説明

押し出し機およびゴムローラの製造方法

【課題】個々の一体成形体の間での外径のばらつきを抑制できる押し出し機を提供する。
【解決手段】押し出し機1は、クロスヘッドダイ2と、クロスヘッドダイ2に連通しているシリンダ3と、を有する。また、シリンダ3に収容され、回転させられることによってクロスヘッドダイ2にゴム材料11を供給するスクリュ4と、スクリュ4を回転させる駆動部10と、駆動部10を駆動させる制御部9と、を有する。また、クロスヘッドダイ2に芯金12を供給する芯金供給部6を有する。また、クロスヘッドダイ2から押し出された一体成形体13の外径を測定する測定部9aと、測定値が所定の目標値になるようなスクリュ4の回転速度を算出するコンピュータ9bと、を有する。スクリュ4の回転速度が、コンピュータ9bが算出した回転速度になるように制御部9が駆動部10を駆動させて、ゴム材料11と芯金12との一体成形体13をクロスヘッドダイ2から押し出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押し出し機およびゴムローラの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴムローラの製造方法には、一般的に、クロスヘッドダイを備えた押し出し機によってゴム材料と芯金とを一体化させる押し出し工程が含まれる。
【0003】
図3は本願発明に関連する押し出し機の構成を示した概略図である。
【0004】
押し出し機101は、押し出し成形用のクロスヘッドダイ102と、クロスヘッドダイ102の内部空間に連通しているシリンダ103と、シリンダ103に収容されたスクリュ104と、を有している。クロスヘッドダイ102は、クロスヘッドダイ102の内部空間と外部空間とを連通させる開口が形成されたダイス102aを備えている。
【0005】
押し出し機101は、スクリュ104が回転させられると、シリンダ103に装填されたゴム材料111がクロスヘッドダイ102の内部空間に供給されるように構成されている。
【0006】
また、押し出し機101は芯金供給部106を有している。芯金供給部106は、芯金112をクロスヘッドダイ102の内部空間に案内する芯金ガイド107と、複数の芯金112を連続的に芯金ガイド107に搬送する芯金搬送部108と、を有している。
【0007】
芯金搬送部108は、芯金112をローラで挟み、ローラを回転させることによって芯金112を一定の速度で芯金ガイド107に搬送する。芯金ガイド107に搬送された芯金112は、芯金ガイド107に案内されて、クロスヘッドダイ102の内部空間に供給される。
【0008】
押し出し機101では、ゴム材料111がシリンダ103からクロスヘッドダイ102の内部空間に供給されると同時に、芯金112がクロスヘッドダイ102の内部空間に供給される。
【0009】
クロスヘッドダイ102の内部空間には、ダイス102aの開口に近接した位置に、ゴム材料111と芯金112とが接触する密着部102bがある。ゴム材料111と芯金112とは、密着部102bにおいて密着させられ、ゴム材料111と芯金112との一体成形体113がダイス102aの開口から押し出される。
【0010】
以上のように、押し出し機101では、ゴム材料111と芯金112との一体成形体113を形成する。
【0011】
ゴムローラの製造工程には一般的に、押し出し工程の後に行われる、芯金112を覆っている一体成形体113のゴム材料111を加硫する加硫工程が含まれる。加硫工程では、一体成形体113をコンベアによって熱風炉の中に搬送し、ゴム材料111を加硫反応させる。その後、ゴム材料111が加硫された一体成形体113を所定の長さに切断する。
【0012】
また、加硫工程の後には、一体成形体113のゴム材料111を研削して、一体成形体113を所定の形状に加工する研削工程を行う。研削工程では、芯金112を中心に回転させた一体成形体113のゴム材料111に砥石を押し当てることによってゴム材料111を研削する。これにより、一体成形体113のゴム材料111を所定の形状に加工してゴムローラが完成する。
【0013】
研削工程において、一体成形体113のゴム材料111を長手方向に均一に研削するために、一体成形体113の長手方向にわたって均一な力でゴム材料111に砥石を押し当てることが望ましい。そのためには、一体成形体113のゴム材料111の長手方向の長さよりも幅が広い砥石を用いる必要がある。
【0014】
また、研削工程では、砥石の形状を変更することによって、一体成形体113のゴム材料111を様々な形状に高精度に加工することができる。これにより、様々な形状のゴムローラを作製することができる。
【0015】
