説明

排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置

【課題】簡易な構成で、排ガス中にアンモニアを混合させることができる排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置を提供することを目的とする。
【解決手段】排ガスダクト13及びこれを備えた脱硝装置は、第一通路3と、第一通路3の下流に連結され、第一通路3の軸線方向と交差する軸線方向を有する第二通路5と、を有し、第二通路5は、第一通路3の軸線方向に対して所定角度を有して交差する側壁面とされた交差面11を有し、交差面11は、還元剤投入位置の下流に位置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスに含まれる窒素酸化物をアンモニアを混合させることにより分解除去する脱硝装置に用いて好適な排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車やボイラー等から排出される排ガス中には、光化学スモッグや酸性雨等の環境負荷を引き起こす窒素酸化物が含まれている。そのため、窒素酸化物が大気中に放出されることを防止するため、窒素酸化物を除去する手段として、脱硝装置が用いられている。
脱硝装置に用いられる脱硝法として、排ガス中の窒素酸化物をアンモニアと反応させ、触媒により水と窒素に分解するSCR法(乾式アンモニア選択接触還元法)がある。具体的には、排ガスが通過するダクト内で、アンモニア水を気化器により気化させ、ダクト内に噴射し、混合器で排ガス内の窒素酸化物とアンモニアを混合させる。
【0003】
しかし、気化器または混合器を用いることでコストが増えるため、気化器または混合器を利用せずにアンモニアと窒素酸化物を混合させる方法が用いられている。例えば、混合器を用いない方法として、気化器により気化させたアンモニアを噴射位置がグリッド状となるようにダクト断面内で二次元的にダクト内に噴射することで、排ガス中にアンモニアを均一に拡散させる方法がある。また、気化器を用いない方法として、アンモニア水を排ガス中に噴霧し、排ガスの温度で蒸発させ、混合器により排ガス中の窒素酸化物とアンモニアを混合させる手段もある。ただし、アンモニアの拡散距離よりも長く、また、蒸発するための距離を確保できる長さのダクトでなければならない。
【0004】
混合器の例として、特許文献1に示す混合器を図8に示す。この混合器は、複数の板101を、板101と同形の開口部と隣接するように配置して、二枚の板101と二箇所の同形の開口により形成される角錐が並立した層103として形成するものである。複数枚の層103を、ダクトの断面方向と層103の面方向を一致させ、隣接する板101間の開口に、他の層103の板101が重なるように互いに間隔を有して並立させる。アンモニアを噴霧されてダクト内を通過する排ガスの流れは、板101に衝突してその流れが乱れながら、板101に沿って流れ、ダクトを通過していく。流れが乱れることにより、排ガスに含まれる窒素酸化物とアンモニアが混合する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第4830792号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に示される混合器は形状が複雑であるため、製作コストが高い。また、複数の層を間隔を有して並立させるためのスペースが必要であり、設置場所が限られる。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で、排ガス中にアンモニアを混合させることができる排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置は、第一通路と、前記第一通路の下流に連結され、前記第一通路の軸線方向と交差する軸線方向を有する第二通路と、を有し、前記第二通路は、前記第一通路の軸線方向に対して所定角度を有して交差する側壁面とされた交差面を有し、前記交差面は、還元剤投入位置の下流に位置することを特徴とする。
【0009】
第一通路内で、還元剤投入口から還元剤を投入された排ガスは、第一通路内を、第一通路の軸線方向に進む。第一通路の下流には第二通路が連結されているので、排ガスは、第一通路内から、第二通路内に進入する。第二通路内を、第一通路の軸線方向に進んだ流れは、第一通路の軸線方向に対して所定角度を有して交差する側壁面とされた交差面に接触し、その流れの方向を交差面の方向に沿うよう転向させられる。さらに、方向を転向された流れは、通路を形成する壁面に沿ってさらに流れを転向する。このように第二通路の壁面に沿って流れの方向が徐々に転向することにより、流れに渦が発生する。第二通路内で渦となった流れは、第一通路から第二通路に流入する排ガスに押され、旋回しながら第二通路内を第二通路の軸線方向に進む。
