振動アクチュエータ
【課題】本発明は、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である振動アクチュエータを提供する。
【解決手段】振動アクチュエータ1は、コイル3及びマグネット4はそれぞれ一個である。マグネット4の一端はコイル3の中空部Sから外に配置され、マグネット4の他端はコイル3の中空部S内に配置されている。マグネット4の一端には、シャフト20が貫通する第1のポールピース21が配置され、マグネット4の他端には、シャフト20が貫通して第1のポールピース21に対して振動軸線L方向でマグネット4を挟んで対峙する第2のポールピース22が配置されている。筐体2は、マグネット4の振動予定領域Pに対応した部分が少なくとも磁性体により形成されている
【解決手段】振動アクチュエータ1は、コイル3及びマグネット4はそれぞれ一個である。マグネット4の一端はコイル3の中空部Sから外に配置され、マグネット4の他端はコイル3の中空部S内に配置されている。マグネット4の一端には、シャフト20が貫通する第1のポールピース21が配置され、マグネット4の他端には、シャフト20が貫通して第1のポールピース21に対して振動軸線L方向でマグネット4を挟んで対峙する第2のポールピース22が配置されている。筐体2は、マグネット4の振動予定領域Pに対応した部分が少なくとも磁性体により形成されている
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯無線装置の着信を利用者に知らせるための振動発生源や、タッチパネルの操作感触や遊戯機の臨場感を指や手に伝えるための振動発生源などに利用される小型の振動アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2003−220363号公報がある。この公報に記載された振動アクチュエータは、合成樹脂からなる円筒状のフレーム(筐体)と駆動コイルと可動子とで構成される。フレームの軸方向の一側端には、円筒状のコイルボビンにマグネットワイヤを巻回して形成された駆動コイルが片持ち状態で固定されている。可動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークと、ヨーク内に収容されてヨークの底部の内側に一端が固定されたマグネットと、マグネットに対向してヨークの底部の外側に固定された錘と、ヨーク内に収容されてマグネットの他端に固定された磁性材料からなるポールピースと、からなる。この可動子には、フレームに両端が固定された軸(シャフト)が貫通する。可動子は、フレーム内で両側に配置されたコイルばねで挟むようにして付勢され、一方のコイルばねは、カップ状ヨークの開放端を付勢し、他方のコイルばねは錘を付勢している。また、円筒状に巻かれた駆動コイルは、径方向においてカップ状ヨークとマグネットとの間に配置されている。円筒状のフレーム(筐体)は、非磁性体であり、この場合の磁気回路は、マグネットとカップ状ヨークとポールピースとで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−220363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の振動アクチュエータでは、カップ状のヨークが利用され、径方向において、マグネットとカップ状のヨークとの間に駆動コイルが配置されるので、構造が複雑化し、組み立てが難しく、筐体の径を小さくするような小型化が難しいといった問題点がある。
【0005】
本発明は、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である振動アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筒状の筺体内に配置されたコイルと、このコイルに包囲されて筺体内に配置されたマグネットとの協働により、マグネットが筺体の振動軸線に沿ってリニアに振動する振動アクチュエータにおいて、
筺体の振動軸線に沿って配置され、筺体の振動軸線方向における両端に設けられた端壁に両端が固定されたシャフトと、
シャフトが貫通すると共に、シャフトの延在方向に移動自在なマグネットと、シャフトの延在方向でマグネットに隣接して筺体内に配置され、シャフトが貫通すると共に、マグネットと一体に移動自在な錘部と、を有する可動子と、
可動子と端壁との間に配置され、可動子を振動軸線方向に付勢する弾性部材と、を備え、
コイル及びマグネットはそれぞれ一個であり、
マグネットの一端はコイルの中空部から外に配置され、マグネットの他端はコイルの中空部内に配置され、
マグネットの一端には、シャフトが貫通する第1のポールピースが配置され、マグネットの他端には、シャフトが貫通して第1のポールピースに対して振動軸線方向でマグネットを挟んで対峙する第2のポールピースが配置され、
筐体は、マグネットの振動予定領域に対応した部分が少なくとも磁性体により形成されていることを特徴とする。
【0007】
この振動アクチュエータにおけるマグネット、ポールピース及び錘部には、シャフトが貫通し、このシャフトの両端は、筺体の振動軸線方向における両端の端壁にそれぞれ固定され、シャフトに案内されながら、マグネット、ポールピース及び錘部が一体となって振動する。固定されたシャフトを利用することで、錘部の重心の位置が振動軸線からずれることが防止され、安定した振動を確保できる。さらに、落下衝撃が生じた場合であっても錘部が筺体に衝突することが防止され、耐落下衝撃性を向上させることができる。また、コイル及びマグネットはそれぞれ一個であるので、小型化に適し、筐体内でのスペースを有効に利用することができ、その結果として、筐体内での錘部の大型化を可能にしている。しかも、マグネットの一端には、シャフトが貫通する第1のポールピースが配置され、マグネットの他端には、シャフトが貫通して第1のポールピースに対して振動軸線方向で対向する第2のポールピースが配置され、筐体は、マグネットの振動予定領域に対応した部分が少なくとも磁性体により形成される。従って、従来のようにカップ状のヨークを利用する必要がないので、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である。
【0008】
また、第1のポールピースの周縁は、筐体に接近させられていると好適である。
第1のポールピースはコイルの中空部から外に配置されているので、大型化させ易く、その結果、第1のポールピースの周縁を筐体に接近させることができ、磁気回路の効率アップを図ることができる。
【0009】
また、錘部は、振動軸線方向においてマグネットの両側に配置された第1の錘部と第2の錘部とからなり、弾性部材は、第1の錘部と筺体の一方の端壁との間に配置された第1の圧縮コイルばねと、第2の錘部と筺体の他方の端壁との間に配置された第2の圧縮コイルばねと、からなり、マグネットの一端と第1の錘部との間に第1のポールピースが配置され、マグネットの他端と第2の錘部との間に第2のポールピースが配置されていると好適である。
この場合、錘部、ポールピース、及びマグネットは、第1の圧縮コイルばねと第2の圧縮コイルばねとにより両側から付勢力を受けながら振動するので、安定した振動を確実かつ容易に得ることができる。さらに、錘部とポールピースとマグネットとは、対向する第1の圧縮コイルばねと第2の圧縮コイルばねを採用することによって、振動軸線方向で互いに圧着されて一体化されるので、接着剤を用いなくとも、各部品同志を連結させておくことができる。特に、錘部、マグネット、ポールピースにはシャフトが貫通しているので、接着剤がハミ出していると、接着剤とシャフトとが摺り合うことで摩擦抵抗を発生するが、本発明は、このような事態を回避させることができる。
