説明

振動測定システム、センサノード及び管理ノード

【課題】 センサノードによって振動をサンプリングする振動測定システムにおいて、精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行う。
【解決手段】 振動測定システム1は、建築構造物2の所定位置に設けられるセンサノード10と、当該センサノード10との間で無線通信を行う管理ノード20とを含んで構成される。センサノード10は、自ノード10が設けられた位置の加速度の大きさを検出するセンサ側検出部11と、管理ノード20との間で無線通信を行うセンサ側通信部13と、センサ側検出部11に対して、加速度の大きさの検出を所定の周期で実行するように制御すると共に、センサ側通信部13に対して、加速度の大きさの検出の実行されるタイミングには無線通信を禁止する制御を行うセンサ側制御部14と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物等の測定対象物の振動を測定する振動測定システム、センサノード及び管理ノードに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、加速度センサ等の振動を検出するセンサノードを建造物等の測定対象物に設置して、センサからの情報に基づいて地震による測定対象物の振動を解析する地震観測や構造ヘルスモニタリングが行われている。非特許文献1及び2に示されているように、このようなシステムにおいて、センサノードからのデータの収集は無線通信によって行われている。
【非特許文献1】市川智基,三田彰,「ワイヤレスセンサの構造ヘルスモニタリングへの適用性に関する研究」,日本建築学会大会学術講演梗概集(関東),B-2,867-868,2006年
【非特許文献2】Sukun Kim, Shamim Pakzad, David Culler, James Demmel, GregoryFenves, Steven Glaser, and Martin Turon, “Health Monitoring of Civil Infrastructures Using Wireless SensorNetworks”, In the Proceedings of the 6th International Conference onInformation Processing in Sensor Networks (IPSN '07), Cambridge, MA, April2007, ACM Press, pp. 254-263.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
複数のセンサノードが設置される分散システムでは、精確な地震観測や構造ヘルスモニタリングを行うためには、各センサノードでの精確なサンプリング(検出)の履歴データが必要になる。そのために、各センサノードにおいて、(サンプリングを行う)タイミングの同期を行いながら精確な周波数でのサンプリングを行わなければならない。
【0004】
精確な周波数でのサンプリングが実現されない場合、取得したサンプル(センサデータ)から、センサに入力された加速度の波形を復元することができない。また、サンプリングを行うタイミングの同期が取られていなければ、地震の波動の解析や地震動と構造物との振動の解析を精確に行うことができない。
【0005】
上記のようにセンサノードでは、主に、無線通信を行うためのタスクと、サンプリングを行うためのタスクとを実行することとなる。サンプリングを行うタスクは、上述したようにセンサノード間で同期を取られた上で精確な周波数で実行される必要がある。しかしながら、タスクの実行を行うCPU(Central Processing Unit)の性能によっては、サンプリングを行うタスクは、無線通信を行うためのタスク等に影響を受けて精確な周波数で実行されない場合がある。具体的には例えば、無線通信を行うタスクは割り込みによりタスクが中断されると処理が非効率となるため一般的に優先度が高く設定されているので、サンプリングを行うべきタイミングで無線通信を行うタスクが実行されていた場合、そのタイミングではサンプリングを行うタスクが実行されないこととなる。これにより、サンプリングを行うべきタイミングと実際にサンプリングを行ったタイミングとの間にジッタが生じ、精確なタイミング及び精確な周波数でのサンプリングが行えないという問題が発生する。
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、センサノードによって振動をサンプリングする振動測定システムにおいて、精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る振動測定システムは、測定対象物の所定位置に設けられるセンサノードと、当該センサノードとの間で無線通信を行う管理ノードとを含んで構成される、当該測定対象物の振動を測定する振動測定システムであって、センサノードは、測定対象物の所定位置の振動の度合を検出するセンサ側検出手段と、管理ノードとの間で、無線通信を行うセンサ側通信手段と、センサ側検出手段に対して、振動の度合の検出を所定の周期で実行するように制御すると共に、センサ側通信手段に対して、振動の度合の検出の実行されるタイミングには無線通信を禁止する制御を行うセンサ側制御手段と、を備えることを特徴とすることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る振動測定システムでは、センサノードにおいて、所定の周期で振動の度合が検出されるタイミングには無線通信が禁止される。従って、サンプリングが無線通信により影響を受けて適切なタイミングで実行されないことを防止し、ジッタの発生を防止することができる。即ち、本発明に係る振動測定システムによれば、精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行うことができる。
