説明

抗菌剤としてのピロロ−キノキサリノン誘導体

本発明は、抗菌剤としての三環式窒素含有化合物およびその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、該化合物含有の組成物およびその抗菌剤としての使用に関する。
【背景技術】
【0002】
WO02/08224、WO02/50061、WO02/56882、WO02/96907、WO2003087098、WO2003010138、WO2003064421、WO2003064431、WO2004002992、WO2004002490、WO2004014361、WO2004041210、WO2004096982、WO2002050036、WO2004058144、WO2004087145、WO2006002047、WO2006014580、WO2006010040、WO2006017326、WO2006012396、WO2006017468、WO2006020561、WO2006081179、WO2006081264、WO2006081289、WO2006081178、WO2006081182、WO01/25227、WO02/40474、WO02/07572、WO2004024712、WO2004024713、WO2004035569、WO2004087647、WO2004089947、WO2005016916、WO2005097781、WO2006010831、WO2006021448、WO2006032466、WO2006038172、WO2006046552、WO06099884、WO06126171、WO06137485、WO06105289、WO06125974およびWO06134378は、抗菌活性を有する、キノリン、ナフチリジン、モルホリン、シクロヘキサン、ピペリジンおよびピペラジン誘導体を開示する。WO2004104000は、カンナビノイド受容体に対して選択的に作用する能力を有する三環式縮合環化合物を開示する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、式(I):
【化1】

[式中:
1aは、水素;ハロゲン;シアノ;(C1−6)アルキル;(C1−6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;カルボキシ;(C1−6)アルキルまたは(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキル;ヒドロキシ(C1−6)アルキル;1または2個の(C1−6)アルキル、ホルミル、(C1−6)アルキルカルボニルまたは(C1−6)アルキルスルホニル基によりN−置換されていてもよいアミノ基;またはアミノカルボニル(ここに、アミノ基は(C1−4)アルキルにより置換されていてもよい)から選択され;
は、水素、または(C1−4)アルキルであるか、あるいはRと一緒になって、下記に定義するYを形成し;
Aは、基(i)または(ib):
【化2】

(式中:RはR1aの記載と同意義であるか、またはオキソであり、nは1または2である)
であり;
または、Aは、基(ii)
【化3】

(式中、W、WおよびWはCRであるか、
あるいは、WおよびWはCRであり、WはWおよびN間の結合を意味し;
XはO、CR、またはNRであり;
1個のRはR1aと同意義であり、残りおよびRは水素であるか、あるいは1個のRおよびRは一緒になってオキソであり、残りは水素であり;
は、水素または(C1−6)アルキルであるか;あるいはRと一緒になってYを形成し;
は、水素;ハロゲン;(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;または(C1−6)アルキルであり;
Yは、CRCH;CHCR;(C=O);CR;CR(C=O);または(C=O)CRであり;
あるいは、XがCRである場合、RおよびRは一緒になって結合を意味し;
UはCO、およびCHから選択される)
であり;
は、環中に4個までのヘテロ原子を含有する、置換されていてもよい二環式炭素環または複素環系(B):
【化4】

であり、
環(a)および(b)の少なくとも1個は芳香族であり;
は、芳香環の一部である場合にはCまたはNであり、または非芳香族環の一部である場合にはCR14であり;
は、芳香環または非芳香環の一部である場合にはN、NR13、O、S(O)、COまたはCR14であり、または、非芳香環の一部である場合には加えてCR1415であってもよく;
およびXは、独立して、NまたはCであり;
は、0〜4原子のリンカー基であり、個々の原子は、独立して、芳香環または非芳香環の一部である場合にはN、NR13、O、S(O)、COおよびCR14から選択され、または非芳香環の一部である場合にはさらにCR1415であってもよく;
は、2〜6原子のリンカー基であり、Yの個々の原子は、独立して、芳香環または非芳香環の一部である場合にはN、NR13、O、S(O)、CO、CR14から選択され、非芳香環の一部の場合にはさらにCR1415であってもよく;
14およびR15は、各々独立して、H;(C1−4)アルキルチオ;ハロ;カルボキシ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;(C1−4)アルキルによりモノまたはジ置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニルから選択されるか;あるいは
14およびR15は、一緒になってオキソを意味し;
13は、各々独立して、H;トリフルオロメチル;ヒドロキシ、(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;(C1−4)アルコキシカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C1−6)アルキルスルホニル;アミノカルボニル(ここに、アミノ基は、(C1−4)アルキルによりモノまたはジ置換されていてもよい)から選択され;
xは、各々独立して、0、1または2であり;
は水素またはヒドロキシである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはN−オキシドを提供する。
【0004】
本発明はまた、哺乳動物、特にヒトにおける細菌感染症の治療法であって、かかる治療を必要とする哺乳動物に有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物および/またはN−オキシドを投与することを含む、方法を提供する。
本発明はまた、哺乳動物の細菌感染症の治療に用いるための医薬の製造における、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物および/またはN−オキシドの使用を提供する。
本発明はまた、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物および/またはN−オキシド、および医薬上許容される担体を含む、医薬組成物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
個々の態様において、R1aは、水素、(C1−4)アルコキシ、(C1−4)アルキルチオ、(C1−4)アルキル、シアノ、カルボキシ、ヒドロキシメチルまたはハロゲンであり;さらに言えば、水素、メトキシ、メチル、シアノまたはハロゲンである。
【0006】
特定の具体例において、R1aは、水素、メトキシ、メチルまたはハロゲン、例えば、クロロまたはフルオロである。特定の具体例において、R1aは、フルオロである。
個々の態様において、Rは水素である。
【0007】
の個々の具体例として、水素;所望により置換されていてもよいヒドロキシ;所望により置換されていてもよいアミノ;ハロゲン;(C1−4)アルキル;1−ヒドロキシ−(C1−4)アルキル;所望により置換されていてもよいアミノカルボニルが挙げられる。より具体的には、R基は水素;CONH;1−ヒドロキシアルキル、例えば、CHOH;所望により置換されていてもよいヒドロキシ、例えば、メトキシ;所望により置換されていてもよいアミノ;およびハロゲン、特に、フルオロである。最も具体的には、Rは水素、ヒドロキシまたはフルオロである。
【0008】
個々の態様において、R基が結合する炭素原子での立体化学はS配置である。
個々の態様において、Aが(ia)である場合、nは1である。さらなる態様において、Rは3−または4−位にある。さらに個別的な態様において、Aが(ia)であり、nが1であって、Rが3−位にあり、より詳細にはNR基に対してシス位にある。
【0009】
個々の態様において、Aが(ii)であり、XがCRであり、RはHである場合、RはOHであり、より具体的にはOHはRに対してトランス位にある。さらなる態様において、Wは結合である。もう一つ別の態様において、RはHである。個々の具体例において、Wは結合であり、X、WおよびWは、各々、CHであって、RはHである。
特定の具体例において、UはCHである。
【0010】
特定の具体例において、Rが、2ないし4個のヘテロ原子を含む、8ないし11個の環原子を有する芳香族複素環式環(B)であって、そのヘテロ原子の少なくとも1個がNまたはNR13であり、ここで個々の具体例において、Yが2−3個のヘテロ原子を含有し、その中の一つがSであり、Xに結合した1個のNを含め、1−2個がNである、環である。
【0011】
別の具体例において、複素環式環(B)は、所望により置換されていてもよいベンゾ、ピリドおよびピリダジノより選択される芳香族環(a)および非芳香族環(b)を有し、YがXに結合したO、S、CHまたはNR13を含め、少なくとも1個の、、より具体的には1または2個のヘテロ原子を含め、3ないし5個の原子を有し、より詳細には4個の原子を有し、ここでR13は水素以外の基であり、Nを介してXに結合したNHCOであるか、またはXに結合したO、S、CHまたはNHのいずれかである。特定の態様において、環(a)は芳香族窒素を含有し、より詳細には、環(a)はピリジンまたはピリダジンである。環(B)の一例として、所望により置換されていてもよい:
【0012】
(a)および(b)が芳香族環
1H−ピロロ[2,3−b]−ピリジン−2−イル、1H−ピロロ[3,2−b]−ピリジン−2−イル、3H−イミダゾ[4,5−b]−ピリド−2−イル、3H−キナゾリン−4−オン−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンゾ[1,2,3]−チアジアゾール−5−イル、ベンゾ[1,2,5]−オキサジアゾール−5−イル、ベンゾフル−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、ベンゾ[b]チオフェン−2−イル(ベンゾチオフェン−2−イル)、ベンゾキサゾール−2−イル、クロメン−4−オン−3−イル、イミダゾ[1,2−a]ピリジン−2−イル、イミダゾ−[1,2−a]−ピリミジン−2−イル、インドール−2−イル、インドール−6−イル、イソキノリン−3−イル、[1,8]−ナフチリジン−3−イル、オキサゾロ[4,5−b]−ピリジン−2−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、キノキサリン−2−イル、ナフタレン−2−イル、1,3−ジオキソ−イソインドール−2−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、1H−ベンゾトリアゾール−5−イル、1H−インドール−5−イル、3H−ベンゾオキサゾール−2−オン−6−イル、3H−ベンゾオキサゾール−2−チオン−6−イル、3H−ベンゾチアゾール−2−オン−5−イル、3H−キナゾリン−4−オン−6−イル、ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン−3−イル(4−オキソ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−3−イル)、ベンゾ[1,2,3]チアジアゾール−6−イル、ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イル、ベンゾ[1,4]オキサジン−2−オン−3−イル、ベンゾチアゾール−5−イル、ベンゾチアゾール−6−イル、シノリン−3−イル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピラジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジン−2−イル、ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−6−イル、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル、ピリド[1,2−a]ピリミジン−4−オン−2−イル(4−オキソ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−2−イル)、キナゾリン−2−イル、キノキサリン−6−イル、チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−5−オン−7−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−2−イル、チエノ[3,2−b]ピリジン−6−イル、チアゾロ[5,4−b]ピリジン−6−イル、チアゾロ[4,5−b]ピリジン−5−イル、[1,2,3]チアジアゾロ[5,4−b]ピリジン−6−イル、2H−イソキノリン−1−オン−3−イル(1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−3−イル)
【0013】
【化5】

【0014】
(a)が非芳香族環
(2S)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−2−イル、(2S)−2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−2−イル、3−(R,S)−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−イル、3−(R)−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−3−イル、3−(S)−2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−3−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキサン−2−イル、3−置換−3H−キナゾリン−4−オン−2−イル、インダン−2−イル、
【化6】

【0015】
(b)が非芳香族環
1,1,3−トリオキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ1l−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル、3−置換−3H−ベンゾオキサゾール−2−オン−6−イル、3−置換−3H−ベンゾオキサゾール−2−チオン−6−イル、3−置換−3H−ベンゾチアゾール−2−オン−6−イル、4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン−6−イル(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル)、4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン−6−イル(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル)、4H−ベンゾ[1,4]オキサジン−3−オン−7−イル、4−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−ベンゾ[b][1,4]チアゼピン−7−イル、5−オキソ−2,3−ジヒドロ−5H−チアゾロ[3,2−a]ピリミジン−6−イル、1H−ピリド[2,3−b][1,4]チアジン−2−オン−7−イル(2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b]チアジン−7−イル)、2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]チアジン−7−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b]チアジン−7−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−6−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル、2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−7−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル、3,4−ジヒドロ−1H−キノリン−2−オン−7−イル、3,4−ジヒドロ−1H−キノキサリン−2−オン−7−イル、6,7−ジヒドロ−4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−オン−2−イル、5,6,7,8−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−2−イル(1,2,3,4−テトラヒドロ−[1,8]ナフチリジン−7−イル)、2−オキソ−3,4−ジヒドロ−1H−[1,8]ナフチリジン−6−イル、6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリダジノ[3,4−b][1,4]チアジン−3−イル(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−8−チア−1,2,5−トリアザ−ナフタレン−3−イル)、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イル、2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−7−イル、6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル、[1,3]オキサチオロ[5,4−c]ピリジン−6−イル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリジン−6−イル、2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリジン−7−イル、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル、6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル、6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル、2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イル、2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イル、6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル、1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル、7−オキソ−1,5,6,7−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル、6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル
【0016】
【化7】

[式中、Rは任意の置換基である]
が挙げられる。
【0017】
ある具体例において、R13が環(a)にある場合にはHであるか、または環(b)にある場合には付加的にメチルまたはイソプロピルなどの(C1−4)アルキルである。より詳細には、環(b)中にて、NR13がXに結合している場合にはR13はHであり、NR13がXに結合している場合には(C1−4)アルキルである。
【0018】
さらなる具体例において、R14およびR15は、独立して、水素、ハロ、ヒドロキシ、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、ニトロおよびシアノより選択される。より具体的にはR15は水素である。
より詳細には、R14は、各々、水素、クロロ、フルオロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、ニトロおよびシアノより選択される。さらにより詳細には、R14は水素、フッ素またはニトロより選択される。
最も具体的には、R14およびR15は、各々、Hである。
【0019】
個々の基Rは:
[1,2,3]チアジアゾロ[5,4−b]ピリジン−6−イル
1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−2−イル
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−6−イル
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−7−イル
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル
2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル
2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]オキサジン−7−イル
2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]チアジン−7−イル
3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル
3−メチル−2−オキソ−2,3−ジヒドロ−ベンゾオキサゾール−6−イル
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]チアジン−6−イル(4H−ベンゾ[1,4]チアジン−3−オン−6−イル)
4−オキソ−4H−ピリド[1,2−a]ピリミジン−2−イル
6−ニトロ−ベンゾ[1,3]ジオキソール−5−イル
7−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ[1,4]オキサジン−6−イル
8−ヒドロキシ−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−イソキノリン−3−イル
8−ヒドロキシキノリン−2−イル
ベンゾ[1,2,3]チアジアゾール−5−イル
ベンゾ[1,2,5]チアジアゾール−5−イル
ベンゾチアゾール−5−イル
チアゾロ−[5,4−b]ピリジン−6−イル
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル
7−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル
7−クロロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル
7−フルオロ−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]チアジン−6−イル
2−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]チアジン−7−イル
[1,3]オキサチオロ[5,4−c]ピリジン−6−イル
3,4−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリジン−6−イル
5−カルボニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−7−イル(6−カルボニトロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−8−イル)
2,3−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリジン−7−イル
5−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシノ−7−イル(8−フルオロ−2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシノ−6−イル)
2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル
6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イル
2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イル
6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリダジノ[3,4−b][1,4]チアジン−3−イル
1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル
7−オキソ−1,5,6,7−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル
6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン−2−イル
【0020】
【化8】

【0021】
特に
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル
2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イル
6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル
[1,3]オキサチオロ[5,4−c]ピリジン−6−イル
【化9】

を含む。
【0022】
本明細書にて用いる場合、「アルキル」なる語は、直鎖または分岐鎖を有する基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチルおよびヘキシルを包含する。「アルケニル」なる語はそれに応じて解釈されるべきである。
ハロまたはハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを包含する。
ハロアルキル基は1−3個のハロゲン原子を含む。
本発明の範囲内にある化合物はヘテロシクリル基を含有し、そのヘテロシクリル基の特性に応じて2種またはそれ以上の互変異性体の形態にて存在しうる。その互変異性体の形態はすべて本願発明の範囲内に含まれる。
【0023】
本発明の化合物のいくつかは水性または有機溶媒などの溶媒から結晶化または再結晶することができる。かかる場合、溶媒和物が形成されるかもしれない。本願発明は、その範囲内に、凍結乾燥などの方法により製造され得る、水和物ならびに可変量の水を含有する化合物を含む、化学量論的溶媒和物を含む。
【0024】
さらには、「式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物またはN−オキシド」などの語は、式(I)の化合物、式(I)のN−オキシド、式(I)の化合物の医薬上許容される塩、式(I)の溶媒和物あるいはこれらの医薬上許容される組み合わせを含むことを意図することが理解されよう。かくして、説明を目的とする本明細書で使用される非限定的な例として、「式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩または溶媒和物」は、さらには溶媒和物として存在する、式(I)の化合物の医薬上許容される塩を包含する。
【0025】
式(I)の化合物は医薬組成物での使用を意図とするため、個々の具体例において、該化合物は実質的に純粋な形態、例えば、60%純度、より適当には少なくとも75%の純度、特に少なくとも85%の純度、とりわけ少なくとも98%の純度(%は重量に対する重量に基づく)にて提供されることが容易に理解されよう。該化合物の純粋でない調製物は医薬組成物に使用されるより純粋な形態を調製するのに用いることができる;これらの化合物のあまり純粋でない調製物は、少なくとも1%の、より適当には少なくとも5%、およびより詳細には10ないし59%の式(I)の化合物あるいはその医薬上許容される塩および/または溶媒和物を含有しなければならない。
【0026】
本発明の個々の化合物は、実施例に記載の化合物およびその医薬上許容されるN−オキシド、塩および溶媒和物を包含する。
式(I)の上記した化合物の医薬上許容される塩は、酸付加塩または四級アンモニウム塩、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸またはリン酸などの無機酸、あるいは、例えば酢酸、フマル酸、コハク酸、マレイン酸、クエン酸、安息香酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸または酒石酸などの有機酸との塩を包含する。式(I)の化合物はまた、N−オキシドとして調製されてもよい。本願発明はかかるすべての誘導体に及ぶものである。
【0027】
式(I)の化合物のある物は、光学異性体の形態、例えばジアステレオマーおよびあらゆる割合での異性体の混合物、例えばラセミ混合物にて存在してもよい。本願発明はかかるすべての形態、特に純粋な異性体の形態を包含する。例えば、本願発明はNR、Rおよび/またはRの結合点でのエナンチオマーおよびジアステレオマーを包含する。異なる異性体の形態を、一の形態を他の形態から慣用的方法により分離または分割してもよく、あるいは所定の異性体を慣用的な合成方法により、または立体特異的合成もしくは不斉合成により得てもよい。
【0028】
本発明のさらなる態様において、Rが水素である式(I)の化合物およびその医薬上許容される塩、溶媒和物および/またはN−オキシドの製造方法であって、式(IIA):
【化10】

