説明

振動体及びその製造方法とそれを備えた超音波モータ

【課題】本発明は、製造が容易で簡単であるだけでなく信頼性のある電極接続部を有する超音波モータの振動体を提供する。
【解決手段】超音波モータの振動体20は、振動部材20aと、電圧を印加したときに進行波を生成し、振動部材を振動させる圧電体21と、を含み、圧電体21は、正極と負極が交互に分極され、振動部材20aに取り付けられた第1圧電層22と、正極と負極が交互に分極され、第1圧電層に取り付けられた第2圧電層23と、第1及び第2圧電層の第1面と第1面の反対面である第2面とに形成された複数の電極を備える電極部40と、第1及び第2圧電層の外周面に形成され、複数の電極を相互に選択的に接続する電極接続部60と、を含むことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動体及びその製造方法とそれを備えた超音波モータに関し、より詳細には、製造が容易で簡単であるだけでなく信頼性のある電極接続部を有する、振動体及びその製造方法とそれを備えた超音波モータに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、超音波モータ、例えば進行波型超音波モータは、振動を発生する振動体と、振動体の振動に応じて振動体と摩擦接触して回転する接触体とを備える。振動を発生するため、振動体には、可聴周波数以上の高周波電圧を印加したとき圧電効果によって変位または変形を発生する圧電体が取り付けられている。接触体は圧電体による振動体の振動に応じて振動体と摩擦しながら回転する。
【0003】
このような進行波型超音波モータは振動体の振動変位によって性能が左右するので、振動体の振動変位を大きくするためには、圧電体においてできる限り大きな変形を発生することが有利である。
【0004】
圧電体としては、一つの圧電層から構成された単層構造の圧電体が一般に知られている。単層構造の圧電体は、製造が容易であり、圧電層に電圧を印加するための電極を形成しやすいが、圧電層が比較的に厚いので、圧電層に電場が大きくかかるようにするためには非常に高い電圧を印加しなければならない。
【0005】
この問題を解決するために、複数の圧電層を積層し、各圧電層の間に電極を設けた複層構造の圧電体が提案されている。複層構造の圧電体は、非常に薄い厚さ、例えば数十ミクロンの厚さを有する複数の圧電層を積層して構成されるため、各圧電層に低い電圧が印加されても、圧電体にかかる電場の大きさは大きくなる。しかし、各圧電層の間に設けられた電極は数〜数十ミクロンと厚さが薄いので、電極を導線(Lead Wire)で電気的に接続することは困難であるだけでなくモータの構成を複雑化する。また、電極を導線で電気的に接続したとしても、電極接続の信頼性を保証することは難しい。
【0006】
このような問題を解決するために、各圧電層にホールを形成して各電極を接続する方法が提案された。しかし、圧電体にホールを形成する工程は複雑であり、製造コストを増加させる問題点があった。
【0007】
そこで、製造が容易で簡単であるだけでなく信頼性のある電極接続部を有する振動体を備える超音波モータの開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第5770916号明細書
【特許文献2】米国特許第6182340号明細書
【特許文献3】特開2006−186099号公報
【特許文献4】欧州特許第1271668号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、製造が容易で簡単であるだけでなく信頼性のある電極接続部を有する、振動体及びその製造方法とそれを備えた超音波モータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る超音波モータの振動体は、振動部材と、電圧を印加したときに進行波を生成し、振動部材を振動させる圧電体と、を含み、圧電体は、正極と負極が交互に分極され、振動部材に取り付けられた第1圧電層と、正極と負極が交互に分極され、第1圧電層に取り付けられた第2圧電層と、第1及び第2圧電層の第1面と第1面の反対面である第2面とに形成された複数の電極を備える電極部と、第1及び第2圧電層の外周面に形成され、複数の電極を相互に選択的に接続する電極接続部と、を含むことを特徴とする。
【0011】
ここで、振動部材は、電気導電性を有する材料で形成されてもよい。
【0012】
第1圧電層と第2圧電層とは、導電性接着剤または非導電性接着剤により相互に接着することができる。このとき、導電性接着剤または非導電性接着剤は、導電性エポキシ樹脂または非導電性エポキシ樹脂であることが好ましい。
【0013】
第1圧電層と第2圧電層は、正極と負極の分極配列がλ/4(ここで、λは円周方向の一波長の長さ)の空間的な位相差を有するように配置されてもよい。
【0014】
電極部は、第1圧電層の第1面と第2面にそれぞれ形成された第1及び第2電極、第2圧電層の第1面と第2面にそれぞれ形成された第3及び第4電極、 第2圧電層の第2面に第4電極と分離されて形成された第5電極、第2圧電層の第2面に第4及び第5電極と分離されて形成された第6電極を含むことができる。
【0015】
このとき、電極接続部は、第1及び第2圧電層の外周面に形成され、第5電極と第6電極を、それぞれ第1電極と、第2電極と、第3電極と、振動部材の中の少なくとも一つと選択的に接続する。
【0016】
電極接続部は、第5電極と第1電極とを電気的に接続する第1導電体と、第6電極と第3電極とを電気的に接続する第2導電体と、を含むことができる。
【0017】
この場合、第1導電体は、第5電極から第2圧電層の外周面に沿って第1圧電層の外周面まで延長され、第1圧電層の外周面上に延長された第1電極の接点と接続され、第2導電体は、第6電極から第2圧電層の外周面上に延長され、第2圧電層の外周面上に延長された第3電極の接点と接続されてもよい。ここで、第1導電体は、振動部材まで更に延長され、第2導電体は、第1圧電層の第2面の外側の端まで延長された第2電極の接点まで更に延長されてもよい。
