説明

抗菌組成物及び使用方法

カテキンを、この脂質親和性を高めるために少なくとも1つの位置で(好ましくは炭素環の3位で)修飾する。考慮されるカテキンは、おそらく破滅的膜損傷の故に、有意に改善された抗菌特性を有することを示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、抗菌薬及び組成物、特に修飾カテキンを含むものである。
【背景技術】
【0002】
抗生物質の使用は、過去数十年間にわたって医師に数多くの疾患の治療成功をもたらしたが、抗生物質で治療されたほとんど全ての細菌が、これらの薬剤に対して少なくともある程度の耐性を発現してきた。例えば多剤耐性黄色ブドウ球菌の様々な株が病院内で一般的に認められる。
【0003】
黄色ブドウ球菌は、敗血症、肺炎、心内膜炎及び軟組織感染を含む一連の感染についての病原因子として知られる、グラム陽性、化膿性日和見病原体である。この細菌細胞は、潜在的に中和抗体に結合するプロテインAを細胞壁の表面に担持し、この細菌によって産生されるコアグラーゼはしばしば毒力と相関する。特に懸念されるのは、特にセファロスポリンを含む、β−ラクタムクラスの実質的に全ての抗生物質に耐性である黄色ブドウ球菌株のグループ(a.k.a.MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)である。β−ラクタム抗生物質は、「ペニシリン結合タンパク質」(PBP)と呼ばれる細菌タンパク質に結合する。MRSAでは、典型的にはPBP2及びPBP2’がMRSAにおける耐性の鍵である(しかし、PBP2’はβ−ラクタム抗生物質がこれにわずかしか結合しないように変化する)。加えて、大部分の黄色ブドウ球菌株は、様々なβ−ラクタム抗生物質を加水分解する(例えばベンジルペニシリン又はアンピシリン;メチシリン又はセファロチンなどを含む他のβ−ラクタム抗生物質はほとんどの状況下でβ−ラクタマーゼによって加水分解されない)、β−ラクタマーゼを分泌する。
【0004】
MRSA感染はグリコペプチド(例えばバンコマイシン)で治療することができる。このような抗生物質は耐性に関する問題の少なくとも一部を克服するが、グリコペプチドはしばしば高価であり、潜在的に毒性である。さらに問題であるのは、グリコペプチドに対する耐性が密接に関連する細菌において出現しており、最近、米国の1名の患者でのMRSAにおいて有意の耐性が報告された(中間耐性のいくつかの症例は既により早期に報告されている)。
【0005】
意外にも、茶、特に緑茶の特定製剤が、最近になって、MRSAに対する著名な抗菌作用を発揮することが示された。例えばShimamuraらは、米国特許第5,358,713号の中で、ある患者から別の患者へのMRSAの伝播を予防する又は低減するための物質として茶及び茶ポリフェノールの使用を述べている。同様に、Hamilton−Millerは、米国特許第5,879,683号において、β−ラクタム抗生物質に対するMRSAの感受性を回復するための茶抽出物の使用を述べている。さらにもう1つの例では、Shimamuraは欧州特許第EP 0443090号において、約0.2から2.0g/100mlの濃度の茶の抽出物が、MRSAの一部の株を含む、多くの種類の細菌の増殖を予防することができると述べている。このような製剤は実際に予想外の抗菌作用を有しているが、これでもやはり様々な問題が残る。中でも特に、少なくともある程度満足しうる効果に達するためには、しばしば比較的高い濃度及び用量が必要とされる。さらに、多くの場合、カテキンはβ−ラクタム抗生物質に対する感受性を回復するだけであり、従って抗生物質の同時投与が必要である。
【0006】
茶抽出物、特に茶カテキンについてのさらなる生物学的活性が様々なソースにおいて公開されている。例えば3−O−アシル−(−)−エピガロカテキンは、the Twentieth International Conference on Polyphenols(in Freising−Weihenstephan;Germany;2000年9月1l−15日、S.Uesato,K.Yutaka,H.Yukihiko,T.Harukuni,M.Okuda,T.Mukainaka,H.Nishino)において抗腫瘍促進活性を有することが報告された。しかし、このような作用の機構はよく理解されておらず、治療成績を最適化するためにはさらなる検討が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、カテキンに関する様々な組成物及び方法が当技術分野において公知であるが、これらの全部又はほとんど全部が1又はそれ以上の不都合な点を抱えている。そこで、特に抗菌用途のための、カテキンに関する改善された組成物及び方法を提供することがなおも求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、カテキンの1又はそれ以上の位置に親油性置換基を付加することによってカテキンの脂質親和性を高めた修飾カテキンの組成物及び方法を対象とする。このような修飾カテキンは、MRSAに対する抗菌活性を含む、優れた抗菌特性を示す。
【0009】
従って、本発明の1つの側面では、医薬組成物は、式1:
【0010】
【化8】