【0009】
管理ノードは、測定対象物に設けられ、自ノードが設けられる位置の振動の度合を、所定の周期で検出する管理側検出手段と、管理側検出手段によって、所定の第1の時間範囲において検出された振動の度合に基づいて、センサノードにデータ収集要求を送信する収集要求手段と、を備え、振動センサノードのセンサ側通信手段は、管理ノードからデータ収集要求を受信して、センサ側検出手段により検出された振動の度合を示す情報を、管理ノードに、無線通信によって送信することが望ましい。本構成では、測定対象物に振動が発生したとき等にのみ、センサノードにおいて検出された振動の度合を示す情報がセンサノードから管理ノードに送信されることができる。即ち、本構成によれば、振動測定システムにおいて効率的に情報の取得を行うことができる。
【0010】
管理ノードの収集要求手段は、管理側検出手段によって第1の時間範囲より前の所定の第2の時間範囲において検出された振動の度合の平均値を算出して、当該平均値に対する当該第1の時間範囲において検出された振動の度合のばらつきを算出して、当該ばらつきに応じてデータ収集要求を送信することが望ましい。本構成によれば、検出手段による振動の検出の温度依存性等を考慮して、適切に情報の取得を行うことができる。
【0011】
また、本発明に係る振動測定システムの各構成要素についてもそれぞれ自体が特に新規な構成を有する。即ち、本発明に係るセンサノードは、振動が測定される測定対象物の所定位置に設けられ、管理ノードとの間で無線通信を行うセンサノードであって、測定対象物の所定位置の振動の度合を検出するセンサ側検出手段と、管理ノードとの間で、無線通信を行うセンサ側通信手段と、センサ側検出手段に対して、振動の度合の検出を所定の周期で実行するように制御すると共に、センサ側通信手段に対して、振動の度合の検出の実行されるタイミングには無線通信を禁止する制御を行うセンサ側制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る管理ノードは、測定対象物の所定位置に設けられるセンサノードと、当該測定対象物に設けられると共に当該センサノードとの間で無線通信を行う管理ノードとを含んで構成される、当該測定対象物の振動を測定する振動測定システムにおける管理ノードであって、自ノードが設けられる位置の振動の度合を、所定の周期で検出する管理側検出手段と、管理側検出手段によって、所定の第1の時間範囲において検出された振動の度合に基づいて、センサノードにデータ収集要求を送信する収集要求手段と、
を備え、収集要求手段は、管理側検出手段によって第1の時間範囲より前の所定の第2の時間範囲において検出された振動の度合の平均値を算出して、当該平均値に対する当該第1の時間範囲において検出された振動の度合のばらつきを算出して、当該ばらつきに応じてデータ収集要求を送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、サンプリングが無線通信により影響を受けて適切なタイミングで実行されないことを防止し、ジッタの発生を防止することができるため、精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行うことができる。即ち、本発明によれば、正確なサンプリングと時刻同期とが行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面とともに本発明に係る振動測定システム、並びに当該振動測定システムに含まれるセンサノード及び管理ノードの好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
図1に本実施形態に係る振動測定システム1を示す。振動測定システム1は、測定対象物である建築構造物2の振動を測定するシステムである。図1に示すように振動測定システム1は、複数のセンサノード10と、1つの管理ノード20とを含んで構成されている。センサノード10及び管理ノード20は、それぞれ、建築構造物2の所定位置に設置されている。具体的には、建築構造物2の各フロアや、フロアの四隅、各部屋等のそれぞれに設置される。管理ノード20は、各センサノード10と無線通信を行うので、無線通信が行いやすい場所、例えば、各センサノード10が配置される位置とほぼ均等の距離にある位置に設置されることが好ましい。
【0016】
センサノード10及び管理ノード20は、建築構造物2において、それぞれが設置された位置の振動の度合を検出する。振動測定システム1は、各センサノード10及び管理ノード20において検出された建築構造物2における各位置の振動の度合を示す情報を取得して格納するシステムである。情報の取得は、管理ノード20によって行われる。
【0017】
引き続いて、振動測定システム1を構成するセンサノード10及び管理ノード20の構成について詳細に説明する。図1に示すようにセンサノード10は、センサ側検出部11と、メモリ12と、センサ側通信部13と、センサ側制御部14とを備えて構成される。
【0018】
