説明

振動アクチュエータ及び電子機器

【課題】好適な特性を有する振動アクチュエータ及び電子機器を提供する。
【解決手段】本発明の振動アクチュエータ10は、相対移動部(13)と接触し、前記相対移動部(13)の相対移動に必要な振動をする振動部(12)と、前記相対移動部(13)を前記振動部(12)との間に挟むように備えられ、前記振動部(12)に対する前記相対移動部(13)の移動に応じて前記振動部(12)に対して相対的に移動する第1部材(22)と、転動部材(23)を介して前記第1部材(22)と対向し、前記第1部材(22)が前記振動部(12)に対して相対的に移動可能なように前記第1部材(22)を支持する第2部材(21)と、前記振動部(12)と前記相対移動部(13)とが接触するように、前記第2部材(21)と前記振動部(12)との間に加圧力を生じさせる加圧部材(15)とを含み、前記第1部材(22)は、可塑性物質を含有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動アクチュエータ及び電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電気機械変換素子を用いて振動子を振動させ、その振動により移動子を回転させる振動アクチュエータがある。このような振動アクチュエータにおいては、振動子に対して移動子を回転自在に保持に保持するために、軸受が使用されている(例えば、特許文献1参照)。従来、この軸受の材料としては金属が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−319300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、軸受材料として金属を使用すると、コストが高くなり、重量も重くなる。
本発明の課題は、好適な特性を有する振動アクチュエータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
【0006】
請求項1に記載の発明は、相対移動部(13,113)と接触し、前記相対移動部(13,113)の相対移動に必要な振動をする振動部(12,112)と、前記相対移動部(13,113)を前記振動部(12,112)との間に挟むように備えられ、前記振動部(12,112)に対する前記相対移動部(13,113)の移動に応じて前記振動部(12,112)に対して相対的に移動する第1部材(22,122)と、転動部材(23,123)を介して前記第1部材(22,122)と対向し、前記第1部材(22,122)が前記振動部(12,112)に対して相対的に移動可能なように前記第1部材(22,122)を支持する第2部材(21,121)と、前記振動部(12,112)と前記相対移動部(13,113)とが接触するように、前記第2部材(21,121)と前記振動部(12,112)との間に加圧力を生じさせる加圧部材(15,115)とを含み、前記第1部材(22,122)は、可塑性物質を含有することを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記第1部材(22,122)は、前記振動部(12,112)及び前記相対移動部(13,113)の相対移動方向、及び、前記加圧力の方向と交差する方向の外周面に、外部に接続可能な接続部(10G、110P)を有することを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記接続部(10G、110P)は、動力を伝達するギアであることを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記相対移動部(13,113)及び前記振動部(12,112)は、回転軸を中心に相対的に回転することを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記転動部材(23,123)は、前記第2部材(21,121)の外周面と前記第1部材(22,122)の内周面との間に備えられることを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記第1部材(22,122)は、前記振動部(12,112)及び前記相対移動部(13,113)の相対移動方向、及び、前記加圧力の方向と交差する方向において前記第2部材(21,121)と対向することを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記転動部材(23,123)は、前記加圧力の方向でみて、前記第1部材(22,122)と前記第2部材(21,121)との間に備えられることを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項8に記載の発明は、請求項1から請求項7までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記加圧力の方向でみて、前記相対移動部(13,113)と前記第1部材(22,122)との間に備えられた振動吸収部材(18、118)を有することを