説明

折り畳みボックス

【課題】デザイン性を向上させることができる折り畳みボックスを提供する。
【解決手段】折り畳みボックス1は、折り畳み可能なボックス部2と、ボックス部2を構成するいずれかの面に設けられ、発光領域がパターニングされた面状の表示部3と、表示部3に電力を供給する電源部4とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙や樹脂等によって構成された折り畳みボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品等を入れて搬送するための折り畳みボックスが知られている。特許文献1には、上部に取手を有し、厚紙によって構成された折り畳みボックスが開示されている。このような折り畳みボックスの場合、外面に店名や絵柄等が印刷されていることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−185727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、折り畳みボックスに印刷された絵柄等が充分に見えているとは言い難く、デザイン性が劣るといった課題がある。
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するために創案されたものであり、デザイン性を向上させることができる折り畳みボックスを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、折り畳み可能なボックス部と、前記ボックス部を構成するいずれかの面に設けられ、EL発光する発光領域がパターニングされた面状の表示部と、前記ボックス部に設けられ、前記表示部に電力を供給する電源部とを備えていることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、前記表示部の少なくとも一部は、印刷法によって作製されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、前記表示部は、互いに絶縁された櫛歯状の一対の電極部を含む背面電極と、前記背面電極と対向するように設けられた透明電極と、前記背面電極と前記誘電体層との間に配置され、前記背面電極または前記透明電極のいずれかと絶縁された発光層とを備えていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、前記透明電極によって、発光領域がパターニングされていることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、前記ボックス部は、開閉可能に構成され、前記電源部は、前記ボックス部の開閉に伴って、前記表示部のオン・オフを切り替える光センサを備えていることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、前記ボックス部は、開閉可能に構成され、前記表示部は端子部を備え、前記電源部は、前記端子部を介して前記表示部に電力を供給するための接点部を備え、前記端子部または前記接点部は、前記ボックス部の開閉に伴って移動して、前記表示部のオン・オフを切り替えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、表示部を所望のパターンで発光させることによって、デザイン性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1実施形態による折り畳みボックスの全体斜視図(組み立て、開口時)である。
【図2】第1実施形態による折り畳みボックスの全体斜視図(折り畳み時)である。
【図3】第1実施形態による折り畳みボックスの全体斜視図(組み立て、閉口時)である。
【図4】第1実施形態による表示部の積層構造を説明する斜視図である。
【図5】第2実施形態による表示部の積層構造を説明する斜視図である。
【図6】第3実施形態による折り畳みボックスの電源部の周辺図(閉口時)である。
【図7】第3実施形態による折り畳みボックスの電源部の周辺図(開口時)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、本発明をケーキ用の折り畳みボックスに適用した第1実施形態について説明する。
【0015】
図1は、第1実施形態による折り畳みボックスの全体斜視図(組み立て、開口時)である。図2は、第1実施形態による折り畳みボックスの全体斜視図(折り畳み時)である。図3は、第1実施形態による折り畳みボックスの全体斜視図(組み立て、閉口時)である。図4は、第1実施形態による表示部の積層構造を説明する斜視図である。尚、図1の矢印で示す+Y方向を正面方向とし、−Y方向を背面方向とする。また、図1の矢印で示す+Z方向を上方向とし、−Z方向を下方向(底面方向)とする。
【0016】
図1に示すように、第1実施形態による折り畳みボックス1は、ボックス部2と、表示部3と、電源部4とを備えている。
【0017】
ボックス部2は、図2に示すように、折り畳み可能な紙からなる。ボックス部2は、図1及び図3に示すように、組み立てることによって、直方体の箱状に構成される。このため、ボックス部2を構成する紙は、組み立てた際に崩れない程度の強度を必要とする。
【0018】