【0018】
また、選択的に、電極部は、第1圧電層に形成された電極のパターンと、第2圧電層に形成された電極のパターンとが互いに同一であり、空間的にλ/4の位相差をもって配置されるように形成されてもよい。
【0019】
この場合、電極接続部は、第5電極と振動部材とを電気的に接続する第1導電体を含むことができる。このとき、第1圧電層は、第2面から外周面を通って第1面まで延長され第1及び第2電極と分離された第1ダミー電極、外周面に形成され第1及び第2電極と分離された補助接続部、及び第2面から外周面まで延長され第1及び第2電極と分離された第2ダミー電極が、円周方向のλ/4の間隔で配置される電極パターンを備え、第2圧電層は、第1圧電層の第1ダミー電極、補助接続部、及び第2ダミー電極と同一のパターンの第6電極、ダミー補助接続部及び第5電極が、λ/4間隔の位相差を有するように配置される電極パターンを備えることができる。このとき、第1導電体は、第2圧電層の外周面まで延長形成された第5電極の部分から第1圧電層の外周面に形成された補助接続部を通って振動部材の外周面まで延長されることが好ましい。
【0020】
また、電極接続部は、第6電極と第2電極とを電気的に接続する第2導電体を更に含むことができる。このとき、第2導電体は、第2圧電層の外周面まで延長された第6電極の部分から第1圧電層の第2電極の外側の端の部分まで延長されることが好ましい。
【0021】
第1及び第2導電体の構成によらず、第1及び第2導電体は導電性ペーストであることができる。
【0022】
また、第4電極は、サイン波形の交流電圧とコサイン波形の交流電圧のうち一つが印加され、第5電極は、サイン波形の交流電圧とコサイン波形の交流電圧のうち別の一つが印加され、第6電極は、接地されてもよい。
【0023】
本発明の別の実施形態に係る振動体を備えた超音波モータは、振動部材と、振動部材に取り付けられ、電圧を印加したときに進行波を生成する圧電体を備える上述したような振動体と、進行波によって振動体が変形したとき、振動体と摩擦接触する接触体と、を含むことを特徴とする。
【0024】
本発明のまた別の実施形態に係る超音波モータの振動体の製造方法は、上面と下面にそれぞれ少なくとも一つの電極を備えた第1及び第2圧電層を用意するステップと、第1及び第2圧電層を振動部材に順次取り付けるステップと、第1及び第2圧電層の外周面に第1及び第2圧電層の電極を選択的に接続する電極接続部を形成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0025】
ここで、電極は、第1圧電層の上面と下面にそれぞれ形成された第1及び第2電極、第2圧電層の上面と下面にそれぞれ形成された第3及び第4電極、 第2圧電層の下面に第4電極と分離されて形成された第5電極、及び第2圧電層の下面に第4及び第5電極と分離されて形成された第6電極を含み、電極接続部は、第1及び第2圧電層の外周面に形成され、第5電極と第6電極を、それぞれ第1電極と、第2電極と、第3電極と、振動部材の中の少なくとも一つと選択的に接続することができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明に係る振動体及びその製造方法とそれを備えた超音波モータは、電極接続部が第1及び第2圧電層の外周面に形成され第1及び第2圧電層の電極を選択的に接続するため、導線で電極を接続したり、第1及び第2圧電層にホールを形成し、これを介して電極を接続したりする従来の超音波モータの振動体より更に製造が容易で簡単であるだけでなく、電極接続の信頼性が保障される。
【0027】
また、本発明に係る振動体及びその製造方法とそれを備えた超音波モータは、振動体の第1及び第2圧電層が同一電極パターンを有するように形成される場合、第1及び第2圧電層を互いに異なるように別途製造する必要がなく、更に第1及び第2圧電層を相互に互換して使用することができる。従って、この場合、第1及び第2圧電層が異なる電極パターンを有するように形成された振動体の場合より製造しやすく、製造コストが削減される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態にかかる超音波モータが適用された鏡筒(lens barrel)を示す断面図である。
【図2】図1に示す超音波モータの振動体を示す斜視図である。
【図3A】図2に示す超音波モータの振動体の製造方法を例示する部分側面図である。
【図3B】図2に示す超音波モータの振動体の製造方法を例示する部分側面図である。
【図3C】図2に示す超音波モータの振動体の製造方法を例示する部分側面図である。
【図3D】図2に示す超音波モータの振動体の製造方法を例示する部分側面図である。
【図4A】図2に示す超音波モータの振動体の電極を例示する平面図及び底面図である。
【図4B】図2に示す超音波モータの振動体の電極を例示する平面図及び底面図である。
【図4C】図2に示す超音波モータの振動体の電極を例示する平面図及び底面図である。
【図4D】図2に示す超音波モータの振動体の電極を例示する平面図及び底面図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる超音波モータに適用される振動体の変形例を下方から見上げた斜視図である。
【図6A】電極接続部を省略した状態で図5に示す振動体を上方から下方を見た分解斜視図である。
【図6B】電極接続部を省略した状態で図5に示す振動体を下方から上方を見上げた分解斜視図である。
【図7A】図5に示す振動体の圧電体の第1及び第2圧電層の電極を同一パターンとして例示する平面図及び底面図である。
【図7B】図5に示す振動体の圧電体の第1及び第2圧電層の電極を同一パターンとして例示する平面図及び底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の一実施形態にかかる振動体20が適用された超音波モータ1を備えた鏡筒(lens barrel)を示す断面図である。