[式中、R、R、R、R、R’、R’、R’及びR”の少なくとも1つがMであることを条件として、R、R、R、R、R’、R’及びR’は、独立してH、OH又はMであり、R”は、H、OH、場合により置換されたフェニル又はMであり;Mは、OC(O)R、OC(S)R、OC(NH)R、OR、又はRであり、前記式中、Rは、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール又はアリールである]
に従った修飾カテキンを含有し、及び前記修飾カテキンは、身体画分に投与したときこの身体画分において細菌増殖を低減するために有効な濃度で存在する。
【0011】
特に好ましい修飾カテキンは、炭素環(すなわちカテキン骨格のテトラヒドロピラン環)の3−ヒドロキシ基が親油基で、好ましくはOC(O)R基で、最も好ましくはOC(O)CH(CHCH又はOC(O)CH(CHCHで修飾されているものを含む。このような分子内のR、R、R’及びR’基は好ましくはOHであり、一方R及びR基は好ましくはHである。さらなる好ましい側面では、修飾カテキンは、異性的及び光学的に純粋な化合物(最も好ましくは(+))である。
【0012】
このような医薬組成物のさらなる好ましい側面では、前記細菌増殖は、グラム陽性細菌(例えば場合によりβ−ラクタム抗生物質及び/又はセファロスポリンの耐性の、黄色ブドウ球菌)の増殖であり、及び前記身体画分は患者の皮膚を含み、及び前記投与は局所投与である。このような修飾カテキンの投与は、細菌膜(好ましくは細胞の脂質二重層膜)を損傷すると考えられ、さらに、修飾カテキンはβ−ラクタム抗生物質に対するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の感受性を2倍だけ上昇させると考えられる。
【0013】
この結果として、本発明のもう1つの側面では、細菌の増殖を低減する方法は、細菌を式1(上記)に従った構造を有する修飾カテキンと接触させる工程を含んでもよく、また修飾カテキン及びこの適用のさらなる好ましい側面に関して、上記と同じ考察が適用される。
【0014】
従って、考慮するカテキンを商業的に利用する場合、発明者は、式1(上記)に従った修飾カテキンを含む製品を提供する市販の方法も考慮する。もう1つの工程では、前記製品が細菌増殖を低減することを広告する。特に好ましい製品は、化粧品製剤、洗浄剤及び/又は医薬製剤を含み、一方広告の好ましい方法は、細菌増殖の低減を示唆する又は説明する印刷情報を提供すること、及び/又は細菌増殖の低減を示唆する又は説明するテレビ放送情報を提供することを含む。
【0015】
本発明の様々な目的、特徴、側面及び利点は、添付の図面と共に、本発明の好ましい実施態様の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
発明者は、驚くべきことに、数多くのイソフラボノイドに様々な脂質親和性修飾を施して修飾カテキンを与えることができ、このような修飾カテキンは有意に改善された抗菌活性を示すことを発見した。1つの特に好ましい例では、発明者は、炭素環(ここではOC(O)トリヒドロキシフェニル)上の3−置換基を親油性成分(例えばOC(O)CH(CHCH、又はOC(O)CH(CHCH)で置換するとき、没食子酸エピカテキンの抗菌活性を劇的に上昇させ得ることを発見した。
【0017】
ここで使用する、「修飾カテキン」という用語は、一般にカテキン骨格を有する分子を指し、カテキン骨格は、場合により1又はそれ以上の置換基(例えばヒドロキシル基)で置換されていてもよく、またカテキン骨格は、式OC(O)R、OC(S)R、OC(NH)R、OR、又はR[式中、Rは、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール又はアリールである]の少なくとも1個の置換基を含む。
【0018】
ここで使用する「アルキル」という用語は、直鎖、分枝又は環状立体配置(シクロアルキルとも称される、下記参照)の全飽和炭化水素基を含み、特に考慮されるアルキル基は、低級アルキル基(すなわち6又はそれ以下の炭素原子を有するもの)を含む。例示的アルキル基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二級ブチル、第三級ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル等である。ここで使用する「アルケニル」という用語は、少なくとも1個の二重結合を有する上記で定義したアルキルを指す。従って、特に考慮されるアルケニル基は、2から6個の炭素原子を有する直鎖、分枝又は環状アルケン基(例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル等)を含む。同様に、ここで使用する「アルキニル」という用語は、少なくとも1個の三重結合を有する上記で定義したアルキル又はアルケニルを指し、特に考慮されるアルキニル基は、2から6個の総炭素原子を有する直鎖、分枝又は環状アルキン基(例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル等)を含む。
【0019】
ここで使用する「シクロアルキル」という用語は、好ましくは3から8個の炭素原子を含む、環状アルキル(すなわち炭化水素の炭素原子の鎖が環を形成する)を指す。従って、例示的なシクロアルカンは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルを含む。考慮されるシクロアルキルは、共役していてもよい、1又はそれ以上の二重及び/又は三重結合をさらに含んでもよい。ここで使用する「アリール」という用語は、1又はそれ以上の非炭素原子をさらに含んでもよい、芳香族炭素原子含有環を指す。従って、考慮されるアリール基は、シクロアルケン(例えばフェニル、ナフチル等)及びピリジルを含む。
【0020】
ここで使用する「置換」という用語は、原子又は官能基を有する化学基(例えばH、NH又はOH)の置換を指し、特に考慮される官能基は、求核基(例えば−NH、−OH、−SH、−NC等)、求電子基(例えばC(O)OR、C(X)OH等)、極性基(例えば−OH、C(O)Cl等)、非極性基(例えばアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル等)、イオン性基(例えば−NH)及びハロゲン(例えば−F、−Cl)、及びこれらの全ての化学的に妥当な組合せを含む。さらに、「置換」という用語はまた、多重度の置換を包含し、多数の置換基が開示又は特許請求される場合、この置換化合物は、独立して、1又はそれ以上の開示又は特許請求置換成分によって置換され得る。「官能基」及び「置換基」という用語は、ここでは交換可能に使用され、求核基(例えば−NH、−OH、−SH、−NC、−CN等)、求電子基(例えばC(O)OR、C(X)OH、C(ハロゲン)OR等)、極性基(例えば−OH)、非極性基(例えばアリール、アルキル、アルケニル、アルキニル等)、イオン性基(例えば−NH)及びハロゲンを含む基を指す。
【0021】
またここで使用するとき、「細菌増殖を低減する」という用語は、細菌数の何らかの低減方法及び/又は細菌の細胞分裂速度の何らかの低減を指す。このような低減は1又はそれ以上の方法で促進することができ、特に考慮される方法は、細胞膜損傷、細胞傷害作用、細胞壁合成の低減及び/又は核酸合成の低減を含む。ここで使用する「細菌膜を損傷する」という用語は、生存度、細胞分裂及び/又は細胞膜の構造的完全性を低下させる細菌細胞膜の何らかの変化を指す。このような低減は、脂質二重層構造の障害、孔形成、膜勾配の破壊等を含む、幾つかの機構を含み得る。
【0022】
(考慮される化合物)
抗菌活性修飾カテキンを生産するために比較的広い範囲の修飾を実施し得るという発明者の発見に基づき、一般に、本発明に従った適切な化合物は、式1:
【0023】
【化9】

[式中、R、R、R、R、R’、R’、R’及びR”の少なくとも1つがMであることを条件として、R、R、R、R、R’、R’及びR’は、独立してH、OH又はMであり、R”は、H、OH、場合により置換されたフェニル又はMであり;及びMは、OC(O)R、OC(S)R、OC(NH)R、OR、又はRであり、前記式中、Rは、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール又はアリールである]
の一般構造を有すると考えられ、さらに、Mはまた、コリニル又はグリセリル成分(好ましくはアシル、アルキル、アルケニル、アルキニル又はアリールに共有結合した)、又はステロイド成分(例えばコレステロール及び生物学的膜において起こるこの変異)を含む、膜脂質又はこの部分を含み得ると考えられる。
【0024】
1つの特に好ましい側面では、考慮される化合物は、式2又は式4:
【0025】
【化10】