【0010】
また、錘部の端部は、振動軸線に沿ってばね受入凹部が形成され、錘部は、ばね受入凹部内に配置された軸受によりシャフトに対して支持され、ばね受入凹部内に挿入された弾性部材により軸受及び錘部が付勢されると好適である。
軸受の採用により、錘部がシャフトに接触することなく安定した振動が達成されるので、騒音の低減を図ることができる。さらに、ばね受入凹部内に軸受を配置させることで、軸受を錘部の重心位置に近づけることができ、これによっても、騒音の低減が可能になる。しかも、弾性部材をばね受入凹部内に挿入させることで、弾性部材の振動軸線方向における全長を長くすることができ、これによって、安定した弾性力を発揮させることができ、しかも接着剤を用いなくとも、軸受が錘部から外れ難いといった効果を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る振動アクチュエータの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された振動アクチュエータの断面図である。
【図3】本発明に係る振動アクチュエータの第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る振動アクチュエータの第3の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る振動アクチュエータの第4の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る振動アクチュエータの第5の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る振動アクチュエータの第6の実施形態を示す断面図である。
【図8】(a)は板バネの平面図であり、(b)は板バネの側面図である。
【図9】本発明に係る振動アクチュエータの第7の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係る振動アクチュエータの第8の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明に係る振動アクチュエータの第9の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る振動アクチュエータの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1及び図2に示されるように、振動アクチュエータ1は、直径が約4.5mmの円筒状の筺体2を有している。この筺体2内には、筺体2の振動軸線Lを中心に環状に巻かれたコイル3と、このコイル3に包囲された円筒状のマグネット4と、筺体2の振動軸線L方向においてマグネット4の両側に隣接して配置された第1及び第2の錘部6,7と、が収容されている。この振動アクチュエータ1では、可動子8を構成するマグネット4と第1及び第2の錘部6,7と後述する第1及び第2のポールピース21,22とが一体となって、コイル3とマグネット4との協働により、筺体2の振動軸線L方向に沿ってリニアに振動する。
【0015】
筺体2は、振動軸線Lを分割する方向において第1の筐体10と第2の筐体11とで2分割されている。より具体的には、2分割された筺体2のうち第1の筺体10は、筺体2の振動軸線L方向における一端に位置する円板状の端壁10aと、この端壁10aから振動軸線L方向に延びた円筒状の周壁10bと、からなり、第1の錘部6、コイル3、第1及び第2のポールピース21,22及びマグネット4を収容している。
【0016】
第2の筺体11は、第1の筺体10に振動軸線L方向で対向して配置されている。この第2の筺体11は、筺体2の振動軸線L方向における他端に位置する円板状の端壁11aと、この端壁11aから振動軸線L方向に延びた円筒状の周壁11bと、からなり、第2の錘部7を収容している。第1及び第2の筺体10,11は、SPCC(冷間圧延鋼板)などの磁性体により成形されている。そして、第1の筺体10と第2の筺体11との間から、樹脂製のボビン12の一部をなす端子台12dが露出している。
【0017】
ボビン12は、第1及び第2の筺体10,11の周壁10b,11bよりも直径が小さく、周壁10b内に挿入されて周壁10bの内面に隣接するようにコイル3が巻かれる筒状部12aと、筒状部12aの振動軸線L方向における両端に形成されたフランジ部12b,12cと、肉厚のフランジ部12bの外端部から周壁11bに沿って延在する端子台12dと、を有している。筒状部12aは、振動軸線L方向における筺体2の略中央に位置し、一方のフランジ部12cは、第1の筺体10の周壁10bの内周面に当接し、他方のフランジ部12bは、周壁10bと周壁11bとの間から露出し、周壁11bの表面に沿って延在する端子台12dには、リード線14に半田付けされる端子13が固定されている。
【0018】
そして、第1及び第2の筺体10,11の周壁10b,11bの開放側端部同志は、ボビン12のフランジ部12bが露出する部分を除く位置で互いに突き合わされており、数箇所の溶接部D1により接合されている(図1参照)。
【0019】
両端壁10a,11aのそれぞれにおける中心位置には、シャフト保持孔16,17が形成されており、これらのシャフト保持孔16,17の周囲には、バーリング加工によって、端壁10a,11aから筺体2の内方に向けて突出する円環状の突起18,19が形成されている。そして、このシャフト保持孔16,17に、直径約0.6mmの非磁性体からなるシャフト20の両端が圧入されており、さらに、シャフト20の両端部は、溶接部D2(図1参照)によって両端壁10a,11aに固定されている。このようにして、シャフト20は、筺体2の振動軸線Lに沿って配置されると共に、振動軸線L方向において第1の筺体10と第2の筺体11とを強固に連結している。そして、このシャフト20は、前述した可動子8を貫通している。
【0020】
可動子8についてより詳しく説明すると、マグネット4には、振動軸線L方向にS極とN極とが着磁されると共に、シャフト20の外径よりも直径が若干大きいシャフト貫通孔4aが形成されている。このマグネット4は、ボビン12の筒状部12a内に配置されている。さらに、マグネット4とその振動軸線L方向の両側に配置された第1及び第2の錘部6,7との間には、磁性体からなり振動軸線Lに直交する方向のみに延在する円形平板状の第1及び第2のポールピース21,22がそれぞれ配置されている。これらポールピース21,22は、コイル3とマグネット4と磁性体からなる第1の筺体10との協働で磁気回路を構成している。この磁気回路は、シャフト20が非磁性体であるので磁気効率がよい。
【0021】
円柱状の第1の錘部6は、ボビン12から振動軸線L方向で離間させられている。第2の錘部7は、ボビン12の筒状部12aの中空部S内に挿入される胴部7aと、第2の筺体11の端壁11a側で胴部7aよりも拡径されたフランジ部7bと、を有している。そして、マグネット4の端部はボビン12の筒状部12aから突出させられているので、第1の錘部6は、その全長に渡って、第1の筺体10の内周面のギリギリまで大径化を図ることができる。これによって、非常に小さな筺体2内にあっても、第1の錘部6の大型化を可能にする。
【0022】
第1及び第2の錘部6,7には、シャフト20の外径よりも直径が大きいシャフト貫通孔23,24が形成されており、シャフト貫通孔23,24の途中には、シャフト20が貫通する第1及び第2の軸受(焼結含油軸受)25,26が配置されている。また、第1及び第2の錘部6,7には、シャフト貫通孔23,24を途中から拡径して端面まで延びる円柱形状の第1及び第2のばね受入凹部27,28が形成されている。