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項9に記載の発明は、請求項1から請求項8までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記第1部材は、プラスチックであることを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項9までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記第2部材(21,121)は、可塑性物質を含有することを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記転動部材(23,123)は、金属の球であることを特徴とする振動アクチュエータ(10,110)である。
請求項12に記載の発明は、請求項1に記載された振動アクチュエータ(10,110)であって、前記転動部材(23,123)は、プラスチック製のリテーナ(125)によって保持されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
請求項13に記載の発明は、請求項1から請求項12までの何れか1項に記載された振動アクチュエータ(10,110)を有することを特徴とする電子機器(1)である。
なお、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、好適な特性を有する振動アクチュエータ及び電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明における一実施形態のカメラを説明する概念図である。
【図2】超音波モータの縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態にかかる超音波モータの縦断面図である。
【図4】図3における軸受部分の拡大図である。
【図5】本発明の第3実施形態にかかる超音波モータの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。なお、以下に示す各図には、説明と理解を容易にするために、XYZ直交座標系を設けた。この座標系では、撮影者が光軸Aを水平として横長の画像を撮影する場合のカメラの位置(以下、正位置という)において撮影者から見て左側に向かう方向をXプラス方向とする。また、正位置において上側に向かう方向をYプラス方向とする。更に、正位置において被写体に向かう方向をZプラス方向とする。
【0010】
図1は、第1実施形態のカメラ1を説明する概念図である。第1実施形態におけるカメラ1は、振動アクチュエータの一例としての超音波モータ10を備えている。
カメラ1は、撮像素子8を有するカメラボディ2と、レンズ鏡筒3とを備えている。レンズ鏡筒3は、カメラボディ2に着脱可能な交換レンズである。なお、本実施形態では、レンズ鏡筒3は、交換レンズである例を示したが、これに限らず、例えば、カメラボディと一体型のレンズ鏡筒としてもよい。
【0011】
レンズ鏡筒3は、フォーカシングレンズ4、カム筒5、アイドルギア6、超音波モータ10、及びこれらを包囲する筐体7等を備えている。
第1実施形態では、超音波モータ10は、カム筒5と筐体7の間の円環状の隙間に配置されている。超音波モータ10は、カメラ1のフォーカス動作時にフォーカシングレンズ4を駆動する駆動源である。超音波モータ10は、その出力ギア10Gが噛合するアイドルギア6を介してカム筒5を回転駆動する。
【0012】
カム筒5は、超音波モータ10による回転操作によって、筐体7内に光軸OAと平行する方向(Z軸方向)に移動可能に設けられている。
フォーカシングレンズ4は、カム筒5に保持されている。そして、超音波モータ10の駆動によるカム筒5の移動によって光軸OA方向に移動して焦点調節を行う。
なお、図示しないが、レンズ鏡筒3は、フォーカシングレンズ4の他に複数のレンズ群を備えている。
【0013】
図1において、レンズ鏡筒3内に設けられたフォーカシングレンズ4を含むレンズ群によって、撮像素子8の撮像面に被写体像が結像される。撮像素子7によって、結像された被写体像が電気信号に変換され、その信号をA/D変換することによって、画像データが得られる。
【0014】
つぎに、図2を参照して第1実施形態としての超音波モータ10について詳細に説明する。
図2は、超音波モータ10の縦(軸方向の)断面図である。
超音波モータ10は、中央に貫通配置された支持軸11と、振動子12と、振動子12によって回転駆動される回転体13と、振動子12を支持する支持体14と、回転体13を回転自在に支持する軸受20と、を備えている。また、超音波モータ10は、振動子12を回転体13に向けて押圧付勢する加圧バネ15と、加圧バネ15の支持軸11に対する位置を規定する止めワッシャー16と、を備えている。本実施形態では、振動子12は固定側であって、支持軸11に対して回転せず、回転体13を支持軸11に対して回転駆動する形態となっている。
【0015】
