説明

挿絵作成装置、挿絵提供システム、挿絵作成方法、挿絵作成プログラム

【課題】テキストの文面・文脈に含まれる作成者の微妙な感情等を反映した画像等を自動的に作成する挿絵作成装置等を提供すること
【解決手段】挿絵作成装置1は、複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて記憶する画像データ記憶部50と、文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイル91に格納する言語解析手段21と、各文面単語が各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応するカウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大であるカウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証手段22と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付手段24を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像等の文字以外の情報を含む文書データを作成する技術に関し、特に文面に即した画像等を自動的に選択して文書データを作成する装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
電子的な手段で作成した文書により情報のやり取りをすることは広く行われている。文字だけでは表現力が限られているため、文書中に挿絵等の文字以外の情報を挿入したい場合もある。挿絵等が予め準備されている場合には、それを文書中に挿入することは簡単である。例えば、多くの電子メール作成・送受信用のソフトウェアでは、HTMLメールを作成する機能を備えている。
しかし、文書の内容に即した挿絵等をその都度作成することは一般には困難である。画像を作成・編集するソフトウェアは広く普及しているが、これを使いこなして思い通りの絵を作成する技能を持つ人は少ない。そのような技能があったとしても作成するための時間的な余裕がない場合も多い。
【0003】
特許文献1には、電子メールにイラストを簡単に挿入するための電子メール送受信装置が記載されている。この電子メール送受信装置は、受信した電子メールから送信日時やキーワードを抽出し、これらに合致するイラストを選択して受信した電子メールに挿入し送信元のユーザに返信する。これを受信したユーザは、本来の送信先に送信する。
【0004】
【特許文献1】特開平10−289173号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の特許文献1の技術では、単純なキーワードのマッチングによりイラストを選択している。そのため、テキストの文面・文脈に含まれる作成者の微妙な感情等を反映したイラストを選択することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、テキストの文面・文脈に含まれる作成者の微妙な感情等を反映した画像等を自動的に作成する挿絵作成装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の挿絵作成装置は、複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて記憶する画像データ記憶部と、文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイルに格納する言語解析手段と、各文面単語が各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応するカウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大であるカウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証手段と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付手段を備えている(請求項1ないし請求項9)。
【0008】
上記挿絵作成装置によれば、画像データの関連単語(画像データが表わす内容を示す語、その語の関連語、その語を連想させる語)と文面に含まれる単語を比較し、文面単語に最もよく一致する関連単語を持つ画像データを挿絵として選択する。
そのため、テキストの文面・文脈に含まれる作成者の微妙な感情等を反映した画像データを選択し、その画像と文面を合成し挿絵ファイルを自動的に作成することができる。
【0009】
上記挿絵作成装置において、複数の楽曲データと各楽曲データに関連する複数の楽曲関連単語と1個の楽曲カウンターを対応付けて記憶する楽曲データ記憶部を備え、比較検証手段は、各文面単語が各楽曲関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該楽曲関連単語に対応する楽曲カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大である楽曲カウンターに対応する楽曲データを挿入楽曲データとして選択し、挿絵貼付手段は、挿入楽曲データと文面ファイルに含まれる文字列と挿絵画像データを結合して挿絵ファイルを生成するようにしてもよい(請求項2)。
このようにすれば、画像の場合と同様に、テキストの文面・文脈に含まれる作成者の微妙な感情等を反映した楽曲データを選択し楽曲を含む挿絵ファイルを自動的に作成することができる。
【0010】
上記挿絵作成装置において、言語解析手段は、文面単語からその品詞が助詞、代名詞、接続詞のいずれかに該当するもの及び数字を除去して単語群ファイルに格納するようにしてもよい(請求項3)。
このようにすれば、その単語自体では特段の観念を生じさせない助詞等を検証の対象からはずすことができ、そのため、挿絵画像データと文面との適合度を向上させることができる。
【0011】
上記挿絵作成装置において、画像データ記憶部は、事物を示す単語を列の見出しとし事象または人の感情を示す単語を行の見出しとする要素マトリクス表の各要素に画像データと関連単語とカウンターを対応付けたものであり、各要素の画像データは、当該要素が属する列の見出しである単語が示す事物と要素が属する行の見出しである単語が示す事象または感情を表わすものであり、比較検証手段は、要素マトリクス表の行を基準に分類された複数の要素のグループのそれぞれから一つの挿絵画像データを選択するようにしてもよい(請求項4)。
このようにすれば、類似の事物や事象を示す画像を含む絵素を絵素マトリクス表の同一の列または行に配置しグループ化することができる。そのため、挿絵画像データの選択処理を効率よく行うことができる。
【0012】
上記挿絵作成装置において、比較検証手段は、人の感情を示す単語を見出しとするマトリクス表の行に属する要素のグループから背景画像データを、時節時候を示す単語を見出しとするマトリクス表の行に属し、かつ、背景画像データに対応する要素と同一の列に属する要素のグループから追加画像データを、それぞれ一つ選択するようにしてもよい(請求項5)。
このようにすれば、2つの異なる観点から文面単語と関連単語の一致程度を検証し、適切な組み合わせで背景画像と追加画像を選択することができる。
【0013】
上記挿絵作成装置において、要素マトリクス表は、感情の程度を示す語を見出しとする加工指定行を含み、この加工指定行に属する加工指定要素には、画像データの加工方法を指定する情報と感情の程度を示す語に関連する複数の単語と一つの加工カウンターが対応付けられており、比較検証手段は、各文面単語が加工指定行に属し、かつ、背景絵と同一の列に属する要素に対応付けられた各単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該単語に対応する加工カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で加工カウンターの値が最大である加工指定要素を選択し、挿絵貼付手段は、加工指定要素に対応付けられた加工方法を指定する情報にしたがって背景画像データを加工したうえで文面ファイルに含まれる文字列と結合するようにしてもよい(請求項6)。
このようにすれば、文面に含まれる思想感情の程度に応じて背景画像を加工して挿絵ファイルに挿入することができる。
【0014】
上記挿絵作成装置において、事物を表わす複数の短文用画像データと各短文用画像データに関連する複数の短文関連単語と1個の短文用カウンターを対応付けて記憶する短文用画像データ記憶部と、各文面単語が各短文関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該短文関連単語に対応する短文用カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大である短文用カウンターに対応する画像データを短文用挿絵画像データとして選択する短文用比較検証手段と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して短文用挿絵ファイルを生成する短文用挿絵貼付手段を備え、単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値以下の場合には、比較検証手段と挿絵貼付手段を動作させず、短文用比較検証手段と短文用挿絵貼付手段を作動させるようにしてもよい(請求項7)。