【0023】
第1のばね受入凹部27内には、シャフト20に対して第1の錘部6を支持するための第1の軸受25が挿入されている。第1の軸受25と端壁10aとの間には、第1のばね受入凹部27内に挿入された第1の圧縮コイルばね30が配置され、第1の圧縮コイルばね30によって第1の軸受25及び第1の錘部6が付勢されている。また、この第1の圧縮コイルばね30内をシャフト20が貫通する。第2のばね受入凹部28内には、シャフト20に対して第2の錘部7を支持するための第2の軸受26が挿入されている。第2の軸受26と端壁11aとの間には、第2のばね受入凹部28内に挿入された第2の圧縮コイルばね31が配置され、第2の圧縮コイルばね31によって第2の軸受26及び第2の錘部7が付勢されている。また、この第2の圧縮コイルばね31内をシャフト20が貫通する。
【0024】
軸受25,26の採用により、錘部6,7がシャフト20に接触することなく安定した振動が達成されるので、騒音の低減を図ることができる。さらに、ばね受入凹部27,28内に軸受を配置させることで、軸受25,26を錘部6,7の重心位置に近づけることができ、これによっても、騒音の低減が可能になる。しかも、圧縮コイルばね30,31をばね受入凹部内27,28に挿入させることで、圧縮コイルばね30,31の振動軸線L方向における全長を長くすることができ、これによって、安定した弾性力を発揮させることができ、しかも接着剤を用いなくとも、軸受25,26が錘部6,7から外れ難いといった効果を有する。
【0025】
ここで、第1の圧縮コイルばね30及び第2の圧縮コイルばね31としては、同一の部品が用いられている。第1及び第2の圧縮コイルばね30,31の一端側には、両端壁10a,11aに形成された突起18,19が嵌入されており、これにより、第1及び第2の圧縮コイルばね30,31がシャフト20に当たることがない。一方、第1及び第2の圧縮コイルばね30,31の他端側は、第1及び第2の錘部6,7のばね受入凹部27,28内に挿入されると共に、ばね受入凹部27,28内の軸受25,26に当接され、各軸受25,26は、圧縮コイルばね30,31に付勢力により第1及び第2の錘部6,7に圧着させられている。
【0026】
上記構成により、第1及び第2の錘部6,7、ポールピース21,22、及びマグネット4は、同軸上に配置された状態で第1及び第2の圧縮コイルばね30,31により振動軸線L方向に付勢され、この付勢力により、互いに圧着されて一体化されている。従って、第1及び第2の錘部6,7とポールピース21,22とマグネット4とを、接着剤を用いなくとも互いに連結することができる。なお、接着剤を用いても良い。これらの部品により構成された可動子8は、第1及び第2の圧縮コイルばね30,31による付勢力を両側から受けつつ、軸受25,26を介してシャフト20に沿って振動軸線L方向に移動自在になっている。
【0027】
振動アクチュエータ1によれば、筺体2の各端壁10a,11aにそれぞれの端が固定されたシャフト20は、マグネット4、ポールピース21,22及び錘部6,7を貫通し、固定されたシャフト20に案内されながら、マグネット4、ポールピース21,22及び錘部6,7が一体となって振動するので、錘部6,7の重心の位置が振動軸線Lからずれて暴れることが防止され、安定した振動を確保できる。さらに、落下衝撃が生じた場合であっても錘部6,7が筺体2に衝突することが防止され、耐落下衝撃性を向上させることができる。
【0028】
また、振動軸線Lを分割する方向において筺体2は2分割されているので、シャフト20の両端が筺体2の両端壁10a,11aに固定されていると、シャフト20が連結バーとして機能し、これにより、第1の筺体10と第2の筺体11との連結強度が向上する。従って、落下衝撃時に、筺体2が振動軸線L方向に分断されてしまって、筺体2から錘部6,7やマグネット4が飛び出してしまうような事態を回避させることができる。
【0029】
さらに、錘部6,7、ポールピース21,22、及びマグネット4は、第1の圧縮コイルばね30と第2の圧縮コイルばね31とにより両側から付勢力を受けながら振動するので、安定した振動を確実かつ容易に得ることができる。さらに、対向する第1の圧縮コイルばね30と第2の圧縮コイルばね31を採用することによって、錘部6,7、ポールピース21,22、及びマグネット4は、振動軸線L方向で互いに圧着されて一体化されるので、接着剤を用いなくとも、各部品同志を連結させておくことができる。特に、錘部6,7、マグネット4、ポールピース21,22にはシャフト20が貫通しているので、接着剤がハミ出していると、接着剤とシャフト20とが摺り合うことで摩擦抵抗を発生するが、振動アクチュエータ1では、このような事態を回避させることができる。
【0030】
また、振動軸線L方向において、マグネット4の両側に第1の錘部6と第2の錘部7とを配置させているので、より一層安定した振動を確保することができる。さらに、第1及び第2の錘部6,7は、軸受25,26を介してシャフト20に沿って移動させているので、シャフト20に沿ったバランスの良い振動が得られる。
【0031】
また、第1の筺体10の周壁10bが磁気回路の一部を担っているため、コイル34,35を包囲するようなカップ状のヨークを別途用意する必要がなく、径方向における小型化を図ることができる。そして、磁気回路が第1の筺体10内で完結しているので、第1の筺体10と第2の筺体11との境界を磁気が通過することがなく、これによって、磁気損失の低減が図られている。さらにまた、第1の圧縮コイルばね30と第2の圧縮コイルばね31とは、同一の部品であるため、部品の共有化も図られている。
【0032】
前述したように、コイル3及びマグネット4はそれぞれ一個であるので、小型化に適し、筐体2内でのスペースを有効に利用することができ、その結果として、筐体2内での錘部6,7の大型化を可能にしている。しかも、マグネット4の一端はコイル3の中空部Sから外に配置され、マグネット4の他端はコイル3の中空部S内に配置され、マグネット4の一端には、シャフト20が貫通する円板状の第1のポールピース21が配置され、マグネット4の他端には、シャフト20が貫通して第1のポールピース21に対して振動軸線L方向でマグネット4を挟んで平行に対峙する円板状の第2のポールピース22が配置され、筐体2を磁性体により形成させている。従って、従来のようにカップ状のヨークを利用する必要がないので、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体2の径を小さくするような小型化の促進が容易である。
【0033】
また、第1のポールピース21はコイル3の中空部Sから外に配置されているので、第1のポールピース21の周縁を筐体2に接近させるような大型化が可能であり、その結果、磁気回路の効率アップを図ることができる。
【0034】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0035】
図3に示されるように、変形例としての振動アクチュエータ1Aにおいて、筐体2Aは、第1の筺体10Aと第2の筺体11Aとで振動軸線L方向で略2等分割されている。第1の筺体10Aの開放端と第2の筺体11Aの開放端とは、図示しないが突き合わされて、周方向で溶接により接合されており、磁気の通路は確保されている。この振動アクチュエータ1Aの磁気回路は、磁性体からなる第1の筺体10Aと第2の筺体11Aとに依存しており、磁気損失の低減効果は図2の振動アクチュエータ1に劣るが、端子13を筐体2Aの中央に配置させることができる。なお、振動アクチュエータ1Aの他の構成は、振動アクチュエータ1と同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0036】