支持軸11は、所定径の軸状で、その一方(Z軸プラス側)の端に大径のフランジ11Aが形成されている。支持軸11の他方の端には、止めワッシャー16が装着されている。止めワッシャー16は、支持軸11の外端側に装着されたEリング等の留め環17に係合してZ軸マイナス側には移動不能に設けられている。
【0016】
振動子12は、全体形状が中空状の部材であって、弾性体12Aと、弾性体12Aに接合された圧電体12Bとにより構成されている。
弾性体12Aは、共振先鋭度が大きな金属材料によって、外形が略円形状の中空円環状に形成されている。弾性体12Aは、櫛歯部12Aa、ベース部12Ab、フランジ部12Ac等を有している。
【0017】
櫛歯部12Aaは、弾性体12Aにおける回転体13と対向する側の面から、所定幅の溝が周方向に所定間隔で複数条それぞれ所定深さに形成されたものである。櫛歯部12Aaの先端面(弾性体12Aにおける回転体13と対向する面)は、回転体13に圧接して当該回転体13を駆動する駆動面12Adとなっており、Ni−P(ニッケル−リン)メッキ等の潤滑性の表面処理が施されている。なお、この櫛歯部12Aaを設ける理由は、圧電体12Bの伸縮によって駆動面12Adに生じる進行波の中立面をできる限り圧電体12B側へ近づけ、これにより駆動面12Adの進行波の振幅を増幅させるためである。
【0018】
ベース部12Abは、弾性体12Aにおける櫛歯部12Aaとは逆側(図中Z軸マイナス側)の、櫛歯部12Aaの溝が形成されていない部位であって、弾性体12Aの周方向に連続している。
フランジ部12Acは、弾性体12Aの内周側に所定厚さで突出した小径の部分である。このフランジ部12Acにより、振動子12は、支持体14に支持されている。
【0019】
圧電体12Bは、略平板状で、弾性体12Aにおけるベース部12Ab側の面(弾性体12Aにおける回転体13とは反対側の面)に、接着剤を用いて接合されている。
圧電体12Bは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する電気機械変換素子である。なお、本実施形態では、圧電体12Bとして圧電素子を用いたが、電歪素子等を用いてもよい。
圧電体12Bは、図示しないが、駆動信号を入力する2つの電極を備えている。
圧電体12Bにおける弾性体12Aとは逆側の面には、フレキシブルプリント基板12Cが配置されている。
【0020】
フレキシブルプリント基板12Cは、その配線が圧電体12Bの電極に接続されている。
フレキシブルプリント基板12Cは、圧電体12Bに駆動信号を供給する機能を有する。このフレキシブルプリント基板12Cから供給される駆動信号によって、圧電体12Bが伸縮することにより、弾性体12Aを励振し、弾性体12Aの駆動面に進行波が発生する。本実施形態では、4波の進行波を発生するようになっている。
【0021】
回転体13は、弾性体12Aの駆動面12Adに生じる進行波によって回転駆動される部材である。
回転体13は、アルミニウム等の軽金属によって略円盤状に形成され、振動子12(弾性体12Aの駆動面12Ad)に接触する略円環状の接触面13Aと、軸受20(外輪22)と結合する小径で円筒状の結合部13Bと、を有している。接触面13Aには、耐磨耗性向上のためのアルマイト等の表面処理が施されている。
回転体13は、結合部13Bが、後述する軸受20における外輪22の結合部22Aに嵌合し、吸振材18を介して外輪22に相対回転不能に結合されている。
【0022】
振動子12を支持する支持体14は、所定外径の本体部14Aと、振動子12のフランジ部12Acに嵌合する支持部14Bと、本体部14Aと支持部14Bの間に形成された大径の押圧フランジ14Cと、を有し、略円盤状の外形を呈している。また、支持体14の中心部には、支持軸11に摺動移動可能として嵌合する装着孔14Dが形成されている。
【0023】
支持体14は、装着孔14Dで支持軸11に嵌合し、その支持部14Bが振動子12のフランジ部12Acに嵌合し、これによって振動子12を支持軸11と同心として支持している。
支持体14における押圧フランジ14Cと、支持軸11の軸端に装着された止めワッシャー16との間には、加圧バネ15が配置されている。
【0024】
加圧バネ15は、圧縮変形による弾性復帰力を生ずるコイルスプリングであって、内周が支持体14の本体部14Aに嵌るようにして配置されている。そして、その弾性復帰力で、押圧フランジ14Cを(すなわち支持体14を)止めワッシャー16から離間する方向に押圧付勢している。
【0025】
軸受20は、内輪21と、外輪22と、内輪21と外輪22との間に配置されたボール23と、を備え、内輪21と外輪22とがボール23の転動によって低摩擦で相対回転自在に構成されている。
外輪22は、内周に回転体13が結合される結合部22Aを備えている。また、外輪22の外周には、出力ギア10Gが形成されている。すなわち、外輪22は、回転体13を支持する機能と、回転体13の回転力を外部に出力する機能とを有している。
【0026】
軸受20は、内輪21が支持軸11に相対回転不能に嵌合し、その一方(Z軸プラス側)の端面が支持軸11のフランジ11Aに当接している。
軸受20における外輪22の結合部22Aには、回転体13の結合部13Bが嵌合し、吸振材18を介して結合されている。これにより、軸受20は、回転体13を回転自在に支持している。なお、この軸受20の構成については、後に詳細に説明する。