文面が短文であるとき、すなわち文面に含まれる単語が少ない場合は、文面に含まれる情報が少なく、文面の作成者の感情等を抽出するのは困難であると予想される。上記のように、短文用の画像として具体的な事物を表わす画像(例えば、風景画や動植物を描写した画像)を別途用意しておくことで、短文の場合でも文面の内容に適合した画像を選択し挿絵ファイルに挿入することができる。
【0015】
上記挿絵作成装置において、予め定めた複数の終助詞と各終助詞に対応付けた合いの手画像データを記憶する終助詞定義ファイルを備え、言語解析手段は、文面から終助詞を抽出して終助詞保存ファイルに格納し、短文用比較検証手段は、終助詞保存ファイルに格納された各終助詞と終助詞定義ファイルに格納された終助詞が一致するか否かを検証し、一致する場合には当該終助詞に対応する合いの手画像データを選択し、短文用挿絵貼付手段は、短文用比較検証手段により選択された合いの手画像データを短文用挿絵ファイルに結合するようにしてもよい(請求項8)。
このようにすれば、終助詞により表わされる文面のニュアンスに即した画像を挿絵に追加することができる。
【0016】
上記挿絵作成装置において、単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値より大きく、かつ、比較検証手段による検証の終了時でのカウンターの値の最大値が第2の閾値以下である場合に、短文用比較検証手段と短文用挿絵貼付手段を作動させるようにしてもよい(請求項9)。
このようにすれば、文面に含まれる感情の程度に応じて背景画像データを加工して挿絵ファイルに挿入することができる。
【0017】
本発明の挿絵提供システムは、上記に記載の挿絵作成装置と、この挿絵作成装置と通信可能に接続された送信側端末と、挿絵作成装置と通信可能に接続された受信側端末とを備え、挿絵作成装置は、送信側端末から受信した電子メールの本文を文面データとして挿絵ファイルを生成し、この挿絵ファイルを本文とする電子メールを受信側端末に送信する(請求項10)。
【0018】
上記挿絵提供システムによれば、画像データから挿絵画像データ等を選択し挿絵ファイルを作成する処理は、サーバとしての挿絵作成装置が行う。そのため、送信側端末として処理能力の低い装置を用いた場合でも挿絵作成装置から挿絵ファイルの提供を受けて利用することができる。
【0019】
本発明の挿絵作成方法は、複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて画像データ記憶部に記憶する画像データ記憶工程と、文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイルに格納する言語解析工程と、各文面単語が各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応するカウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大であるカウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証工程と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付工程を備えている(請求項11ないし請求項19)。
【0020】
上記挿絵作成方法において、複数の楽曲データと各楽曲データに関連する複数の楽曲関連単語と1個の楽曲カウンターを対応付けて楽曲データ記憶部に記憶する楽曲データ記憶工程を備え、比較検証工程では、各文面単語が各楽曲関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該楽曲関連単語に対応する楽曲カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大である楽曲カウンターに対応する楽曲データを挿入楽曲データとして選択し、挿絵貼付工程では、挿入楽曲データと文面ファイルに含まれる文字列と挿絵画像データを結合して挿絵ファイルを生成するようにしてもよい(請求項12)。
【0021】
上記挿絵作成方法において、言語解析工程では、文面単語からその品詞が助詞、代名詞、接続詞のいずれかに該当するもの及び数字を除去して単語群ファイルに格納するようにしてもよい(請求項13)。
【0022】
上記挿絵作成方法において、画像データ記憶部は、事物を示す単語を列の見出しとし事象または人の感情を示す単語を行の見出しとする要素マトリクス表の各要素に画像データと関連単語とカウンターを対応付けたものであり、各要素の画像データは、当該要素が属する列の見出しである単語が示す事物と要素が属する行の見出しである単語が示す事象または感情を表わすものであり、比較検証工程では、要素マトリクス表の行を基準に分類された複数の要素のグループのそれぞれから一つの挿絵画像データを選択するようにしてもよい(請求項14)。
【0023】
上記挿絵作成方法において、比較検証工程では、人の感情を示す単語を見出しとするマトリクス表の行に属する要素のグループから背景画像データを、時節時候を示す単語を見出しとするマトリクス表の行に属し、かつ、背景画像データに対応する要素と同一の列に属する要素のグループから追加画像データを、それぞれ一つ選択するようにしてもよい(請求項15)。
【0024】
上記挿絵作成方法において、要素マトリクス表は、感情の程度を示す語を見出しとする加工指定行を含み、この加工指定行に属する加工指定要素には、画像データの加工方法を指定する情報と感情の程度を示す語に関連する複数の単語と一つの加工カウンターが対応付けられており、比較検証工程では、各文面単語が加工指定行に属し、かつ、背景絵と同一の列に属する要素に対応付けられた各単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該単語に対応する加工カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で加工カウンターの値が最大である加工指定要素を選択し、挿絵貼付工程では、加工指定要素に対応付けられた加工方法を指定する情報にしたがって背景画像データを加工したうえで文面ファイルに含まれる文字列と結合するようにしてもよい(請求項16)。
【0025】
上記挿絵作成方法において、事物を表わす複数の短文用画像データと各短文用画像データに関連する複数の短文関連単語と1個の短文用カウンターを対応付けて短文用画増データ記憶部に記憶する短文用画像データ記憶工程を備え、単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値以下の場合には、比較検証工程と挿絵貼付工程を実行せず、各文面単語が各短文関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該短文関連単語に対応する短文用カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大である短文用カウンターに対応する画像データを短文用挿絵画像データとして選択する短文用比較検証工程と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して短文用挿絵ファイルを生成する短文用挿絵貼付工程ようにしてもよい(請求項17)。
【0026】
上記挿絵作成方法において、予め定めた複数の終助詞と合いの手画像データを対応付けて終助詞定義ファイルに格納終助詞定義工程とを備え、言語解析工程では、文面から終助詞を抽出して終助詞保存ファイルに格納し、短文用比較検証工程では、終助詞保存ファイルに格納された各終助詞と終助詞定義ファイルに格納された終助詞が一致するか否かを検証し、一致する場合には当該終助詞に対応する合いの手画像データを選択し、短文用挿絵貼付工程では、短文用比較検証工程により選択された合いの手画像データを短文用挿絵ファイルに結合するようにしてもよい(請求項18)。
【0027】
上記挿絵作成方法において、単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値より大きく、かつ、比較検証工程による検証の終了時でのカウンターの値の最大値が第2の閾値以下である場合に、短文用比較検証工程と短文用挿絵貼付工程を実行するようにしてもよい(請求項19)。
【0028】
本発明の挿絵作成プログラムは、コンピュータに、複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて画像データ記憶部に記憶する画像データ記憶処理と、文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイルに格納する言語解析処理と、各文面単語が各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応するカウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大であるカウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証処理と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付処理を実行させる(請求項20ないし請求項28)。
