説明

抗菌剤としての3−{4−(ピリジン−3−イル)フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン

式(I)[式中、R、R、R、及びRは、本明細書に定義される通りである]の化合物、並びにその医薬的に許容される塩及びプロドラッグを開示する。また開示するのは、式(I)の化合物を作製する方法、並びに、細菌感染症を治療するために式(I)の化合物を使用する方法である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、抗生化合物、そして特に、置換オキサゾリジノン環を含有する抗生化合物に関する。さらに本発明は、その製造の方法、その製造に有用な中間体、治療薬剤としてのその使用、及びそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
国際的な微生物学会は、抗生物質耐性の進化により、現在利用可能な抗菌剤が無効になる菌株が生じる可能性があるという深刻な懸念を表明し続けている。一般に、細菌病原体は、グラム陽性又はグラム陰性のいずれかの病原体として分類することができる。グラム陽性病原体とグラム陰性病原体の両方に対して有効な活性がある抗生化合物は、一般に、広い活性スペクトルを有するとみなされる。本発明の化合物は、グラム陽性病原体とある種のグラム陰性病原体の両方に対して有効とみなされている。
【0003】
グラム陽性病原体、例えば、ブドウ球菌、腸球菌、連鎖球菌、及びマイコバクテリウムは、処置することが難しいだけでなく、ひとたび定着すると、院内環境から駆逐することが難しい耐性菌株の発現のために、特に重要である。そうした菌株の例は、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)、メチシリン耐性コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(MRCNS)、ペニシリン耐性肺炎連鎖球菌、及び多剤耐性エンテロコッカス・フェシウムである。
【0004】
こうした耐性グラム陽性病原体の処置に重要な臨床上有効な抗生物質は、バンコマイシンである。バンコマイシンは糖ペプチドであり、腎毒性が含まれる様々な毒性に関連している。さらに、そしてきわめて重要にも、バンコマシンや他の糖ペプチドへの抗菌耐性も出現しつつある。この耐性は、着実な速度で増加していて、これらの薬剤をグラム陽性病原体の処置においてますます無効にしている。また、H. influenzae 及び M. catarrhalis が含まれるある種のグラム陰性菌株によっても引き起こされる上気道感染症の治療に使用される、β−ラクタム、キノロン、及びマクロライドのような薬剤に対しても耐性発現が増加しつつある。
【0005】
オキサゾリジノン環を含有するある種の抗菌化合物が当該技術分野で記載されている(例えば、Walter A. Gregory et al., J. Med. Chem. 1990, 33, 2569-2578 及び 1989, 32(8), 1673-81; Chung-Ho Park et al., J. Med. Chem. 1992, 35, 1156-1165)。既知の抗菌剤への細菌耐性は、例えば、(i)かつて有効であった薬作用発生団を無効又は余分にする、細菌中の活性結合部位の進化、及び/又は(ii)所与の薬作用発生団を化学的に不活性化する手段の進化、及び/又は(iii)流出経路の進化によって発生する場合がある。故に、好ましい薬理学的プロフィールのある新たな抗菌剤、特に、有用な活性及び物理化学特性を有する化合物を見出すことへの現行のニーズが依然としてある。
【0006】
医薬化合物の物理化学特性(溶解性及びバイオアベイラビリティのような)は、化合物上の様々な置換基の極性と分子量(等しい極性では、分子量が高まるにつれて、溶解度とバイオアベイラビリティが一般に減少する)のような因子との間の均衡であると一般に理解されている。一般に、分子の硬度/柔軟性のような他の因子も、溶解度のような物理化学特性に影響を及ぼす。
【0007】
特許出願WO01/94342(Dong A. Pharm.株式会社)は、オキサゾリジノン環へ付いたメチルアセトアミド側鎖を担う、ピリジル又はピリミジル−フェニル−オキサゾリジノン化合物について記載する。その特許出願に例示された化合物の大多数は、ピリジル又はピリミジル環へ付いた置換ピペラジン環を含有するか、又はピペリジン、オキサジアゾール、又はテトラゾールのような、ピペラジン以外の他の複素環を含有する。
【0008】
我々は、有用な抗菌活性を有する、オキサゾリジノン環上のトリアゾール置換基とピリジル環へ直接連結した置換アルキル置換基を担う、ピリジル−フェニル−オキサゾリジノン化合物の新規な群を発見した。
【0009】
本発明の化合物は、好ましい物理及び/又は薬物動態特性、例えば、溶解度及び/又はバイオアベイラビリティを概して有する。
さらに、本発明の化合物は、好ましいほどに低いモノアミンオキシダーゼA阻害を概して有する。
【0010】
従って、本発明は、式(I):
【0011】
【化1】

【0012】
[式中:Rは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルチオ、及び(2−4C)アルキニルより選択され;
とRは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、及びトリフルオロメチルより選択され;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NHC(O)R、及び−NHS(O)より独立して選択される1又は2の置換基により置換され;そして、シクロプロピルにより追加的に置換されていてもよい]であり;
とRは、水素、メチル、シクロプロピル(メチルで置換されていてもよい)、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される;
又は、RとRは、それらが付く窒素と一緒に、O、N及びSより独立して選択される1のさらなるヘテロ原子を(連結N原子に加えて)含有してもよい、4、5又は6員の飽和又は一部不飽和のヘテロシクリル環を形成する{ここで−CH−基は、−C(O)−に置き換えられてもよく、そしてここで環中のイオウ原子は、S(O)又はS(O)基へ酸化されてもよい;該環は、利用可能な炭素又は窒素原子上で1又は2の(1−4C)アルキル基により置換されていてもよい(但し、RとRが付く窒素は、それにより四級化しない)};
又は、RとRは、それらが付く窒素と一緒にイミダゾール環を形成し、該環は、利用可能な炭素原子上で1又は2の(1−4C)アルキル基により置換されていてもよい;
但し、Rは、ヒドロキシメチルであり得ない]の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグを提供する。
【0013】
別の側面において、本発明は、上記に定義されるような式(I)の化合物、又は医薬的に許容される塩に関する。
別の側面において、本発明は、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はそのプロドラッグに関する。式(I)の化合物のプロドラッグの好適な例は、式(I)の化合物の in-vivo 加水分解可能エステルである。故に、別の側面において、本発明は、上記に定義されるような式(I)の化合物、又はその in-vivo 加水分解可能エステルに関する。
【0014】
任意選択の置換基が「0、1、2又は3」の基より選択される場合、この定義には、特定基の1つより選択されるすべての置換基、又は2以上の特定基より選択される置換基が含まれると理解されたい。同様の慣例が「0、1又は2」の基と「1又は2」の基より選択される置換基へ適用される。
【0015】
本明細書のあらゆる定義において定義されるように、O、N及びSより独立して選択される1又は2のヘテロ原子(これらヘテロ原子の1つは、必ず、連結N原子である)を含有する4、5又は6員の飽和又は一部不飽和ヘテロシクリル環は、O−O、O−S又はS−S結合を1つも含有しないと理解されよう。
【0016】
本明細書において、用語「アルキル」には、直鎖及び分岐鎖の構造が含まれる。例えば、(1−4C)アルキルには、プロピル及びイソプロピルが含まれる。しかしながら、「プロピル」のような個別のアルキル基への言及は、直鎖バージョンだけに特定され、「イソプロピル」のような個別の分岐鎖アルキルへの言及は、分岐鎖バージョンに特定される。同様の慣例が他の残基へ適用され、例えばハロ(1−4C)アルキルには、1−ブロモエチル及び2−ブロモエチルが含まれる。本明細書において、用語「アルケニル」及び「シクロアルケニル」には、すべての位置及び幾何異性体が含まれる。
【0017】
本明細書では、複合語を使用して、1以上の官能基を含んでなる、(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルキルのような基を記載する。そのような用語は、各成分部分について当業者が理解する意味に従って解釈されるべきである。例えば、(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルキルには、メトキシメトキシメチル、エトキシメトキシプロピル、及びプロポキシエトキシメチルが含まれる。
【0018】
ある基が、1より多い置換基により置換されていてもよいと定義される場合、置換は、化学的に安定な化合物が生成されるようなものであると理解されよう。例えば、トリフルオロメチル基が許容されても、トリヒドロキシメチル基は許容されないかもしれない。この慣例は、任意選択の置換基が定義される場合はいつでも適用される。
【0019】
以下に続くのは、本明細書に言及されるある種の置換基及び基に特別で好適な意義である。これらの意義は、上記又は下記に開示される定義及び態様のいずれでも適宜使用してよい。疑念の回避のために言えば、それぞれ明示される種は、本発明の特別で独立した側面を表す。
【0020】
(1−4C)アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、及びt−ブチルが含まれ;(2−4C)アルキルの例には、エチル、プロピル、イソプロピル、及びt−ブチルが含まれ;(1−6C)アルキルの例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、ペンチル、及びヘキシルが含まれ;ヒドロキシ(1−4C)アルキルの例には、ヒドロキシメチル、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、及び3−ヒドロキシプロピルが含まれ;ヒドロキシ(2−4C)アルキルの例には、1−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシイソプロピル、及び2−ヒドロキシイソプロピルが含まれ;(1−4C)アルコキシカルボニルの例には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、及びプロポキシカルボニルが含まれ;(2−4C)アルケニルの例には、アリル及びビニルが含まれ;(2−4C)アルキニルの例には、エチニル及び2−プロピニルが含まれ;(1−4C)アルカノイルの例には、ホルミル、アセチル、及びプロピオニルが含まれ;(1−4C)アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシが含まれ;(1−6C)アルコキシ及び(1−10C)アルコキシの例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、及びペントキシが含まれ;(1−4C)アルキルチオの例には、メチルチオ及びエチルチオが含まれ;(1−4C)アルキルアミノの例には、メチルアミノ、エチルアミノ、及びプロピルアミノが含まれ;ジ((1−4C)アルキル)アミノの例には、ジメチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、ジエチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、及びジプロピルアミノが含まれ;ハロ基の例には、フルオロ、クロロ、及びブロモが含まれ;(1−4C)アルコキシ−(1−4C)アルコキシ及び(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルコキシの例には、メトキシメトキシ、2−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、及び3−メトキシプロポキシが含まれ;(1−4C)アルカノイルアミノ及び(1−6C)アルカノイルアミノの例には、ホルムアミド、アセトアミド、及びプロピオニルアミノが含まれ;(1−4C)アルキルS(O)−(ここでqは、0、1又は2である)の例には、メチルチオ、エチルチオ、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、メチルスルホニル、及びエチルスルホニルが含まれ;ヒドロキシ−(2−4C)アルコキシの例には、2−ヒドロキシエトキシ及び3−ヒドロキシプロポキシが含まれ;(1−6C)アルコキシ−(1−6C)アルキル及び(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルキルの例には、メトキシメチル、エトキシメチル、及びプロポキシエチルが含まれ;(1−4C)アルキルカルバモイルの例には、メチルカルバモイル及びエチルカルバモイルが含まれ;ジ((1−4C)アルキル)カルバモイルの例には、ジ(メチル)カルバモイル及びジ(エチル)カルバモイルが含まれ;ハロ基の例には、フルオロ、クロロ、及びブロモが含まれ;ハロ(1−4C)アルキルの例には、ハロメチル、1−ハロエチル、2−ハロエチル、及び3−ハロプロピルが含まれ;ジハロ(1−4C)アルキルの例には、ジフルオロメチル及びジクロロメチルが含まれ;トリハロ(1−4C)アルキルの例には、トリフルオロメチルが含まれ;アミノ(1−4C)アルキルの例には、アミノメチル、1−アミノエチル、2−アミノエチル、及び3−アミノプロピルが含まれ;シアノ(1−4C)アルキルの例には、シアノメチル、1−シアノエチル、2−シアノエチル、及び3−シアノプロピルが含まれ;(1−4C)アルカノイルオキシの例には、アセトキシ、プロパノイルオキシが含まれ;(1−6C)アルカノイルオキシの例には、アセトキシ、プロパノイルオキシ、及びtert−ブタノイルオキシが含まれ;(1−4C)アルキルアミノカルボニルの例には、メチルアミノカルボニル及びエチルアミノカルボニルが含まれ;ジ((1−4C)アルキル)アミノカルボニルの例には、ジメチルアミノカルボニル及びジエチルアミノカルボニルが含まれる。
【0021】
任意選択の置換基を収載する場合、そのような置換は、好ましくは、他に述べなければ、ジェミナル二置換ではない。他所で述べなければ、特別な基に適した任意選択の置換基は、類似の基について本明細書に述べられるようなものである。
【0022】
好適な医薬的に許容される塩には、メタンスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、及び(さほど好ましくはないが)臭化水素酸塩のような酸付加塩が含まれる。また適しているのは、リン酸及び硫酸と生成される塩である。別の側面において、好適な塩は、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)塩、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム又はマグネシウム)塩、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、モルホリン、N−メチルピペリジン、N−エチルピペリジン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N−ジベンジルエチルアミン、tris−(2−ヒドロキシエチル)アミン、N−メチルd−グルカミン、及びリジンのようなアミノ酸)塩のような塩基性塩である。荷電官能基の数とカチオン又はアニオンの原子価に依存して、1より多いカチオン又はアニオンが存在する場合がある。好ましい医薬的に許容される塩は、ナトリウム塩である。
【0023】
しかしながら、製造の間の塩の単離を容易にするには、医薬的に許容されるかどうかに拘らず、選択される溶媒にさほど溶けない塩が好ましい場合がある。
本発明の化合物は、ヒト又は動物の身体で分解されて本発明の化合物を与えるプロドラッグの形態で投与してよい。プロドラッグは、親化合物の物理及び/又は薬物動態プロフィールを改変又は改善するために使用してよく、プロドラッグを生成するように誘導化し得る好適な基又は置換基を親化合物が含有するときに生成することができる。プロドラッグの例には、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の in vivo 加水分解可能エステルが含まれる。プロドラッグのさらなる例には、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の in vivo 加水分解可能アミドが含まれる。
【0024】
当該技術分野には様々な形態のプロドラッグが知られている。例えば:
a)「プロドラッグの設計(Design of Prodrugs)」H. Bundgaard 監修(エルセヴィエ、1985)、及び「酵素学の方法(Methods in Enzymology)」Vol. 42:p. 309-396, K. Widder, et al 監修(アカデミックプレス、1985);
b)「医薬品の設計及び開発教程(A Textbook of Drug Design and Development)」Krogsgaard-Larsen 及び H. Bundgaard 監修、第5章「プロドラッグの設計及び応用(Design and Application of Prodrugs)」H. Bundgaard 著、p. 113-191(1991);
c)H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8, 1-38 (1992);
d)H. Bundgaard, et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, 285 (1988);及び
e)N. Kakeya, et al., Chem Pharm Bull, 32, 692 (1984) を参照のこと。
【0025】
ピリジン又はトリアゾール誘導体に適したプロドラッグには、アシルオキシメチルピリジニウム又はトリアゾリウム塩、例えばハロゲン化物;例えば、
【0026】
【化2】

