433,(6)Staphylococcus aureus ATCC29213,(7)Staphylococcus aureusATCC25923,(8)Candida albicans ATCC10231,および(9)Candida albicans ATCC10261を採用した。上記(1)〜(3)の菌は大腸菌に代表されるグラム陽性菌、(4)〜(7)は黄色ブドウ球菌に代表されるグラム陰性菌に分類される細菌であり、(8)〜(9)は真菌であるカンジダ菌2種類である。
【0010】
これらの菌を試験菌として選択した理由は、これらの細菌等は一般生活の中で常在して、我々の生活に身近であるので、それだけ他の菌と比較して細菌等の繁殖を抑制する技術的意義が大きいからである。また、香の抗菌活性を確認する技術的意義が大きいからである。以上の数々の実験の結果、本発明者が得た技術的知見は以下の通りである。
【0011】
(A)蒼朮(そうじゅつ)は、丁子やヒバオイルと異なり芳香性に優れるものではなく、一般に香料として香に配合されることは考えにくい生薬である。しかし、抗菌成分として蒼朮を配合した香は、生薬や精油を一切含まない香と比較すると上記試験菌のうち(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示すこと。
【0012】
(B)また、蒼朮を配合した香は、上記(1)、(4)、(5)の菌に対しては生薬や精油を一切含まない香と比較しても特別顕著な抗菌活性を示さないが、所定のレベルの抗菌活性を示し、総じて(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すこと。
【0013】
(C)丁子(ちょうじ)は芳香性に優れ、従来から香料として香に配合されてきた生薬であり、また、香り以外に防腐殺菌効果を有するものとして利用されてきた生薬であるが(例えば、特許文献3参照)、前記したようにその効果は漠然としたものであり、上記(1)〜(9)に示すような具体的な菌に対する抗菌効果は科学的に立証されていない生薬である。そこで、上記試験法にしたがってその抗菌効果を試験すると、抗菌成分として丁子を配合した香は、生薬や精油を一切含まない香と比較すると上記試験菌のうち(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示すこと。
【0014】
(D)また、丁子を配合した香は、上記(1)、(4)、(5)の菌に対しては生薬や精油を一切含まない香と比較しても特別顕著な抗菌活性を示さないが、所定のレベルの抗菌活性を示し、総じて(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すこと。
【0015】
(E)ヒバオイルは、ヒノキ科アスナロ属の植物であるヒバの株、根または枝葉を水蒸気蒸留して得られる精油であり、その精油成分の1つであるヒノキチオールが抗菌性を示すため(例えば、特許文献2参照)、石鹸、歯みがき、トイレタリー製品用香料として利用されてきた精油であるが、前記したようにその効果は漠然としたものであり、上記(1)〜(9)に示すような具体的な菌に対する抗菌効果は科学的に立証されていない精油である。そこで、上記試験法にしたがってその抗菌効果を試験すると、抗菌成分としてヒバオイルを配合した香は、生薬や精油を一切含まない香と比較すると上記試験菌のうち(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示すこと。
【0016】
(F)また、ヒバオイルを配合した香は、上記(1)、(4)、(5)の菌に対しては生薬や精油を一切含まない香と比較しても特別顕著な抗菌活性を示さないが、所定のレベルの抗菌活性を示し、総じて(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すこと。
【0017】
(G)抗菌成分として蒼朮、丁子およびヒバオイルを夫々単独で配合した香が、上記試験菌のうち(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示し、また、(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すことは前記したとおりであるが、蒼朮とヒバオイルの2種を配合した香は、前記(5)、(7)および(8)の菌に対して2種混合による相乗活性を示すこと。
【0018】
(H)さらには、蒼朮、丁子およびヒバオイルの3種を配合した香については、前記(5)、(7)、(8)および(9)の菌に対して3種混合による相乗活性を示すこと。
【0019】
(I)ただし、適切な配合量を超えると、香のもつ本来的機能である香りを楽しむことができなくなること。具体的には、蒼朮に関しては質量%で35%を超えると、独特の蒼朮の香りが強くなりすぎて室内での使用に向かなくなること。丁子に関しても質量%で35%を超えると、香りが強くなりすぎて室内での使用に向かなくなること。さらに、ヒバオイルに関しては質量%で20%を超えると、香りが強くなりすぎるとともに成形することが困難になること。