ここで、図2に示すように、ボックス部2は、上面11、正面12、側面13、14、背面15、底面16を含む直方体形状に構成されている。ボックス部2の上面11は、図3に示す閉口状態から、図1に示す開口可能に構成されている。
【0019】
両側面13、14と底面16は、図3に示す折り畳み状態では、折り線13a、14a、16aに沿って折られた状態で正面12及び背面15との間に折り込まれる。
【0020】
表示部3は、所望のパターン(例えば、「Happy Birthday!!」)で光をEL(エレクトロルミネッセンス)発光させるためのものである。表示部3は、ボックス部2の上面11及び背面15の内側に形成されている。
【0021】
図4に示すように、表示部3は、背面電極21と、誘電体層22と、発光層23と、透明電極24と、保護層25と、配線部26、27、28とを備えている。
【0022】
背面電極21は、上面11の内側に形成されている。背面電極21は、長方形状に形成されている。背面電極21は、カーボンをポリエステル系樹脂に分散させた材料からなる。尚、カーボンの代わりに銀等の導電性材料を分散させてもよい。背面電極21は、約10μmの厚みを有する。
【0023】
誘電体層22は、発光層23と背面電極21とを絶縁するためのものである。誘電体層22は、背面電極21上の略全面に形成されている。誘電体層22は、チタン酸バリウム粉をフッ素ゴム系樹脂に分散させた材料からなる。ここで誘電体層22は、ボックス部2の上面11と同じ色で構成することが好ましい。誘電体層22は、約20μmの厚みを有する。
【0024】
発光層23は、EL発光させるためのものである。発光層23は、誘電体層22上に形成されている。ここで、発光層23は、「Happy Birthday!!」の形状にパターニングされている。これにより、表示部3による発光領域がパターニングされる。発光層23は、ZnS系の蛍光体粉をフッ素ゴム系樹脂に分散させた材料からなる。発光層23の蛍光体として、ZnS系の蛍光体粉以外の無機EL材料を採用してもよい。発光層23は、約25μmの厚みを有する。
【0025】
透明電極24は、誘電体層22及び発光層23の略全面に形成されたITO(インジウム・スズ酸化物)からなる。透明電極24は、発光層23で発光された光を透過可能に構成されている。
【0026】
保護層25は、背面電極21〜透明電極24を保護するためのものである。保護層25は、透明電極24上に形成されている。保護層25は、ポリエステル系樹脂からなる。
【0027】
配線部26、27、28は、表示部3と電源部4とを電気的に接続するためのものである。
【0028】
配線部26は、背面電極21と一体的に同じ材料で構成されている。配線部26は、ボックス部2の上面11及び背面15の内面に形成されている。配線部26は、電源部4と背面電極21とを電気的に接続する。
【0029】
配線部27は、背面電極21と同じ材料で構成されている。配線部27は、ボックス部2の上面11及び背面15の内面に形成されている。配線部27は、背面電極21と所定の間隔を開けて形成されている。これにより、配線部27は、背面電極21と絶縁される。配線部27は、電源部4と接続されている。
【0030】
配線部28は、透明電極24と一体的に同じ材料で構成されている。配線部28は、透明電極24と配線部27との間に形成されている。これにより、透明電極24は、配線部27、28を介して、電源部4に接続される。
【0031】
電源部4は、表示部3に交流電力を供給するためのものである。電源部4は、ボックス部2の背面15に貼り付けられている。電源部4は、回路部31と、蓄電部32と、スイッチ33とを備えている。
【0032】
回路部31は、蓄電部32から供給される直流電力を交流電力に変換して、表示部3に供給するためのものである。具体的には、回路部31は、蓄電部32から供給される直流電力を200V〜300Vの電圧を有し、約1KHzの周波数を有する交流電力に変換する。回路部31は、インバーター等を含む。回路部31は、配線部26〜28を介して、表示部3の背面電極21及び透明電極24に接続されている。
【0033】
蓄電部32は、回路部31へと直流電力を供給するものである。蓄電部32は、特に限定されるものではないが、ボタン型の小型電池等を適用することができる。また、折り畳みボックス1を使い捨てとして使用する場合は、表示部3を数回発光可能な程度の電荷を蓄電したキャパシタ等を蓄電部32として適用してもよい。
【0034】
スイッチ33は、光に反応して表示部3のオン・オフを切り替えるものである。具体的には、上面11によって閉口されている状態から上面11が開けられることによって、スイッチ33が光を受光すると、スイッチ33は、回路部31を介して表示部3をオン状態に切り替える。スイッチ33として、CdS系の光センサ等を採用することができる。尚、暗い場所での開閉を考慮すると、感度の高い光センサが好ましい。スイッチ33は、ケーキを詰めるまで、遮光テープ(図示略)によって覆われている。
【0035】
次に、上記した第1実施形態による折り畳みボックス1の作用(使用方法)について説明する。
【0036】
まず、折り畳みボックス1は、図2に示すように、折り畳まれている。この状態から、折られている面13、14、16を面状にして組み立てることによって、図1に示す状態となる。この状態から、ケーキ(図示略)を詰めた後、スイッチ33の遮光テープを外す。この後、ボックス部2の上面11によって開口部を閉じることによって、図3に示す状態になる。