ゴムローラの形状としては、長手方向に外径が等しいストレート形状や、長手方向の両端部よりも中央部の外径が大きいクラウン形状などが考えられる。また、長手方向に複数のテーパ形状を有する形状なども考えられる。
【0016】
しかしながら、押し出し工程において形成された個々の一体成形体113の外径にはばらつきが発生することがあるため、研削工程において個々の一体成形体113の形状に合わせてゴム材料111を研削する必要がある。そのため、研削工程に時間がかかるという問題がある。また、砥石の交換や研削粉の処理に手間がかかるという問題や、研削されるゴム材料111が無駄になるという問題もある。
【0017】
以上に説明した構成を有する押し出し機の一例が特許文献1に記載されている。
【0018】
また、特許文献2にはこのような問題の解決が図られたゴムローラの製造方法が記載されている。
【0019】
このゴムローラの製造方法の押し出し工程で用いられる押し出し機では、スクリュの回転速度が一定の条件になるように制御することによって、シリンダからクロスヘッドダイへのゴム材料の供給速度を制御している。また、ゴム材料の供給速度に合わせて芯金のクロスヘッドダイへの供給速度を調整している。
【0020】
一体成形体の外径は、主にゴム材料のクロスヘッドダイへの供給速度に依存するため、この押し出し機では、個々の一体成形体の間での外径のばらつきを抑制することができる。
【0021】
これによって、研削工程において、個々の一体成形体の外径に合わせてゴム材料を研削する必要がなくなり、全ての一体成形体について一定の条件でゴム材料を研削すればよくなる。
【特許文献1】特開2002−248668号公報
【特許文献2】特開2004−145012号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
しかしながら、押し出し機のスクリュの回転速度および芯金の供給速度が一定の条件になるように制御して一体成形体を形成した場合にも、個々の一体成形体の間での外径のばらつきを50μm以下に抑えることは困難である。
【0023】
これは、ゴム材料のクロスヘッドダイへの供給速度の条件と比較するとわずかではあるが、ゴム材料の特性、押し出し機の公差、スクリュの形状、押し出し機の稼働時間などの条件も、個々の一体成形体の外径に影響を与えるためである。これらの条件を同時に制御することは困難である。
【0024】
そこで、本発明は、個々の一体成形体の間での外径のばらつきを抑制できる押し出し機および押し出し工程において一体成形体の外径のばらつきを抑制できるゴムローラの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0025】
上記目的を達成するため、本発明の押し出し機は、クロスヘッドダイと、該クロスヘッドダイに連通しているシリンダと、該シリンダに収容され、回転させられることによって前記シリンダから前記クロスヘッドダイにゴム材料を供給するスクリュと、該スクリュを回転させる駆動手段と、該駆動手段を駆動させる制御手段と、前記クロスヘッドダイに芯金を供給する芯金供給手段と、を有し、前記ゴム材料と前記芯金との一体成形体を前記クロスヘッドダイから押し出す押し出し機であって、前記クロスヘッドダイから押し出された前記一体成形体の外径の測定値を出力する測定手段と、前記測定値が所定の目標値になる前記スクリュの回転速度を算出する演算手段と、を有し、前記スクリュの回転速度が、前記演算手段が算出した回転速度になるように前記制御手段が前記駆動手段を駆動させる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、個々の一体成形体の間での外径のばらつきを抑制できる押し出し機および押し出し工程において一体成形体の外径のばらつきを抑制できるゴムローラの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、ゴムローラの製造工程中の押し出し工程で用いられる本発明の第1の実施形態に係る押し出し機の構成を示した概略図である。
【0028】
押し出し機1は一軸ベント式の押し出し機であり、押し出し成形用のクロスヘッドダイ2と、クロスヘッドダイ2の内部空間に連通しているシリンダ3と、シリンダ3に収容されたスクリュ4と、を有している。クロスヘッドダイ2は、クロスヘッドダイ2の内部空間と外部空間とを連通させる開口が形成されたダイス2aを備えている。
【0029】
押し出し機1は、スクリュ4が回転させられると、シリンダ3に装填されたゴム材料11がクロスヘッドダイ2の内部空間に供給されるように構成されている。
【0030】