【0020】
上記の知見に基づき、本発明者は、食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮し、これらの菌が原因で発症する感染症を広く予防することができる抗菌スペクトルの広い抗菌香に想到した。その要旨とするところは以下の通りである。
【0021】
(1)燃焼することにより配合した抗菌成分が気化し、気化した抗菌成分が室内空間を拡散することによって抗菌効果を発揮する抗菌香において、抗菌成分として蒼朮を配合したことを特徴とする抗菌スペクトルの広い抗菌香。
【0022】
(2)さらに、抗菌成分としてヒバオイルを配合したことを特徴とする前記(1)に記載の抗菌スペクトルの広い抗菌香。
【0023】
(3)さらに、抗菌成分として丁子を配合したことを特徴とする前記(2)に記載の抗菌スペクトルの広い抗菌香。
【発明の効果】
【0024】
(1)本発明に係る抗菌香は、一般生活の中で常在して食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮するので、日常的に本発明に係る抗菌香を使用することにより、これらの菌が原因で発症する各種感染症を広く予防することができる。例えば、本発明に係る抗菌香を家庭内で使用する場合には、仏間のみならず、居間、寝室、台所、洗面所、玄関等のあらゆる居住空間・生活空間において使用することができるので、家庭内における前記原因菌の繁殖を容易に抑制することができ、これにより抵抗力の低い小児や高齢者であっても日和見感染等を心配することなく、安心した毎日を過ごすことができる。
【0025】
(2)また、本発明に係る抗菌香の抗菌作用は、燃焼することにより香に配合された抗菌成分が気化し、これが室内空間を拡散することによって発揮されるので、空間容積に応じた量を使用することにより、あるいは空間容積に応じた時間について燃焼させることにより、前記した居住空間・生活空間の代表格である家庭内のみならず、学校、オフィス、各種公共施設等の広い室内空間においても前記効果を発揮することができる。特に、大勢の人が集まる室内空間や、食品を取り扱い衛生管理が必要な室内空間において本発明に係る抗菌香を使用した場合、日和見感染のみならず食中毒の発生を予防できることが期待でき、その効果が極めて甚大であることは想像するに難しくない。
【0026】
(3)さらには、各種基礎疾患を有する患者や臓器移植などで免疫抑制剤を使用している患者が入院している病院内においては院内感染の問題が深刻化しているところ、本発明に係る抗菌香は、日和見感染等の原因となる細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮するので、院内感染その他各種感染の予防に非常に有効であり、これにより前記患者やそれをサポートする医療スタッフが安心して治療に専念できることも大いに期待できる。
【0027】
(4)すなわち、本発明に係る抗菌香は、燃焼することにより香に配合された抗菌成分が気化し、これが室内空間を拡散することによって広い抗菌作用を発揮するところ、食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌や真菌が存在する室内空間ならば、そのすべての空間において使用することができるといっても過言ではなく、その産業上利用性は極めて甚大である。また、所定の抗菌成分を配合した抗菌香の特定の菌に対する抗菌効果を科学的に実証した技術的意義も極めて大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
前記したように本発明に係る抗菌香は、本発明者が日和見感染等を発症する原因菌に対する抗菌効果を確認するための試験法を独自に開発するとともに、当該確立された試験法を用いて、様々な生薬や精油を配合した香の抗菌効果を確認していく地道な作業を数多く積み重ねた結果、生薬のうち特に蒼朮(そうじゅつ)と丁子(ちょうじ)に、そして精油であるヒバオイルに前記原因菌に対する顕著な抗菌活性が認められることを知見したことに基づいて完成された発明である。したがって、はじめに日和見感染等を発症する原因菌について、その次に原因菌に対する抗菌効果を確認するための試験法について、その次に当該試験法によって導かれた実験データについて説明する。
【0029】
(1)Acinetobacter calcoaceticus ATCC19606:
アシネトバクターは、自然界の土壌や水中、野菜などに広く分布し、免疫不全患者やIVカテーテル患者などにおいては敗血症、肺炎などの起炎菌になり得ることが知られているグラム陽性菌である。
【0030】
(2)Enterobacter aerogenes ATCC23355:
エンテロバクターは、ヒトや動物の腸管内に常在するとともに、下水、河川、土壌、食品等にも分布する細菌であり、敗血症、ショック、肺炎、外科的創傷に伴う化膿症などを起こすグラム陽性菌である。
【0031】
(3)大腸菌Escherichia coli ATCC25922:
大腸菌は、腸内細菌叢を構成する腫瘍菌種で、一般に非病原性の日和見感染の原因菌といわれているグラム陽性菌である。
【0032】
(4)腸球菌Enterococcus faecalisATCC33186
(5)腸球菌Enterococcus faecalisATCC19433:
腸球菌属は、尿路感染症、敗血症、外傷による感染など様々な感染に関与しているグラム陰性菌である。
【0033】
(6)黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus ATCC29213
(7)黄色ブドウ球菌Staphylococcus aureus ATCC25923:
黄色ブドウ球菌は、手術時の創傷感染やMRSAが問題となっているグラム陰性菌である。
【0034】
(8)カンジダ菌Candida albicans ATCC10231
(9)カンジダ菌Candida albicans ATCC10261:
カンジダ菌は、健常者の20〜40%で口腔、腸管などに常在し、Candidaの過剰発育が起こり、腸炎の原因となることがある真菌である。
【0035】
次に、上記原因菌に対する抗菌効果を確認するための試験法について説明するが、上記(1)〜(7)の細菌に対する試験法と、(8)〜(9)の真菌に対する試験法は異なるので、はじめに細菌に対する試験法について説明する。
【0036】
上記(1)〜(7)の各細菌に対する抗菌試験は、下記のように実施した。まず、細菌ごとに普通寒天培地で37℃、24時間培養し、培養した各細菌の1白金耳をそれぞれ2mlの肉エキスブイヨンで24時間培養した。
次いで、滅菌試験管Aに5mlの滅菌生理食塩水を採取し、これに前記ブイヨンで培養した5μlの各細菌を加え振とうした。そして、別の滅菌試験管Bに5mlの滅菌生理食塩水を採取し、これに滅菌試験管Aの5μlを加え振とうした。さらに、別の滅菌試験管Cに5mlの滅菌生理食塩水を採取し、これに滅菌試験管Bの5μlを加え振とうした。
【0037】
次いで、滅菌試験管Cの1mlをチッソ株式会社製の一般生菌用微生物検出培地シートサニ太くん(登録商標)2枚にそれぞれ滴下し、クリーベンチ中で5分間放置した。そして、シートの1枚は、試験シートとして容積14.4リットルのプラスチック容器の内側側面に固定するとともに試験香を灯して容器を密閉し、残りのシートはコントロールとした。そして、1時間後に、容器の内側側面に固定していた試験シートを容器から取り出し、コントロールとともに37℃の培養器中で36時間培養した。
【0038】
最後に、各シート上のコロニー数を計測し、次式によって抑制率を求めた。
抑制率(%)=(1−試験シートのコロニー数/コントロールのコロニー数)×100
【0039】
上記(8)〜(9)の各真菌に対する抗菌試験は、下記のように実施した。まず、真菌ごとにYPD寒天培地で37℃、24時間培養し、培養した各真菌の1白金耳をそれぞれ2mlのYPDで24時間培養した。
次いで、滅菌試験管Dに5mlの滅菌生理食塩水を採取し、これに前記YPDで培養した5μlの各細菌を加え振とうした。そして、別の滅菌試験管Eに5mlの滅菌生理食塩水を採取し、これに滅菌試験管Dの5μlを加え振とうした。
【0040】
次いで、滅菌試験管Eの1mlをチッソ株式会社製の真菌用微生物検出培地シートサニ太くん(登録商標)2枚にそれぞれ滴下し、クリーベンチ中で5分間放置した。そして、シートの1枚は、試験シートとして容積14.4リットルのプラスチック容器の内側側面に固定するとともに試験香を灯して容器を密閉し、残りのシートはコントロールとした。そして、1時間後に、容器の内側側面に固定していた試験シートを容器から取り出し、コントロールとともに37℃の培養器中で36時間培養した。そして最後に各シート上のコロニー数を計測し、前式によって抑制率を求めた。
【0041】
なお、容積14.4リットルのプラスチック容器内で燃焼させる試験香としては、細菌に対する抗菌試験、真菌に対する抗菌試験ともに、長さ3、6、9、および15cmの線香を用いた。
【0042】
次に、上記試験法によって導かれた実験データについて説明する。
図1は、抗菌成分として蒼朮を配合した本発明に係る抗菌香の抗菌効果を示すグラフであり、生薬や精油を一切含まない香(比較例)と比較して顕著な抗菌活性が認められた上記(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対する抑制率を示したグラフである。蒼朮を質量%で5%配合した香の抑制率を白三角(△)で、蒼朮を質量%で10%配合した香の抑制率を白丸(○)で示している。
なお、比較例である生薬や精油を一切含まない香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末35質量%を混合したものに、適量の水または湯を入れ練り合わせ、所定の形状に成形した線香である。
また、蒼朮を質量%で5%配合した香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉末を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末30質量%、蒼朮粉末5質量%の粉末原料に対し、適量の水または湯を添加しよく練った後、所定の形状に成形した線香である。
