説明

押出設備

本発明は、高温の軟化した粘性プラスチック材料を供給する押出スクリュー(12)と、押出スクリュー(12)と押出ヘッド(14)とを具備する押出設備(10)を提供する。押出ヘッドは、粘性プラスチック材料を受け入れる環状室(24)を具備する。粘性プラスチック材料は、一定期間内で、一定の温度で値miから一定値mcst(mcst>mi)まで変化する粘度を有する。押出設備は、更に、押出スクリュー(12)と押出ヘッド(14)との間にバッファー室(16)を設け、粘性プラスチック材料を一定期間貯留して、押出ヘッド(14)に投入される前に粘性プラスチック材料が粘度値mcstに到達する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管状構造体の周りにプラスチックシースを押し出すための押出設備に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明を適用可能な分野の一つとして、特に、石油化学工業における少なくとも1つのポリマーシースからなる可撓性のパイプがある。この可撓性のパイプの好ましい特徴は、米国石油協会の規格書であるAPI 17J及びAPI RP 17Bに記載されているように、アンボンド(unbounded)であるということである。
【0003】
公知の設備では、筒状体をプラスチックシースで長手方向に被覆することができる。この設備は、スクリュー押出機と、その内部を上記被覆された長手方向に伸延する筒状体が通過する環状押出ヘッドとを具備する。スクリュー押出機の上流側では、例えば、顆粒状のプラスチックがホッパーに蓄えられ、その後、プラスチックはスクリュー押出機内に投入される。温度が管理されたスクリュー押出機内において、プラスチックが徐々に押出ヘッドに向けて、スクリュー押出機内に沿って、並進運動を行い、並進運動と共に、プラスチックはせん断及び熱により軟化及び/又は溶融される。押出機の下流側では、軟化した又は溶融状態のプラスチックは粘性の均質相になる。このような設備を用いることによって、均質相となった、例えば、PVC(ポリビニルクロライド)又はポリエチレン等の多くの種類の熱可塑性プラスチックで縦長筒状体を被覆することができる。押出ヘッドは、可塑化用筒又は可塑化用胴部を形成する略筒状の本体に覆われたマンドレルを具備し、この筒状の本体の内壁とマンドレルとの間には環状室が形成される。環状室の上流側部では、本体とマンドレルとが一体に結合されており、上流側部と反対側をなす下流側部は加工によって伸延して、押出ヘッドの外部に開口する一対の円形唇部を形成する。これらのシース又は管を形成するために用いられるマンドレルについては各種形態のものがあり、一般的には、コートハンガー型マンドレルや魚尾型マンドレルが好適に用いられる。従って、押出ヘッドはスクリュー押出機に接続された流入口を具備し、同流入口を通して、前記軟化及び/又は溶融状態のプラスチックが押出ヘッドの上流側部に投入される。このタイプのマンドレルは、軟化したポリマーがクロスヘッドに投入される位置から分岐し、かつ、軟化したプラスチックの投入位置とは反対側で母線に沿って直径方向に合流する対称分配路を備える。従って、軟化したプラスチックは上流側部に流れ込み、複数の軟化したプラスチックの流れを形成する。これらの軟化したプラスチックの流れは下流側部において、結合領域に沿って合流し、上記した結合領域と対応する再溶融面を有する軟化したプラスチックからなる筒を予め形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コートハンガー型マンドレル、もしくは、魚尾型マンドレルの場合、直径方向に反対の2つの分配路に沿って流れる軟化材の2つの半流が、それぞれマンドレルを反対方向に半周した後に合流して一体的に溶融状態となり、再溶融面を、シースの厚み以内で、投入位置と直径方向に反対の母線上で視認できる線を形成する。分配路は封止室を形成しない。これは、溶融材の一部は分配路から漏れ、マンドレルの主軸と略平行にマンドレルの下流の漏れ線に沿って流れることを意味する。従って、コートハンガー型、もしくは、魚尾型のマンドレルにおいて、分配路に相当する2つの主流に加え、多数の小流がマンドレルの下流側に生じる。ここで、押出し欠陥、特に、シースの厚さが不十分になるという欠陥が生じる可能性がある。これは、シースは局部的に厚さにばらつきがあるためである。
【0005】