また、押し出し機1は芯金供給部6を有している。芯金供給部6は、芯金12をクロスヘッドダイ2の内部空間に案内する芯金ガイド7と、複数の芯金12を連続的に芯金ガイド7に搬送する芯金搬送部8と、を有している。芯金搬送部8は、押し出し機1から独立した装置であってもよい。
【0031】
芯金搬送部8は、芯金12をローラで挟み、ローラを回転させることによって芯金12を一定の速度で芯金ガイド7に搬送する。芯金ガイド7に搬送された芯金12は、芯金ガイド7に案内されて、クロスヘッドダイ2の内部空間に供給される。
【0032】
押し出し機1では、ゴム材料11がシリンダ3からクロスヘッドダイ2の内部空間に供給されると同時に、芯金12がクロスヘッドダイ2の内部空間に供給される。
【0033】
クロスヘッドダイ2の内部空間には、ダイス2aの開口に近接した位置に、ゴム材料11と芯金12とが接触する密着部2bがある。ゴム材料11と芯金12とは、密着部2bにおいて密着させられ、ゴム材料11と芯金12との一体成形体13がクロスヘッドダイ2のダイス2aの開口から押し出される。
【0034】
同一のクロスヘッドダイ2を用いる場合、クロスヘッドダイ2から押し出される一体成形体13の外径は、主にゴム材料11のクロスヘッドダイ2への供給速度によって決まる。ゴム材料11のクロスヘッドダイ2への供給速度を速くすると一体成形体13の外径は大きくなり、反対にゴム材料11のクロスヘッドダイ2への供給速度を遅くすると一体成形体13の外径は小さくなる。
【0035】
また、ゴム材料11のクロスヘッドダイ2への供給速度は主にスクリュ4の回転速度によって決まる。
【0036】
また、押し出し機1は、駆動部10を駆動させることによってスクリュ4の回転速度を制御する制御部9を有している。制御部9は、クロスヘッドダイ2のダイス2aの開口に近接した位置で一体成形体13の外径を測定して測定値を出力する測定部9aと、測定部9aの測定値に応じて駆動部10を駆動させるコンピュータ9bと、を有している。
【0037】
測定部9aには、たとえば、レーザー測長器を用いることができる。測定部9aは、1本の一体成形体13について、一体成形体13の外径を長手方向に等間隔に5〜10点測定することが望ましい。
【0038】
しかし、スクリュ4の回転速度が制御されている場合には、比較的狭い範囲内にある1本の一体成形体13の中では一体成形体13の外径のばらつきは発生しにくい。そのため、本実施形態に係る押し出し機1では、1本の一体成形体13についての測定部9aによる測定点数を1〜3点にしている。これにより、測定部9aによる測定を高速化することができる。
【0039】
コンピュータ9bには、一体成形体13の外径の目標値が設定されている。また、コンピュータ9bは、測定部9aの測定値が一体成形体13の外径の目標値になるようなスクリュ4の回転速度を算出する演算プログラムを有している。コンピュータ9bは、スクリュ4の回転速度が演算プログラムによって算出した回転速度になるように駆動部10を駆動させる。
【0040】
このように、押し出し機1の制御部9は、クロスヘッドダイ2から押し出される一体成形体13の外径が、設定された目標値になるようにスクリュ4の回転速度を制御している。これにより、押し出し機1では、ゴム材料の特性、押し出し機の公差、スクリュの形状、押し出し機の稼働時間などの各条件によって発生する一体成形体13の外径のばらつきを抑制できる。したがって、押し出し機1では一体成形体13の外径を一定に保つことができる。
【0041】
なお、押し出し機1は、スクリュ4の回転速度の測定値を出力する回転速度計(不図示)を備え、回転速度計の測定値を用いてスクリュ4の回転速度を制御することが望ましい。これにより、スクリュ4の回転速度をより精確に制御することができる。
【0042】
また、制御部9は、クロスヘッドダイ2の中のゴム材料11に加えられている圧力を測定して出力する圧力測定部(不図示)を備えていてもよい。これにより、コンピュータ9bは、圧力測定部の測定値も利用して、スクリュ4の回転速度を制御することができるため、さらに一体成形体13の外径を精確に制御することができる。
【0043】
駆動部10には、回転速度の制御が容易である電動モータを用いている。電動モータとしては、インバータ制御されたACモータを用いることができるが、フィードバック制御されたサーボモータを用いることが望ましい。サーボモータを用いることによって、スクリュ4の回転速度をより精確に制御することができる。
【0044】
また、押し出し機1は、クロスヘッドダイ2を温度制御する温度制御部(不図示)を有していることが望ましい。クロスヘッドダイ2を温度制御部によって温度制御することによって、クロスヘッドダイ2の中のゴム材料11の粘性などの特性を一定に保つことができる。これにより、一体成形体13の外径のばらつきを抑制することができる。
