説明

折畳式手提げバッグ

【課題】折畳式手提げバッグの折り畳みを容易にする。
【解決手段】折り目3aは、バッグ本体1の表面3における左側縁1cよりも内側に設けられ、バッグ本体1上方の開口部1aからバッグ本体下方の底縁1bに向かって延在する。折り目4aは、バッグ本体1の裏面4において折り目3aと重なり合うように設けられ、折り目3aと折り山の方向が一致する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折畳式手提げバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
スーパー等での買い物にはビニール袋が頻繁に使用されているが、近年では環境保護の観点から、自前の手提げバッグを使用することが推奨されている。このような手提げバッグがスーパー等で使用されるためには、手提げバッグ自身に携帯しやすいコンパクト性が求められる。コンパクト性を確保するための技術として、特許文献1では、手提げ部に設けられた包持材に、特許文献2では、バッグ本体に設けられた収納袋に、それぞれバッグ本体を収納する折畳式手提げバッグが開示されている。
【0003】
【特許文献1】実用新案登録3078639号公報
【特許文献2】特開2006−247071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バッグ本体は、収納性を確保するように設計されているため、バッグ本体を必ず折り畳む工程が必要となるが、特許文献1,2には、折り畳む工程のみが開示されおり、如何にして容易に折り畳むかという発想はない。そのため、無駄な折り畳みや、それによる無駄な空間等が発生してしまう可能性があり、所望のコンパクト性が確保できず、予め収納用に用意されていた小袋等に容易に収めることはできない場合がある。この結果、折畳式手提げバッグは、折り畳まずに放置されてしまいがちになる。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、折畳式手提げバッグの折り畳みを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するために、本発明は、折畳式手提げバッグを提供する。この折畳式手提げバッグは、バッグ本体と、第1の折り目と、第2の折り目とを有する。第1の折り目は、バッグ本体の表面に設けられ、バッグ本体上方の開口部からバッグ本体下方の底縁に向かって延在する。第2の折り目は、バッグ本体の裏面において第1の折り目と重なり合うように設けられ、第1の折り目と折り山の方向が一致する。
【0007】
ここで、本発明において、この折畳式手提げバッグは、第3の折り目と、第4の折り目とをさらに有することが好ましい。第3の折り目は、バッグ本体の表面における右側縁よりも内側に設けられ、開口部から底縁に向かって延在する。第4の折り目は、バッグ本体の裏面において第3の折り目と重なり合うように設けられ、第3の折り目と折り山の方向が一致する。このとき、第1の折り目は、バッグ本体の表面における左側縁よりも内側に設けられる。
【0008】
また、本発明において、第1の折り目および第3の折り目は、折り山の方向が一致することが好ましい。このとき、第1の折り目から第4の折り目のそれぞれは、折り山の頂部近傍を重ね縫いしたピンタックによって形成されている。
【0009】
さらに、本発明において、バッグ本体の側縁および底縁の少なくとも一方に設けられ、バッグ外側に山折りされた少なくとも一つの折り目をさらに有することが好ましい。このとき、本体バッグの側縁少なくとも一つの折り目は、バッグ外側に山折りされた一対の折り目と、一対の折り目の間に設けられ、バッグ内側に向かって山折りされた折り目とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、バッグ本体の表面側の折り目およびバッグ本体の裏面側の折り目は、互いに重なり合い、かつ、折り山の方向が一致する。これにより、バッグ本体に折り畳む際のガイドが予め形成されるので、バッグ本体の折り畳みを容易にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本実施形態における折畳式手提げバッグの斜視図である。手提げバッグは、バッグ本体1と、このバッグ本体1の左右の布片と一体となって形成された手提げ部2とに分けられる。本実施形態のバッグ本体1および手提げ部2には、ナイロン等といった化学繊維等の柔軟な生地が用いられている。バッグ本体1の上方には、荷物の出し入れを可能にするための開口部1aが設けられており、バッグ本体1の下方には、収納された荷物を支えるための底縁1bが設けられている。手提げ部2は、横方向(左右方向)に腕等を通すのに適正なループ状を有している。
【0012】
バッグ本体1は、正面(外側)からみて正方形または長方形等の略矩形状を有している。バッグ本体1は、表面3と裏面4とを対向させ、開口部1aを除いた周囲(底縁1b,左側縁1c、右側縁1d)を縫合等することで袋状に形成される。本実施形態におけるバッグ本体1の側縁1c,1dには、バッグ本体1の収納容積を拡大させるため、表面3と裏面4との間にマチが設けられている。なお、本実施形態において、表面3とは同図からみて手前側の生地をいい、裏面4とは同図からみて奥側の生地をいう。