【0031】
超音波モータ1は進行波型中空型の超音波モータであって、鏡筒の移動シリンダ10と固定シリンダ12との間に配置され、接触体30と振動体20を備える。鏡筒の移動シリンダ10、固定シリンダ12などの細部構成は従来技術で公知となっているため、詳細な説明は省略する。
【0032】
接触体30は回転子であって、移動シリンダ10の外周面にネジかみ合いされた回転リング15を回転させる回転力を提供する。このために、接触体30は回転リング15に上部右側に固定された回転部材31を備える。回転部材31は右端部において下側に突出部33を形成している。突出部33の右側面には振動体20との圧着時に摩擦力を大きくし磨耗を減らすために摩擦材層35がコーティングされている。ここで、摩擦材層35は突出部33の右側面にのみ形成することに代えて、接触体30の外部表面の全体に形成することもできる。
【0033】
接触体30の摩擦材層35と圧着される振動体20は固定子であって、固定シリンダ12の内側に設けられた振動部材20aで構成される。振動部材20aは、フェルト固定部材25によって支持され、フェルト固定部材25を弾性支持する弾性部材26によって接触体30に向けて加圧し、接触体30の摩擦材層35と圧着する。
【0034】
図2に示すように、振動部材20aは中空の円板形状を有し、摩擦材層35と圧着する接触面側に複数の突起28が形成されている。複数の突起28は、摩擦材層35と摩擦接触する接触面に耐磨耗性コーティング層29が形成されている。耐磨耗性コーティング層29は、接触体30の摩擦材層35と同様に、摩擦材層35と摩擦接触する突起28の接触面にのみ形成することに代えて、振動部材20aの外部表面の全体に形成することもできる。突起28は、振動体20が圧電体21によって生成される進行波により振動するとき、摩擦材層35に接触する振動体20の表面に発生する楕円運動の振幅を大きくする役割をする。
【0035】
振動部材20aは、電気導電性を有する材料、例えば、ステンレススチールのような鋼鉄材または青銅材から形成することができる。
【0036】
振動部材20aは電圧印加時に進行波を生成する圧電体21を下面に取り付けている。振動部材20aは圧電体21によって生成される進行波によって変形または変位され、振動を発生しながら接触体30と圧接する。
【0037】
圧電体21は導電性材料が添加されたエポキシのような導電性接着剤(38;図3B参照)によって振動部材20aに接着できる。従って、圧電体21の第1圧電体22の第1電極41は振動部材20aと電気的に接続される。選択的に、圧電体21は、非導電性エポキシ樹脂のような非導電性接着剤(不図示)によっても振動部材20aに接着できる。この場合、非導電性接着剤の厚さが約10ミクロンと非常に薄いため、振動部材20aと第1圧電層22の第1電極41とは表面荒さに応じて局部的に相互に接触する部位が発生するので、互いに電気的に接続される。
【0038】
圧電体21は低い電圧で大きな電場が得られる2層構造であって、それぞれ正極と負極が交互に分極された第1及び第2圧電層22、23を備える。第1及び第2圧電層22、23のそれぞれは、低い電圧を印加しただけでも圧電効果により微細変位または振動を発生するように、薄い厚さ、例えば数十〜数百ミクロンの厚さを有する中空セラミック円板で形成される。
【0039】
図3Dに示すように、第1圧電層22は上面と下面に電極部40の第1及び第2電極41、42をそれぞれ形成している。
【0040】
第1電極41は、第1圧電層22の分極化(Poling)の工程時、第1圧電層22に正極と負極の分極電圧を交互に印加するため、複数の電極面(41a;図4A参照)で構成される。第1電極41の電極面の個数は、圧電体21において生成するように予め決定された進行波の円周方向の波長の数(N)に応じて、2N個が構成される。例えば、図4Aに示すように、本実施形態においては、圧電層21において生成するように予め決定された進行波の円周方向の波長の数(N)が3であるため、第1電極41の電極面の個数は6個となる。
【0041】
図3Aないし図3D及び図4Aに示すように、複数の電極面のうちの一つの電極面41aは、第1圧電層22の外周面まで延長された接点41bが形成されている。接点41bは後述する電極接続部60の第1導電体63と接続される。第1導電体63はサイン波形の交流電圧が印加されるように、導電性バンプ37によって、電源制御回路(不図示)を備えた可撓性印刷回路基板68(Flexible printed circuit board)に接続された第2圧電層23の第5電極45と接続される。
【0042】
選択的に、第1電極41の電極面は接続部(不図示)を介して相互に電気的に接続することができる。この場合、接続部は第1圧電層22の分極化の工程後に形成される。
【0043】
図4Bに示すように、第2電極42は、一つの電極面で構成される。第2電極42を一つの電極面で形成する理由は、第1圧電層22の分極化の工程時、第2電極42が接地電極の役割のみをすればよいので、第1電極41のように複数の電極面が必要ではないからである。第2電極42の電極面は一側の端、例えば図4Bの上部右側の端に第1圧電層22の下面の端まで延長された接点42bが形成されている。図3C及び図3Dに示すように、接点42bは後述する第6電極46と接続された電極接続部60の第2導電体61と接続される。第6電極46は導電性バンプ37によって可撓性印刷回路基板68に接続され接地される。
【0044】
第2圧電層23は、導電性材料が添加されたエポキシ樹脂のような導電性接着剤38によって第1圧電層22に接着される。従って、第1圧電層22の第2電極42と第2圧電層23の第3電極43とは互いに電気的に接続される。また、第2電極42の接点42bと第3電極43の接点43bは電極接続部60の第2導電体61を介して第6電極46に接続され接地される。
【0045】