【0029】
上記挿絵作成プログラムにおいて、コンピュータに、複数の楽曲データと各楽曲データに関連する複数の楽曲関連単語と1個の楽曲カウンターを対応付けて楽曲データ記憶部に記憶する楽曲データ記憶処理を実行させ、比較検証処理では、各文面単語が各楽曲関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該楽曲関連単語に対応する楽曲カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大である楽曲カウンターに対応する楽曲データを挿入楽曲データとして選択し、挿絵貼付処理では、挿入楽曲データと文面ファイルに含まれる文字列と挿絵画像データを結合して挿絵ファイルを生成するようにしてもよい(請求項21)。
【0030】
上記挿絵作成プログラムにおいて、言語解析処理では、文面単語からその品詞が助詞、代名詞、接続詞のいずれかに該当するもの及び数字を除去して単語群ファイルに格納するようにしてもよい(請求項22)。
【0031】
上記挿絵作成プログラムにおいて、画像データ記憶部は、事物を示す単語を列の見出しとし事象または人の感情を示す単語を行の見出しとする要素マトリクス表の各要素に画像データと関連単語とカウンターを対応付けたものであり、各要素の画像データは、当該要素が属する列の見出しである単語が示す事物と要素が属する行の見出しである単語が示す事象または感情を表わすものであり、比較検証処理では、要素マトリクス表の行を基準に分類された複数の要素のグループのそれぞれから一つの挿絵画像データを選択するようにしてもよい(請求項23)。
【0032】
上記挿絵作成プログラムにおいて、比較検証処理では、人の感情を示す単語を見出しとするマトリクス表の行に属する要素のグループから背景画像データを、時節時候を示す単語を見出しとするマトリクス表の行に属し、かつ、背景画像データに対応する要素と同一の列に属する要素のグループから追加画像データを、それぞれ一つ選択するようにしてもよい(請求項24)。
【0033】
上記挿絵作成プログラムにおいて、要素マトリクス表は、感情の程度を示す語を見出しとする加工指定行を含み、この加工指定行に属する加工指定要素には、画像データの加工方法を指定する情報と感情の程度を示す語に関連する複数の単語と一つの加工カウンターが対応付けられており、比較検証処理では、各文面単語が加工指定行に属し、かつ、背景絵と同一の列に属する要素に対応付けられた各単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該単語に対応する加工カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で加工カウンターの値が最大である加工指定要素を選択し、挿絵貼付処理では、加工指定要素に対応付けられた加工方法を指定する情報にしたがって背景画像データを加工したうえで文面ファイルに含まれる文字列と結合するようにしてもよい(請求項25)。
【0034】
上記挿絵作成プログラムにおいて、コンピュータに、事物を表わす複数の短文用画像データと各短文用画像データに関連する複数の短文関連単語と1個の短文用カウンターを対応付けて短文用画増データ記憶部に記憶する短文用画像データ記憶処理を実行させ、
単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値以下の場合には、コンピュータに、比較検証処理と挿絵貼付処理を実行させず、各文面単語が各短文関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該短文関連単語に対応する短文用カウンターの値を増加させ、すべての文面単語について判定が終了した時点で値が最大である短文用カウンターに対応する画像データを短文用挿絵画像データとして選択する短文用比較検証処理と、挿絵画像データと文面ファイルに含まれる文字列を結合して短文用挿絵ファイルを生成する短文用挿絵貼付処理を実行させるようにしてもよい(請求項26)。
【0035】
上記挿絵作成プログラムにおいて、コンピュータに、予め定めた複数の終助詞と合いの手画像データを対応付けて終助詞定義ファイルに格納終助詞定義処理を実行させ、言語解析処理では、文面から終助詞を抽出して終助詞保存ファイルに格納し、短文用比較検証処理では、終助詞保存ファイルに格納された各終助詞と終助詞定義ファイルに格納された終助詞が一致するか否かを検証し、一致する場合には当該終助詞に対応する合いの手画像データを選択し、短文用挿絵貼付処理では、短文用比較検証処理により選択された合いの手画像データを短文用挿絵ファイルに結合するようにしてもよい(請求項27)。
【0036】
上記挿絵作成プログラムにおいて、単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値より大きく、かつ、比較検証処理による検証の終了時でのカウンターの値の最大値が第2の閾値以下である場合に、コンピュータに、短文用比較検証処理と短文用挿絵貼付処理を実行させるようにしてもよい(請求項28)。
【0037】
上記の挿絵作成方法及び挿絵作成プログラムによっても、挿絵作成装置と同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、テキストの文面・文脈に含まれる作成者の微妙な感情等を反映した画像データを選択し挿絵ファイルを自動的に作成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図を参照しながら本発明の第1の実施形態である挿絵作成装置1の構成と動作について説明する。
図1は、挿絵作成装置1の機能ブロック図である。
挿絵作成装置1は、例えばパーソナルコンピュータであり、文面作成手段10、挿絵作成部20、メール送信手段30、記憶部40を備えている。挿絵作成部20は、日本語解析手段21、比較検証手段22、短文用比較検証手段23、挿絵貼付手段24、短文用挿絵貼付手段25から構成される。記憶部40は、例えばハードディスク装置により構成され、絵要素マトリクスリクス50、短文絵図60、挿絵マップ70、終助詞マップ80、作業用ファイル90が記憶されている。作業用ファイル90には、文面ファイル91、単語群ファイル92、終助詞保存ファイル92、終助詞定義ファイル94、伸縮ファイル95、挿絵ファイル96が含まれている。なお、図面では「ファイル」を「F」と略記する。
挿絵作成装置1は、文面作成手段10で作成した文面に挿絵作成部20で作成した挿絵を挿入しメール送信手段30に供給する。
【0040】
絵要素マトリクス表は、
絵要素マトリクス表50のデータ構造例を図6に示す。
絵要素マトリクスリ表50は、挿絵に使う絵素XN(画像データ)の集合体であり、表の要素の一つ一つに、絵素または絵素の加工方法を指定する情報と、その絵素の内容に関連した語(関連単語)が複数個と、一つの絵素カウンター50-XN(「X」はAないしFのいずれか、「N」は1ないし20のいずれか)が一つ対応付けられている。関連単語は、挿絵として採用する絵素を選ぶために使用する。すなわち、後述する単語群ファイル92の語と比較検証して一致した語に対応する絵素カウンター50−XNに一点が計上加算され、背景絵素、追加絵素、仕上げ絵素のそれぞれについて最終的に最高得点を計上した絵素が挿絵貼付手段24により挿絵として貼りつけられる。
ここでは120個の絵素を例にしたが、絵素の個数は多いほど挿絵の最適度(文面の意味内容、文面に含まれる書き手の思想感情と絵素との適合度)は向上する。
【0041】
ここで、図6の表の1列または複数の行の集合を「マトリクス」と呼ぶことにする。
第1マトリクス50−1ないし第6マトリクス50−6には、文面の主な話題となりうる事物を示す絵素が含まれている。これらの事物を示す単語が表の列の見出しとなっている。この例では、第1マトリクス50−1は『海の話題』、第2マトリクス50−2は『山の話題』、第3マトリクス50−3は『陸の話題』、第4マトリクス50−4は『空の話題』、第5マトリクス50−4は『建物の話題』、第6マトリクス50−5は『人の話題』がそれぞれ割り当てられている。第7マトリクス50−7には『喜怒哀楽(人の感情)の話題』が割り当てられている。これらのマトリクスに含まれる絵素(画素A1、A2・・A4・・F3、F4の24個)が、背景絵素の候補で、その中の一つが後述する比較検証手段22により選択される。
【0042】
第8マトリクスと第9マトリクスは、背景絵素を挿絵ファイル96に貼り付ける際の加工方法を特定するためのものである。第8マトリクス50−8は『大小の話題』、第9マトリクス50−9は『意思表示の話題』が割り当てられている。これらのマトリクスに含まれる要素により背景絵素を加工して張り付ける。
【0043】
第10マトリクス50−10には『時節時候の話題』(天候、時間帯、季節)が割り当てられている。このマトリクスに含まれる絵素が仕上げ絵素の候補である。
【0044】
このようなデータ構造とすることで、10種類の角度から文面の性格を調べて、120個の絵素の中から三つ(背景絵素、背景絵素の加工方法、追加絵素)を効率よく選択することができる。
【0045】
図9ないし図14に第1マトリクスないし第6マトリクスの絵素の例を示す。