[式中、R21は(C1−6)アルキルであり、R20はURまたはそれに変換可能な基であり、R2’はRまたはそれに変換可能な基であり、ここに、A、R1a、R、UおよびRは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を環化して、式(IIB):
【化11】

[式中、RはHである]
を得ること、その後任意にまたは要すれば、R20およびR2’をURおよびRに変換すること、いずれの可変基の相互変換および/またはその医薬上許容される塩、溶媒和物またはN−オキシドを形成することを含む方法を提供する。
【0029】
環化反応は、式(IIA)で示される化合物を、活性化剤、例えばメタンスルホニルクロライド、p−トルエンスルホニルクロライド、無水メタンスルホン酸または無水p−トルエンスルホン酸および有機塩基、例えばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンで処理することにより行う。メシレートまたはトシレートの調製は、標準的な条件下で行われ、式(IIB)で示される化合物は、系内で、R21が(C1−4)アルキル、例えばメチルを含む実施例を形成する。
【0030】
さらなる本発明の態様において、RがOHである式(I)で示される化合物、およびその医薬上許容される塩、溶媒和物および/またはN−オキシドの製造方法であって、式(IIC):
【化12】

[式中、R21は(C1−6)アルキル、例えばメチルであり、R22はHまたは(C1−6)アルキル、例えばメチルであり、R1aは式(I)の記載と同意義である]
で示される化合物を環化して、式(IID):
【化13】

で示される化合物を得、その後、−COHを−CH−A−NR−URに変換すること、いずれの可変基の相互変換、および/またはその医薬上許容される塩、溶媒和物またはN−オキシドを形成することを含む方法を提供する。
【0031】
環化反応は、式(IIC)で示される化合物を、水中で水酸化リチウムで処理することにより行って、三環式ヒドロキシ−カルボン酸(IID)を得ることができる。−COHの−CH−A−NR−URへの変換は、硫酸中メタノールでアルキル化し、ついで、ジオールをメタノール中ボロヒドリドナトリウムで還元し、得られたテトラヒドロピロロキノキサリノン環を酸化マンガン(IV)で酸化し、塩化トシル/酸化ジブチルスズでトシル誘導体に変換することにより行うことができる。アミンHN−A−NR202’20(R20はURまたはそれに変換可能な基であり、R2’はRまたはそれに変換可能な基である)との反応により、RがOHである式(IIB)で示される化合物を得る。
【0032】
有利には、R20およびR2’の一方は、N−保護基、例えばt−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたは9−フルオレニルメチルオキシカルボニルである。これは、当業者によく知られたいくつかの方法(例えば、「Protective Groups in Organic Synthesis」,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Wiley−Interscience,1999を参照)、例えばトリフルオロ酢酸または塩酸での慣用的な酸加水分解により除去することができる。さらに、本発明は、R20が水素である式(IIB)で示される化合物を提供する。
【0033】
20が水素である式(IIB)の遊離アミンは、アシル誘導体RCOWまたはRSOWとのアミド形成などの通常の手段により、例えば、UがCOである化合物の場合、あるいはUがCHである化合物の場合、通常の条件下、塩基の存在下でのアルキルハライド、RCH−ハライドでアルキル化することで、アシル誘導体、RCOWでアシル化/還元することで、またはアルデヒド、RCHOで還元アルキル化すること(例えば、Smith、M.B.;March、J.M.Advanced Organic Chemistry、Wiley−Interscienceを参照)でNRURに変換され得る。必要なR基を含有する適当な試薬は公知の化合物であるか、あるいは公知の化合物と同様にして調製され得る。例えば、WO02/08224、WO02/50061、WO02/56882、WO02/96907、WO2003087098、WO2003010138、WO2003064421、WO2003064431、WO2004002992、WO2004002490、WO2004014361、WO2004041210、WO2004096982、WO2002050036、WO2004058144、WO2004087145、WO06002047、WO06014580、WO06010040、WO06017326、WO06012396、WO06017468、WO06020561およびEP0559285を参照。
【0034】
がNH基を含有する場合、この基は、R誘導体と式(IIB)の遊離アミンとのカップリングの間、適当なN−保護基、例えばt−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルまたは9−フルオレニルメチルオキシカルボニルで保護されていてもよい。該保護基はトリフルオロ酢酸で処理するなどの通常の方法により除去され得る。
の結合位置でのエナンチオマーの分割は、式(IIB)の化合物について、都合よくは、分取性高性能液体クロマトグラフィーなどの慣用的な方法により実施される。
【0035】
式(IIA)の化合物は、以下のスキーム1により調製され得る:
【化14】

【0036】
一般構造(III)の化合物は、アクリル酸エステル(IV)を化合物HA−N(R20)R2’、例えばBoc保護アミノ−ピペリジンと、慣用的なマイケル付加反応の条件下で反応させることにより調製することができる(例えば、Smith,M.B.;March,J.M.Advanced Organic Chemistry,Wiley−Interscience参照)。(III)の(IIA)への還元は、水素化アルミニウムリチウムで、慣用的な条件下で処理することにより生じる。還元工程は、いくらかのジヒドロキノキサリン化合物を生成し得、これは式(IIA)で示される所望の化合物に、例えば慣用的な条件下MnOを用いて酸化することができる(これらの反応の例は、Smith,M.B.;March,J.M.Advanced Organic Chemistry,Wiley−Interscienceを参照)。
式(IIC)で示される化合物は、ビニルエステル(IV)の、例えばTHF中t−ブチルヒドロペルオキシドおよびカリウムt−ブトキシドでの酸化による慣用的なエポキシ化により調製することができる。
【0037】
中間体(IV)への経路をスキーム2に示す:
【化15】

NBS=N−ブロモスクシニミド
TMSCl=クロロトリメチルシラン
TMSCHN=(トリメチルシリル)ジアゾメタン
【0038】
フルオロ−アニリン(XV)をアシル化してクロロアセトアミド(XIV)に変換し、これをニトロ化して(XIII)を得、ついで、加水分解して、ニトロアニリン(XII)を得た。これを、シアノ酢酸および五塩化リンで処理することにより(S.T.Hazeldine et al,J.Med.Chem.,2002,44,1758の方法により)シアノアセトアミド(XI)に変換した。別法として、ニトロ−クロロアセトアミド(XIII)を、シアン化カリウムで処理して、シアノアセトアミド(XI)に直接変換した。ピリジン中水酸化ナトリウムで環化して、シアノキノキサリノン−N−オキシド(X)を得、これを亜ジチオン酸ナトリウムで還元してシアノ基を除去して、式(IX)の化合物を得た。これを最初にオキシ塩化リンで塩素化し、ついで、ナトリウムメトキシドで処理するか、あるいは(IX)を、(トリメチルシリル)ジアゾメタンで、トリエチルアミンの存在下でメチル化し、メチル基をN−ブロモスクシニミドで官能化して、ブロモメチルアナログ(VII)を得ることができる。これをニトリル(VI)に変換し、酸触媒メタノリシス(メタノール中TMSClまたはHCl)に付して、メチルエステル(V)を得、ついで、パラホルムアルデヒドでビニル化する。(V)と脱メチル化物質が形成されたが、これは再びTMS−ジアゾメタンでメチル化することができる。この経路は特にR1a=Fである場合に適している。
【0039】
1a基の相互変換は、通常、式(I)または式(IIB)で示される化合物に対して、実施され得る。例えば、R1aのメトキシは、リチウムとジフェニルホスフィン(Irelandら、J.Amer.Chem.Soc.、1973、7829)またはHBrで処理することでR1aヒドロキシに変換可能である。ヒドロキシ基をハライドなどの脱離基を担持する適当なアルキル誘導体でアルキル化に付し、R1a置換のアルコキシを得る。R1aのハロゲンは慣用的手段により他のR1a、例えば金属触媒カップリング反応を用い、一例としてSynlett(2003)、15、2428−2439およびAngewandte Chemie、International Edition、2003、42(44)、5400−5449にて報告されているように銅を用いて、ヒドロキシ、アルキルチオール(チオールを介する)およびアミノに変換可能である。R1aのフルオロはメタノール中でのナトリウムメトキシドで処理することでメトキシに変換可能である。R1aのブロモなどのハロは、N,N−ジメチルホルムアミド中、シアン化銅(I)で処理することでシアノに変換できる。R1aのカルボキシは、R1aのシアノを通常の加水分解に付し、カルボキシを慣用的な還元によりヒドロキシメチルに変換することにより得ることができる。
【0040】
式HA−N(R20)R2’および(V)で示される化合物は、公知の化合物であるか、あるいは、公知の化合物と同様に調製することができる(例えば、WO2004/035569、WO2004/089947、WO02/08224、WO02/50061、WO02/56882、WO02/96907、WO2003087098、WO2003010138、WO2003064421、WO2003064431、WO2004002992、WO2004002490、WO2004014361、WO2004041210、WO2004096982、WO2002050036、WO2004058144、WO2004087145、WO2003082835、WO2002026723、WO06002047、WO06014580、WO06002047およびWO06014580を参照)。
【0041】
スキーム3に示されるように、式(13)(HA−NH(R20)、Aは(ii)であり、XはCRであり、Wは結合であり、WおよびWは両方CHであり、RおよびRはHであり、RはOHである)で示されるヒドロキシ−アミノメチルピロリジンは、二重保護キラル重合体中間体(16)から調製することができ、分取HPLCにより分離することができる。ベンジルオキシカルボニル保護基を水素化により除去して(15)を得、アミノ官能基をトリフルオロアセトアミド(14)に変換する。t−ブトキシカルボニル(Boc)保護基をHClで除去して、ピロリジン塩酸塩(13)を得る。
【0042】
【化16】

DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
【0043】
中間体(16)は、スキーム4の一般方法により調製することができる:
【化17】

試薬および条件:(a)N−ヒドロキシベンジルアミン塩酸塩、パラホルムアルデヒド、トルエン、エタノール、80℃;(b)Pd(OH)、H(50psi)、MeOH、室温;(c)ベンジルオキシカルボニル−スクシニミド、EtN、ジクロロメタン、室温。
【0044】
スキーム5において、式(17)(HA−NH(R20)、Aは(ii)であり、XはCRであり、Wは結合であり、WおよびWは両方CHであり、R、RおよびRはすべてHである)で示されるアミノメチルピロリジンは市販のBoc−保護アミノメチルピロリジンから調製することができ、トリフルオロアセトアミドに変換することができる。
【0045】
【化18】

DMAP=4−ジメチルアミノピリジン
【0046】
式(21)(HA−NH(R20)、Aは(ii)であり、XはOであり、W、WおよびWはCHである)で示されるアミノメチルモルホリン中間体は、キラルジクロロベンジル中間体(23)(WO2003082835)(スキーム6)から、最初にアミノ基をBoc−保護基(22)で保護し、ジクロロベンジル基を水素化により除去して(21)を得、モルホリンN−原子をベンジルオキシカルボニル基で保護して(クロマトグラフィーによる精製を可能にする)(20)を得、水素化して、必要なモルホリン誘導体(21)を得ることにより調製することができる。
【0047】
【化19】

【0048】
式(I)の化合物を調製するためのさらに詳細な記載が実施例に記載されている。
本発明の抗菌化合物は、ヒトまたは獣医学にて用いるために、他の抗菌剤から類推して都合のよい投与方法に処方されてもよい。
本発明の医薬組成物は、経口、局所または非経口使用に適した形態であるものを含み、ヒトを含む哺乳動物の細菌感染症の治療に用いることができる。
【0049】
組成物はいずれの経路による投与にも処方することができる。組成物は、錠剤、カプセル、散剤、顆粒、ロゼンジ、クリームまたは液体製剤、例えば経口または滅菌非経口溶液または懸濁液の形態であってもよい。
本発明の局所処方は、例えば、軟膏、クリームまたはローション、眼用軟膏および点眼または点耳剤、含浸包帯およびエアロゾールとして提供することができ、適当な慣用的な添加剤、例えば保存剤、薬剤の浸透を補助する溶媒および軟膏およびクリームの皮膚軟化剤を含有してもよい。
【0050】
また、処方は、適合する慣用的な担体、例えばクリームまたは軟膏基剤およびローション用のエタノールまたはオレイルアルコールを含有してもよい。かかる担体は、処方の約1%〜約98%で存在しうる。より一般的には、これらは処方の約80%までを形成するであろう。
【0051】
経口投与用の錠剤およびカプセルは、単位投与剤形であってもよく、慣用的な賦形剤、例えば結合剤、例えば、シロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカントまたはポリビニルピロリドン;充填剤、例えば、ラクトース、糖、トウモロコシデンプン、リン酸カルシウム、ソルビトールまたはグリシン;打錠滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコールまたはシリカ;崩壊剤、例えば、ジャガイモデンプン;または許容される湿潤剤、例えばラウリル硫酸ナトリウムを含有してもよい。錠剤は、通常の薬務にて周知の方法に従って被覆されていてもよい。経口用液体製剤は、例えば、水性または油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップまたはエリキシルの形態であってもよく、使用前に水または適当なビヒクルで復元する乾燥製剤として提供してもよい。かかる液体製剤は、慣用的な添加剤、例えば懸濁化剤、例えば、ソルビトール、メチルセルロース、グルコース、シロップ、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ステアリン酸アルミニウムゲルまたは硬化食用油、乳化剤、例えば、レシチン、ソルビタンモノオレアートまたはアカシア;非水性ビヒクル(食用油を含んでいてもよい)、例えば、アーモンド油、油性エステル、例えばグリセリン、プロピレングリコールまたはエチルアルコール;保存剤、例えば、p−ヒドロキシ安息香酸メチルもしくはp−ヒドロキシ安息香酸プロピルまたはソルビン酸および、要すれば、慣用的な矯味矯臭剤または着色剤を含有してもよい。
【0052】
坐剤は、慣用的な坐剤基剤、例えば、カカオバターまたは他のグリセライドを含有するであろう。
非経口投与の場合、液体単位剤形は、化合物および滅菌ビヒクル(水が好ましい)を用いて調製される。使用するビヒクルおよび濃度に応じて、化合物をビヒクル中に懸濁または溶解することができる。溶液の調製において、化合物を注射用水に溶解し、滅菌濾過し、ついで、適当なバイアルまたはアンプルに充填して、密封する。
【0053】
有利には、局所麻酔剤、保存剤および緩衝化剤のような薬剤をビヒクル中に溶解することができる。安定性を増強するために、組成物を、バイアルに充填した後に冷凍し、減圧下で水を除去する。ついで、凍結乾燥粉末をバイアル中に密閉し、注射用水のバイアルを一緒に供給し、使用前に液体に復元してもよい。非経口用懸濁液は、化合物をビヒクル中に溶解するかわりに懸濁し、滅菌を濾過により行えないことを除いて、実質的に同様の方法で調製する。化合物は、滅菌ビヒクルに懸濁する前に、エチレンオキシドに曝すことにより滅菌することができる。有利には、界面活性剤および湿潤剤は、化合物の均一な分散を促進するために組成物中に含まれる。
【0054】
組成物は、投与方法に応じて、0.1重量%から、好ましくは10〜60重量%の活性物質を含有してもよい。組成物が単位投与量を含んでいる場合、各々の単位は、好ましくは、50−1000mgの活性成分を含有するであろう。成人の治療に用いられる投与量は、好ましくは、1日あたり100−3000mg、例えば、投与経路および頻度に応じて1日あたり1500mgであろう。かかる投与量は、1日あたり1.5〜50mg/kgに相当する。適当には、投与量は1日あたり5〜30mg/kgである。
【0055】
式(I)の化合物は、本発明の組成物中にある唯一の治療剤であってもよく、あるいは、他の抗菌剤と組み合わせてもよい。他の抗菌剤がβ−ラクタムである場合、β−ラクマターゼ阻害剤を用いてもよい。
式(I)の化合物は、グラム−陰性およびグラム−陽性の生物の両方を含む広範囲の生物により惹起される細菌感染の治療に用いることができる。式(I)の化合物のいくつかは1種以上の生物に対して活性であり得る。このことは以下に記載の試験方法により測定され得る。
【0056】
限定するものではないが、本明細書に示された特許および特許出願を含むすべての刊行物は、出典明示により本明細書の一部とする。
以下の実施例は、式(I)で示される特定の化合物の調製および種々の細菌性生物に対する式(I)で示される特定の化合物の活性を説明する。
【実施例】
【0057】
実施例および実験例
一般
実施例における略語
RT=室温
MS=質量スペクトル
ES=エレクトロスプレー質量分析
LC/MSまたはLC−MS=液体クロマトグラフィー質量分析
HPLC=高速液体クロマトグラフィー(Rtは保持時間を示す)
MDAPまたはMass directed autoprep=マス・ディレクティド分取HPLC(ZQ質量分析計(Waters)を用いる)
【0058】
ある種の試薬もまた本明細書内で省略される。DMFはN,N−ジメチルホルムアミドを、TFAはトリフルオロ酢酸を、THFはテトラヒドロフランを、Pd/Cは炭素担持パラジウム触媒を、DCMはジクロロメタンを、MeOHはメタノールを意味する。
【0059】
プロトン核磁気共鳴(H NMR)スペクトルは、400または250MHzで記録し、化学シフトは、内部標準テトラメチルシラン(TMS)からダウンフィールドへの百万分率(ppm)で記録する。NMRデータに関する略語は下記の通りである:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット、dd=ダブレットダブレット、dt=ダブレットトリプレット、td=トリプレットダブレット、br=ブロード。CDClは重トリクロロホルムである。質量スペクトルは、エレクトロスプレー(ES)イオン化法を用いて取得した。全ての温度は摂氏で記録する。
【0060】
MP−カルボネートは、マクロ多孔性トリエチルアルミニウムメチルポリスチレンカルボネート(Argonaut Technologies)を意味する。Chiralpak ADおよびAD−Hカラムは、アミローストリス(3,5−ジエチルフェニルカルバメート)でコートされた分取カラム(5um粒度、AD−H 21mm ID×250mmL;20um 粒度AD、101.1mmID×250mmL)のシリカを含む(Chiral Technologies USA)。測定した保持時間は、クロマトグラフィー法の上記条件に依存する。実施例において引用される場合、これらは溶出の順序を示す。
【0061】
トリエテニルボロキシン・ピリジン複合体(2,4,6−トリビニルシクロトリボロキサン:ピリジン複合体)の調製は、Kerins,Fergal;O’Shea,DonalF.J.Org.Chem.(2002),67(14),4968)に記載されている。
【0062】
セライト(登録商標)は、酸洗浄珪藻シリカからなる濾過補助剤であり、Manville Corp.,Denver,Coloradoの商標である。
【0063】
当業者であれば、他の調製物に対して同様の方法にて、または一般的方法により実施される調製に対する言及は、時間、温度、後処理条件、試薬量等のわずかな変化などの慣用的パラメータの変形を包含しうることを認識するであろう。
【0064】
水素化リチウム、水素化アルミニウムリチウム、水素化ジ−イソブチルアルミニウム、水素化ナトリウム、ボロヒドリドナトリウムおよびトリアセトキシボロヒドリドナトリウムを含む水素化金属が関与する反応は、アルゴン雰囲気下で行う。
【0065】
実施例1 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化20】

