説明

押下ヘッド

【課題】上方付勢状態で押し込み可能に起立したステム7の上端部に嵌着させた装着筒部材A1に対して、弁部材A3を内臓する本体A2を摺動下降可能に嵌合し、常時安定した液の噴出を行え、液切れが良く、液噴出の際の押し下げが容易である押下ヘッドの改良であり、上記効果を発揮しつつポンプの背丈を低くコンパクトに形成できる押下ヘッドを提案する。
【解決手段】装着筒部材の支持壁23より立設した揺動板26に一対の弾性腕29を突設し、本体の押し下げ時に、各弾性腕の先端部を、後方且つ側内方にそれぞれ押圧する押圧面fを設け、以て弁部材を後方へ引き出す如く構成した。これにより、弾性腕は本体を押し下げた際に後方のみでなく側内方へも弾性変形しその際、更に後方へ揺動板を移行させるため、少ない本体の下降で確実な噴出口の開口を行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は押下ヘッドに関し、詳しくは、ポンプ等のディスペンサーの一部を構成し、装着したディスペンサーの液噴出後の液切れが良く,押下ヘッド内での液詰まり等がなく、液噴出の際の押し下げが容易であり、しかも、取り扱い容易な押下ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
液体噴出ポンプとして、口頸部に装着キャップを嵌合して容器体に装着するとともに、装着キャップ上方に上方付勢状態で押し込み可能に突出したステムの上端に押下ヘッドを嵌着したものが知られている。また、これらのポンプの押下ヘッドとして、ステム内と連通する摺動筒を立設した装着筒部材と、摺動筒外周に嵌合させたシリンダ上方に、先端に噴出口を開口した弁室を備えるとともに、装着筒部材に対して押下げ可能に設けた本体と、前方付勢状態で噴出口を閉塞し、シリンダ内より噴出口に至る流路を画成した弁部材と、弁部材と連繋させてヘッドの押し下げにより開弁させる特殊構成の梃部材とを備えたものが提案されている。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
この様な押下ヘッドを備えた液体噴出ポンプは常時安定した液の噴出を行えるとともに、液切れが良く、噴出口の密閉性に優れ、しかもヘッドの押し下げを容易に行え、また、長期の使用にも安定した液の噴出を行える優れたものである。
【特許文献1】特開2002−326044号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この様な押下ヘッドを備えた液体噴出ポンプは上記した特有の効果を発揮するものであるが、ステム内と連通する摺動筒をステム上に横設した頂板上方へ立設した形態としているため頭部が大きくなり、特に高さが高くなる傾向がある。従って、例えば容器体を掴んで人差指等により押下ヘッド上面を押圧する操作が行い難くなる傾向があり、また、背の低さ、コンパクトさを要求されるポンプへ適応し難く、全体的なデザインも制約を受ける傾向がある。
【0005】
本発明は上記した特殊形態の押下ヘッドを更に改良したものであって、ポンプ形態等のディスペンサーをコンパクトに形成でき、取り扱い操作も容易で、デザインの制約も少なく、また、構造をより簡素化して組み付け操作が容易となり、しかも従来のこの種のポンプが備える、常時安定した液の噴出が行えるとともに、液切れの良さを備え、噴出口の良好な密閉性を備え、ヘッドの容易な押し下げを行え、耐久性に優れる等の効果を併せて発揮することができる優れた押下ヘッドを提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の押下ヘッドは、上端より上方付勢状態で押し下げ可能にステムを突設した形態のディスペンサーに採用し、ステム上端に嵌着して使用する。ディスペンサーの形態は、ステムを押下げることにより収納液がステムより噴出する如く構成したものであれば採用でき、例えば、シリンダとピストンとを備えた一般的なポンプ構造を備えたもの、或いはエアゾールタイプのもの等を採用できる。