【0027】
のようなプロドラッグが含まれる(参考文献:T. Yamazaki et al. 抗微生物剤及び化学療法に関する第42回国際会議、サンディエゴ、2002;抄録 F820)。
ヒドロキシル基の好適なプロドラッグは、式:RCOOC(R,R’)OCO−(ここで、Rは(1−4C)アルキルであり、R’は、(1−4C)アルキル又はHである)のアセタール−炭酸エステルのアシルエステルである。さらに好適なプロドラッグは、炭酸及びカルバミン酸のエステル:RCOO−及びRNHCOO−である。
【0028】
カルボキシ又はヒドロキシ基を含有する、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の in-vivo 加水分解可能エステルは、例えば、ヒト又は動物の身体で加水分解されて元のアルコールを生成する医薬的に許容されるエステルである。
【0029】
カルボキシに適した医薬的に許容されるエステルには、(1−6C)アルコキシメチルエステル、例えばメトキシメチル、(1−6C)アルカノイルオキシメチルエステル、例えばピバロイルオキシメチル、フタリジルエステル、(3−8C)シクロアルコキシカルボニルオキシ(1−6C)アルキルエステル、例えば1−シクロヘキシルカルボニルオキシエチル;1,3−ジオキソラン−2−オニルメチルエステル、例えば5−メチル−1,3−ジオキソラン−2−イルメチル;及び、(1−6C)アルコキシカルボニルオキシエチルエステル、例えば1−メトキシカルボニルオキシエチルが含まれて、本発明の化合物中のどのカルボキシ基で形成されてもよい。
【0030】
ヒドロキシ基(単数又は複数)を含有する、本発明の化合物又はその医薬的に許容される塩の in-vivo 加水分解可能エステルには、リン酸エステル(ホスホロアミド環状エステルが含まれる)のような無機エステルとα−アシルオキシアルキルエーテル、そしてエステル分解の in-vivo 加水分解の結果として元のヒドロキシ基(単数又は複数)を生じる関連化合物が含まれる。α−アシルオキシアルキルエーテルの例には、アセトキシメトキシと2,2−ジメチルプロピオニルオキシメトキシが含まれる。ヒドロキシの in-vivo 加水分解可能エステル形成基の選択物には、(1−10C)アルカノイル(例えば、(1−4C)アルカノイル)、ベンゾイル、フェニルアセチルと置換ベンゾイル及びフェニルアセチル、(1−10C)アルコキシカルボニル(炭酸アルキルエステルを生じる)、ジ(1−4C)アルキルカルバモイル及びN−(ジ(1−4C)アルキルアミノエチル)−N−(1−4C)アルキルカルバモイル(カルバメートを生じる)、ジ(1−4C)アルキルアミノアセチル、カルボキシ(2−5C)アルキルカルボニル、及びカルボキシアセチルが含まれる。フェニルアセチル及びベンゾイル上の環置換基の例には、クロロメチル又はアミノメチル、(1−4C)アルキルアミノメチル及びジ((1−4C)アルキル)アミノメチル、及び、環窒素原子よりメチレン連結基を介してベンゾイル環の3若しくは4位へ連結するモルホリノ又はピペラジノが含まれる。他の興味深い in-vivo 加水分解可能エステルには、例えば、RC(O)O(1−6C)アルキル−CO−が含まれる(ここでRは、例えば、置換されていてもよいベンジルオキシ−(1−4C)アルキル、又は置換されていてもよいフェニルであり;そのようなエステルのフェニル基上の好適な置換基には、例えば、4−(1−4C)ピペラジノ−(1−4C)アルキル、ピペラジノ−(1−4C)アルキル、及びモルホリノ−(1−4C)アルキルが含まれる)。
【0031】
さらなる好適な in-vivo 加水分解可能エステルは、アミノ酸より生成されるものである。例えば、アミノ酸のカルボン酸と化合物のヒドロキシ基の反応により生成されるエステルである。本明細書の用語「アミノ酸」は、天然に存在するか又は他のやり方で、即ち非天然に存在するあらゆるa−アミノ酸又は他の置換アミノ酸、そして置換(例えば、アミノ基の窒素上でのアルキル化)により生成されるようなそれらの誘導体を意味する。天然又は非天然のアミノ酸のいずれかの使用は、本発明の特別な独立した側面を表す。好適なα−アミノ酸とその誘導体の例は、バリン、ロイシン、イソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−tert−ブチルイソロイシン、リジン、グリシン、N−メチルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、及びフェニルアラニンである。1つの態様において、好ましいアミノ酸は、天然に存在するα−アミノ酸とそのN−アルキル化誘導体である。
【0032】
中性及び/又は塩基性の側鎖を有するアミノ酸の使用は、本発明の特別な独立した側面を表す。
式(I)の化合物の好適な in-vivo 加水分解可能エステルは、以下のように記載される。例えば、1,2−ジオールは、環化して式(PD1)の環状エステル又は式(PD2)のピロリン酸エステルを形成してよく、1,3−ジオールは、環化して式(PD3)の環状エステルを形成してよい:
【0033】
【化3】

【0034】
(PD1)、(PD2)及び(PD3)中のHO−官能基が(1−4C)アルキル、フェニル、又はベンジルにより保護される式(I)の化合物のエステルは、そのようなプロドラッグの製造に有用な中間体である。
【0035】
さらなる in-vivo 加水分解可能エステルには、ホスホロアミドエステルと、また、遊離のヒドロキシ基が独立して、式(PD4):
【0036】
【化4】

【0037】
のホスホリル(npdは1である)又はホスフィリル(npdは0である)エステルを形成する本発明の化合物が含まれる。
疑念の回避のために言えば、ホスホノは−P(O)(OH)であり;(1−4C)アルコキシ(ヒドロキシ)−ホスホリルは、−O−P(O)(OH)のモノ(1−4C)アルコキシ誘導体であり;そしてジ(1−4C)アルコキシホスホリルは、−O−P(O)(OH)のジ(1−4C)アルコキシ誘導体である。
【0038】
このようなエステルの製造に有用な中間体には、(PD1)中の−OH基の片方又は両方が(1−4C)アルキル(このような化合物は、それ自身が興味深い化合物でもある)、フェニル、又はフェニル−(1−4C)アルキル(このようなフェニル基は、(1−4C)アルキル、ニトロ、ハロ、及び(1−4C)アルコキシより独立して選択される1又は2の基により置換されていてもよい)により独立して保護される式(PD4)の基を含有する化合物が含まれる。
【0039】
このように、(PD1)、(PD2)、(PD3)及び(PD4)のような基を含有するプロドラッグは、好適なヒドロキシ基を含有する本発明の化合物の、好適に保護されたリン酸化剤(例えば、クロロ又はジアルキルアミノ脱離基を含有する)との反応に続く、酸化(必要ならば)と脱保護化によって製造することができる。
【0040】
他の好適なプロドラッグには、ホスホノオキシメチルエーテルとその塩、例えば:
【0041】
【化5】

【0042】
のようなR−OHのプロドラッグが含まれる。
本発明の化合物がいくつかの遊離のヒドロキシ基を含有するとき、プロドラッグ官能基へ変換されないその基は、保護して(例えば、t−ブチル−ジメチルシリル基を使用する)、その後で脱保護することができる。また、酵素法を使用して、アルコール官能基を選択的にリン酸化又は脱リン酸化してよい。
【0043】
アミノ基のプロドラッグの例には、in-vivo 加水分解可能アミド又はその医薬的に許容される塩が含まれる。好適な in-vivo 加水分解可能基には、N−カルボメトキシ及びN−アセチルが含まれる。そのようなアミドは、活性化エステル又は酸クロリドのような活性化アシル誘導体、例えば、(1−6C)アルカノイルクロリド(tBuCOCl又は塩化アセチルのような)、又はその置換誘導体とアミノ(又はアルキルアミノ)基の反応によって生成することができる。
【0044】
カルボキシ基を含有する、式(I)の化合物の in-vivo 加水分解可能アミドに適した意義は、例えば、N−メチル、N−エチル、N−プロピル、N,N−ジメチル、N−エチル−N−メチル、又はN,N−ジエチルアミドのような、N−C1−6アルキル又はN,N−ジC1−6アルキルアミドである。
【0045】
アミン又はカルボキシ基を含有する式(I)の化合物の in-vivo 加水分解可能アミドに適したさらなる意義は、in-vivo 加水分解可能エステルについて本明細書に定義されて記載されるような、アミノ酸との反応により生成される in-vivo 加水分解可能アミドである。
【0046】
in-vivo 加水分解可能エステル又はアミドの医薬的に許容される塩を生成し得る場合、これは、慣用の技術によって達成される。従って、例えば、式(PD1)、(PD2)、(PD3)及び/又は(PD4)の基を含有する化合物は、(一部又は全部)イオン化して、適正数の対イオンがある塩を生成することができる。従って、例えば、本発明の化合物の in-vivo 加水分解可能エステルが2つの(PD4)基を含有するならば、分子全体には4つのHO−P−官能基が存在し、そのそれぞれが適正な塩を生成してよい(即ち、分子全体が、例えば、一、二、三又は四ナトリウム塩を生成してよい)。
【0047】
1つの側面において、本発明の好適なプロドラッグは、(1−4C)アルキルエステル;(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシ、カルボキシ、(1−4C)アルキルエステル、アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、トリ(1−4C)アルキルアミノ(それにより、四級化した窒素原子を含有する)、アミノカルボニル、カルバメート、アミド、又はヘテロシクリル基で置換された(1−4C)アルキルエステル(例えば、R又はR中のヒドロキシ基の、メトキシ酢酸、メトキプロピオン酸、アジピン酸モノメチルエステル、4−ジメチルアミノブタン酸、2−メチルアミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、β−アラニン、N,N−ジエチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−tert−ブチルイソロイシン、リジン、グリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニン、ニコチン酸、ニコチン酸−N−オキシド、ピリミジン−カルボン酸(例えばピリミジン−5−カルボン酸)、ピラジン−カルボン酸(例えばピラジン−2−カルボン酸)、又はピペリジン−4−カルボン酸との反応によって生成されるエステル);(3−6C)シクロアルキルエステル((1−4C)アルコキシカルボニル、アルコキシ、又はカルボキシ基により置換されていてもよい);炭酸エステル(例えば炭酸(1−4C)アルキルと、(1−4C)アルコキシ又はジ(1−4C)アルキル)アミノにより置換されたそのような炭酸エステル);硫酸エステル;リン酸及びリン酸エステル;並びに、カルバミン酸エステル(例えば、実施例10を参照のこと)のような in-vivo 加水分解可能エステルとその医薬的に許容される塩である。
【0048】
さらに好適なプロドラッグは、炭酸エステル、特にメトキシプロピルカーボネートのようなアルコキシ置換アルキルカーボネートとR又はR中のヒドロキシ基の反応により生成されるものである。
【0049】
さらに好適なプロドラッグは、メトキシ酢酸、メトキシプロピオン酸、アジピン酸モノメチルエステル、4−ジメチルアミノブタン酸、2−メチルアミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、β−アラニン、N,N−ジエチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−tert−ブチルイソロイシン、リジン、グリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニン、ニコチン酸、ニコチン酸−N−オキシド、ピリミジン−5−カルボン酸、ピラジン−2−カルボン酸又はピペリジン−4−カルボン酸、2−カルボキシ−シクロヘキサン−1−カルボン酸とR又はR中のヒドロキシ基の反応により生成するエステルと、その医薬的に許容される塩である。
【0050】
本発明の特別な化合物は、アミノ酸より生成される in-vivo 加水分解可能エステルとその医薬的に許容される塩である。
本発明のさらに特別な化合物は、4−ジメチルアミノブタン酸、2−メチルアミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、β−アラニン、N,N−ジエチルアラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−tert−ブチルイソロイシン、リジン、グリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、フェニルアラニンより生成される in-vivo 加水分解可能エステルとその医薬的に許容される塩である。
【0051】
本発明のさらに特別な化合物は、バリン、ロイシン、イソロイシン、N−メチルイソロイシン、N−tert−ブチルイソロイシン、リジン、グリシン、N,N−ジメチルグリシン、アラニン、ザルコシン、グルタミン、アスパラギン、プロリン、及びフェニルアラニンより生成される in-vivo 加水分解可能エステルとその医薬的に許容される塩である。
【0052】
本発明の化合物は、キラル中心をオキサゾリジノン環のC−5位に有する。この医薬的に活性なジアステレオマーは、(5R)配置である式(Ia):
【0053】
【化6】