【0066】
(a)2−クロロ−N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)アセトアミド
クロロアセチルクロライド(38.4ml、480mmol)の酢酸エチル(100ml)中溶液を、3−フルオロ−2−メチルアニリン(60g、480mmol)、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(400ml)、氷(約100g)および酢酸エチル(400ml)の強く撹拌した混合物にゆっくりと加えた。いくらかの固体が形成し、ついで溶解した。1時間後、混合物を蒸発させて、酢酸エチルを除去し、濾過し、水で洗浄した。得られた生成物を減圧下で乾燥した(94.4g、98%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 202/204[MH
【0067】
(b)2−クロロ−N−(3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロフェニル)アセトアミド
2−クロロ−N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)アセトアミド(47.2g、234mmol)の濃硫酸(220ml)中溶液を、約−20℃(エタノール/水/CO浴)にて、濃硝酸(69%、15.25ml、19g、235mmol)で30分にわたって、内部温度を≦9℃に保ちながら処理した。反応は添加の最後に完了した。混合物を強く撹拌しながら氷に加え、ついで、一晩静置した。濾過し、固体を水で洗浄し、乾燥して、約9%の不純物を含有する生成物を得た(54.6g、95%)。
LC/MS(−veイオンエレクトロスプレー):m/z 245/247[(M−H
【0068】
(c)3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロアニリン
2−クロロ−N−(3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロフェニル)アセトアミド(47.2gの2−クロロ−N−(3−フルオロ−2−メチルフェニル)アセトアミドから調製した、約234mmol)を、水(220ml)中に懸濁し、ついで、水酸化ナトリウム水溶液(12.5M、110ml、1.37mol)で処理した。テトラヒドロフラン(110ml)を加え、混合物を5時間加熱還流し、蒸発させた(ほとんどのテトラヒドロフラを除去した)。黄色固体を濾過し、水で洗浄液が非アルカリ性になるまで洗浄した。減圧下で乾燥して、約13%の不純物を含む黄色固体(32.3g、2工程で81%)を得た。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 171[MH
【0069】
(d)2−シアノ−N−(3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロフェニル)アセトアミド
方法A
3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロアニリン(10.0g、58.8mmol)およびシアノ酢酸(10.1g、117.5mmol)の乾燥トルエン(500ml)中溶液に、五塩化リン(25.8g、117.5mmol)を加えた。ついで、混合物を120〜125℃に加熱し、この間、混合物に空気を通した。2.5時間後、1gのシアノ酢酸および2.6g五塩化リンを追加し、加熱を1時間続け、この間混合物に空気を通した。冷却した後、トルエンを蒸発させ、残渣を酢酸エチル中に溶解し、ブライン、ブライン/炭酸水素ナトリウム(2回)およびブラインで洗浄し、乾燥し、蒸発させた。粗生成物をエタノールから再結晶し、濾過し、エタノール/ペトロール(1:1)で線上し、乾燥して、生成物10.72g(77%)を得、これはいくらかの6−フルオロ−5−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−キノキサリンカルボニトリル1−オキシド(TLCで低展開速度黄色スポット、1:1酢酸エチル/ヘキサン)を含んでいた。
【0070】
方法B
ジメチルホルムアミド(20ml)中の2−クロロ−N−(3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロフェニル)アセトアミド(2.7g、11mmol)を、シアン化カリウム(1.08g、16.6mmol)で処理し、混合物を室温にて約24時間撹拌した。ジメチルホルムアミドを蒸発させ、残渣を酢酸エチル/水中に溶解した。水相を酢酸エチルで数回抽出し、有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。粗生成物をエタノール/ペトロール(40〜60℃)から再結晶して、固体(1.44g、55%)を得た。
LC/MS(−veイオンエレクトロスプレー):m/z 236[(M−H
【0071】
(e)6−フルオロ−5−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−キノキサリンカルボニトリル1−オキシド
2−シアノ−N−(3−フルオロ−2−メチル−6−ニトロフェニル)アセトアミド(11.17g、45mmol)を、ピリジン(50ml)と混合し、1M水酸化ナトリウム水溶液(46ml)を加えた。混合物を室温にて約24時間撹拌し、ついで、水を加えて固体を溶解し、混合物を濾過し、水で洗浄した。濾液(約300ml)を5MのHClで約pH6に酸性化した。沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、8.13gの生成物を得た。濾液をpH1に酸性化し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出物を乾燥し、蒸発させ、残渣をトルエンと共沸させて、出発物質のアセトアミドをいくらか含有する2.28gの生成物を得た。
総収率10.41g、約7%アセトアミドを含む。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 220[MH
【0072】
(f)7−フルオロ−8−メチル−2(1H)−キノキサリノン
6−フルオロ−5−メチル−3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2−キノキサリンカルボニトリル1−オキシド(15.9g、71.8mmol)および亜ジチオン酸ナトリウム(36.7g、179.6mmol)のエタノール(200ml)および水(400ml)中混合物を、HCNトラップ用の漂白剤を充填したボトルに通じるコンデンサーの頂部にアルゴンを流して、1時間加熱還流した。冷却した混合物を、希HClで注意深くpH1に酸性化し、混合物を45分間室温で撹拌した。水酸化ナトリウム(50%水溶液)を加えて約pH11にし、混合物を蒸発させて、約500mlを除去した。残渣を希HClでpH6に酸性化し(注:シアニドは依然として存在する)、沈殿物を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、固体を得た(10.37g、81%)。水溶液を10%メタノール/ジクロロメタンで抽出し、抽出物を蒸発させて、さらに少量の生成物を得た(0.8g)。総収量は11.2g、88%であった。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 179[MH
【0073】
(g)2−クロロ−7−フルオロ−8−メチルキノキサリン
オキシ塩化リン(30ml)中の7−フルオロ−8−メチル−2(1H)−キノキサリノン(5.75g、32.3mmol)を2時間加熱還流した。オキシ塩化リンを蒸発により除去し、残渣を炭酸水素ナトリウムで塩基性化し、酢酸エチルで数回抽出した。抽出物を乾燥し、蒸発させ、残渣をジクロロメタン中に溶解し、シリカ(20g)のショートカラムにすぐに通し、さらにジクロロメタンで洗浄した。溶媒を除去して生成物を得た(4.13g、65%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 197/199[MH
【0074】
(h)7−フルオロ−8−メチル−2−(メチルオキシ)キノキサリン
2−クロロ−7−フルオロ−8−メチルキノキサリン(4.1g、20.9mmol)を、乾燥メタノール中に懸濁し、ナトリウムメトキシドのメタノール(4.73ml、21.9mmol)中25%溶液をシリンジで加えた。混合物を2時間加熱還流し、ついで、蒸発させた。残渣をジクロロメタンおよび水中に溶解し、相を分離した。水相をジクロロメタンで2回抽出し、合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させて、生成物を得た(3.84g、96%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 193[MH
【0075】
(i)8−ブロモメチル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)キノキサリン
乾燥クロロホルム(1L)中の7−フルオロ−8−メチル−2−(メチルオキシ)キノキサリン(50g、260mmol)に、N−ブロモスクシニミド(52g、292mmol)およびベンゾイルペルオキシド(70%、0.42g)を加え、混合物を加熱還流し、120Wランプで、2時間照射した。冷却した後、混合物を水で洗浄した。水相を再びジクロロメタンで2回抽出し、合した有機フラクションを水で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、生成物を得た(72.1g、100%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 271/273[MH
【0076】
(j)[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]アセトニトリル
8−ブロモメチル−7−フルオロ−2−(メチルオキシ)キノキサリン(5.89g、20mmol)およびシアン化カリウム(3.2g、49mmol)のジメチルホルムアミド(125ml)中混合物を、50℃で40時間加熱した。さらにシアン化カリウム(0.8g)を加え、60℃で8時間加熱を続けた。ついで、混合物を蒸発させ、残渣をジクロロメタン中に溶解し、水で洗浄した。水相をジクロロメタンで2回抽出し、合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−25%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカクロマトグラフィー(300g)に付して、生成物を得た(2.47g、57%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 218[MH
【0077】
(k)[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]酢酸メチル
[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]アセトニトリル(1.47g、6.8mmol)の無水メタノール(45ml)中溶液に、クロロトリメチルシラン(2.53ml、19.9mmol)をシリンジで加えた。70℃で一晩加熱した後、さらに6.0mlのクロロトリメチルシランを加え、週末にわたって加熱を続けた。混合物を小容量になるまで濃縮し、残渣を炭酸水素ナトリウム水溶液で塩基性化し、酢酸エチルで3回抽出した。抽出物を乾燥し、蒸発させた。0−5%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィー(100g)に付して、エステル(1.14g、67%)といくらかの回収されたニトリル(0.36g、24%)を得た。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 251[MH
【0078】
(l)2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−2−プロペン酸メチル
[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]酢酸メチル(7.2g、28.8mmol)、炭酸カリウム(11.4g)、ベンジル(トリエチル)塩化アンモニウム(19.3g)およびパラホルムアルデヒド(11.4g)のシクロヘキサン(180ml)中混合物を、80℃で約26時間加熱した。冷却した後、酢酸エチルおよび水を加え、相を分離した。水相を酢酸エチルで3回抽出し、合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。粗生成物を、ジクロロメタンで溶出するシリカのクロマトグラフィー(450g)に付して、プロペノエートを得た(6.76g、90%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 263[MH
【0079】
(m)3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]−2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]プロパン酸メチル
2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−2−プロペン酸エチル(13.64g、52.1mmol)、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(11.45g、57.3mmol)および1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(3.12ml)の乾燥ジメチルホルムアミド(300ml)中混合物を、65℃(浴温度)で17時間加熱した。溶媒を蒸発させ、残渣を酢酸エチルおよび水中に溶解した。水相を酢酸エチルで2回抽出し、合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。2〜5%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィー(1000g)に付して生成物を得た(21.81g、91%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 463[MH
【0080】
(n)1,1−ジメチルエチル (1−{2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート
3−[4−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)−1−ピペリジニル]−2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]プロパン酸メチル(21.8g、47.2mmol)の乾燥テトラヒドロフラン(500ml)中溶液を、CO(固体)/アセトニトリル/水浴(−40〜−45℃)で冷却し、水素化アルミニウムリチウム(テトラヒドロフラン中1M、76.2ml)でゆっくりと処理した。混合物を−30〜−40℃(内部温度)で、7時間撹拌し、さらに水素化アルミニウムリチウム(8ml)を5.5時間後に加えた。水酸化ナトリウム(2M)を、濾過可能な沈殿物が得られるまで注意深く滴下した。混合物を酢酸エチルで希釈し、Kieselguhrで濾過し、酢酸エチルで洗浄し、蒸発させた。粗生成物を、0−6%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカのクロマトグラフィー(1000g)に付して、依然として不純物を含有する所望の生成物(12.31g)、および所望の生成物および1,1−ジメチルエチル (1−{2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−1,2−ジヒドロ−5−キノキサリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメートの1:1混合物(7.58g)を含む後のフラクションを得た。
この1:1混合物質(7.58g)をジクロロメタン(250ml)中に溶解し、酸化マンガン(IV)(15.6g)と室温にて2.5時間撹拌した。混合物をKieselguhrで濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、蒸発させた。
残渣を、前に得られた不純物(12.31g)と合し、0−5%ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカのクロマトグラフィー(2バッチ、3g、シリカ(100g))に付し、ついで、残りを0−10%ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカ(750g)に付し、ついで、両方の混合したフラクションを、0−10%ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカカラム(100g)に付して生成物を得た(10.7g、全体で52%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 435[MH
【0081】
(o)1,1−ジメチルエチル {1−[(7−フルオロ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
1,1−ジメチルエチル (1−{2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−3−ヒドロキシプロピル}−4−ピペリジニル)カルバメート(10.8g、25mmol)、無水メタンスルホン酸(5.12g、28.7mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.8ml、56mmol)の乾燥クロロホルム(140ml)中混合物を、室温にて0.5時間撹拌し、ついで、3日間加熱還流した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水相をジクロロメタンで抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。残渣を、0−5%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカのクロマトグラフィー(500g)に付して、生成物を得た(8.13g、81%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 403[MH
【0082】
(p)6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン
1,1−ジメチルエチル {1−[(7−フルオロ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(8.13g、20.2mmol)のジクロロメタン(150ml)およびメタノール(100ml)中溶液を、氷水中で冷却した。1,4−ジオキサン(4M、160ml)中の塩化水素を徐々に加え、ついで、混合物を1.5時間撹拌した。混合物を蒸発させ、残渣をエーテルでトリチュレートし、濾過した。固体を部分的に25%メタノール/ジクロロメタン(200ml)中に溶解し、MP−カルボネート(3.03mmol/g、27g)と1時間撹拌した。樹脂を濾過し、10%メタノール/ジクロロメタンおよびメタノールで交互に溶出し、濾液を蒸発させて、生成物を得た(5.96g、98%)。
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 303[MH
【0083】
(q)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(75%純度、85mg、0.21mmol)および2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルボキシアルデヒド(合成に関しては、WO2004058144実施例2(c)またはWO03/087098実施例19(d)を参照)(34mg、0.21mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、6ml)中溶液を、約24時間加熱還流した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(147mg、0.69mmol)を加え、混合物を約5h室温にて撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水相10%メタノール/ジクロロメタンで3回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。質量に基づいて回収する逆相HPLC系のクロマトグラフィー(MDAP)(アセトニトリル/水/ギ酸で溶出、非常に小容量のHClを、粗生成物の注入用1:1DMSO/アセトニトリル中への溶解を補助するために加え、m/z 452でモニターした)に付して、ラセミのギ酸塩(82mg)を得た。これを炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、10%メタノール/ジクロロメタンで3回抽出した。抽出物を乾燥し、蒸発させて、ラセミの遊離塩基を得た。
δH(d−4メタノール,250MHz)1.44(2H,m),1.89(2H,m),2.09(1H,td),2.24(1H,td),2.50(2H,m),2.75(1H,brd),2.86(1H,dd),3.00(1H,brd),3.80(2H,s),4.02(1H,m),4.28(2H,m),4.33(2H,m),4.50(2H,m),6.83(1H,s),6.97(1H,t),7.68(1H,dd),8.11(1H,s),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 452[MH
ラセミ遊離塩基(118mg)を、アセトニトリル/メタノール/イソプロピルアミン(50:50:0.1、20ml/分)で溶出するChiralpak AD−H(登録商標)(5u)カラム(21×250mm)を用いるキラル分取HPLCにより分離して、E1異性体(55mg)を、Rt7.3分、α+47(0.1%、MeOH)、ee>99%で得た。
これを慣用的な方法により二塩酸塩に変換した。
【0084】
実施例2 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2二塩酸塩
【化21】