【0045】
温度制御部の構成としては、温度制御された水を用いた構成や、電気ヒータを用いた構成などが考えられる。なお、温度制御部は、押し出し機1とは独立した装置であってもよい。また、温度制御部は、さらに、シリンダ3およびスクリュ4も温度制御できるように構成されていることが望ましい。
【0046】
本実施形態に係る押し出し機1の比較例として、制御部以外の構成が押し出し機1と同様である押し出し機を用い、スクリュの回転速度を15rpmに固定して一体成形体を3000本作製した。これらの一体成形体を評価したところ、一体成形体の外径の標準偏差は0.035mmであった。
【0047】
一方、本実施形態に係る押し出し機1を用い、スクリュ4の初期回転速度を15rpmとし、一体成形体13を3000本作製して評価したところ、一体成形体13の外径の標準偏差は0.009mmであった。これにより、本実施形態に係る押し出し機1では、個々の一体成形体13の外径のばらつきを抑制する効果が得られることが確認された。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態に係るゴムローラの製造方法は、本発明の第1の実施形態に係る押し出し機を用いた押し出し工程と、一般的な加硫工程および研削工程と、を有している。
【0048】
本実施形態に係るゴムローラの製造方法は、複写機、プリンタ等の電子写真機器の帯電ローラ、現像ローラ、加圧ローラ、転写ローラ等に用いられる導電性ローラに適用することができる。
【0049】
本実施形態に係るゴムローラの製造方法の押し出し工程では、第1の実施形態に係る押し出し機1を用いて一体成形体13を作製する。
【0050】
また、押し出し機1のシリンダ3およびスクリュ4には様々な大きさのものを用いることができるが、本実施形態では、外径が約60mmのスクリュ4と、このスクリュ4に対応する内径を有するシリンダ3と、を用いた。
【0051】
また、クロスヘッドダイ2のダイス2aの開口の内径は、一体成形体13の外径の目標値に応じて決定される。本実施形態では、一体成形体13の外径の目標値を9.5mmとし、開口の内径が9mmであるダイス2aを用いた。
【0052】
また、ゴム材料11としては、押し出し成形可能であるヒドリンゴム、二トリルゴム、EPDMなどの材料を用いることができ、必要に応じて、これらの材料に導電性フィラー、充填剤、可塑剤などの添加剤を加えてもよい。本実施形態では、ゴム材料11として、EPDMに、各種充填剤、可塑剤、補強材および加硫剤を混ぜ合わせたゴムコンパウンドを用いた。
【0053】
また、芯金12の形状は、棒状であればよく、長手方向に直交する断面が円形であることが望ましい。芯金12を形成する材料は、導電性を有する材料であればよく、鉄合金やアルミニウム合金を用いることが望ましい。本実施形態では、芯金12として、長さ260mmであり、長手方向に直交する断面が直径6mmの円形である棒材に、厚さ約5μmの化学めっきを施したものであって、外径公差が40μm以下で、両端に対する中央部の振れが約50μmのものを用いた。
【0054】
また、押し出し機1の芯金搬送部8では、芯金12を芯金ガイド7に搬送する搬送速度を様々な値に設定することができるが、本実施形態では芯金搬送部8の搬送速度を2m/minに設定した。
【0055】
また、密着部2bで一体化されるゴム材料11と芯金12との密着性を向上させるため、芯金12に接着剤を塗布することができる。接着剤としては、たとえば、ホットメルトタイプの導電性プライマや加硫接着剤を用いることができる。本実施形態では、スチレン系樹脂を主成分とするホットメルトタイプの導電性プライマを、芯金12の両端部から14mmに配置された部分以外の部分に約10μmの厚さで塗布した。
【0056】
また、本実施形態では、押し出し機1の温度制御部によって、シリンダ3およびスクリュ4が約80℃、クロスヘッドダイ2が約40℃になるように温度制御して押し出し工程を行った。また、スクリュ4の初期回転速度は15rpmとした。
【0057】
また、押し出し機1には引き取り切断機(不図示)が併設されており、引き取り切断機によって、押し出し機1が押し出した一体成形体13を個々の芯金12ごとに切り離す。
【0058】
押し出し工程の後に、芯金12を覆っている一体成形体13のゴム材料11を加硫する加硫工程を行う。本実施形態に係るゴムローラの製造方法の加硫工程では、一体成形体13をコンベアによって熱風炉の中に搬送して、ゴム材料11を加硫反応させる。その後、一体成形体13を所定の長さに切断し、切断後の個々の一体成形体13の両端部のゴム材料11を除去することにより、芯金12の両端部に配置された支持部を露出させる。
【0059】