従って、本発明が解決しようとする課題の一つは、上記問題点を有しないプラスチックシースを押し出す押出設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、プラスチックシースを管状構造体の周りに押し出す押出設備であって、高温の軟化した粘性プラスチックを供給する押出スクリューと、前記粘性プラスチックが流入する流入口と、同流入口の反対側に円形流出口とを有する環状室を備えた押出ヘッドとを具備し、押出ヘッドは、一方で、粘性プラスチックからなる複数の流れを形成するとともに、他方で、環状室内に設けた結合部にて複数の流れを集合して粘性プラスチックからなる筒を形成するべく、環状室内に複数の通路を整列状態に設け、粘性プラスチックの筒を、円形流出口を通過させてプラスチックシースを形成し、同プラスチックシースによって管状構造体を被覆するべく、管状構造体を押出ヘッド内を通過させるようにした押出設備を提供する。上記構成において、本発明は、一定期間内で、粘度が一定の温度で値miから一定値mcst(mcst>mi)まで変化する粘性プラスチックを、押出スクリューによって供給し、押出設備は、更に、押出スクリューと押出ヘッドとの間にバッファー室を設け、粘性プラスチックを一定期間貯留して、押出ヘッドに投入される前に粘性プラスチックが粘度値mcstに到達するように構成し、上記構成によって、前記粘性プラスチックの流れが結合部において集合し、単一の一体的均一相を形成するようにしたことを特徴とする。
【0007】
本発明の一つの目的は、プラスチックの固有の性質は、押出スクリューと押出ヘッドの円形出口間を通過する際に変化することを知見したことにある。特に、一定温度で見かけ粘度が、時間の関数として増加することを知見したことにある。より具体的には、一旦単相となった粘性プラスチックの見かけ粘度miが実質的に一定の見かけ値mcstで安定するまでに、10分ごとに何回も変化することを知見したことにある。このように環状室内を流れて通過する粘性プラスチックの見かけ粘度は、複数の流れがとる流路によって、異なって変化し、プラスチックの滞留時間も流路によって変化する。事実、滞留時間は分配通路でより長くなる。このように材料の多様な流れからなる溶融材料の粘度は変化し、その結果、多様な流れは均質とならず、形成されたプラスチックシースは、厚みが不十分であるという欠陥を示す。この表面欠陥は、マンドレル内の材料の不十分な分配によって直接もたらされたものである。そして、そのような不十分な材料の分配は、材料が本来とるべき流路とはまったく異なるマンドレル内の多様な流れを有する粘性プラスチックの粘度が増加することによる。
【0008】
押出作業における粘性プラスチックの見かけ粘度の変化についての上記した知見に鑑み、本発明の一つの特徴は、押出スクリューと押出ヘッドとの間にバッファー室を設け、押出ヘッドに投入される前に、粘性プラスチックが一定の見かけ粘度mcstに達するようにしたことにある。このように、安定化した粘性プラスチックが複数の流れに分割されるので、マンドレル内を流れる際に多様な材料流間に粘度の変化はなく、それらが再度集合した場合に、単一の均質相を形成することになる。その結果、このようにして製造されたプラスチックシースの材料特性は、シースの全周にわたって均一であり、厚みが局部的に大きくなることがない。
【0009】
好ましくは、バッファー室を設けたことによる圧力低下の大幅な増大を防止するため、バッファー室は筒対称部を具備する。その結果、押出スクリュー内で粘性プラスチックを移送するための機械的エネルギーによって、圧力低下を防止することになる。より好ましくは、この圧力低下を低減するため、押出スクリューを長手方向に伸延し、筒対称部を押出スクリューの延長線上に連続させる。さらに好ましくは、バッファー室は、一つの筒対称部にU字状スプール部を介して連結されたもう一つの筒対称部を具備し、両筒対称部は実質的に互いに平行に配置される。上記した構成により、2つの筒対称部の長さに対して比較的小さい断面積の流れを所定容積で得ることができる。従って、バッファー室内を流れる。
【0010】
粘性プラスチックの全ての部分に、十分な滞留時間を安定的に確保させることができる。これに対して、バッファー室が球形の場合は、流路が、押出スクリューからの出口と環状室の入口との間に形成され、この流路に沿った粘性プラスチックの滞留時間は、一定の見かけ粘度mcstを得るためには十分な長さではなくなる。さらに、このような部分の配置は、押出スクリューと押出ヘッドとの間のバッファー室を設けるための空間を制限することになる。従って、先行技術に係る押出設備に、実質的に構造を改造することなく、本発明に係るバッファー室を容易に適用することができる。
【0011】