【0054】
のものである。
本発明には、純粋なジアステレオマー、又はジアステレオマーの混合物、例えばラセミ混合物が含まれる。エナンチオマーの混合物を使用するならば、医薬的に活性なエナンチオマーの同じ重量と同じ効果を達成するには、(エナンチオマーの比率に依存して)より多くの量が必要とされようう。
【0055】
さらに、本発明の化合物の中には、他のキラル中心を有するものがあり得る。本発明には、抗菌活性を保有する、そのような光学及びジアステレオ異性体とラセミ混合物がすべて含まれると理解されたい。当該技術分野では、光学活性型を(例えば、ラセミ型の再結晶技術による分割によって、キラル合成によって、酵素分割によって、バイオ変換によって、又はクロマトグラフィー分離によって)製造して、下記に記載のように抗菌活性を定量する方法がよく知られている。
【0056】
本発明は、抗菌活性を保有する、本発明の化合物のすべての互変異性型に関する。
また、本発明のある化合物は、非溶媒和型だけでなく、例えば、水和型のような溶媒和型で存在し得ると理解されたい。本発明には、抗菌活性を保有する、そのような溶媒和型がすべて含まれると理解されたい。
【0057】
また、本発明のある化合物は、多形現象を明示する場合があること、そして本発明には、抗菌活性を保有するそのような形態がすべて含まれることを理解されたい。
上記に述べたように、我々は、ごく一般的に使用される抗生物質に対して耐性があることが知られている微生物が含まれる広範囲のグラム陽性病原体に抗する良好な活性と、H. influenzae、M. catarrhalis、マイコプラズマ、及びクラミジア菌株のような選好性グラム陰性病原体に抗する活性を有する一連の化合物を発見した。以下の化合物は、好ましい医薬及び/又は物理及び/又は薬物動態特性を保有する。
【0058】
理論的な考察に束縛されることを望まないが、ピリジン環上に制御しやすい(flexible)置換基を含めることは、化合物の溶解度に対して有益な効果を及ぼすと考えられる。例えば、pH7.4リン酸緩衝液において、参考実施例5は35.1μMの平衡溶解度を有し、参考実施例6は<7.1μMの平衡溶解度を有する。対照的に、実施例4は、210μMの平衡溶解度を有する。溶解度のような変数は、当該技術分野で知られたどの好適な技術によって測定してもよいと理解されよう。
【0059】
本発明の1つの態様において式(I)の化合物が提供され、代わりの態様において式(I)の化合物の医薬的に許容される塩が提供され、さらに代わりの態様において式(I)の化合物の in-vivo 加水分解可能エステルが提供され、そしてさらに代わりの態様において式(I)の化合物の in-vivo 加水分解可能エステルの医薬的に許容される塩が提供される。さらなる側面において、式(I)の化合物の in-vivo 加水分解可能アミドが提供される。
【0060】
1つの側面において、Rは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、エチニル、及びプロピニルより選択される。
【0061】
別の側面において、Rは、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択される。
別の側面において、Rは水素である。
【0062】
1つの側面において、RとRは、独立して、水素又はフルオロである。
別の側面において、RとRは、ともに水素である。
別の側面において、RとRの一方は水素であり、他方はフッ素である。
【0063】
1つの側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、−OC(O)NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換され;そして、シクロプロピルにより追加的に置換されていてもよい]である。
【0064】
1つの側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、−OC(O)NRより選択される1つの置換基により選択され;そして、シクロプロピルにより追加的に置換されていてもよい]である。
【0065】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[−C(O)OR、−C(O)R、カルボキシ、及び−C(O)NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0066】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[−C(O)OR、−C(O)R、カルボキシ、及び−C(O)NRより選択される1つの置換基により選択される]である。
【0067】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[−S(O)及び−S(O)NRより選択される1つの置換基により選択される]である。
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[−NR、−NHC(O)R、及び−NHS(O)より独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0068】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0069】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0070】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0071】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0072】
別の側面において、Rは、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
1つの側面において、RとRは、水素、メチル、シクロプロピル(メチルで置換されていてもよい)、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0073】
別の側面において、RとRは、水素、メチル、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0074】
別の側面において、RとRは、水素及び(1−4C)アルキルより独立して選択される。さらなる側面において、RとRは、水素及びメチルより独立して選択される。 別の側面において、RとRは、水素、メチル、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0075】
別の側面において、RとRは、水素、メチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0076】
別の側面において、RとRは、水素、メチル、及び(2−4C)アルキル(1又は2のヒドロキシにより置換されていてもよい)より独立して選択される。
別の側面において、RとRは、それらが付く窒素と一緒に、O、N及びSより独立して選択される1のさらなるヘテロ原子を(連結N原子に加えて)含有してもよい、4、5又は6員の飽和又は一部不飽和のヘテロシクリル環を形成する{ここで−CH−基は、−C(O)−に置き換えられてもよく、そしてここで環中のイオウ原子は、S(O)又はS(O)基へ酸化されてもよい;該環は、利用可能な炭素又は窒素原子上で1又は2の(1−4C)アルキル基により置換されていてもよい(但し、RとRが付く窒素は、それにより四級化しない)}。別の側面において、そのような環は、飽和している。
【0077】
とRをそれらが付く窒素と一緒に含んでなる、そのような環に適した意義は、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、チオモルホリン(及び、イオウがS(O)又はS(O)基へ酸化しているその誘導体)、ピペリジン、ピロリジン、及びテトラヒドロピリジンである。
【0078】
とRをそれらが付く窒素と一緒に含んでなる、そのような環に適したさらなる意義は、モルホリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、及びチオモルホリン(及び、イオウがS(O)又はS(O)基へ酸化しているその誘導体)である。
【0079】
とRをそれらが付く窒素と一緒に含んでなる、そのような環に適したさらなる意義は、モルホリンとチオモルホリン(及び、イオウがS(O)又はS(O)基へ酸化しているその誘導体)である。
【0080】
特別な意義は、モルホリンである。
別の側面において、RとRは、それらが付く窒素と一緒に、イミダゾール、メチルイミダゾール又はジメチルイミダゾール環、特に、メチルイミダゾール又はジメチルイミダゾール、より特別にはジメチルイミダゾールを形成する。
【0081】
本発明の好ましい側面において、式(I)の化合物は、式(Ia)の化合物である。
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;そして
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である。
【0082】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、水素、メチル、シクロプロピル(メチルで置換されていてもよい)、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0083】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、水素、メチル、及び(2−4C)アルキル(1又は2のヒドロキシにより置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0084】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、それらが付く窒素と一緒に、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、チオモルホリン(及び、イオウがS(O)又はS(O)基へ酸化しているその誘導体)、ピペリジン、ピロリジン、及びテトラヒドロピリジンである。
【0085】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、それらが付く窒素と一緒に、イミダゾール、メチルイミダゾール、又はジメチルイミダゾール環を形成する。
【0086】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、水素、メチル、シクロプロピル(メチルで置換されていてもよい)、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される。
【0087】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、それらが付く窒素と一緒に、アゼチジン、モルホリン、ピペラジン、N−メチルピペラジン、チオモルホリン(及び、イオウがS(O)又はS(O)基へ酸化しているその誘導体)、ピペリジン、ピロリジン、及びテトラヒドロピリジンである。
【0088】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択され;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、それらが付く窒素と一緒に、イミダゾール、メチルイミダゾール、又はジメチルイミダゾール環を形成する。
【0089】
本発明のさらなる側面において、上記に定義されるような式(Ia)の化合物、又はその医薬的に許容される塩又はプロドラッグが提供される:ここで、
は水素であり;
とRは、独立して、水素又はフルオロであり;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]であり;そして
とRは、それらが付く窒素と一緒に、イミダゾール、メチルイミダゾール、又はジメチルイミダゾール環を形成する。
【0090】
本発明の特別な化合物には、実施例に記載されるそれぞれ個別の化合物が含まれ、そのそれぞれが本発明の独立した側面を提供する。本発明の別の側面において、実施例のどの2つ又はそれ以上が提供される。
【0091】
製造の部:
さらなる側面において、本発明は、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルを製造するための方法を提供する。以下のある方法の間には、その望まれない反応を防ぐために、ある置換基を保護することが必要になる場合があると理解されよう。熟練化学者は、そのような保護がいつ必要とされるのか、そしてそのような保護基をいかに適所に入れて、後に外すのかを理解されよう。
【0092】
保護基の例については、この主題に関する多くの一般テクストの1つ、例えば、Theodora Green 著「有機合成の保護基(Protective groups in Organic Synthesis)」(出版社:ジョン・ウィリー・アンド・サンズ)を参照のこと。保護基は、文献に記載されているか、又は問題の保護基の除去に適していると熟練化学者に知られているどの簡便な方法によって外してもよく、分子の他所にある基にほとんど障害を与えずに保護基の除去をもたらすような方法が選択される。
【0093】
このように、反応体に、例えば、アミノ、カルボキシ、又はヒドロキシのような基が含まれるならば、本明細書に述べる反応の中には、該基を保護することが望ましい場合がある。
【0094】
アミノ又はアルキルアミノ基に適した保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アルコキシカルボニル基、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、又はt−ブトキシカルボニル基、アリールメトキシカルボニル基、例えばベンジルオキシカルボニル、又はアロイル基、例えばベンゾイルである。上記保護基の脱保護条件は、必然的に、保護基の選択に応じて変化する。従って、例えば、アルカノイル又はアルコキシカルボニル基のようなアシル基、又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような好適な塩基での加水分解によって外すことができる。あるいは、t−ブトキシカルボニル基のようなアシル基は、例えば、塩酸、硫酸、又はリン酸、又はトリフルオロ酢酸のような好適な酸での処理により外してよく、ベンジルオキシカルボニル基のようなアリールメトキシカルボニル基は、例えば、パラジウム担持カーボンのような触媒上での水素化により、又はルイス酸、例えばtris(トリフルオロ酢酸)ホウ素での処理により外してよい。一級アミノ基に適した代わりの保護基は、例えばフタロイル基であり、これは、アルキルアミン、例えばジメチルアミノプロピルアミンでの、又はヒドラジンでの処理により外すことができる。
【0095】
ヒドロキシ基に適した保護基は、例えば、アシル基、例えばアセチルのようなアルカノイル基、アロイル基、例えばベンゾイル、又はアリールメチル基、例えばベンジルである。上記保護基の脱保護条件は、必然的に、保護基の選択に応じて変化する。従って、例えば、アルカノイルのようなアシル基、又はアロイル基は、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化リチウム又はナトリウムのような好適な塩基での加水分解によって外すことができる。あるいは、ベンジル基のようなアリールメチル基は、例えば、パラジウム担持カーボンのような触媒上での水素化により外してよい。
【0096】
カルボキシ基に適した保護基は、例えばエステル化基(例えばメチル又はエチル基であり、これは、例えば、水酸化ナトリウムのような塩基での加水分解によって外すことができる)、又は例えばt−ブチル基(例えば、酸、例えばトリフルオロ酢酸のような有機酸での処理により除去することができる)、又は、例えばベンジル基(例えば、パラジウム担持カーボンのような触媒上での水素化により除去することができる)である。樹脂も保護基として使用してよい。
【0097】
保護基は、化学の技術分野でよく知られた慣用の技術を使用して、合成におけるどの簡便な段階で外してもよい。
本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルは、化学的に関連した化合物の製造に適用可能であることが知られているどの方法によって製造してもよい。そのような方法は、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルを製造するために使用されるとき、本発明のさらなる特徴として提供されて、以下の代表的な実施例により例示される。必要な出発材料は、有機化学の標準手順によって入手してよい(例えば、「最新有機化学(Advanced Organic Chemistry)」(ウィリー・インターサイエンス)、Jerry March、又は Houben-Weyl「有機化学の方法(Methoden der Organischen Chemie)」を参照のこと)。そのような出発材料の製造については、付帯の非限定的な実施例の中で記載する。あるいは、必要な出発材料は、有機化学者の通常の技量内にある、例示に類似した手順によって入手可能である。必要な出発材料又は関連化合物(必要な出発材料を生成するために適用される場合がある)の製造に関する情報は、ある種の特許出願公開公報にも見出される場合があり、その関連した製造の部の内容は、参照により本明細書に組み込まれる;例えば、WO94/13649;WO98/54161;WO99/64416;WO99/64417;WO00/21960;WO01/40222、WO01/94342;WO03/022824、JP2003335762、及びWO03/006440。
【0098】
特に、我々は、オキサゾリジノン化合物を製造する簡便な方法についての詳しい手引きが示されている、我々のPCT特許出願WO99/64417及びWO00/21960を参考にする。
【0099】
熟練した有機化学者は、必要な出発材料及び生成物を入手するために、上記の参考文献、その付帯の実施例と、さらに本明細書の実施例に含まれて参照される情報を使用及び適用することができるだろう。
【0100】
このように、本発明はまた、本発明の化合物とその医薬的に許容される塩及び in-vivo 加水分解可能エステルが(a)〜(o)の方法によって;そしてその後必要であれば: i)任意の保護基を外すこと;
ii)プロドラッグ(例えば、in-vivo 加水分解可能エステル)を生成すること;及び/又は
iii)医薬的に許容される塩を生成することによって製造し得ることを提供する。ここで、前記方法(a)〜(o)は、以下の通りである(ここで、可変基および変数は、他に述べなければ、上記に定義されるとおりである):
a)標準の化学を使用することによって、本発明の別の化合物中の置換基を修飾すること、又はそれへ置換基を導入することによる;(例えば、「有機官能基変換総論(Comprehensive Organic Functional Group Transformations)」(ペルガモン)、Katritzky, Meth-Cohn & Rees を参照のこと);例えば、ヒドロキシ基は、フルオロ基へ;アシルオキシ基、例えばアセトキシ基へ;アミノ基;窒素により連結したヘテロシクリル基(連結窒素環原子に隣接した炭素原子以外の炭素上で置換されていてもよい)、例えば、置換されていてもよいイミダゾール−1−イル基へ変換することができる;ヒドロキシ基のそのような変換は、直接的に(例えば、アシル化又は Mitsunobu(光延)反応によって)、又は1以上の誘導体(例えば、メシレート又はアジド)の仲介により生じる;アシルオキシ基は、ヒドロキシ基へ、又はヒドロキシ基より入手し得る基へ(直接的に、又はヒドロキシ基の仲介により)変換することができる;ハロゲン化アルキル基は、ヒドロキシル基、アミノ基、チオアルキル基、又は窒素により連結したヘテロシクリル基へ変換することができる;ケト基は、ヒドロキシル基又は飽和アルキル基へ還元することができる。
【0101】
b)式(II)(式中、Xは、パラジウム[0]カップリングに有用な脱離基、例えば、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トリフルオロメチルスルホニルオキシ、トリメチルスタンニル、トリアルコキシシリル、又はボロン酸残基である)の化合物の、さらに脱離基Xを有する化合物IIaとの反応による(ピリジル−フェニル結合が、フェニル−X及びピリジル−X結合に置き換わるように);そのような方法は、よく知られていて、例えば、S. P. Stanforth, Catalytic Cross-Coupling Reactions in Biaryl Synthesis(ビアリール合成における触媒交差カップリング反応)Tetrahedron, 54, 1998, 263-303; J. K. Stille, Angew Chem. Int. Ed. Eng., 1986, 25, 509-524; N. Miyaura and A. Suzuki, Chem. Rev., 1995, 95, 2457-2483; D. Baranano, G. Mann, and J. F. Hartwig, Current Org. Chem., 1997, 1, 287-305; S. P. Stanforth, Tetrahedron, 54, 1998, 263-303; P. R. Parry, C. Wang, A. S. Batsanov, M. R. Bryce; 及び B. Tarbit, J. Org. Chem., 2002, 67, 7541-7543 を参照のこと。
【0102】
【化7】

【0103】
脱離基Xは、2つの分子(II)及び(IIa)において同じでも異なってもよい;例えば:
【0104】
【化8】

【0105】
c)適切に置換されたオキシランとピリジル−フェニルカルバメート誘導体(III)の反応によるオキサゾリジン環の形成;
【0106】
【化9】

【0107】
この方法のバリエーションでは、カルバメートをイソシアネート又はアミンに置き換える、又は/及びオキシランを同等の試薬:X−CHCH(O−保護化されていてもよい)CHトリアゾールR(ここで、Xは、置換可能基である)に置き換えることも当該技術分野でよく知られている。例えば(ここで、X=Br)、
【0108】
【化10】

【0109】
(d)式(IV):
【0110】
【化11】

【0111】
{式中、Xは、置き換え可能な置換基(塩化物、臭化物、ヨウ化物、又はトリフルオロメチルスルホニルオキシのような)であり、Yは、ハロ又は
【0112】
【化12】

【0113】
である}の化合物のアシル化剤との反応に続く、ケトンの還元、そして次いで(Yがハロであるとき)、上記のb)に記載のような式(II)の化合物との反応による;例えば、
【0114】
【化13】

【0115】
{式中、Rは、(置換されていてもよい)アルキル基である};
e)式(IV)(ここで、Xはケトンであり、Yは、上記に定義される通りである)のα−ハロケトン誘導体からの、求核試薬との反応に続く、ケトンの還元、そして次いで(Yがハロであるとき)、上記のb)に記載のような式(II)の化合物との反応による;例えば、
【0116】
【化14】

【0117】
f)式(IIa)の化合物を得る、式(IV)(式中、Yは、ハロである)の化合物中の2−ピコリン基のアルキル化に続く、式(II)の化合物との反応による;例えば、
【0118】
【化15】

【0119】
g)式(IV)(式中、Xはエポキシドであり、Yは、上記のd)に定義される通りである)の化合物中のエポキシドの求核試薬との反応、そして次いで(Yがハロであるとき)、上記のb)に記載のような式(II)の化合物との反応による;例えば、
【0120】
【化16】

【0121】
h)グリニャール試薬又は類似の金属アルキル試薬とピリジル−2−カルバルデヒド誘導体(V)の反応による;
【0122】
【化17】

【0123】
i)アルデヒド基(例えば、(V)における)の還元的アミノ化による;
【0124】
【化18】

【0125】
j)アミンのビニルピリジンへの反マルコフニコフ付加による;例えば、
【0126】
【化19】

【0127】
k)R−ピリジル−フェニル環系がすでに形成されている、好適に官能化した中間体からのチアゾール環の形成による;例えば、以下のスキームに例示する:
【0128】
【化20】

【0129】
l)アジドを介したアセチレンへの環状付加による;例えば、例えば水性アルコール溶液において周囲温度でCu(I)触媒作用を使用して、アジドメチルオキサゾリジノンを末端アルキンと反応させることによって、4−置換1,2,3−トリアゾールを得る(V. V. Rostovtsev, L. G. Green, V. V. Fokin, and K. B. Sharpless, Angew. Chem. Int. Ed., 2002, 41, 2596-2599):
【0130】
【化21】

【0131】
m)アミノメチルオキサゾリジノンを1,1−ジハロケトンスルホニルヒドラゾンと反応させることによる(Sakai, Kunihazu; Hida, Nobuko; Kondo, Kiyosi; Bull. Chem. Soc. Jpn., 59, 1986, 179-183; Sakai, Kunikazu; Tsunemoto, Daiei; Kobori, Takeo; Kondo, Kiyoshi ;Hido, Noboko EP103840 A2 19840328);
【0132】
【化22】

【0133】
n)4−ハロとしてのRでは、0℃と100℃の間の温度で、溶媒なしで、又はクロロホルム又はジオキサンのような不活性希釈剤において、アジドメチルオキサゾリジノンをハロビニルスルホニルクロリドと反応させることによって式(I)の化合物を作製してもよい;
【0134】
【化23】

【0135】
o)式(V)のケトン前駆体の、例えば、ホウ水素化ナトリウムでの還元;例えば、
【0136】
【化24】

【0137】
あらゆる保護基の除去、医薬的に許容される塩の生成、及び/又は in-vivo 加水分解可能エステル又はアミドの生成は、標準技術を使用する、通常の有機化学者の技量内にある。さらに、上記の工程に関する詳細、例えば、in-vivo 加水分解可能エステルプロドラッグの製法については、例えば、そのようなエステルに関する上記の節においてすでに提供した。
【0138】
本発明の化合物の光学活性型が求められるとき、それは、光学活性の出発材料(例えば、好適な反応工程の不斉導入によって生成する)を使用して上記の手順の1つを行うことによって、又は標準手順を使用する化合物又は中間体のラセミ型の分割によって、又は(生成される場合)ジアステレオマーのクロマトグラフィー分離によって入手することができる。光学活性の化合物及び/又は中間体の製造には、酵素技術が有用な場合もある。
【0139】
同様に、本発明の化合物の純粋な位置異性体が必要とされる場合、それは、純粋な位置異性体を出発材料として使用して上記の手順の1つを行うことによるか、又は標準手順を使用する位置異性体又は中間体の混合物の分割によって入手することができる。
【0140】
Xが、ヨウ素、スズ、又はホウ素誘導体である式(II)の化合物は、WO03/022824に記載される方法に従って作製することができる。
X=Br(式(IIc))である式(II)の化合物は、X=H(式(IIb))である式(II)の化合物より、臭素酸塩、臭化物、及び酸よりその場で産生される臭素を使用する、式(IIb)の化合物の溶液の直接臭素化によって作製することができる(ここで、RとRは、独立してH又はFであり、Rpは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、及び−Si[(1−4C)アルキル]より選択される)。
【0141】
【化25】