センサ側検出部11は、建築構造物2において、自身が設置された位置の振動の度合を検出するセンサ側検出手段である。検出する振動の度合とは、例えば、その位置にかかる加速度であり、cm/s(Gal)等の単位のデータとして取得される。センサ側検出部11による加速度の検出(サンプリング)は、後述するようにセンサ側制御部14に制御によって、10msの周期で(周波数100Hzにて)行われる。検出する加速度の方向は、センサノード10を設置する方向等によって予め定められている。当該方向は、1方向でもよいし、3次元的な振動の方向を検出できるように3方向でもよい(その場合、方向毎にx方向、y方向、z方向が定められる)。
【0019】
センサ側検出部11は、検出した加速度を示す情報を、検出したタイミングを示す情報に対応付けてメモリ12に格納する。検出したタイミングを示す情報は、例えば、管理ノード20から通知されるスロット番号である。スロット番号は、時刻に応じて連続的になっている番号であり、各センサ側検出部11において同じタイミングで検出された加速度を示す情報には、同じスロット番号が対応付けられる。センサ側検出部11は、具体的には、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)が用いられた既存の加速度センサ等によって実現される。
【0020】
メモリ12は、センサ側検出部11により検出された振動の度合のデータを格納する手段である。具体的には、上述したスロット番号と加速度の大きさを示すデータとを対応付けて、データ毎に格納する。
【0021】
センサ側通信部13は、管理ノード20との間で無線通信を行うセンサ側通信手段である。当該無線通信を介して、センサ側通信部13と管理ノード20との間で情報の送受信が行われる。管理ノード20からセンサ側通信部13に送信される情報としては、時刻同期を行うためのパケット、センサ側検出部11によってサンプリングを行うタイミングの同期(サンプリング同期)を行うためのパケット等がある。サンプリング同期をおこなうためのパケットには、サンプリングされたデータに対応付けられるスロット番号が含まれている。センサ側通信部13は、受信したサンプリング同期を行うためのパケットを、センサ側制御部14に出力する。
【0022】
センサ側通信部13は、メモリ12に格納されている加速度を示す情報を取得して、管理ノード20に無線通信によって送信する。センサ側通信部13は、管理ノード20から無線通信によってデータ収集要求を受信して、当該受信をトリガとして、加速度を示す情報を送信する。データ収集要求は、管理ノード20から各センサノード10に対して、加速度を示す情報を要求する(トリガとなる)情報である。データ収集要求は、上述した同期を行うためのパケットの中に含められる。具体的には、当該パケットの中に所定のデータ領域にデータ収集要求を示す情報が含められる。
【0023】
センサ側通信部13は、データ収集要求を受信した後、管理ノード20から、要求する加速度を示す情報の範囲を特定する情報を受け取り、その情報を基にメモリ12から加速度を示す情報を取得する。要求する加速度を示す情報の範囲は、例えば、スロット番号で特定される。なお、センサ側通信部13は、加速度を示す情報を送信する際に自ノード10を特定する情報も対応付けて併せて送信して、加速度を示す情報がどのセンサノード10でサンプリングされたものかを判別できるようにする。
【0024】
センサ側通信部13と管理ノード20との間で行われる無線通信は、センサノード10が備える無線通信モジュールによって実現され、建築構造物2において通信が可能なものであればよい。即ち、通信エリアが建築構造物2を含む、数m〜数十m程度の無線通信が用いられればよい。具体的には、例えば、既存の無線LAN(Local Area Network)やZigBee等によって実現される。
【0025】
センサ側制御部14は、センサ側検出部11及びセンサ側通信部13の動作や当該動作に係る演算等の情報処理を行う手段である。特に、センサ側制御部14は、センサ側検出部11に対して、サンプリングを所定の周期で実行するように制御すると共に、センサ側通信部13に対して、上記のサンプリングのタイミングには無線通信を禁止する制御を行うセンサ側制御手段である。
【0026】
センサ側制御部14は、サンプリングを所定の周期で実行するように以下の処理を行う。センサ側制御部14は、タイマを保持しており、管理ノード20から送信されてセンサ側通信部13によって受信された時刻同期を行うパケットに基づいて、タイマの時刻同期を行う。センサ側制御部14は、管理ノード20から送信されてセンサ側通信部13によって受信されたタイミング同期を行うパケットに基づいて、所定のタイミングでサンプリングを行うようにセンサ側検出部11を制御する。例えば、図2のセンサノード10におけるタスクの実行のタイミングを示す図に示すように10ms周期(周波数100Hz)でサンプリングを実行させる。なお、図2において横軸は時間軸を示している。また、時刻同期とタイミング同期とが、1つの制御パケットによって行われてもよい。
【0027】
センサ側制御部14は、センサノード10が備えるCPUによって実現され、センサ側検出部11に対する制御はCPUにより実行されるタスクとして実現される。サンプリングを行うタスクは、精確な周期で実行されるように高い優先度が設定される。
【0028】