図9の第1マトリクスには、「海」に関する絵素A1ないしA20が含まれている。たとえば、第7マトリクスと交差する絵素A1には、「海」と言う事物と「喜び」という感情を表わす画像データとして「いるかの親子1頭ずつ」を表わす画像データが記録されている。絵素A2以下にも同様に、「海」と、第7マトリクスないし第10マトリクスに割り当てられた感情や季節等を表わす絵が記録されている。ただし、第8マトリクスと第9マトリクスと交差する要素には、画像データそのものではなく背景絵の加工方法を指定する情報が記憶されている。
第2ないし第6マトリクスについても上記と同様に、そのマトリクスに割り当てられた話題と、第7ないし第10マトリクスに割り当てられた話題を結合したものを示す画像データが記録されている。
【0046】
図15に絵素に対応付ける単語の例を示す。図の第1列目は、図6の絵要素マトリクス表60の列または行の見出しに対応している。第2列目は第1列目のマトリクスに含まれ絵素に対応付ける単語の例である。例えば、絵素A1(図6で「海」の列と「喜」の行が交差している部分の要素)には、関連単語として「海」、「水」・・・「浮き輪」(図15の1行目)と「うれしい」、「すばらしい」・・・「合格」が対応付けられる。
絵素に対応付ける関連単語は、話題そのものを示す語(例えば「海」)のほか、話題の語に関連する語(「湖」等)、話題の語を連想させる語(「広い」等)などの話題の語に関連する語を選択する。また、同一の語が複数の絵素に対応付けられていてもよい。
【0047】
図7は、短文絵図60のデータ構造を説明する図である。
短文絵図60は、文面が短文、具体的には単語群ファイル92に格納されている単語の数が所定の閾値(例えば20語)未満であるときに挿絵として使用する絵(短文用画像データ)100種類(いずれも完成した絵)の集合体である。それぞれの絵には絵を選ぶための複数の語と1個の短文用カウンター60−1ないし60−100が対応付けられている。また、文面が短文でなくても、比較検証手段22による判定結果によっては、短文絵図60から挿絵を選択するようにしてもよい。例えば、検証終了時点のカウンターの最高値が所定の閾値(例えば10点)以下の場合は端部絵図を用いるようにする。
絵に対応付ける語(短文用関連単語)は、絵の内容そのものを示す語のほか、絵素マトリクス表50の場合と同様にその絵の内容を直接示す語とその間連語とする。図7の2列目に示したものは、絵が3列目に示したジャンルに属する場合に対応付けられる語の例である。
図7では絵の個数を100個としたが、個数を多くするほど最適度は向上する。
【0048】
挿絵マップ70には、絵要素マトリクス表60から選択された絵素の挿絵ファイル96への貼りつけ位置を予め記憶しておく。
【0049】
終助詞マップ80には、終助詞定義ファイル94から選択された絵素の挿絵ファイル96への貼りつけ位置を予め記憶しておく。
【0050】
文面ファイル91には、文面作成手段10により作成された文面が格納されている。
【0051】
単語群ファイル92には、日本語解析手段21が文面ファイル92から抽出した単語群が格納されている。
【0052】
終助詞保存ファイル93には、日本語解析手段21が文面ファイル91から抽出した終助詞が格納されている。
【0053】
終助詞ファイル94のデータ構造例を図8に示す。
終助詞ファイル94には、1列目に示すように予め定められた13種の終助詞、例えば「食べるかい?」の「い」等が格納されている。2列目には、これらの終助詞の意味を参考までに示す(実際のファイルには格納されていない)。
各終助詞には、図の3列目に示すように、2列目の意味を連想させる内容の画像データである合いの手絵図がそれぞれ対応付けられて格納されている。合いの手絵図は、文面が短文の場合に、短文絵図に含まれる絵と共に挿絵ファイル96に貼り付けられる。
【0054】
伸縮ファイル95は、挿絵の構成品絵素を指定により拡大(1.5倍)または縮小(0.5倍)して挿絵ファイル96に貼りつける際の一時ファイルとして用いる。
【0055】
挿絵ファイル96は、挿絵を作成するためのベースとなるファイルで、文面の語に応じて選択された絵素がと文面が順次挿絵ファイル60に貼付される。完成後は、ユーザに挿絵として提供する。
図16ないし図39は、挿絵ファイルのエリア構成を説明する図である。挿絵ファイル60は、複数のエリアから構成されている。
基本エリア96−1は、挿絵の基本となる基本図(図9等のX1ないしX4のずれか)を貼りつけるためのエリアである。また、このエリアには、基本図を拡大または縮小したものが貼りつけられる場合もある。
追加エリア96−2は、基本図を複数とする場合に増加分(X5)を貼り付けるエリアである。
太陽エリア96−3は、太陽の状態を描写するためのエリアである。絵素X9、X18、X19いずれかが選択されたときにその絵素を貼りつける。
天気エリア96−4は、天気の状態を描写するためのエリアである。絵素X10、X11、X12、X1、X18のいずれかが選択されたときにその絵素を貼りつける。
水平線エリア96−5は、水平線または地平線の状態を描写するためのエリアである。絵素X14またはX15が選択されたときにその絵素を貼りつける。
春エリア96−6は、季節感を描写するためのエリアである。絵素X17が選択されたときにそれを貼りつける。
冬エリア51−7は、季節感を描写するためのエリアである。絵素X20が選択されたときにそれを貼りつける。
各エリアに貼り付ける絵素、各エリアの位置は、選択された基本絵素に応じて変更するようにしてもよい。
【0056】
文面作成手段10は、ユーザにより入力されたデータに基づいて文面、例えば電子メールの本文を作成し、文面ファイル91に格納する。文面ファイル91は、文字コードと必要に応じて文字の書体、文書の書式を特定する情報等を含む電子的なデータである。
【0057】
日本語解析手段21の動作を図2に示す。日本語解析手段21は、文面作成手段10により作成された文面を読み出して(S1)、その文面を構成する文字列を単語に分割し品詞により仕分けする(S2)。そして仕分けされた単語から数字、助動詞、接続詞、代名詞、助詞を除去し、残りの単語(文面単語)を単語群ファイル92に格納する(S3)。このとき、動詞については、基本形に変換したうえで格納する。次に、文面に含まれる助詞のうち予め定められた13種の終助詞を終助詞保存ファイル93に格納する(S4)。
【0058】
比較検証手段22の動作を図3(a)に示す。比較検証手段22は、絵要素マトリクス表50の各絵素に対応付けられた各関連単語について、文面単語のいずれかと一致するか否かを比較検証し(S11)、一致する文面単語が見つかるたびに対応する絵素カウンターに1点を加算する(S12)。この検証では、文面単語によっては、複数の関連単語と一致する場合がある。例えば、『広い』の語は第1マトリクスにも第4マトリクスにもヒットし、それぞれに一点ずつ加点計上する。
比較検証手段24は、すべての関連単語、絵素について検証が終わった時点で、絵要素マトリクスリクス表50の絵素の中から挿絵ファイルに貼り付ける絵素を選択する(S13)。具体的には、絵素カウンター50−A1、A2、A3、A4・・F3、F4の24個のカウンターの中で最高得点のものに対応する絵素を背景画として選択する。また、選択された絵素をXNと同じ列方向のマトリクスに属し、第6マトリクスまたは第7マトリクスに属する絵素X5、X6のうちカウンターの得点が高いほうを背景画を複数とするか否かを決定するための画素として、第8マトリクスまたは第9マトリクスのいずれかに属する絵素X7、X8のうちカウンターの得点が高いほうを背景画の拡大縮小を決定するための絵素として、第10マトリクスに属する絵素X9ないしX20のうちカウンターの得点が最高のものを追加絵素としてそれぞれ選択する。
【0059】
図5は、この検証動作の概念図である。比較検証手段22は、まず単語群ファイル92に格納された「語1」について、絵素#1に対応付けられた単語「語A」「語B」・・・「語G」と一致するか否かを順次検証する。一致した場合には、絵素#1に対応する絵素カウンター#1に1点を加点する。比較検証手段22は、このような検証を単語群ファイルに格納されたすべての単語「語1」「語2」・・・「語5」について、また、すべての絵素「絵素#1」「絵素#2」・・・「絵素#120」について行う。なお、単語群ファイル92には、同一の単語が複数個含まれている場合もある。
【0060】
短文用比較検証手段23の動作を図3(b)に示す。短文用比較検証手段23は、短絵図60に含まれる絵Xに対応付けられた各語(短文用関連単語)について、文面単語のいずれかと一致するか否かを比較検証し(S21)、一致する単語が見つかるたびにその単語に対応する短絵図カウンターに1点を加算する(S22)。次に、終助詞保存ファイル92に格納されている単語と終助詞定義ファイル94に記憶されている13種の終助詞とを比較検証する(S23)。
すべての検証が終了した時点で最高得点の短絵図カウンターに対応する絵素と、文面単語と一致する終助詞に対応付けられた絵素(合いの絵素)を挿絵として選択する(S24,S25)。
短文用比較検証手段23は、文面が短い場合、具体的には単語文ファイル20に格納されている単語の数が所定の閾値(例えば20語)以下の場合に作動する。また、比較検証手段22による検証の終了時点でのカウンターの最大値が所定の閾値以下の場合にも作動するようにしてもよい。