【0013】
表面3には、2つの折り目3a,3bが設けられている。折り目3aは、バッグ本体1の表面3における左側縁1cよりも内側に設けられ、開口部1aから底縁1bに向かって延在する。また、折り目3bは、バッグ本体1の表面3における右側縁1dよりも内側に設けられ、開口部1aから底縁1bに向かって延在する。
【0014】
裏面4にも、2つの折り目4a,4bが設けられている。折り目4aは、バッグ本体1の裏面4において折り目3aと重なり合う位置に設けられ、この折り目3aと折り山の方向が一致するように延在する。また、折り目4bは、バッグ本体1の裏面4において折り目3bと重なり合う位置に設けられ、この折り目3bと折り山の方向が一致するように延在する。
【0015】
図2(a)は、図1で示したバッグ本体1の中段部分を線分ABで切断した折畳式手提バッグの断面図である。同図(b)は、そのバリエーションの断面図である。なお、図1の点A,Bは、図2のそれと位置的に対応する。同図(a)では、折り目3a,4aの折り山と、折り目3b,4bの折り山の方向は、一致している(表面3から見て谷折り方向)。これにより、バッグ本体1のうち、折り目3a,4aによって分割された左側縁1cを有する左布片は、この折り目3a,4aがガイドとなって表面3側(同図の下方向)への折り曲げを容易にする。一方、折り目3b,4bによって分割された右側縁1dを有する右布片も、この折り目3b,4bがガイドとなって表面3側への折り曲げを容易にする。
【0016】
同図(b)では、同図(a)と比較して一方の折り目のセット(折り目3b,4b)の折り山が、表面3からみて山折り方向となっており、他方の折り目のセット(3a,4a)のそれと異なっている。これにより、折り目3b,4bによって分割された右側縁1dを有する右布片は、折り目3b,4bがガイドとなって裏面4側(同図の上方向)の折り曲げを容易にする。なお、バッグ本体1を持ち上げず、テーブル等の上に置いて、裏面4側を下にした状態で折り畳むことができるようにするため、同図(a)のように各折り目3a,3b,4a,4bの折り山の方向が一致しているほうが好ましい。
【0017】
図3は、本実施形態における折り目の断面図である。同図(a)は、折り目3aの断面図である。折り目3aは、その周辺にある表面3の生地を折り曲げてできた折り山の頂部近傍(具体的には、頂部から1〜2mm)を、貫通するように重ね縫いしたピンタックによって形成される。本実施形態における他の折り目3b,4a,4bおよび底縁1bも、同図(a)と同様の断面を有する。その場合、折り目4a,4bは、表面3の生地の代わりに裏面4のものが用いられる。
【0018】
バッグ外側に山折りされた少なくとも一つの折り目は、バッグ本体1の側縁1c,1dおよび底縁1bの少なくとも一方に設けられていれば足りる。同図(b)は、左側縁1cの断面図である。左側縁1cの形成には、まず同図(a)と同様に、表面3の生地を折り曲げてできた折り山の頂部近傍を重ね縫いする。裏面4の生地も同様に重ね縫いする。そして、表面3,裏面4の端部を重ね、これらを保護布で覆った状態で各端部の近傍(具体的には、各端部から8〜10mm)を、貫通するように重ね縫いする。これにより、左側縁1cには、バッグ外側に山折りされた一対の折り目(ピンタック)と、この一対の折り目との間に設けられ、バッグ内側に山折りされた一つの折り目とからなるマチが形成される。本実施形態における右側縁1dも、同図(b)と同様の断面を有する。このマチの形成により、バッグ本体1を折り畳む際に、表面3と裏面4とをフラットに重ねることができる。
【0019】
本実施形態における重ね縫いとは、ミシン縫製を想定しているが、本発明はこれに限定されず、生地同士が面で重なった状態で固定されていれば足りる。したがって、例えば樹脂等による折り山の頂部近傍の接着、形状記憶繊維の生地を用いた加熱(熱融解)・加圧(圧着)による固定であってもよい。
【0020】
図4は、図1(図2(a))に示した折畳式手提げバッグの折り畳み工程の説明図である。まず、図4(a)に示すように、バッグ本体1を横方向に折り畳む。具体的には、バッグ本体1内を空にしてバッグ本体1を両面(表面3,裏面4)をフラットに重ねた上で、表面3が内側になるように折り、左布片および右布片を中央に束ねる。このとき、折り目3a,3bがガイドとなるため、バッグ本体1に余分な折り目を付けることなく、一定の横幅に容易に折り畳むことができる。
【0021】
そして、図4(b)に示すように、左布片と右布片とを中央に束ねたバッグ本体1を縦方向に折り畳み、バッグ本体1をコンパクトサイズにする。縦方向への折り畳み手法は任意であり、例えば、開口部1a(手提げ部2)側および底縁1b側の両面から所定の幅を保ちながら折ってもよいし、一方から順に丸め込んでもよい。
【0022】