【0007】
本発明の押下ヘッドは、装着筒部材と、本体と、弁部材とを備えている。
【0008】
装着筒部材はステムの上端に嵌着固定してステム内と本体のシリンダ筒内とを液密に連通させるもので、合成樹脂等により形成される。具体的にはステムの外周に嵌着させた装着筒上部より突設した環状摺動片を本体のシリンダ筒内周に摺動可能に嵌合させることにより行う。環状摺動片はその上端がステムから上方へ若干突出した状態、或いはステムの上端と同じか或いはステムの上端より下方位置にある状態で突設される。環状摺動片の形状としては上方へ広がるテーパ状、所謂逆スカート状であっても或いは外方へ突出する環状突部の形態を採っても良い。
【0009】
装着筒の外周下部からは支持壁を延設しており、支持筒の後部より前後方向の揺動が可能な揺動板を立設している。揺動板は弁部材と連繋させて弁部材を後方へ引き出す役割を果たすもので、薄肉ヒンジを介して支持壁に揺動可能に連結している。また、支持壁の外周縁部を本体の周壁内周を案内する案内縁部として構成すると良い。案内縁部の具体的構成として、その外周面を本体周壁内周面と僅かに隙間をあけた状態とすれば良く、外周縁部を筒状に形成しても良い。
【0010】
本体は環状摺動片が外周に摺動下降可能に嵌合したシリンダ筒を備え、シリンダ筒の上方に、先端に噴出口を開口した弁室を備えており、弁室内に弁部材を内蔵している。そして、ステムに対し装着筒部材を介して押し下げ可能に装着しており、合成樹脂等により形成される。
【0011】
弁部材は、弁室内において前方付勢状態で噴出口を閉塞し、また、シリンダ筒内より噴出口に至る流路を画成したもので、合成樹脂、エラストマー等により形成される。弁部材の後端部は揺動板の上端部に連繋され、揺動板が後方へ傾倒した際に後方へ引き出されて、先端の噴出口が開口する如く装着している。
【0012】
本発明では、本体の押し下げに連動して揺動板を後方へ傾倒させ、弁部材を移行させて噴出口を開く如く構成している。その具体的手段として、揺動板の上部両側より前方へ一対の弾性腕を突設するとともに、本体の押し下げ時に、各弾性腕の先端部を、後方且つ側内方にそれぞれ押圧する押圧面を設け、以て弁部材を後方へ引き出す如く構成している。ここでいう側内方とは、側方で且つ内方の意味である。上記押圧面の形態としては、弾性腕の先端前部を摺動する後方へ傾倒した第1押圧面と、弾性腕の先端側部を摺動する側内方へ傾倒した第2押圧面との一対からなる押圧面を採用でき、これら押圧面をそれぞれ本体内上部両側に設けた形態が採用できる。或いは、各押圧面を二面ではなく一面で形成することも可能であり、弾性腕の先端外側隅部を摺動する後方且つ側内方へ傾倒した第3押圧面を採用でき、この押圧面をそれぞれ本体内上部両側に設けた形態が採用できる。第3押圧面は、例えば、向かって左側の第3押圧面を例にとれば、弾性腕の先端外側上部隅部を原点とし、原点を通る水平面を左右に走る軸をx軸、上下に走る軸をy軸、前後に走る軸をz軸とした場合,水平上面をx軸の回りに135°±20°程度の所定角度後方へ回転した回動面を、原点を中心に水平に45°±20°程度の所定角度時計廻りに回転した回動面が採用できる。各所定角度としては、それぞれの領域の中心角度から目的に応じて適宜選択すればよいが、上記幅に限定されない。
【0013】
弾性腕を先端部を後方へ押圧することにより揺動板上部が後方へ押圧されて後方へ傾倒し、また、各弾性腕をそれぞれ側内方へ押圧することによっても揺動板上部が後方へ押圧されて更に後方へ傾倒させることができる。従って、同じ押し下げ幅であっても後方へ弾性腕を押圧するだけの場合と比較してより大きな揺動板の後方への傾倒が生じる。
【0014】