[式中、R’はH又はOHであり、及びMはOC(O)Rであり、さらに一層好ましくはOC(O)CH(CHCH、又はOC(O)CH(CHCHである]
に従った構造を有する。
【0026】
さらに、考慮される化合物は、典型的には様々な立体異性配置(例えば2−R,S及び/又は3−R,S)で存在することが認識されるべきであり、全ての異性形態(鏡像異性アイソフォーム、ジアステレオマーアイソフォーム、互変異性アイソフォーム等)は明白にここに包含されることが了解されねばならない。さらに、特に考慮される化合物が完全に実験室で合成される場合は、光学的に純粋な単一異性体、あるいは2又はそれ以上のアイソフォームの定義された混合物を生成するために1又はそれ以上のアイソフォームを別のアイソフォームから分離し得る。他方で、修飾カテキンは、植物ソースからの粗又は精製抽出物から製造してもよく、このようにして得られるカテキンは、少なくともある程度まで(この程度は、典型的には個々の植物材料及び単離方法に依存する)異性的に純粋であり得る。
【0027】
さらに、適切な場合は、考慮される化合物は塩として製造してもよく、特に適切な塩は、医薬適合性の塩(例えば塩酸塩、メシル酸塩等)を提供するための有機又は無機酸/塩基で形成されるものを含む。特に好ましくはないが、考慮される化合物は、少なくともある程度まで重合していてもよいことが認識されるべきである。
【0028】
(考慮される使用)
考慮される化合物が有意の抗菌活性を示すという発明者の発見、及び考慮される化合物が細菌の脂質二重層膜(以下参照)を損傷し得るというさらなる所見に基づき、発明者は、一般に、修飾カテキンを様々な製品における抗菌薬として使用し得ると考える。
【0029】
例えば考慮される化合物のさらなる有用な活性(例えば抗酸化)を所望する場合、修飾カテキンを防腐剤として及び/又は皮膚科学的に望ましい化合物として化粧品製剤に添加し得る。従って、及び個々の化合物、適用及び製剤に依存して、修飾カテキンは、好ましくは約0.001重量%から約5重量%(さらにそれ以上)の範囲で含まれ得る。化粧品製剤の種類に関しては、全ての公知の化粧品製剤が適切であると考えられ、特に顔用クリーム及びローション、保湿クリーム及びローション、口紅等を含むことが認識されるべきである。従って、特定化粧品製剤の組成物は有意に異なり得るが、一般に、全ての公知の化粧品製剤がここでの使用に適すると考えられる。いかにして適切な化粧品製剤を製造するかについての例示的な手引きは、参照によりここに組み込まれる、Ernest W. Flickによる「Cosmetic and Toiletry Formulations」,Volume 8;Noyes Publications;第2版(2000年1月15日)(ISBN:0815514549)に認められる。
【0030】
もう1つの例では、考慮される化合物を医薬組成物における抗菌薬として使用でき、この場合一般に、修飾カテキンは、身体画分(例えば皮膚、開放創、眼、粘膜、感染器官、血液)に投与したときこの身体画分において細菌増殖を低減するために有効な濃度で存在することが好ましい。例えば考慮される化合物を、液体、固体又は他の形態の薬理学的物質に防腐剤として添加することができ、一般に、このような機能においては、修飾カテキンの量は、好ましくは約0.01重量%から約1.0重量%の範囲内であると考えられる。修飾カテキンを抗酸化剤として用いる場合は、医薬組成物中の修飾カテキンの適切な濃度は、約0.1重量%から約5.0重量%の範囲を含む、一般に幾分より高い範囲内である。
【0031】
特に好ましい実施態様は、皮膚及び/又は創傷感染のための局所抗菌薬として1又はそれ以上の考慮される化合物を含有する、局所適用医薬組成物(例えばスプレー、軟膏、ローション又はクリーム)である。考慮される医薬組成物は、感染が、さもなければ1又はそれ以上の抗生物質薬剤による治療に対して耐性である微生物によって引き起こされる場合に特に有用であり得る。例えば耐性細菌が、メチシリン(及び/又は他のβ−ラクタム抗生物質、セファロスポリン及び/又はバンコマイシン)に耐性であり得る、黄色ブドウ球菌である。特定製剤(例えばスプレー、軟膏、ローション又はクリーム)に依存して、医薬組成物の個々の組成物はかなり異なり得る。化粧品及び/又は医薬組成物によって、考慮される化合物に暴露しうる、さらなる特に考慮される微生物は、化膿連鎖球菌、溶血性連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)、ざ瘡プロピオンバクテリウム又はリステリア・モノシトゲネシスを含む。考慮される製剤の製造のための例示的手引きは、Kenneth A. Waltersによる「Dermatological and Transdermal Formulations」,(Drugs and the Pharmaceutical Sciences,Vol.119),Marcel Dekker;(2002年2月)(ISBN:0824798899)に認められる。考慮される化合物の濃度に関しては、一般に、修飾カテキンが少なくとも0.001重量%、より好ましくは少なくとも約0.01から0.1重量%、最も好ましくは少なくとも0.01から5.0重量%の量で存在することが好ましい。
【0032】
さらなる例では、考慮される化合物はまた、様々な洗浄剤に含めてもよく、特に考慮される洗浄剤は、家庭用洗浄液(例えば食器用液体洗剤、表面消毒薬等)及び個人衛生用品(例えば練り歯磨き、口内洗浄剤、ジェル状ボディーソープ、体臭防止剤等)を含む。やはり、このような洗浄剤の一般的組成物は当技術分野において周知であり、このような製品中の考慮される化合物の好ましい量は、一般に上記で述べた医薬組成物について示した量と同じである。
【0033】
本発明のさらにもう1つの側面では、考慮される化合物の抗菌作用は、黄色ブドウ球菌の多剤耐性株に限定されないことが認識されるべきである。実際に、発明者は、全ての種類の細菌が考慮される化合物及び組成物で治療できると考えた。しかし、一般に、細菌は特にグラム陽性細菌を含むことが好ましい。さらに、考慮される組成物はまた、少なくともある程度の抗真菌活性を示し得る。
【0034】
従って、より一般的な見地から、細菌の増殖を低減する方法は、細菌を、細菌の増殖を低減するために有効な用量の修飾カテキンと接触させる工程を含み得ることが認識されるべきである。ここで使用する、修飾カテキンと「細菌を接触させること」という用語は、細菌を、修飾カテキンと細菌の成分(例えば細胞膜、ペリプラズム酵素、細胞壁等)の間の分子相互作用を可能にするように修飾カテキンに暴露することを意味する。従って、細菌が皮膚の表面又は創傷に存在する場合、接触の工程は、クリーム、ローション、スプレー又は他の局所製剤を皮膚又は創傷に直接適用することを含み得る。他方で、細菌が血液中又は生物内に存在する場合、接触の工程は、考慮される化合物の血流への注射(例えば静脈内又は筋肉内)を含み得る。
【0035】
この結果として、市販の方法は、本発明に従った修飾カテキンを含有する製品を提供する工程を含み得る。もう1つの工程では、製品が細菌増殖を低減することを広告する。広告は、情報を広める数多くの方法を含み得るが、特に好ましい方法は、細菌増殖の低減を示唆する又は説明する印刷情報(例えば添付文書、包装ラベル、ちらし、雑誌での広告等)を提供すること、又は細菌増殖の低減を示唆する又は説明するテレビ放送情報(例えばテレビコマーシャル又はテレビインフォマーシャル)を提供することを含む。
【実施例】
【0036】
方法
試薬及び細菌株:3−O−(−)−没食子酸エピカテキン及び(+)−カテキンは、Tokyo Food Techno Co.,Tokyo,Japanより提供された。オクタン酸及びオキサシリンは、Sigma(Poole,United Kingdom)より購入した。アシル−(+)−カテキン誘導体及びオクタノイル−(−)−エピカテキンは、以下で概説するように合成した。黄色ブドウ球菌BB568(mecA及びpT181を担持するCOL型株)及びBB551(メチシリン感受性)は、Professor B.Berger−Baechiより提供された。EMRSA−15及びEMRSA−16は、the Royal Free Hospital,Londonからの臨床単離物であった。黄色ブドウ球菌の株は、8μg/mlメチシリンの存在下で増殖が起こる場合、メチシリンに耐性とみなすことができる(National Committee for Clinical Laboratory Standards,1990−−Methods for dilution antimicrobial susceptibility tests for bacteria that grow aerobically(第2版)。Document M7−A2,NCCLS, Villanova,Pa.,U.S.A.)。