これにより、旋回流となった排ガスにアンモニアが効果的に混合される。
【0010】
前記第二通路は、前記第一通路に連結される転向部を有し、前記転向部は、軸線方向が前記第二通路の本体の軸線方向と交差する筒体とされるとともに、前記交差面と、前記交差面と前記第一通路を形成する面とを接続する接続部と、前記交差面に対向する対向面とを有し、前記第一通路の軸線方向における前記交差面の長さが前記対向面の長さよりも長いことが好ましい。
【0011】
筒状の転向部の交差面の長さと、交差面に対向する対向面の長さが異なることで、第二通路の中心軸線は、第一通路の中心軸線の延長線に対して交差しない。すなわち、第一通路と第二通路とがオフセットされ、第一通路の出口側には交差面が位置することになる。
これにより、第一通路の出口側に筒状の簡易な構成である転向部を介することで、第二通路内の流れに旋回流を発生させることができる。よって、簡易な構成と、容易な設置作業で、排ガスにアンモニアを混合させることができる。
これにより、第一通路と第二通路の間に、筒状の簡易な構成である転向部を介することで、第二通路内の流れに旋回流を発生させることができる。よって、簡易な構成と、容易な設置作業で、排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0012】
前記第二通路において前記第二通路の軸方向に直行する断面の形状が平行四辺形であることが好ましい。
【0013】
第二通路を、その軸線方向に直行する断面を平行四辺形として形成する。すなわち、第二通路を形成する面の面方向が第一通路の軸線方向に直行するので、第二通路を形成する面が交差面となる。
これにより、第一通路と第二通路以外の別部材を設けることなく、第二通路内に旋回流を発生させることができる。よって、少ないコストで、排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0014】
前記第二通路において前記第二通路の軸方向に直行する断面の形状が正方形であることが好ましい。
【0015】
第二通路内で流れの方向が転向する際、第二通路の断面が正方形であるので、同じ角度で連続的に流れが転向させられる。よって、流れが減衰することがないので、渦が旋回しやすくなる。
これにより、さらに効率よく排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0016】
前記第一通路の空間と、前記第一通路の軸線方向で連通する前記第二通路の空間を形成する少なくとも一面が板状の仕切り板により形成されることが好ましい。
【0017】
第一通路が、その下流に、第二通路の軸方向に直行する断面の形状が矩形である通路を連結される場合、連結される通路に仕切り板を設ける。仕切り板は、連結される通路の軸方向に面方向を平行とし、断面を、流れの流入する方向に対向させる。第二通路の軸線方向に直行する断面の形状を、仕切り板を任意の位置に設けることで任意の形状に形成することができるので、断面が矩形の通路内に、断面が正方形の第二通路を形成することができる。これにより、様々な形状の通路内で、効率よく旋回流を発生させることができ、効率よく排ガスにアンモニアを混合させることができる。
また、第一通路が、その下流に、第一通路の軸方向と交差する軸方向を有する管を接続されている場合であっても、仕切り板を、その面を前記第一通路の軸方向と交差させて設けることで、仕切り板が交差面となり、第一通路に接続された管内に旋回流を発生させることができる。
よって、第一通路の下流に、第一通路の中心軸線方向に交差する中心軸線を有する管が既設されている場合であっても、簡易な構成で、排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0018】
前記仕切り板が、前記第一通路の軸線に対して30度から45度の間の角度を有して交差することが好ましい。
【0019】
仕切り板を、第一通路の軸線に対して30度から45度の間の角度を有して交差させて設けることで、第一通路から第二通路に流入した流れは、30度から45度の間の角度で流れの角度を転向させられる。
これにより、圧力損失により旋回流がひずまないので、さらに効率的排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0020】
前記第二通路の軸線方向に直交する前記仕切り板の両辺が、前記第二通路の軸線方向に直交する前記第一通路の面の面内方向に位置することが好ましい。
【0021】
仕切り板が、第一通路の軸方向で第一通路と連通する第二通路内にのみ位置する。つまり、第一通路を通過し、第二通路内で旋回流となった流れは、仕切り板を通過すると、流路が広くなる。流路の拡大部分において、流れの方向を旋回面とする旋回流が発生するため、交差面により発生した旋回流に、流れの方向の旋回が加わる。