また、蒼朮を質量%で10%配合した香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉末を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末25質量%、蒼朮粉末10質量%の粉末原料に対し、適量の水または湯を添加しよく練った後、所定の形状に成形した線香である。
【0043】
上記したように蒼朮は、丁子やヒバオイルと異なり芳香性に優れるものではなく、一般に香料として香に配合されることは考えにくい生薬であるが、図1から抗菌成分として蒼朮を配合した香は上記(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示すことを確認することができる。
【0044】
特にグラム陽性菌と真菌に対して有効な抗菌活性を示す抗生物質や生薬等が希少である中、蒼朮を配合した本発明に係る抗菌香は、図1(b)に示すグラム陽性菌であるE.coli ATCC25922、図1(e)に示す真菌であるC.albicans ATCC10231、同じく真菌である図1(f)に示すC.albicans ATCC10261に対して顕著な抗菌活性を示すことを確認することができる。
【0045】
なお、上記(1)、(4)、(5)の菌に対する抗菌効果については表1に示して、図示はしないが、表1に示す実験データから蒼朮を配合した本発明に係る抗菌香は、上記(1)、(4)、(5)の菌に対しても所定の抗菌活性を示し、総じて(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すことを確認することができる。
【0046】
すなわち、蒼朮を配合した本発明に係る抗菌香は、一般生活の中で常在して食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮するので、日常的に蒼朮を配合した本発明に係る抗菌香を使用することにより、これらの菌が原因で発症する各種感染症を広く予防することができる。
【0047】
図2は、抗菌成分として丁子を質量%で5%配合した香の抗菌効果を示すグラフであり、生薬や精油を一切含まない香(比較例)と比較して顕著な抗菌活性が認められた上記(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対する抑制率を示したグラフである。なお、丁子を5%配合した香の抑制率を白四角(□)で示している。丁子を5%配合した香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉末を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末30質量%、丁子粉末5質量%の粉末原料に対し、適量の水または湯を添加しよく練った後、所定の形状に成形した線香である。
【0048】
上記したように丁子は芳香性に優れ、従来から香料として香に配合されてきた生薬であり、また、香り以外に防腐殺菌効果を有するものとして利用されてきた生薬であるが、具体的な菌に対する抗菌効果については科学的に立証されていないところ、上記試験法にしたがってその抗菌効果を試験すると、上記(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示すことを確認することができる。
【0049】
特にグラム陽性菌に対して有効な抗菌活性を示す抗生物質等が希少である中、丁子を配合した香は、図2(b)に示すグラム陽性菌であるE.coli ATCC25922に対して顕著な抗菌活性を示すことを確認することができる。
【0050】
なお、上記(1)、(4)、(5)の菌に対する抗菌効果については表1に示して、図示はしないが、表1に示す実験データから丁子を配合した香は、上記(1)、(4)、(5)の菌に対しても所定の抗菌活性を示し、総じて(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すことを確認することができる。
【0051】
図3は、抗菌成分としてヒバオイルを質量%で5%配合した香の抗菌効果を示すグラフであり、生薬や精油を一切含まない香(比較例)と比較して顕著な抗菌活性が認められた上記(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対する抑制率を示したグラフである。なお、ヒバオイルを5%配合した香の抑制率を白菱形(◇)で示している。ヒバオイルを5%配合した香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末35質量%の粉末原料100に対し、ヒバオイル5質量%と適量の水または湯を添加しよく練った後、所定の形状に成形した線香である。
【0052】