選択的に、第2圧電層23は、非導電性エポキシ樹脂のような非導電性接着剤(不図示)によっても第1圧電層22に接着できる。この場合、非導電性接着剤の厚さは約10ミクロンと非常に薄いため、第1圧電層22の第2電極42と第2圧電層23の第3電極43とは表面荒さに応じて局部的に相互に接触する部位が発生するので、互いに電気的に接続される。
【0046】
第2圧電層23が第1圧電層22に接着されるとき、第1圧電層22と第2圧電層23は正極と負極の分極配列がλ/4(ここで、λは円周方向の一波長の長さ)の空間的な位相差を有するように配置される。第1圧電層22と第2圧電層23をλ/4の空間的な位相差を有するように配置する理由は、第1電極41と第4電極44に周波数の一致するサイン及びコサイン波形の交流電圧を印加するとき、第1圧電層22と第2圧電層23でそれぞれ発生する正弦波が空間的にλ/4の位相差を有しないと進行波を形成しないからである。
【0047】
第2圧電層23は正極と負極が交互に分極され、上面と下面に電極部40の第3及び第4電極43、44をそれぞれ形成している。
【0048】
図4Cに示すように、第3電極43は第1電極41と同様に、第2圧電層23の分極化の工程時、第2圧電層23に正極と負極の分極電圧を交互に印加するために、複数個、たとえば6個の電極面で構成される。
【0049】
図3Aないし図3Dに示すように、複数の電極面のうちの一つの電極面43aは、第2圧電層23の外周面まで延長された接点43bが形成されている。接点43bは可撓性印刷回路基板68を介して接地された第6電極46と接続された電極接続部60の第2導電体61と接続される。
【0050】
選択的に、第3電極43の電極面43aは第1電極41の電極面41aと同様に、接続部(不図示)を介して相互に電気的に接続することができる。この場合、接続部は第2圧電層23の分極化の工程後に形成される。
【0051】
図4Dに示すように、第4電極44は第2電極42と同様に、一つの電極面で構成される。第4電極44の電極面は一側の端、例えば図4Dの上部右側の端に第2圧電層23の下面の端まで延長された接点44bが形成されている。接点44bはコサイン波形の交流電圧が印加されるように、導電性バンプ37によって電源制御回路を備えた可撓性印刷回路基板68と接続される。
【0052】
第4電極44の接点44bが形成された付近の第2圧電層23の下面には、電極部40の第5及び第6電極45、46が第4電極44と分離して形成されている。第5電極45は上記で記載したように、導電性バンプ37によって可撓性印刷回路基板68と接続されサイン波形の交流電圧が印加される。第6電極46は、同じくバンプ37によって可撓性印刷回路基板68と接続され接地されている。
【0053】
第5電極45を第1電極41の接点41b又は振動部材20aの少なくともいずれか一方に接続し、第6電極を第3電極43の接点43b又は第2電極42の接点42bの少なくともいずれか一方に接続するため、第1及び第2圧電層22、23の外周面には電極接続部60が形成される。
【0054】
電極接続部60は、第1導電体63及び第2導電体61で構成される。
【0055】
第1導電体63は、第5電極45と第1電極41とを電気的に接続する。このために、第1導電体63は第5電極45から第2圧電層23の外周面に沿って第1圧電層22の外周面まで延長される。このとき、第1導電体63は第1圧電層23の外周面上に延長された第1電極41の接点41bと接続される。ここで、第1電極41と振動部材20aとが既に導電性接着剤38により相互に電気的に接続されており、第1電極41と振動部材20aとが相互に電気的に接続されても第1圧電層22で生成される電場には影響がないため、第1導電体63は振動部材20aまで更に延長されてもよい。図2及び図3Dに示す本実施形態においては、第1導電体63は振動部材20aまで更に延長されたものとして示している。
【0056】
従って、第5電極45は電極接続部60の第1導電体63を介して第1電極41の接点41b又は振動部材20aの少なくともいずれか一方に電気的に接続される。
【0057】
第2導電体61は、第6電極46と第3電極43とを電気的に接続する。このために、第2導電体61は第6電極46の外側の端から第2圧電層23の外周面上に延長された第3電極43の接点43bまで延長される。従って、第3電極43が既に導電性接着剤38によって第2電極42と電気的に接続されているため、第6電極46は第3電極43を介して第2電極42と電気的に接続される。しかし、第2導電体61は、第2電極42又は第3電極43の少なくともいずれか一方に対する電気的接続の安定性を確保するために、第1圧電層22の下面の外側端まで延長された第2電極42の接点42bまで更に延長されてもよい。図3C及び図3Dに示す実施形態においては、第2導電体61が第2電極42の接点42bまで更に延長されたものとして示している。
【0058】
第1及び第2導電体63、61は、第1及び第2圧電層22、23又は振動部材20aの少なくともいずれか一方に容易に形成することができる銀ペーストのような導電性ペーストで構成されることが好ましい。
【0059】
このように構成される振動体20の製造方法を簡単に説明すると次のようである。
【0060】
まず、図3Aに示すように、上面と下面にそれぞれ第1及び第2電極41、42と第3及び第4電極43、44が形成された中空セラミック円板形態の第1及び第2圧電層22、23が用意される。
【0061】
次に、第1及び第2圧電層22、23は、それぞれ正極と負極が交互に配置される分極配列を有するように分極化される。このとき、第1電極41と第3電極43の電極面にはそれぞれ正極及び負極の分極電圧、たとえば+1000V及び−1000Vの電圧が交互に印加され、第2電極42と第4電極44は接地される。
【0062】
次に、図3Bに示すように、第1及び第2圧電層22、23は導電性接着剤38によって予め用意された振動部材20aに接着される。このとき、第1及び第2圧電層22、23は分極配列が空間的にλ/4の位相差を有するように接着される。