センサ側制御部14は、サンプリングのタイミングには無線通信を禁止するよう、即ち、サンプリングのタイミングの合間に無線通信が行われるよう以下の処理を行う。図2に示すように、センサ側制御部14は、サンプリングを実行したタイミングから0.2ms後に、センサ側通信部13に対して無線通信による受信ができる状態(Rx)に移行させる(RF(Radio Frequency) ON)。センサ側制御部14は、センサ側通信部13に対して無線通信による受信ができる状態(Rx)にした後、9ms後にセンサ側通信部13に対して無線通信による受信が(送信も)禁止された状態に移行させる(RF OFF)。上記の制御により、センサノード10では、センサ側検出部11によりサンプリングされたタイミングの合間の9msのみ無線通信により時刻及びタイミングの同期を行うパケットが受信される(状態とされる)。上記の制御は、具体的にはMAC層(Media Access Control Layer)の制御により実現することができる。
【0029】
これにより、センサノード10では、無線通信のタスクと、サンプリングのタスクとが競合することはない。なお、後述するように、管理ノード20は、センサノード10において無線通信による受信ができる状態の間に、上記のパケットを送信する。なお、上記のように制御を行うタイミングを示す情報は、ユーザ等に入力される等して予めセンサ側制御部14に記憶されている。
【0030】
センサノード10は、上述したように、CPU、メモリ、加速度センサ、無線通信モジュール等のハードウェアによって構成されており、これらが動作することによって上記の機能が発揮される。また、センサノード10は、上記の機能に係るハードウェアの他に上記の構成要素を動作させるためのバッテリや上記の構成要素を格納するケーシング等を備えている。以上が、センサノード10の構成である。
【0031】
図1に示すように管理ノード20は、管理側検出部21と、メモリ22と、管理側通信部23と、管理側制御部24と、収集要求部25とを備えて構成される。
【0032】
管理側検出部21は、建築構造物2において、自身が設置された位置の振動の度合を検出する管理側検出手段である。振動の度合の検出(サンプリング)は、センサノード10のセンサ側検出部11と同様の構成により行われる。管理側検出部21は、検出した加速度を示す情報を、検出したタイミングを示す情報に対応付けてメモリ22に格納する。
【0033】
メモリ22は、センサノード10のメモリ12と同様に、管理側検出部21により検出された振動の度合のデータを格納する手段である。また、メモリ22は、下記のように、管理側通信部23により受信された各センサノード10により検出された振動の度合のデータを格納する。
【0034】
管理側通信部23は、センサノード10との間で無線通信を行う管理側通信手段である。当該無線通信を介して、管理側通信部23とセンサノード10との間で情報の送受信が行われる。上述したように、管理側通信部23からセンサノード10に送信される情報としては、時刻同期を行うためのパケット、センサ側検出部11によってサンプリングを行うタイミングの同期(サンプリング同期)を行うためのパケット等がある。サンプリング同期をおこなうためのパケットには、サンプリングされたデータに対応付けられるスロット番号が含まれている。上記のパケットは、管理側制御部24から入力されて送信の制御がなされる。
【0035】
また、管理側通信部23は、上述するデータ収集要求を各センサノード10に送信して、それに応じてセンサノード10から送信される加速度を示す情報を受信して、メモリ22に格納する。データ収集要求の送信は、収集要求部25からの指示により行われる。管理側通信部23による無線通信自体は、センサノード10のセンサ側通信部13と同様に行われる。
【0036】
管理側制御部24は、管理側検出部21及び管理側通信部23の動作や当該動作に係る演算等の情報処理を行う手段である。管理側制御部24は、管理側検出部21に対して、サンプリングを所定の周期で実行するように制御すると共に、管理側通信部23に対して、上記のサンプリングのタイミングには無線通信を禁止する制御を行う管理側制御手段である。図2の管理ノード20におけるタスクの実行のタイミングを示す図に示すように、管理側制御部24は、所定のタイミングでサンプリングを行うように管理側検出部21を制御する。例えば、図2に示すように10ms周期(周波数100Hz)でサンプリングを実行させる。
【0037】
管理側制御部24は、管理ノード20が備えるCPUによって実現され、センサ側検出部11に対する制御はCPUにより実行されるタスクとして実現される。サンプリングを行うタスクは、精確な周期で実行されるように高い優先度が設定される。
【0038】
また、管理側制御部24は、自ノード20及び各センサノード10間で、サンプリングを所定の周期で実行するように以下の処理を行う。管理側制御部24は、タイマを保持しており、そのタイマに基づき時刻同期を行うパケット及びタイミング同期を行うパケットを生成して、各センサノード10に送信する。上述したように、図2に示すように10ms周期(周波数100Hz)でサンプリングを実行させるパケットを生成する。なお、自ノード及び各センサノードにおいて、サンプリングをどの程度の周期で行うかを示す情報は、予めユーザに入力される等して、管理側制御部24に記憶されている。
【0039】