【0061】
挿絵貼付手段24の動作を図4(a)に示す。挿絵貼付手段23は、比較検証手段22により選択された絵素を絵要素マトリクスリクス表50から読み出す(S31)。そして選択した絵素を挿絵ファイル96に貼り付ける。
まず、背景画として選択された絵素XN(XはAないしFのいずれか、Xは1ないし4のいずれか)を挿絵ファイル96の基本エリア96−1に貼りつける。このとき、絵素X7が選択されていれば絵素NXを1.5倍に拡大し、絵素X8が選択されていれば絵素NXを0.5倍に縮小して張り付ける。また、絵素X5が選択されていれば絵素NXを追加エリア96−2にも貼り付ける。絵素X6が選択されているときは、追加エリア96−2には何も貼り付けない(S31)。
次に追加絵素として選択された絵素XM(XはAないしFのいずれか、Mは9ないし20のいずれか)を挿絵ファイル92の所定のエリアに貼り付ける(S32)。
【0062】
短文用挿絵貼付手段25の動作を図4(b)に示す。短文用挿絵貼付手段24は、短文用比較検証手段25により選択された二つの絵素(短絵図と合いの手の絵素)を絵要素として短絵図60と終助詞ファイル94から読み出す(S41)。そして選択した絵素を2段階に分けて挿絵ファイル96に貼り付ける。第一段階は、挿絵の背景画をきめる。短絵素カウンターの最得点の絵素を背景画として挿絵ファイル96に貼りつける。第二段階は、背景画を更に具体的に描写する絵素をとして『合いの手』を追加貼付して挿絵は完成する(S42)。
【0063】
メール送信手段30は、挿絵が貼り付けられた文面を利用する手段の一例で、挿絵貼付手段24または短文用挿絵貼付手段25により作成された挿絵ファイルを取得してこれを本文とし、宛先のメールアドレス等のヘッダを付加して電子メールとして送信する。
挿絵ファイルの利用法は、電子メールによる送信には限らず、挿絵ファイルをリムーバブルメディアに格納して相手に送付したり、挿絵ファイルを印刷したものを送付したりすることもできる。
【0064】
上記の各手段は、挿絵作成装置1のCPU(Central Processing Unit)がコンピュータプログラムを実行して挿絵作成装置1のハードウェアを制御することにより実現される。
【0065】
次に、図40ないし図44を参照して挿絵作成装置1の動作について説明する。動作の開始の時点では、絵素カウンターと短文用カウンターはすべて0に初期化されているものとする。
文面作成手段10は、ユーザの入力に基づいて文面を作成する(図40、ステップS101)。文面作成手段10は、作成した文面を例えばテキストファイルの形式で文面ファイル91に格納する(S102)。
【0066】
日本語解析手段21は、文面ファイル91を読み出して、文面から助動詞、接続詞、代名詞、及び数字を廃棄して1語単位で単語群ファイル92に格納する。このとき動詞は終止形に変換して格納する。終助詞定義ファイル94に登録されている13種の終助詞は終助詞保存ファイル93に格納する(S103)。
【0067】
単語群ファイル92が語数が20未満の短文か否かをチェックして、短文の時はステップS111へ、短文でないときはS105に進む(S104)。
<短文の場合の処理>
短文用比較検証手段23は、1語を単語群ファイル92から取り出して(S105)、短文絵図60の絵と対応付けられた各語と比較検証して(S106)、両者が一致したとき対応する短文カウンターに一点を加算する(S107)。
引き続き単語群ファイル92から次の一語を読み出して、全語についてS105ないしS107の処理を繰り返す(S108)。
【0068】
次に、短文用挿絵貼付手段25は、短カウンター60−XXで最高得点のものに対応する絵図を短文絵図60から読み出して挿絵ファイル96に貼りつける。なお、最高得点の短カウンター60−XXが複数ある場合には、最も若い番号のものに対応する絵図を挿絵ファイル96に貼り付ける。
【0069】
更に『合いの手』の絵素を追加して表現豊かな挿絵を完成させる。『合いの手』は、短文の終助詞の種類に応じて変化させる。短文用比較検証手段23は、終助詞保存ファイル93に格納された1語を読み出し、終助詞定義ファイル94に登録された終助詞のいずれかに一致するか否かチェックする。一致するものがある場合には、挿絵貼付手段24は、その終助詞に対応付けられた『合いの手』絵素を挿絵ファイル96に追加貼付し挿絵として完成させ、図42のS121に進む。一致する終助詞が複数ある場合は、単語群ファイルに格納されている個数が最多のものを選択し、最多のものが複数ある場合は、文面ファイル91の中で最後にあるものを選択する。終助詞マップ80内の13種の文字に一つも該当しない時は、『合いの手』の追加絵図は省略してS121に進む。
【0070】
<短文でない場合の処理>
比較検証手段22は、単語群ファイル92から1語を読み出し(S111)、その単語が絵要素マトリクス表50の第1マトリクスから第10マトリクスの各絵素に対応付けられた単語のどれかに一致するか、比較検証する。一致する単語があれば、対応する絵素カウンター60−XXに一点を加点計上する(S112)。比較検証手段22は、全マトリクスとの比較検証が終わるまでS111とS112の処理を繰り返す(S113)。単語群ファイル92の全単語について検証が完了した時点で、各絵素カウンター60−XXには関連単語と文面単語がヒットした分だけ点数が加算されている。
【0071】
次に、比較検証手段22は、絵素カウンター60−XXの値に基づいて絵要素マトリクス表60から絵素を選択する。具体的には、絵素カウンター60−A1、A2、A3、A4・・F3、F4の24個のカウンターの中で最高得点のものに対応する絵素NXを背景絵素として選択する。また、背景絵素の貼付方法を決定するために、カウンター50−X5とカウンター50−X6のうち得点が高いほうの要素、カウンター50−X7とカウンター50−X8のうち得点が高いほうの要素の二つを加工指定要素選択する。さらに、第10マトリクスに属する絵素X9ないしX20のうちカウンターの得点が最高のものを追加絵素として選択する(S114)。
【0072】
挿絵貼付手段24は、選択された絵素をマトリクス毎に予め定められた位置に貼り付ける。
まず、背景絵素を挿絵ファイル96の基本エリア96−1と伸縮ファイル96に貼りつける(S115、S116)。カウンター50−X5が選択されている場合は、追加エリア96−2にも貼り付ける。カウンター50−X7が選択されているときは伸縮ファイル95を1.5倍に拡大し、カウンター50−X8が選択されているときは伸縮ファイル95を0.5倍に縮小して挿絵ファイル96に貼り付けなおす(S117)。
【0073】
次に、挿絵貼り付け手段24は、追加絵素を挿絵マップ80に従って、例えば次のように、挿絵ファイル96の所定のエリアに貼り付ける。
追加絵素が第10マトリクスの『天気』編(X9ないしX13)から選択された場合は、挿絵ファイル96の太陽エリア96−3と天気エリア96−4に貼りつける(S118)。
追加絵素が第10マトリクスの『時間』編(X14ないしX16)から選択された場合は、挿絵ファイル96の水平線エリア96−5と天気エリア96−4に追加貼り付けする(S119)。
追加絵素が第10マトリクスの『季節』編(X17ないしX20)から選択された場合は、挿絵ファイル96の春エリア96−6または冬エリア96−7に追加貼り付けする(S120)。
【0074】
挿絵貼付手段24または短文用挿絵貼付手段25は、最終処理として挿絵ファイル96に文面ファイル91に格納さている文面を貼りつける(S121)。
完成した挿絵は、ユーザに提供される(S122)。例えば、メール送信手段30は、完成した挿絵ファイル96を読み出して、これにヘッダを付加して電子メールとして送信する。このとき、提供された挿絵が気に入ったかどうかをユーザに問い合わせ、気に入らないという旨の応答があった場合には、絵素カウンターまたは短絵素カウンターの得点が2番目の絵素または絵を用いて挿絵ファイル96を作成しなおすようにしてもよい。
【0075】
挿絵作成装置1において、図43に示すように、楽曲マトリクス表51を備えるようにし、文面に画像と楽曲を挿入した挿絵ファイル96を作成するようにしてもよい。
楽曲マトリクス表51は、絵要素マトリクス表50と同様のデータ構造を持ち、画像データの代わりに楽曲データを格納している。
比較検証手段22は、上記と同様の手順で文面に適合する楽曲を選択し、挿絵貼付手段25は、選択された楽曲を例えば添付ファイルの形で挿絵ファイルに挿入し、このファイルが開かれたときに自動的に楽曲が再生されるようにする。挿絵貼付手段25は、背景絵素を拡大または縮小する処理に相当する処理として、例えば、楽曲ファイルの音量を増加または減少させる処理を行う。また、背景絵素の数を増加させる処理に相当する処理として、例えば、選択された楽曲を複数添付する処理を行う。
【0076】
次に、挿絵作成装置1の効果について説明する。
挿絵作成装置1によれば、比較検証手段22または短文用比較検証手段23は画像データの関連単語と文面に含まれる単語を比較し、文面単語に最もよく一致する関連単語を持つ画像データを挿絵として選択し、挿絵貼付手段24または短文用挿絵貼付手段25が文面に最適な挿絵ファイルを自動作成しメール送信手段30等に提供することができる。
そのため、文面の表現が色鮮やかなものになり、話題性が広がり双方のやり取りが円滑に進む、文書の受け手の気持ちが文字だけに比べてはるかに容易に開かれるといった効果が得られる。
