説明

掃除楽々キーボード装置

【課題】 キーボード装置においては、誤入力防止及び入力速度向上の為に、比較的長いストローク量、軽い操作力、及び適当なクリック感を有する入力スイッチが好まれる。しかし、ストロークが長いとキートップがストロークする際の逃がしの為の内部空間が大きくなり、内部空間に埃等を吸い込み易くなる。そこで、埃等が入り込みにくいようにキートップの裾部を広げてキートップ群の隙間を小さくすると、入り込んでしまった埃等を掃き出しにくくなる。これら悪循環を断ち切る為にキートップ群を保護カバーで覆うと埃等は入らなくなるが、軽い操作力及び適当なクリック感が損なわれてしまう。
【解決手段】 キートップ群(2)がストロークする内部空間(7)に接続された吸い出し口(8)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ、通信機器、家電等の電化製品に文字や記号等を入力する為のキーボード装置に関する。
【背景技術】
【0002】
キーボード装置においては、特許文献1のようにキートップ群を保護カバーによって覆い、キートップやキーボード装置内部に埃等が入りにくくするような案が知られている。
また、キーボード装置の掃除用具においては、特許文献2のようにキートップ群の隙間に挿入して内部空間の掃除を行う案が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平10−171569号公報
【特許文献2】特開2004−313691号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
キーボード装置においては、誤入力防止及び入力速度向上の為に、比較的長いストローク量、軽い操作力、及び適当なクリック感を有する入力スイッチが好まれる。しかし、ストロークが長いとキートップがストロークする際の逃がしの為の内部空間が大きくなり、内部空間に埃等を吸い込み易くなる。そこで、埃等が入り込みにくいようにキートップの裾部を広げてキートップ群の隙間を小さくすると、入り込んでしまった埃等を掃き出しにくくなる。これら悪循環を断ち切る為にキートップ群を保護カバーで覆うと埃等は入らなくなるが、軽い操作力及び適当なクリック感が損なわれてしまう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態図等を用いて以下に説明するが、これは本発明の内容をより把握しやすいようにする為で、添付の特許請求の範囲を縮小するものではない。
【0006】
発明1に係るキーボード装置は、例えば図1から3のように、
キートップ1等から成るキートップ群2が上面3に配置されるキーボード装置4であって、
キートップ群2の押し下げ操作時にキートップ群2を逃がす為の内部空間7と、
内部空間7に接続される吸い出し口8と、
を備える、
キーボート装置である。
【0007】
発明2に係るキーボード装置は、発明1のキーボード装置において、例えば図1から3のように、
吸い出し口8は、略円筒状又は略円穴状である、
キーボード装置である。
【0008】
発明3に係るキーボード装置は、発明1から2のいずれかのキーボード装置において、例えば図1から3のように、
吸い出し口8は、キーボード装置4の上面3以外に配置される、
キーボード装置である。
【0009】
発明4に係るキーボード装置は、発明1から3のいずれかのキーボード装置において、例えば図1から3のように、
吸い出し口8は、キーボード装置4の後端部10に配置される、
キーボード装置である。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明では、比較的長いストローク量を有する入力スイッチを採用する為に内部空間7を大きくし、且つ裾部12を広げてキートップ群2の隙間を小さくするような設計を採用しても、吸い出し口8に市販の吸い込み式掃除機の吸い込み口を接続して負圧を加えることで内部空間7の埃等を容易に吸い出すことができる。
【0011】
また発明2では、本発明の効果に加えて、市販の吸い込み式掃除機の吸い込み口を接続する際の圧力漏れが発生しにくくなる。
【0012】
また発明3では、本発明の効果に加えて、キーボード装置4の上面3の面積を比較的小さく抑えることが容易となる。
【0013】
また発明4では、本発明の効果に加えて、キーボード装置4を操作する手を吸い出し口8が邪魔しにくいような設計が容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1実施形態〕
図1から3において、キーボード装置4は長方形の板状であり、前端部9及び後端部10の間の上面3にはキートップ1等から成るキートップ群2と、3個の発光ダイオードによる表示器6が配置されている。また、後端部10の下面には脚部19及び21が配置されており、前端部9の下面、及び脚部19及び21の先端部によって机上の平面部等に安定接地可能である。
また、キートップ1が備えられる入力スイッチはメンブレンタイプであり、上側パネル5に一体成形された筒状部の内周に対して摺動可能に設置された摺動部材13にキートップ1は設置されており、摺動部材13は上側パネル5及びプリント基板16の間に挟まれたゴムシートの筒状部14に接続されており、筒状部14の端部には導電部15が設けられており、キートップ1の上面11が押し下げられることで導電部15がプリント基板16上の一対の電極を短絡させることで入力信号が生成される。この入力信号は有線式又は無線式でコンピュータ等に伝達される。
また、キートップ1の押し下げ操作時にキートップ1を逃がす為の内部空間7は、その他のキートップを逃がす為の内部空間7でもあり、内部空間7は後端部10内部の内部空間20を介して下側パネル17に一体成形された円筒部18の内部にスムーズに接続されており、円筒部18が吸い出し口8となっている。ここで、円筒部18の外周を掃除機の吸い込み口に嵌め込むことや、円筒部18の内周に掃除機の吸い込み口を嵌め込むような接続方法が考えられるが、後者の場合は吸い出し口8は円筒状でなくても円穴状であればよいだろう。
【0015】
〔その他の実施形態〕
第1実施形態において、入力スイッチをメンブレンタイプの替わりに例えば静電容量の変化を検出するタイプ等、様々な種類のスイッチを使用可能である。
【0016】
第1実施形態において、図4のように後端部10の吸い出し口8を下方ではなくて後方に向けて配置するような構造が考えられる。
また、吸い出し口8及び内部空間20を有する部材23を、内部空間7の出口との間で挿脱可能とするような構造が考えられる。また、部材23を外している間は、内部空間7の出口の嵌合部22に対して蓋を嵌めておけばよいだろう。
【0017】
第1実施形態において、掃除機の吸い込み口を嵌め込むような構造にせずに、円穴状の吸い出し口8の周りにゴム等の弾性部材を設置しておき、掃除機の吸い込み口を弾性部材に押し当てて気密性を確保するような構造も考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の上面3を見た図
【図2】図1の線分A−A断面図
【図3】図1の線分B−B断面図
【図4】第1実施形態の変更案の上面3を見た図(部材23を外した状態)
【符号の説明】
【0019】
1. キートップ
2. キートップ群
3,11. 上面
4. キーボード装置
5. 上側パネル
6. 表示器
7,20. 内部空間
8. 吸い出し口
9. 前端部
10. 後端部
12. 裾部
13. 摺動部材
14,18. 筒状部
15. 導電部
16. プリント基板
17. 下側パネル
19,21. 脚部
22. 嵌合部
23. 部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキートップから成るキートップ群が上面に配置されるキーボード装置であって、
前記キートップ群の押し下げ操作時に前記キートップ群を逃がす為の内部空間と、
前記内部空間に接続される吸い出し口と、
を備える、
キーボート装置。
【請求項2】
前記吸い出し口は、略円筒状又は略円穴状である、
請求項1に記載のキーボード装置。
【請求項3】
前記吸い出し口は、前記キーボード装置の上面以外に配置される、
請求項1から請求項2のいずれかに記載のキーボード装置。
【請求項4】
前記吸い出し口は、前記キーボード装置の後端部に配置される、
請求項1から請求項3のいずれかに記載のキーボード装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−328816(P2007−328816A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2007−212510(P2007−212510)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【出願人】(504474323)
【Fターム(参考)】