図4に示されるように、他の変形例としての振動アクチュエータ1Bにおいて、筐体2Bは、有底の円筒状をなして全長に渡って延在すると共に、磁性体により形成された筺体本体50Aと、筐体本体50Aの開口を閉鎖する樹脂製の蓋部50Bと、によって構成されている。この蓋部50Bには、第2の圧縮コイルばね31の着座安定化を図るための凹部50aが形成されている。また、筐体本体50Aの内面には空芯コイル51が固定されている。空芯コイル51の利用によって、筐体2B内のスペースの拡大化又は筐体2Bの小径化すなわち小型化を可能にする。なお、振動アクチュエータ1Bの他の構成は、振動アクチュエータ1と同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0037】
図5に示されるように、更に他の変形例としての振動アクチュエータ1Cにおいて、筐体2Cは、第1の筺体10Cと第2の筺体11Cとで振動軸線L方向で分割されている。第1の筺体10Cの開放端と第2の筺体11Cの開放端とは、図示しないが突き合わされて、周方向で溶接により接合されており、磁気の通路は確保されている。マグネット4の片側のみに錘部52が配置され、円柱状の錘部52は、筐体2C内で大型化が図られ、それに伴って、ばね受入凹部53内の軸受54も大型化されている。また、第2の圧縮コイルばね31の端部は第2のポールピース22に当接させられている。なお、振動アクチュエータ1Cの他の構成は、振動アクチュエータ1と同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0038】
図6に示されるように、更に他の変形例としての振動アクチュエータ1Dにおいて、筐体2Dは、有底の円筒状をなして全長に渡って延在すると共に、磁性体により形成された筺体本体55Aと、筐体本体55Aの開口を閉鎖する樹脂製の蓋部55Bと、によって構成されている。この蓋部55Bには、第2の圧縮コイルばね31の着座安定化を図るための凹部55aが形成され、この凹部55aはシャフト20と同心の円柱状をなしている。蓋部55Bには、空芯コイル56の中空部Sに圧入される環状の凸部57が形成され、空芯コイル56は蓋部55Bに接着剤により固定されている。なお、振動アクチュエータ1Dの他の構成は、振動アクチュエータ1Cと同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0039】
弾性部材として、圧縮コイルばねに限らず板バネであってもよい。例えば、図7に示されるように、振動アクチュエータ1Fにおいて、第1の板バネ61及び第2の板バネ62を利用して、第1の錘部63及び第2の錘部64を支持してもよい。第1及び第2の錘部63,64の端部に第1及び第2の軸受25,26が配置され、各軸受25,26は、板バネ61,62のばね受けとして利用されている。第1の板バネ61と第2の板バネ62は、同一形状を有し、図8に示されるように、円板に複数の円弧状スリット60aと中央開口60bとを打ち抜き加工することで、円錐台形状のばねになっている。なお、円錐コイルばねの適用も可能である。
【0040】
錘部6,7,52がタングステンの場合は、表面が粗いことから摩擦抵抗が大きくなったり、孔径の寸法管理が難しくなったりするので、別途に軸受を利用することが好ましい。摩擦抵抗の大きくない材質の場合は、軸受を錘部6,7,52に作り込むこともできる。例えば、図9に示されるように、振動アクチュエータ1Gにおいて、第1の錘部66及び第2の錘部67には、シャフト貫通孔66a,67aの途中を縮径してなる軸受部66b,67bが形成されている。また、図10に示されるように、振動アクチュエータ1Hにおいて、第1の錘部68及び第2の錘部69には、シャフト貫通孔68a,69aの端部を縮径してなる軸受部68b,69bが形成され、各錘部68,69は、第1及び第2の板バネ61,62(図8参照)で付勢されている。
【0041】
前述した筐体2,2A〜2Dの断面形状は、円形、四角形、多角形のいずれであってもよい。例えば、図11に示されるように、振動アクチュエータ1Iにおいて、断面四角形の筐体2E内には、断面四角形のコイル70、マグネット71、第1及び第2の錘部72,73及び四角形の板状をなす第1及び第2のポールピース74,75が収納されている。
【0042】
シャフト20は、磁性体であってもよい。
【0043】
筐体2,2A〜2Eは、磁気回路の一部を構成しているので、ポールピース21,22の肉厚を考慮したマグネット4,71の振動予定領域P(図2参照)に対応した部分が少なくとも磁性体により形成されていればよく、必ずしも筐体全体が磁性体である必要はない。
【符号の説明】
【0044】
1,1A〜1I…振動アクチュエータ、2,2A〜2E…筐体、3,51,56,70…コイル、4,71…マグネット、6,7,52,63,64,66,67,68,69,72,73…錘部、8…可動子、10a,11a…筐体の端壁、20…シャフト、21,74…第1のポールピース、22,75…第2のポールピース、25,26…軸受、27,28…ばね受入凹部、30…第1の圧縮コイルばね(弾性部材)、31…第2の圧縮コイルばね(弾性部材)、61,62…板バネ(弾性部材)L…振動軸線、S…コイルの中空部、P…振動予定領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯無線装置の着信を利用者に知らせるための振動発生源や、タッチパネルの操作感触や遊戯機の臨場感を指や手に伝えるための振動発生源などに利用される小型の振動アクチュエータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、特開2003−220363号公報がある。この公報に記載された振動アクチュエータは、合成樹脂からなる円筒状のフレーム(筐体)と駆動コイルと可動子とで構成される。フレームの軸方向の一側端には、円筒状のコイルボビンにマグネットワイヤを巻回して形成された駆動コイルが片持ち状態で固定されている。可動子は、磁性材料からなるカップ状ヨークと、ヨーク内に収容されてヨークの底部の内側に一端が固定されたマグネットと、マグネットに対向してヨークの底部の外側に固定された錘と、ヨーク内に収容されてマグネットの他端に固定された磁性材料からなるポールピースと、からなる。この可動子には、フレームに両端が固定された軸(シャフト)が貫通する。可動子は、フレーム内で両側に配置されたコイルばねで挟むようにして付勢され、一方のコイルばねは、カップ状ヨークの開放端を付勢し、他方のコイルばねは錘を付勢している。また、円筒状に巻かれた駆動コイルは、径方向においてカップ状ヨークとマグネットとの間に配置されている。円筒状のフレーム(筐体)は、非磁性体であり、この場合の磁気回路は、マグネットとカップ状ヨークとポールピースとで構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−220363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述した従来の振動アクチュエータでは、カップ状のヨークが利用され、径方向において、マグネットとカップ状のヨークとの間に駆動コイルが配置されるので、構造が複雑化し、組み立てが難しく、筐体の径を小さくするような小型化が難しいといった問題点がある。
【0005】