楽曲マトリクス表51を備えるようにすれば、文面に合った音楽を選択して挿絵ファイルに挿入し、再生することができる。
【0077】
次に、図を参照しながら本発明の第2の実施形態である挿絵提供システム2の構成と動作について説明する。
図44は、挿絵提供システム2の機能ブロック図である。
挿絵提供システム2は、挿絵作成サーバ3と送信側端末4と受信側端末5により構成されている。図44では、送信側端末4と受信側端末5はそれぞれ1台ずつを図示しているが、実際にはそれぞれ複数台で構成されている。
【0078】
送信側端末4と受信側端末5は通信機能と電子メールの送受信機能を備えた端末装置、例えばパーソナルコンピュータや携帯電話機であり、インターネット6に接続している。
挿絵作成サーバ3は、電子メールの配信機能を備えたサーバコンピュータであり、インターネット6に接続している。挿絵作成サーバ3は、挿絵作成部20と記憶部40と通信手段25を備えている。挿絵作成部20の機能と記憶部40に記憶される情報は、図1の挿絵作成装置1と同一である。図43と同様に、楽曲マトリクス表51を備えるようにしてもよい。通信手段25は、例えばLANアダプタとこれを制御するソフトウェアにより構成され、送信側端末4及び受信側端末5との間で電子メールの送受信を行う。
【0079】
図45は、挿絵提供システム2の動作を示すフローチャートである。
送信側端末4は、ユーザにより入力されたデータに基づいて文面を作成する(S201)。送信側端末4は、文面を本文とし、あて先を受信側端末5のユーザのメールアドレスとする電子メールを作成し、これを挿絵作成サーバ3に送信する(S202)。
この電子メールを受信した挿絵作成サーバ3は、本文から文面を抽出し文面ファイル91に格納する(S203)。このとき、文面ファイルを特定する情報(例えばファイル名)と送信先のメールアドレスを電子メールを特定する情報(例えばSMTPにおけるメッセージID)と対応付けて、メモリの作業領域等に格納しておく。
次に、挿絵作成サーバ3の挿絵作成部20は、第1の実施形態のS103ないしS121(図41ないし図43参照)と同一の手順で挿絵ファイル96を作成し記憶部40に格納する(S204)。
通信手段25は、挿絵ファイル96を読み出し、これを本文とし、あて先を受信側端末5のユーザのメールアドレスとする電子メールを作成し、これを直接あるいは他のメールサーバを介して受信側端末5に送信する(S205)。
受信側端末5は、この電子メールを受信しディスプレイ装置に表示する(S206)。
【0080】
挿絵作成システム2によれば、挿絵の作成は、挿絵作成サーバ3で行うから、送信側端末4のCPUの処理能力やメモリ容量の小さい場合でも自動的に作成された挿絵を利用することができ、第1の実施形態の場合と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の第1の実施形態である挿絵作成装置の機能ブロック図である。
【図2】日本語処理手段の動作を示す図である。
【図3】図3(a)は、比較検証手段の動作を示す図である。図3(b)は、短文用比較検証手段の動作を示す図である。
【図4】図4(a)は、挿絵貼付手段の動作を示す図である。図4(b)は、短文用挿絵貼付手段の動作を示す図である。
【図5】文面単語と関連単語の比較検証の手順を示す概念図である。
【図6】絵素マトリクス表のデータ構造例を示す図である。
【図7】短絵図のデータ構造例を示す図である。
【図8】終助詞定義ファイルのデータ構造例を示す図である。
【図9】第1マトリクスの画素の例を示す図である。
【図10】第2マトリクスの画素の例を示す図である。
【図11】第3マトリクスの画素の例を示す図である。
【図12】第4マトリクスの画素の例を示す図である。
【図13】第5マトリクスの画素の例を示す図である。
【図14】第6マトリクスの画素の例を示す図である。
【図15】関連単語の例を示す図である。
【図16】絵素A1が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図17】絵素A2が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図18】絵素A3が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図19】絵素A4が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図20】絵素B1が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図21】絵素B2が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図22】絵素B3が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図23】絵素B4が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図24】絵素C1が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図25】絵素C2が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図26】絵素C3が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図27】絵素C4が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図28】絵素D1が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図29】絵素D2が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図30】絵素D3が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図31】絵素D4が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図32】絵素E1が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図33】絵素E2が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図34】絵素E3が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図35】絵素E4が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図36】絵素F1が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図37】絵素F2が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図38】絵素F3が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図39】絵素F4が選択された場合の挿絵ファイルのエリアを説明する図である。
【図40】挿絵作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図41】挿絵作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図42】挿絵作成装置の動作を示すフローチャートである。
【図43】第1の実施形態において楽曲マトリクス表を備えるようにした場合の機能ブロック図である。
【図44】本発明の第2の実施形態である挿絵提供システムの機能ブロック図である。
【図45】挿絵提供システムの動作を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0082】
1 挿絵作成装置
2 挿絵提供システム
3 挿絵作成サーバ
4 送信側端末
5 受信側端末
10 文面作成手段
21 日本語解析手段
22 比較検証手段
23 短文用比較検証手段
24 挿絵貼付手段
25 短文用挿絵貼付手段
30 メール送信手段
31 通信手段
50 絵要素マトリクス表
51 楽曲マトリクス表
60 短文絵図
70 挿絵マップ
80 終助詞マップ
91 文面ファイル
92 単語群ファイル
93 終助詞保存ファイル
94 終助詞定義ファイル
95 伸縮ファイル
96 挿絵ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて記憶する画像データ記憶部と、
文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイルに格納する言語解析手段と、
前記各文面単語が前記各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応する前記カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記カウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証手段と、