また、管理側制御部24は、自ノード20におけるサンプリングのタイミングには無線通信を禁止するよう、即ち、サンプリングのタイミングの合間に無線通信が行われるよう以下の処理を行う。図2に示すように、管理側制御部24は、サンプリングを実行したタイミングから1.2ms後に、管理側通信部23に対して無線通信による送信ができる状態(Tx)に移行させる(RF ON)。また、管理側制御部24は、管理側通信部23に対して無線通信による送信ができる状態(Tx)にした後、4ms後に管理側通信部23に対して無線通信による送信が(受信も)禁止された状態に移行させる(RF OFF)。上記の制御により、管理ノード20では、管理側検出部21により、サンプリングされたタイミングの合間の4msのみ無線通信により時刻及びタイミングの同期を行うパケットが送信できる状態となる。その状態の間に、時刻及びタイミングの同期を行うパケットが送信されるように、管理側制御部24は、上記のパケットを生成して、管理側通信部23に対して、当該パケットを出力して各センサノード10への送信の制御を行う。なお、図2に示すように、上記の送信が行える状態の4ms間のタイミングは、各センサノード10において、パケットを受信される9ms間のタイミングに含まれている。上記により、管理ノード20では、無線通信のタスクと、サンプリングのタスクとが競合することはない。なお、上記のように制御を行うタイミングを示す情報は、ユーザ等に入力される等して予め管理側制御部24に記憶されている。
【0040】
収集要求部25は、管理側検出部21によって、所定の時間範囲(第1の時間範囲)において検出された加速度の大きさに基づいて、各センサノード10にデータ収集要求を送信する収集要求手段である。これは、管理ノード20が、センサノード10で検出された全ての加速度の大きさのデータを取得するのではなく、管理ノード20において所定の大きさの振動が検出された場合のみに各センサノード10で検出された加速度の大きさのデータを取得するためのものである。即ち、建築構造物2に振動が発生した時のみ管理ノード20で加速度の大きさのデータを収集するようにして、効率的に加速度の大きさのデータを収集するものである。収集要求部25は、管理側通信部23を介して無線通信によって、データ収集要求を送信する。
【0041】
また、収集要求部25は、管理側検出部21によって第1の時間範囲より前の所定の時間範囲(第2の時間範囲)において検出された加速度の大きさの平均値を算出して、当該平均値に対する当該第1の時間範囲において検出された加速度の大きさのばらつきを算出して、当該ばらつきに応じてデータ収集要求を送信することが望ましい。
【0042】
具体的には、収集要求部25は、管理側検出部21によってサンプリングされたデータ(サンプル)がメモリ22に格納される度に、メモリ22に格納されたサンプルを参照して、以下のようにセンサノード10に対してデータ収集要求を送信するか否かを判断する。図3に管理側検出部21によってサンプリングされた加速度の大きさを示すグラフの例を示す。図3において横軸は時間軸を示し、縦軸は加速度の大きさを示す。
【0043】
図3において、第1の時間範囲を最新の検出結果のサンプルから過去256サンプル目までに対応する範囲R1とする。最新の検出結果が検出された時刻Tを用いると、第1の時間範囲R1は、「T−2.56[sec]<t≦T[sec]」と表される。また、第2の時間範囲を、(最新のサンプルから遡ること)過去1281サンプル目から過去2304サンプル目まえに対応する範囲R2とする。第2の時間範囲R2は、「T−23.04[sec]<t≦T−12.08[sec]」と表される。ここで、第1の時間範囲R1は、上記のようにできるだけ最新の検出結果を含む、あるいは最新の検出結果に近いサンプルを用いることが好ましい。また、第2の時間範囲R2は、第1の時間範囲よりも数秒〜数分程度前の時間範囲であることが好ましい。なお、第1の時間範囲R1と第2の時間範囲R2とは隣り合っている必要はない。なお、最新の検出結果のサンプルに対して、何れのサンプルが第1又は第2の時間範囲R1,R2にあたるかを判断する情報を、予め収集要求部25は記憶している。
【0044】
まず、収集要求部25は、第2の時間範囲R2のサンプルをメモリ22から取得し、それら値(加速度の大きさを示す値、以下同様)の平均値を算出する。続いて、収集要求部25は、第1の時間範囲R1のサンプルをメモリ22から取得し、上記のばらつきを示す値として、各サンプルの値から上記の平均値を引いた値の二乗値の平均値(RMS値:Root Mean Square)を算出する。第2の時間範囲R2のサンプルの平均値をa、第1の時間範囲R1のサンプルの各値をr(iは、各サンプルを示す添え字である)とすると、Σ(r−a)/nを算出する。
【0045】
収集要求部25は、上記のばらつきを示す値が閾値以上であると判断した場合には、建築構造物2に一定の大きさ以上の振動(例えば、地震)が発生したものとして、データ収集要求を各センサノード10に送信すると判断する。上記の閾値は、建築構造物2における振動の発生を検出することができる値であるとし、ユーザ等に入力される等して予め収集要求部25に記憶されている。また、収集要求部25は、データ収集要求を送信すると判断した後も更に上記のばらつきを示す値を算出し続け、閾値を下回ったと判断した場合には、建築構造物2に発生した振動が収まったと判断する。ここで、上記の閾値は、建築構造物2における振動が収まったことを検出することができる値であるとし、ユーザ等に入力される等して予め収集要求部25に記憶されている。また、この閾値は、地震の発生を判断する閾値と同じものでもあってもよいし、異なるものであってもよい。
【0046】