本発明は、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である振動アクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筒状の筺体内に配置されたコイルと、このコイルに包囲されて筺体内に配置されたマグネットとの協働により、マグネットが筺体の振動軸線に沿ってリニアに振動する振動アクチュエータにおいて、
筺体の振動軸線に沿って配置され、筺体の振動軸線方向における両端に設けられた端壁に両端が固定されたシャフトと、
シャフトが貫通すると共に、シャフトの延在方向に移動自在なマグネットと、シャフトの延在方向でマグネットに隣接して筺体内に配置され、シャフトが貫通すると共に、マグネットと一体に移動自在な錘部と、を有する可動子と、
可動子と端壁との間に配置され、可動子を振動軸線方向に付勢する弾性部材と、を備え、
コイル及びマグネットはそれぞれ一個であり、
マグネットの一端はコイルの中空部から外に配置され、マグネットの他端はコイルの中空部内に配置され、
マグネットの一端には、シャフトが貫通する第1のポールピースが配置され、マグネットの他端には、シャフトが貫通して第1のポールピースに対して振動軸線方向でマグネットを挟んで対峙する第2のポールピースが配置され、
筐体は、マグネットの振動予定領域に対応した部分が少なくとも磁性体により形成されていることを特徴とする。
【0007】
この振動アクチュエータにおけるマグネット、ポールピース及び錘部には、シャフトが貫通し、このシャフトの両端は、筺体の振動軸線方向における両端の端壁にそれぞれ固定され、シャフトに案内されながら、マグネット、ポールピース及び錘部が一体となって振動する。固定されたシャフトを利用することで、錘部の重心の位置が振動軸線からずれることが防止され、安定した振動を確保できる。さらに、落下衝撃が生じた場合であっても錘部が筺体に衝突することが防止され、耐落下衝撃性を向上させることができる。また、コイル及びマグネットはそれぞれ一個であるので、小型化に適し、筐体内でのスペースを有効に利用することができ、その結果として、筐体内での錘部の大型化を可能にしている。しかも、マグネットの一端には、シャフトが貫通する第1のポールピースが配置され、マグネットの他端には、シャフトが貫通して第1のポールピースに対して振動軸線方向で対向する第2のポールピースが配置され、筐体は、マグネットの振動予定領域に対応した部分が少なくとも磁性体により形成される。従って、従来のようにカップ状のヨークを利用する必要がないので、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である。
【0008】
また、第1のポールピースの周縁は、筐体に接近させられていると好適である。
第1のポールピースはコイルの中空部から外に配置されているので、大型化させ易く、その結果、第1のポールピースの周縁を筐体に接近させることができ、磁気回路の効率アップを図ることができる。
【0009】
また、錘部は、振動軸線方向においてマグネットの両側に配置された第1の錘部と第2の錘部とからなり、弾性部材は、第1の錘部と筺体の一方の端壁との間に配置された第1の圧縮コイルばねと、第2の錘部と筺体の他方の端壁との間に配置された第2の圧縮コイルばねと、からなり、マグネットの一端と第1の錘部との間に第1のポールピースが配置され、マグネットの他端と第2の錘部との間に第2のポールピースが配置されていると好適である。
この場合、錘部、ポールピース、及びマグネットは、第1の圧縮コイルばねと第2の圧縮コイルばねとにより両側から付勢力を受けながら振動するので、安定した振動を確実かつ容易に得ることができる。さらに、錘部とポールピースとマグネットとは、対向する第1の圧縮コイルばねと第2の圧縮コイルばねを採用することによって、振動軸線方向で互いに圧着されて一体化されるので、接着剤を用いなくとも、各部品同志を連結させておくことができる。特に、錘部、マグネット、ポールピースにはシャフトが貫通しているので、接着剤がハミ出していると、接着剤とシャフトとが摺り合うことで摩擦抵抗を発生するが、本発明は、このような事態を回避させることができる。
【0010】
また、錘部の端部は、振動軸線に沿ってばね受入凹部が形成され、錘部は、ばね受入凹部内に配置された軸受によりシャフトに対して支持され、ばね受入凹部内に挿入された弾性部材により軸受及び錘部が付勢されると好適である。
軸受の採用により、錘部がシャフトに接触することなく安定した振動が達成されるので、騒音の低減を図ることができる。さらに、ばね受入凹部内に軸受を配置させることで、軸受を錘部の重心位置に近づけることができ、これによっても、騒音の低減が可能になる。しかも、弾性部材をばね受入凹部内に挿入させることで、弾性部材の振動軸線方向における全長を長くすることができ、これによって、安定した弾性力を発揮させることができ、しかも接着剤を用いなくとも、軸受が錘部から外れ難いといった効果を有する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体の径を小さくするような小型化の促進が容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る振動アクチュエータの第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1に示された振動アクチュエータの断面図である。
【図3】本発明に係る振動アクチュエータの第2の実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係る振動アクチュエータの第3の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係る振動アクチュエータの第4の実施形態を示す断面図である。
【図6】本発明に係る振動アクチュエータの第5の実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る振動アクチュエータの第6の実施形態を示す断面図である。
【図8】(a)は板バネの平面図であり、(b)は板バネの側面図である。
【図9】本発明に係る振動アクチュエータの第7の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係る振動アクチュエータの第8の実施形態を示す断面図である。
【図11】本発明に係る振動アクチュエータの第9の実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しつつ本発明に係る振動アクチュエータの好適な実施形態について詳細に説明する。
【0014】
図1及び図2に示されるように、振動アクチュエータ1は、直径が約4.5mmの円筒状の筺体2を有している。この筺体2内には、筺体2の振動軸線Lを中心に環状に巻かれたコイル3と、このコイル3に包囲された円筒状のマグネット4と、筺体2の振動軸線L方向においてマグネット4の両側に隣接して配置された第1及び第2の錘部6,7と、が収容されている。この振動アクチュエータ1では、可動子8を構成するマグネット4と第1及び第2の錘部6,7と後述する第1及び第2のポールピース21,22とが一体となって、コイル3とマグネット4との協働により、筺体2の振動軸線L方向に沿ってリニアに振動する。
【0015】
筺体2は、振動軸線Lを分割する方向において第1の筐体10と第2の筐体11とで2分割されている。より具体的には、2分割された筺体2のうち第1の筺体10は、筺体2の振動軸線L方向における一端に位置する円板状の端壁10aと、この端壁10aから振動軸線L方向に延びた円筒状の周壁10bと、からなり、第1の錘部6、コイル3、第1及び第2のポールピース21,22及びマグネット4を収容している。
【0016】