前記挿絵画像データと前記文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付手段を備えたことを特徴とした挿絵作成装置。
【請求項2】
複数の楽曲データと各楽曲データに関連する複数の楽曲関連単語と1個の楽曲カウンターを対応付けて記憶する楽曲データ記憶部を備え、
前記比較検証手段は、前記各文面単語が前記各楽曲関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該楽曲関連単語に対応する前記楽曲カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記楽曲カウンターに対応する楽曲データを挿入楽曲データとして選択し、
前記挿絵貼付手段は、前記挿入楽曲データと前記文面ファイルに含まれる文字列と前記挿絵画像データを結合して前記挿絵ファイルを生成することを特徴とした請求項1に記載の挿絵作成装置。
【請求項3】
前記言語解析手段は、前記文面単語からその品詞が助詞、代名詞、接続詞のいずれかに該当するもの及び数字を除去して前記単語群ファイルに格納することを特徴とした請求項1または請求項2に記載の挿絵作成装置。
【請求項4】
前記画像データ記憶部は、事物を示す単語を列の見出しとし事象または人の感情を示す単語を行の見出しとする要素マトリクス表の各要素に前記画像データと前記関連単語と前記カウンターを対応付けたものであり、
前記各要素の前記画像データは、当該要素が属する列の見出しである単語が示す事物と前記要素が属する行の見出しである単語が示す事象または感情を表わすものであり、
前記比較検証手段は、前記要素マトリクス表の行を基準に分類された複数の前記要素のグループのそれぞれから一つの挿絵画像データを選択することを特徴とした請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の挿絵作成装置。
【請求項5】
前記比較検証手段は、人の感情を示す単語を見出しとする前記マトリクス表の行に属する要素のグループから背景画像データを、時節時候を示す単語を見出しとする前記マトリクス表の行に属し、かつ、前記背景画像データに対応する要素と同一の列に属する要素のグループから追加画像データを、それぞれ一つ選択することを特徴とした請求項4に記載の挿絵作成装置。
【請求項6】
前記要素マトリクス表は、感情の程度を示す語を見出しとする加工指定行を含み、この加工指定行に属する加工指定要素には、画像データの加工方法を指定する情報と前記感情の程度を示す語に関連する複数の単語と一つの加工カウンターが対応付けられており、
前記比較検証手段は、前記各文面単語が前記加工指定行に属し、かつ、前記背景絵と同一の列に属する要素に対応付けられた各単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該単語に対応する前記加工カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で前記加工カウンターの値が最大である加工指定要素を選択し、
前記挿絵貼付手段は、前記加工指定要素に対応付けられた加工方法を指定する情報にしたがって前記背景画像データを加工したうえで前記文面ファイルに含まれる文字列と結合することを特徴とした請求項5に記載の挿絵作成装置。
【請求項7】
事物を表わす複数の短文用画像データと各短文用画像データに関連する複数の短文関連単語と1個の短文用カウンターを対応付けて記憶する短文用画像データ記憶部と、
前記各文面単語が前記各短文関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該短文関連単語に対応する前記短文用カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記短文用カウンターに対応する画像データを短文用挿絵画像データとして選択する短文用比較検証手段と、
前記挿絵画像データと前記文面ファイルに含まれる文字列を結合して短文用挿絵ファイルを生成する短文用挿絵貼付手段を備え、
前記単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値以下の場合には、前記比較検証手段と前記挿絵貼付手段を動作させず、前記短文用比較検証手段と前記短文用挿絵貼付手段を作動させることを特徴とした請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の挿絵作成装置。
【請求項8】
予め定めた複数の終助詞と各終助詞に対応付けた合いの手画像データを記憶する終助詞定義ファイルを備え、
前記言語解析手段は、前記文面から終助詞を抽出して終助詞保存ファイルに格納し、
前記短文用比較検証手段は、前記終助詞保存ファイルに格納された各終助詞と前記終助詞定義ファイルに格納された終助詞が一致するか否かを検証し、一致する場合には当該終助詞に対応する合いの手画像データを選択し、
前記短文用挿絵貼付手段は、前記短文用比較検証手段により選択された合いの手画像データを前記短文用挿絵ファイルに結合することを特徴とした請求項7に記載の挿絵作成装置。
【請求項9】
前記単語群ファイルに格納されている単語の数が前記第一の閾値より大きく、かつ、前記比較検証手段による検証の終了時での前記カウンターの値の最大値が第2の閾値以下である場合に、前記短文用比較検証手段と前記短文用挿絵貼付手段を作動させることを特徴とした請求項7または請求項8に記載の挿絵作成装置。
【請求項10】
前記請求項1ないし請求項9のいずれか一つに記載の挿絵作成装置と、この挿絵作成装置と通信可能に接続された送信側端末と、前記挿絵作成装置と通信可能に接続された受信側端末とを備え、
前記挿絵作成装置は、前記送信側端末から受信した電子メールの本文を前記文面データとして前記挿絵ファイルを生成し、この挿絵ファイルを本文とする電子メールを前記受信側端末に送信することを特徴とした挿絵提供システム。
【請求項11】
複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて画像データ記憶部に記憶する画像データ記憶工程と、
文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイルに格納する言語解析工程と、
前記各文面単語が前記各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応する前記カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記カウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証工程と、
前記挿絵画像データと前記文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付工程を備えたことを特徴とした挿絵作成方法。
【請求項12】
複数の楽曲データと各楽曲データに関連する複数の楽曲関連単語と1個の楽曲カウンターを対応付けて楽曲データ記憶部に記憶する楽曲データ記憶工程を備え、
前記比較検証工程では、前記各文面単語が前記各楽曲関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該楽曲関連単語に対応する前記楽曲カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記楽曲カウンターに対応する楽曲データを挿入楽曲データとして選択し、
前記挿絵貼付工程では、前記挿入楽曲データと前記文面ファイルに含まれる文字列と前記挿絵画像データを結合して前記挿絵ファイルを生成することを特徴とした請求項11に記載の挿絵作成方法。
【請求項13】
前記言語解析工程では、前記文面単語からその品詞が助詞、代名詞、接続詞のいずれかに該当するもの及び数字を除去して前記単語群ファイルに格納することを特徴とした請求項11または請求項12に記載の挿絵作成方法。
【請求項14】
前記画像データ記憶部は、事物を示す単語を列の見出しとし事象または人の感情を示す単語を行の見出しとする要素マトリクス表の各要素に前記画像データと前記関連単語と前記カウンターを対応付けたものであり、
前記各要素の前記画像データは、当該要素が属する列の見出しである単語が示す事物と前記要素が属する行の見出しである単語が示す事象または感情を表わすものであり、
前記比較検証工程では、前記要素マトリクス表の行を基準に分類された複数の前記要素のグループのそれぞれから一つの挿絵画像データを選択することを特徴とした請求項11ないし請求項13のいずれか一つに記載の挿絵作成方法。
【請求項15】
前記比較検証工程では、人の感情を示す単語を見出しとする前記マトリクス表の行に属する要素のグループから背景画像データを、時節時候を示す単語を見出しとする前記マトリクス表の行に属し、かつ、前記背景画像データに対応する要素と同一の列に属する要素のグループから追加画像データを、それぞれ一つ選択することを特徴とした請求項14に記載の挿絵作成方法。
【請求項16】
前記要素マトリクス表は、感情の程度を示す語を見出しとする加工指定行を含み、この加工指定行に属する加工指定要素には、画像データの加工方法を指定する情報と前記感情の程度を示す語に関連する複数の単語と一つの加工カウンターが対応付けられており、