【0037】
最小発育阻止濃度:96穴マイクロタイタートレーにおいて、2%NaClを添加したミューラー−ヒントンブロス(Oxoid,Basingstoke,United Kingdom)100μl中約10CFUの接種物でMIC試験を実施した。35℃で24時間のインキュベーション後にMIC値を得た。黄色ブドウ球菌、ATCC29213を標準品として使用した。
【0038】
細菌増殖への作用:EMRSA−16をミューラー−ヒントンブロス中37℃で一晩増殖させた。一晩培養物を、様々な濃度の考慮される化合物を含む、50ml容量のあらかじめ温めておいた(37℃)ミューラー−ヒントンブロス50ml中に1:400希釈した。対照フラスコはエタノール(1容量%)を含んだ。通気しながら(200rpm)37℃でフラスコをインキュベートした。2時間間隔でフラスコから試料を採集し、0.1Mリン酸緩衝食塩水(pH7.4)溶液に連続希釈して、栄養寒天(Oxoid)にプレートした。37℃で24時間のインキュベーションでコロニーの数を記録し、CFU/mlの数として表わした。
【0039】
細菌膜損傷:EMRSA−16をミューラー−ヒントンブロス中37℃で一晩増殖させた。一晩培養物を、あらかじめ温めておいた新鮮ミューラー−ヒントンブロスに1:40希釈し、希釈した培養物を、通気しながら(200rpm)、600nmでの光学密度(OD600)が0.7−0.8に達するまで37℃でインキュベートした。細胞を遠心分離(10,000×g、10分間)によって回収し、ろ過滅菌水で1回洗って、ろ過滅菌水中、もとの容積に対して1:10で再懸濁した。培養物を、エタノールを含む水(1容量%;化合物を溶解するために溶媒を使用した)又はカテキンを含む水に1:20でさらに希釈した。細胞を化合物に10分間接触させ(室温で静かに振とうしながら)、この後CFU定量のために試料を採集し、残りの細胞は遠心分離(10,000×g、10分間)によって回収した。細胞ペレットを水で1回洗い、この後0.15のOD670に再懸濁した。
【0040】
細菌細胞膜への損傷を、Molecular Probes Europe BV(Leiden,The Netherlands)からのBacLightキットに含まれる試薬(SYTO9及びヨウ化プロピジウム)で測定した。SYTO9染料とヨウ化プロピジウムの等量混合物(各々4.5μl)をキュベット中の試料3mlに添加し、キュベットを3回逆さにして試料を混合した。試料を15分間暗所に保持し、2つの染料の蛍光を分光蛍光計(Jacso FP−750)で測定した。両方の染料を485nmの波長で励起し、SYTO9の発光を530nm(Em1)で読み取り、ヨウ化プロピジウムを645nm(Em2)で読み取った。SYTO9対ヨウ化プロピジウム発光の比(R=Em1/Em2)を対照のパーセンテージとして表わした(BacLight値=[R試料/R対照]×100)。CFU定量のために採集した試料を0.1Mリン酸緩衝食塩水(pH7.4)に連続希釈し、この後栄養寒天にプレートした。37℃で24時間のインキュベーション後、プレート上のコロニーの数を記録し、結果を、対照試料と比較したCFU/mlでのLog10低下として表わした。
【0041】
赤血球溶血:線維素除去ウマ血液(Oxoid)からの赤血球を遠心分離(6,000×g、3分間)によって収集し、0.9%NaClを含む10mMトリス−HCl(pH7.4)中で3から4回洗った。赤血球を洗浄液中1%に再懸濁し、細胞200μlを、試験化合物を含む緩衝液1300μlに添加した。試料を室温で10分間静かに混合し、無傷赤血球を遠心分離(6,000×g、3分間)によって除去した。540nmで上清の吸光度を測定することによって溶血を評価した。0.5%NHOHを含む緩衝液に細胞を添加して、100%溶解の指標を与えた。結果を100%溶解についての吸光度読取りのパーセンテージとして表わした。洗浄した赤血球だけを含む緩衝液を使用して、試験化合物不在下での溶解の程度を評価した。
【0042】
電子顕微鏡検査:黄色ブドウ球菌BB551を、エピカテキン−(−)−没食子酸及びオクタノイル−(+)−カテキンのいずれかの不在下及び存在下にミューラー−ヒントンブロス中37℃で一晩増殖させた。細胞を遠心分離によって回収し、0.1Mリン酸緩衝食塩水、pH7.4で1回洗った。細胞を室温で少なくとも2時間1.5%グルタルアルデヒドに固定し、四酸化オスミウムで処理して、エポキシ樹脂に包埋した。切片を作製し、酢酸ウラニルで染色して、次にレイノルズクエン酸鉛で染色した。Philips201透過型電子顕微鏡を用いて超薄切片を観察し、写真撮影した。
【0043】
結果
殺菌活性:EMRSA−15に対する様々な修飾カテキンの作用を、図1に示すように漸増用量のオキサシリンの存在下で黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株に関して選択修飾カテキンのあらかじめ定められた用量で試験した。明らかに、3−O−オクタノイル−(−)−エピカテキン(O−EC)は、オキサシリンのゼロ濃度でさえも有意の抗菌作用を示した。図2は、抗生物質不在下での没食子酸エピカテキンと比較したときの、黄色ブドウ球菌メチシリン耐性株へのO−ECの用量依存的抗菌作用を示す。やはり、O−ECは、比較的低用量であっても、卓越した抗菌作用を明らかにした。他のメチシリン耐性株への抗菌作用をさらに検討するため、O−ECを様々な黄色ブドウ球菌培養物(MSSA1533、MSSA511、EMRSA−15及びEMRSA−16)に添加した。注目すべき点として、図3に示すように全ての株がほぼ同じ濃度のO−ECに対して同様の感受性を示した。
【0044】
ECGと共にインキュベートしたとき、発明者は、ECGが、MICの8倍であっても、最初の2時間に生菌数の大きな低下を生じさせないことを認めた。この代わりに、6時間にわたって細胞数のわずかな低下(512及び1024μg/mlに関してそれぞれ0.3及び0.85のLog10低下)を認めた。生菌数は24時間にわたってさらに減少し、1024μg/mlのECGの存在下で増殖させたとき、CFU/mlで5Log10低下を生じさせた。例示的な増殖パターンを図4に示す。
【0045】
これに対し、オクタノイル−(+)−カテキンに関しては、図5に示すようにEMRSA−16の増殖に対して異なる作用が認められた:32μg/mlのオクタノイル−(+)−カテキン濃度で、生菌数の初期1.6Log10低下が存在し、検討した24時間を通じて増殖が阻止された。64μg/mlでは、前記化合物は殺菌性であり、2時間のインキュベーション後生菌数の5Log10低下を生じさせた。24時間後にわずかな再増殖を認めた。24時間後に増殖した細胞をオクタノイル−(+)−カテキンに対する感受性に関して試験した;感受性の低下は認められなかった(データは示していない)。
【0046】
最小発育阻止濃度:(+)−カテキンは、試験した3つの株に関してMIC>256μg/mlのMICを有していた。ECgは、(+)−カテキンよりも少なくとも4倍高い直接抗ブドウ球菌作用を有していたが、活性はまだ低かった(64−128μg/ml)。(+)−カテキンへのアシル鎖の導入は、一般に分子の抗ブドウ球菌活性を増強した。C4、C6、C16及びC18の鎖長の3−O−アシル−(+)−カテキンは、黄色ブドウ球菌BB568に関して32μg/ml又はそれ以上のMICを有していた。C8、C10、C12及びC14の鎖長を有する化合物は、黄色ブドウ球菌BB568及びEMRSA−16に対して試験したとき一貫してより低いMIC(16μg/ml)を有していたが、C12及びC14の鎖長の化合物はEMRSA−15に対してあまり有効でなかった(32μg/ml又はそれ以上)。3−O−オクタノイル−(−)−エピカテキンは、3−O−オクタノイル−(+)−カテキンと同様の活性を有していたが、オクタン酸は黄色ブドウ球菌に対する直接作用を有していなかった。試験した化合物のうちで、没食子酸エピカテキンだけがオキサシリンのMICを有意に低下させることができた(256から1μg/ml未満へ)。アシルカテキン誘導体又はオクタン酸(0.25×MICで試験した)のいずれもが、オキサシリンのMICを2倍以上低下させる能力を有していなかった。
【0047】
【表1】