【0142】
例えば、反応:
BrO+6H+5Br(R)3Br+3H
に従う、臭素酸塩、臭化物、及び酸の間での反応によって、反応媒体において臭素を生成することは、臭素溶液の経時的な分解に関連した問題を回避するのに簡便なやり方であると理解されよう。
【0143】
簡便には、この酸と臭化物は、臭化水素酸の使用によって一緒に提供してよい。好適には、水溶液、例えば、48%(w/w)臭化水素酸水溶液のような、臭化水素酸の水溶液として臭化物を加える。そのような溶液のどの簡便な濃度も使用してよい。
【0144】
簡便には、臭素酸塩は、臭素酸カリウム又は臭素酸ナトリウムのようなアルカリ金属臭素酸塩である。好適には、臭素酸塩は、水溶液として加える。
式(IIb)の化合物は、どの好適な溶媒に溶かしてもよい。この文脈において、「好適な」は、有機溶媒が水と混和しなければならず、他の試薬と反応してはならないことを意味する。
【0145】
好適な溶媒は、酢酸である。式(IIb)の化合物は、酢酸のような前記の好適な有機溶媒と水の混合物に溶かしてよい。
簡便には、式(IIb)の化合物の溶液へ臭化物の水溶液を加えてから、臭素酸塩の溶液を加える。
【0146】
酸の存在下での臭素酸塩と臭化物の間の反応は、発熱性である。簡便には、反応混合物を含有する容器を、例えば氷浴に冷やしてよいが、特別な温度での維持は、生成される生成物の収率や品質に必須ではない。簡便には、反応混合物を含有する容器を氷浴に冷やして、臭素酸塩の添加の間に反応の温度が10と30℃の間に及ぶようにする。
【0147】
好適には、使用する式(IIb)の化合物の量に比較して、ややモル過剰量の臭素酸塩及び臭化物を使用する。
臭素酸塩溶液の添加の速度は、重要ではない。簡便には、臭素酸塩の添加の間に反応の温度が10と30℃の間に維持されるような速度でそれを加える。
【0148】
この反応混合物は、例えば、ほぼ周囲温度で、この反応が完了するまで撹拌してよい。典型的には、この反応は、臭素酸塩の添加に必要とされる時間を含めて、完了までに3〜4時間を要してよい。
【0149】
反応が完了した後で、産生した過剰の臭素を生成物の単離前に除去することが望ましい。簡便には、このことは、メタ酸性亜硫酸塩の溶液、例えばメタ酸性亜硫酸ナトリウムの水溶液の添加により達成することができる。十分なメタ酸性亜硫酸塩を加えて、あらゆる残留臭素と反応させる。
【0150】
生成物は、どの慣用手段によっても、例えば反応混合物からの濾過によるか、又は別の有機溶媒への溶解と適正な洗浄及び蒸発によって単離してよい。生成物が反応混合物より固化するならば、それを再び溶かして(例えば、溶液を例えば約80〜85℃へ加熱することによって)、制御されたやり方で結晶化を可能にすることが簡便であり得る。
【0151】
本発明のさらなる側面によれば、上記に定義されるような式(IIb)の化合物より式(IIc)の化合物を生成するための方法が提供され、前記方法は、式(IIb)の化合物の溶液を臭素酸アルカリ金属と臭化水素酸で処理することを含んでなる。
【0152】
本発明のさらなる側面によれば、上記に定義されるような式(IIb)の化合物より式(IIc)の化合物を生成するための方法が提供され、前記方法は:
a)水と好適な有機溶媒の混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を臭化水素酸の水溶液で処理すること;そして
b)臭素酸アルカリ金属の水溶液を加えることを含んでなる。
【0153】
本発明のさらなる側面によれば、上記に定義されるような式(IIb)の化合物より式(IIc)の化合物を生成するための方法が提供され、前記方法は:
a)水と好適な有機溶媒の混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を臭化水素酸の水溶液で処理すること;
b)臭素酸アルカリ金属の水溶液を加えること;そして
c)メタ酸性亜硫酸ナトリウムの溶液を加えて、過剰の臭素と反応させることを含んでなる。
【0154】
本発明のさらなる側面によれば、上記に定義されるような式(IIb)の化合物より式(IIc)の化合物を生成するための方法が提供され、前記方法は:
a)水と好適な有機溶媒の混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を臭化水素酸の水溶液で処理すること;
b)臭素酸アルカリ金属の水溶液を加えること;
c)メタ酸性亜硫酸ナトリウムの溶液を加えて、過剰の臭素と反応させること;
d)式(IIc)の生成化合物を単離することを含んでなる。
【0155】
本発明のさらなる側面によれば、上記に定義されるような式(IIb)の化合物より式(IIc)の化合物を生成するための方法が提供され、前記方法は:
a)水と好適な有機溶媒の混合物中の式(IIb)の化合物の溶液を臭化水素酸の水溶液で処理すること;
b)臭素酸アルカリ金属の水溶液を加えること;
c)メタ酸性亜硫酸ナトリウムの溶液を加えて、過剰の臭素と反応させること;
d)工程c)より生じる混合物を、あらゆる固形物が溶けるまで加熱してから、式(IIc)の化合物が結晶するまでその溶液を冷却することによって式(IIc)の生成化合物を単離することを含んでなる。
【0156】
本発明のさらなる特徴によれば、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルがヒト又は動物の身体の療法による治療の方法における使用に提供される。
【0157】
本発明のさらなる特徴によれば、抗菌効果をそのような治療の必要なヒトのような温血動物において産生するための方法が提供され、該方法は、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルの有効量を前記動物へ投与することを含む。
【0158】
本発明はまた、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルを医薬品としての使用に;そして、本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩又は in-vivo 加水分解可能エステルの、ヒトのような温血動物における抗菌効果の産生に使用のための医薬品の製造における使用を提供する。
【0159】
本発明の化合物、その in-vivo 加水分解可能エステル又は医薬的に許容される塩(in-vivo 加水分解可能エステルの医薬的に許容される塩が含まれる)(以下、医薬組成物に関する本節において「本発明の化合物」)をヒトが含まれる哺乳動物の療法(予防が含まれる)治療に、特に感染症を治療することに使用するために、それは、標準の製剤実践に従って、医薬組成物として通常製剤化される。
【0160】
故に、別の側面において、本発明は、本発明の化合物、その in-vivo 加水分解可能エステル又は医薬的に許容される塩(in-vivo 加水分解可能エステルの医薬的に許容される塩が含まれる)と医薬的に許容される希釈剤又は担体を含む医薬組成物を提供する。
【0161】
本発明の組成物は、経口使用に(例えば、錠剤、トローチ剤、硬又は軟カプセル剤、水性又は油性の懸濁液剤、乳剤、分散性の散剤又は顆粒剤、シロップ剤又はエリキシル剤として)、局所使用に(例えば、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、又は水性又は油性の溶液剤又は懸濁液剤として)、点眼剤としての投与に、吸入による投与に(例えば、微細化散剤又は液体エアゾール剤として)、通気による投与に(例えば、微細化散剤として)、又は非経口投与に(例えば、静脈内、皮下、舌下、筋肉内へ投薬する無菌の水性又は油性溶液剤として、又は直腸投薬用の坐剤として)適した形態であってよい。
【0162】
本発明の化合物に加えて、本発明の医薬組成物は、他の臨床的に有用な抗菌剤(例えば、β−ラクラム、マクロライド、キノロン、又はアミノグリコシド)及び/又は他の抗感染症剤(例えば、抗真菌薬のトリアゾール又はアンホテリシン)より選択される1以上の既知の薬物を含有しても(即ち、同一製剤により)、それとともに(同時に、連続的に、又は別個に)投与してもよい。これらには、治療有効性を拡げるために、カルバペネム(例えば、メロペネム又はイミペネム)を含めてよい。本発明の化合物は、グラム陰性菌と抗微生物剤に抵抗性の細菌に抗する活性を向上させるために、殺菌性/透過亢進タンパク(BPI)産物又は流出ポンプ阻害剤と同一製剤化しても、それと同時投与してもよい。本発明の化合物はまた、ビタミン剤、例えば、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、及び葉酸のようなビタミンBと同一製剤化しても、同時投与してもよい。本発明の化合物は、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、特にCOX−2阻害剤と同一製剤化しても、同時投与してもよい。
【0163】
本発明の1つの側面において、本発明の化合物は、グラム陽性菌に対して有効である抗菌剤と同一製剤化する。
本発明の別の側面において、本発明の化合物は、グラム陰性菌に対して有効である抗菌剤と同一製剤化する。
【0164】
本発明の別の側面において、本発明の化合物は、グラム陽性菌に対して有効である抗菌剤と同時投与する。
本発明の別の側面において、本発明の化合物は、グラム陰性菌に対して有効である抗菌剤と同時投与する。
【0165】
本発明の組成物は、当該技術分野でよく知られている慣用の医薬賦形剤を使用して、慣用の手順により入手することができる。従って、経口使用に企図される組成物は、例えば、1以上の着色剤、甘味剤、芳香剤及び/又は保存剤を含有してよい。静脈内に投薬される医薬組成物は、有利には(例えば、安定性を高めるために)、好適な殺菌薬、抗酸化剤又は還元剤、又は好適な金属封鎖剤を含有してよい。
【0166】
錠剤製剤に適した医薬的に許容される賦形剤には、例えば、乳糖、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウムのような不活性希釈剤;コーンスターチ又はアルギン酸のような造粒剤及び崩壊剤;デンプンのような結合剤;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルクのような滑沢剤;p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような保存剤、及び、アスコルビン酸のような抗酸化剤が含まれる。錠剤製剤は、被覆しなくても、有効成分の胃腸管内での崩壊と後続の吸収を変化させる、又はその安定性及び/又は外観を改善するために被覆してもよく、いずれの場合でも、当該技術分野でよく知られている慣用のコーティング剤及び手順を使用する。
【0167】
経口使用の組成物は、不活性の固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリンと有効成分を混合する硬ゼラチンカプセル剤の形態であっても、水又は落花生油、流動パラフィン、又はオリーブ油のようなオイルと有効成分を混合する軟ゼラチンカプセル剤の形態であってもよい。
【0168】
一般に、水性懸濁液剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム及びアカシアゴムのような1以上の懸濁剤;レシチン、又は脂肪酸と酸化アルキレンの濃縮生成物(例えば、ポリオキシエチレンステアレート)、又は長鎖脂肪族アルコールと酸化エチレンの濃縮生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような、脂肪酸及びヘキシトールより誘導される部分エステルと酸化エチレンの濃縮生成物、又は、長鎖脂肪族アルコールと酸化エチレンの濃縮生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はポリオキシエチレンソルビトールモノオレエートのような、脂肪酸及びヘキシトールより誘導される部分エステルと酸化エチレンの濃縮生成物、又は脂肪酸及びヘキシトール無水物より誘導される部分エステルと酸化エチレンの濃縮生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートのような分散剤又は湿潤剤と一緒に、微細粉末の形態で有効成分を含有する。水性懸濁液剤はまた、1以上の保存剤(p−ヒドロキシ安息香酸エチル又はプロピルのような)、抗酸化剤(アスコルビン酸のような)、着色剤、芳香剤、及び/又は甘味剤(ショ糖、サッカリン又はアスパルテームのような)を含有してよい。
【0169】
油性懸濁液剤は、植物油(落花生油、オリーブ油、ゴマ油又はヤシ油のような)又は鉱油(流動パラフィンのような)に有効成分を懸濁することによって製剤化することができる。油性懸濁液剤はまた、ミツロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールのような増粘剤も含有してよい。口当たりのよい経口調製物を提供するために、上記に示したような甘味剤と芳香剤を加えてよい。上記組成物は、アスコルビン酸のような抗酸化剤の添加により保存してよい。
【0170】
水の添加による水性懸濁液剤の調製に適した分散性の散剤及び顆粒剤は、一般に、分散又は湿潤剤、懸濁剤、及び1以上の保存剤と一緒に有効成分を含有する。好適な分散剤又は湿潤剤と懸濁剤は、すでに上記のものにより例示されている。甘味剤、芳香剤、及び着色剤のような追加の賦形剤も存在してよい。
【0171】
本発明の医薬組成物は、水中油型乳剤の形態であってもよい。油相は、オリーブ油又は落花生油のような植物油、又は例えば流動パラフィンのような鉱油、又はこれらのいずれかの混合物であってよい。好適な乳化剤は、例えば、アカシアゴムやトラガカントゴムのような天然に存在するゴム、大豆、レシチンのような天然に存在するホスファチド、脂肪酸及び無水へキシトールより誘導されるエステル又は部分エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート)、及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートのような、酸化エチレンと前記部分エステルの濃縮生成物であってよい。乳剤はまた、甘味剤、芳香剤及び保存剤を含有してよい。
【0172】
シロップ剤とエリキシル剤は、グリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテーム又はショ糖のような甘味剤とともに製剤化してよく、粘滑剤、保存剤、芳香剤及び/又は着色剤も含有してよい。
【0173】
本医薬組成物はまた、無菌で注射可能な水性又は油性懸濁液剤の形態であってよく、これは、上記に示した、1以上の適切な分散剤又は湿潤剤と懸濁剤を使用して、既知の手順に従って製剤化してよい。無菌の注射可能な調製物はまた、非経口的に許容される無毒の希釈剤又は溶媒中の無菌の注射可能な溶液剤又は懸濁液剤、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液剤であってよい。溶解亢進剤、例えばシクロデキストリンを使用してよい。
【0174】
吸入による投与用の組成物は、微細固形物を含有するエアゾール剤か又は液体の小滴として有効成分を調合するように配置された慣用の加圧エアゾール剤の形態であってよい。揮発性フッ化炭化水素又は炭化水素のような慣用のエアゾール推進剤を使用してよく、エアゾールデバイスは、簡便には、目盛り量の有効成分を調合するように配置される。
【0175】
製剤に関するさらなる情報について、読者には、「医化学総覧(Comprehensive Medicinal Chemistry)」(Corwin Hansch; 編集長)ペルガモン・プレス(1990)の第5巻、25.2章が参考になる。
【0176】
1以上の賦形剤と組み合わせて単一の剤形をもたらす有効成分の量は、治療される宿主と投与の特別な経路に依存して必然的に変化するものである。例えば、ヒトへの経口投与に企図される製剤は、一般に、例えば、50mg〜5gの活性剤を含有し、組成物全体の約5〜約98重量パーセントを変動し得る適正で簡便な量の賦形剤と複合される。単位剤形は、一般に、約200mg〜約2gの有効成分を含有する。投与経路と投与方式に関するさらなる情報について、読者には、「医化学総覧(Comprehensive Medicinal Chemistry)」(Corwin Hansch; 編集長)ペルガモン・プレス(1990)の第5巻、25.3章が参考になる。
【0177】
本発明の好適な医薬組成物は、単位剤形での経口投与に適したもの、例えば、本発明の化合物の1mgと1gの間、好ましくは化合物の100mgと1gの間を含有する錠剤又はカプセル剤である。特に好ましいのは、本発明の化合物の50mgと800mgの間、特に100mg〜500mgの範囲を含有する錠剤又はカプセル剤である。
【0178】
別の側面において、本発明の医薬組成物は、静脈内、皮下又は筋肉内注射に適したもの、例えば、本発明の化合物の0.1%(w/v)と50%(w/v)の間(1mg/mlと500mg/mlの間)を含有する注射剤である。
【0179】
各患者は、例えば、本発明の化合物の0.5mgkg−1〜20mgkg−1の1日静脈内、皮下又は筋肉内用量を服用してよく、該組成物は、1日につき1〜4回投与される。別の態様では、本発明の化合物の5mgkg−1〜20mgkg−1の1日用量を投与する。静脈内、皮下、及び筋肉内用量は、ボーラス注射により与えてよい。あるいは、静脈内用量は、ある期間にわたる連続注入により与えてよい。あるいは、各患者は、1日の非経口用量にほぼ等しい場合がある1日経口用量を服用してよく、該組成物は、1日につき1〜4回投与される。
【0180】
上記の他の医薬組成物、製造法、方法、使用、及び医薬品製造の特徴では、本明細書に記載の本発明の化合物の代替的で好ましい態様も適用される。
【0181】
抗菌活性:
本発明の医薬的に許容される化合物は、病原性細菌に抗する活性をスクリーニングするために使用される標準的なグラム陽性微生物に対する in vitro 活性の良好なスペクトルを有する有用な抗菌剤である。注目すべきことに、本発明の医薬的に許容される化合物は、腸球菌、肺炎球菌、及び、黄色ブドウ球菌及びコアグラーゼ陰性ブドウ球菌のメチシリン耐性菌株、並びにヘモフィルス及びモラクセラ菌株に対する活性を示す。特別な化合物の抗菌スペクトル及び力価は、標準試験系で定量することができる。
【0182】
本発明の化合物の(抗菌)特性は、慣用の試験において、例えば、標準技術を使用して、化合物を温血哺乳動物へ経口及び/又は静脈内投薬することによって in vivo で実証及び評価することができる。
【0183】
以下の結果は、標準の in vitro 試験系で得た。この活性は、10CFU/スポットの接種量での寒天希釈法により定量した最小阻止濃度(MIC)に関して記載する。典型的には、化合物は、0.01〜256μg/mlの範囲で有効である。
【0184】
10CFU/スポットの接種物と37℃のインキュベーション温度で24時間(メチシリン耐性の発現の標準的な試験条件)を使用して、ブドウ球菌を寒天で試験した。
連鎖球菌と腸球菌は、5%の線維素除去ウマ血液を補充した寒天、10CFU/スポットの接種物、及び37℃のインキュベーション温度、5%二酸化炭素の空気中、48時間(試験微生物の中にはその増殖に血液を必要とするものがある)で試験した。選好性グラム陰性微生物は、ヘミンとNADを補充したミュラー・ヒントンブロスにおいて、37℃で24時間好気的に増殖させて、5x10CFU/ウェルの接種物で試験した。
【0185】
例えば、実施例1の化合物では、以下の結果を得た:
【0186】
【表1】

【0187】
モノアミンオキシダーゼ(MAO)の阻害は、オキサゾリジノン抗生物質の既知の潜在的な副作用である(例えば、WO03/072575を参照のこと)。本発明の化合物は、以下の表に示すように、未置換や他の単純置換ピリジン化合物により明示されるものより概してより低いレベルのMAO−A阻害を有する。
【0188】
【表2】