ラセミ6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(118mg)を、アセトニトリル/メタノール/イソプロピルアミン(50:50:0.1、20ml/分)で溶出するChiralpak AD−H(登録商標)(5u)カラム(21×250mm)を用いるキラル分取HPLCにより分取して、E2異性体(55mg)を、Rt12.2分、α−45(0.1%、MeOH)、ee>99%で得た。
これを慣用的な方法により二塩酸塩に変換した。
【0085】
実施例3 6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化22】

【0086】
(a)3,4,6−トリクロロピリダジン
Kasnar et al,Nucleosides & Nucleotides,(1994),13(1−3),459−79の方法を少し改変することによりこれを調製した。硫酸ヒドラジン塩(51g)を水(250ml)中に懸濁し、加熱還流し、無水ブロモマレイン酸(90.38g)を滴下した。混合物を4時間加熱還流し、ついで、室温に冷却した。反応を29g硫酸ヒドラジン、53g無水ブロモマレイン酸および130ml水で繰り返した。沈殿物を濾過により回収し、水およびアセトンで洗浄し、合したバッチを減圧下で乾燥して、4−ブロモ−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオンを白色固体として得た(113g)。
2つのバッチでのこの固体をオキシ塩化リン(2×200ml)で処理し、3.5時間加熱還流した。混合物を冷却し、蒸発させ、トルエンと共沸させた。残渣をジクロロメタンおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液間で分配し、DCMで2回以上抽出した。有機抽出物を乾燥し、蒸発させた。この残渣をジクロロメタンに再び溶解し、シリカゲル(300g)のクロマトグラフィー(溶出液としてDCM)に付して、白色固体を得た(101.5g、87%)。
(LC/MS分析は約20−30%の不純物を示し、ブロモ−ジクロロピリダジン)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 184/185/186(MH+),トリクロロピリダジン
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 228/229/231(MH+),ブロモ−ジクロロピリダジン
【0087】
(b)2−[(3,6−ジクロロ−4−ピリダジニル)オキシ]エタノール
エチレングリコール(55ml)のテトラヒドロフラン(200ml)中溶液を、0℃付近(氷浴で冷却)で、水素化ナトリウム(油中60%分散液、5.9g)で40分にわたって処理した。添加が完了した後、不純物としてのブロモ−ジクロロピリダジンの異性体を含有する3,4,6−トリクロロピリダジン(27g)を加え、さらに乾燥THF(50ml)で洗浄し、混合物を0℃で1時間、ついで、室温にて一晩撹拌した。混合物を濃縮し(1/3容量まで)、ついで、炭酸水素ナトリウム水溶液で希釈し、クロロホルム(5×)および酢酸エチル(3×)で抽出した。合した有機抽出物を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、固体を濾過し、CHCl(×3)で洗浄し、減圧オーブンで一晩40℃で乾燥して、いくらかのブロモ−誘導体(10−15%)を含む白色固体を得た(25.5g、83%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 209/211(MH+)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 255/7(MH+)、ブロモ−誘導体
【0088】
(c)3−クロロ−6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン
いくらかのブロモ−誘導体(15.46g;0.0703mol)を含有する2−[(3,6−ジクロロ−4−ピリダジニル)オキシ]エタノールの乾燥1,4−ジオキサン(1.2L)中溶液を、水素化リチウム(2.3g;0.28mol)で処理し、室温にて1時間、アルゴン雰囲気下で撹拌し、ついで、110℃で一晩加熱した。反応混合物を湿1,4−ジオキサン、ついで、氷水でクエンチした。溶液を蒸発させて半分の容量にし、5M塩酸でpH8とし、蒸発させて、乾燥した。水を加え、残渣をクロロホルムで5回洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させて、白色固体を得た(12.4g、約77%)(約15%のブロモ種を含有)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 173/5(ClMH+);217/9(BrMH+)
【0089】
(d)3−エテニル−6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン
約15%のブロモ種を含有する3−クロロ−6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン(13.6g、0.079mol)のジメトキシエタン(400ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で10分間脱気し、ついで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(2g)、炭酸カリウム(10.33g)、トリエテニルボロキシンピリジン複合体(11.32g)および水(55ml)を加えた。混合物を95℃で48時間加熱し、冷却し、蒸発させて、乾燥した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、DCMで抽出した(×5)。抽出物を乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、残渣を、0−100%酢酸エチル−ヘキサンで溶出するシリカゲルのクロマトグラフィー(500g)に付して生成物を得た(6.43g、50%);[またいくらかの不純物フラクションを得た(1.8g)]。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 165(MH+)
【0090】
(e)6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド
3−エテニル−6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン(11.58g)の1,4−ジオキサン/水(600ml/180ml)中氷冷溶液を、四酸化オスミウムの水溶液(4%w/v、25ml)および過ヨウ素酸ナトリウム(43g)の水溶液で処理した。この混合物を室温に加温し、撹拌しながら7時間後、混合物を蒸発させて、乾燥し、1,4−ジオキサンと共沸させた。シリカゲル、1,4−ジオキサンおよびクロロホルムを加え、混合物を蒸発させて、一晩乾燥し、ついで、シリカカラム(400g)に加え、クロロホルム、ついで、ヘキサン中0−100%酢酸エチルで溶出するクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(7.55g、64%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 167(MH+)
【0091】
(f)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(95mg、0.31mmol)および6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(52mg、0.31mmol、96%純度)のクロロホルム/メタノール(1:1、4ml)中の溶液を加熱し、3Åモレキュラーシーブと80℃で18時間撹拌した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(200mg、0.94mmol)を加え、混合物を室温にて6時間撹拌した。ららに、トリアセトキシボロヒドリド(100mg)を加え、混合物をさらに2時間撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウムでクエンチし、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで4回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し(NaSO)、蒸発させた。0−20%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィー(20g)に付して遊離塩基を得た。
δH(CDCl,400MHz)1.45(2H,m),1.91(2H,m),2.09(1H,td),2.24(1H,td),2.50(1H,m),2.58(1H,m),2.78(1H,brd),2.88(1H,dd),3.00(1H,brd),4.03(2H,s+1H,m),4.38(2H,m),4.50(4H,m),6.98(1H,t),7.06(1H,s),7.68(1H,dd),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 453[MH
メタノール/クロロホルム中の遊離塩基を、1,4−ジオキサン中4M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレートしし、乾燥して、二塩酸塩を黄色固体として得た(68mg)。
【0092】
実施例4 6−({4−[(2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化23】

【0093】
(a){5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−2−ピリジニル}酢酸メチル
(5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2−ピリジニル)酢酸メチル(合成に関しては、WO2004058144実施例60(d)を参照)(10g、23mmol)をアセトニトリル(400ml)中に溶解し、トリエチルアミン(65ml)およびヨウ化銅(I)(0.44g、2.3mmol)を加えた。混合物を脱気し、アルゴン雰囲気下に置いた。トリメチルシリルアセチレン(10ml、69mmol)およびビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロライド(0.645g、0.9mmol)を加え、混合物を45℃で18時間加熱した。混合物を冷却し、濾過した。濾液を蒸発させて、乾燥し、残渣酢酸エチルおよび水間で分配した。有機層を分離し、乾燥し(硫酸ナトリウム)た。40−60℃石油エーテル中20−75%酢酸エチルの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して油を得た(8.45g、96%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 384(MH+)
【0094】
(b){5−ヒドロキシ−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−2−ピリジニル}酢酸メチル,トリフルオロアセテート
ジクロロメタン(70ml)中の{5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−2−ピリジニル}酢酸メチル(8.45g、22mmol)を、トリフルオロ酢酸(9.4ml)およびトリエチルシラン(3.33ml)で処理し、常温で18時間撹拌した。混合物を蒸発させて、乾燥し、ジクロロメタン中の2−8%メタノールの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、油を得た(10g、100%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 264(MH+)
【0095】
(c)フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル酢酸メチル
{5−ヒドロキシ−4−[(トリメチルシリル)エチニル]−2−ピリジニル}酢酸メチル、トリフルオロアセテート)(10g、22mmol)をピリジン(200ml)中に溶解し、ヨウ化銅(I)(5.2g、27mmol)で処理し、ついで、18時間加熱還流した。混合物を冷却し、蒸発させて、乾燥し、残渣を酢酸エチルおよび水間で分配した。この混合物をKieselguhrにより濾過して、銅残渣を除去した。有機層を濾液から分離し、乾燥し、40−60℃石油エーテル中の10−60%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル酢酸メチル(1.15g、27%)および極性が低い生成物[2−(トリメチルシリル)フロ[2,3−c]ピリジン−5−イル]酢酸メチル(1.3g、23%)を油として得た。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 192(MH+)およびMS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 264(MH+)
【0096】
(d)フロ[2,3−c]ピリジン−5−イルメタノール
1,4−ジオキサン(30ml)および水(10ml)中のフロ[2,3−c]ピリジン−5−イル酢酸メチル(1.15g)の溶液を、2M水酸化ナトリウム(12ml)で処理し、ついで、常温で18時間撹拌した。ついで、混合物を酢酸エチルおよび水間で分配した。有機フラクションを分離し、乾燥し、蒸発させて、乾燥し、油を得た(0.63g、70%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 150(MH+)
【0097】
(e)2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イルメタノール
フロ[2,3−c]ピリジン−5−イルメタノール(1.29g、8.7mmol)をエタノール(50ml)中に溶解し、室温、1気圧、10%炭素担持パラジウムペーストで、18時間水素化した。混合物をKieselguhrで濾過し、濾液を蒸発させ、乾燥して、生成物を得た(1.31g、100%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 152(MH+)
【0098】
(f)2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−カルバルデヒド
2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イルメタノール(1.31g、8.7mmol)をジクロロメタン(100ml)中に溶解し、二酸化マンガン(IV)(6g、69mmol)で処理し、18時間加熱還流した。Kieselguhrで濾過し、濾液を蒸発させて乾燥し、油を得た(0.9g、70%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 150(MH+)
【0099】
(g)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(95mg、0.31mmol)および2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−カルバルデヒド(46mg、0.31mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、8ml)中溶液を、3Åモレキュラーシーブと一緒に一晩加熱還流した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(220mg、1.03mmol)を加え、混合物を6時間室温にて撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで4回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−20%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して遊離塩基を得た(75mg、56%)。
δH(CDCl,250MHz)1.46(2H,m),1.90(2H,m),2.10(1H,td),2.25(1H,td),2.48(1H,m),2.55(1H,brm),2.77(1H,brd),2.87(1H,dd),3.00(1H,brd),3.19(2H,t),3.86(2H,s),4.01(1H,m),4.51(2H,m),4.61(2H,t),6.97(1H,t),7.21(1H,s),7.68(1H,dd),8.08(1H,s),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 436[MH
メタノール/クロロホルム中の有利塩基を、2当量の1,4−ジオキサン中0.4M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させて、二塩酸塩を得た(89mg)。
【0100】
実施例5 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化24】

【0101】
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(95mg、0.31mmol)および2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−7−カルバルデヒド(合成に関しては、WO03/087098実施例20(e)を参照)(50mg、0.31mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、8ml)中溶液を、3Åモレキュラーシーブで一晩還流温度で処理した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(220mg、1.03mmol)を加え、混合物を6時間室温にて撹拌した。さらにボロヒドリド(0.2g)を加え、加熱を3.5時間続けた。混合物を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで4回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−10%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して遊離塩基を得た(58mg、41%)。
δH(CDCl,250MHz)1.43(2H,m),1.88(2H,m),2.09(1H,td),2.23(1H,td), 2.50(2H,m),2.75(1H,brd),2.87(1H,dd),3.00(1H,brd),3.74(2H,s),4.01(1H,m),4.24(2H,m),4.40(2H,m),4.47(2H,m),6.98(1H,t),7.21(1H,d),7.68(1H,dd),7.74(1H,d),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 452[MH
メタノール/クロロホルム中の遊離塩基を、2当量の1,4−ジオキサン中0.4M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させて、二塩酸塩を得た(69mg)。
【0102】
実施例6 7−フルオロ−6−[(4−{[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化25】

6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(95mg、0.31mmol)および3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−カルボキシアルデヒド(合成に関しては、WO03/087098実施例31(e)を参照)(55mg、0.31mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、8ml)の溶液を、3Åモレキュラーシーブと一晩加熱還流した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(220mg、1.03mmol)を加え、混合物を6時間室温にて撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液洗浄し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで4回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−10%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、有利塩基を得た(102mg、71%)。
δH(CDCl,250MHz)1.46(2H,m),1.92(2H,m),2.10(1H,td),2.25(1H,td),2.51(2H,m),2.77(1H,brd),2.88(1H,dd),3.03(1H,brd),3.83(2H,s),4.02(1H,m),4.49(2H,m),4.64(2H,s),6.95(1H,d),6.98(1H,t),7.20(1H,d),7.67(1H,dd),8.20(1H,s).
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 464[MH
メタノール/クロロホルム中の遊離塩基を、2当量の1,4−ジオキサン中0.4M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させて、二塩酸塩を得た(121mg)。
【0103】
実施例7 7−フルオロ−6−[(4−{[(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリダジノ[3,4−b][1,4]チアジン−3−イル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化26】

6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(48mg、0.16mmol)および6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリダジノ[3,4−b][1,4]チアジン−3−カルボキシアルデヒド(合成に関しては、WO2004058144実施例58を参照)(50%純度、63mg、0.16mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、4ml)中溶液を、3Åモレキュラーシーブと一晩加熱還流した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(110mg、0.515mmol)を加え、混合物を室温にて5時間撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで数回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。質量に関して回収する逆相HPLC系のクロマトグラフィー(MDAP)(アセトニトリル/水/ギ酸で溶出、m/z 482に関してモニタリング)に付して、ギ酸塩を得た(14mg)。これを1,4−ジオキサンおよびメタノール中の4M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させて、二塩酸塩を得た(16mg)。
δH(d−4メタノール,400MHz)2.30(2H,m),2.58(2H,m),3.58(1H,m),3.66(4H,m),3.73(2H,m),3.80(1H,s),3.84(1H,m),3.98(1H,s),4.07(1H,m),4.59(2H,m),4.63(2H,s),4.80(1H,td),7.13(1H,s),7.18(1H,t),7.83(1H,dd),8.17(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 482[MH
【0104】
実施例8 6−({4−[(2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化27】