【0037】
次に、ケーキ購買者が、家等に持ち帰って上面11を開けると、ボックス部2の内部に光が入射する。これにより、スイッチ33が光を受光して、オン状態になる。この結果、蓄電部32から供給される直流電力が回路部31によって交流電力に変換されて、表示部3に供給される。
【0038】
表示部3では、背面電極21と透明電極24との間に形成された発光層23に交流電界が発生する。これにより、発光層23の蛍光体の電荷が励起されて、光を発光する。ここで、発光層23が「Happy Birthday!!」とパターニングされているので、発光領域もこのパターンとなる。
【0039】
次に、上述した第1実施形態による折り畳みボックス1の製造方法について説明する。
【0040】
まず、ボックス部2の型に合わせて、大型の紙を所定の形状に切断する。
【0041】
次に、スクリーン印刷法によって、切断された紙のボックス部2の上面11に対応する面にカーボン系導電性フィラーをポリエステル系樹脂に分散させたペーストを背面電極21及び配線部26、27のパターンで印刷する。この後、約130℃〜約170℃で10分〜20分加熱することによってペーストを乾燥させて、背面電極21及び配線部26、27を形成する。
【0042】
次に、スクリーン印刷法によって、背面電極21上にフッ素ゴム系樹脂にチタン酸バリウムを分散させたペーストを誘電体層22のパターンで印刷する。この後、ペーストを約100℃〜約140℃で数分〜数十分加熱することによって、乾燥させる。この工程を複数繰り返すことによって、多層構造の誘電体層22を形成する。
【0043】
次に、スクリーン印刷法によって、ZnS系の蛍光体をポリエステル系樹脂に分散させたペーストを誘電体層22上に「Happy Birthday!!」のパターンで印刷する。この後、ペーストを約100℃〜約140℃で数分加熱することによって乾燥させて、発光層23を形成する。
【0044】
次に、スクリーン印刷法によって、ITOインクを透明電極24及び配線部28のパターンで発光層23上に形成する。また、透明電極24は、配線部28の配線と接続されるようにパターニングされる。
【0045】
次に、ポリエステル系樹脂によって保護層25を形成する。
【0046】
これにより、表示部3が完成する。
【0047】
次に、表示部3の配線部26〜28と接続されるように、ボックス部2の背面15の所定の位置に電源部4を貼り付ける。
【0048】
次に、ボックス部2の側面13、14と背面15とを貼り付けるとともに、底面16を側面13、14及び背面15に貼り付ける。この後、折り線13a、14a、16aに沿って、側面13、14及び底面16を折り畳む。これにより、図2に示すように、ボックス部2が折り畳まれた状態で完成する。
【0049】
上述したように第1実施形態による折り畳みボックス1は、ボックス部2の上面11の内側に表示部3を設けるとともに、電源部4にスイッチ33を設けている。これにより、ボックス部2の上面11を開けることによって、表示部3が、所望のパターンで発光する。これにより、暗い場所でもパターンが見え易く、デザイン性を向上させることができる。また、表示部3によってメッセージを表示することにより、プレミアム感を向上させることができる。この結果、店舗は、他店にないサービスを提供して、差別化を図ることができる。
【0050】
また、折り畳みボックス1は、開口した際に、表示部3が発光するので、暗い場所でも、ボックス部2に詰められたケーキを容易に見ることができる。更に、これにより、ケーキそのものの存在感やケーキの美観等を向上させることができる。ボックス部2の上面11の傾斜を変更することによって、ケーキに入射する光を変えることができるので、エンターテイメント性を向上させることもできる。
【0051】
また、折り畳みボックス1は、スクリーン印刷法によって表示部3を作製しているので、表示部3を薄型化することができる。これにより、折り畳んだ際に、折り畳みボックス1が、厚くなることを抑制できる。
【0052】
また、折り畳みボックス1は、表示部3を印刷によって作製するととともに、電源部4をボックス部2に貼り付けているので、容易に分離して別々に処分することができる。
【0053】
(第2実施形態)
次に、上述した実施形態の表示部を変更した第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態による表示部の積層構造を説明する斜視図である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0054】
図5に示すように、第2実施形態による折り畳みボックスの表示部3Aは、背面電極21Aと、誘電体層22と、発光層23Aと、透明電極24Aと、保護層25とを備えている。
【0055】
背面電極21Aは、一対の電極部41、42を有する。
【0056】
電極部41、42は、ボックス部2の上面11(図1参照)上に印刷法によって形成されている。電極部41、42は、平面視において、櫛歯状に形成されている。電極部41の歯は、電極部42の歯と歯の間に位置するように配置される。電極部42の歯は、電極部41の歯と歯の間に位置するように配置される。電極部41と電極部42は、互いに電気的に絶縁されている。電極部41と電極部42は、配線部43、44を介して、電源部4に接続されている。これにより、電極部41と電極部42との間に交流電力が供給される。