【0189】
本発明の化合物のMAO−Aに対する活性を、Biochem. Biophys. Res. Commun. 1991, 181, 1084-1088 に記載されるように、酵母で発現されるヒト肝酵素に基づいた標準 in vitro アッセイを使用して試験した。本発明の化合物は、上記のようなアッセイで測定するときに、典型的には、5μMより高いKi値を示した。実施例1は、94μMのKi値を示した。
【0190】
我々の特許出願、WO03/072575に記載されるように、4−アルキルトリアゾールのある化合物は、参照化合物1及び7について上記に例示されるように、類似の未置換トリアゾール化合物より低いMAO−A阻害を概して明示することが理解されよう。
【0191】
下記に記載するある種の中間体及び/又は参考実施例は本発明の範囲内にあり、及び/又は有用な活性を保有する場合もあり、本発明のさらなる特徴として提供される。特別な中間体は、中間体14、20、及び21である。特別な参考実施例は、参考実施例1、2、3、4、及び7である。
【0192】
以下に、本発明を、限定されないが、以下の実施例により例示する。ここで、他に述べなければ:
(i)蒸発操作は、真空中のロータリーエバポレーションによって行って、後処理手順は、残留固形物の濾過による除去の後で行った;
(ii)各種操作は、典型的には、18〜26℃の範囲である周囲温度で、他に述べなければ、又は当業者が他のやり方で不活性気体下に作業するのでなければ、空気を排除せずに行った;
(iii)他に述べなければ、順相シリカゲル60,230〜400メッシュでのフラッシュ法、又は逆相シリカゲル(C−18,RediSep,Isco社)でのフラッシュ法、又はGilson 215 Platformを使用する逆相シリカゲル(例:Waters YMC−ODS AQ,C−18)でのHPLCのいずれかによりカラムクロマトグラフィーを使用して、化合物を精製した;
(iv)収率は、例示のためにのみ示し、必ずしも達成可能な最大値ではない;
(v)本発明の最終生成物の構造は、概してNMRと質量スペクトル技術によって確定した[プロトン磁気共鳴スペクトルは、他に述べなければ、Bruker分光計を300、400、又は500MHzで使用して、概してDMSO−dにおいて決定した;化学シフトは、内部標準としてのテトラメチルシランからか溶媒に対する下方磁場の百万分率(δスケール)で報告する。ピーク多重度を以下のように示す:s,一重項;d,二重項;AB又はdd,二重項の二重項;dt,三重項の二重項;dm,多重項の二重項;t,三重項,m,多重項;br,ブロード];質量分析法は、Micromass Quattro Micro質量分析計(ESP用)とAgilent 1100 MSD機器(APCI用)を使用して実施した;光学回転は、パーキンエルマー偏光計341を使用して、589nm(20℃)で決定した;
(vi)各中間体は、後続の段階に必要とされる水準まで精製して、十分詳しく特性決定して、帰属構造が正しいことを確かめた;HPLC、LC−MS、TLC、又はNMRにより純度を評価して、質量分析法及び/又はNMR分光法によって同一性を適宜決定した;
(vii)ここで、以下の略語を使用する場合がある:
DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり;DMAは、N,N−ジメチルアセトアミドであり;TLCは、薄層クロマトグラフィーであり;HPLCは、高速液体クロマトグラフィーであり;NMPはN−メチルピロリドンであり;DMSOは、ジメチルスルホキシドであり;CDClは、重水素化クロロホルムであり;MSは、質量分析法であり;ESPは、エレクトロスプレーであり;EIは、電子衝撃であり;CIは、化学イオン化であり;APCIは、大気圧化学イオン化であり;EtOAcは、酢酸エチルであり;MeOHは、メタノールであり;ホスホリルは、(HO)−P(O)−O−であり;ホスフィリルは、(HO)−P−O−であり;Bleachは、「Clorox」6.15%次亜塩素酸ナトリウムであり;THFは、テトラヒドロフランであり;エーテルは、ジエチルエーテルであり;TFAは、トリフルオロ酢酸である;
(viii)温度は、℃として引用する。
【0193】
実施例1:(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(1−ヒドロキシ−2−モルホリン−4−イルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0194】
【化26】

【0195】
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−モルホリン−4−イルエタノール(中間体8)(388mg,1.35ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(525mg,1.35ミリモル)、及び炭酸ナトリウム(430mg,4.05ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド/水(5mL,10:1)に溶かした/懸濁させた。この混合物を脱気し、窒素で満たし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(156mg,0.135ミリモル)を加えた。これを75℃で3時間加熱し、室温へ冷やして、溶媒を蒸発させた。ジクロロメタン/メタノール(10:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィー。このように入手した遊離塩基をイソプロパノール/ジクロロメタン(〜20mL,1:1)に溶かし、エーテル中HCl(1.5mL,1M)を加えて、ほとんどのジクロロメタンを減圧で除去した。残渣を濾過により採取し、乾燥させて、507mg(74%)の生成物の塩酸塩を無色の固形物として得た。融点>194℃(分解)。
【0196】
MS(ESP):C2325FNに対して469.21(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.00-4.20 (m, 11H); 4.29 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.14-5.40 (m, 2H); 6.61 (brs, 1H); 7.40 (m, 1H); 7.52-7.75 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 8.05 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 8.71 (s, 1H); 10.58 (brs, 1H)。
【0197】
実施例1の中間体は、以下のように製造した:
中間体1:酢酸(5R)−3−(3−フルオロ−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル
【0198】
【化27】

【0199】
(5R)−3−(3−フルオロフェニル)−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン(40g,0.189モル、アップジョンWO94/13649を参照のこと)を窒素下に乾燥ジクロロメタン(400ml)中で撹拌することによって懸濁させた。トリエチルアミン(21g,0.208モル)と4−ジメチルアミノピリジン(0.6g,4.9ミリモル)を加え、無水酢酸(20.3g,0.199モル)の30分にわたる滴下を続けて、撹拌を周囲温度で18時間続けた。飽和重炭酸ナトリウム水溶液(250ml)を加え、有機相を分離し、2%リン酸二水素ナトリウムで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濾過し、蒸発させて、所望される生成物(49.6g)をオイルとして得た。
【0200】
MS(ESP):C1212FNOに対して254(MH)。
NMR(300MHz) (CDCl3) δ: 2.02 (s, 3H); 3.84 (dd, 1H); 4.16 (t, 1H); 4.25 (dd, 1H); 4.32 (dd, 1H); 4.95 (m, 1H); 6.95 (td, 1H); 7.32 (d, 1H); 7.43 (t, 1H) ; 7.51 (d, 1H)。
【0201】
中間体2:酢酸(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨード−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル
【0202】
【化28】

【0203】
酢酸(5R)−3−(3−フルオロ−フェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(中間体1,15.2g,60ミリモル)を窒素下にクロロホルム(100ml)及びアセトニトリル(100ml)の混合物に溶かして、トリフルオロ酢酸銀(16.96g,77ミリモル)を加えた。この激しく撹拌した溶液へヨウ素(18.07g,71ミリモル)を30分にわたり少量ずつ加えて、撹拌を周囲温度で18時間続けた。反応が完了しなかったので、さらなる分量のトリフルオロ酢酸銀(2.64g,12ミリモル)を加えて、撹拌を18時間続けた。濾過後、この混合物をチオ硫酸ナトリウム溶液(3%,200ml)とジクロロメタン(200ml)へ加えて、有機相を分離し、チオ硫酸ナトリウム(200ml)、飽和重炭酸ナトリウム水溶液(200ml)、塩水(200ml)で洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濾過して、蒸発させた。この粗生成物をイソヘキサン(100ml)に懸濁させて、1時間撹拌しながら、十分なジエチルエーテルを加えて、この茶褐色の不純物をすべて溶かした。濾過により、所望される生成物(24.3g)をクリーム色の固形物として得た。
【0204】
MS(ESP):C1211FINOに対して380(MH)。
NMR(300MHz) (DMSO-d6) δ: 2.03 (s, 3H); 3.82 (dd, 1H); 4.15 (t, 1H); 4.24 (dd, 1H); 4.30 (dd, 1H); 4.94 (m, 1H); 7.19 (dd, 1H); 7.55 (dd, 1H) ; 7.84 (t, 1H)。
【0205】
中間体3:(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−ヒドロキシメチルオキサゾリジン−2−オン
【0206】
【化29】

【0207】
酢酸(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−オキサゾリジン−5−イルメチルエステル(中間体2,30g,79ミリモル)をメタノール(800ml)及びジクロロメタン(240ml)の混合物中の炭酸カリウム(16.4g,0.119ミリモル)で、周囲温度で25分間処理してから、酢酸(10ml)と水(500ml)の添加によりすぐに中和した。沈殿を濾過し、水で洗浄して、ジクロロメタン(1.2L)に溶かし、この溶液を飽和重炭酸ナトリウムで洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させた。濾過と蒸発により、所望される生成物(23g)を得た。
【0208】
MS(ESP):C10FINOに対して338(MH)。
NMR (300MHz)(DMSO-d6) δ: 3.53 (m, 1H); 3.67 (m, 1H); 3.82 (dd, 1H); 4.07 (t, 1H); 4.70 (m, 1H); 5.20 (t, 1H); 7.21 (dd, 1H); 7.57 (dd, 1H); 7.81 (t, 1H)。
【0209】
中間体4:メタンスルホン酸[(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル
【0210】
【化30】

【0211】
(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−(ヒドロキシメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体3,25.0g,74.2ミリモル)をジクロロメタン(250ml)において0℃で撹拌した。トリエチルアミン(10.5g,104ミリモル)に続いて塩化メタンスルホニル(11.2g,89.0ミリモル)を加えて、この反応物を一晩撹拌し、室温へゆっくり温めた。この黄色い溶液を重炭酸ナトリウムで希釈して、ジクロロメタン(3x250ml)を使用して、化合物を抽出した。有機層を乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濾過し、濃縮して、所望される生成物(30.3g)を淡黄色の固形物として得た。
【0212】
MS(ESP):1111FINOSに対して416(MH)。
1H-NMR(300MHz) (DMSO-d6): 3.24 (s, 3H); 3.82 (dd, 1H); 4.17 (t, 1H); 4.43-4.52 (m, 2H); 4.99-5.03 (m, 1H); 7.21 (dd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 7.83 (t, 1H)。
【0213】
中間体5:(5R)−5−(アジドメチル)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0214】
【化31】

【0215】
メタンスルホン酸[(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−5−イル]メチル(中間体4,6.14g,14.7ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミド(50ml)に溶かした。アジ化ナトリウム(1.92g,29.6ミリモル)を加えて、この反応物を75℃で一晩撹拌した。この黄色い混合物を半飽和の重炭酸ナトリウムへ注ぎ、酢酸エチルを使用して抽出した。有機層を水で3回洗浄し、乾燥(硫酸マグネシウム)させ、濾過し、濃縮して、表題化合物(4.72g)を黄色い固形物として得た。
【0216】
MS(ESP):10FINに対して363(MH)。
1H-NMR(300MHz) (DMSO-d6):3.72-3.82 (m, 3H); 4.14 (t, 1H); 4.89-4.94 (m, 1H); 7.22 (dd, 1H); 7.57 (dd, 1H); 7.83 (t, 1H)。
【0217】
中間体6:(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0218】
【化32】

【0219】
(5R)−5−(アジドメチル)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体5,30.3g,72.9ミリモル)を1,4−ジオキサンにおいて撹拌した。ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(40.3g,437ミリモル)を加えて、この反応物を100℃で一晩加熱した。生じる茶褐色の混合物を濾過して、所望される生成物(14.8g)を淡褐色の固形物として得た。
【0220】
MS(ESP):1210FINに対して389(MH)。
1H-NMR(300Mz) (DMSO-d6): 3.90 (dd, 1H); 4.23 (t, 1H); 4.84 (d, 2H); 5.11-5.18 (m, 1H), 7.14 (dd, 1H); 7.49 (dd, 1H); 7.76 (s, 1H); 7.82 (t, 1H); 8.17 (s, 1H)。
【0221】
中間体7:(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0222】
【化33】

【0223】
(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体6,2g,5.15ミリモル)、ビス(ピナコラト)ジボロン(2.62g,10.3ミリモル)、酢酸カリウム(2.5g,25.5ミリモル)、及び1,1’−[ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(0.38g,0.52ミリモル)をDMSO(15ml)に懸濁させた。この混合物を80℃で40分間加熱して、澄明な黒い溶液を得た。次いで、酢酸エチル(150ml)を加えて、この混合物をセライトに通して濾過し、飽和塩水(2x100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、蒸発させた。黒ずんだ残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中40〜100%酢酸エチルに酢酸エチル中1〜5%アセトニトリルを続ける)により精製して、生成物(1.97g,98%)を黄褐色の結晶性固形物として得た(註−きわめて濃い色の不純物が生成物のバンドに先立って溶出し、生成物を得るには、延長溶出を必要とした)。
【0224】
NMR(300Mz) (DMSO-d-6) δ: 1.28 (s, 12H), 3.91 (dd, 1H); 4.23 (t, 1H); 4.83 (d, 2H); 5.14 (m, 1H); 7.27 (dd, 1H); 7.37 (dd, 1H); 7.62 (t, 1H); 7.75 (s, 1H); 8.16 (s, 1H)。
【0225】
あるいは:
(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体6,5g,12.9ミリモル)、ピナコールボラン(2.9ml,20ミリモル)、トリエチルアミン(5.4ml,39ミリモル)、及びtrans−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(0.92g,1.3ミリモル)をジオキサン(70ml)に溶かした。この混合物を100℃で90分間加熱して黒い溶液を得て、これを濃縮し、酢酸エチルに溶かし、塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、蒸発させた。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、1%トリエチルアミン入りジクロロメタン中0〜5%メタノール)により精製して、生成物(3.1g)を淡褐色の固形物として得た。
【0226】
中間体8:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−モルホリン−4−イルエタノール
【0227】
【化34】

【0228】
2−ブロモ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9)(600mg,1.67ミリモル)を乾燥THF(5mL)に懸濁させて、0℃へ冷やした。モルホリン(0.58mL,6.7ミリモル)を加えて、これを0℃で1時間激しく撹拌した。ホウ水素化ナトリウム(190mg,5ミリモル)を加えて、メタノール(4mL)の添加を続けた。この混合物を0℃で30分間撹拌してから、濃塩酸でpH<2へ酸性化した。溶媒を減圧で除去して、水酸化カリウム水溶液(1M)でpHをpH=10へ調整した。生成物をジクロロメタンで抽出して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ヘキサン/アセトン(1:1)に次ぐアセトンでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、388mg(81%)の生成物を薄黄色の固形物として得た。
【0229】
MS(ESP):C1115BrNに対して287.03/289.03(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.40-2.65 (m, 6H); 3.53 (dd, 4H); 4.73 (ddd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.37 (d, 1H); 7.47 (m, 1H); 8.02 (m, 1H); 8.59 (m, 1H)。
【0230】
中間体9:2−ブロモ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン
【0231】
【化35】

【0232】
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン(中間体10)(WO9846605)(5.65g,28.2ミリモル)をメタノール/酢酸(70mL+70mL)に溶かして、酢酸中30% HBr(8mL)を加えた。酢酸(15mL)中の臭素(1.45mL,28.3ミリモル)を滴下して、この反応混合物を70℃まで2時間加熱した。この反応混合物を減圧下に濃縮乾固させ、残渣をイソプロパノールより結晶させて、3.45g(34%)の生成物の粗製臭化水素酸塩を薄黄色の固形物として得た。
【0233】
MS(ESP):CBrNOに対して277.95/279.95/281.94(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 4.96 (s, 2H); 7.93 (m, 1H); 8.29 (m, 1H); 8.87 (m, 1H); 9.19 (brs, 1H)。
【0234】
中間体10:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン
【0235】
【化36】

【0236】
WO98/46605を参照のこと。
5−ブロモ−2−シアノピリジン(Markevitch, David Y.; Rapta, Miroslav; Hecker, Scott J.; Renau, Thomas E.; Synth.Commun.; 33; 19; 2003; 3285-3290)(8g,43.7ミリモル)を乾燥THF(200mL)に溶かして、−20℃へ冷やした。臭化メチルマグネシウム(43.7mL,3M)を滴下して、温度を−20℃と−10℃の間に3時間保った。この反応混合物を−40℃へ冷やして、水(15mL)中の濃HCl(4.5mL)を滴下した。これを−35℃で10分間撹拌してから、リン酸カリウム緩衝液(300mL,1M,pH7)入りのビーカーへ撹拌下に注いだ。酢酸エチル(300mL)を加えて、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。室温で減圧下に約50mLへ濃縮すると、生成物が結晶した(2.4g,融点112℃)。母液をさらに濃縮して、ジクロロメタン/酢酸エチル(100:1)でのシリカゲルでクロマトグラフ処理して、さらに3.25gの生成物(合計収率:65%)を得た。
【0237】
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.60 (s, 3H); 7.88 (dd, 1H); 8.25 (dd, 1H); 8.86 (d, 1H)。
【0238】
実施例2:(5R)−3−(4−{6−[2−(ジメチルアミノ)−1−ヒドロキシエチル]ピリジン−3−イル}−3−フルオロフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0239】
【化37】