【0105】
(a){5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}酢酸メチル
トリフェニルホスフィン(39.3g、150mmol)のテトラヒドロフラン(600ml)融溶液を、0℃でビス(1−メチルエチル)(E)−1,2−ジアゼンジカルボキシレート(30ml、152mmol)で処理した。10分後、[5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]トト}オキシ)−4−オキソ−1,4−ジヒドロ−2−ピリジニル]酢酸メチル(33.5g、110mmol)(合成に関しては、WO2004058144、実施例60cを参照)を加えた。10分後、ベンジルアルコール(13g、120mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。蒸発させ、ヘキサン中20−40%酢酸エチルで溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して油を得た(26.3g、67%)(いくらかのトリフェニルホスフィンオキシドを不純物として含有する)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 394(MH+)
【0106】
(b){5−ヒドロキシ−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}酢酸メチルトリフルオロアセテート塩
{5−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}酢酸メチル(トリフェニルホスフィンオキシドを不純物として含む)(20g、50.8mmol)のジクロロメタン(500ml)中溶液を、トリエチルシラン(10ml、62.6mmol)で処理した。トリフルオロ酢酸(35ml、0.45mol)のジクロロメタン(200ml)中溶液を1時間にわたって加えた。2時間後、混合物を蒸発させ、50−100%酢酸エチル−ヘキサン、ついで、5−10%メタノール−DCMで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、固体を得、TFA塩をトリフェニルホスフィンオキシドと1:1混合物で得た(8.33g)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 274(MH+)
【0107】
(c)(5−{[2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)エチル]オキシ}−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2−ピリジニル)酢酸メチル
トリフェニルホスフィン(24.1g、92mmol)のテトラヒドロフラン(600ml)中溶液を、0℃で、ビス(1−メチルエチル)(E)−1,2−ジアゼンジカルボキシレート(18.1ml、92mmol)で処理した。30分後、5−ヒドロキシ−4−[(フェニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}酢酸メチルトリフルオロアセテート塩とトリフェニルホスフィンオキシドとの1:1混合物(23.8g、61.3mmol)およびトリエチルアミン(8.6ml、61.3mmol)のテトラヒドロフラン(200ml)中溶液を加えた。30分後、反応物を室温に加温し、さらに30分撹拌した。1、1−ジメチルエチル(2−ヒドロキシエチル)カルボネート(9.5ml、61.3mmol)を加え、混合物を一晩撹拌した。蒸発させて、ペトロール中0−100%酢酸エチルで溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して油を得た(40.2g)。この油(40.2g)をエタノール(300ml)中に溶解し、10%炭素担持パラジウム(20g)で16時間水素化した。混合物を濾過し、蒸発させて、黄色油を得た(44.4g)。
黄色油(44.4g)のジクロロメタン(500ml)中溶液を、トリエチルアミン(9.41ml)、ついで、1,1,1−トリフルオロ−N−フェニル−N−[(トリフルオロメチル)スルホニル]メタンスルホンアミド(21.9g)で処理した。16時間後、混合物を水で洗浄し、乾燥し、蒸発させた。ペトロール中の0−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、無色油を得た(19.7g、70%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 459(MH+)
【0108】
(d)1,1−ジメチルエチル 7−[(アセチルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート
(5−{[2−({[(1,1−ジメチルエチル)オキシ]カルボニル}アミノ)エチル]オキシ}−4−{[(トリフルオロメチル)スルホニル]オキシ}−2−ピリジニル)酢酸メチル(1.58g、3.4mmol)、(±)−2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(BINAP)(110mg、0.2mmol)、酢酸パラジウム(II)(25mg、0.1mmol)および炭酸セシウム(1.57g、4.8mmol)のトルエン(20ml)中混合物を、100℃にアルゴン雰囲気下で16時間加熱し、ついで、濾過し、蒸発させた。(方法に関しては、S.L.Buchwald,OrgLetts,1999,1,35−37を参照)。残渣を、ペトロール中0−100%酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して白色固体を得た(0.84g、79%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 309(MH+)
【0109】
(e)1,1−ジメチルエチル 7−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート
1,1−ジメチルエチル 7−[(アセチルオキシ)メチル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(0.84g、2.7mmol)の1,4−ジオキサン(20ml)および水(5ml)中溶液を、2M水酸化ナトリウム溶液(2.72ml、5.4mmol)で処理した。0.5時間後、混合物を5mlに濃縮して、ついで、酢酸エチルおよび水間で分配した。有機抽出物を乾燥し、蒸発させて、無色油を得た(0.78g、105%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 267(MH+)
【0110】
(f)1,1−ジメチルエチル 7−ホルミル−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート
1,1−ジメチルエチル 7−(ヒドロキシメチル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(0.78g、2.9mmol)のジクロロメタン(100ml)中溶液を、酸化マグネシウム(IV)(2.02g、23.3mmol)で処理し、一晩撹拌した。濾過し、蒸発させて、白色固体を得た(0.62g、81%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 265(MH+)
【0111】
(g)1,1−ジメチルエチル 7−[({1−[(7−フルオロ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}アミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(95mg、0.31mmol)および1,1−ジメチルエチル 7−ホルミル−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(83mg、0.31mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、8ml)中溶液を、モレキュラーシーブと一晩撹拌し、ついで、3時間加熱還流した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(164mg)を加え、混合物を5時間室温にて撹拌した。混合物を塩基性化し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−20%(メタノール中2Mアンモニア)/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して純粋でない物質を得た。さらに、0−10%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、純粋な生成物を得た(91mg)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 551(MH+)
【0112】
(h)標題化合物
ジクロロメタン(2ml)およびメタノール(1.5ml)中の1,1−ジメチルエチル 7−[({1−[(7−フルオロ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}アミノ)メチル]−2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−1−カルボキシレート(91mg、0.165mmol)を、1,4−ジオキサン(3.5ml)中の4M塩化水素で処理した。室温にて2.5時間静置した後、混合物を蒸発させた。残渣をエーテルで2回トリチュレートして、乾燥して、標題化合物(89mg)を得た。
δH(d−4メタノール、400MHz)2.30(2H,m),2.58(2H,m),3.68(4H,m),3.77(3H,m),3.85(1H,m),4.07(1H,m),4.30(2H,m),4.47(2H,s),4.58(2H,m),4.80(1H,td),7.18(1H,t),7.23(1H,s),7.83(1H,dd),8.00(1H,s),8.17(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 451[MH
【0113】
実施例9 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩
【化28】

【0114】
(a)2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−2−オキシランカルボン酸
2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−2−プロペン酸メチル(5.45g、0.02mol)(調製に関しては、実施例1(l)を参照)のTHF(150ml)溶液を0℃に冷却した。ノナン(5.2mL、0.03mol)中6Mのt−ブチルヒドロペルオキシド、ついで、カリウムtert−ブトキシド(10.39mL、0.01mol)の1M溶液を滴下した。滴下の間、温度を0℃に保持した。反応混合物を0℃で16時間保持した。別の0.5当量のカリウムtert−ブトキシド(10.39mL、0.01mol)の1M溶液を0℃で加え、反応混合物をさらに2時間保持した。反応物を、HClのメタノール(20mL)中1M溶液を滴下することによりクエンチした。反応混合物を蒸発させて乾燥した。残渣を部分的にメタノール中に溶解した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させ、ジクロロメタン0−30%メタノールの勾配で溶出するシリカのクロマトグラフィー(クロマトグラフィーを繰り返すことが必要)に付して、生成物を白色固体として得た(3.22g、59%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 265(MH+)
【0115】
(b)7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸
2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−2−オキシランカルボン酸(3.22g、0.012mol)の1,4−ジオキサン(210mL)および水(90mL)中溶液、水酸化リチウム(584mg、0.024mol)で室温で処理した。反応混合物を80℃で35時間加熱し、ついで、冷却し、塩酸の2M溶液でpH7にし、ついで、溶媒を蒸発させた。残渣を、100gシリカゲルカラムに直接置き、ジクロロメタン中の0−50%メタノール勾配でで溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を黄色固体として得た(7.07gの生成物/出発物質3:1混合物)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 251(MH+)
【0116】
(c)7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸メチル
7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボン酸および2−[6−フルオロ−3−(メチルオキシ)−5−キノキサリニル]−2−オキシランカルボキシレート(3.05g)の3:1混合物を、部分的にメタノール(100mL)中に溶解し、濃硫酸(1mL)で処理し、室温にて滴下した。反応混合物を17時間撹拌し、ついで、MP−カルボネート樹脂を添加することによりクエンチしてpH7にした。混合物を濾過し、蒸発させた。残渣を、100gシリカゲルカラム上に直接置き、酢酸エチル中0−50%メタノールで溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(0.558g、17%、酸の出発物質に基づいて23%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 265(MH+)
【0117】
(d)7−フルオロ−6−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−1,2,5,6−テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン
メチル 7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−カルボキシレート(0.558g、0.002mol)のメタノール(40mL)中溶液を、0℃に冷却し、ボロヒドリドナトリウムで処理した(0.080g、0.002mol)。2時間後、再びさらに2時間後、さらにボロヒドリドナトリウム(0.04g、0.5当量)を0℃で加えた。合計5時間後、反応混合物を、水(2mL)を添加することによりクエンチし、溶媒を除去した。残渣を20gシリカゲルカラムの上に直接置き、ヘキサン中0−100%酢酸エチルの勾配で、ついで、酢酸エチル中0−50%メタノールの勾配で溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(0.331g、66%)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 239(MH+)
【0118】
(e)7−フルオロ−6−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン
7−フルオロ−6−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−1,2,5,6−テトラヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(0.331g、0.001mol)、および酸化マンガン(IV)(1.84g、0.021mol)のDMF(50mL)中混合物を、室温にて1時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)により濾過し、メタノールで洗浄し、溶媒を除去した。残渣を20gシリカゲルカラム上に直接置き、ヘキサン中0−100%酢酸エチルの勾配で、ついで、酢酸エチル中0−50%メタノールの勾配で溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(0.267g、81%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 237(MH+)
【0119】
(f)(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート
7−フルオロ−6−ヒドロキシ−6−(ヒドロキシメチル)−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(0.267g、0.0011mol)、4−トルエンスルホニルクロライド(0.216g、0.0011mol)、トリエチルアミン(0.236mL、0.0014mol)およびジブチルスズオキシド(0.014g、0.06mmol)のジクロロメタン(10mL)、THF(10mL)およびDMF(1mL)中溶液を、室温にて16時間撹拌した。反応混合物を、炭酸水素ナトリウムの飽和溶液(20mL)およびジクロロメタン(20mL)を滴下して処理した。水層をさらにジクロロメタン(3×20mL)で処理した。合した有機層をナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を除去した。粗混合物を、ペトロール中0−100%酢酸エチル勾配、ついで、酢酸中エチル中0−50%のメタノール勾配で溶出する20gのシリカゲルに付して生成物を得た(0.275g、62%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 391(MH+)
【0120】
(g)1,1−ジメチルエチル (2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル){1−[(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート(0.093g、0.24mmol)のエタノール(3mL)中混合物に、1,1−ジメチルエチル (2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)4−ピペリジニルカルバメート(合成に関しては、WO2004058144 実施例99(h)を参照)(78.5mg、0.22mmol)、ついで、炭酸ナトリウム(71.5mg、0.68mmol)を加えた。反応混合物を室温にて16時間撹拌し、蒸発させて、乾燥した。残渣を直接20gシリカゲルカラム上に置き、ペトロール中0−100%酢酸エチル勾配、ついで、酢酸エチル中0−50%メタノールの勾配で溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(70mg、52%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 568(MH+)
【0121】
(h)標題化合物
1,1−ジメチルエチル (2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル){1−[(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(133mg、0.234mmol)のジクロロメタン(10mL)中混合物を、トリフルオロ酢酸(2mL)で処理した。2時間とさらに3時間後、さらにトリフルオロ酢酸を加えた(2×2mL)。反応混合物を室温にて合計7時間撹拌し、蒸発させた。残渣を、メタノール/ジクロロメタンの1:1混合物に再び溶解し、酸性溶液をMP−カルボネート樹脂を添加することによりクエンチしてpH7−8にした。反応混合物を濾過し、溶媒を除去して、褐色油を得た(0.1g、91%)。
δH(d−4−メタノール,250MHz)1.05−1.20(1H,m),1.25−1.45(1H,m),1.60−1.70(1H,d),1.75−1.85(1H,d),2.15−2.45(3H,m),2.60−2.70(1H,d),3.00(2H,s),3.05−3.15(1H,d),3.65(2H,s),4.20(1H,d),4.20−4.40(4H,m),4.65(1H,d),6.88(1H,s),7.11(1H,t),7.78(1H,dd),7.93(1H,s),8.11(1H,s)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 468(MH+)
この物質(100mg、0.2mmol)を、メタノール(1M、0.4mL)中の塩酸で処理し、ついで、蒸発させて、乾燥し、エーテルでトリチュレートして、標題化合物を褐色油として得た(102mg)。
【0122】
実施例10 6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1塩酸塩
【化29】

【0123】
(a)6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1
ラセミ6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(7.9g)を、アセトニトリル/メタノール/イソプロピルアミン(80:20:0.1、400ml/分)で溶出するChiralpak AD(登録商標)(20u)カラム(101×250mm)を用いるキラル分取HPLCにより分割して、E1異性体(3.4g)を最初の溶出異性体として得た(Rt6.9分)、ee>99%。
【0124】
(b)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1(2.28g、7.6mmol)および6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(1.40g、8.5mmol)の乾燥クロロホルム/メタノール(1:1、200ml)中混合物を、3Åモレキュラーシーブと一晩加熱還流した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(6.38g、30.4mmol)を加え、混合物を約8時間室温にて撹拌した。さらに、アルデヒド(0.14g)およびトリアセトキシボロヒドリド(0.64g)を加え、混合物を一晩撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウムで処理して塩基性にし、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで4回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−20%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィー(200g)に付して、遊離塩基を得た(2.27g、66%)。
δH(CDCl,250MHz)1.46(2H,m),1.92(2H,m),2.09(1H,td,一部水により不明瞭peak),2.22(1H,td),2.48(1H,m),2.56(1H,m),2.77(1H,brd),2.87(1H,dd),3.00(1H,brd),4.03(2H,s+1H,m),4.37(2H,m),4.49(4H,m),6.98(1H,t),7.07(1H,s),7.68(1H,dd),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 453[MH
ジクロロメタン中の遊離塩基を、メタノール(10.04ml)中0.5M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させた。残渣を乾燥して塩酸塩を得た(2.37g)。
【0125】
実施例11 6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2塩酸塩
【化30】

【0126】
(a)6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2
ラセミ6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン(7.9g)を、アセトニトリル/メタノール/イソプロピルアミン(80:20:0.1、400ml/分)で溶出するChiralpak AD(登録商標)(20u)カラム(101×250mm)を用いるキラル分取HPLCに付して、E2異性体(3.2g)を第2の溶出異性体として得た(Rt9.3分)、ee>99%。
【0127】
(b)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンエナンチオマーE2(75mg、0.25mmol)および6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(73mg、0.44mmol)の乾燥クロロホルム/メタノール(1:1、7ml)中混合物を、3Åモレキュラーシーブと一晩加熱還流した。室温に冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(213mg、1.0mmol)を加え、混合物を8.5時間撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄して塩基性化し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで3回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−20%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィー(5g)に付して、遊離塩基として得た(30mg26.5%)。
δH(CDCl,250MHz)1.46(2H,m),1.92(2H,m),2.09(1H,td),2.22(1H,td),2.48(1H,m),2.56(1H,m),2.77(1H,brd),2.87(1H,dd),3.00(1H,brd),4.03(2H,s+1H,m),4.37(2H,m),4.49(4H,m),6.98(1H,t),7.07(1H,s),7.68(1H,dd),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 453[MH
ジクロロメタン/クロロホルム中の遊離塩基を、メタノール(0.13ml)中の0.5M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させた。残渣を乾燥して、塩酸塩(33mg)を得た。
【0128】
実施例12 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1塩酸塩
【化31】