これにより、さらに効率よく排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0022】
前記排ガスダクトを脱硝装置が有することが好ましい。
【0023】
排ガスダクト内の交差面で旋回流を発生させ、排ガスにアンモニアを混合させて触媒に接触させる。これにより、簡易な構成で脱硝のために排ガスにアンモニアを混合させることができるので、脱硝にかかるコストを低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
これにより、簡易な構成で、排ガス中にアンモニアを混合させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の第1実施形態に示す排ガスダクト及びこれを備えた脱硝装置の斜視図である。
【図2】図1示す脱硝装置に設けられた排ガスダクトの平面図である。
【図3】図2に示す排ガスダクトの側断面図である。
【図4】本発明の第2実施形態に示す脱硝装置の排ガスダクトの平面図である。
【図5】図4に示す排ガスダクトの側断面図である。
【図6】本発明の第3実施形態に示す脱硝装置の排ガスダクトの平面図である。
【図7】図6に示す排ガスダクトの側断面図である。
【図8】従来の脱硝装置に設けられる混合器の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1乃至図3を用いて説明する。
図1は、脱硝装置1に設けられた排ガスダクト13を構成する第一通路3と第二通路5を示す斜視図である。
図2は、図1における第一通路3と第二通路5と、その中を流れる排ガスの流れXを示す平面図である。
図3は、図2における第一通路3と第二通路5と、その中を流れる排ガスの流れXを示す側断面図である。
【0027】
排ガスダクト13は、第一通路3と、第二通路5とを備えている。第二通路5は、その上流側に転向部9を備えており、この転向部9を介して、第一通路3と第二通路5の本体とが接続されている。
【0028】
第一通路3は、排ガスの流れXが通過する筒状の通路である。第一通路3は、その軸線方向に直交する断面の形状は、円形であっても、四角形あるいは多角形であってもよい。第一通路3は、その下流に転向部9が接続されている。
【0029】
転向部9は、内側に通路を有する筒体であり、その通路は第一通路3と連通している。転向部9は、第一通路3が接続されている端部に対する反対側の端部にて、第二通路5本体と接続されている。
【0030】
第二通路5本体は、その軸線方向が、第一通路3の軸線方向に対して交差する。第一通路3の軸線方向と第二通路5本体の軸線方向が交差する角度は、第一通路3の軸線方向と第二通路5の軸線方向が平行でない限り、その角度は任意である。また、第二通路5は、本実施形態のように略L字形状の通路を形成するように、第一通路3と第二通路5とが交差する領域から一方向にのみ延在して設けられていても良いし、或いは、略T字形状の通路を形成するように、第一通路3と第二通路5とが交差する領域から両方向に延在して設けられてもよい。
【0031】
転向部9は、交差面11と第一通路3とを接続する接続部9aを有する。転向部9は、一方の側壁面である交差面11と、交差面11に対向するとともに他方の側壁面である対向面9bを有している。第一通路3の軸線方向において、交差面11の長さは対向面9bの長さよりも長い。交差面11と対向面9bは、いずれも、面方向の異なる複数の平面により形成されても、連続して曲成された一面であってもよい。転向部9の断面形状は、四角形であっても、多角形であっても、または、円形であってもよい。転向部9において、交差面11を含む側壁面は、交差面11よりも上流で、対向面9b側へ屈曲し、屈曲の中心の角度は30度以上45度未満が好ましい。交差面11と対向面9bの長さが異なる転向部9を介して第一通路3と第二通路5本体が接続されているので、第一通路3の中心軸線の延長線上で、第二通路5の中心軸線が交わることがない。
【0032】
図示しない還元剤投入位置は、交差面11よりも上流側すなわち第一通路3側に設けられている。第一通路3の上流には、一般的に、ボイラからの煙道ガスの余熱を利用してボイラ給水を加熱する節炭器17が設けられている。第二通路5の下流には、排ガス中の窒素酸化物とアンモニアを反応させる触媒19が設けられている。
【0033】
次に、第一通路3および第二通路5を通過する流れXについて説明する。
脱硝装置1に流入した排ガスの流れXは、節炭器17を通過し、第一通路3に流入する。流れXは、還元剤投入位置で還元剤すなわちアンモニアを流路内に投入され、アンモニアと共に第一通路3および転向部9を通過する。このとき、アンモニアは、液体であっても、気体であってもよい。