【0240】
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)エタノール、TFA塩(中間体11)(200mg,0.56ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(216mg,0.56ミリモル)、炭酸ナトリウム(177mg,1.67ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(64mg,0.056ミリモル)を実施例1に記載のように75℃で9.5時間反応させた。アセトニトリル/水(5:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーとエーテル中HCl(1M,約0.7mL)の添加によるエタノールからの沈殿によって、125mg(48%)の生成物の塩酸塩を無色の固形物として得た。融点>115℃(分解)。
【0241】
MS(ESP):C2123FNに対して427.17(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.88 (s, 6H); 3.25-3.75 (m, 3H); 3.96 (m, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.12-5.20 (m, 2H); 7.39 (m, 1H); 7.52-7.75 (m, 3H); 7.75 (s, 1H); 8.05 (d, 1H); 8.20 (s, 1H); 8.69 (s, 1H); 10.20 (brs, 1H)。
【0242】
実施例2の中間体は、以下のように製造した:
中間体11:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(ジメチルアミノ)エタノール
【0243】
【化38】

【0244】
2−ブロモ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン(中間体9)(500mg,1.8ミリモル)をメタノール(20mL)に溶かして、−10℃へ冷やした。ジメチルアミン(0.9mL,THF中2M)を滴下し、トリエチルアミン(0.25mL)の添加を続けた。30分後、さらなるジメチルアミン溶液(0.25mL)を加えて、これを−10℃〜−5℃で1.5時間撹拌した。ホウ水素化ナトリウム(205mg,5.4ミリモル)を少量ずつ加え、この反応混合物を−5℃でさらに1時間撹拌してから、濃塩酸でpH<2へ酸性化した。溶媒を減圧で除去して、水酸化カリウム水溶液(1M)でpHをpH=10へ調整した。0.1% TFAを含有する水中0〜5%アセトニトリルを用いたC−18カラム((RediSep,Isco社))でのクロマトグラフィーによって、ほぼ220mg(34%)の生成物のTFA塩をジメチルアミン及びトリエチルアミンのTFA塩と一緒に得た。この生成物をさらに精製せずに使用した。
【0245】
MS(ESP):C13BrNOに対して245.07/247.07(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.87-3.15 (m, 3H); 3.02 (s, 6H); 4.70 (m, 1H); 7.20 (d, 1H); 7.77 (dd, 1H); 8.29 (s, 1H); 9.53 (brs, 1H)。
【0246】
実施例3:(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[1−ヒドロキシ−2−(イソプロピルアミノ)エチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0247】
【化39】

【0248】
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(イソプロピルアミノ)エタノール、TFA塩(中間体12)(241mg,0.65ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(361mg,0.93ミリモル)、炭酸ナトリウム(296mg,2.79ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(108mg,0.093ミリモル)を実施例1に記載のように反応させた。アセトニトリル/水(6:1)に次いでジクロロメタン/メタノール(5:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーに続く、実施例1に記載のような塩酸塩の沈殿によって、193mg(63%)の生成物の塩酸塩を無色の固形物として得た。融点>170℃(分解)。
【0249】
MS(ESP):C2225FNに対して441.22(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.27 (m, 6H); 3.12 (m, 1H); 3.37 (m, 2H); 3.96 (m, 1H); 4.30 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.11-5.22 (m, 3H); 7.40 (m, 1H); 7.53-7.75 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 8.13 (d, 1H); 8.20 (s, 1H); 8.67 (brs, 1H); 8.75 (s, 1H); 9.15 (brs, 1H)。
【0250】
実施例3の中間体は、以下のように製造した:
中間体12:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(イソプロピルアミノ)エタノール
【0251】
【化40】

【0252】
中間体8について記載されるように、2−ブロモ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン臭化水素酸塩(中間体9)(600mg,1.67ミリモル)をイソプロピルアミン(0.57mL,6.7ミリモル)と反応させた。0.1% TFAを含有する水中0〜30%アセトニトリルでのC−18カラム((RediSep,Isco社))のクロマトグラフィーによって、241mg(39%)の生成物のTFA塩を無色のオイルとして得た。
【0253】
MS(ESP):C1015BrNOに対して259.11/261.11(MH)。 1H-NMR (MeOH-d4) δ: 1.34 及び 1.36 (2xd, 6H); 3.22 (m, 1H); 3.38-3.55 (m, 2H); 4.98 (dd, 1H); 7.59 (d, 1H); 8.04 (dd, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0254】
実施例4:(5R)−3−{4−[6−(1,2−ジヒドロキシエチル)ピリジン−3−イル]−3−フルオロフェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0255】
【化41】

【0256】
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタン−1,2−ジオール(323mg,1.48ミリモル)(中間体13)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(575mg,1.48ミリモル)、炭酸ナトリウム(471mg,4.44ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(171mg,0.148ミリモル)を実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(5:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーと、エタノール/ヘキサンからの結晶化によって、388mg(66%)の生成物を無色の固形物として得た。融点175℃。
【0257】
MS(ESP):C1918FNに対して400.16(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.52 (m, 1H); 3.71 (m, 1H); 3.95 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.63 (m, 1H); 4.73 (m, 1H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.45 (m, 1H); 7.39 (m, 1H); 7.53-7.64 (m, 3H); 7.76 (s, 1H); 7.94 (m, 1H); 8.17 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0258】
実施例4の中間体は、以下のように製造した:
中間体13:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタン−1,2−ジオール
【0259】
【化42】

【0260】
2−ブロモ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン(中間体9)(700mg,2.51ミリモル)とギ酸ナトリウム(683mg,10.04ミリモル)を85%エタノール(5mL)において混合して、50℃まで3時間加熱した。これを室温へ冷やして、ほとんどの溶媒を減圧で蒸発させた。これをジクロロメタンと水(5mL)で希釈した。水相をジクロロメタンで3回抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧で除去し、残渣をメタノール(20mL)に取って、0℃へ冷やした。ホウ水素化ナトリウム(285mg,7.5ミリモル)を少量ずつ加えて、これを0℃で1時間撹拌した。濃HClの添加によりpHを約pH2へ調整して、溶媒を減圧で除去した。残渣をジクロロメタン(100mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)とともに取り、水相をジクロロメタンで3回抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。ヘキサン/アセトン(2:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、223mg(41%)の生成物を無色の固形物として得た。
【0261】
MS(ESP):CBrNOに対して218.05/220.05(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.47 (m, 1H); 3.65 (m, 1H); 4.55 (m, 1H); 4.71 (ddd, 1H); 5.50 (dd, 1H); 7.45 (m, 1H); 8.01 (m, 1H); 8.59 (m, 1H)。
【0262】
実施例5:(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0263】
【化43】

【0264】
2−(5−ブロモピリジン−2−イル)プロパン−2−オール(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 (2000), 4335)(500mg,2.31ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(900mg,2.32ミリモル)、炭酸ナトリウム(740mg,7ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(268mg,0.232ミリモル)を、10mLの溶媒において70℃で7.5時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(17:1)に次ぐジクロロメタン/DMF(20:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーとジクロロメタン/DMF(20:1,20mL)からのヘキサンでの沈殿によって、247mg(27%)の生成物を無色の固形物として得た。融点180℃。
【0265】
MS(ESP):C2020FNに対して397.89(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.46 (s, 6H); 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.27 (s, 1H); 7.38 (dd, 1H); 7.55 (dd, 1H); 7.62 (dd, 1H); 7.73 (d, 1H); 7.76 (s, 1H); 7.92 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0266】
実施例6:(5R)−3−[4−(6−{[(2,3−ジヒドロキシプロピル)(メチル)アミノ]メチル}ピリジン−3−イル)−3−フルオロフェニル]−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0267】
【化44】

【0268】
5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−カルバルデヒド(中間体14)(100mg,0.272ミリモル)を乾燥THF(3mL)において撹拌して、3−(メチルアミノ)プロパン−1,2−ジオール(29mg,0.272ミリモル)を室温で加えた。15分後、トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(81mg,0.381ミリモル)を加えて、これを3日間撹拌した。溶媒を減圧で除去し、アセトニトリル/水(10:1〜5:1)でのシリカゲルで残渣をクロマトグラフ処理し、酢酸エチル/ヘキサンより結晶させて、25mg(20%)の生成物を無色の固形物として得た。融点123℃。
【0269】
MS(ESP):C2225FNに対して457.15(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.23 (s, 3H); 2.32-2.75 (m, 2H); 3.30-3.75 (m, 4H); 3.95 (dd, 1H); 4.01 (m, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.45-4.55 (m, 2H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.39 (dd, 1H); 7.52-7.67 (m, 3H); 7.76 (s, 1H); 7.93 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0270】
実施例6の中間体は、以下のように製造した:
中間体14:5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−カルバルデヒド
【0271】
【化45】

【0272】
5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 (2000), 4335)(450mg,2.42ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(939mg,2.42ミリモル)、炭酸ナトリウム(769mg,7.26ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(280mg,0.24ミリモル)を、10mLの溶媒とともに70℃で10時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ヘキサン/アセトン(1:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、535mg(60%)の生成物を無色の固形物として得た。融点>180℃(分解)。
【0273】
MS(ESP):C1814FNに対して368.05(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.97 (dd, 1H); 4.30 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.19 (m, 1H); 7.45 (dd, 1H); 7.61 (dd, 1H); 7.75 (dd, 1H); 7.77 (s, 1H); 8.02 (d, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.23 (d, 1H); 9.01 (s, 1H); 10.02 (s, 1H)。
【0274】
実施例7:(5R)−3−[3−フルオロ−4−(6−{[(2−ヒドロキシエチル)(メチル)アミノ]メチル}ピリジン−3−イル)フェニル]−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0275】
【化46】

【0276】
実施例6の記載と同じ手順を使用して、2−(メチルアミノ)エタノール(20.5mg,0.272ミリモル)を中間体14(100mg,0.272ミリモル)と反応させて、58mg(50%)の生成物を無色の固形物として得た。融点137℃。
【0277】
MS(ESP):C2123FNに対して427.14(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.23 (s, 3H); 2.32-2.75 (m, 2H); 3.52 (m, 2H); 3.67 (s, 2H); 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.44 (dd, 1H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.39 (dd, 1H); 7.52-7.67 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.93 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0278】
実施例8:(5R)−3−(4−{6−[(ジメチルアミノ)メチル]ピリジン−3−イル}−3−フルオロフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0279】
【化47】

【0280】
実施例6の記載と同じ手順を使用して、ジメチルアミン(THF中2M,0.136mL,0.272ミリモル)を中間体14(100mg,0.272ミリモル)と反応させて、23mg(21%)の生成物を無色の固形物として得た。融点160℃。
【0281】
MS(ESP):C2021FNに対して427.14(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.21 (s, 6H); 3.55 (s, 2H); 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.39 (dd, 1H); 7.49-7.67 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.93 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0282】
実施例9:(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(モルホリン−4−イルメチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0283】
【化48】

【0284】
4−[(5−ブロモピリジン−2−イル)メチル]モルホリン(中間体15,185mg,0.72ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7,279mg,0.72ミリモル)、炭酸ナトリウム(305mg,2.88ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(83mg,0.072ミリモル)を、70℃で5時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(12:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーと、ジクロロメタンからのヘキサンでの沈殿によって、172mg(55%)の生成物を無色の固形物として得た。融点175℃。
【0285】
MS(ESP):C2223FNに対して439.04(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.43 (t, 4H); 3.59 (t, 4H); 3.62 (s, 2H); 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.39 (m, 1H); 7.52-7.66 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.93 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.66 (s, 1H)。
【0286】
実施例9の中間体は、以下のように製造した:
中間体15:4−[(5−ブロモピリジン−2−イル)メチル]モルホリン
【0287】
【化49】

【0288】
実施例6の記載と同じ手順を使用して、5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 (2000), 4335)(200mg,1.08ミリモル)とモルホリン(0.094mL,1.08ミリモル)をトリアセトキシホウ水素化ナトリウム(319mg,1.51ミリモル)と反応させた。ヘキサン/アセトン(3:1)に次ぐヘキサン/酢酸エチル(1:1)〜酢酸エチル/メタノール(50:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、185mg(67%)の生成物を無色のオイルとして得た。
【0289】
MS(ESP):C1013BrNOに対して257.07/259.11(MH)。 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.38 (t, 4H); 3.55 (s, 2H); 3.56 (t, 4H); 7.41 (dd, 1H); 8.00 (dd, 1H); 8.60 (d, 1H)。
【0290】
実施例10:(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[(1R)−1−ヒドロキシエチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0291】
【化50】

【0292】
(1R)−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノール(中間体16,430mg,2.13ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7,826mg,2.13ミリモル)、炭酸ナトリウム(677mg,6.4ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(246mg,0.213ミリモル)を、10mLの溶媒において70℃で4時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(12:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーとエタノール/ヘキサンからの結晶化によって、421mg(52%)の生成物を無色の固形物として得た。融点190℃。
【0293】
MS(ESP):C1918FNに対して384.16(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.39 (d, 3H); 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.76 (m, 1H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.42 (d, 1H); 7.38 (dd, 1H); 7.52-7.66 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.95 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.63 (s, 1H)。
【0294】
実施例10の中間体は、以下のように製造した:
中間体16及び17:(1R)−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノールと(1S)−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノール
【0295】
【化51】

【0296】
5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 (2000), 4335)(1.0g,5.4ミリモル)を乾燥THF(25mL)に溶かして、0℃へ冷やした。臭化メチルマグネシウム(トルエン/THF(3:1)中1.4M,4.6mL,6.45ミリモル)を撹拌下に滴下した。この反応混合物を酢酸エチルで希釈し、リン酸カリウム緩衝液(pH7)で洗浄して、硫酸ナトリウムで乾燥させた。ヘキサン/酢酸エチル(2:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、1.013g(93%)のラセミ生成物を無色のオイルとして得た。
【0297】
MS(ESP):CBrNOに対して202.02/204.02(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.33 (d, 3H); 4.68 (m, 1H); 5.45 (d, 1H); 7.48 (d, 1H); 8.01 (dd, 1H); 8.57 (d, 1H)。
【0298】
上記2つの生成物のラセミ化合物を95%ヘキサン、5%エタノール/メタノール(1:1)でのキラルパック(chiralpak)ADカラムで分離させた。このカラムより溶出する第一の異性体は、[a]20=−42.2(エタノール、c=1)の旋光度を有し、S配置と帰属した。収量:400mg;溶出する第二の異性体は、[a]20=+38.3(エタノール、c=1)の旋光度を示し、R配置と帰属した。収量:430mg。
【0299】
実施例11:(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[(1S)−1−ヒドロキシエチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0300】
【化52】

【0301】
(1S)−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノール(中間体17)(400mg,1.98ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(769mg,1.98ミリモル)、炭酸ナトリウム(630mg,5.9ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(228mg,0.198ミリモル)を、10mLの溶媒において70℃で4時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(12:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーとエタノール/ヘキサンからの結晶化によって、287mg(38%)の生成物を無色の固形物として得た。融点183℃。
【0302】
MS(ESP):C1918FNに対して384.16(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.39 (d, 3H); 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.76 (m, 1H); 4.85 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.42 (d, 1H); 7.38 (dd, 1H); 7.52-7.66 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.95 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.63 (s, 1H)。
【0303】
実施例12:(5R)−3−[4−(6−{[ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}ピリジン−3−イル)−3−フルオロフェニル]−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0304】
【化53】

【0305】
5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−カルバルデヒド(中間体14,200mg,0.55ミリモル)を乾燥THF(15mL)に懸濁させ、ジエタノールアミン(63mg,0.6ミリモル)を加えて、この混合物を20分間撹拌した。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(233mg,1.1ミリモル)を加えて、この混合物を室温で一晩撹拌した。反応を1M HClで止めて、飽和重炭酸ナトリウムでpHをpH8へ調整した。これをジクロロメタン(20mLx3)で抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、ジクロロメタン中15%メタノール及び1%水酸化アンモニウムでのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物(64mg)を無色で吸湿性の固形物として得た。
【0306】
MS(ESP):C2225FNに対して457.24(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.01 (m, 4H); 3.35 (s, 2H); 3.65 (m, 4H); 4.00 (m, 1H); 4.25 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.42 (d, 1H); 7.61 (t, 1H); 7.65 (m, 2H); 7.81 (s, 1H); 8.05 (d, 1H); 8.22 (s, 1H); 8.75 (s, 1H)。(2つのOHプロトンは観察されなかった)。
【0307】
実施例13:モルホリン−4−カルボン酸(5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−イル)メチル
【0308】
【化54】