【0129】
ラセミ6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩(63mg)(調製に関しては、実施例9(h)を参照)を、アセトニトリル/メタノール/イソプロパノール/イソプロピルアミン(60:20:20:0.1、20ml/分)で溶出するChiralpak AD−H(登録商標)(5u)カラム(21x250mm)を用いてキラル分取HPLCにより分割して、E1異性体を、最初の溶出異性体として得た(Rt11.4分、α22.9℃+85、メタノール中)。さらに、アセトニトリル/イソプロパノール、イソプロピルアミン(50:50:0.1、20ml/分)で溶出して、E2異性体を得た(Rt21.7分)。
E1異性体を、1当量の塩酸(6N)を含むメタノール性溶液で処理し、ついで、2時間撹拌し、溶媒を蒸発させて、塩酸塩(24.2mg)に変換した。
【0130】
実施例12A 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
(a)1,1−ジメチルエチル {1−[(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート
(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル4−メチルベンゼンスルホネート(3.64g、9.3mmol)(合成に関しては、実施例9(f)を参照)、1,1−ジメチルエチル 4−ピペリジニルカルバメート(2.0g、10.2mmol)および炭酸ナトリウム(2.9g、27.9mmol)のエタノール(110mL)およびジメチルホルムアミド(10mL)中混合物を、50℃で6時間加熱した。混合物を蒸発させて、エタノールを除去し、残渣をジクロロメタンおよび半飽和ブライン(各々200mL)間で分配した。
水相をジクロロメタン(200mL)で抽出し、合した有機フラクションを硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させた。0−100%酢酸エチル/石油エーテル、ついで、0−10%メタノール/酢酸エチルで溶出するシリカクロマトグラフィー(2×100g)に付して、黄色泡沫体を得た(3.2g、82%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 419(MH+)
【0131】
(b)6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1およびE2
1,1−ジメチルエチル {1−[(7−フルオロ−6−ヒドロキシ−3−オキソ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−6−イル)メチル]−4−ピペリジニル}カルバメート(3.2g、7.7mmol)を、ジクロロメタン(60mL)およびトリフルオロ酢酸(30mL)中に溶解した。15分後、混合物を蒸発させ、残渣をクロロホルムと共沸し、エーテルでトリチュレートした。高減圧下で乾燥した後、得られた固体をジクロロメタン/メタノール(1:1、200mL)中に溶解し、MP−カルボネート樹脂(12g、2.6mmol/g)で処理した。0.5時間後、樹脂を濾過し、ジクロロメタン、メタノールおよびジクロロメタンで洗浄し、濾液を蒸発させて、ラセミアミンを得た。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 319(MH+)
2.5gのラセミ6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンを、メタノール(0.1%イソプロピルアミン)を用いるChiralpak AD(登録商標)(20u)(101×250mm;20u)(流速400ml/分および300nmでのUV検出)に付した。最初のエナンチオマー(エナンチオマーE1)([α]=+67(c=0.3%、メタノール))を溶出した後、カラムをイソプロパノール:アセトニトリル:イソプロピルアミン−50:50:0.1でリバースフラッシュして、第2のエナンチオマー(エナンチオマーE2)を溶出した。エナンチオマーE1を850mg回収した;>99%ee。エナンチオマーE2を630mg回収した;>99%ee。
【0132】
(c)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1(300mg、0.942mmol)および2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルボキシアルデヒド(合成に関しては、WO2004058144 実施例2(c)またはWO03/087098 実施例19(d)を参照)(125.0mg、0.757mmol)の無水ジクロロメタン(5ml)および無水メタノール(1ml)中溶液を、室温にて、アルゴン雰囲気下、5分間撹拌し、ついで、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(480.0mg、2.26mmol)で処理し、19時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20ml)および19:1ジクロロメタン:メタノール(20ml)で処理した。層を分離し、水層を19:1ジクロロメタン:メタノール(2×20ml)で洗浄した。有機抽出物を合し、相セパレーターを通し、蒸発させて、暗橙色ガムを得た。ジクロロメタン中0〜30%メタノールの30分勾配で溶出する50gシリカカラムに付して、無水ジエチルエーテルで処理し、蒸発させて、淡黄色泡沫体として得た(246.6mg、56%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 468(MH
δH(CDCl,400MHz)1.46−1.62(2H,m),1.93−1.97(2H,m),2.35−2.41(1H,m),2.52−2.65(2H,m),2.81(1H,d),2.95(2H,m),3.35(1H,d),3.82(2H,s),4.27−4.45(6H,m),6.83(1H,s),6.99−7.04(1H,m),7.77−7.80(1H,m),8.11(1H,s)および8.22(1H,s)
遊離塩基をジクロロメタン(5ml)中に溶解し、エーテル(5ml)中の1MのHClで処理した。得られた粘性懸濁液を無水ジエチルエーテル(20ml)で処理し、冷却し、濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥して、クリーム固体として生成物を得た(286mg)。
【0133】
実施例13 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2塩酸塩
【化32】

【0134】
ラセミ6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン二塩酸塩(63mg)を、キラル分取HPLCにより分離した。アセトニトリル/メタノール/イソプロパノール/イソプロピルアミン(60:20:20:0.1、ついで、50:0:50:0.1、20ml/分)で溶出するChiralpak AD−H(登録商標)(5u)カラム(21×250mm)に付して、E2異性体、第2の溶出異性体を得た(Rt21.7分、α22.9℃−82、メタノール中)。
E2異性体を、1当量の塩酸(6N)を含むメタノール性溶液で処理し、ついで、2時間撹拌し、溶媒を蒸発させて塩酸塩(21.5mg)に変換した。
【0135】
実施例13A 6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2二塩酸塩
【化33】

【0136】
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンエナンチオマー2(50mg、0.157mmol)および2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−カルバルデヒド(合成に関しては、WO2004058144 実施例2(c)またはWO03/087098 実施例19(d)を参照)(20.8mg、0.126mmol)の無水ジクロロメタン(1ml)および無水メタノール(0.2ml)中溶液を、室温にて、アルゴン雰囲気下、2分間撹拌し、ついで、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(80mg、0.377mmol)で処理し、2時間撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(3ml)で処理し、注意深く振盪した。層を分離し、水層を19:1ジクロロメタン:メタノール(2×3ml)で洗浄した。有機抽出物を合し、相セパレーターに通し、蒸発させて、暗橙色ガムを得た。ジクロロメタン中0〜30%メタノールの30分勾配で溶出する10gシリカカラムで精製して、生成物を橙色ガムとして得た(51mg、68%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 468(MH
H NMR(400MHz)δ(CDCl)1.45−1.62(2H,m),1.93−1.97(2H,m),2.35−2.41(1H,m),2.52−2.65(2H,m),2.81(1H,d),2.95(2H,m),3.35(1H,d),3.80(2H,s),4.27−4.45(6H,m),6.82(1H,s),6.99−7.04(1H,m),7.77−7.80(1H,m),8.11(1H,s)および8.22(1H,s)
遊離塩基(51mg)をジクロロメタン(2.5ml)中に溶解し、エーテル(1ml)および無水ジエチルエーテル(5ml)中1MのHClで処理し、冷却し、遠心分離に付した。溶媒をデカントし、固体を乾燥して、生成物をクリーム色の固体として得た(46.7mg)。
【0137】
実施例14 6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化34】

【0138】
(a)2−[(3,6−クロロ−4−ピリダジニル)チオ]エタノール
テトラヒドロフラン(200ml)およびトリエチルアミン(19ml)中の3,4,6−トリクロロピリダジン(25g)の溶液を、0℃(氷浴で冷却)で、2−メルカプトエタノール(8.33ml)で5分にわたって処理した。添加が完了した後、混合物を室温にて72時間撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液およびジクロロメタンと撹拌し、固体を回収し、水、エーテルおよびペンタンで洗浄し、減圧下で乾燥して生成物を得た(22.9g)。合した水性および有機フラクションを蒸発させて半分の容量にし、さらに固体を線上し、上記のように乾燥して生成物を得た(5.0g)。NMRによる固体の総収率(27.9g;91%)(いくらかのブロモ−アナログを含有(5−10%))。
【0139】
(b)3−クロロ−6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン
2−[(3,6−クロロ−4−ピリダジニル)チオ]エタノール(13g)(予め、50℃減圧下で乾燥)の乾燥1,4−ジオキサン(250ml)中溶液を、水素化リチウム(3g)で処理し、105−110℃で24時間加熱した。反応混合物を冷却し、氷水でクエンチした。溶液を、5M塩酸でpH10−11にし、蒸発させた。水を加え、混合物を4回ジクロロメタンで洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、0−100%酢酸エチル−ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(1.61g)(約10%のブロモ種を含む)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 189/91(ClMH+);233/5(BrMH+)
δH(CDCl,400MHz)3.23(2H,m),4.67(2H,m),7.26(1H,s)(主クロロ−化合物)
【0140】
(c)3−エテニル−6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン
3−クロロ−6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン(1.0g)のジメトキシエタン(25ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で脱気し、ついで、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(135mg)、炭酸カリウム(0.695g)、トリエテニルボロキシンピリジン複合体(0.8g)および水(3.7ml)を加えた。混合物を一晩105℃で加熱した。さらにトリエテニルボロキシンピリジン複合体(0.4g)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30mg)を加え、加熱を24時間続けた。混合物を冷却し、炭酸水素ナトリウム水溶液で処理し、ジクロロメタンで4回抽出し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、蒸発させ、0−100%酢酸エチル−ヘキサンで溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(70g)に付して固体を得た(0.56g)(LC−MSにより87%の純度)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 181(MH+)
【0141】
(d)6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド
3−エテニル−6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン(320mg)の1,4−ジオキサン/水(20ml/5ml)中溶液を、四酸化オスミウム(4%w/v、2ml)および過ヨウ素酸ナトリウム(1.08g)の水溶液で処理し、最初に氷浴で撹拌し、ついで、室温に加温した。2.5時間後、混合物を蒸発させて、乾燥し、1,4−ジオキサンおよびクロロホルム中に溶解した。シリカゲルを加え、混合物を蒸発させて乾燥し、シリカカラム(50g)に加え、ヘキサン中0−100%酢酸エチルで溶出するクロマトグラフィーに付して、白色固体を得た(116mg、36%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 183(MH+)
【0142】
(e)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンエナンチオマーE1(45mg、0.15mmol)および6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(30mg、0.165mmol)のクロロホルム/メタノール(1.25:1、9ml)中溶液を、3Åモレキュラーシーブと70℃で一晩加熱した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(95mg、0.45mmol)を加え、混合物を5時間室温にて撹拌した。混合物を炭酸水素ナトリウムで洗浄し、水相を10%メタノール/ジクロロメタンで3回抽出した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−20%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付した。
δH(CDCl,400MHz)1.42(2H,m),1.89(2H,m),2.09(1H,td),2.25(1H,td),2.49(1H,m),2.54(1H,m),2.77(1H,brd),2.87(1H,dd),3.00(1H,brd),3.02(2H,m),3.98(2H,s),4.02(1H,m),4.49(2H,m),4.65(2H,m),6.98(1H,t),7.35(1H,s),7.68(1H,dd),8.20(1H,s)
LC/MS(+veイオンエレクトロスプレー):m/z 469[MH
メタノール/クロロホルム中の遊離塩基を、1,4−ジオキサン中4M塩化水素で処理し、溶媒を蒸発させた。残渣をエーテルでトリチュレートし、乾燥して、二塩酸塩を得た(42mg)。
【0143】
実施例15 6−({4−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化35】

【0144】
(a)4−ブロモ−2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3(2H)−ピリダジノンおよび5−ブロモ−2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3(2H)−ピリダジノン
4−メトキシベンジルアルコール(6.2ml、50mmol)の乾燥エーテル(120ml)中溶液を、三臭化リン(2.07ml、22mmol)で処理した。混合物を1時間加熱還流し、冷却し、水で2回洗浄し、乾燥し、溶媒を蒸発させた。精製した4−メトキシ臭化ベンジルを、4−ブロモ−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン(合成に関しては 上記実施例3(a)を参照)(4g、21mmol)および炭酸カリウム(8.28g、60mmol)の乾燥DMF(60ml)中混合物に加え、一晩室温で撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈し、水で3回洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて低容量にした。いくらかの固体を濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を蒸発させて、乾燥し、残渣を20%酢酸エチル/ヘキサン、ついで、100%酢酸エチルで溶出するシリカのクロマトグラフィーに付した。これにより、低極性の2つの所望の生成物(3.233g)を得、高極性の2つの所望の生成物(1.626g)およびそれらの混合物(1.351g)を得た。総収量は6.30g、70%であった。
低極性生成物 MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 431および433(MH、15%)、121(100%)
高極性生成物 MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 431および433(MH、15%)、121(100%)
【0145】
(b)ブチル (2E)−3−[2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−4−ピリダジニル]−2−プロペノエートおよびブチル (2E)−3−[1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−4−ピリダジニル]−2−プロペノエート
アルゴンを、4−ブロモ−2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3(2H)−ピリダジノンおよび5−ブロモ−2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3(2H)−ピリダジノン(1.35g、3.14mmol)の乾燥1,4−ジオキサン(7.5ml)中溶液に20分間通気した。ついで、溶液をビス(トリ−t−ブチルホスフィン)パラジウム(0)(32mg、0.0628mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(29mg,0.0314mmol)、ジシクロヘキシルメチルアミン(0.74ml,3.45mmol)およびn−アクリル酸ブチル(0.543ml,3.78mmol)で処理し、アルゴン雰囲気下室温で1時間撹拌し、95℃で一晩撹拌した。混合物を冷却し、酢酸エチルおよび水間で分配し、分離し、水相を再び酢酸エチルで抽出した。合した有機溶液を乾燥し、蒸発させ、残渣を、15%酢酸エチル/ヘキサン、ついで、35%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーに付した。
低極性生成物(ブチル (2E)−3−[2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−4−ピリダジニル]−2−プロパノエート)(838mg,55%)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 479(MH,70%),121(100%)
極性生成物(ブチル (2E)−3−[1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−4−ピリダジニル]−2−プロパノエート)(580mg、39%)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 479(MH,70%),121(100%)
【0146】
(c)ブチル 3−(2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリダジニル)プロパノエート
ブチル (2E)−3−[2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−4−ピリダジニル]−2−プロパノエート)(838mg)のエタノール(15ml)/1,4−ジオキサン(10ml)の溶液を、10%Pd/C(400mg)で処理し、大気圧水素雰囲気下室温で2時間水素化した。触媒をKieselguhrを用いて濾過し、濾液を蒸発させ、1,4−ジオキサン中に溶解し、溶液を蒸発させて乾燥して、無色油として生成物を得た(0.56g、89%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 361(MH,60%),121(100%)
【0147】
(d)5−(3−ヒドロキシプロピル)−1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン
ブチル 3−(2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリダジニル)プロパノエート(0.56g、1.56mmol)を乾燥THF(30ml)中に溶解した。溶液を、アルゴン雰囲気下で−30℃に冷却し、THF(1.8ml、1.8mmol)中の水素化アルミニウムリチウムの1M溶液で処理し、ゆっくりと0℃に加温し、氷浴で30分間撹拌した。2Mの塩酸をpH3となるまで加え、混合物を水および酢酸エチル間で分配した。水溶液を酢酸エチルで抽出し、合した有機溶液を乾燥し、蒸発させた。残渣を、酢酸エチルで溶出するシリカのクロマトグラフィーに付して、生成物を白色固体として得た(300mg、67%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 291(MH、30%),121(100%)
【0148】
(e)4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン
5−(3−ヒドロキシプロピル)−1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン(2.734g)をアニソール(10ml)およびTFA(100ml)で処理し、40℃で一晩撹拌した。溶液を冷却し、蒸発させて、乾燥し、減圧下に30分保った。残渣をメタノール(150ml)中に溶解し、12時間還流し、冷却し、蒸発させた。残渣を1時間減圧下に保持し、エーテルでトリチュレートして、固体を濾過した。減圧下で乾燥して、生成物を固体として得た(1.48g、92%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 171(MH,100%)
【0149】
(f)6,7−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3(5H)−オン
4−(3−ヒドロキシプロピル)−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン(1.48g、8.7mmol)のTHF(105ml)中懸濁液を、5分間超音波浴に保持し、ついで、アルゴン雰囲気下で氷浴中で冷却した。トリフェニルホスフィン(3.67g、14mmol)を加え、ついで、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.76ml、14mmol)を加えた。30分後、溶媒を蒸発させ、残渣を減圧下に一晩保持した。トリフェニルホスフィンオキシドが除去されるまで最初に2.5%メタノール/ジクロロメタンで、ついで、5%メタノール/ジクロロメタンで溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を灰白色固体として得た(1.049g、79%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 153(MH,100%)
【0150】
(g)ブチル 3−(1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリダジニル)プロパノエート
ブチル (2E)−3−[1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3−({[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}オキシ)−6−オキソ−1,6−ジヒドロ−4−ピリダジニル]−2−プロパノエート(580mg)のエタノール(15ml)/1,4−ジオキサン(5ml)中溶液を、10%Pd/C(400mg)で処理し、大気圧水素雰囲気下室温で2時間撹拌した。触媒をKieselguhrで除去し、濾液を蒸発させ、1,4−ジオキサン中に再び溶解し、溶液を蒸発させて乾燥して、生成物を得た(0.43g、98%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 361(MH,50%),121(100%)
【0151】
(h)4−(3−ヒドロキシプロピル)−1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン
ブチル 3−(1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−3,6−ジオキソ−1,2,3,6−テトラヒドロ−4−ピリダジニル)プロパノエート(0.43g、1.19mmol)を乾燥THF(20ml)中に溶解した。溶液を、アルゴン雰囲気下で−30℃に冷却し、水素化アルミニウムリチウムのTHF(1.4ml、1.4mmol)中1M溶液を滴下し、0℃にゆっくりと加温し、氷浴中で30分間撹拌した。2M塩酸をpHが3になるまで加え、混合物を水および酢酸エチル間で分配した。水相を酢酸エチルで抽出し、合した有機溶液を乾燥し、蒸発させた。得られた固体を酢酸エチルでトリチュレートし、濾過し、酢酸エチルで洗浄し、減圧下で乾燥して、生成物を得た(241mg、70%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 291(MH,10%),121(100%)
【0152】
(i)2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6,7−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3(5H)−オン
4−(3−ヒドロキシプロピル)−1−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−1,2−ジヒドロ−3,6−ピリダジンジオン(2.624g、9.1mmol)のTHF(100ml)中懸濁液を、超音波浴中に15分間保持した。トリフェニルホスフィン(3.57g、13.6mmol)をアルゴン雰囲気下で加え、反応混合物を−10℃に冷却し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.68ml、13.6mmol)を加え、混合物をゆっくりと室温に加温した。1時間後、溶媒を蒸発させた。副生成物が除去されるまで最初に酢酸エチルで、ついで、10%エタノール/酢酸エチルで溶出するクロマトグラフィーに付して、少量のトリフェニルホスフィンオキシドで汚染された生成物を得た(2.55g)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 273(MH,50%),121(100%)
【0153】
(j)6,7−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3(5H)−オン
2−{[4−(メチルオキシ)フェニル]メチル}−6,7−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3(5H)−オン(2.75g、10.1mmol)をアニソール(10ml)およびTFA(100ml)で処理し、70℃で24時間加熱した。溶液を冷却し、蒸発させ、残渣を2.5%メタノール/ジクロロメタン中に溶解した。これをシリカのカラムに適用し、ついで、この溶媒混合物で、ついで、5%メタノール/ジクロロメタンにより溶出して、生成物を灰白色固体として得た(1.36g、88%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 153(MH,100%)
【0154】
(k)6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルトリフルオロメタンスルホネート
6,7−ジヒドロ−2H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3(5H)−オン(152mg、1mmol)のDMF(2.5ml)中溶液を、アルゴン雰囲気下で氷冷し、水素化ナトリウム(60mgの油中60%分散液、1.5mmol)で処理し、1時間撹拌し、室温に加温した。N−フェニル−ビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(505mg、1.4mmol)を加え、撹拌を2時間続けた。混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および水(2回)で洗浄し、水相を酢酸エチルで再び抽出し、これを順に水で洗浄した。合した有機物を乾燥し、蒸発させた。40%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するクロマトグラフィーに付して、生成物を白色固体として得た(228mg、80%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 285(MH,100%)
【0155】
(l)3−エテニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン
アルゴンを、6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルトリフルオロメタンスルホネート(228mg、0.8mmol)の1,2−ジメトキシエタン(6.5ml)中溶液に15分間通気した。テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(50mg、0.0435mmol)を加え、溶液をアルゴン雰囲気下で20分間撹拌した。ついで、混合物を炭酸カリウム(111mg、0.8mmol)、水(1.9ml)およびトリエテニルボロキシンピリジン複合体(180mg、0.75mmol)で処理した。80℃で2時間撹拌した後、混合物を冷却し、ジクロロメタンおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液間で分配した。層を分離し、水性フラクションを20%メタノール/ジクロロメタンで2回抽出した。合した有機溶液を乾燥し、蒸発させ、酢酸エチルで溶出する残渣シリカのクロマトグラフィーに付して、生成物を白色固体として得た(100mg、77%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 163(MH,100%)
【0156】
(m)6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド
3−エテニル−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン(100mg、0.617mmol)の1,4−ジオキサン(5.5ml)/水(1.1ml)中溶液を氷/水中で冷却し、過ヨウ素酸ナトリウム(306mg、1.43mmol)および4%の四酸化オスミウム水溶液(0.55ml)で処理した。混合物を1時間後に室温に加温し、合計4.75時間撹拌した後、溶媒を蒸発させた。1,4−ジオキサンを加え、蒸発させ、数mlのジクロロメタンを加え、混合物を超音波浴に少しの間保持した。全ての混合物をシリカカラムに適用し、酢酸エチルで溶出して、生成物を得た(55mg、54%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 165(MH,100%)
【0157】
(n)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンエナンチオマーE1(30mg、0.1mmol)および6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(20.5mg、0.125mmol)のクロロホルム/メタノール(1:1、2ml)中溶液を、3Åモレキュラーシーブと65℃で4時間加熱した。冷却した後、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(42mg、0.2mmol)を加え、混合物を一晩室温にて撹拌した。混合物をKieselguhrで濾過し、1:1メタノール/ジクロロメタンで洗浄し、蒸発させた。残渣を20%メタノール/ジクロロメタン中に溶解し、炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。水相を20%メタノール/ジクロロメタンで2回洗浄した。合した有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。アンモニア/メタノール/ジクロロメタン(0.5:5:95)で溶出するシリカクロマトグラフィーに付して遊離塩基を得た(28mg、62%)。
δH(CDCl,400MHz)1.35−1.50(2H,m),1.85−2.00(2H,m),2.00−2.15(3H,m),2.15−2.30(1H,m),2.45−2.65(2H,m),2.76(1H,d),2.80−2.90(3H,m),3.00(1H,d),3.95−4.10(3H,m),4.35−4.55(4H,m),6.98(1H,t),7.29(1H,s),7.68(1H,dd),8.21(1H,s)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 451(MH,100%)
クロロホルム中の遊離塩基を、2当量のエーテル中1M塩化水素で処理し、蒸発させて、二塩酸塩(33mg)を得た。
【0158】
実施例16 7−フルオロ−6−[(4−{[(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化36】