本発明の他の好ましい実施例について説明すると、筒対称部は、バッファー室における高温の軟化した粘性プラスチックの流れを攪乱するために障害物を具備する。これによって、粘性プラスチックは均質化される。従って、粘性プラスチックが、その部分における直交断面において異なった見かけ粘性を有する場合でも、この差異は次第に低減し、環状室に流入する前における部分では、差異はなくなっている。さらに好ましくは、障害物は、内部に偏向板を取り付けたリングからなる。このように連続的に相互に接触している各種のリングは、粘性プラスチックの流れをより大きく又はより小さく攪拌できるような角度位置に設定できる。
【0012】
1つの具体的実施例では、偏向板は、リングの軸線に対して実質的に垂直な支柱と、支柱に固着され格子を形成する横架部材とを具備する。これによって、押出スクリューを離れる軟化した粘性プラスチックの流れを分割し、均質化の程度を高めることができる。例えば、横架部材は、支柱に対して実質的に垂直で、かつ、リングの軸線に対して所定の角度をなすよう設けられる。
【0013】
本発明の他の特記事項や効果は、添付した図面を参照して本発明の幾つかの特定した実施例の記載を読むことによって明らかなとなる。しかし、これらに何ら制限的なものではない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施例に係る押出設備の概略図である。
【図2】図1に示す押出設備において使用されるプラスチックの特性を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施例に係る押出設備の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1には、発明に係る押出設備10を示す。押出設備10は、上流側に配置した押出スクリュー12と、下流側に配置し、被覆される管状構造体15が内部を通過する押出ヘッド14と、押出スクリュー12と押出ヘッド14間に配置されるバッファー室16とを具備する。この押出設備10が適用される分野は石油化学工業における可撓性のパイプであり、そのパイプは金属層とプラスチック層とを交互に積層することによって形成される。従って、押出設備10は、ポリマー又はプラスチックのシースを形成し、同シースを管状構造体15の表面に直接押し出すことができる。この方法によって、例えば、石油化学用パイプに用いられる保護シース、例えば、圧力シースに用いられる保護シースや、外部シースを形成するために用いられる管やシースを製造することができる。
【0016】
押出スクリュー12は、可塑化シリンダー20の入口端19に開口するホッパー18を具備する。ホッパー18は粉状のプラスチックを貯留することができる。可塑化シリンダー20は回転筒対称であり、入口端19と出口端21との間に長手方向に延在する。更に、可塑化シリンダー20は、図示しないヒートジャケットを具備し、ヒートジャケットには、可塑化シリンダー内に熱エネルギーを供給するために、電流が供給される。更に、可塑化シリンダーは、プラスチックをホッパー18からバッファー室16へ強制的に移送するために、アルキメデススクリュータイプの無端スクリュー22を具備する。ホッパー18において固形状態にあるプラスチックは、押出スクリュー12内で少しずつ軟化及び/又は溶融され、200℃から300℃の間で凝集され、単相の粘性プラスチックを形成する。
【0017】
可塑化シリンダー20内で粉体から凝集物に変化し搬送されるプラスチックの量は、当然のことながら押出スクリュー12の寸法に依存するが、本押出設備10においては、アルキメデススクリュー22の回転速度によって決定される。従って、ヒートジャケットによって供給されるエネルギー量を、アルキメデススクリュー22の回転速度に応じて調節し、同じ状態の軟化した粘性プラスチックを得るようにする。本明細書に記載の押出設備10は、例えば、回転速度30rpm、材料温度が230℃〜250℃の間で、毎時690kgのポリアミド型プラスチックを処理することができる。
【0018】
押出ヘッド14は、その内部に環状室24を具備し、環状室24の一端には流入口26が設けられ、他端には2つの同心唇部によって形成される円形流出口28が設けられる。環状室24は内部マンドレルによって形成され、内部マンドレルは外部の円錐構造体によって同軸的に覆われている。環状室24は、マンドレルと外部の筒状構造体との間に形成される。管状構造体15は、押出ヘッド14及び円形流出口28を軸方向に貫通する。
【0019】