上記したようにヒバオイルは、その精油成分のヒノキチオールが抗菌性を示すため、石鹸、歯みがき、トイレタリー製品用香料として利用されてきた精油であるが、具体的な菌に対する抗菌効果については科学的に立証されていないところ、上記試験法にしたがってその抗菌効果を試験すると、上記(2)〜(3)、および(6)〜(9)の菌に対して顕著な抗菌活性を示すことを確認することができる。
特に図3(d)に示すグラム陰性菌であるS.aureus ATCC25923に対して顕著な抗菌活性を示すことを確認することができる。
【0053】
なお、上記(1)、(4)、(5)の菌に対する抗菌効果については表1に示して、図示はしないが、表1に示す実験データからヒバオイルを配合した香は、上記(1)、(4)、(5)の菌に対しても所定の抗菌活性を示し、総じて(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すことを確認することができる。
【0054】
図4は、抗菌成分として蒼朮とヒバオイルを配合(2種混合)した本発明に係る抗菌香の抗菌効果を示すグラフであり、2種混合による相乗活性が認められた上記(5)、(7)および(8)の菌に対する抑制率を示したグラフである。黒丸(●)が質量%で蒼朮10%とヒバオイル5%を混合した本発明に係る抗菌香の抑制率を示し、白丸(○)は蒼朮を単独で10%配合した香の抑制率を、白菱形(◇)はヒバオイルを単独で5%配合した香の抑制率を比較のために示している。なお、蒼朮とヒバオイルを配合した香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末25質量%、蒼朮粉末10質量%の粉末原料100に対し、ヒバオイル5質量%と適量の水または湯を添加しよく練った後、所定の形状に成形した線香である。
【0055】
図4(a)は、上記(5)の菌、すなわちE.faecalis ATCC19433に対する抑制率を示したグラフであり、線香長9cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は5.0%の抑制率を、ヒバオイルを単独配合した香は4.4%の抑制率を示すところ、本発明に係る両者を2種混合した抗菌香は15.1%の抑制率を示し、2種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0056】
また、図4(b)は、上記(7)の菌、すなわちS.aureus ATCC25923に対する抑制率を示したグラフであり、線香長3cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は0.6%の抑制率を、ヒバオイルを単独配合した香は0.4%の抑制率を示すところ、本発明に係る両者を2種混合した抗菌香は40.9%の抑制率を示し、2種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0057】
さらに、図4(c)は、上記(8)の菌、すなわちC.albicans ATCC10231に対する抑制率を示したグラフであり、線香長3cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は47.1%の抑制率を、ヒバオイルを単独配合した香は0%の抑制率を示すところ、本発明に係る両者を2種混合した抗菌香は75.7%の抑制率を示し、2種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0058】
なお、上記以外の菌に対する抗菌効果については表1に示して、図示はしないが、表1に示す実験データから、蒼朮とヒバオイルを配合(2種混合)した本発明に係る抗菌香は、(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すことを確認することができる。
【0059】
すなわち、蒼朮とヒバオイルを配合(2種混合)した本発明に係る抗菌香は、一般生活の中で常在して食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮するとともに2種混合による相乗活性を発揮するので、日常的に当該香を使用することにより、これらの菌が原因で発症する各種感染症を広く予防することができる。
【0060】
図5は、抗菌成分として蒼朮と丁子とヒバオイルを配合(3種混合)した本発明に係る抗菌香の抗菌効果を示すグラフであり、3種混合による相乗活性が認められた上記(5)、(7)、(8)および(9)の菌に対する抑制率を示したグラフである。黒三角(▲)が質量%で蒼朮、丁子およびヒバオイルを夫々5%混合した本発明に係る抗菌香の抑制率を示し、白三角(△)は蒼朮を単独で5%配合した香の抑制率を、白四角(□)は丁子を単独で5%配合した香の抑制率を、そして白菱形(◇)はヒバオイルを単独で5%配合した香の抑制率を比較のために示している。なお、蒼朮と丁子とヒバオイルを配合した香は、ヤシ殻炭粉末40質量%、タブ木皮粉を含むバインダー分25質量%、酸化アルミナ粉末25質量%、蒼朮粉末5質量%、丁子粉末5質量%の粉末原料100に対し、ヒバオイル5質量%と適量の水または湯を添加しよく練った後、所定の形状に成形した線香である。