【0027】
吸振材18は、ゴム等の弾性体により形成された所定厚さの略円環状の部材である。
吸振材18は、回転体13における結合部13Bの端面と、軸受20における外輪22の結合部22Aの端面と、の間に配置され、両者を相対回転不能に結合している。吸振材18は、その粘弾性で回転体13と軸受20の外輪22とを一体に回転可能とする機能と、回転体13の振動を吸収して外輪22へ伝えないようにする機能とを有している。吸振材18は、例えば、ブチルゴム、シリコンゴム、プロピレンゴム等により形成される。
【0028】
上記のように構成された超音波モータ10は、振動子12が支持体14を介した加圧バネ15の弾性復帰力で回転体13に押圧付勢され、駆動面12Adが接触面13Aに所定の力で圧接されている。そして、振動子12における圧電体12Bの2つの電極に位相の異なる2つの交流駆動波形が入カされると、圧電体12Bの変形によって弾性体12Aの回転体13側に進行波が発生する。この進行波によって、振動子12(駆動面12Ad)に圧接された回転体13(接触面13A)が摩擦駆動されて回転する。回転体13の回転は、吸振材18を介して軸受20の外輪22に伝達され、外輪22すなわち出力ギア10Gが回転し、回転力を外部に出力する。
【0029】
つぎに、本第1実施形態の軸受20について、より詳細に説明する。
前述したように、軸受20は、内輪21と、外輪22と、ボール23と、を備えている。そして、軸受20は、内輪21が支持軸11に相対回転不能に嵌合してフランジ11Aの図2中右側(Z軸マイナス側)に配置され、振動子12及び回転体13を介して作用する加圧バネ15の付勢力(回転体13に振動子12を押圧する付勢力)を受けて、回転体13を回転自在に支持している。
【0030】
すなわち、軸受20のZ軸マイナス側には、回転体13、振動子12、支持体14、加圧バネ15が支持軸11の軸方向に直列に配置されており、外輪22には、回転体13に振動子12を押圧する加圧バネ15による付勢力が作用する。
【0031】
内輪21は、支持軸11が嵌合可能な内径部を有する円環状で、径方向に所定の厚さに形成されている。その外周には、ボール23が転動する内転動面21Aが周方向に形成されている。
内転動面21Aは、ボール23の球面に沿う円弧状の断面形状に形成され、径方向に外側に対向するラジアル内面部21Arと、Z軸と直交しZ軸マイナス側に対向するスラスト内面部21Asと、を有している。
【0032】
外輪22は、概略形状が円環状で、前述したように、外周に出力ギア10Gが形成されている。外輪22の内周には、回転体13が結合される結合部22Aと、ボール23が転動する外転動面22Bがそれぞれ周方向に形成されている。
結合部22Aは、回転体13の結合部13Bが嵌挿可能な内径の円形の凹部状であって、外輪22の回転体13配置側(Z軸マイナス側)に開放している。
【0033】
外転動面22Bは、ボール23の球面に沿う円弧状の断面形状に形成され、径方向に内側に対向するラジアル外面部22Brと、Z軸と直交しZ軸プラス側に対向するスラスト外面部22Bsと、を有している。すなわち、外輪22は、回転体13を保持する部分(結合部22A)が一体化した形状となっている。
【0034】
ボール23は、内輪21における内転動面21Aと、外輪22における外転動面22Bとの間に介在して転動可能な球体で、内輪21(内転動面21A)と外輪22(外転動面22B)の間の全周に亘って複数配置されている。
【0035】
ここで、内輪21及び外輪22は、可塑性物質、特に成型容易のためプラスチック素材で製造されている。ただし、これに限定されず、例えば、熱可塑性物質、樹脂、セルロイド、高分子材料等であってもよい。
内輪21及び外輪22は、それぞれプラスチック素材の射出成形等によって形成されている。プラスチック素材としては、例えば、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が用いられる。
一方、ボール23は、ステンレス合金鋼等の金属材料又はセラミック等の素材によって形成されている。外輪22は、ボール23よりも剛性が低く、ボール23よりも柔軟性が高い。
【0036】
上記構成の軸受20は、支持軸11に装着固定された内輪21に対して、ボール23の転動によって外輪22が相対回転する。
軸受20の外輪22には、加圧バネ15の付勢による回転体13を介したZ軸方向の力(スラスト荷重Fs)と、出力ギア10Gが外部に回転力を出力する際に回転軸(=Z軸方向)と直交する方向の駆動反力(ラジアル荷重Fr)とが作用する。
【0037】
スラスト荷重Fsは、外輪22における外転動面22Bのスラスト外面部22Bsから、ボール23を介して内輪21における内転動面21Aのスラスト内面部21Asに作用する。これにより、軸受20は、スラスト荷重Fsをスラスト内面部21Asで受け、外輪22が円滑に回転可能となっている。
【0038】
また、ラジアル荷重Frは、外輪22における外転動面22Bのラジアル外面部22Brから、ボール23を介して内輪21における内転動面21Aのラジアル内面部21Arに作用する。これにより、軸受20は、ラジアル荷重Frをラジアル内面部21Arが受け、外輪22が偏芯することなく円滑に回転可能となっている。