【0159】
(a)7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−イソキノリノン
7−アミノ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−イソキノリノン(合成に関しては、Girard,Yves;Atkinson,Joseph G.;Belanger,Patrice C.;Fuentes,Jose J.;Rokach,Joshua;Rooney,C.Stanley;Remy,David C.;Hunt,Cecilia AJ.Org.Chem.(1983),48(19),3220を参照)(0.773g,4.772mmol)のアセトニトリル(10ml)中溶液に、0℃で48%のの臭化水素酸(10ml、予め0℃に冷却した)に加えた。混合物を0℃で0.5時間撹拌し、ついで、亜硝酸ナトリウム(0.379g、5.49mmol)の水(2ml)中溶液を0.4時間にわたって加えた。ついで、反応物を0℃で0.5時間撹拌し、ついで、臭化銅(I)(0.822g、5.726mmol)を10分にわたって加えた。ついで、反応混合物を室温に加温し、室温にて0.5時間撹拌し、ついで、70℃で1時間撹拌した。ついで、反応混合物を0℃に冷却し、水(60ml)を加え、混合物を0℃で1時間撹拌し、ついで、濾過し、減圧下で乾燥した。残渣を10%メタノール/ジクロロメタン中に溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、所望の生成物を得た(0.679g、63%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 227(MH+)
【0160】
(b)7−エテニル−3,4−ジヒドロ−1(2H)−イソキノリノン
7−ブロモ−3,4−ジヒドロ−1(2H)−イソキノリノン(0.679g、3.004mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(174mg、0.150mmol)の1,2−ジメトキシエタン(30ml)中溶液を、室温にて0.5時間撹拌し、ついで、トリエテニルボロキサンピリジン複合体(295mg、1.218mmol)、KCO(415mg、3.004mmol)および水(10ml)を加えた。反応物を1.5時間加熱還流し、ついで、室温に冷却し、水(50ml)を加えた。混合物を10%メタノール/ジクロロメタン(3×100ml)で抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。0−100%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して生成物を得た(456mg、88%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 174(MH+)
【0161】
(c)1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリンカルボアルデヒド
7−エテニル−3,4−ジヒドロ−1(2H)−イソキノリノン(232mg、1.341mmol)の1,4−ジオキサン(15ml)および水(3ml)中溶液に、0℃で過ヨウ素酸ナトリウム(660mg、3.08mmol)および四酸化オスミウム(1.5mlの4%水溶液)を加えた。反応混合物を室温に加温し、0.5時間撹拌し、反応混合物を蒸発させた。残渣を1,4−ジオキサン(50ml)中に溶解し、再び蒸発させた。ついで、混合物をジクロロメタン(100ml)中に溶解し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。0−100%酢酸エチル/ヘキサンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して、生成物を得た(133mg、57%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 176(MH+)
【0162】
(d)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン、エナンチオマーE1(74mg、0.246mmol)および1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリンカルボアルデヒド(43mg、0.246mmol)をクロロホルム(2mL)およびメタノール(0.2mL)中室温にて1時間撹拌し、ついで、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(156mg、0.738mmol)を加えた。ついで、混合物を室温にて1時間撹拌し、ついで、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)を加えた。混合物を10%メタノール/ジクロロメタンで3回抽出し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させた。0−20%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して生成物を得た(76mg、67%)。
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 462(MH+)
δH(CDCl,400MHz)1.45−1.60(2H,m),1.89−2.01(2H,m),2.03−2.12(1H,m)2.19−2.29(1H,m),2.45−2.52(1H,m),2.56−2.65(1H,m),2.78−2.81(1H,m),2.88(1H,dd),2.98(2H,t),3.01−3.09(1H,m),3.45−3.52(2H,m),3.88(2H,s),3.92−4.08(1H,m),4.48−4.55(2H,m),6.98(1H,t),7.15(1H,brs),7.20(1H,d),7.50(1H,d),7.67(1H,dd),8.02(1H,s),8.20(1H,s)
メタノールおよびクロロホルム中の遊離塩基を、1当量の1,4−ジオキサン中4M塩化水素を添加し、ついで、蒸発させて乾燥することにより二塩酸塩に変換した(81mg)。
【0163】
実施例17 6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化37】

【0164】
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンエナンチオマーE1(50mg、0.157mmol)および6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−カルバルデヒド(26mg、0.157mmol)の無水ジクロロメタン(1mL)およびメタノール(0.2mL)中溶液を、5分間振盪させ、ついで、トリアセトキシボロヒドリドナトリウム(80mg、0.38mmol)を加え、18時間振盪させた。さらにアルデヒド(13mg)およびトリアセトキシボロヒドリド(40mg)を加え、振盪を5時間続けた。炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、相を分離した。水相を5%メタノール/ジクロロメタンで2回抽出し、有機フラクションを乾燥し、蒸発させた。0−30%メタノール/ジクロロメタンで溶出するシリカクロマトグラフィーに付して遊離塩基を得た(37mg、50%)。
δH(CDCl,400MHz)1.50(2H,m,一部、水により不明瞭),1.96(2H,m),2.38(1H,t),2.55(1H,t),2.60(1H,m),2.82(1H,d),2.96(2H,m),3.36(1H,d),4.02(2H,s),4.38(2H,m),4.41(2H,m),4.52(2H,m),7.03(2H,m),7.79(1H,dd),8.22(1H,s)
MS(+veイオンエレクトロスプレー)m/z 469(MH+)
クロロホルム中の遊離塩基を、エーテル(10mL)中1MのHClで処理した。得られた懸濁液をエーテルで処理し、冷却し、濃縮し、固体を乾燥して、二塩酸塩(39mg)を得た。
【0165】
実施例18 7−フルオロ−6−[(4−{[(7−オキソ−1,5,6,7−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1塩酸塩
【化38】

【0166】
(a)3−エチル 1,1−ジメチル 1,1,3−プロパントリカルボキシレート
マロン酸ジメチル(2.5g、18.9mmol)の無水THF(20mL)中溶液に、NaH(0.038g、0.95mmol、鉱油中60%)を加えた。反応物を常温で15分間撹拌した。分離フラスコにおいて、アクリル酸エチルを無水THF(1mL)中に溶解し、ついで、30分にわってマロン酸ジメチル溶液に加えた。反応物を常温で16時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(酢酸エチル)中に溶解し、飽和NHCl溶液およびブラインで洗浄した。有機相をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。粗残渣を、EtOAc/ヘキサン勾配を用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、所望の化合物を無色油として得た(1.68g、77%)。
H NMR(400MHz,CDCl)δ1.24(t,J=7.07Hz,3H)2.20(q,J=7.24Hz,2H)2.37(t,J=7.33Hz,2H)3.47(t,J=7.33Hz,1H)3.70−3.75(m,6H)4.12(q,J=7.24Hz,2H)
【0167】
(b)(2E)−3−フェニル−2−プロペンイミダミド
シンナモニトリル(25.0g、194mmol)をEtOH(エタノール)(200mL)中に溶解した。溶液を0℃に冷却し、HClガスを溶液に30分間通気した。溶液を常温で16時間撹拌し、ついで、減圧下で濃縮した。残渣をEtOH(100mL)中に溶解し、0℃に冷却し、NH/MeOH(7M、69mL、484mmol)の溶液を滴下漏斗により加えた。いったん加えると、溶液を常温に加温し、得られたNHClを濾過した。溶液を減圧下で濃縮し、得られた白色固体をさらに精製することなく用いた(26g、粗)。
LCMS:m/z 147.4(MH+)
【0168】
(c)3−{4−ヒドロキシ−6−オキソ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−1,6−ジヒドロ−5−ピリミジニル}プロパン酸エチル
3−エチル 1,1−ジメチル 1,1,3−プロパントリカルボキシレート(1.65g、7.11mmol)および(2E)−3−フェニル−2−プロペンイミダミド(1.04g、7.11mmol)をEtOH(36mL)中に合した。トリエチルアミン(1.98mL、14.2mmol)を加え、溶液を3時間加熱還流し、LCMSでは変化が見られなかった。溶液を室温に冷却し、MeOH中NaOMe(1.0mL、5.33mmol、25%wt溶液)で処理し、溶液をさらに4時間還流した。さらにMeOH中NaOMe(1.0mL、5.33mmol、25%wt溶液)を加え、養鶏を16時間還流した。この後、黄色の沈殿が形成し、これを濾過した。母液を1NのHClでpH2に酸性化し、溶液を減圧下で濃縮した。得られた物質を黄色固体と合し、さらに精製することなく用いた。
LCMS:m/z 315.2(MH+)
【0169】
(d)3−{4,6−ジクロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5−ピリミジニル}プロパン酸エチル
粗3−{4−ヒドロキシ−6−オキソ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−1,6−ジヒドロ−5−ピリミジニル}プロパン酸エチルをPOCl(25mL)中に溶解し、N,N−ジエチルアニリン(0.9mL、7.1mmol)を溶液にゆっくりと加えた。ついで、反応物を2時間加熱還流した。常温に冷却した後に、得られた溶液を注意深くゆっくりと氷水に加えて過剰なPOClをクエンチした。混合物をEtOAc(3×)で抽出し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ついで、粗残渣を、EtOAc/ヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、所望の化合物を黄色固体として得た(0.48g、2工程で19%)。
LCMS:m/z 351.4(MH+)
【0170】
(e)4−クロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−7(6H)−オン
3−{4,6−ジクロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5−ピリミジニル}プロパン酸エチル(0.42g、1.19mmol)の1,4−ジオキサン(5mL)中溶液に、濃NHOH(3.5mL)を加えた。反応物を75℃でシールしたチューブ中16時間加熱した。溶液を減圧下で濃縮し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下で濃縮した。ついで、粗残渣を、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、所望の化合物を黄色固体として得た(0.072g、21%)。
LCMS:m/z 286.2(MH+)
また、3−{4−アミノ−6−クロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5−ピリミジニル}プロパンアミドを白色固体として得た(0.175g)。
LCMS:m/z 303.3(MH+)
【0171】
3−{4−アミノ−6−クロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5−ピリミジニル}プロパンアミド(0.175g、0.58mmol)をEtOH(15mL)中に溶解し、HClガスを溶液に飽和になるまで通気した。溶液を2時間加熱還流し、常温に冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を水中に溶解し、EtOAc(3×)で抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮して、3−{4−アミノ−6−クロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5−ピリミジニル}プロパン酸エチルを白色固体として得た。LCMS:m/z 332.2(MH+)。ついで、この生成物をDMF(5mL)中に溶解し、KCO(0.16g、1.16mmol)で乾燥し、75℃で30分間加熱した。溶液を冷却し、水で希釈し、EtO(3×)で溶出した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ついで、粗残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、さらに0.11gの所望の化合物を灰白色固体として得た。
LCMS:m/z 286.2(MH+)
【0172】
(f)4−クロロ−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド
4−クロロ−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−7(6H)−オン(0.18g、0.64mmol)を、1,4−ジオキサン/水(6mL)の2:1溶液に加え、0℃に冷却した。NaIO(0.314g、1.47mmol)および触媒OsO(1mL、4%水溶液)を加え、ついで、溶液を常温で16時間撹拌した。反応溶液を減圧下で濃縮し、水で希釈し、10%MeOH/DCM(4×)で抽出した。有機層を合し、NaSOで乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。ついで、粗残渣を、DCM/DCM−MeOH−NHOH(90:10:1)を用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、所望の化合物を灰白色固体として得た(0.05g、44%)。
LCMS:m/z 212.0(MH+)
【0173】
(g)2−[ビス(メチルオキシ)メチル]−4−クロロ−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−7(6H)−オン
4−クロロ−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド(1.43g、6.78mmol)のMeOH(50mL)中溶液に、p−トルエンスルホン酸一水和物(p−TsOH・HO)(0.13g、0.68mmol)を加えた。溶液を3時間加熱還流し、常温に冷却した。溶液を減圧下で濃縮して、所望の生成物を白色固体として得、これをさらに精製することなく用いた。
LCMS:m/z 257.9(MH+)
【0174】
(h)2−[ビス(メチルオキシ)メチル]−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−7(6H)−オン
粗2−[ビス(メチルオキシ)メチル]−4−クロロ−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−7(6H)−オン(1.43g4−クロロ−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒドから調製した)のMeOH(50mL)中溶液に、10%Pd/C(湿)(0.15g)を加えた。溶液をH(バルーン)雰囲気下で一晩撹拌した。Pd/Cを濾過し、溶液を減圧下で濃縮した。粗残渣を、DCM/DCM−MeOH−NHOH(90:10:1)勾配を用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル)により精製して、所望の生成物を白色固体として得た(0.873g、2工程で58%)。
LCMS:m/z 223.9(MH+)
【0175】
(i)7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド
2−[ビス(メチルオキシ)メチル]−5,8−ジヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−7(6H)−オン(0.87g、3.91mmol)中1:1HO/アセトン(10mL)の溶液に、p−TsOH・HO(0.074g、0.39mmol)を加え、反応物を2日間加熱還流した。反応は完了しておらず、さらにp−TsOH・HO(0.20g)を加え、反応物をさらに1日間還流した。出発物質がなくなった後、溶液を減圧下で濃縮して、所望の生成物を白色固体として得、粗物質を直接次の工程に用いた(1.023g)。
LCMS:m/z 178.0(MH+)
【0176】
(j)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1(0.045g、0.15mmol)の1:1MeOH/DCM(20mL)中溶液に、粗7−オキソ−1,5,6,7−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド(0.052g、0.29mmol)、NaHCO(0.088g、1.05mmol)、および過剰なNaSOを加えた。溶液を常温で16時間撹拌し、ついで、さらにNa(OAc)BH(0.095g、0.45mmol)を加えた。得られた溶液をさらに2時間撹拌した。ついで、溶液をシリカゲル上減圧下で濃縮して、粗残渣をカラムシリカゲルクロマトグラフィー(最初DCM/10%MeOH/DCM、ついで、DCM/90:10:1DCM/MeOH/NHOH)により精製して、所望の生成物の遊離塩基を黄色油性フィルムを得た(0.026g、37%)。
LCMS:m/z 464.1(MH+)
H NMR(400MHz,CDCl)δ1.52−1.64(m,2H)1.99(t,J=15.92Hz,2H)2.07−2.17(m,1H)2.22−2.32(m,1H)2.47−2.56(m,1H)2.66−2.77(m,3H)2.82(d,J=10.61Hz,1H)2.89(dd,J=12.51,4.42Hz,1H)2.98(t,J=7.71Hz,2H)3.06(d,J=11.37Hz,1H)4.00−4.10(m,3H)4.44−4.55(m,2H)6.98(t,J=8.97Hz,1H)7.69(dd,J=8.84,4.04Hz,1H)8.20(s,1H)8.40(s,1H)
遊離塩基をDCMに溶解し、ジエチルエーテル中1M塩化水素で処理し、蒸発させて、乾燥させて、塩酸塩を灰白色固体として得た。
【0177】
実施例19 6−({4−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン−2−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化39】