【0063】
第1及び第2圧電層22、23が振動部材20aに接着された後、図3Cに示すように、第1及び第2圧電層22、23の外周面には導電性ペーストによって電極接続部60が形成される。その結果、第5電極45は第1導電体63によって第1電極41の接点41b又は振動部材20aの少なくともいずれか一方に接続され、第6電極46は第1導電体61によって第3電極43の接点43b又は第2電極42の接点42bの少なくともいずれか一方に接続される。
【0064】
第1及び第2圧電層22、23の外周面に電極接続部60が形成された後、図3Dに示すように、第4、第5及び第6電極44、45、46は半田などにより形成されたバンプ37によって可撓性印刷回路基板68に接続され、振動体20の製造は完了する。
【0065】
このように製造される振動体20は、電極接続部60が第1及び第2圧電層22、23の外周面に形成され第1及び第2圧電層22、23の電極41、42、43、44、45、46を選択的に接続するため、導線で電極を接続したり、第1及び第2圧電層にホールを形成し、これを介して電極を接続したりする従来の超音波モータの振動体より、更に製造が容易で簡単であるだけでなく、電極接続の信頼性が保障される。
【0066】
しかし、上記のような振動体20は、第1圧電層22の第1及び第2電極41、42と第2圧電層23の第3及び第4電極43、44とが互いに異なる構造を有するため、製造時に第1圧電層22と第2圧電層23を相互に互換して使用することができず、別途製造しなければならない煩わしさがある。
【0067】
図5ないし図6Bは、圧電体21´の第1及び第2圧電層22´、23´の電極部の電極パターンを互いに同一にして、製造時に第1圧電層22´と第2圧電層23´とを相互に互換使用することができる変形例の振動体20´´を示す。
【0068】
変形例の振動体20´は、振動部材20a´、第2圧電層22´、第2圧電層23´及び電極接続部60´を備える。
【0069】
振動部材20a´は図1ないし図4Dに係って説明した振動部材20aと同一である。
【0070】
第1及び第2圧電層22´、23´は、それぞれ正極と負極とが交互に分極された中空セラミック円板で形成される。第1及び第2圧電層22´、23´は、分極配列が空間的にλ/4の位相差を有するように配置されたことのみが相違し、実質的には互いに同一の電極パターンを有する。
【0071】
より詳細に説明すると、第1圧電層22´は正極と負極とが交互に分極され、上面と下面に第1及び第2電極41´、42´をそれぞれ形成している。
【0072】
図6A及び図7Aに示すように、第1電極41´は第1圧電層22´の分極化の工程時、第1圧電層22´に正極と負極の分極電圧を交互に印加するために、複数の電極面で構成される。第1電極41´の電極面の個数は、図4Aに示す第1圧電層22の第1電極41と同様に、圧電体21´において生成するように予め決定された進行波の円周方向の波長の数(N)に応じて、2N個が構成される。例えば、本実施形態においては、圧電層21´において生成するように予め決定された進行波の円周方向の波長の数(N)が10であるため、第1電極41´の電極面の個数は20個となる。
【0073】
第1電極41´の複数の電極面のうち一つ41a´には、第1ダミー電極46’’が電極面41a´と分離されるように形成されている。図6A及び図6Bに示すように、第1ダミー電極46’’は逆コ字の形状を有し、第1圧電層22´の下面で形成され上面まで延長されている。このような第1ダミー電極46’’は、第1圧電層22´の電極パターンを第2圧電層23´の電極パターンと同一にするためのものであって、他の電極と接続されず、これにより電極としては何の役割も果たさない。
【0074】
電極面41a´とそれに隣接した電極面41a’’との間には、他の電極面境界領域48’’より第1圧電層22´の外周面側で拡張した大きさを有する拡張電極面境界領域48が形成されている。拡張電極面境界領域48は、電極面41a´、41a’’を第1圧電層22´の外周面に形成された補助接続部47から確実に隔離させるために形成される。補助接続部47は、後述する第5電極45´と振動部材20a´とを接続する電極接続部60´の第1導電体63´と接続される。
【0075】
電極面41a’’の第1圧電層22´の外周面の近傍には、第1電極面分離領域49が形成される。第1電極面分離領域49は、第1圧電層22´の下面に形成され第1圧電層22´の外周面まで延長された第2ダミー電極45’’を電極面41a’’と分離するために形成される。第2ダミー電極45’’も第1圧電層22´の電極パターンを第2圧電層23´の電極パターンと同一にするためのものであって、他の電極と接続されず、これにより電極としては何の役割もしない。
【0076】
このように構成される第1ダミー電極46’’、拡張電極面境界領域48/補助接続部47、及び第1電極面分離領域49/第2ダミー電極45’’は、λ/4の間隔を隔てて形成される。
【0077】
図6B及び図7Bに示すように、第2電極42´は図4Bに示す第1圧電層の第2電極42と同様に一つの電極面で構成される。第2電極42´の電極面は第1圧電層22´の下面に形成された第1ダミー電極46’’及び第2ダミー電極45’’と分離されるように形成される。補助接続部47を第2電極42´の電極面と分離するために、補助接続部47と隣接した第2電極42´の電極面には第2電極面分離領域54が形成される。
【0078】
第2圧電層23´は、図2に示す第2圧電層23と同様に、第1圧電層22´と、導電性材料が添加されたエポキシ樹脂のような導電性接着剤または非導電性接着剤によって相互に接着される。このとき、第1圧電層22´と第2圧電層23´は、電圧印加時に一つの進行波を形成するために、正極と負極の分極配列がλ/4の空間的な位相差を有するように配置される。
【0079】
第2圧電層23´は上面と下面に、第3電極43´と第4、第5及び第6電極44´、45´、46´をそれぞれ形成している。
【0080】