第2の筺体11は、第1の筺体10に振動軸線L方向で対向して配置されている。この第2の筺体11は、筺体2の振動軸線L方向における他端に位置する円板状の端壁11aと、この端壁11aから振動軸線L方向に延びた円筒状の周壁11bと、からなり、第2の錘部7を収容している。第1及び第2の筺体10,11は、SPCC(冷間圧延鋼板)などの磁性体により成形されている。そして、第1の筺体10と第2の筺体11との間から、樹脂製のボビン12の一部をなす端子台12dが露出している。
【0017】
ボビン12は、第1及び第2の筺体10,11の周壁10b,11bよりも直径が小さく、周壁10b内に挿入されて周壁10bの内面に隣接するようにコイル3が巻かれる筒状部12aと、筒状部12aの振動軸線L方向における両端に形成されたフランジ部12b,12cと、肉厚のフランジ部12bの外端部から周壁11bに沿って延在する端子台12dと、を有している。筒状部12aは、振動軸線L方向における筺体2の略中央に位置し、一方のフランジ部12cは、第1の筺体10の周壁10bの内周面に当接し、他方のフランジ部12bは、周壁10bと周壁11bとの間から露出し、周壁11bの表面に沿って延在する端子台12dには、リード線14に半田付けされる端子13が固定されている。
【0018】
そして、第1及び第2の筺体10,11の周壁10b,11bの開放側端部同志は、ボビン12のフランジ部12bが露出する部分を除く位置で互いに突き合わされており、数箇所の溶接部D1により接合されている(図1参照)。
【0019】
両端壁10a,11aのそれぞれにおける中心位置には、シャフト保持孔16,17が形成されており、これらのシャフト保持孔16,17の周囲には、バーリング加工によって、端壁10a,11aから筺体2の内方に向けて突出する円環状の突起18,19が形成されている。そして、このシャフト保持孔16,17に、直径約0.6mmの非磁性体からなるシャフト20の両端が圧入されており、さらに、シャフト20の両端部は、溶接部D2(図1参照)によって両端壁10a,11aに固定されている。このようにして、シャフト20は、筺体2の振動軸線Lに沿って配置されると共に、振動軸線L方向において第1の筺体10と第2の筺体11とを強固に連結している。そして、このシャフト20は、前述した可動子8を貫通している。
【0020】
可動子8についてより詳しく説明すると、マグネット4には、振動軸線L方向にS極とN極とが着磁されると共に、シャフト20の外径よりも直径が若干大きいシャフト貫通孔4aが形成されている。このマグネット4は、ボビン12の筒状部12a内に配置されている。さらに、マグネット4とその振動軸線L方向の両側に配置された第1及び第2の錘部6,7との間には、磁性体からなり振動軸線Lに直交する方向のみに延在する円形平板状の第1及び第2のポールピース21,22がそれぞれ配置されている。これらポールピース21,22は、コイル3とマグネット4と磁性体からなる第1の筺体10との協働で磁気回路を構成している。この磁気回路は、シャフト20が非磁性体であるので磁気効率がよい。
【0021】
円柱状の第1の錘部6は、ボビン12から振動軸線L方向で離間させられている。第2の錘部7は、ボビン12の筒状部12aの中空部S内に挿入される胴部7aと、第2の筺体11の端壁11a側で胴部7aよりも拡径されたフランジ部7bと、を有している。そして、マグネット4の端部はボビン12の筒状部12aから突出させられているので、第1の錘部6は、その全長に渡って、第1の筺体10の内周面のギリギリまで大径化を図ることができる。これによって、非常に小さな筺体2内にあっても、第1の錘部6の大型化を可能にする。
【0022】
第1及び第2の錘部6,7には、シャフト20の外径よりも直径が大きいシャフト貫通孔23,24が形成されており、シャフト貫通孔23,24の途中には、シャフト20が貫通する第1及び第2の軸受(焼結含油軸受)25,26が配置されている。また、第1及び第2の錘部6,7には、シャフト貫通孔23,24を途中から拡径して端面まで延びる円柱形状の第1及び第2のばね受入凹部27,28が形成されている。
【0023】
第1のばね受入凹部27内には、シャフト20に対して第1の錘部6を支持するための第1の軸受25が挿入されている。第1の軸受25と端壁10aとの間には、第1のばね受入凹部27内に挿入された第1の圧縮コイルばね30が配置され、第1の圧縮コイルばね30によって第1の軸受25及び第1の錘部6が付勢されている。また、この第1の圧縮コイルばね30内をシャフト20が貫通する。第2のばね受入凹部28内には、シャフト20に対して第2の錘部7を支持するための第2の軸受26が挿入されている。第2の軸受26と端壁11aとの間には、第2のばね受入凹部28内に挿入された第2の圧縮コイルばね31が配置され、第2の圧縮コイルばね31によって第2の軸受26及び第2の錘部7が付勢されている。また、この第2の圧縮コイルばね31内をシャフト20が貫通する。
【0024】
軸受25,26の採用により、錘部6,7がシャフト20に接触することなく安定した振動が達成されるので、騒音の低減を図ることができる。さらに、ばね受入凹部27,28内に軸受を配置させることで、軸受25,26を錘部6,7の重心位置に近づけることができ、これによっても、騒音の低減が可能になる。しかも、圧縮コイルばね30,31をばね受入凹部内27,28に挿入させることで、圧縮コイルばね30,31の振動軸線L方向における全長を長くすることができ、これによって、安定した弾性力を発揮させることができ、しかも接着剤を用いなくとも、軸受25,26が錘部6,7から外れ難いといった効果を有する。
【0025】
ここで、第1の圧縮コイルばね30及び第2の圧縮コイルばね31としては、同一の部品が用いられている。第1及び第2の圧縮コイルばね30,31の一端側には、両端壁10a,11aに形成された突起18,19が嵌入されており、これにより、第1及び第2の圧縮コイルばね30,31がシャフト20に当たることがない。一方、第1及び第2の圧縮コイルばね30,31の他端側は、第1及び第2の錘部6,7のばね受入凹部27,28内に挿入されると共に、ばね受入凹部27,28内の軸受25,26に当接され、各軸受25,26は、圧縮コイルばね30,31に付勢力により第1及び第2の錘部6,7に圧着させられている。
【0026】
上記構成により、第1及び第2の錘部6,7、ポールピース21,22、及びマグネット4は、同軸上に配置された状態で第1及び第2の圧縮コイルばね30,31により振動軸線L方向に付勢され、この付勢力により、互いに圧着されて一体化されている。従って、第1及び第2の錘部6,7とポールピース21,22とマグネット4とを、接着剤を用いなくとも互いに連結することができる。なお、接着剤を用いても良い。これらの部品により構成された可動子8は、第1及び第2の圧縮コイルばね30,31による付勢力を両側から受けつつ、軸受25,26を介してシャフト20に沿って振動軸線L方向に移動自在になっている。
【0027】
振動アクチュエータ1によれば、筺体2の各端壁10a,11aにそれぞれの端が固定されたシャフト20は、マグネット4、ポールピース21,22及び錘部6,7を貫通し、固定されたシャフト20に案内されながら、マグネット4、ポールピース21,22及び錘部6,7が一体となって振動するので、錘部6,7の重心の位置が振動軸線Lからずれて暴れることが防止され、安定した振動を確保できる。さらに、落下衝撃が生じた場合であっても錘部6,7が筺体2に衝突することが防止され、耐落下衝撃性を向上させることができる。
【0028】