前記比較検証工程では、前記各文面単語が前記加工指定行に属し、かつ、前記背景絵と同一の列に属する要素に対応付けられた各単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該単語に対応する前記加工カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で前記加工カウンターの値が最大である加工指定要素を選択し、
前記挿絵貼付工程では、前記加工指定要素に対応付けられた加工方法を指定する情報にしたがって前記背景画像データを加工したうえで前記文面ファイルに含まれる文字列と結合することを特徴とした請求項15に記載の挿絵作成方法。
【請求項17】
事物を表わす複数の短文用画像データと各短文用画像データに関連する複数の短文関連単語と1個の短文用カウンターを対応付けて短文用画増データ記憶部に記憶する短文用画像データ記憶工程を備え、
前記単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値以下の場合には、前記比較検証工程と前記挿絵貼付工程を実行せず、
前記各文面単語が前記各短文関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該短文関連単語に対応する前記短文用カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記短文用カウンターに対応する画像データを短文用挿絵画像データとして選択する短文用比較検証工程と、
前記挿絵画像データと前記文面ファイルに含まれる文字列を結合して短文用挿絵ファイルを生成する短文用挿絵貼付工程
を実行することを特徴とした請求項11ないし請求項16のいずれか一つに記載の挿絵作成方法。
【請求項18】
予め定めた複数の終助詞と合いの手画像データを対応付けて終助詞定義ファイルに格納終助詞定義工程とを備え、
前記言語解析工程では、前記文面から終助詞を抽出して終助詞保存ファイルに格納し、
前記短文用比較検証工程では、前記終助詞保存ファイルに格納された各終助詞と前記終助詞定義ファイルに格納された終助詞が一致するか否かを検証し、一致する場合には当該終助詞に対応する合いの手画像データを選択し、
前記短文用挿絵貼付工程では、前記短文用比較検証工程により選択された合いの手画像データを前記短文用挿絵ファイルに結合することを特徴とした請求項17に記載の挿絵作成方法。
【請求項19】
前記単語群ファイルに格納されている単語の数が前記第一の閾値より大きく、かつ、前記比較検証工程による検証の終了時での前記カウンターの値の最大値が第2の閾値以下である場合に、前記短文用比較検証工程と前記短文用挿絵貼付工程を実行することを特徴とした請求項17または請求項18に記載の挿絵作成方法。
【請求項20】
コンピュータに、
複数の画像データと各画像データに関連する複数の関連単語と1個のカウンターを対応付けて画像データ記憶部に記憶する画像データ記憶処理と、
文面データに含まれる文字列を単語に分割し文面単語の集合として単語群ファイルに格納する言語解析処理と、
前記各文面単語が前記各関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該関連単語に対応する前記カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記カウンターに対応する画像データを挿絵画像データとして選択する比較検証処理と、
前記挿絵画像データと前記文面ファイルに含まれる文字列を結合して挿絵ファイルを生成する挿絵貼付処理を実行させることを特徴とした挿絵作成プログラム。
【請求項21】
前記コンピュータに、複数の楽曲データと各楽曲データに関連する複数の楽曲関連単語と1個の楽曲カウンターを対応付けて楽曲データ記憶部に記憶する楽曲データ記憶処理を実行させ、
前記比較検証処理では、前記各文面単語が前記各楽曲関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該楽曲関連単語に対応する前記楽曲カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記楽曲カウンターに対応する楽曲データを挿入楽曲データとして選択し、
前記挿絵貼付処理では、前記挿入楽曲データと前記文面ファイルに含まれる文字列と前記挿絵画像データを結合して前記挿絵ファイルを生成することを特徴とした請求項20に記載の挿絵作成プログラム。
【請求項22】
前記言語解析処理では、前記文面単語からその品詞が助詞、代名詞、接続詞のいずれかに該当するもの及び数字を除去して前記単語群ファイルに格納することを特徴とした請求項20または請求項21に記載の挿絵作成プログラム。
【請求項23】
前記画像データ記憶部は、事物を示す単語を列の見出しとし事象または人の感情を示す単語を行の見出しとする要素マトリクス表の各要素に前記画像データと前記関連単語と前記カウンターを対応付けたものであり、
前記各要素の前記画像データは、当該要素が属する列の見出しである単語が示す事物と前記要素が属する行の見出しである単語が示す事象または感情を表わすものであり、
前記比較検証処理では、前記要素マトリクス表の行を基準に分類された複数の前記要素のグループのそれぞれから一つの挿絵画像データを選択することを特徴とした請求項20ないし請求項22のいずれか一つに記載の挿絵作成プログラム。
【請求項24】
前記比較検証処理では、人の感情を示す単語を見出しとする前記マトリクス表の行に属する要素のグループから背景画像データを、時節時候を示す単語を見出しとする前記マトリクス表の行に属し、かつ、前記背景画像データに対応する要素と同一の列に属する要素のグループから追加画像データを、それぞれ一つ選択することを特徴とした請求項23に記載の挿絵作成プログラム。
【請求項25】
前記要素マトリクス表は、感情の程度を示す語を見出しとする加工指定行を含み、この加工指定行に属する加工指定要素には、画像データの加工方法を指定する情報と前記感情の程度を示す語に関連する複数の単語と一つの加工カウンターが対応付けられており、
前記比較検証処理では、前記各文面単語が前記加工指定行に属し、かつ、前記背景絵と同一の列に属する要素に対応付けられた各単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該単語に対応する前記加工カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で前記加工カウンターの値が最大である加工指定要素を選択し、
前記挿絵貼付処理では、前記加工指定要素に対応付けられた加工方法を指定する情報にしたがって前記背景画像データを加工したうえで前記文面ファイルに含まれる文字列と結合することを特徴とした請求項24に記載の挿絵作成プログラム。
【請求項26】
前記コンピュータに、事物を表わす複数の短文用画像データと各短文用画像データに関連する複数の短文関連単語と1個の短文用カウンターを対応付けて短文用画増データ記憶部に記憶する短文用画像データ記憶処理を実行させ、
前記単語群ファイルに格納されている単語の数が第一の閾値以下の場合には、前記コンピュータに、前記比較検証処理と前記挿絵貼付処理を実行させず、
前記各文面単語が前記各短文関連単語と一致するか否かを判定し、一致する場合には当該短文関連単語に対応する前記短文用カウンターの値を増加させ、すべての前記文面単語について判定が終了した時点で値が最大である前記短文用カウンターに対応する画像データを短文用挿絵画像データとして選択する短文用比較検証処理と、
前記挿絵画像データと前記文面ファイルに含まれる文字列を結合して短文用挿絵ファイルを生成する短文用挿絵貼付処理
を実行させることを特徴とした請求項20ないし請求項25のいずれか一つに記載の挿絵作成プログラム。
【請求項27】
前記コンピュータに、予め定めた複数の終助詞と合いの手画像データを対応付けて終助詞定義ファイルに格納終助詞定義処理を実行させ、
前記言語解析処理では、前記文面から終助詞を抽出して終助詞保存ファイルに格納し、
前記短文用比較検証処理では、前記終助詞保存ファイルに格納された各終助詞と前記終助詞定義ファイルに格納された終助詞が一致するか否かを検証し、一致する場合には当該終助詞に対応する合いの手画像データを選択し、
前記短文用挿絵貼付処理では、前記短文用比較検証処理により選択された合いの手画像データを前記短文用挿絵ファイルに結合することを特徴とした請求項26に記載の挿絵作成プログラム。
【請求項28】
前記単語群ファイルに格納されている単語の数が前記第一の閾値より大きく、かつ、前記比較検証処理による検証の終了時での前記カウンターの値の最大値が第2の閾値以下である場合に、前記コンピュータに、前記短文用比較検証処理と前記短文用挿絵貼付処理を実行させることを特徴とした請求項26または請求項27に記載の挿絵作成プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【公開番号】特開2008−97261(P2008−97261A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277508(P2006−277508)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000232140)NECフィールディング株式会社 (373)
【Fターム(参考)】