第1の手段とし、以下の通り構成した。即ち、上方付勢状態で押し込み可能にステム7を起立したポンプに装着する押下ヘッドであって、ステム7外周上端部に嵌着させた装着筒21上部より環状摺動片22を突設するとともに、装着筒21下部より外方へ支持壁23を延設し、且つ、支持壁23後部より前後方向の揺動が可能な揺動板26を立設してなる装着筒部材A1と、環状摺動片22外周に摺動下降可能に嵌合させたシリンダ筒44上方に、先端に噴出口51を開口した弁室を備えるとともに、装着筒部材A1に対して押し下げ可能に設けた本体A2と、弁室内において前方付勢状態で噴出口51を閉塞するとともに、後端部を揺動板26の上端部に連繋させ、且つ、シリンダ筒44内より噴出口51に至る流路を画成してなる弁部材A3とを備え、揺動板26の上部両側より前方へ一対の弾性腕29を延設するとともに、本体A2の押し下げ時に、各弾性腕29の先端部を、後方且つ側内方にそれぞれ押圧する押圧面fを設け、以て弁部材A3を後方へ引き出す如く構成し、ステム7に対する本体A2の押し下げ抗力がステム7自体の押し下げ抗力より小である如く構成した。
【0015】
第2の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、前記各押圧面fを、各弾性腕29の先端前部を摺動する後方へ傾倒した第1押圧面f1と、各弾性腕29の先端側部を摺動する側内方へ傾倒した第2押圧面f2とでそれぞれ形成した。
【0016】
第3の手段として、以下の通り構成した。即ち、前記第1の手段に於いて、前記押圧面fを、各弾性腕29の先端上部外側隅部を摺動する後方且つ側内方へ傾倒した第3押圧面でそれぞれ形成した。
【発明の効果】
【0017】
本発明の押下ヘッドは、従来のこの種の押下ヘッドと比較して、その装着筒部材A1を、ステム7上端から殆ど突出しない或いは全く突出しない状態でセットすることができ、また、各弾性腕29と各押圧面fの存在により、単に各弾性腕29を後方へ押すことによる揺動板26の後方への移行だけでなく、各弾性腕29を同時に側内方へ押圧することにより揺動板26を更に後方へ移動することができ、本体の少ない押し下げ幅で弁部材A3を必要幅後方へ移動させることができ、その結果、押下ヘッドAの高さを低くできて全体的にコンパクトな液体噴出器を得られる。また、従来品の様な梃部材を省いて部材数を減らすことができ、その組み付けも容易に行える利点がある。更に、従来のこの種のポンプが備える液切れの良さ、噴出口51の良好な密閉性、ヘッドの容易な押し下げ、耐久性等の効果を併せて発揮するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施例の形態を図面を参照して説明する。
【0019】
図1は液体噴出容器を示し、該液体噴出容器1は、容器体2と、液体噴出ポンプ3とから構成している。容器体2は、胴部4より口頸部5を起立した合成樹脂製のものを使用している。液体噴出ポンプ3は、口頸部5に装着キャップ6を嵌合して容器体2に装着するとともに、装着キャップ6上方に上方付勢状態で押し込み可能にステム7を突設し、ステム7の上端に押下ヘッドAを嵌着している。ステム7内上部には吐出弁8を設けている。
【0020】
押下ヘッドAは、装着筒部材A1と、本体A2と、弁部材A3とを備えている。
【0021】
装着筒部材A1は、ステム7の外周上部に嵌着させた装着筒21の上端より上方へ環状摺動片22を突設するとともに、装着筒21下部より外方へフランジ状の支持壁23を延設し、更に、支持壁23外周縁部からは案内筒24を立設している。支持壁23の後部から案内筒24の後部に亘り切欠部25を設け、該切欠部25前縁の支持壁23後部より揺動板26を立設している。揺動板26は下端部を薄肉のヒンジ部27に形成して前後に揺動が可能に形成しており、上端部には後面を凹ませて薄肉部を形成し、この薄肉部の中央部に弁部材A3の後端部を係合する切溝28を穿設している。また、その上部両側より前方へ、先端が本体A2内両側の前後方向中間部に到達する弾性腕29をそれぞれ一体に突設している。環状摺動片22は、上方へ拡開するテーパ筒状をなす所謂逆スカート状で、上端縁をステム7上端と同レベルに形成している。また、案内筒24は後部を段部を介して低レベルに形成しており、その下部には抜け出し防止に寄与する下向き段部30を周設し、更に、案内筒24前部には位置決め用の縦凹溝31を縦設している。