転向部9では、第一通路3の軸線方向に対して所定角度を有して交差する交差面11が位置する。そのため、第一通路3の軸線方向に沿って流れた流れXは、転向部9内で、交差面11に接触し、交差面11の面方向へ流れの方向を転向させられる。このとき、流れXの流れる方向が乱れ、旋回流が発生し、第二通路5内の角に接触する毎に流れXはその方向を転向させられ、旋回しながら第二通路5内を、第二通路5の軸線方向へ流れていく。
これにより、流れが旋回することで排ガスにアンモニアが混合するので、第二通路5を通過して流れが触媒19に接触する際、混合した状態で確実に反応を起こすことができる。
【0034】
また、第二通路5の軸線方向に直交する断面形状を正方形とすることで、交差面11により流れXの方向を転向された流れは、常に同じ角度で流れの方向を転向させられる。また、流れXの方向を転向してから、次に転向するまでの距離も等しい。これにより、円形に流れXが旋回するので、流れXが減衰しにくくなり、さらに効率よく、排ガスにアンモニアを混合させることができる。なお、第二通路5の断面の形状は、正方形以外の正多角形や真円であってもよい。
【0035】
交差面11は、第一通路3の軸線に対して30度から45度の間の角度を有して交差させることとしてもよい。
交差面11と第一通路3の軸線の交差する角度が大きいほど旋回流の旋回が強くなり、混合の効率が高くなる。流れXの方向を、30度から45度の間の角度で転向させることで、圧力損失により旋回流が歪まず、排ガスにアンモニアを効率よく混合させることができる。特に、脱硝装置が小型である場合には第二通路5の断面は正方形とされることが多く、本実施形態に記載した発明の実施に好適である。ただし、脱硝装置が大型である場合にも本実施形態を適用することはもちろん可能である。
【0036】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、本実施形態に示す脱硝装置1に設けられた排ガスダクト13を構成する第一通路3と第二通路5と、その中を流れる流れXを示す平面図である。
図5は、図4における第一通路3と第二通路5と、その中を流れる流れXを示す側断面図である。
【0037】
図4および図5に示す脱硝装置1に設けられた排ガスダクト13を構成する第一通路3と第二通路5は、第一通路3と第二通路5が接続され、第一通路3の軸線方向に交差する面方向を有する交差面11が位置する点で第1実施形態と共通する。したがって、これらの構成については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態は、第1実施形態に比べて、第二通路5の軸線方向に直交する断面形状が平行四辺形であり、第二通路5が仕切り板7により分割された通路内に形成され、仕切り板7は、第二通路5の軸線方向に直交する辺が、第二通路5の軸線方向に直交する第一通路3の側壁面の面内方向に位置する点で相違する。
第一通路3は、断面が平行四辺形の第二通路5に接続されることで、第二通路5を形成する側壁面のうちの一方が、第一通路3の軸線方向に対して所定角度にて交差する面方向を有して位置する交差面11となる。
これにより、第一通路3と第二通路5のみで、第二通路5内に交差面11を設けることができ、第二通路5内を通過する流れに旋回流を発生させることができる。よって、簡易な構成で、排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0038】
また、仕切り板7により、第二通路5の断面における各辺の長さが等しくなるよう第二通路5を形成する。特に、脱硝装置1が大型である場合等、第二通路5の断面における各辺の長さが異なる、例えば長方形等である場合、これにより、第二通路5内で、真円に近い形状で流れXが旋回することができるので、断面を形成する辺の長さが異なる通路に第一通路3が接続される場合であっても、効率よく排ガスにアンモニアを混合させることができる。
【0039】
また、仕切り板7は、第一通路3と第二通路5とが交差する領域に設けられている。つまり、第二通路5内の軸線方向において、仕切り板7は、図5に示す高さhの範囲にわたって存在する。
【0040】
第二通路5内で旋回流が発生し旋回しながら第二通路5内を進んだ流れXは、第一通路3の軸線方向において第一通路3と通じている部分では、仕切り板7に沿って進む。仕切り板7の下流側端部を通過すると、流路の側面に仕切り板7がなくなり、流路が拡張される。その際、流路が突如広くなることで、流路の端部では、流れXの方向すなわち第二通路5の軸線方向に対して水平に旋回する旋回流が発生する。この旋回流により、交差面11により発生させられた旋回流に、第二通路5の軸線方向での旋回成分が加わる。
よって、排ガスにアンモニアを、さらに効率よく混合させることができる。
【0041】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について、図6及び図7を用いて説明する。