このように本実施形態によれば、バッグ本体1の表面3側の折り目3a(3b)およびバッグ本体1の裏面4側の折り目4a(4b)は、互いに重なり合い、かつ、折り山の方向が一致する。これにより、バッグ本体1に折り畳む際のガイドが予め形成されるので、バッグ本体1の折り畳みを容易にすることができる。また、本実施形態によれば、各折り目3a,3b,4a,4bは、生地を貫通するように重ね縫いすることで形成されたピンタックであるため、ガイドが無くなる(消える)ことはなく、いつまでも容易な折り畳みをすることができる。
【0023】
また、本実施形態では、手提げ部2がバッグ本体1の左右の布片と一体となって形成されているが、本発明は、バッグ本体1の横方向への折り畳みを容易にするようにガイドが設けられていれば足りる。そのため、図5(a)に示すように、バッグ本体1を形成する表面3,裏面4の内部に、腕等を通せる適正なループ状の穴をそれぞれ開け、バッグ本体1の内部に手提げ部2を設けてもよい。この場合、開けられた穴の上部(手提げ部2から開口部1aの間)にも折り目3a,3b,4a,4bが形成されていることが好ましい。また、図5(b)に示すように、バッグ本体1の開口部1a付近に手提げ部2を別体として設けてもよい。この場合、手提げ部2には、布や紐のような丈夫な素材を用いる。この場合、表面3の上方側に手提げ部2の一方を、裏面4の上方側に手提げ部2の他方に接着(または縫合)する。
【0024】
なお、本実施形態では、バッグ本体1を三つ折りにするために、折り山の方向が一致する一対の折り目が二つ(折り目3a,4aと、折り目3b,4b)が設けられていたが、本発明はこれに限定されず、一対の折り目がガイドとなって折り畳みを容易にできれば足りる。したがって、例えば、バッグ本体1に一対の折り目が一つまたは三つ以上設けられてもよい。一対の折り目が一つ(二つ折り)の場合、一対の折り目は、バッグ本体1の中央に設けられる。また、一対の折り目が三つ(四つ折り)の場合、中央にある一対の折り目の左右(具体的には、中央から左側縁1dの間、および中央から右側縁1cの間)にそれぞれ一つの折り目が設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】折畳式手提げバッグの斜視図
【図2】折畳式手提げバッグの断面図
【図3】折り目の断面図
【図4】折り畳み工程の説明図
【図5】折畳式手提げバッグのバリエーションを示す説明図
【符号の説明】
【0026】
1 バッグ本体
1a 開口部
1b 底縁
1c 左側縁
1d 右側縁
2 手提げ部
3 表面
3a,3b 折り目
4 裏面
4a,4b 折り目

【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳式手提げバッグにおいて、
バッグ本体と、
前記バッグ本体の表面に設けられ、前記バッグ本体上方の開口部から前記バッグ本体下方の底縁に向かって延在する第1の折り目と、
前記バッグ本体の裏面において前記第1の折り目と重なり合うように設けられ、前記第1の折り目と折り山の方向が一致する第2の折り目と
を有することを特徴とする折畳式手提げバッグ。
【請求項2】
前記バッグ本体の表面における右側縁よりも内側に設けられ、前記開口部から前記底縁に向かって延在する第3の折り目と、
前記バッグ本体の裏面において前記第3の折り目と重なり合うように設けられ、前記第3の折り目と折り山の方向が一致する第4の折り目とをさらに有し、
前記第1の折り目は、前記バッグ本体の表面における左側縁よりも内側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載された折畳式手提げバッグ。
【請求項3】
前記第1の折り目および前記第3の折り目は、折り山の方向が一致することを特徴とする請求項2に記載された折畳式手提げバッグ。
【請求項4】
前記第1の折り目から前記第4の折り目のそれぞれは、折り山の頂部近傍を重ね縫いしたピンタックによって形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載された折畳式手提げバッグ。
【請求項5】
前記バッグ本体の側縁および底縁の少なくとも一方に設けられ、バッグ外側に山折りされた少なくとも一つの折り目をさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載された折畳式手提げバッグ。
【請求項6】
前記本体バッグの側縁の少なくとも一つの折り目は、
バッグ外側に山折りされた一対の折り目と、
前記一対の折り目の間に設けられ、バッグ内側に向かって山折りされた折り目と
を有することを特徴とする請求項5に記載された折畳式手提げバッグ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−61167(P2009−61167A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−232758(P2007−232758)
【出願日】平成19年9月7日(2007.9.7)
【出願人】(505336873)株式会社近藤典子Home&Life研究所 (5)
【Fターム(参考)】