【0057】
発光層23Aは、誘電体層22上の略全面を覆うように形成されている。即ち、発光層23Aは、平面視において、略長方形状に形成されている。発光層23Aは、誘電体層22によって背面電極21Aと絶縁されている。
【0058】
透明電極24Aは、所望のパターン(Happy Birthday!!)で形成されている。即ち、透明電極24Aによって、発光領域がパターニングされる。透明電極24Aは、対向するように配置されている。透明電極24Aは、誘電体層22によって背面電極21Aと絶縁されている。即ち、透明電極24Aには、電力が供給されない。
【0059】
次に、第2実施形態による表示部3Aの動作を説明する。
【0060】
折り畳みボックスが組み立てられた状態で、ボックス部2の上面11が開口されると、表示部3Aはオン状態になる(図1参照)。これにより、電源部4から表示部3Aの背面電極21Aの電極部41と電極部42との間に交流電力が供給される。これにより、電極部41と透明電極24A、及び、電極部42と透明電極24Aとの間に交流電界が生じる。この結果、電極部41、42と透明電極24Aとの間の発光層23Aが発光する。ここで、透明電極24Aは、「Happy Birthday!!」のパターンに形成されているので、発光領域も同じパターンとなる。
【0061】
上述したように第2実施形態による表示部3Aでは、背面電極21Aが一対の櫛歯状の電極部41、42を備えている。そして、電極部41、42間に交流電力を供給すれば、発光層23Aを発光させることができる。このため、透明電極24Aを電源部4と接続する必要がないので、透明電極24Aを複数に分割することができ、透明電極24Aの形状によって発光領域をパターニングすることができる。これにより、ITOインクをペン等で描画することによって透明電極24Aを形成して、発光領域を容易に所望の形状にパターニングすることができる。
【0062】
また、背面電極21Aの電極部41、42及び配線部43、44をボックス部2の上面11に形成しているので、電極部41、42から電源部4まで段差を越えることなく接続することができる。これにより、電極部41、42と電源部4との接触不良を抑制することができる。
【0063】
(第3実施形態)
次に、上述した実施形態の表示部を変更した第3実施形態について説明する。図6は、第3実施形態による折り畳みボックスの電源部の周辺図(閉口時)である。図7は、第3実施形態による折り畳みボックスの電源部の周辺図(開口時)である。尚、上述した実施形態と同様の構成には、同じ符号を付けて説明を省略する。
【0064】
第3実施形態では、表示部3のオン・オフ切り替えをスライド式のスイッチによって行っている。以下、具体的に説明する。
【0065】
図6及び図7に示すように、第3実施形態による折り畳みボックスでは、表示部3が、紙等からなる基材29上に印刷法によって形成されている。従って、表示部3は、基材29を介してボックス部2の上面11に貼り付けられている。表示部3は、電源部4から供給される交流電力を表示部3へと供給する配線部51、52を含む。
【0066】
ここで基材29は、表示部3の配線部51、52の下に対応する領域に形成された配線領域29aを含む。ここで、基材29の配線領域29aは、ボックス部2の上面11及び背面15には、貼り付けられない。
【0067】
配線部51、52の先端部は、基材29の配線領域29aとともに、電源部4の回路部31の内部に差し込まれている。上述したように、配線部51、52は、背面15に貼り付けられていない配線領域29a上に形成されている。これにより、配線部51、52は、ボックス部2の上面11の開閉に伴って、電源部4の内部でスライドする。
【0068】
配線部51、52の先端部には、端子部53、54が形成されている。端子部53、54は、配線部51、52の延びる方向とは交差する方向に延びるように形成されている。また、端子部53、54の延びる方向は、配線部51、52がスライドする方向(Z方向)と交差する方向でもある。
【0069】
電源部4の回路部31には、一対の接点部55、56が設けられている。回路部31は、端子部53、54を介して、交流電力を表示部3に供給する。上面11の閉口時においては、接点部55、56は、端子部53、54とは異なる位置となるように配置されている。ここで、接点部55、56と端子部53、54とのZ方向の距離は、上面11が開口することによる配線部51、52のZ方向のスライド距離と同じである。
【0070】
次に、第3実施形態による折り畳みボックスの動作について説明する。
【0071】
第3実施形態による折り畳みボックスにおいては、ボックス部2の上面11が閉口した状態では、接点部55、56と端子部53、54とは、異なる位置に配置されている。これにより、電源部4と表示部3は、絶縁されたオフ状態となる。この状態から上面11が開口されると、上面11の開口に伴って、端子部53、54とともに配線部51、52が+Z方向へと回路部31内をスライドする。これにより、接点部55、56と端子部53、54とが同じ位置となり、接続される。この結果、電源部4と表示部3とが接続されて、電源部4から表示部3へと交流電力が供給されて、表示部3が発光する。
【0072】