このように、軸受20は、スラスト軸受とラジアル軸受の両方の機能を備えている。
【0039】
上記のように軸受20は、回転体13を介して外輪22に作用する加圧バネ15によるスラスト荷重Fsに抗して、回転体13を安定的に回転可能に支持することができる。また、出力ギア10Gが被駆動側のギアに噛合して駆動することで生ずるラジアル荷重Frに抗して、外輪22を、偏芯を防いで安定的に回転させることができる。その結果、速度ムラ少ない回転力を、外輪22(出力ギア10G)を介して外部に出力可能となっている。
【0040】
本実施形態では、軸受20の内輪21及び外輪22はプラスチック素材によって形成されている。このため、外輪22は及び出力ギア10Gは一体成型することが可能であり、低コストに製造できる。本実施形態の内輪21及び外輪22を、従来のように例えば金属で形成する場合には、ギア加工や切削加工が必要となるために莫大なコストアップを招く。別部材によって構成して組み立てる場合でも、部品点数及び組立工数の増大によってコストアップとなる。本実施形態では、このようなことが無い。また、軽量に構成できる。加えて、ボール23が接触するのはプラスチック素材の内輪21及び外輪22となるので、金属同士の接触がなくなり、軸受け20の作動時の静音化を図ることができる。
【0041】
更に、本実施形態では、外径側に出力ギア10Gが形成された外輪22の内径側に、回転体13と結合する結合部22Aが形成されている。これにより超音波モータ10の長さを全体的に短くすることができる。これに対して、結合部22Aを備えずに外輪22と回転体13とを直列に配置し、本実施形態と同様の出力ギア10Gの歯幅を確保しようとすると、超音波モータ10の長さが軸方向に長くなってしまう。本実施形態では、広い歯幅の出力ギア10Gを有する超音波モータ10をコンパクトに構成することができる。
【0042】
(第2実施形態)
つぎに、図3及び図4に示す本発明の第2実施形態について説明する。
図3は、第2実施形態にかかる超音波モータ110の断面図である。図4は図3の軸受120部分の拡大図である。
図3に示す超音波モータ110は、第1実施形態と同様に、レンズ鏡筒3のカム筒5を回転駆動するような用途に用いられるが、本実施形態ではリング状に構成されている。
なお、本実施形態の超音波モータ110における軸受120は、前述した第1実施形態における軸受20と略同一に構成されており、同一の構成要素の詳細な説明は省略する。
【0043】
超音波モータ110は、支持環111,振動子112,回転体113,軸受120,加圧部115,固定リング116を備えている。また、超音波モータ110は、第1吸振材118,第2吸振材119等を備えている。
振動子112は、弾性体112A,圧電体112Bを備えている。
弾性体112Aは、略円環形状の部材であり、一方の端面には、圧電体112Bが設けられ、他方の面には、複数の溝を切って形成された櫛歯部112Aaが形成されている。この櫛歯部112Aaの先端面は、圧電体112Bの励振によって進行波が発生し、回転体113を駆動する駆動面112Adとなる。
【0044】
圧電体112Bは、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する機能を有する。この圧電体112Bは、図示しない電極がフレキシブルプリント基板と接続しており、このフレキシブルプリント基板から供給される駆動電力によって励振される。
【0045】
回転体113は、略円環形状の部材であり、振動子112(弾性体112Aの駆動面112Ad)に接触する略円環状の接触面113Aと、軸受120(外輪122)と結合する円筒状の結合部113Bと、を有している。
回転体113は、結合部113Bが、後述する軸受120における外輪122の結合部122Aに嵌合し、第1吸振材118を介して外輪122に相対回転不能に結合されている。
【0046】
第1吸振材118は、ゴム等を用いて形成された略円環形状の部材である。この第1吸振材118は、その粘弾性で回転体113と軸受120の外輪122とを一体に回転可能とする機能と、回転体113の振動を吸収して外輪122へ伝えないようにする機能とを有している。
【0047】
軸受120は、前述した第1実施形態における軸受20と同様に、内輪121と、外輪122と、内輪121と外輪122との間に配置されたボール123と、を備え、内輪121と外輪122とがボール123の転動によって低摩擦で相対回転自在に構成されている。
ただし、外輪122における回転体113が結合される結合部122Aは、外輪122の外周側であり、回転体113の結合部113Bが、外周に嵌るようになっている。
【0048】
また、外輪122の外周には、出力突起110Pが突設されている。出力突起110Pは、例えば被駆動部材に設けられたフォーク状の係合部材と係合し、係合部材を介して被駆動部材を回転駆動するように機能する。
すなわち、外輪122は、回転体113を支持する機能と、回転体113の回転力を外部に出力する機能とを有する。