【0048】
ブドウ球菌膜損傷:ブドウ球菌細胞膜への損傷を、BacLightキット(Molecular Probes Inc.)を使用して評価した。前記キットは、異なるスペクトル特性及び無傷細胞膜を透過する能力を有する2つの核酸株、SYTO−9及びヨウ化プロピジウムを使用する。SYTO−9は無傷及び損傷膜の両方を透過するが、ヨウ化プロピジウムは損傷膜だけを透過する。無傷膜を有する細胞は蛍光緑色に染まり、損傷膜を有する細胞は蛍光赤色に染色される。試験化合物に暴露したEMRSA−16に関する、緑対赤色蛍光の比を対照のパーセンテージとして表わし、以下の表に示す。MICで試験したときオクタノイル−(+)−カテキンは有意の膜損傷を生じさせ(未処置対照と比較して98%の透過性上昇)、生菌数の2.6Log10低下をもたらした。MICの2倍のオクタノイル−(+)−カテキン濃度では、10分間という短い暴露時間にもかかわらず生菌数の7Log10以上の低下が認められた。4×及び8×MICで試験したときの没食子酸エピカテキンは、中等度の膜透過性(それぞれ48%及び64%)を生じさせただけであり、細胞生存度にはほとんど影響を及ぼさなかった。オクタン酸は、非常に高い濃度(>1024μg/ml)でのみ有意の膜損傷を生じさせた。
【0049】
溶血:化合物への10分間の暴露後にウマ血液赤血球から放出されるヘモグロビンの量を使用して、真核細胞膜への化合物の作用を評価した。このアッセイによりオクタノイル−(+)−カテキンは、以下の表に示すようにMIC(24%溶血)及びそれ以上(100%)で有意に溶血性であることを示した。ECgは4×MICで溶血を生じさせなかったが、8×MICでは溶血が認められた(21%)。2×MICのオクタン酸は完全な溶血を生じさせた。
【0050】
【表2】