本発明に供されるプラスチックは、可撓性石油パイプが使用される温度、圧力などに応じて選択される。例えば60℃以下の温度の場合は、PEHDとして一般に知られる高密度ポリエチレンが材料として用いられる。作業温度が60℃〜90℃の間の場合は、例えばポリアミド11もしくは12などのポリアミドが材料として用いられる。作業温度が90℃を越す場合は、ポリフッ化ビニリデン(もしくはPVDF)を材料として用いることがより望ましい。
【0020】
ポリアミドは、優れた疲労強度を有する点で、有用なプラスチックである。しかし、ポリアミド11は、押出スクリュー12及び押出ヘッド14内を移送される際、見掛け粘度は一定ではないことが判明した。本発明は、この課題を解決することにある。以下、温度が230℃の軟化されたポリアミド11の見掛け粘度miの時間による変化を示す図2を参照して説明する。この粘度は、目盛付のオリフィスを一定時間流れる230℃の軟化されたポリマー11の重量を記録することにより計測される。更に、見掛け粘度miは同様のプロフィールに沿って変化するが、ポリアミドの含水量によって振幅は異なる。図2に示す3つの曲線は、3つの異なる含水量のポリアミド11の時間による粘度のばらつきに対応する。第1に、最初の20分において見掛け粘度が急激に変化し、つまり、毎分1000Pa.s平均で粘度が上昇し、その後、見掛け粘度は相対的に停滞するということが判明した。また、20分後、含水量が283ppmのポリアミドの粘度は30000Pa.sである一方、含水量が158ppmのポリアミドの粘度は約35000Pa.sであるということも判明した。後者の結果は、プラスチックの含水量を制御することが極めて重要であることを示す。
本願発明の発明者は、粘性状態にあるポリアミド11の最初の数分の挙動における見掛け粘度の急激な上昇に注目し、従来技術により製造されたプラスチックシースの欠陥は、押出し中におけるプラスチックの固有特性の変化に起因することを知見した。そして、発明者は、プラスチックの見掛け粘度がその水平域に到達するまでの時間をプラスチックに与えるために、まず、軟化した粘性プラスチックをバッファー室16に蓄え、押出ヘッド14への投入を遅らせるアイデアに想到した。押出ヘッド14内において、正確には、環状室24内において、プラスチックの粘度は殆ど変化しないので、押出されたシースには表面欠陥がなく、特に、シースの厚みにばらつきがないということが判明した。具体的には、プラスチックは、流入口26から投入されると、マンドレル周囲に設けられた流路に沿って複数の流れに分割され、筒状となる。プラスチックが環状室24内を移送される際に、その粘度が一定であれば、一方で、流路内でのプラスチックの流量は比較的等しくなり、他方で、プラスチックの流れは、単一で一体的な均一相をより容易に形成することができる。
【0021】
図1に示す第1実施例によると、バッファー室16は1つの回転筒対称部30と、2つの截頭円錐端部32,34からなり、一方の截頭円錐端部32は可塑化シリンダー20の出口端21に接続されており、他方の截頭円錐端部34は環状室24の流入口26において押出ヘッド14に接続されている。可塑化シリンダー20の延長線上に回転筒対称部30が長手方向に沿って配置されており、かつ、回転筒対称部30と可塑化シリンダー20とは略同軸となっている。
【0022】
第1実施例によると、軟化した粘性プラスチック、つまり、ポリアミド11を処理する能力は、その温度が250℃に上昇している状態で毎時690kgである。このような条件下では、材料の粘度は350秒後に一定粘度mcstに到達する。なお、従来の押出設備では、350秒後には、粘度材料は、既に、押出ヘッド14内に投入されていた。このように、本実施例では、28000cmのバッファー室16が設けられ、材料の滞留時間、つまり、250℃で軟化された時点から環状室24の流入口26を介して投入される時点までの時間は、350秒となる。この構成によると、ポリイミドの見掛け粘度は環状室24内では、もはや変化せず、結果として、押出されるシースの厚みにばらつきが生じないことになる。
【0023】
更に、記載されていない発明の一つの実施形態によると、バッファー室16は、内部に偏向板を取り付け、かつ、連続的に回転筒対称部30内に滑り込む一連のリングを具備する。障害物として機能するこれらの偏向板を用いることにより、軟化した粘性ポリアミドは、バッファー室16内で複数の流れに分割され、その後、合流することになり、偏向板は材料の均一化に貢献することになる。このように、壁面で材料の速度が低減する境界効果を無くすことができるので、バッファー室16の流出口における材料の粘度は、更に均一となる。上記した偏向板は、例えば、リングの軸線に対して略垂直に配置されると共に対向する2つの端間でリング内を横断する支柱を有し、支柱には横架部材が取り付けられ、格子状をなしている。材料の均質性を更に向上するために横架部材はリングの軸線に対して傾斜して取り付けられている。