また、振動軸線Lを分割する方向において筺体2は2分割されているので、シャフト20の両端が筺体2の両端壁10a,11aに固定されていると、シャフト20が連結バーとして機能し、これにより、第1の筺体10と第2の筺体11との連結強度が向上する。従って、落下衝撃時に、筺体2が振動軸線L方向に分断されてしまって、筺体2から錘部6,7やマグネット4が飛び出してしまうような事態を回避させることができる。
【0029】
さらに、錘部6,7、ポールピース21,22、及びマグネット4は、第1の圧縮コイルばね30と第2の圧縮コイルばね31とにより両側から付勢力を受けながら振動するので、安定した振動を確実かつ容易に得ることができる。さらに、対向する第1の圧縮コイルばね30と第2の圧縮コイルばね31を採用することによって、錘部6,7、ポールピース21,22、及びマグネット4は、振動軸線L方向で互いに圧着されて一体化されるので、接着剤を用いなくとも、各部品同志を連結させておくことができる。特に、錘部6,7、マグネット4、ポールピース21,22にはシャフト20が貫通しているので、接着剤がハミ出していると、接着剤とシャフト20とが摺り合うことで摩擦抵抗を発生するが、振動アクチュエータ1では、このような事態を回避させることができる。
【0030】
また、振動軸線L方向において、マグネット4の両側に第1の錘部6と第2の錘部7とを配置させているので、より一層安定した振動を確保することができる。さらに、第1及び第2の錘部6,7は、軸受25,26を介してシャフト20に沿って移動させているので、シャフト20に沿ったバランスの良い振動が得られる。
【0031】
また、第1の筺体10の周壁10bが磁気回路の一部を担っているため、コイル34,35を包囲するようなカップ状のヨークを別途用意する必要がなく、径方向における小型化を図ることができる。そして、磁気回路が第1の筺体10内で完結しているので、第1の筺体10と第2の筺体11との境界を磁気が通過することがなく、これによって、磁気損失の低減が図られている。さらにまた、第1の圧縮コイルばね30と第2の圧縮コイルばね31とは、同一の部品であるため、部品の共有化も図られている。
【0032】
前述したように、コイル3及びマグネット4はそれぞれ一個であるので、小型化に適し、筐体2内でのスペースを有効に利用することができ、その結果として、筐体2内での錘部6,7の大型化を可能にしている。しかも、マグネット4の一端はコイル3の中空部Sから外に配置され、マグネット4の他端はコイル3の中空部S内に配置され、マグネット4の一端には、シャフト20が貫通する円板状の第1のポールピース21が配置され、マグネット4の他端には、シャフト20が貫通して第1のポールピース21に対して振動軸線L方向でマグネット4を挟んで平行に対峙する円板状の第2のポールピース22が配置され、筐体2を磁性体により形成させている。従って、従来のようにカップ状のヨークを利用する必要がないので、構造が簡素化し、組み立てが容易で、筐体2の径を小さくするような小型化の促進が容易である。
【0033】
また、第1のポールピース21はコイル3の中空部Sから外に配置されているので、第1のポールピース21の周縁を筐体2に接近させるような大型化が可能であり、その結果、磁気回路の効率アップを図ることができる。
【0034】
本発明は、前述した実施形態に限定されないことは言うまでもない。
【0035】
図3に示されるように、変形例としての振動アクチュエータ1Aにおいて、筐体2Aは、第1の筺体10Aと第2の筺体11Aとで振動軸線L方向で略2等分割されている。第1の筺体10Aの開放端と第2の筺体11Aの開放端とは、図示しないが突き合わされて、周方向で溶接により接合されており、磁気の通路は確保されている。この振動アクチュエータ1Aの磁気回路は、磁性体からなる第1の筺体10Aと第2の筺体11Aとに依存しており、磁気損失の低減効果は図2の振動アクチュエータ1に劣るが、端子13を筐体2Aの中央に配置させることができる。なお、振動アクチュエータ1Aの他の構成は、振動アクチュエータ1と同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0036】
図4に示されるように、他の変形例としての振動アクチュエータ1Bにおいて、筐体2Bは、有底の円筒状をなして全長に渡って延在すると共に、磁性体により形成された筺体本体50Aと、筐体本体50Aの開口を閉鎖する樹脂製の蓋部50Bと、によって構成されている。この蓋部50Bには、第2の圧縮コイルばね31の着座安定化を図るための凹部50aが形成されている。また、筐体本体50Aの内面には空芯コイル51が固定されている。空芯コイル51の利用によって、筐体2B内のスペースの拡大化又は筐体2Bの小径化すなわち小型化を可能にする。なお、振動アクチュエータ1Bの他の構成は、振動アクチュエータ1と同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0037】
図5に示されるように、更に他の変形例としての振動アクチュエータ1Cにおいて、筐体2Cは、第1の筺体10Cと第2の筺体11Cとで振動軸線L方向で分割されている。第1の筺体10Cの開放端と第2の筺体11Cの開放端とは、図示しないが突き合わされて、周方向で溶接により接合されており、磁気の通路は確保されている。マグネット4の片側のみに錘部52が配置され、円柱状の錘部52は、筐体2C内で大型化が図られ、それに伴って、ばね受入凹部53内の軸受54も大型化されている。また、第2の圧縮コイルばね31の端部は第2のポールピース22に当接させられている。なお、振動アクチュエータ1Cの他の構成は、振動アクチュエータ1と同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0038】
図6に示されるように、更に他の変形例としての振動アクチュエータ1Dにおいて、筐体2Dは、有底の円筒状をなして全長に渡って延在すると共に、磁性体により形成された筺体本体55Aと、筐体本体55Aの開口を閉鎖する樹脂製の蓋部55Bと、によって構成されている。この蓋部55Bには、第2の圧縮コイルばね31の着座安定化を図るための凹部55aが形成され、この凹部55aはシャフト20と同心の円柱状をなしている。蓋部55Bには、空芯コイル56の中空部Sに圧入される環状の凸部57が形成され、空芯コイル56は蓋部55Bに接着剤により固定されている。なお、振動アクチュエータ1Dの他の構成は、振動アクチュエータ1Cと同等又は同一であり、同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
【0039】
弾性部材として、圧縮コイルばねに限らず板バネであってもよい。例えば、図7に示されるように、振動アクチュエータ1Fにおいて、第1の板バネ61及び第2の板バネ62を利用して、第1の錘部63及び第2の錘部64を支持してもよい。第1及び第2の錘部63,64の端部に第1及び第2の軸受25,26が配置され、各軸受25,26は、板バネ61,62のばね受けとして利用されている。第1の板バネ61と第2の板バネ62は、同一形状を有し、図8に示されるように、円板に複数の円弧状スリット60aと中央開口60bとを打ち抜き加工することで、円錐台形状のばねになっている。なお、円錐コイルばねの適用も可能である。
【0040】
錘部6,7,52がタングステンの場合は、表面が粗いことから摩擦抵抗が大きくなったり、孔径の寸法管理が難しくなったりするので、別途に軸受を利用することが好ましい。摩擦抵抗の大きくない材質の場合は、軸受を錘部6,7,52に作り込むこともできる。例えば、図9に示されるように、振動アクチュエータ1Gにおいて、第1の錘部66及び第2の錘部67には、シャフト貫通孔66a,67aの途中を縮径してなる軸受部66b,67bが形成されている。また、図10に示されるように、振動アクチュエータ1Hにおいて、第1の錘部68及び第2の錘部69には、シャフト貫通孔68a,69aの端部を縮径してなる軸受部68b,69bが形成され、各錘部68,69は、第1及び第2の板バネ61,62(図8参照)で付勢されている。