上述したように第3実施形態による折り畳みボックスでは、上面11の開口に伴い、配線部51、52をスライドさせて、表示部3のオン・オフを切り替えている。これにより、暗い場所でも、確実に表示部3をオン状態にすることができる。
【0073】
尚、ボックス部2の上面11の開口に伴って、電源部4の接点部55、56をスライドするように構成してもよい。
【0074】
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明したが、本発明は本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載及び特許請求の範囲の記載と均等の範囲により決定されるものである。以下、上記実施形態を一部変更した変更形態について説明する。
【0075】
上述した実施形態の形状、材料、数値等は適宜変更可能である。また、各実施形態を組み合わせてもよい。
【0076】
また、上述した実施形態では、無機EL材料を含む発光層を有する表示部を例に示したが、有機EL材料を含む発光層やLED(発光ダイオード)を有する高効率フレキシブル導光板等によって構成される表示部を適用してもよい。更に、有機EL材料やLEDを採用する場合は、直流電力によって駆動できるので、電源部を簡略化することができる。
【0077】
また、上述した実施形態では、直方体形状のボックス部を例に示したが、円筒形状、多角体形状等にボックス部を構成してもよい。
【0078】
また、上述の実施形態では、ケーキ用の折り畳みボックスを例に説明したが、ケーキ以外の食品や花等を詰める折り畳みボックスに本発明を適用してもよい。
【0079】
また、上述した実施形態では、ボックス部の上面に表示部を設ける例を示したが、側面等の別の面に設けてもよい。更に、表示部をボックス部の外面に設けてもよい。
【0080】
また、上述の実施形態では、ボックス部の一面に表示部を印刷したが、表示部を紙や樹脂シート等の別の基材に印刷して、ボックス部に貼り付けてもよい。
【0081】
また、電源部に太陽電池を設けてもよい。ここで、太陽電池は、スイッチと蓄電器とを兼ねさせることができる。太陽電池は、特に限定するものではないが、色素増感材料を用いたものを適用することができる。
【0082】
また、スイッチをユーザーが操作可能な押圧式にしてもよい。更には、上面の開閉が機械的に検出できるスイッチを採用してもよい。
【0083】
また上述の実施形態では、カーボンを含む樹脂によって背面電極を構成したが、背面電極もITO等の透明電極によって構成してもよい。
【符号の説明】
【0084】
1 折り畳みボックス
2 ボックス部
3、3A 表示部
4 電源部
11 上面
12 正面
13、14 側面
15 背面
16 底面
13a、14a、16a 折り線
21、21A 背面電極
22 誘電体層
23、23A 発光層
24、24A 透明電極
25 保護層
26、27、28 配線部
29 基材
29a 配線領域
31 回路部
32 蓄電部
33 スイッチ
41、42 電極部
43、44 配線部
51、52 配線部
53、54 端子部
55、56 接点部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折り畳み可能なボックス部と、
前記ボックス部を構成するいずれかの面に設けられ、EL発光する発光領域がパターニングされた面状の表示部と、
前記ボックス部に設けられ、前記表示部に電力を供給する電源部とを備えていることを特徴とする折り畳みボックス。
【請求項2】
前記表示部の少なくとも一部は、印刷法によって作製されていることを特徴とする請求項1に記載の折り畳みボックス。
【請求項3】
前記表示部は、
互いに絶縁された櫛歯状の一対の電極部を含む背面電極と、
前記背面電極と対向するように設けられた透明電極と、
前記背面電極と前記誘電体層との間に配置され、前記背面電極または前記透明電極のいずれかと絶縁された発光層とを備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の折り畳みボックス。
【請求項4】
前記透明電極によって、発光領域がパターニングされていることを特徴とする請求項3に記載の折り畳みボックス。
【請求項5】
前記ボックス部は、開閉可能に構成され、
前記電源部は、前記ボックス部の開閉に伴って、前記表示部のオン・オフを切り替える光センサを備えていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の折り畳みボックス。
【請求項6】
前記ボックス部は、開閉可能に構成され、
前記表示部は端子部を備え、
前記電源部は、前記端子部を介して前記表示部に電力を供給するための接点部を備え、
前記端子部または前記接点部は、前記ボックス部の開閉に伴って移動して、前記表示部のオン・オフを切り替えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の折り畳みボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−241437(P2010−241437A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89195(P2009−89195)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】