第2圧電層23´の電極パターンはλ/4の空間的な位相差を有するように配置されていることのみが相違するだけで、第1圧電層22´の電極パターンと同一である。
【0081】
すなわち、図6A及び図7Aに示すように、第2圧電層23´の上面には第1圧電層22´の第1電極41´、第1ダミー電極46’’、第1拡張電極面境界領域48、及び第1電極面分離領域49と同一のパターンの第3電極43´、第6電極46´、第2拡張電極面境界領域48´、及び第3電極面分離領域49´が形成される。また、図6B及び図7Bに示すように、第2圧電層23´の下面には第1圧電層22´の第2電極42´、第1ダミー電極46’’、第2電極面分離領域54及び第2ダミー電極45’’と同一のパターンの第4電極44´、第6電極46´、第4電極面分離領域54´及び第5電極45´が形成される。また、第2圧電層23´の外周面には第1圧電層22´の補助接続部47と対応するダミー補助接続部47´が形成される。ダミー補助接続部47´は第1圧電層22´の電極パターンと第2圧電層23´の電極パターンとを相互に同一にするためのもので、他の電極または電極接続部と接続されず、これにより、補助接続部としての役割は果たさない。
【0082】
第5電極45´を振動部材20a´に接続し第6電極46´を第2電極42´に接続するために、第1及び第2圧電層22´、23´の外周面には電極接続部60´が形成される。
【0083】
電極接続部60´は第1導電体63´及び第2導電体61´で構成される。
【0084】
第1導電体63´は第5電極45´と振動部材20a´とを電気的に接続する。このために、第1導電体63´は第2圧電層23´の外周面上の第5電極45´の部分から第1圧電層23´の外周面上の補助接続部47を通って振動部材20a´の外周面の下部まで延長される。このとき、第1電極41´と振動部材20a´とが既に導電性または非導電性の接着剤により相互に電気的に接続されているため、第5電極45´は電極接続部60´の第1導電体63´及び振動部材20a´を介して第1電極41´に接続される。
【0085】
第2導電体61´は、第6電極46´と第2電極42´とを電気的に接続する。このために、第2導電体61´は第2圧電層23´の外周面上の第6電極46´の部分から第2電極42´の外側の端まで延長される。このとき、第2電極42´と第3電極43´とが導電性または非導電性接着剤により相互に電気的に接続されているため、第6電極46´は電極接続部60´の第2導電体61´を介して第2電極42´及び第3電極43´と接続される。
【0086】
ここで、第2導電体61´が第6電極46´と第2電極42´とを電気的に接続するように形成されたものとして説明及び例示しているが、第2圧電層23´の上面に位置した第6電極46´の部分が既に導電性接着剤によって第2電極42´と電気的に接続されているため、第2導電体61´は省略されてもよいことは言うまでもない。
【0087】
第1及び第2導電体63´、61´は、第1及び第2圧電層22´、23´又は振動部材20a´の少なくともいずれか一方に容易に形成することができる銀ペーストのような導電性ペーストで構成されることが好ましい。
【0088】
以上で説明した変形例の振動体20´は、第1及び第2圧電層22´、23´が同一の電極パターンを有するため、第1及び第2圧電層22´、23´を相互に異なるように別途製造する必要がなく、更に第1及び第2圧電層22´、23´を相互に互換して使用することができる。従って、図1ないし図4Dに係って説明した振動体20より製造しやすく、製造コストが削減される。
【0089】
以下では、図1ないし図4Dを参照して、上記のように構成される本発明の一実施形態にかかる振動体20が適用された超音波モータ1を備えた鏡筒(lens barrel)の動作を説明する。
【0090】
まず、可撓性印刷回路基板68を介して圧電体21の第1及び第2圧電層22、23の第4電極44及び第5電極45に、それぞれ周波数が一致するコサイン及びサイン波形の交流電圧が印加されると、第4電極44が形成された第2圧電層23と、第1導電体63を介して第5電極45と接続された第1電極41が形成された第1圧電層22は、それぞれ円周方向に正弦波を発生する。このとき、第1及び第2圧電層22、23は、分極配列が互いに空間的にλ/4の位相差を有するように配置されるため、二つの正弦波は互いに合わされ一つの均一な進行波を形成する。その結果、圧電体21は進行波によって進行波形態の微細変位または変形を生じる。従って、圧電体21を取り付けた振動体20も進行波形態の微細変位または変形しながら振動する。
【0091】
振動体20が振動することにより、振動体20に形成された複数の突起28も振動し、突起28の耐磨耗性コーティング層29は接触体30の摩擦材層35と共に摩擦接触しながら接触体30を回転させる。接触体30が回転することにより、接触体30の回転部材31と接続された回転リング15は移動シリンダ10の光軸に対して回転する。このとき、回転リング15は移動シリンダ10とネジかみ合っており、固定シリンダ12に固定されたキー部材14は移動シリンダ10のキー溝16に上下移動できるようにかみ合っているため、移動シリンダ10は回転リング15の回転により光軸に沿って左側または右側に移動する。その結果、移動シリンダ10に固定されたレンズ(L)は焦点が調節される。
【0092】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0093】
1 超音波モータ、
20、20´ 振動体、
20a、20a´ 振動部材、
21、21´ 圧電体、
22、22´、23、23´ 圧電層、
38 接着剤、
41、41´、42、42´、43、43´、44、44´、45、45´、46、46´ 電極、
45’’、46’’ ダミー電極、
47 補助接続部、
47´ ダミー補助接続部、
60、60´ 電極接続部、
61、61´、63、63´ 導電体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部材と、