【0049】
軸受120は、内輪121が支持環111に相対回転不能に嵌合し、その一方(Z軸プラス側)の端面が支持環111のフランジ111Aに当接して設けられている。
軸受120における外輪122の結合部122Aには、回転体113の結合部113Bが嵌合し、第1吸振材118を介して結合されている。これにより、軸受120は、回転体113を回転自在に支持している。
【0050】
軸受120における内輪121の内転動面121Aはラジアル内面部121Arとスラスト内面部121Asとを有し、外輪122の外転動面122Bはラジアル外面部122Brとスラスト外面部122Bsとを有している。これにより、軸受120はスラスト荷重Fsとラジアル荷重Frの何れの荷重も受けることができる。
【0051】
また、軸受120における内輪121及び外輪122は、それぞれプラスチック素材によって、射出成形等によって形成されている。プラスチック素材としては、例えば、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が用いられる。
一方、ボール123は、ステンレス合金鋼又はセラミック等の素材によって形成されている。
【0052】
加圧部115は、振動子112と回転体113とを圧接させる加圧力を発生する部分であり、加圧板115Aと複数(本実施形態では2枚)の皿バネ115Bとを備えている。加圧板115Aは、皿バネ115Bが発生する弾性復帰力を受ける、略円環形状の板である。
【0053】
加圧部115と振動子112との間には、第2吸振材119が配置されている。
第2吸振材119は、不織布やフェルト等によって形成されている。この第2吸振材119は、振動子112の振動を加圧部115側へ伝えないようにする部材であり、圧電体112Bと加圧板115Aとの間に設けられている。
【0054】
固定リング116は、大径の円盤状で、支持環111の端部に設けられている。固定リング116は、加圧部115による振動子112を回転体113に圧接させる加圧力の反力を受ける部材である。また、固定リング116は、当該超音波モータ110を不図示の外部操作手段(例えば、フォーカス操作環、ズーム操作環等)の回転と連動させている。
【0055】
固定リング116の裏面側(Z軸マイナス側)には、電源供給部130が形成されている。
電源供給部130は、フレキシブルプリント基板131を介して振動子112の圧電体112Bと接続されており、フレキシブルプリント基板131を介して圧電体112Bに駆動電力を供給する。
【0056】
上記のように構成された超音波モータ110は、振動子112が加圧部115の加圧力で回転体113に押圧付勢され、駆動面112Adが接触面113Aに所定の力で圧接されている。そして、振動子112における圧電体112Bの2つの電極に位相の異なる2つの交流駆動波形が入カされると、圧電体112Bの変形によって弾性体112Aの回転体113側に進行波が発生する。この進行波によって、振動子112(駆動面112Ad)に圧接された回転体113(接触面113A)が摩擦駆動されて回転する。回転体113の回転は、第1吸振材118を介して軸受120の外輪122に伝達され、外輪122、すなわち出力突起110Pが回転(周回)し、回転力を外部に出力する。
【0057】
軸受120は、回転体113を介して外輪122に作用する加圧部115によるスラスト荷重Fsに抗して、回転体113を安定的に回転可能に支持することができる。また、出力突起110Pが被駆動部材を駆動することで生ずるラジアル荷重Frに抗して、外輪122を、偏芯を防いで安定的に回転させることができる。その結果、速度ムラ少ない回転力を、外輪122(出力突起110P)を介して外部に出力可能となっている。
【0058】
また、前述した第1実施形態と同様に、軸受120の内輪121及び外輪122はプラスチック素材によって形成されている。このため、軽量に構成でき、更に、上記のように外周に突設された出力突起110Pと一体成型することが可能であり、低コストに製造できる。
【0059】
(第3実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。図5は、第3実施形態の超音波モータ210の縦(軸方向の)断面図である。
第3実施形態は、第2実施形態と略同様であるが、ボール123がリテーナ125に保持されている点が異なる。それ以外の部分については、第2実施形態と同様であるので、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0060】
リテーナ125は、内輪121及び外輪122の間の隙間の全周に延びる円環部材である。また、図5に示すように、リテーナ125における、そのリテーナ125の中心軸と平行な断面は、当該中心軸に対して一定の角度で傾いている。すなわち、リテーナ125は、円錐形の側面の一部を、一定の幅で切り取った形状を有している。リテーナ125の側面には、複数の穴が設けられており、その複数の穴に、ボール123が回動可能に保持されている。
【0061】
リテーナ125は、プラスチック製であり、射出成形等によって形成されている。プラスチック素材としては、例えば、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート等が用いられる。