【0061】
図5(a)は、上記(5)の菌、すなわちE.faecalis ATCC19433に対する抑制率を示したグラフであり、線香長9cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は4.7%の抑制率を、丁子を単独配合した香は4.6%の抑制率を、そしてヒバオイルを単独配合した香は4.4%の抑制率を示すところ、本発明に係る3種を混合した抗菌香は18.8%の抑制率を示し、3種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0062】
また、図5(b)は、上記(7)の菌、すなわちS.aureus ATCC25923に対する抑制率を示したグラフであり、線香長3cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は0.2%の抑制率を、丁子を単独配合した香は0.6%の抑制率を、そしてヒバオイルを単独配合した香は0.4%の抑制率を示すところ、本発明に係る3種を混合した抗菌香は12.0%の抑制率を示し、3種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0063】
さらに、図5(c)は、上記(8)の菌、すなわちC.albicans ATCC10231に対する抑制率を示したグラフであり、線香長3cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は41.4%の抑制率を、丁子を単独配合した香は2.8%の抑制率を、そしてヒバオイルを単独配合した香は0%の抑制率を示すところ、本発明に係る3種を混合した抗菌香は84.3%の抑制率を示し、3種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0064】
さらには、図5(d)は、上記(9)の菌、すなわちC.albicans ATCC10261に対する抑制率を示したグラフであり、線香長3cmにおいては、蒼朮を単独配合した香は17.6%の抑制率を、丁子を単独配合した香は0%の抑制率を、そしてヒバオイルを単独配合した香は0%の抑制率を示すところ、本発明に係る3種を混合した抗菌香は44.5%の抑制率を示し、3種混合による相乗活性を示すことを確認することができる。
【0065】
なお、上記以外の菌に対する抗菌効果については表1に示して、図示はしないが、表1に示す実験データから、蒼朮と丁子とヒバオイルを配合(3種混合)した本発明に係る抗菌香は、(1)〜(9)という広い抗菌スペクトルを示すことを確認することができる。
【0066】
すなわち、蒼朮と丁子とヒバオイルを配合(3種混合)した本発明に係る抗菌香は、一般生活の中で常在して食中毒、皮膚化膿疾患、日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対して広い抗菌作用を発揮するとともに3種混合による相乗活性を発揮するので、日常的に当該香を使用することにより、これらの菌が原因で発症する各種感染症を広く予防することができる。
【0067】
【表1】

【0068】
次に、抗菌成分として配合する蒼朮は、前記したように丁子やヒバオイルと異なり芳香性に優れるものではなく、一般に香料として香に配合されることは考えにくい生薬であるので、蒼朮について説明する。
本発明に係る抗菌香に配合する蒼朮(ATRACTYLODIS LANCEAE RHIZOMA)としては、キク科のホソバオケラ(Atractylodes lancea DC.)や北蒼朮(Atractylodes chinensis Koidz.)の根茎を乾燥したものを使用することが望ましい。また、シナオケラ(A.lancea DC.var.chinensis Kitamura)の根茎を乾燥したものを使用することができる。
蒼朮の配合量としては、質量%で1〜35%を配合することが望ましく、さらに好ましくは質量%で5〜20%を配合することがより望ましい。1%未満では十分な抗菌効果が得られず、35%を超えると独特の蒼朮の香りが強くなりすぎて室内での使用に向かなくなる。質量%で5〜20%ならば、図1に示すように日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対する広い抗菌作用を安定して発揮することができ、独特の蒼朮の香りも気にならない程度である。なお、当該配合量は本発明に係る抗菌香すべてに共通するものであり、蒼朮を単独で配合する場合も、丁子やヒバオイルと混合する場合も同様である。
【0069】
抗菌成分として配合する丁子(CARYOPHYLLI FLOS)の配合量としては、質量%で1〜35%を配合することが望ましく、さらに好ましくは質量%で5〜20%を配合することがより望ましい。1%未満では十分な抗菌効果が得られず、35%を超えると香りが強くなりすぎて室内での使用に向かなくなる。質量%で5〜20%ならば、図2に示すように日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対する広い抗菌作用を安定して発揮することができ、丁子の豊かな香りを楽しむことができる。