【0051】
細胞壁形態への作用:ECgの存在下での黄色ブドウ球菌BB551の増殖は、高い細胞壁肥厚を伴う偽多細胞凝集物を生じさせた(図6A)。3−O−オクタノイル−(−)−エピカテキンの存在下で増殖させた同じ株も偽多細胞凝集物を生じさせたが、細胞壁肥厚は認められなかった。異常中隔の形成も認められた(図6B)。
【0052】
考慮される化合物の合成:一般に、当業者は考慮される化合物についての合成方法を容易に考案することができると考えられる。これにもかかわらず、数多くの考慮される化合物に関する例示的な参考資料を以下に提供するが、これらの参考資料に特に開示されていない特定分子に達するためにこのような合成手順を修正し得ることは認識されるべきである。Lambustaらは、Synthesis 1993,p.1155−1158において、Pseudomonas cepaciaリパーゼの存在下での過アセチル化(+)−カテキンの加アルコール分解による[(+)−3−0−アセチルカテキン]の製造を報告した。 欧州特許第EP 0618203号は、Streptomyces rachei又は黒色アスペルギルス菌のカルボキシエステラーゼによって触媒される遊離カテキンのエステル化によって製造した、C−3位でアシル化されたカテキンを報告している。Nicolosiらは、国際公開公報第WO99/66062号において、Mucor mieheiリパーゼの存在下で有機溶媒中の過アセチル化フラボノイドの加アルコール分解を実施することにより、唯一の反応産物としてフラボノイドの3−モノエステルを得るための手順を述べている。Kozikowskiらは、J.Org.Chem.2000年8月25日;65(17):5371−81の中で、3−O−アルキル化フラボノイドの合成を報告している。次亜リン酸を還元剤として使用する改変バートン脱酸素化によってC−3ヒドロキシル基を除去することができる。C−C結合形成は、3位において、アルキルMgBr反応によって又はヘック、鈴木又はスティル反応によって実施し得る。
【0053】
3−O−ブチリル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.00g、3.44mmol)及び塩化ブチリル(0.179ml、1.68mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、この溶液をアルゴンガス下に室温で17時間攪拌した。反応混合物をCHCl−MeOH(3:1)で希釈し、水で5回洗った。有機層を真空中で濃縮して残留物を得た。MeOHを溶離液としてGS−320カラム(内径21.5mm×500mm)を用いた分取HPLCによって精製し、この後凍結乾燥して、所望の3−O−ブチリル−(+)−カテキン85mgを白色粉末として得た(14.0%収率)。[α]20+7.8°(EtOH,c=0.5);IR(KBr)3707,2607,2326,1697,1504,1454,1140,1013,833,781,419cm−1H NMRδ:0.79(3H,t,J=7.4Hz,−COCHCHCH),1.45−1.53(2H,m,−COCHCHCH),2.13−2.19(2H,m,−COCHCHCH),2.58−2.62(1H,m,H−4),2.78−2.82(1H,m,H−4),5.17−5.21(1H,m,H−3),5.88(1H,s,H−6又はH−8),5.93(1H,s,H−8又はH−6),6.65−6.68(1H,m,H−2’),6.72(1H,d,J=8.0Hz,H−3’),6.78(1H,s,H−6’);HR−FABMS m/z:361.1285([M+H],C1921についての計算値:361.1287)。
【0054】
3−O−ヘキサノイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.01g、3.48mmol)及び塩化ヘキサノイル(0.242ml、1.80mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−ヘキサノイル−(+)−カテキン113mgを白色粉末として得た(16.8%収率)。[α]20+4.7°(EtOH,c=0.5);IR(KBr)3732,2927,2358,1867,1715,1605,1520,1456,1362,1252,1140,1015,827,667,419cm−1H NMRδ:0.83(3H,t,J=7.4Hz,−COCHCH(CHCH),1.10−1.23(4H,m,−COCHCH(CHCH),1.41−1.45(2H,m,−COCHCH(CHCH),2.18(2H,t,J=7.0Hz,−COCHCH(CHCH),2.58(1H,dd,J=6.8,16.0Hz,H−4),2.79−2.83(1H,m,H−4),5.18(1H,d,J=5.6Hz,H−3),5.87(1H,s,H−6又はH−8),5.93(1H,s,H−8又はH−6),6.63−6.66(1H,m,H−2’),6.71(1H,d,J=7.6Hz,H−3’),6.78(1H,s,H−6’);HR−FABMS m/z:389.1578([M+H],C2125についての計算値:389.1600)。
【0055】
3−O−オクタノイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.02g、3.51mmol)、塩化オクタノイル(0.290ml、1.70mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−オクタノイル−(+)−カテキン214mgを白色粉末として得た(16.7%収率)。[α]20+5.2°(EtOH,c=0.4);IR(KBr)3310,2928,2856,2359,1734,1622,1607,1528,1518,1475,1389,1300,1254,1150,1057,1028,964,829,731,669cm−1H NMRδ:0.89(3H,t,J=6.7Hz,−COCHCH(CHCH),1.12−1.33(8H,m,−COCHCH(CHCH),1.39−1.49(2H,m,−COCHCH(CHCH),2.20(2H,t,J=7.2Hz,−COCHCH(CHCH),2.59(1H,dd,J=7.2,16.2Hz,H−4),2.81(1H,dd,J=5.6,16.2Hz,H−4),5.16−5.23(1H,m,H−3),5.88(1H,d,J=2.4Hz,H−6又はH−8),5.94(1H,d,J=2.2Hz,H−8又はH−6),6.67(1H,dd,J=1.9,8.2Hz,H−2’),6.73(1H,d,J=8.2Hz,H−3’),6.79(1H,d,J=1.9Hz,H−6’);HR−FABMS m/z:417.1906([M+H],C2329についての計算値:417.1914)。
【0056】
3−O−デカノイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.01g、3.48mmol)及び塩化デカノイル(0.362ml、1.90mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−デカノイル−(+)−カテキン124mgを白色粉末として得た(16.0%収率)。[α]20+13.4°(EtOH,c=0.4);IR(KBr)3352,2922,2852,1711,1632,1518,1468,1359,1245,1140,1063,818,419cm−1H NMRδ:0.07(3H,t,J=6.8Hz,−COCHCH(CHCH),0.32−0.49(12H,m,−COCHCH(CHCH),0.58−0.65(2H,m,−COCHCH(CHCH),1.37(2H,t,J=7.0Hz,−COCHCH(CHCH),1.76(1H,dd,J=7.0,16.6Hz,H−4),1.98(1H,dd,J=5.4,16.6Hz,H−4),4.35−4.39(1H,m,H−3),5.06(1H,s,H−6又はH−8),5.11(1H,s,H−8又はH−6),5.82−5.86(1H,m,H−2’),5.90(1H,d,J=7.6Hz,H−3’),5.96(1H,s,H−6’);HR−FABMS m/z:445.2260([M+H],C2533についての計算値:445.2227)。
【0057】
3−O−ドデカノイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.00g、3.44mmol)及び塩化ドデカノイル(0.396ml、1.81mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−ドデカノイル−(+)−カテキン118mgを白色粉末として得た(14.5%収率)。[α]20+1.5°(EtOH,c=0.5);IR3609,3560,3302,2924,2328,1713,1659,1518,1452,1286,1140,1016,665,517cm−1H NMRδ:1.04(3H,t,J=6.6Hz,−COCHCH(CHCH),1.29−1.52(16H,m,−COCHCH(CHCH),1.57−1.60(2H,m,−COCHCH(CHCH),2.34(2H,t,J=7.4Hz,−COCHCH(CHCH),2.74(1H,dd,J=7.0,16.2Hz,H−4),2.95(1H,dd,J=5.0,16.2Hz,H−4),5.33−5.35(1H,m,H−3),6.03(1H,s,H−6又はH−8),6.08(1H,s,H−8又はH−6),6.80−6.83(1H,m,H−2’),6.87(1H,d,J=8.0Hz,H−3’),6.94(1H,s,H−6’);HR−FABMS m/z:473.2548([M+H],C2737についての計算値:473.2540)。
【0058】
3−O−ミリストイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(0.99g、3.41mmol)及び塩化ミリストイル(0.464ml、1.88mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−ミリストイル−(+)−カテキン73mgを白色粉末として得た(8.6%収率)。[α]20+1.0°(EtOH,c=0.7),IR(KBr)3612,2922,2853,2357,1715,1651,1520,1456,1362,1142,1061,816,419cm−1H NMRδ:0.08(3H,t,J=6.6Hz,−COCHCH(CH10CH),0.43−0.53(20H,m,−COCHCH(CH10CH),0.62−0.65(2H,m,−COCHCH(CH10CH),1.38(2H,t,J=7.4Hz,−COCHCH(CH10CH),1.79(1H,dd,J=7.4,16.0Hz,H−4),2.00(1H,dd,J=5.2、16.0Hz,H−4),4.38−4.41(1H,m,H−3),5.01(1H,s,H−6又はH−8),5.13(1H,s,H−8又はH−6),5.84−5.88(1H,m,H−2’),5.92(1H,d,J=8.0Hz,H−3’),5.98(1H,s,H−6’);HR−FABMS m/z:501.2861([M+H]2941についての計算値:501.2853)。