【0062】
本実施形態によると、ボール123がリテーナ125によって保持されているので、ボール123の間隔が一定に保たれ、ボール同士の接触を防ぐことができる。このように、ボール123同士が接触しないため、ボール123同士のこすれや衝突により生じる接触音が発生しなくなる。したがって、超音波モータ210の更なる作動時の静音化が達成される。
また、リテーナ125はプラスチックで製造されているため、製造コストも安価ですむ。また、ボール123の個数を削減でき、組立性の向上が図られる。
【0063】
以上、本実施形態によると、以下の効果を有する。
(1)超音波モータ10,110,210において、外輪22,122は、プラスチック素材等の可塑性物質であり、金属材料等で構成されたボール23、123よりも剛性が低く、柔軟性が高い。このため、超音波モータ10,110,210が駆動したとき、外輪22,122とボール23,123とが安定的、又は、柔軟に接触するので、超音波モータ10,110,210の駆動が安定化、又は、静音化を図ることができる。
(2)超音波モータ10,110,210において、回転体13,113を回転可能に支持する軸受20,120は、内輪21,121における内転動面21A,121Aがラジアル内面部21Ar,121Arを有し、外輪22,122における外転動面22B,122Bがラジアル外面部22Br、122Brを有している、これにより、ラジアル荷重Frに抗して、外輪22,122を、偏芯を防いで安定的に回転させることができる。また、外輪22がプラスチック素材によって形成されている。このため、形状の自由度が高く、複雑な形状も一体成型可能であって、低コストに製造できる。
【0064】
(3)軸受20,120における外輪22,122の外周に、回転力を外部に出力する出力ギア10G又は出力突起110Pを備えている。これにより、出力用の別部材を備える必要が無く、部品点数及び組立工数の削減によって低コストに構成することができる。
【0065】
(4)回転体13,113を回転可能に支持する軸受20,120は、内輪21,121における内転動面21A,121Aがスラスト内面部21As,121Asを有し、外輪22における外転動面22B,122Bがスラスト外面部22Bs,122Bsを有している、これにより、回転体13,113を介して外輪22,122に作用する加圧バネ15又は加圧部115によるスラスト荷重Fsに抗して、外輪22,122を安定的に回転可能に支持することができる。
【0066】
(5)軸受20,120における外輪22,122と回転体13,113との間に、吸振材18,118が配置されていることにより、回転体13,113の振動を吸収して外輪22への伝達を抑制することができる。
(6)軸受20,120における内輪21,121がプラスチック素材によって形成されている。このため、形状の自由度が高く、複雑な形状も一括して成形可能であって、低コストに製造できる。
(7)カメラ1は、超音波モータ10,110の駆動によるカム筒5の移動によって焦点調節を行う。これにより、円滑な焦点調整が可能となっている。
(8)更に、ボール123をリテーナ125によって保持される構成にした場合、ボール23同士のこすれや衝突により生じる接触音が発生せず、超音波モータ210の更なる静音化が達成される。また、リテーナ125をプラスチックで製造することにより、製造コストも安価ですむ。
【0067】
(変形形態)
以上、説明した実施形態に限定されることなく、以下に示すような種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の範囲内である。
(1)本実施形態では、振動アクチュエータとして回転体13,113が回転する超音波モータ10,110を例に挙げて説明した。しかし、振動アクチュエータとしては、この形式に限らず、支持軸が回転する形式の超音波モータや、リニア型の超音波モータとしてもよい。
【0068】
(2)本実施形態において、振動アクチュエータとして超音波モータ10,110を例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、超音波領域以外の振動を利用する振動アクチュエータとしてもよい。
(3)本実施形態においては、超音波モータ10,110が、レンズ鏡筒3の焦点調節の駆動源として用いられる例を示したが、これに限らず、例えば、レンズ鏡筒3のズーム動作の駆動源や、カメラの撮像系の一部を駆動して手振れを補正する手振れ補正機構の駆動源であってもよい。更に、ビデオカメラ、携帯電話等に適用することができる。
(4)第3実施形態は、第2実施形態においてボール123をリテーナ125で保持した例について説明したが、これに限定されず、例えば第1実施形態においてボール23をリテーナで保持しても良い。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0069】