収集要求部25は、振動の発生及び終息を検出すると、それらのタイミングから各センサノード10から取得するサンプルの範囲を特定する。具体的には、地震の発生のタイミングから終息のタイミングまでを上記の範囲としてもよいし、少し余裕をとり地震の発生のタイミングの少し前から終息のタイミングの少し後までを上記の範囲としてもよい。この範囲の特定は、例えば、スロット番号で行われる。
【0047】
管理側検出部21によって複数の方向の加速度の大きさが検出される場合は、上記の処理は、加速度が検出される方向毎に行われる。即ち、何れか一方向において、RMS値が閾値以上であると判断されると、データ収集要求を各センサノード10に送信すると判断する。
【0048】
収集要求部25は、各センサノード10から取得するサンプルの範囲を特定すると、データ収集要求を、同期をとるためにセンサノード10に送信されるパケットに含める。その後、収集要求部25は、管理側通信部23を介した無線通信によって、各センサノード10に収集するサンプルの範囲を通知する。
【0049】
上記のように、第2の時間範囲R2のサンプルの値の平均値を基準値(ゼロ点)として、第1の時間範囲R1のサンプルの値から建築構造物2における振動を判断することとするのは、管理側検出部21(加速度センサ)の温度依存性を考慮したものである。加速度センサは、温度によって性能が変化し、検出される加速度の大きさが温度に応じたものとなる。従って、予め、キャリブレーションを行っていたとしても、キャリブレーションを行ったときと温度が変化すれば精確な振動の検出を行えないおそれがある。上記のように、振動が発生していない(と仮定する)第2の時間範囲R2のサンプルを基準値とすれば、上記のような温度依存性を考慮して適切に、建築構造物2に振動が発生したことを判断することができる。
【0050】
収集要求部25は、管理ノード20が備えるCPUによって実現される。収集要求部25が実現されるCPUと、管理側制御部24が実現されるCPUとは同じCPUでもよいが、処理効率の点等から別々のCPUであることが望ましい。
【0051】
管理ノード20は、センサノード10と同様に、上述したように、CPU、メモリ、加速度センサ、無線通信モジュール等のハードウェアによって構成されており、これらが動作することによって上記の機能が発揮される。また、管理ノード20は、上記の機能に係るハードウェアの他に上記の構成要素を動作させるためのバッテリや上記の構成要素を格納するケーシング等を備えている。以上が、管理ノード20の構成である。
【0052】
引き続いて、図4のフローチャートを用いて本実施形態に係る振動測定システム1により実行される処理について説明する。
【0053】
各センサノード10では、(センサ側制御部14の制御に応じて)センサ側検出部11によって、加速度の大きさの検出(サンプリング)が行われる(S11)。当該サンプリングは、全てのセンサノード10において、同じタイミングで即ちタイミング同期が取られて行われる。サンプリングされた加速度のデータは、メモリ12に格納される。サンプリングが行われている間は、センサ側制御部14によって、センサ側通信部13による無線通信は禁止されている。サンプリングが行われた0.2ms後にセンサ側制御部14の制御によって、センサ側通信部13が、無線通信による受信ができる状態に移行される。
【0054】
一方で、管理ノード20でも、(管理側制御部24の制御に応じて)管理側検出部21によって、加速度の大きさの検出(サンプリング)が行われる(S21)。当該サンプリングは、センサノード10と同じタイミングで行われる。サンプリングされた加速度のデータは、メモリ22に格納される。サンプリングが行われている間は、管理側制御部24によって、管理側通信部23による無線通信は禁止されている。サンプリングが行われた1.2ms後に管理側制御部24の制御によって、管理側通信部23が、無線通信による送信ができる状態に移行される。続いて、管理ノード20の管理側制御部から、管理側通信部23を介した無線通信により、時刻同期及び(サンプリングの)タイミング同期を行うパケットが各センサノード10に送信される(S22)。続いて、無線通信の送信が許可されたタイミングの4ms後に管理側制御部24の制御によって、管理側通信部23が、無線通信が禁止された状態に移行される。
【0055】
各センサノード10では、センサ側通信部13によって、上記のパケットが受信される(S12)。受信されたパケットは、センサ側通信部13からセンサ側制御部14に入力される。続いて、無線通信の受信が許可されたタイミングの9ms後にセンサ側制御部14の制御によって、センサ側通信部13が、無線通信が禁止された状態に移行される。また、受信されたパケットに基づいて、センサ側制御部14によって、同期処理が行われる。
【0056】
各センサノード10では、同期処理が行われたタイミングにて、即ち前のサンプリングから10ms後に、センサ側検出部11によって加速度の大きさの検出が行われる(S11)。管理ノード20では、同期処理が行われたタイミングにて、即ち前のサンプリングから10ms後に、管理側検出部21によって加速度の大きさの検出が行われる(S21)。上記のように、サンプリング、同期パケットの送受信及び同期処理(S11,S12,S21,S22)が繰り返し行われる。これにより、サンプリングが所定の周波数でサンプリングが行われることとなる。
【0057】
管理ノード20では、サンプリングが行われるたびに、収集要求部25によって、上述したRMS値が算出されて、RMS値に基づいて、建築構造物2における一定の大きさ以上の振動の発生が検出されたか否かが判断される(S23)。振動の発生が検出されない場合は、サンプリングと同期パケットの送信(S21,S22)とが繰り返される。