図6は、本実施形態に示す脱硝装置に設けられた排ガスダクト13を構成する第一通路3と第二通路5と、その中を流れる流れXを示す平面図である。
図7は、図6における第一通路3と第二通路5と、その中を流れる流れXを示す側断面図である。
【0042】
図6および図7に示す脱硝装置1に設けられた排ガスダクト13を構成する第一通路3と第二通路5は、第一通路3と第二通路5が接続され、第一通路の軸線方向に交差する面方向を有する交差面11が位置し、第二通路5が仕切り板7により分割された通路内に形成され、仕切り板7は、第二通路5の軸線方向に直交する辺が、第二通路5の軸線方向に直交する第一通路3の面の面内方向に位置する点で第2実施形態と共通する。したがって、これらの構成については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施形態は、第2実施形態に比べて、第二通路5が矩形断面とされており、両側に位置する仕切り板により通路断面形状を形成する点で相違する。
第一通路3および第二通路5は、ともに矩形の通路断面を有している。そして、第一通路3と第二通路5とが交差する領域に、仕切り板7が設けられている。仕切り板7は、通路内の両側に設けられ、その一方の面方向が第一通路3の軸線方向に交差する交差面11となっている。
これにより、第一通路3を通過して第二通路5に流入した流れXは、仕切り板7すなわち交差面11に接触し、その流れる方向を、交差面11の方向へ転向し、流れXが乱れることにより旋回流となる。
よって、断面が矩形である一般的なダクトに仕切り板7を設けることで、排ガスにアンモニアを効率よく混合させることができる。
【0043】
なお、上記各実施形態では、還元剤をアンモニアとし、第一通路及び第二通路を流れる流体を排ガスとしているが、混合させる必要がある二種類の流体であれば、排ガスとアンモニア以外の流体であってもよい。
【0044】
上記各実施形態に示す排ガスダクト13を脱硝装置1に設けることで、簡易な構成で脱硝を行うことができるので、脱硝装置1の設備費や、運転にかかるコストを低減することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 脱硝装置
3 第一通路
5 第二通路
7 仕切り板
9 転向部
9a 接続部
9b 対向部
11 交差面
13 排ガスダクト
101 板
103 混合器


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一通路と、
前記第一通路の下流に連結され、前記第一通路の軸線方向と交差する軸線方向を有する第二通路と、
を有し、
前記第二通路は、前記第一通路の軸線方向に対して所定角度を有して交差する側壁面とされた交差面を有し、
前記交差面は、還元剤投入位置の下流に位置することを特徴とする排ガスダクト。
【請求項2】
前記第二通路は、前記第一通路に連結される転向部を有し、
前記転向部は、軸線方向が前記第二通路の本体の軸線方向と交差する筒体とされるとともに、
前記交差面と、
前記交差面と前記第一通路を形成する面とを接続する接続部と、
前記交差面に対向する対向面とを有し、
前記第一通路の軸線方向における前記交差面の長さが前記対向面の長さよりも長いことを特徴とする請求項1に記載の排ガスダクト。
【請求項3】
前記第二通路において前記第二通路の軸方向に直交する断面の形状が平行四辺形であることを特徴とする請求項1に記載の排ガスダクト。
【請求項4】
前記第二通路において前記第二通路の軸方向に直行する断面の形状が正方形である請求項1に記載の排ガスダクト。
【請求項5】
前記第一通路の空間と、前記第一通路の軸線方向で連通する前記第二通路の空間を形成する少なくとも一面が板状の仕切り板により形成されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の排ガスダクト。
【請求項6】
前記仕切り板が、前記第一通路の軸線に対して30度から45度の間の角度を有して交差することを特徴とする請求項5に記載の排ガスダクト。
【請求項7】
前記第二通路の軸線方向に直交する前記仕切り板の両辺が、前記第二通路の軸線方向に直交する前記第一通路の面の面内方向に位置することを特徴とする請求項5または6に記載の排ガスダクト。
【請求項8】
請求項1から6のいずれかに記載の排ガスダクトを有する脱硝装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−6148(P2013−6148A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140379(P2011−140379)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】