1:カメラ、10,110:超音波モータ、10G:出力ギア、12,112:振動子、13:回転体、15:加圧バネ、18:吸振材、20:軸受、21:内輪、22:外輪、23:ボール、110P:出力突起、112:振動子、115:加圧部、118:吸振材、120:軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対移動部と接触し、前記相対移動部の相対移動に必要な振動をする振動部と、
前記相対移動部を前記振動部との間に挟むように備えられ、前記振動部に対する前記相対移動部の移動に応じて前記振動部に対して相対的に移動する第1部材と、
転動部材を介して前記第1部材と対向し、前記第1部材が前記振動部に対して相対的に移動可能なように前記第1部材を支持する第2部材と、
前記振動部と前記相対移動部とが接触するように、前記第2部材と前記振動部との間に加圧力を生じさせる加圧部材とを含み、
前記第1部材は、可塑性物質を含有することを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項2】
請求項1に記載された振動アクチュエータであって、
前記第1部材は、前記振動部及び前記相対移動部の相対移動方向、及び、前記加圧力の方向と交差する方向の外周面に、外部に接続可能な接続部を有することを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項3】
請求項2に記載された振動アクチュエータであって、
前記接続部は、動力を伝達するギアであることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項4】
請求項1から請求項3までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記相対移動部及び前記振動部は、回転軸を中心に相対的に回転することを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項5】
請求項1から請求項4までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記転動部材は、前記第2部材の外周面と前記第1部材の内周面との間に備えられることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項6】
請求項1から請求項5までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記第1部材は、前記振動部及び前記相対移動部の相対移動方向、及び、前記加圧力の方向と交差する方向において前記第2部材と対向することを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項7】
請求項1から請求項6までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記転動部材は、前記加圧力の方向でみて、前記第1部材と前記第2部材との間に備えられることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項8】
請求項1から請求項7までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記加圧力の方向でみて、前記相対移動部と前記第1部材との間に備えられた振動吸収部材を有することを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項9】
請求項1から請求項8までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記第1部材は、プラスチックであることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項10】
請求項1から請求項9までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記第2部材は、可塑性物質を含有することを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項11】
請求項1から請求項10までの何れか1項に記載された振動アクチュエータであって、
前記転動部材は、金属の球であることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項12】
請求項1に記載された振動アクチュエータであって、
前記転動部材は、プラスチック製のリテーナによって保持されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項13】
請求項1から請求項12までの何れか1項に記載された振動アクチュエータを有することを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−10539(P2011−10539A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−117169(P2010−117169)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】