【0058】
振動の発生が検出された場合は、続いて、収集要求部25によって、上述したRMS値が算出されて、RMS値に基づいて、建築構造物2における振動が終息したかが判断される。なお、振動の終息の判断については、図4には図示しないが、振動の検出後もサンプリングと同期パケットの送信(S21,S22)が繰り返された上で行われる。
【0059】
振動の終息が検出されると、収集要求部25から、管理側通信部23を介した無線通信により、データ収集要求が各センサノード10に送信される(S24)。また、データ収集要求が送信された後、収集要求部25から、データ収集要求に係るサンプルの範囲を特定する情報が送信される。なお、サンプルの範囲を特定する情報は、センサノード10からデータ収集要求に対する応答(Ack)(生存応答)が受信されてから送信されてもよい。
【0060】
各センサノード10では、センサ側通信部13によって、データ収集要求と、送信するサンプルの範囲を特定する情報とが受信される(S13)。続いて、センサ側通信部13によって、受信された上記の情報に基づいて、メモリ12から加速度を示す情報が取得されて管理ノード20に送信される(S14)。管理ノード20では、管理側通信部23によって、各センサノード10から送信された加速度を示す情報が受信されて、メモリ22に格納される。
【0061】
加速度を示す情報が送受信された後、各センサノード10及び管理ノード20は、上述したサンプリング、同期パケットの送受信及び同期処理(S11,S12,S21,S22)が繰り返し行われる。なお、各センサノード10では、センサ側通信部13によって時刻同期のためのパケットを受信したことをトリガとして、上述したサンプリング、同期パケットの送受信及び同期処理(S11,S12)が繰り返し行われるようにしてもよい。
【0062】
以上が、本実施形態に係る振動測定システム1により実行される処理である。上記の処理により、管理ノード20のメモリ22には、各センサノード10及び管理ノード20で検出された建築構造物2で発生した振動のデータが記憶される。
【0063】
上述したように本実施形態に係る振動測定システム1では、各センサノード10及び管理ノード20において、所定の周期で振動の度合が検出されるタイミングには無線通信が禁止される。従って、サンプリングが無線通信により影響を受けて適切なタイミングで実行されないことを防止し、ジッタの発生を防止することができる。即ち、本実施形態に係る振動測定システム1によれば、精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行うことができる。即ち、本実施形態によれば、正確なサンプリングと時刻同期とが行われる。
【0064】
なお、例えば、サンプリングを行うタスクに無線通信よりも高い優先度を設定するのみでは上記の効果を得ることはできない。無線通信を行うタスクは、サンプリングを行うタスクにより中断されると大きなオーバヘッドが生じるため、10ms間隔程度でサンプリングを行う場合は適切な無線通信を行えないという問題が生じるためである。
【0065】
なお、数100MHz程度の十分高速なCPUによれば、本発明の機能を用いなくても実質的にサンプリングジッタを相対的に無視できる範囲に収めることができると考えられる。しかしながら、本発明の機能を用いることをすれば、10MHz程度の比較的高性能でないCPUを用いたとしても、精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行うことが可能になる。通常、精確に振動の測定を行おうとする場合、より多くのセンサノード10を設けるのが好ましいため、比較的高性能でないCPUを用いたとしても精確なタイミング及び周波数でサンプリングを行うことは極めて有用である。
【0066】
また、本実施形態のように、管理ノード20においても振動の度合を検出して当該振動の度合に基づいて、データ収集要求が各センサノード10に送信されて、データが収集されることが好ましい。この構成によれば、建築構造物2に地震による振動が発生したとき等にのみ、センサノード10において検出された振動の度合を示す情報がセンサノード10から管理ノード20に送信されることができる。即ち、本構成によれば、振動測定システム1において、例えば、解析が必要なデータのみが管理ノード20に蓄積されることができ、効率的に情報の取得を行うことができる。但し、上記のような構成を必ずしもとる必要はなく、予め定められた所定のタイミング(例えば、1日1回)等で、センサノード10から管理ノード20に振動の度合の情報が送信されてもよい。
【0067】
また、本実施形態のように、第2の時間範囲R2の平均値を用いて、データ収集要求を送信するか否かの判断を行うことが望ましい。この構成によれば、管理側検出部21による振動の検出の温度依存性等を考慮して、適切に情報の取得を行うことができる。但し、上記のような構成を必ずしもとる必要はなく、第1の時間範囲R1のみの値(例えば、それらの値の分散)を用いて、データ収集要求を送信するか否かの判断をすることとしてもよい。
【0068】
なお、本実施形態では、振動測定システム1による振動の測定対象物は、建築構造物2であることとしたが、必ずしも建築構造物2である必要はなく、振動の測定が必要となるものであればよい。
【0069】