【0022】
本体A2は、ケーシングA2a と噴出口部材A2b とで構成している。ケーシングA2a は周壁41上端縁より頂壁42を延設してなる下端開口の有頂筒状をなし、周壁41前部に前端を開口した横筒43を後方へ一体に延設し、横筒43下面よりシリンダ筒44を垂設しており、環状摺動片22外周に摺動下降可能にシリンダ筒44を嵌合させるとともに、周壁41を案内筒24外周に上下動可能に垂設して装着している。上記横筒43は前後端を開口した筒状をなし、後方及び両側に前記揺動板26の上部及び後述両弾性腕を収納できるスペースをあけている。また、横筒43の後壁43a には弁部材A3の後端部を突出するための窓孔45を穿設し、窓孔45周囲の後壁43a 前面より筒46を突設している。また、シリンダ筒44内の横筒43下部にはシリンダ筒44内と横筒43内とが連通する連通孔47を穿設している。更に、周壁41内面前部には縦凹溝31に上下動可能に係合する位置決め突起48を突設し、周壁41内周下部には下向き段部30と係合して本体A2の抜け出しを防止する係合突条49を周設している。
【0023】
本体A2内の上部両側には、それぞれ押圧面fを設けている。各押圧面fは各弾性腕29の先端前部を摺動する後方へ傾倒した第1押圧面f1と、各弾性腕29の先端側部を摺動する側側内方へ傾倒した第2押圧面f2とでそれぞれ形成している。
【0024】
噴出口部材A2b は横筒43の前端より嵌着させて横筒43とともに弁室を形成するもので、横筒43前端より突設した先端部をテーパ状に窄めてその先端に噴出口51を開口し、後端部を筒46外周に密嵌させている。また、後部の前記連通孔47の該当位置に、連通孔47と噴出口部材A2b 内とを連通する連絡路を形成している。連絡路は、筒壁外周に周設した帯状凹部52と、帯状凹部52の周方向等間隔の四箇所に穿設した透孔53とから構成している。また、内面前部に周方向複数のリブ54を突設している。
【0025】
弁部材A3は横棒状をなし、外周前後方中間部より斜め前方へ突設した環状のスカート部61を各透孔53後方の噴出口部材A2b 内周に液密摺動可能に嵌合させている。また、横筒43から後方へ突出した後端部に環状凹部62を形成し、該環状凹部62を揺動板26の切溝28に係合させて両者を連繋させている。また、横筒後壁43a と環状のスカート部61との間に介在させたコイルスプリングsにより前方へ付勢させ、先端を噴出口51に圧接して閉塞している。そして、シリンダ筒44から連通孔47、連絡路を通り弁部材A3外周から噴出口51に至る流路を形成している。
【0026】
本発明では、この様な押下ヘッドに於いて、ステム7に対する本体A2の押下げ抗力がステム自体の押下げ抗力より小になる様に構成している。この様に構成するために、基本的には装着するポンプのステムを上方付勢させるための弾性材の弾発力よりも、弁部材A3を前方へ付勢させるためのコイルスプリングsの弾発力を小さく選択すれば良く、その他環状摺動片22とシリンダ筒44との摩擦力、弁部材A3の摺動時の摩擦力,各押圧面fと各弾性腕29との摩擦力等を考慮してこれらを選択すれば良い。
【0027】
上記の如く構成した液体噴出ポンプ3は、図1の状態から押下ヘッドAを押し下げると、ステム自体の押下げ抗力の方が本体A2のステム7に対する押下げ抗力より大きいため、最初はステム7は下がらず、装着筒部材A1に対して本体A2が下降する。この際、各第1押圧面f1により各弾性腕29を後方へ押圧するとともに、各第2押圧面f2により各弾性腕29を側内方へ押圧し、コイルスプリングsの弾発力に抗して弁部材A3を後方へ移動させ、噴出口51が開く。次いでステム7が下降し、ステム7の下降によりポンプ3内の液がステム7よりシリンダ筒44を通り、連通孔47から流路を介して噴出口51より外部へ噴出する。
【0028】