【0024】
図3に示す第2実施例(図3には図1に示す全ての構成要素を再度示す)は、以下の構成を除いて、第1実施例と同一の構成を有する。即ち、第2実施例では、バッファー16は、互いに平行に配設され、かつ、U字状のスプール片40によって結合される2つの半体部36,38からなる。第1の半体部36は可塑化シリンダー20の出口端21に接続されており、他方の半体部38は環状室24の流入口26に開口している。
【0025】
この実施例は、必要な場合、押出スクリュー12と押出ヘッド14との相対位置を実質的に変更することなく、バッファー室16の容積を増加することができる。更に、2つの半体部36,38には、障害物や邪魔板として機能する上記したリングを取り付けることもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックシースを管状構造体(15)の周りに押し出す押出設備(10)であって、高温の軟化した粘性プラスチックを供給する押出スクリュー(12)と、前記粘性プラスチックが流入する流入口(26)と、同流入口(26)の反対側に円形流出口(28)とを有する環状室(24)を備えた押出ヘッド(14)とを具備し、押出ヘッド(14)は、粘性プラスチックからなる複数の流れを形成するとともに、環状室内に設けた結合部にて複数の流れを集合して粘性プラスチックからなる筒を形成するべく、環状室(24)内に複数の通路を整列状態に設け、粘性プラスチックの筒を、円形流出口(28)を通過させてプラスチックシースを形成し、同プラスチックシースによって管状構造体(15)を被覆するべく、管状構造体(15)を押出ヘッド(14)内を通過させるようにした押出設備(10)において、
一定期間内で、粘度が一定の温度で値miから一定値mcst(mcst>mi)まで変化する粘性プラスチックを、押出スクリューによって供給し、
押出設備は、更に、押出スクリュー(12)と押出ヘッド(14)との間にバッファー室(16)を設け、粘性プラスチックを一定期間貯留して、押出ヘッド(14)に投入される前に粘性プラスチックが粘度値mcstに到達するように構成し、
上記構成によって、前記粘性プラスチックの流れが結合部において集合し、単一の一体的均一相を形成するようにしたことを特徴とする押出設備。
【請求項2】
バッファー室(16)は筒対称部(30)を具備することを特徴とする請求項1記載の押出設備。
【請求項3】
押出スクリュー(12)が長手方向に伸延し、筒対称部(30)が押出スクリュー(12)の延長線上に連続していることを特徴とする請求項2記載の押出設備。
【請求項4】
バッファー室(16)は、さらに、前記一つの筒対称部にU字状スプール部(40)を介して連結されたもう一つの筒対称部(36,38)を具備し、両筒対称部は実質的に平行に配置されることを特徴とする請求項2記載の押出設備。
【請求項5】
前記筒対称部(30、36、38)は、バッファー室(16)における高温の軟化した粘性プラスチックの流れを攪乱するために障害物を具備することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の押出設備。
【請求項6】
前記障害物は、内部に偏向板を取り付けたリングからなることを特徴とする請求項5記載の押出設備。
【請求項7】
前記偏向板は、前記リングの軸線に対して実質的に垂直な支柱と、前記支柱に固着され格子を形成する横架部材とを具備することを特徴とする請求項6記載の押出設備。
【請求項8】
前記横架部材は、前記支柱に対して実質的に垂直で、かつ、前記リングの軸線に対して所定の角度をなすことを特徴とする請求項7記載の押出設備。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2013−521166(P2013−521166A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−556564(P2012−556564)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国際出願番号】PCT/FR2011/050421
【国際公開番号】WO2011/110770
【国際公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(504191741)テクニップ フランス (17)
【Fターム(参考)】