また、本実施形態では、各センサノード10及び管理ノード20で検出される振動の度合として、加速度の大きさを用いることとしたが、測定対象物の各ノード10,20が設置された位置の変位や歪みを検出することとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明の実施形態における振動測定システム、並びに当該振動測定システムに含まれるセンサノード及び管理ノードを示す図である。
【図2】センサノード及び管理ノードにおいて、サンプリング、及び無線通信による情報の送受信が行われるタイミングを示す図である。
【図3】管理ノードにおいて検出される加速度の大きさの時系列データを示すグラフである。
【図4】本発明の実施形態における振動測定システムで実行される処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
1…振動測定システム、2…建築構造物、10…センサノード、11…センサ側検出部、12…メモリ、13…センサ側通信部、14…センサ側制御部、20…管理ノード、21…管理側検出部、22…メモリ、23…管理側通信部、24…管理側制御部、25…収集要求部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物の所定位置に設けられるセンサノードと、当該センサノードとの間で無線通信を行う管理ノードとを含んで構成される、当該測定対象物の振動を測定する振動測定システムであって、
前記センサノードは、
前記測定対象物の所定位置の振動の度合を検出するセンサ側検出手段と、
前記管理ノードとの間で、前記無線通信を行うセンサ側通信手段と、
前記センサ側検出手段に対して、前記振動の度合の検出を所定の周期で実行するように制御すると共に、前記センサ側通信手段に対して、前記振動の度合の検出の実行されるタイミングには前記無線通信を禁止する制御を行うセンサ側制御手段と、
を備えることを特徴とする振動測定システム。
【請求項2】
前記管理ノードは、
前記測定対象物に設けられ、
自ノードが設けられる位置の振動の度合を、所定の周期で検出する管理側検出手段と、
前記管理側検出手段によって、所定の第1の時間範囲において検出された振動の度合に基づいて、前記センサノードにデータ収集要求を送信する収集要求手段と、
を備え、
前記振動センサノードのセンサ側通信手段は、前記管理ノードから前記データ収集要求を受信して、前記センサ側検出手段により検出された前記振動の度合を示す情報を、前記管理ノードに、前記無線通信によって送信することを特徴とする請求項1に記載の振動測定システム。
【請求項3】
前記管理ノードの前記収集要求手段は、前記管理側検出手段によって前記第1の時間範囲より前の所定の第2の時間範囲において検出された振動の度合の平均値を算出して、当該平均値に対する当該第1の時間範囲において検出された振動の度合のばらつきを算出して、当該ばらつきに応じて前記データ収集要求を送信することを特徴とする請求項2に記載の振動測定システム。
【請求項4】
振動が測定される測定対象物の所定位置に設けられ、管理ノードとの間で無線通信を行うセンサノードであって、
前記測定対象物の所定位置の振動の度合を検出するセンサ側検出手段と、
前記管理ノードとの間で、前記無線通信を行うセンサ側通信手段と、
前記センサ側検出手段に対して、前記振動の度合の検出を所定の周期で実行するように制御すると共に、前記センサ側通信手段に対して、前記振動の度合の検出の実行されるタイミングには前記無線通信を禁止する制御を行うセンサ側制御手段と、
を備えるセンサノード。
【請求項5】
測定対象物の所定位置に設けられるセンサノードと、当該測定対象物に設けられると共に当該センサノードとの間で無線通信を行う管理ノードとを含んで構成される、当該測定対象物の振動を測定する振動測定システムにおける管理ノードであって、
自ノードが設けられる位置の振動の度合を、所定の周期で検出する管理側検出手段と、
前記管理側検出手段によって、所定の第1の時間範囲において検出された振動の度合に基づいて、前記センサノードにデータ収集要求を送信する収集要求手段と、
を備え、
前記収集要求手段は、前記管理側検出手段によって前記第1の時間範囲より前の所定の第2の時間範囲において検出された振動の度合の平均値を算出して、当該平均値に対する当該第1の時間範囲において検出された振動の度合のばらつきを算出して、当該ばらつきに応じて前記データ収集要求を送信することを特徴とする管理ノード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−14604(P2010−14604A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175956(P2008−175956)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 研究集会名 電子情報通信学会 2008年総合大会 主催者名 社団法人 電子情報通信学会 公開日 平成20年3月19日 刊行物名 2008総合大会 講演論文集 発行日 平成20年3月5日 発行所 社団法人 電子情報通信学会 刊行物名 電子情報通信学会技術研究報告 信学技報 Vol.107 No.447 発行日 平成20年1月17日 発行所 社団法人 電子情報通信学会
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000001373)鹿島建設株式会社 (1,387)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】