【0309】
(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体18)(20mg,0.054ミリモル)とモルホリン−4−カルボニルクロリド(24.3mg,0.163ミリモル)を密閉マイクロ波反応器においてピリジン(3mL)に溶かして、Smithマイクロ波反応機において180℃で25分間加熱した。溶媒を減圧で除去し、水(0.1% TFAを含有する)中5〜75%アセトニトリルでの逆相クロマトグラフィー(HPLC,C−18)により残渣を精製して、表題化合物(18mg)を得た。融点131〜133℃。
【0310】
MS(ESP):C2323FNに対して483.19(MH)。
1H-NMR 300 MHz (DMSO-d6) δ: 3.45 (m, 4H); 3.62 (m, 4H); 3.95 (m, 1H); 4.32 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.19 (s, 2H); 7.35~7.70 (m, 4H); 7.77 (s, 1H); 8.01 (d, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.72 (s, 1H)。
【0311】
中間体18:(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0312】
【化55】

【0313】
(5−ブロモピリジン−2−イル)メタノール(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 (2000), 4335)(200mg,1.06ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7,413mg,1.06ミリモル)、炭酸ナトリウム(450mg,4.25ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(122mg,0.106ミリモル)を、70℃で4時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(10:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーと温メタノールからのヘキサンでの沈殿によって、191mg(49%)の生成物を無色の固形物として得た。融点177℃。
【0314】
MS(ESP):C1816FNに対して370.04(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.60 (d, 2H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.48 (t, 1H); 7.39 (m, 1H); 7.52-7.66 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.96 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0315】
実施例14:(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(1−ヒドロキシ−3−オキソブチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0316】
【化56】

【0317】
5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−カルバルデヒド(中間体14,3.2g,8.72ミリモル)をアセトン(30mL)に溶かし、炭酸カリウム(4.45g,32.2ミリモル)を加えて、この混合物を30分間還流させた。溶媒を減圧で除去して、残渣をジクロロメタンに溶かして、水で洗浄した。ジクロロメタン中5%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、生成物(3.25g)を無色の固形物として得た。融点130〜135℃。
【0318】
MS(ESP):C2120FNに対して426.23(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.17 (s, 3H); 2.77 (dd, 1H); 2.93 (dd, 1H); 3.97 (m, 1H); 4.30 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H ); 5.09 (m, 1H); 5.18 (m, 1H); 5.69 (d, 1H); 7.40 (d, 1H); 7.61 (m, 3H); 7.78 (s, 1H); 7.98 (d, 1H ); 8.20 (s, 1H); 8.65 (s, 1H)。
【0319】
実施例15:(5R)−3−{4−[6−(1,3−ジヒドロキシブチル)ピリジン−3−イル]−3−フルオロフェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0320】
【化57】

【0321】
(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(1−ヒドロキシ−3−オキソブチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(実施例14,500mg,1.18ミリモル)を乾燥エタノール(10mL)に懸濁させ、ホウ水素化ナトリウム(131mg,3.53ミリモル)を0℃で加えて、生じる混合物を室温へゆっくり一晩温めた。この反応を0℃の1M HCl(数滴)で止め、溶媒を減圧で蒸発させて、残渣を逆相クロマトグラフィー(C−18)により精製して、表題化合物(151mg)を無色の固形物として得た。
【0322】
MS(ESP):C2122FNに対して428.19(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.12 (m, 3H); 3.40 (m, 3H); 3.79 (m, 2H); 3.95 (m, 1H); 4.21 (dd, 1H); 4.70 (m, 1H); 4.81 (m, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.40 (m, 1H); 7.61 (m, 3H); 7.70 (s, 1H); 7.98 (m, 1H); 8.13 (s, 1H); 8.65 (s, 1H)。
【0323】
実施例16:(5R)−3−(4−{6−[シクロプロピル(ヒドロキシ)メチル]ピリジン−3−イル}−3−フルオロフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0324】
【化58】

【0325】
(5−ブロモピリジン−2−イル)(シクロプロピル)メタノール(中間体19,300mg,1.31ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7,510mg,1.31ミリモル)、炭酸カリウム(543mg,3.93ミリモル)、及びPS−PPh−Pd(Argonaut Technologies社)(0.13ミリモル、0.11ミリモル/g)をエチレングリコール/エタノール/水(2:2:1,10mL)中に混合して、75℃で一晩加熱した。これを室温へ冷やし、セライトに通して濾過して、濾液を酢酸エチルと水(10mL+5mL)で抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濃縮し、ジクロロメタン中5%メタノールでのシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、生成物(70mg)を無色の固形物として得た。融点160〜163℃。
【0326】
MS(ESP):C2120FNに対して410.14(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 0.40 (m, 4H); 1.12 (m, 1H); 3.92 (m, 1H); 4.18 (m, 1H); 4.24 (m, 1H); 4.81 (m, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.32 (d, 1H); 7.35 (m, 1H); 7.60 (m, 3H); 7.71 (s, 1H); 7.93 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 8.65 (s, 1H)。
【0327】
中間体19:(5−ブロモピリジン−2−イル)(シクロプロピル)メタノール
【0328】
【化59】

【0329】
5−ブロモピリジン−2−カルバルデヒド(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 , 2000)(470mg,2.5ミリモル)を乾燥THFに溶かして、−20℃へ冷やした。臭化シクロプロピルマグネシウム(5ミリモル,THF中0.5M)を滴下して、この混合物をそのまま室温へ一晩温めた。この反応を数滴の1M HClで止め、酢酸エチルで抽出して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ジクロロメタンでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、生成物(300mg)を無色のオイルとして得て、これをさらに精製せずにそのまま次の工程に使用した。
【0330】
MS(ESP):C10BrNOに対して230.05(MH)。
【0331】
実施例17:(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[(メチルスルフィニル)メチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0332】
【化60】

【0333】
及び
実施例18:(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[(メチルスルホニル)メチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0334】
【化61】

【0335】
(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[(メチルチオ)メチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(実施例19,140mg,0.35ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(10mL)に溶かし、0℃へ冷やし、m−クロロ過安息香酸(0.35ミリモル)を加えてから、この混合物を室温で3時間撹拌した。酸性亜硫酸ナトリウム水溶液(2M,5mL)を加えて、この混合物を20分間撹拌した。有機相を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(10mLx2)と塩水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥させた。ジクロロメタン中2.5%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーにより、最初に実施例18(61mg,融点224〜228℃)が無色の固形物として溶出し、実施例17(22mg,融点205〜210℃)が無色の固形物として続いた。
【0336】
実施例17:MS(ESP):C1918FNSに対して416.11(MH)。 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.62 (s, 3H); 3.92 (m, 1H); 4.12 (m, 1H); 4.34 (m, 2H); 4.81 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.30-7.7 (m, 4H); 7.71 (s, 1H); 7.93 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 8.75 (s, 1H)。
【0337】
実施例18:MS(ESP):C1918FNSに対して432.12(MH)。 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.02 (s, 3H); 3.92 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.72 (s, 2H); 4.81 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.38 (d, 1H); 7.65 (m, 3H); 7.71 (s, 1H); 8.01 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 8.75 (s, 1H)。
【0338】
実施例19:(5R)−3−(3−フルオロ−4−{6−[(メチルチオ)メチル]ピリジン−3−イル}フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0339】
【化62】

【0340】
水酸化ナトリウム(15%水溶液、15mL)及びジクロロメタン(30mL)の混合物へイミドチオカルバミン酸(5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−イル)メチル(中間体20)(450mg,0.89ミリモル)とヨードメタン(251mg,1.77ミリモル)を加えた。臭化テトラブチルアンモニウム(触媒量)を加えて、この混合物を4時間激しく撹拌した。水層をジクロロメタン(2x10mL)で抽出して、合わせた有機層を1M HClと塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、減圧で濃縮した。ジクロロメタン中2.5%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、生成物(140mg)を無色の固形物として得た。
【0341】
MS(ESP):C1918FNSに対して400.13(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.02 (s, 3H); 3.80 (s, 2H); 3.92 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.82 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.34 (d, 1H); 7.43 (m, 1H); 7.58 (m, 1H); 7.60 (m, 1H); 7.71 (s, 1H); 7.91 (d, 1H); 8.20 (s, 1H); 8.70 (s, 1H)。
【0342】
中間体20:イミドチオカルバミン酸(5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−イル)メチル
【0343】
【化63】

【0344】
(5R)−3−{4−[6−(ブロモメチル)ピリジン−3−イル]−3−フルオロフェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体21)(483mg,1.12ミリモル)とチオ尿素(89mg,1.17ミリモル)をエタノール(15mL)中で混合して、2.5時間還流させた。これを室温へ冷やし、濾過し、エーテル(30mL)で希釈して、生じる沈殿を濾過により採取して、生成物(450mg)を無色で吸湿性の固形物として得た。
【0345】
MS(ESP):C1918FNSに対して428.15(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.95 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.65 (s, 2H); 4.87 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.41 (d, 1H); 7.58-7.68 (m, 3H); 7.79 (s, 1H); 8.05 (d, 1H); 8.20 (s, 1H); 8.75 (s, 1H); 9.01 (brs, 2H); 9.55 (brs, 1H)。
【0346】
中間体21:(5R)−3−{4−[6−(ブロモメチル)ピリジン−3−イル]−3−フルオロフェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0347】
【化64】

【0348】
(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体18)(1.8g,4.88ミリモル)と四臭化炭素(1.94g,5.85ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(80mL)中で混合して、−5℃へ冷やした。PS−PPh(Argonaut Technologies社)(7.32ミリモル,1.41ミリモル/g)を加え、この混合物を4℃で10分間撹拌してから、室温まで一晩温めた。これを濾過し、濾液を濃縮して、残渣を酢酸エチルでのシリカゲルのクロマトグラフィーにより精製して、生成物(484mg)を無色の固形物として得た。
【0349】
MS(ESP):C1815BrFNに対して433.99(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.95 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.75 (s, 2H); 4.82 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.40 (d, 1H); 7.43 (m, 1H); 7.58 (d, 1H); 7.68 (m, 2H); 8.0 (d, 1H); 8.20 (s, 1H); 8.71 (s, 1H)。
【0350】
実施例20:(5R)−3−(4−{6−[2−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)−1−ヒドロキシエチル]ピリジン−3−イル}−3−フルオロフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0351】
【化65】

【0352】
(5R)−3−(4−{6−[(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)アセチル]ピリジン−3−イル}−3−フルオロフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体22,100mg,0.21ミリモル)を軽く温めながら1:1 ジオキサン:メタノール(5mL)に溶かした。この澄明な溶液へ、まだ温かい間に、ホウ水素化ナトリウム(20mg,0.53ミリモル)を加えた。この混合物を室温で10分間撹拌し、水(10mL)で希釈して、酢酸エチル(20mL,10mL)で2回抽出した。プールした有機層を飽和塩化ナトリウム(10mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させてから2〜3mLの容量へ濃縮して、懸濁液を得た。この懸濁液をエーテル(15mL)で希釈し、音波処理して、そのまま15分間静置させた。固形物を採取し、エーテルで濯ぎ、50℃の真空で乾燥させて、表題化合物(39mg)を白い粉末として得た。融点195〜200℃。
【0353】
MS(ESP):C2424FNに対して478.21(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.16 (s, 3H); 2.33 (s, 3H); 4.00 (m, 2H); 4.29 (m, 2H); 4.85 (m, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 6.00 (d, 1H); 6.67 (s, 1H); 7.40 (dd, 1H); 7.57 (dd, 1H); 7.64 (m, 2H); 7.77 (s, 1H); 8.02 (d, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.73 (s, 1H)。
【0354】
中間体22:(5R)−3−(4−{6−[(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)アセチル]ピリジン−3−イル}−3−フルオロフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0355】
【化66】

【0356】
1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)エタノン(中間体23,985mg,3.35ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7,1.30g,3.35ミリモル)、炭酸ナトリウム(887mg,8.37ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(387mg,0.35ミリモル)を、15mLの溶媒において75℃で6時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(10:1〜8:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーに続く、エタノールからの結晶化によって、658mg(41%)の生成物を無色の針状物として得た。融点112〜115℃。
【0357】
MS(ESP):C2422FNに対して476.16(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.01 (s, 3H); 2.15 (s, 3H); 3.97 (dd, 1H); 4.31 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.19 (m, 1H); 5.64 (s, 2H); 6.51 (s, 1H); 7.46 (dd, 1H); 7.62 (dd, 1H); 7.75 (dd, 1H); 7.77 (s, 1H); 8.10 (d, 1H); 8.19 (s, 1H); 8.25 (m, 1H); 8.99 (brs, 1H)。
【0358】
中間体23:1−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−(2,5−ジメチル−1H−イミダゾール−1−イル)エタノン
【0359】
【化67】

【0360】
1−[2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−オキソエチル]−2,5−ジメチル−3−トリチル−1H−イミダゾール−3−イウム臭化物(中間体24,4.75g,7.7ミリモル)をジクロロメタン(100mL)に溶かして、トリフルオロ酢酸(15mL)を加えた。この混合物を穏やかな還流で1.5時間加熱した。これをジクロロメタン(200mL)で希釈し、リン酸カリウム緩衝液(pH7,1M,約600mL)で洗浄し、水相をジクロロメタン(3x100mL)で3回抽出して、合わせた有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。ジクロロメタン/メタノール(20:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、1.938g(77%)の生成物をオフホワイトの固形物として得た。
【0361】
MS(ESP):C1212BrNOに対して294/296(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.98 (s, 3H); 2.12 (s, 3H); 5.57 (s, 2H); 6.49 (s, 1H); 7.93 (m, 1H); 8.35 (m, 1H); 8.98 (m, 1H)。
【0362】
中間体24:1−[2−(5−ブロモピリジン−2−イル)−2−オキソエチル]−2,5−ジメチル−3−トリチル−1H−イミダゾール−3−イウム臭化物
【0363】
【化68】

【0364】
2,4−ジメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール(中間体25,4.5g,13.4ミリモル)、2−ブロモ−1−(5−ブロモピリジン−2−イル)エタノン(中間体9の遊離塩基、2.5g,9ミリモル)(この遊離塩基は、臭化水素酸塩より、中間体9の酢酸エチル懸濁液をリン酸カリウム緩衝液(pH7,1M)で処理し、有機相を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させることによって生成した)、及び2,6−ジtert−ブチルピリジン(3mL,13.35ミリモル)の混合物を1,4−ジオキサン(50mL)中に75℃で30分間加熱した。この反応混合物をそのまま室温へ冷やし、沈殿を濾過により採取し、ヘキサン(2x50mL)で洗浄して、4.75g(86%)の生成物をオフホワイトの固形物として得た。融点>150℃(分解)。
【0365】
MS(ESP):C3127BrNOに対して535.95/537.95(MH)。 1H-NMR (DMSO-d6) δ: 1.82 (s, 3H); 2.21 (s, 3H); 5.95 (s, 2H); 7.07 (s, 1H); 7.12-7.18 (m, 6H); 7.44-7.65 (m, 9H); 7.98 (m, 1H); 8.36 (m, 1H); 8.98 (m, 1H)。
【0366】
中間体25:2,4−ジメチル−1−トリチル−1H−イミダゾール
【0367】
【化69】

【0368】
ジクロロメタン(100mL)及びトリエチルアミン(11.3mL,81ミリモル)の混合物中の2,4−ジメチルイミダゾール(5g,52ミリモル)の溶液へ塩化トリチル(15g,55ミリモル)のジクロロメタン(50mL)溶液を室温で45分にわたり滴下した。この混合物を一晩撹拌してから、メタノール(4mL)で失活させて、さらに30分間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残渣をトルエン(600mL)に取り、リン酸カリウム緩衝液(pH7,1M,2x200mL)と水(200mL)で洗浄した。有機相をジクロロメタン(200mL)で希釈し、硫酸ナトリウムで乾燥させて、減圧でほぼ100mLへ濃縮した。ヘキサン(100mL)を加え、沈殿物を濾過により採取し、ヘキサン(2x50mL)で洗浄して、14.76g(84%)の生成物を無色の固形物として得た。
【0369】
1H-NMR (CDCl3) δ: 1.62 (s, 3H); 2.16 (s, 3H); 6.40 (s, 2H); 7.10-7.40 (m, 15H)。
【0370】
参考実施例1:5−{2−フルオロ−4−[(5R)−2−オキソ−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−3−イル]フェニル}ピリジン−2−カルボニトリル
【0371】
【化70】