【0059】
3−O−パルミトイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.00g、3.44mmol)及び塩化パルミトイル(0.523ml、1.90mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−パルミトイル−(+)−カテキン70mgを白色粉末として得た(7.7%収率)。[α]20+16.4°(EtOH,c=0.5);IR(KBr)3736,2918,2851,2498,1747,1606,1521,1474,1362,1254,1144,1057,814,419cm−1H NMRδ:0.08(3H,t,J=6.8Hz,−COCHCH(CH12CH),0.45−0.52(24H,m,−COCHCH(CH12CH),0.61−0.65(2H,m,−COCHCH(CH12CH),1.38(1H,t,J=7.2Hz,−COCHCH(CH12CH),1.78(1H,dd,J=7.0,16.2Hz,H−4),1.98−2.02(1H,m,H−4),4.37−4.39(1H,m,H−3),5.07(1H,s,H−6又はH−8),5.13(1H,s,H−8又はH−6),5.83−5.87(1H,m,H−2’),5.91(1H,d,J=8.0Hz,H−3’),5.78(1H,s,H−6’);HR−FABMS m/z:529.3128([M+H],C3145についての計算値:529.3166)。
【0060】
3−O−ステアロイル−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.01g、3.48mmol)及び塩化ステアロイル(0.644ml、2.13mmol)を、トリフルオロ酢酸(0.270ml、3.55mmol)を含むテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−ステアロイル−(+)−カテキン143mgを白色粉末として得た(14.8%収率)。[α]20+10.4°(EtOH,c=0.5);IR(KBr)3927,3562,2851,2355,1730,1614,1518,1470,1142,1061,887,719,598,419cm−1H NMRδ:0.40(3H,t,J=6.6Hz,−COCHCH(CH14CH),0.75−0.88(28H,m,−COCHCH(CH14CH),0.94−0.97(2H,m,−COCHCH(CH14CH),1.71(2H,t,J=7.4Hz,−COCHCH(CH14CH),2.11(1H,dd,J=7.0,16.6Hz,H−4),2.32(1H,dd,J=5.0,16.6Hz,H−4),4.70−4.73(1H,m,H−3),5.40(1H,s,H−6又はH−8),5.44(1H,s,H−8又はH−6),6.16−6.20(1H,m,H−2’),6.24(1H,d,J=8.0Hz,H−3’),6.30(1H,s,H−6’);FABMS m/z:557.3[M+H];HR−FABMS m/z:557.3457([M+H]),C3349についての計算値:557.3479)。
【0061】
3−O−[(RS)−2−メチルオクタノイル]−(+)−カテキン
(+)−カテキン(1.00g、3.44mmol)、塩化(RS)−2−メチルオクタノイル(0.700ml、3.86mmol)及びトリフルオロ酢酸(0.530ml、6.86mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。この溶液を実施例1と同じように処理して、3−O−[(RS)−2−メチルオクタノイル]−(+)−カテキン212mgを白色粉末として得た(14.9%収率)。[α]20,+24.6°(EtOH,c=0.8);IR(KBr)3310,2928,2856,2349,1742,1713,1620,1605,1518,1470,1454,1360,1254,1144,1059,1028,966,829,731,505cm−1H NMRδ:0.89(3H,t,J=6.9Hz,−COCH(CH)CH(CHCH),0.96(1.5H,d,J=7.0Hz,−COCH(CH)CH(CHCH),1.00(1.5H,d,J=6.8Hz,−COCH(CH)CH(CHCH),1.18−1.39(10H,m,−COCH(CH)CH(CHCH),2.27−2.35(1H,m,−COCH(CH)CH(CHCH),2.58(1H,dd,J=7.6,18.4Hz,H−4),2.79−2.90(1H,m,H−4),5.17(1H,AB,J=5.4,7.6Hz,H−3),5.87(1H,s−like,H−6又はH−8),5.94(1H,d,J=2.4Hz,H−8又はH−6),6.68(1H,dd,J=1.9,8.1Hz,H−2’),6.73(1H,d,J=8.1Hz,H−3’),6.79(1H,d,J=1.6Hz,H−6’);FABMS m/z:431.2[M+H];HR−FABMS m/z:431.2096([M+H],C2431についての計算値:431.2070)。
【0062】
従って、カテキンの修飾によって、特に疎水性上昇(親油性上昇)を導く修飾によって、高い抗菌作用を備えたカテキンを形成し得ることが認識されるべきである。1つの例示的な修飾では、カテキン(特にC8及びC10)への直鎖脂肪酸の付加は、試験した3つの単離物に対するカテキンの抗ブドウ球菌活性を増強した。興味深いことに、一部の遊離脂肪酸(例えばドデカン酸(ラウリン酸)(C12:0)、パルミトレイン酸異性体(C16:1δ6)及びリノール酸(C18:8))は抗ブドウ球菌活性を有することが報告されているが、遊離オクタン酸(C8:0)は、この試験では単離物に対して活性ではなかった。従って、オクタノイル−(+)−カテキンの活性は炭化水素鎖の存在だけでは説明することができない。
【0063】
注目すべき点として、疎水性置換基の付加は、細菌細胞を死滅させるために必要な化合物の量並びにこれを達成するために必要な時間の両方の観点から、殺菌活性を有意に上昇させた。殺菌作用を達成するために必要な時間の長さの差は、没食子酸エピカテキンとオクタノイル−(+)−カテキンの間で死滅機構が異なることを示唆する。何らかの理論又は仮説に縛られるのは望むところではないが、発明者は、オクタノイル−(+)−カテキンは細胞質膜の完全性を損傷することができ、これが主たる抗菌作用であろうと考える。
【0064】
さらに、リポソームからの5,6−カルボキシフルオレセインの漏出を評価することによる没食子酸エピガロカテキンの殺菌活性に関するこれまでの試験は、おそらくECGとホスファチジルエタノールアミンの相互作用を通しての、細菌膜損傷が死滅の機構であることを示唆している。これまでの実験条件を使用すると、ECGは4×MIC及び8×MICの濃度で膜透過性を変化させると思われる。しかし、透過性の程度は3−オクタノイル−(+)−カテキンに関するよりも実質的に低く、使用した暴露時間中(10分間)細菌生存度にほとんど影響を及ぼさなかった。この結果、ECGは、最初に膜の透過性を変化させると思われるが、膜への結合自体が致死的事象であるかどうかに関してはまだ不明な点がある。
【0065】
さらに、ECGは、カテキンが共有しない特性である、黄色ブドウ球菌においてオキサシリン耐性を調節する能力を有する。いかなる長さの炭化水素鎖の付加もカテキンにオキサシリン耐性を調節する能力を与えなかった。アシル−(+)−カテキン及びECGの両方が細胞膜と相互作用すると思われるので、おそらくこの相互作用の性質に相違があると考えられる。発育阻止濃度以下のECGの存在下で増殖させたとき肥厚した壁を有する細胞が出現したことは、ECGがペプチドグリカン合成を妨げ得ることを示唆する。これに対し、オクタノイル−(−)−エピカテキンは肥厚細胞壁を有する細胞を生じさせなかったが、偽多細胞形態が認められた。オキサシリン耐性を調節するカテキンの能力(没食子酸自体は抗ブドウ球菌活性を持たない)又はオキサシリン感受性を上昇させる能力のためには没食子酸成分が必須であると思われる。従って、親油性置換基によるカテキン分子(又はカテキン骨格を有する分子)内の基の置換は、特に黄色ブドウ球菌に対して、このような修飾カテキンの高い抗菌作用を生じさせることを認識すべきである。
【0066】
このように、抗菌組成物のための改善された組成物及び使用方法の特定実施態様及び適用を開示した。しかし、ここでの本発明の概念から逸脱することなく、既に述べたもの以外の多くのさらなる改変が可能であることは当業者には明白である。本発明は、従って、付属の特許請求の範囲を除いて、限定されるべきではない。さらに、本明細書及び特許請求の範囲を解釈するとき、全ての用語は、文脈に一致する可能な最も広い意味において解釈されるべきである。特に、「含む(comprises)」および「含む(comprising)」という用語は、言及される要素、成分又は工程が、明白に言及されていない他の要素、成分又は工程と共に存在し得る又は使用し得る又は組み合わせ得ることを指示する、非排他的な意味での要素、成分又は工程を指すと解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】図1は、漸増用量のオキサシリンの存在下での、黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株へのあらかじめ定められた用量の選択修飾カテキンの抗菌作用を示すグラフである。
【図2】図2は、黄色ブドウ球菌のメチシリン耐性株への選択修飾カテキンの用量依存的抗菌作用を示すグラフである。
【図3】図3は、黄色ブドウ球菌の様々な株への例示的修飾カテキンの用量依存的抗菌作用を示すグラフである。
【図4】図4は、黄色ブドウ球菌株EMRSA−16への没食子酸エピカテキンの用量依存的抗菌作用を示すグラフである。
【図5】図5は、黄色ブドウ球菌株EMRSA−16へのオクタノイルカテキンの用量依存的抗菌作用を示すグラフである。
【図6A】図6Aは、没食子酸エピカテキンで処置した黄色ブドウ球菌を示す電子顕微鏡写真である。
【図6B】図6Bは、3−O−オクタノイル−(−)−エピカテキンで処置した黄色ブドウ球菌を示す電子顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1:
【化1】