【0070】
ヒバオイルは、ヒノキ科アスナロ属の植物であるヒバ(Thujopsis dolabrata Sieb.et Zucc.)の株、根または枝葉を水蒸気蒸留して得られる精油であり、抗菌成分として配合するヒバオイルの配合量としては、質量%で0.5〜20%を配合することが望ましく、さらに好ましくは質量%で3〜10%を配合することがより望ましい。0.5%未満では十分な抗菌効果が得られないとともにヒバの爽やかな香りも楽しめない。20%を超えると香りが強くなりすぎるとともに成形することが困難になる。質量%で3〜10%ならば、図3に示すように日和見感染等を引き起こす細菌と真菌に対する広い抗菌作用を安定して発揮することができ、ヒバの爽やかな香りを楽しむことができる。
【0071】
本発明に係る抗菌香の抗菌作用は、燃焼することにより香に配合された上記抗菌成分が気化し、これが室内空間を拡散することによって発揮される。したがって、直接火をつけて燃焼させる抗菌香であるならば、抗菌試験で用いた長さ3〜15cmの線香の形態には限定されない。例えば、広い室内空間や空気の流れの多い空間において使用する場合には、燃焼時間が長いのでコイル型の抗菌香を用いるのが有効である。また、短時間に抗菌効果を発揮したい場合には、短時間に抗菌成分が気化するコーン型の抗菌香を用いるのが有効である。また、スティック型やチップ型の抗菌香ならば扱いやすく、日常的に使用することができるので家庭内で使用する場合に有効である。さらには、抹香や焼香の形態にした場合には、香の従前の使われ方である宗教行事などで厳格な雰囲気を作り出したり、仏様へ香りを手向けることができるとともに、抗菌作用も同時に発揮することができる。
【0072】
本発明に係る抗菌香の1つの形態である抗菌線香は、以下方法で製造することができる。まず、粉末状の原料を所定の配合で混ぜ合わせ、そこに成形に必要な量の水または湯を入れ練り合わせる。オイル状の原料、すなわちヒバオイルを添加する場合はここで投入する。次いで、粘土状に練りあがった混練物を所定の太さのノズル穴に強制的に通すことにより、線状の成形物を得ることができる。そして、当該成形物を乾燥させることで抗菌線香を得ることができる。また、このノズル穴の形状を丸や四角にすることにより、その形のスティック状の香を得ることができる。
【0073】
また、本発明に係る抗菌香の1つの形態である抗菌抹香については、粉末状の原料を所定の配合で混ぜ合わせ、オイル状の原料を入れる場合は粉末原料にまぶすことで抗菌抹香を得ることができる。
【0074】
さらには、本発明に係る抗菌香の1つの形態である抗菌焼香は、所定の原料を0.5〜2mm程度のチップ状に刻み、これを混ぜ合わせることによって抗菌焼香を得ることができる。また、オイル状の原料を入れる場合は配合する時によくまぶすことで添加することができる。あるいは、粉末状の原料を所定の配合で混ぜ合わせ、そこに成形に必要な量の水または湯を入れて練り合わせる。オイル状の原料を入れる場合はここで投入する。そして、粘土状に練りあがった原料をシート状に成形し、そのシートを0.5〜2mm程度のチップ状に砕くことによっても抗菌焼香を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】抗菌成分として蒼朮を配合した本発明に係る抗菌香の抗菌効果を示すグラフである。
【図2】抗菌成分として丁子を配合した抗菌香の抗菌効果を示すグラフである。
【図3】抗菌成分としてヒバオイルを配合した抗菌香の抗菌効果を示すグラフである。
【図4】抗菌成分として蒼朮とヒバオイルを配合した本発明に係る抗菌香の抗菌効果を示すグラフである。
【図5】抗菌成分として蒼朮と丁子とヒバオイルを配合した本発明に係る抗菌香の抗菌効果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼することにより配合した抗菌成分が気化し、気化した抗菌成分が室内空間を拡散することによって抗菌効果を発揮する抗菌香において、抗菌成分として蒼朮を配合したことを特徴とする抗菌スペクトルの広い抗菌香。

【請求項2】
さらに、抗菌成分としてヒバオイルを配合したことを特徴とする請求項1に記載の抗菌スペクトルの広い抗菌香。

【請求項3】
さらに、抗菌成分として丁子を配合したことを特徴とする請求項2に記載の抗菌スペクトルの広い抗菌香。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−297357(P2007−297357A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−128994(P2006−128994)
【出願日】平成18年5月8日(2006.5.8)
【出願人】(899000057)学校法人日本大学 (650)
【出願人】(594168517)株式会社薫寿堂 (6)
【Fターム(参考)】