【0372】
5−ブロモ−2−シアノピリジン(212mg,1.16ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(449mg,1.16ミリモル)、炭酸ナトリウム(368mg,3.47ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(134mg,0.116ミリモル)を、70℃で4.5時間加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。実施例1に記載のようなジクロロメタン/メタノール(20:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーと沈殿によって、191mg(45%)の生成物を無色の固形物として得た。融点>215(分解)。
【0373】
MS(ESP):C1813FNに対して364.79(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.97 (dd, 1H); 4.30 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.19 (m, 1H); 7.45 (m, 1H); 7.61 (m, 1H); 7.74 (dd, 1H); 7.76 (s, 1H); 8.15 (d, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.24 (d, 1H); 8.95 (s, 1H)。
【0374】
参考実施例2:(5R)−3−[3−フルオロ−4−(6−メチルピリジン−3−イル)フェニル]−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0375】
【化71】

【0376】
5−ブロモ−2−メチルピリジン(160mg,0.93ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(362mg,0.93ミリモル)、炭酸カリウム(514mg,3.72ミリモル)、及びPS−PPh−Pd(Argonaut Technologies社)(0.093ミリモル,0.11ミリモル/g)を実施例16に記載のように反応させた。ジクロロメタン中3%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、生成物(120mg)をオフホワイトの固形物として得た。
【0377】
MS(ESP):C1816FNに対して354.14(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.31 (s, 3H); 3.96 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.38 (m, 2H); 7.60 (m, 2H); 7.82 (s, 1H); 7.86 (d, 1H); 8.21 (s, 1H ); 8.61 (s, 1H)。
【0378】
参考実施例3:(5R)−3−{3−フルオロ−4−[6−(ヒドロキシメチル)ピリジン−3−イル]フェニル}−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0379】
【化72】

【0380】
(5−ブロモピリジン−2−イル)メタノール(X. Wang et al, Tetrah. Lett. 41 (2000), 4335)(200mg,1.06ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(中間体7)(413mg,1.06ミリモル)、炭酸ナトリウム(450mg,4.25ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(122mg,0.106ミリモル)を実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン/メタノール(10:1)でのシリカゲルのクロマトグラフィーと温メタノールからのヘキサンでの沈殿によって、191mg(49%)の生成物を無色の固形物として得た。融点177℃。
【0381】
MS(ESP):C1816FNに対して370.04(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.95 (dd, 1H); 4.29 (dd, 1H); 4.60 (d, 2H); 4.86 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 5.48 (t, 1H); 7.39 (m, 1H); 7.52-7.66 (m, 3H); 7.77 (s, 1H); 7.96 (m, 1H); 8.18 (s, 1H); 8.64 (s, 1H)。
【0382】
参考実施例4:(5R)−3−(3−フルオロ−4−ピリジン−3−イルフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0383】
【化73】

【0384】
3−ブロモピリジン(245mg,1.55ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−[(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]オキサゾリジン−2−オン(500mg,1.29ミリモル)、炭酸カリウム(713mg,5.16ミリモル)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(75mg,0.065ミリモル)を、75℃で一晩加熱すること以外は、実施例1に記載のように反応させた。ジクロロメタン中5%メタノールでのクロマトグラフィーによって、生成物(220mg)をオフホワイトの固形物として得た。
【0385】
MS(ESP):C1714FNに対して340.12(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.96 (m, 1H); 4.31 (dd, 1H ); 4.86 (d, 2H ); 5.18 (m, 1H); 7.40 (dd, 1H); 7.52 (m, 2H); 7.62 (t, 1H); 7.75 (s, 1H); 7.96 (d, 1H); 8.19 (s, 1H ); 8.59 (s, 1H); 8.72 (s, 1H)。
【0386】
参考実施例5
【0387】
【化74】

【0388】
WO01/94342(Dong A.Pharm株式会社)、実施例139を参照のこと。
【0389】
参考実施例6:(5R)−3−(3−フルオロ−4−(6−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリド−3−イル)フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0390】
【化75】

【0391】
ジメチルスルホキシド(5mL)中の(5R)−3−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−1,3−オキサゾリジン−2−オン(中間体6,370mg,0.95ミリモル)、ビス(ピナコラト)ジボロン(605mg,2.4ミリモル)、及び酢酸カリウム(326mg,3.3ミリモル)の混合物を脱気し、窒素で満たして、ジクロロ[1,1’]ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物(69mg,10モル%)で処理した。この混合物を80℃まで1.5時間加熱し、室温へ冷やし、Celiteに通して濾過して、酢酸エチルで抽出した。有機相を塩化アンモニウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、蒸発乾固させた。不揮発性の残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル(3:2)で溶出]により精製して、(5R)−3−(3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−5−(1H−1,2,3−トリアゾール−1−イルメチル)−
1,2−オキサゾリジン−2−オンと対応のボロン酸(210mg,約0.54ミリモル,57%)の混合物を得て、これをさらに精製せずに使用した。
【0392】
N,N−ジメチルホルムアミド及び水(10mL,7:1)中の上記に製造したボロン酸エステル及びボロン酸の混合物、5−ブロモ−2−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン(160mg,0.67ミリモル)、及び炭酸カリウム(448mg,3.24ミリモル)の混合物を脱気し、窒素で満たし、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(62mg,0.054ミリモル)で処理した。この反応混合物を80℃で1.5時間加熱し、室温へ冷やし、Celiteに通して濾過し、酢酸エチルで抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させて、蒸発乾固させた。不揮発性の残渣をシリカゲルのクロマトグラフィー[ヘキサン:酢酸エチル(3:2)で溶出]により精製して、生成物(140mg,61%)を無色の非結晶性固形物として得た。
【0393】
MS(ESP):C1916FNに対して422.47(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 3.98 (dd, 1H); 4.31 (dd, 1H); 4.47 (s, 3H); 4.86 (m, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.45 (m, 1H); 7.61 (m, 1H); 7.74 (m, 1H); 7.77 (brs, 1H); 8.12-8.27 (m, 3H); 8.93 (s, 1H)。
【0394】
この参考実施例の中間体は、以下のように製造した:
5−ブロモ−2−テトラゾール−5−イルピリジン
【0395】
【化76】

【0396】
N,N−ジメチルホルムアミド(20mL)中の3−ブロモ−6−シアノ−ピリジン(2g,10.9ミリモル)、アジ化ナトリウム(0.85g,13ミリモル)、及び塩化アンモニウム(0.59g,11ミリモル)の混合物を120℃で1時間加熱した。この反応混合物を酢酸エチル(約100mL)で希釈して、生成物を濾過により単離してから、酢酸エチルで洗浄して、表題化合物のオフホワイトの非結晶性固形物を得て、これをさらに精製せずに次の工程に使用した。
【0397】
5−ブロモ−2−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン及び5−ブロモ−2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピリジン
【0398】
【化77】

【0399】
5−ブロモ−2−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジンと5−ブロモ−2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピリジンは、Dong A Pharmaceuticals(WO01/94342)により記載される手順に従って製造した。
【0400】
乾燥DMF中の6.5gの非精製5−ブロモ−2−テトラゾール−5−イルピリジン[Dong A Pharmaceuticals(WO01/94342)](約28ミリモル)及び水酸化ナトリウム(9g,125ミリモル)を減圧で蒸発乾固させた。不揮発性残渣の乾燥DMF(50mL)撹拌溶液を氷浴温度にヨードメタン(3.0mL,48ミリモル)で滴下処理した。この撹拌した反応混合物をそのまま温めてから、室温に2時間維持した。この反応混合物を氷水と酢酸エチルの間に分画した。有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させてから、減圧で蒸発させて残渣を得て、これをシリカゲルのクロマトグラフィー[ジクロロメタン:酢酸エチル(60:1)で溶出]により精製して以下を得た:
1.5−ブロモ−2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピリジン(1.397g)、無色の固形物(TLC:シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)、Rf:0.3)。1H-NMR (DMSO-d6) (300 MHz) δ: 4.38 (s, 3H); 8.17 (d, 1H); 8.35 (dd, 1H); 8.96 (d, 1H)。
【0401】
2.5−ブロモ−2−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン(1.07g)、無色の固形物(TLC:シリカゲル、ヘキサン:酢酸エチル(4:1)、Rf:0.1)。1H-NMR (DMSO-d6) (300 MHz) δ: 4.46 (s, 3H); 8.09 (d, 1H); 8.28 (dd, 1H); 8.88 (d, 1H)。
【0402】
構造の帰属は、テトラゾール環のC5に対するCHのプロトンの長距離カップリングがRf0.3の1−メチル−1H−異性体では観察されて、Rf0.1の2−メチル−2H−異性体では観察されないという、nmr HMBC(Heteronuclear Multiple Bond Correlation;異核多重結合相関性)実験結果に基づいた。従って、5−ブロモ−2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)ピリジンとして帰属される化合物がRf0.3の異性体であり、5−ブロモ−2−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジンとして帰属される化合物がRf0.1の異性体である。
【0403】
参考実施例7:5−(2−フルオロ−4−{(5R)−5−[(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]−2−オキソ−1,3−オキサゾリジン−3−イル}フェニル)ピリジン−2−カルボニトリル
【0404】
【化78】

【0405】
5−ブロモピリジン−2−カルボニトリル(118mg,0.64ミリモル)、(5R)−3−[3−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−5−[(4−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)メチル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン(WO2003072576)(259mg,0.64ミリモル)、炭酸カリウム(356mg,2.58ミリモル)、及びPS−PPh−Pd(Argonaut Technologies社)(0.032ミリモル,0.11ミリモル/g)を実施例16に記載のように反応させた。ジクロロメタン中3%メタノールでのシリカゲルのクロマトグラフィーによって、生成物(42mg)を無色の固形物として得た。融点210〜212℃。
【0406】
MS(ESP):C1915FNに対して379.09(MH)。
1H-NMR (DMSO-d6) δ: 2.18 (s, 3H); 3.92 (m, 1H); 4.28 (dd, 1H); 4.78 (d, 2H); 5.18 (m, 1H); 7.38 (d, 1H); 7.60 (d, 1H); 7.72 (t, 1H); 7.81 (s, 1H); 8.10 (d, 1H); 8.19 (d, 1H); 8.93 (s, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中:Rは、水素、ハロゲン、シアノ、メチル、シアノメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、メチルチオ、及び(2−4C)アルキニルより選択され;
とRは、独立して、水素、フルオロ、クロロ、及びトリフルオロメチルより選択され;
は、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、(1−4C)アルコキシ(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−C(O)OR、−C(O)R、−OC(O)R、カルボキシ、−C(O)NR、−OC(O)NR、−S(O)、−S(O)NR、−NR、−NHC(O)R、及び−NHS(O)より独立して選択される1又は2の置換基により置換され;そして、シクロプロピルにより追加的に置換されていてもよい]であり;
とRは、水素、メチル、シクロプロピル(メチルで置換されていてもよい)、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される;
又は、RとRは、それらが付く窒素と一緒に、O、N及びSより独立して選択される1のさらなるヘテロ原子を(連結N原子に加えて)含有してもよい、4、5又は6員の飽和又は一部不飽和のヘテロシクリル環を形成する{ここで−CH−基は、−C(O)−に置き換えられてもよく、そしてここで環中のイオウ原子は、S(O)又はS(O)基へ酸化されてもよい;該環は、利用可能な炭素又は窒素原子上で1又は2の(1−4C)アルキル基により置換されていてもよい(但し、RとRが付く窒素は、それにより四級化しない)};
又は、RとRは、それらが付く窒素と一緒にイミダゾール環を形成し、該環は、利用可能な炭素原子上で1又は2の(1−4C)アルキル基により置換されていてもよい;
但し、Rは、ヒドロキシメチルであり得ない]の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグ。
【請求項2】
が、水素、クロロ、ブロモ、メチル、及びフルオロメチルより選択される、請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグ。
【請求項3】
とRが水素及びフルオロより独立して選択される、請求項1又は請求項2に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグ。
【請求項4】
が、(1−4C)アルキル[ヒドロキシ、(1−4C)アルコキシ、ヒドロキシ(2−4C)アルコキシ、−OC(O)R、カルボキシ、及び−NRより独立して選択される1又は2の置換基により置換される]である、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグ。
【請求項5】
とRが、水素、メチル、シクロプロピル(メチルで置換されていてもよい)、カルボキシメチル、及び(2−4C)アルキル(アミノ、(1−4C)アルキルアミノ、ジ(1−4C)アルキルアミノ、カルボキシ、(1−4C)アルコキシ、及びヒドロキシより独立して選択される1又は2の置換基により置換されていてもよい)より独立して選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグ。
【請求項6】
式(Ia):
【化2】

の化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又はプロドラッグ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物のプロドラッグ。
【請求項8】
抗菌効果を温血動物において産生するための方法であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は in-vivo 加水分解可能エステルの有効量を前記動物へ投与することを含む、前記方法。
【請求項9】
医薬品としての使用のための、請求項1〜6のいずれか1項に記載の本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は in-vivo 加水分解可能エステル。
【請求項10】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は in-vivo 加水分解可能エステルの、抗菌効果の温血動物における産生に使用の医薬品の製造における使用。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の本発明の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は in-vivo 加水分解可能エステルと医薬的に許容される希釈剤又は担体を含む医薬組成物。
【請求項12】
式(I)の化合物とグラム陽性菌に対して有効な抗菌剤の組合せを含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
式(I)の化合物とグラム陰性菌に対して有効な抗菌剤の組合せを含む、請求項12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
請求項1に記載の式(I)の化合物、又はその医薬的に許容される塩、又は in-vivo 加水分解可能エステルの製造の方法であって、(a)〜(o)の方法;そしてその後、必要ならば:
i)任意の保護基も除去すること;
ii)プロドラッグ(例えば、in-vivo 加水分解可能エステル)を生成すること;及び/又は
iii)医薬的に許容される塩を生成することを含む、前記方法[ここで、前記方法(a)〜(o)は、以下の通りである(ここで、可変基および変数は、他に述べなければ、上記に定義される通りである):
a)本発明の別の化合物中の置換基を修飾すること、又はそれへ置換基を導入することによる;
b)式(II)(式中、Xは、パラジウム[0]カップリングに有用な脱離基である)の化合物の、さらに脱離基Xを有する化合物IIaとの反応による(ピリジル−フェニル結合が、フェニル−X及びピリジル−X結合に置き換わるように);
【化3】

脱離基Xは、2つの分子(II)及び(IIa)において同じでも異なってもよい;
【化4】

c)適切に置換されたオキシランとピリジル−フェニルカルバメート誘導体(III)の反応によるオキサゾリジン環の形成;
【化5】

この方法のバリエーションでは、カルバメートをイソシアネート又はアミンに置き換える、又は/及びオキシランを同等の試薬:X−CHCH(O−保護化されていてもよい)CHトリアゾールR(ここで、Xは、置換可能基である)に置き換える;
【化6】

(d)式(IV):
【化7】

{式中、Xは、置き換え可能な置換基であり、Yは、ハロ又は
【化8】

である}の化合物のアシル化剤との反応に続く、ケトンの還元、そして次いで(Yがハロであるとき)、上記のb)に記載のような式(II)の化合物との反応による;
【化9】

{式中、Rは、(置換されていてもよい)アルキル基である};
e)式(IV)(ここで、Xはケトンであり、Yは、上記に定義される通りである)のα−ハロケトン誘導体からの、求核試薬との反応に続く、ケトンの還元、そして次いで(Yがハロであるとき)、上記のb)に記載のような式(II)の化合物との反応による;
【化10】

f)式(IIa)の化合物を得る、式(IV)(式中、Yは、ハロである)の化合物中の2−ピコリン基のアルキル化に続く、式(II)の化合物との反応による;
【化11】

g)式(IV)(式中、Xはエポキシドであり、Yは、上記のd)に定義される通りである)の化合物中のエポキシドの求核試薬との反応、そして次いで(Yがハロであるとき)、上記のb)に記載のような式(II)の化合物との反応による;
【化12】

h)グリニャール試薬又は類似の金属アルキル試薬とピリジル−2−カルバルデヒド誘導体(V)の反応による;
【化13】

i)アルデヒド基の還元的アミノ化による;
【化14】

j)アミンのビニルピリジンへの反マルコフニコフ付加による;
【化15】

k)R−ピリジル−フェニル環系がすでに形成されている、好適に官能化した中間体からのチアゾール環の形成による;
【化16】

l)アジドを介したアセチレンへの環状付加による;
【化17】

m)アミノメチルオキサゾリジノンを1,1−ジハロケトンスルホニルヒドラゾンと反応させることによる;
【化18】

n)4−ハロとしてのRでは、アジドメチルオキサゾリジノンをハロビニルスルホニルクロリドと反応させることによる;
【化19】

o)式(V)のケトン前駆体の、例えば、ホウ水素化ナトリウムでの還元による;例えば、
【化20】

]。

【公表番号】特表2008−500318(P2008−500318A)
【公表日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−514088(P2007−514088)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【国際出願番号】PCT/GB2005/002055
【国際公開番号】WO2005/116023
【国際公開日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(300022641)アストラゼネカ アクチボラグ (581)
【Fターム(参考)】