[式中、R、R、R、R、R’、R’、R’及びR”の少なくとも1つがMであることを条件として、R、R、R、R、R’、R’及びR’は、独立してH、OH又はMであり、R”は、H、OH、場合により置換されたフェニル又はMであり、
Mは、OC(O)R、OC(S)R、OC(NH)R、OR、又はRであり、Rは、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール又はアリールである]
に従った修飾カテキンを含有し、及び
前記修飾カテキンが、身体画分に投与したときこの身体画分において細菌増殖を低減するために有効な濃度で存在する、医薬組成物。
【請求項2】
修飾カテキンが、式2:
【化2】

[式中、R’はH又はOHであり、及びMはOC(O)Rである]
に従った構造を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
修飾カテキンが、式3:
【化3】

[式中、MはOC(O)CH(CHCH又はOC(O)CH(CHCHであり、及びR’はH又はOHである]
に従った構造を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項4】
修飾カテキンが、式4:
【化4】

[式中、MはOC(O)CH(CHCH又はOC(O)CH(CHCHであり、及びR’はH又はOHである]
に従った構造を有する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項5】
細菌増殖が、グラム陽性細菌の増殖である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項6】
グラム陽性細菌が、黄色ブドウ球菌、化膿連鎖球菌、溶血性連鎖球菌(Streptococcus agalactiae)、ざ瘡プロピオンバクテリウム又はリステリア・モノシトゲネシスである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項7】
黄色ブドウ球菌がメチシリンに耐性である、請求項6に記載の医薬組成物。
【請求項8】
身体画分が患者の皮膚を含み、及び投与が局所投与である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項9】
身体画分が患者の皮膚を含み、及び投与が局所投与である、請求項4に記載の医薬組成物。
【請求項10】
修飾カテキンが細菌膜を損傷する、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項11】
修飾カテキンが、β−ラクタム抗生物質に対するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の感受性を最高で2倍上昇させる、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項12】
細菌を、式1:
【化5】

[式中、R、R、R、R、R’、R’、R’及びR”の少なくとも1つがMであることを条件として、R、R、R、R、R’、R’及びR’は、独立してH、OH又はMであり、R”は、H、OH、場合により置換されたフェニル又はMであり、
Mは、OC(O)R、OC(S)R、OC(NH)R、OR、又はRであり、Rは、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール又はアリールである]
に従った構造を有する修飾カテキンと接触させることを含む、細菌の増殖を低減する方法。
【請求項13】
修飾カテキンが、式2:
【化6】

[式中、R’はH又はOHであり、及びMはOC(O)Rである]
に従った構造を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
細菌がグラム陽性細菌である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
グラム陽性細菌が、場合によりメチシリンに耐性の、黄色ブドウ球菌である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
接触工程が、黄色ブドウ球菌に感染した患者の皮膚への修飾カテキンの局所投与を含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
細菌に修飾カテキンを接触させる工程が、細菌膜を損傷することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
式1:
【化7】

[式中、R、R、R、R、R’、R’、R’及びR”の少なくとも1つがMであることを条件として、R、R、R、R、R’、R’及びR’は、独立してH、OH又はMであり、R”は、H、OH、場合により置換されたフェニル又はMであり、
Mは、OC(O)R、OC(S)R、OC(NH)R、OR、又はRであり、Rは、場合により置換されたアルキル、アルケニル、アルキニル、アルカリール又はアリールである]
に従った修飾カテキンを含む製品を提供すること;及び
前記製品が細菌増殖を低減することを広告すること
を含む市販の方法。
【請求項19】
製品が、化粧品製剤、洗浄剤及び医薬製剤から成る群より選択される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
広告工程が、細菌増殖の低減を示唆する又は説明する印刷情報を提供すること、又は細菌増殖の低減を示唆する又は説明するテレビ放送情報を提供することを含む、請求項18に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

image rotate


【公表番号】特表2007−521239(P2007−521239A)
【公表日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−509515(P2005−509515)
【出願日】平成15年9月12日(2003.9.12)
【国際出願番号】PCT/US2003/028750
【国際公開番号】WO2005/034976
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(303044712)三井農林株式会社 (72)
【Fターム(参考)】