次に押下ヘッドAの押圧を解除すると、最初ステム7の上方付勢力により押下ヘッドAが上昇する。この際、例えば押下ヘッドA上面を押圧した手が離れないうちにステム7の上昇が行われ、噴出口51は開いたままの状態で行われる。従って、この時点で横筒43内は負圧状態となる。次いで手を離す余地ができ、コイルスプリングsの弾発力により弁部材A3が前方へ移行して噴出口51を閉塞し、それに伴い各弾性腕29が各第1押圧面f1及び第2押圧面f2を相対的に下降するため、本体A2が装着筒部材A1に対して上昇し、元の状態に戻る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明押下ヘッドの縦断面図である。(実施例1)
【図2】本発明押下ヘッドの作用を説明する概略説明図である。(実施例1)
【図3】本発明押下ヘッドの作用を説明する概略説明図である。(実施例1)
【図4】本発明押下ヘッドの押圧面部分の要部説明図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0030】
1…液体噴出容器
2…容器体
4…胴部,5…口頸部
3…液体噴出ポンプ
6…装着キャップ,7…ステム,8…吐出弁
A…押下ヘッド
A1…装着筒部材
21…装着筒,22…環状摺動片,23…支持壁,24…案内筒、25…切欠部
26…揺動板,27…ヒンジ部,28…切溝,29…弾性腕,30…下向き段部,
31…縦凹溝
A2…本体
A2a …ケーシング
41…周壁,42…頂壁,43…横筒,44…シリンダ筒,45…窓孔,
46…筒,47…連通孔,48…位置決め突起,49…係合突条,f…押圧面,
f1…第1押圧面,f2…第2押圧面
A2b …噴出口部材
51…噴出口,52…帯状凹部,53…透孔,54…リブ
A3…弁部材
61…スカート部,62…環状凹部,s…コイルスプリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方付勢状態で押し込み可能にステム7を起立したポンプに装着する押下ヘッドであって、ステム7外周上端部に嵌着させた装着筒21上部より環状摺動片22を突設するとともに、装着筒21下部より外方へ支持壁23を延設し、且つ、支持壁23後部より前後方向の揺動が可能な揺動板26を立設してなる装着筒部材A1と、環状摺動片22外周に摺動下降可能に嵌合させたシリンダ筒44上方に、先端に噴出口51を開口した弁室を備えるとともに、装着筒部材A1に対して押し下げ可能に設けた本体A2と、弁室内において前方付勢状態で噴出口51を閉塞するとともに、後端部を揺動板26の上端部に連繋させ、且つ、シリンダ筒44内より噴出口51に至る流路を画成してなる弁部材A3とを備え、揺動板26の上部両側より前方へ一対の弾性腕29を延設するとともに、本体A2の押し下げ時に、各弾性腕29の先端部を、後方且つ側内方にそれぞれ押圧する押圧面fを設け、以て弁部材A3を後方へ引き出す如く構成し、ステム7に対する本体A2の押し下げ抗力がステム7自体の押し下げ抗力より小である如く構成したことを特徴とする押下ヘッド。
【請求項2】
前記各押圧面fを、各弾性腕29の先端前部を摺動する後方へ傾倒した第1押圧面f1と、各弾性腕29の先端側部を摺動する側内方へ傾倒した第2押圧面f2とでそれぞれ形成してなる請求項1記載の押下ヘッド。
【請求項3】
前記押圧面fを、各弾性腕29の先端上部外側隅部を摺動する後方且つ側内方へ傾倒した第3押圧面でそれぞれ形成してなる請求項1記載の押下ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−29959(P2008−29959A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−206562(P2006−206562)
【出願日】平成18年7月28日(2006.7.28)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】