【0041】
前述した筐体2,2A〜2Dの断面形状は、円形、四角形、多角形のいずれであってもよい。例えば、図11に示されるように、振動アクチュエータ1Iにおいて、断面四角形の筐体2E内には、断面四角形のコイル70、マグネット71、第1及び第2の錘部72,73及び四角形の板状をなす第1及び第2のポールピース74,75が収納されている。
【0042】
シャフト20は、磁性体であってもよい。
【0043】
筐体2,2A〜2Eは、磁気回路の一部を構成しているので、ポールピース21,22の肉厚を考慮したマグネット4,71の振動予定領域P(図2参照)に対応した部分が少なくとも磁性体により形成されていればよく、必ずしも筐体全体が磁性体である必要はない。
【符号の説明】
【0044】
1,1A〜1I…振動アクチュエータ、2,2A〜2E…筐体、3,51,56,70…コイル、4,71…マグネット、6,7,52,63,64,66,67,68,69,72,73…錘部、8…可動子、10a,11a…筐体の端壁、20…シャフト、21,74…第1のポールピース、22,75…第2のポールピース、25,26…軸受、27,28…ばね受入凹部、30…第1の圧縮コイルばね(弾性部材)、31…第2の圧縮コイルばね(弾性部材)、61,62…板バネ(弾性部材)L…振動軸線、S…コイルの中空部、P…振動予定領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の筺体内に配置されたコイルと、このコイルに包囲されて前記筺体内に配置されたマグネットとの協働により、前記マグネットが前記筺体の振動軸線に沿ってリニアに振動する振動アクチュエータにおいて、
前記筺体の前記振動軸線に沿って配置され、前記筺体の前記振動軸線方向における両端に設けられた端壁に両端が固定されたシャフトと、
前記シャフトが貫通すると共に、前記シャフトの延在方向に移動自在な前記マグネットと、前記シャフトの延在方向で前記マグネットに隣接して前記筺体内に配置され、前記シャフトが貫通すると共に、前記マグネットと一体に移動自在な錘部と、を有する可動子と、
前記可動子と前記端壁との間に配置され、前記可動子を前記振動軸線方向に付勢する弾性部材と、を備え、
前記コイル及び前記マグネットはそれぞれ一個であり、
前記マグネットの一端は前記コイルの中空部から外に配置され、前記マグネットの他端は前記コイルの前記中空部内に配置され、
前記マグネットの前記一端には、前記シャフトが貫通する第1のポールピースが配置され、前記マグネットの前記他端には、前記シャフトが貫通して前記第1のポールピースに対して前記振動軸線方向で前記マグネットを挟んで対峙する第2のポールピースが配置され、
前記筐体は、前記マグネットの振動予定領域に対応した部分が少なくとも磁性体により形成されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1のポールピースの周縁は、前記筐体に接近させられていることを特徴とする請求項1記載の振動アクチュエータ。
【請求項3】
前記錘部は、前記振動軸線方向において前記マグネットの両側に配置された第1の錘部と第2の錘部とからなり、
前記弾性部材は、前記第1の錘部と前記筺体の一方の端壁との間に配置された第1の圧縮コイルばねと、前記第2の錘部と前記筺体の他方の端壁との間に配置された第2の圧縮コイルばねと、からなり、
前記マグネットの前記一端と前記第1の錘部との間に前記第1のポールピースが配置され、前記マグネットの前記他端と前記第2の錘部との間に前記第2のポールピースが配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の振動アクチュエータ。
【請求項4】
前記錘部の端部は、前記振動軸線に沿ってばね受入凹部が形成され、前記錘部は、前記ばね受入凹部内に配置された軸受により前記シャフトに対して支持され、前記ばね受入凹部内に挿入された前記弾性部材により前記軸受及び前記錘部が付勢されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の振動アクチュエータ。
【請求項1】
筒状の筺体内に配置されたコイルと、このコイルに包囲されて前記筺体内に配置されたマグネットとの協働により、前記マグネットが前記筺体の振動軸線に沿ってリニアに振動する振動アクチュエータにおいて、
前記筺体の前記振動軸線に沿って配置され、前記筺体の前記振動軸線方向における両端に設けられた端壁に両端が固定されたシャフトと、
前記シャフトが貫通すると共に、前記シャフトの延在方向に移動自在な前記マグネットと、前記シャフトの延在方向で前記マグネットに隣接して前記筺体内に配置され、前記シャフトが貫通すると共に、前記マグネットと一体に移動自在な錘部と、を有する可動子と、
前記可動子と前記端壁との間に配置され、前記可動子を前記振動軸線方向に付勢する弾性部材と、を備え、
前記コイル及び前記マグネットはそれぞれ一個であり、
前記マグネットの一端は前記コイルの中空部から外に配置され、前記マグネットの他端は前記コイルの前記中空部内に配置され、
前記マグネットの前記一端には、前記シャフトが貫通する第1のポールピースが配置され、前記マグネットの前記他端には、前記シャフトが貫通して前記第1のポールピースに対して前記振動軸線方向で前記マグネットを挟んで対峙する第2のポールピースが配置され、
前記筐体は、前記マグネットの振動予定領域に対応した部分が少なくとも磁性体により形成されていることを特徴とする振動アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1のポールピースの周縁は、前記筐体に接近させられていることを特徴とする請求項1記載の振動アクチュエータ。
【請求項3】
前記錘部は、前記振動軸線方向において前記マグネットの両側に配置された第1の錘部と第2の錘部とからなり、
前記弾性部材は、前記第1の錘部と前記筺体の一方の端壁との間に配置された第1の圧縮コイルばねと、前記第2の錘部と前記筺体の他方の端壁との間に配置された第2の圧縮コイルばねと、からなり、
前記マグネットの前記一端と前記第1の錘部との間に前記第1のポールピースが配置され、前記マグネットの前記他端と前記第2の錘部との間に前記第2のポールピースが配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の振動アクチュエータ。
【請求項4】
前記錘部の端部は、前記振動軸線に沿ってばね受入凹部が形成され、前記錘部は、前記ばね受入凹部内に配置された軸受により前記シャフトに対して支持され、前記ばね受入凹部内に挿入された前記弾性部材により前記軸受及び前記錘部が付勢されることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の振動アクチュエータ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−213683(P2012−213683A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79436(P2011−79436)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000001225)日本電産コパル株式会社 (755)
【Fターム(参考)】
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