電圧を印加したときに進行波を生成し、前記振動部材を振動させる圧電体と、を含み、
前記圧電体は、
前記振動部材に取り付けられた第1圧電層と、
前記第1圧電層に取り付けられた第2圧電層と、
前記第1及び第2圧電層の第1面と前記第1面の反対面である第2面とに形成された複数の電極を備える電極部と、
前記第1及び第2圧電層の外周面に形成され、前記複数の電極を相互に選択的に接続する電極接続部と、を含むことを特徴とする超音波モータの振動体。
【請求項2】
前記振動部材は、電気導電性を有する材料で形成されることを特徴とする請求項1に記載の超音波モータの振動体。
【請求項3】
前記第1圧電層と前記第2圧電層とは、導電性接着剤又は非導電性接着剤のうちの一つにより相互に接着されることを特徴とする請求項1または2に記載の超音波モータの振動体。
【請求項4】
前記導電性接着剤又は非導電性接着剤は、それぞれ導電性エポキシ樹脂又は非導電性エポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項3に記載の超音波モータの振動体。
【請求項5】
前記第1圧電層と前記第2圧電層はそれぞれ正極と負極が交互に分極され、前記第1電圧層と前記第2電圧層の正極と負極の分極配列はλ/4(ここで、λは円周方向の一波長の長さ)の空間的な位相差を有することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項6】
前記電極部は、前記第1圧電層の前記第1面と前記第2面にそれぞれ形成された第1及び第2電極、前記第2圧電層の前記第1面と前記第2面にそれぞれ形成された第3及び第4電極、
前記第2圧電層の前記第2面に前記第4電極と分離されて形成された第5電極、前記第2圧電層の前記第2面に前記第4及び第5電極と分離されて形成された第6電極を含み、
前記電極接続部は、前記第1及び第2圧電層の外周面に形成され、前記第5電極と前記第6電極を、それぞれ前記第1電極と、前記第2電極と、前記第3電極と、前記振動部材の中の少なくとも一つと選択的に接続することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項7】
前記第4電極は、サイン波形の交流電圧とコサイン波形の交流電圧のうち一つが印加され、
前記第5電極は、サイン波形の交流電圧とコサイン波形の交流電圧のうち別の一つが印加され、
前記第6電極は、接地されたことを特徴とする請求項6に記載の超音波モータの振動体。
【請求項8】
前記電極接続部は、
前記第5電極と前記第1電極とを電気的に接続する第1導電体と、
前記第6電極と前記第3電極とを電気的に接続する第2導電体と、を含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の超音波モータの振動体。
【請求項9】
前記第1導電体は、前記第5電極から前記第2圧電層の外周面に沿って前記第1圧電層の外周面まで延長され、前記第1圧電層の前記外周面上に延長された前記第1電極の接点と接続されたことを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項10】
前記第1導電体は、前記振動部材まで更に延長されたことを特徴とする請求項1から9に記載の超音波モータの振動体。
【請求項11】
前記第2導電体は、前記第6電極から前記第2圧電層の外周面に延長され、前記第2圧電層の外周面上に延長された前記第3電極の接点と接続されたことを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項12】
前記第2導電体は、前記第1圧電層の第2面の外側の端まで延長された前記第2電極の接点まで更に延長されたことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項13】
前記第1及び第2導電体は、導電性ペーストを含むことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項14】
前記電極部は、前記第1圧電層に形成された前記電極のパターンと、前記第2圧電層に形成された前記電極のパターンとが互いに同一であり、空間的にλ/4の位相差をもって配置されるように形成されたことを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項15】
前記電極接続部は、前記第5電極と前記振動部材とを電気的に接続する第1導電体を含むことを特徴とする請求項6から14のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項16】
前記第1圧電層は、前記第2面から外周面を通って前記第1面まで延長され前記第1及び第2電極と分離された第1ダミー電極、前記外周面に形成され前記第1及び第2電極と分離された補助接続部、及び前記第2面から前記外周面まで延長され前記第1及び第2電極と分離された第2ダミー電極が円周方向のλ/4の間隔で配置される電極パターンを備え、
前記第2圧電層は、前記第1圧電層の前記第1ダミー電極、前記補助接続部及び前記第2ダミー電極と同一のパターンの第6電極、ダミー補助接続部及び第5電極がλ/4間隔の位相差を有するように配置される電極パターンを備えることを特徴とする請求項6から15のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項17】
前記第1導電体は、前記第2圧電層の外周面まで延長された前記5電極の部分から前記第1圧電層の前記外周面に形成された前記補助接続部を通って前記振動部材の外周面まで延長されたことを特徴とする請求項6から16のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項18】
前記第1導電体は、導電性ペーストを含むことを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項19】