加硫工程の後に、一体成形体13のゴム材料11を研削して、一体成形体13を所定の形状に加工する研削工程を行う。本実施形態に係るゴムローラの製造方法の研削工程では、芯金12を中心に回転させた一体成形体13のゴム材料11に砥石を押し当てることによってゴム材料11を研削する。これにより、一体成形体13のゴム材料11を所定の形状に加工してゴムローラが完成する。
【0060】
本実施形態では、押し出し工程において、個々の一体成形体13の間での外径のばらつきが抑制されているため、研削工程において全ての一体成形体13について一定の条件でゴム材料11を研削することができる。これにより、研削工程を簡略化することができる。
【0061】
また、押し出し工程において、一体成形体13が研削工程の後のゴムローラのゴム材料が配置されたローラ部の外径に近い外径を有するように一体成形体13を形成することによって、研削工程において、研削するゴム材料11の量を低減できる。
【0062】
図2は本実施形態に係るゴムローラの製造方法によって製造したゴムローラを示した図である。このゴムローラの、ゴム材料11が配置されたローラ部13aの長さは236mmであり、芯金12の両端部に配置された支持部13bの長さはそれぞれ12mmである。このゴムローラは、一般的な押し出し機を用いて作製したゴムローラと同様の性能を示した。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る押し出し機の構成を示した概略図である。
【図2】本発明の第2の実施形態に係るゴムローラの製造方法によって製造されたゴムローラを示した図である。
【図3】本発明に関連する押し出し機の構成を示した概略図である。
【符号の説明】
【0064】
1 押し出し機
2 クロスヘッドダイ
2a ダイス
2b 密着部
3 シリンダ
4 スクリュ
6 芯金供給部
7 芯金ガイド
8 芯金搬送部
9 制御部
10 駆動部
11 ゴム材料
12 芯金
13 一体成形体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
クロスヘッドダイと、該クロスヘッドダイに連通しているシリンダと、該シリンダに収容され、回転させられることによって前記シリンダから前記クロスヘッドダイにゴム材料を供給するスクリュと、該スクリュを回転させる駆動手段と、該駆動手段を駆動させる制御手段と、前記クロスヘッドダイに芯金を供給する芯金供給手段と、を有し、前記ゴム材料と前記芯金との一体成形体を前記クロスヘッドダイから押し出す押し出し機であって、
前記クロスヘッドダイから押し出された前記一体成形体の外径の測定値を出力する測定手段と、前記測定値が所定の目標値になる前記スクリュの回転速度を算出する演算手段と、を有し、前記スクリュの回転速度が、前記演算手段が算出した回転速度になるように前記制御手段が前記駆動手段を駆動させる押し出し機。
【請求項2】
前記芯金供給手段は、複数の前記芯金を連続的に前記クロスヘッドダイに供給する芯金搬送手段を有している、請求項1に記載の押し出し機。
【請求項3】
前記クロスヘッドダイの温度制御を行う温度制御手段を有している、請求項1または2に記載の押し出し機。
【請求項4】
クロスヘッドダイにゴム材料と芯金とを供給し、前記クロスヘッドダイから前記ゴム材料と前記芯金との一体成形体を押し出す押し出し工程を有するゴムローラの製造方法であって、
前記押し出し工程は、前記クロスヘッドダイから押し出された前記一体成形体の外径を測定する第1の工程と、前記ゴム材料の供給速度を制御して前記外径を調整する第2の工程と、を含むゴムローラの製造方法。
【請求項5】
前記クロスヘッドダイに連通されたシリンダの中のスクリュを回転させることによって前記シリンダから前記クロスヘッドダイに前記ゴム材料を供給し、
前記第2の工程は、前記外径の測定値が所定の目標値になる前記スクリュの回転速度を算出することと、前記スクリュを算出された回転速度で回転させることと、を含む、請求項4に記載のゴムローラの製造方法。
【請求項6】
複数の前記芯金を連続的に前記クロスヘッドダイに供給する、請求項4または5に記載のゴムローラの製造方法。
【請求項7】
前記クロスヘッドダイの温度制御を行う、請求項4から6のいずれか1項に記載のゴムローラの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−58278(P2010−58278A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−223342(P2008−223342)
【出願日】平成20年9月1日(2008.9.1)
【出願人】(393002634)キヤノン化成株式会社 (640)
【Fターム(参考)】