【0178】
(a)5−(3−ヒドロキシプロピル)−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4(1H)−ピリミジノン
無水ジエチルエーテル(20ml)中のδ−バレロラクトン(2.0g;20mmol)に、ギ酸エチル(1.6mL;21mmol)および水素化ナトリウム(1.0gの油中60%w:w分散液、25mmol)を加えた。反応物を窒素雰囲気下室温にて45分間撹拌した。(2E)−3−フェニル−2−プロペンイミダミド(2.92g;20mmol)のEtOH(25ml)中溶液を加え、ついで、混合物を80℃に加熱し、この温度で4時間撹拌した。反応物を室温に冷却し、水(50mL)を加え、混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出した。合した有機抽出物をNaSOで乾燥し、溶媒を除去し、粗残渣を、0−10%MeOH/DCM勾配を用いるカラムシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。生成物を含有するフラクションを濃縮して、所望の化合物を得た(2.3g、45%)。
MS(ES+)m/z 257(MH
【0179】
(b)2−[(E)−2−フェニルエテニル]−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン
THF(20ml)中の5−(3−ヒドロキシプロピル)−2−[(E)−2−フェニルエテニル]−4(1H)−ピリミジノン(1.0g;4.0mmol)に、トリフェニルホスフィン(1.6g;6.0mmol)およびアゾジカルボン酸ジエチル(1.0g;6.0mmol)を加えた。反応物を窒素雰囲気下室温にて14時間撹拌した。反応物を水(20ml)およびEtOAc(100ml)間で分配し、水相をさらにEtOAc(2×50ml)で抽出した。合した有機抽出物をNaSOで乾燥し、溶媒を除去し、粗残渣を、DCM0−2.5%MeOH勾配を用いるカラムシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して所望の化合物を得た(0.81g;84%)。
MS(ES+)m/z 239(MH
【0180】
(c)6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド
2−[(E)−2−フェニルエテニル]−6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン(0.5g、2.1mmol)をDCM(20ml)中に溶解し、Oを反応物に−78℃で15分間通気した。ついで、窒素を10分間通気して、過剰のOを除去し、反応物を亜硫酸ジメチル(2.0ml、32.2mmol)でクエンチした。反応物を室温に加温し、14時間撹拌した。すべての溶媒を除去して、所望の化合物(0.28g;80%)を得、さらに精製することなく用いた。
MS(ES+)m/z 165(MH
【0181】
(d)標題化合物
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1(45mg、0.15mmol)のクロロホルム(3ml)およびMeOH(0.3ml)中溶液に、6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒド(25mg;0.15mmol)を加えた。反応物を室温にて16時間撹拌し、ついで、NaBH(7mg;0.18mmol)を加えた。反応物をさらに25分間撹拌し、溶媒を除去し、粗残渣を、0−10%MeOH/DCM−94:5:1DCM:MeOH:NHOH勾配を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、所望の化合物を遊離塩基として得た(22mg;33%)。
MS(ES+)m/z 451(MH
H NMR(400MHz,CDCl)δ1.51(m,2H),1.89−2.12(m,4H),2.04(s,3H),2.24(t,1H),2.50−2.74(m,2H),2.80−2.91(m,3H),3.33(m,1H)3.85(s,2H),4.45(m,1H),4.85−4.93(m,3H),7.10(m,1H),7.73(dd,1H,J=8.8,4.0Hz),8.14(s,1H),8.34(s,1H)
化合物を、得られた遊離塩基を10%MeOH/DCM中に溶解し、ジエチルエーテル中の1MのHClで処理することによりジ−HCl塩に変換した。ついで、これを蒸発させて乾燥した。
【0182】
実施例20 6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1二塩酸塩
【化40】

6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1および6,7−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−カルバルデヒドから、本明細書に記載の方法と類似の方法により標題化合物を調整した。
LC/MS:M+Hat453.0
H NMR(400MHz,CHOD)δppm2.32(d,J=11.87,2H)2.53(s,2H)3.66−3.77(m,3H)3.86(d,J=11.62Hz,1H)4.09(s,1H)4.36−4.42(m,2H)4.42(s,2H)4.58−4.67(m,5H)7.20(t,J=9.35Hz,1H)7.84(dd,J=8.84,4.04Hz,1H)8.19(s,1H)8.31(s,1H)
【0183】
生物学的活性
抗微生物活性アッセイ:
全細胞抗微生物活性は、臨床検査標準協会(Clinical and Laboratory Standards Institute(CLSI))が推奨する手法、ドキュメントM7−A7、「好気的に生育する細菌のための希釈感受性試験方法(Methods for Dilution Susceptibility Tests for Bacteria that Grow Aerobically)」を用いる培養液微量希釈によって測定した。化合物は、0.016〜16mcg/mLの範囲で連続2倍希釈において試験した。
【0184】
化合物を、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、ストレプトコッカス・ニューモニエ(Streptococcus pneumoniae)、ストレプトコッカス・ピロゲネス(Streptococcus pyogenes)、エンテロコッカス・ファエカリス(Enterococcus faecalis)およびエンテロコッカス・ファエシウム(Enterococcus faecium)を包含するグラム陽性生物のパネルに対して評価した。
【0185】
L.ニューモフィラ(L.pneumophila)異性体を、ブロス微量希釈の修飾CLSI法を用いて試験した。このアッセイに関して、化合物を、0.03〜32mcg/mLの範囲の濃度にわたって、連続2倍希釈法で試験した。個々の試験異性体の接種物は、緩衝化酵母菌ブロスにおいて調製し、0.5McFarland標準と等しい密度に調製した。インキュベーション後、マイクロタイタープレートを、37℃で72時間インキュベートした。
【0186】
さらに、化合物を、ヘモフィルス・インフルエンザ(Haemophilus influenzae)、モラキセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、シュードモナス・アエルギノサ(Pseudomonas aeruginosa)、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、レギオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、エンテロバクター・クロアサエ( Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、クレブシラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumoniae)およびステノトロホモナス・マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophilia)を包含するグラム陰性生物のパネルに対して評価した。
【0187】
最小阻害濃度(MIC)は、目に見える生育を阻害した化合物の最低濃度として測定した。MIC終点の決定を補助するためにミラーリーダーを用いた。
本出願において同定された列挙する実施例の各々は、少なくとも1つの例示される塩形態において試験した。別記しないかぎり、列挙される実施例は、上記の少なくとも1つの生物の株に対して、MIC≦2μg/mlを有した。上記したすべての生物の少なくとも1つの株に関して、Proteus mirabilisの株を除く少なくとも1つの実施例は、MIC≦2μg/mlを有し、これらに関して少なくともいくつかの実施例は、MIC≦16μg/mlを有していた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:
1aは、水素;ハロゲン;シアノ;(C1−6)アルキル;(C1−6)アルキルチオ;トリフルオロメチル;トリフルオロメトキシ;カルボキシ;(C1−6)アルキルまたは(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;(C1−6)アルコキシ−置換(C1−6)アルキル;ヒドロキシ(C1−6)アルキル;1または2個の(C1−6)アルキル、ホルミル、(C1−6)アルキルカルボニルまたは(C1−6)アルキルスルホニル基によりN−置換されていてもよいアミノ基;またはアミノカルボニル(ここに、アミノ基は(C1−4)アルキルにより置換されていてもよい)から選択され;
は、水素、または(C1−4)アルキルであるか、あるいはRと一緒になって、下記に定義するYを形成し;
Aは、基(i):
【化2】

(式中:RはR1aの記載と同意義であるか、またはオキソであり、nは1または2である)
であり;
または、Aは、基(ii)
【化3】

(式中、W、WおよびWはCRであるか、
あるいは、WおよびWはCRであり、WはWおよびN間の結合を意味し;
XはO、CR、またはNRであり;
1個のRはR1aと同意義であり、残りおよびRは水素であるか、あるいは1個のRおよびRは一緒になってオキソであり、残りは水素であり;
は、水素または(C1−6)アルキルであるか;あるいはRと一緒になってYを形成し;
は、水素;ハロゲン;(C1−6)アルキルにより置換されていてもよいヒドロキシ;または(C1−6)アルキルであり;
Yは、CRCH;CHCR;(C=O);CR;CR(C=O);または(C=O)CRであり;
あるいは、XがCRである場合、RおよびRは一緒になって結合を意味し;
UはCO、およびCHから選択される)
であり;
は、環中に4個までのヘテロ原子を含有する、置換されていてもよい二環式炭素環または複素環系(B):
【化4】

であり、
環(a)および(b)の少なくとも1個は芳香族であり;
は、芳香環の一部である場合にはCまたはNであり、または非芳香族環の一部である場合にはCR14であり;
は、芳香環または非芳香環の一部である場合にはN、NR13、O、S(O)、COまたはCR14であり、または、非芳香環の一部である場合には加えてCR1415であってもよく;
およびXは、独立して、NまたはCであり;
は、0〜4原子のリンカー基であり、個々の原子は、独立して、芳香環または非芳香環の一部である場合にはN、NR13、O、S(O)、COおよびCR14から選択され、または非芳香環の一部である場合にはさらにCR1415であってもよく;
は、2〜6原子のリンカー基であり、Yの個々の原子は、独立して、芳香環または非芳香環の一部である場合にはN、NR13、O、S(O)、CO、CR14から選択され、非芳香環の一部の場合にはさらにCR1415であってもよく;
14およびR15は、各々独立して、H;(C1−4)アルキルチオ;ハロ;カルボキシ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C1−4)アルコキシ(C1−4)アルキル;ヒドロキシ;ヒドロキシ(C1−4)アルキル;(C1−4)アルコキシ;ニトロ;シアノ;カルボキシ;(C1−4)アルキルによりモノまたはジ置換されていてもよいアミノまたはアミノカルボニルから選択されるか;あるいは
14およびR15は、一緒になってオキソを意味し;
13は、各々独立して、H;トリフルオロメチル;ヒドロキシ、(C1−6)アルコキシ、(C1−6)アルキルチオ、ハロまたはトリフルオロメチルにより置換されていてもよい(C1−4)アルキル;(C2−4)アルケニル;(C1−4)アルコキシカルボニル;(C1−4)アルキルカルボニル;(C1−6)アルキルスルホニル;アミノカルボニル(ここに、アミノ基は、(C1−4)アルキルによりモノまたはジ置換されていてもよい)から選択され;
xは、各々独立して、0、1または2であり;
は水素またはヒドロキシである]
で示される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはN−オキシド。
【請求項2】
1aが、水素、メトキシ、メチル、クロロまたはフルオロである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が水素である、前記請求項いずれか1項記載の化合物。
【請求項4】
Aが(ia)であり、nが1であり、Rが3位にあり、NR基に対してシスであり、Rが水素またはヒドロキシである、前記請求項いずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
Aが(ii)であり、Wが結合であり、X、WおよびWが、各々CHであり、RがHである、請求項1〜4いずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
UがCHである、前記請求項いずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
が、少なくとも1個がNまたはNR13である2〜4個のヘテロ原子を含む8〜11個の環原子を有する、芳香族ヘテロサイクリック環(B)であり、Yが2〜3個のヘテロ原子を含有し、その1個がSであり、1〜2個がNであり、1個のNがXに結合し、あるいは、ヘテロサイクリック環(B)が、置換されていてもよいベンゾ、ピリドおよびピリダジノから選択される芳香環(a)および非芳香環(b)であり、Yは少なくとも1個のヘテロ原子を含む3〜5個の原子を有し、O、S、CHまたはNR13はXに結合し、ここに、R13が水素以外であり、Nを介してXに結合するNHCOであるか、またはXに結合するO、S、CHまたはNHである、前記請求項いずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
が:
3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル
2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イル
6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イル
2,3−ジヒドロ−[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イル、または
[1,3]オキサチオロ[5,4−c]ピリジン−6−イル
から選択される、請求項1〜7いずれか1項記載の化合物。
【請求項9】
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−({4−[(2,3−ジヒドロフロ[2,3−c]ピリジン−5−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−b]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
7−フルオロ−6−[(4−{[(3−オキソ−3,4−ジヒドロ−2H−ピリド[3,2−b][1,4]オキサジン−6−イル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
7−フルオロ−6−[(4−{[(6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−ピリダジノ[3,4−b][1,4]チアジン−3−イル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−({4−[(2,3−ジヒドロ−1H−ピリド[3,4−b][1,4]オキサジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2;
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]オキサチイノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
7−フルオロ−6−[(4−{[(1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリダジン−3−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オンエナンチオマーE1;
7−フルオロ−6−[(4−{[(7−オキソ−1,5,6,7−テトラヒドロピリド[2,3−d]ピリミジン−2−イル)メチル]アミノ}−1−ピペリジニル)メチル]−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−({4−[(6,7−ジヒドロ−5H−ピラノ[2,3−d]ピリミジン−2−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;または
6−({4−[(6,7−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−d]ピリミジン−2−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
から選択される化合物またはその医薬上許容される塩、溶媒和物もしくはN−オキシド。
【請求項10】
6−({4−[(2,3−ジヒドロ[1,4]ジオキシノ[2,3−c]ピリジン−7−イルメチル)アミノ]−1−ピペリジニル}メチル)−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1塩酸塩。
【請求項11】
哺乳動物、特にヒトの細菌感染症の治療方法であって、該治療を必要とする哺乳動物に有効量の請求項1〜10いずれか1項記載の化合物を投与することを含む方法。
【請求項12】
哺乳動物の細菌感染症の治療用の医薬の製造における請求項1〜10いずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項13】
請求項1〜10いずれか1項記載の化合物および医薬上許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項14】
式(IIB):
【化5】

[式中、R20は水素であり、残りの置換基は請求項1の記載と同意義である]
で示される化合物。
【請求項15】
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2;
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン;
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE1;および
6−[(4−アミノ−1−ピペリジニル)メチル]−7−フルオロ−6−ヒドロキシ−5,6−ジヒドロ−3H−ピロロ[1,2,3−de]キノキサリン−3−オン,エナンチオマーE2
から選択される請求項14記載の化合物。

【公表番号】特表2009−532423(P2009−532423A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503546(P2009−503546)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際出願番号】PCT/EP2007/053056
【国際公開番号】WO2007/115947
【国際公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(397009934)グラクソ グループ リミテッド (832)
【氏名又は名称原語表記】GLAXO GROUP LIMITED
【住所又は居所原語表記】Glaxo Wellcome House,Berkeley Avenue Greenford,Middlesex UB6 0NN,Great Britain
【Fターム(参考)】