前記電極接続部は、前記第6電極と前記第2電極とを電気的に接続する第2導電体を更に含むことを特徴とする請求項1から18のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項20】
前記第2導電体は、前記第2圧電層の外周面まで延長された前記第6電極の部分から前記第2電極の外側端の部分まで延長されたことを特徴とする請求項6から19のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項21】
前記第2導電体は、導電性ペーストを含むことを特徴とする請求項1から20のいずれかに記載の超音波モータの振動体。
【請求項22】
振動部材、及び振動部材に取り付けられ、電圧を印加したときに進行波を生成する圧電体を備える振動体と、
前記進行波によって前記振動体が変形したとき、前記振動体と摩擦接触する接触体と、を含み、
前記圧電体は、
正極と負極が交互に分極され、前記振動部材に取り付けられた第1圧電層と、
正極と負極が交互に分極され、前記第1圧電層に取り付けられた第2圧電層と、
前記第1及び第2圧電層の第1面と前記第1面と反対面である第2面とに形成された複数の電極を備える電極部と、
前記第1及び第2圧電層の外周面に形成され、前記複数の電極を相互に選択的に接続する電極接続部と、を含むことを特徴とする超音波モータ。
【請求項23】
前記電極部は、前記第1圧電層の前記第1面と前記第2面にそれぞれ形成された第1及び第2電極、前記第2圧電層の前記第1面と前記第2面にそれぞれ形成された第3及び第4電極、
前記第2圧電層の前記第2面に前記第4電極と分離されて形成された第5電極、及び前記第2圧電層の前記第2面に前記第4及び第5電極と分離されて形成された第6電極を含み、
前記電極接続部は、前記第1及び第2圧電層の外周面に形成され、前記第5電極と前記第6電極を、それぞれ前記第1電極と、前記第2電極と、前記第3電極と、前記振動部材の中から少なくとも一つと選択的に接続することを特徴とする請求項22に記載の超音波モータ。
【請求項24】
前記電極接続部は、
前記第5電極と前記第1電極とを電気的に接続する第1導電体と、
前記第6電極と前記第3電極とを電気的に接続する第2導電体と、を含むことを特徴とする請求項23に記載の超音波モータ。
【請求項25】
前記電極部は、前記第1圧電層に形成された前記電極のパターンと、前記第2圧電層に形成された前記電極のパターンとが互いに同一であり、空間的にλ/4の位相差をもって配置されるように形成されたことを特徴とする請求項22から24のいずれかに記載の超音波モータ。
【請求項26】
前記電極接続部は、前記第5電極と前記振動部材とを電気的に接続する第1導電体を含むことを特徴とする請求項23から25のいずれかに記載の超音波モータ。
【請求項27】
前記第1圧電層は、前記第2面から外周面を通って前記第1面まで延長され前記第1及び第2電極と分離された第1ダミー電極、前記外周面に形成され前記第1及び第2電極と分離された補助接続部、及び前記第2面から前記外周面まで延長され前記第1及び第2電極と分離された第2ダミー電極が円周方向のλ/4の間隔で配置される電極パターンを備え、
前記第2圧電層は、前記第1圧電層の前記第1ダミー電極、前記補助接続部及び前記第2ダミー電極と同一のパターンの第6電極、ダミー補助接続部及び第5電極がλ/4間隔の位相差を有するように配置される電極パターンを備えることを特徴とする請求項22から26のいずれかに記載の超音波モータ。
【請求項28】
前記第1導電体は、前記第2圧電層の外周面まで延長された前記5電極の部分から前記第1圧電層の前記外周面に形成された前記補助接続部を通って前記振動部材の外周面まで延長されたことを特徴とする請求項23から27のいずれかに記載の超音波モータ。
【請求項29】
前記電極接続部は、前記第6電極と前記第2電極とを電気的に接続する第2導電体を更に含むことを特徴とする請求項23から28のいずれかに記載の超音波モータ。
【請求項30】
前記第2導電体は、前記第2圧電層の外周面まで延長された前記第6電極の部分から前記第2電極の外側端の部分まで延長されたことを特徴とする請求項29に記載の超音波モータ。
【請求項31】
上面と下面にそれぞれ少なくとも一つの電極を備えた第1及び第2圧電層を用意するステップと、
前記第1及び第2圧電層を振動部材に順次取り付けるステップと、
前記第1及び第2圧電層の外周面に前記第1及び第2圧電層の前記電極を選択的に接続する電極接続部を形成するステップと、
を含むことを特徴とする超音波モータの振動体の製造方法。
【請求項32】
前記電極は、前記第1圧電層の前記上面と前記下面にそれぞれ形成された第1及び第2電極、前記第2圧電層の前記上面と前記下面にそれぞれ形成された第3及び第4電極、前記第2圧電層の前記下面に前記第4電極と分離されて形成された第5電極、及び前記第2圧電層の前記下面に前記第4及び第5電極と分離されて形成された第6電極を含み、
前記電極接続部は、前記第1及び第2圧電層の前記外周面に形成され、前記第5電極と前記第6電極を、それぞれ前記第1電極と、前記第2電極と、前記第3電極と、前記振動部材の中から少なくとも一つと選択的に接続することを特徴とする請求項31に記載の超音波モータの振動体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【公開番号】特開2010−81785(P2010−81785A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−94316(P2009−94316)
【出願日】平成21年4月8日(2009.4.8)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG ELECTRONICS CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do 442−742(KR)
【Fターム(参考)】