説明

排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジングを密封する装置

本発明は、排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジング(4)を密封するための次のような装置に関する。即ち、この軸受ハウジングから、ロータ(R)が、ターボチャージャの、マスフローに曝されるチャンバの中に導かれる。この装置は、ロータの溝(22)の中に配置されたシールリング(5)と、軸受ハウジング(4)上に配置され、且つ予荷重が与えられた前記シールリング(5)が、外側に向いた外周面により固定される座面(43)と、ロータの回転軸(A)の周りに環状に設けられて径方向に広がる分離間隙と、を有している。この分離間隙は、二つの重なり合う摺動面により規定され、その内の第一の摺動面は、前記シールリング(5)の第一の面(51)上に配置され、第二の摺動面は、前記溝(22)の第一の側面(21)上に配置されている。排ガス・ターボチャージャを運転する際に、シールリング(5)の摩擦によって生じるシールリング(5)への入熱を減少させるため、回転軸(A)の周りに環状に設けられた凹部(26)が、前記溝(22)の第二の側面(23)の中に形成されている。この凹部(26)は、ロータ(R)の中に形成された環状のボディ(24)により、径方向外側が規定されている。この管状のボディ(24)は、ロータ(R)の外側表面の一部を形成し、且つ外側表面につながり径方向に向けられた環状のエッジ(25)を有していて、この環状のエッジは、前記シールリング(5)が溝の第二の側面(23)に当たった時に生じる摩擦面の寸法を減らす方向に寄与する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガス・ターボチャージャの分野に関する。
【0002】
本発明は、請求項1の前書部分に記載の、排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジングを密封する装置と、このような装置を備えた請求項5に記載の排ガス・ターボチャージャとに関する。
【背景技術】
【0003】
排ガス・ターボチャージャの場合、内燃機関の排ガスが、内燃機関に供給される燃焼用空気を圧縮するために用いられる。このためターボチャージャは、タービンを持つロータと、そのロータと共通の軸に取り付けられたコンプレッサと、を備えている。内燃機関の排ガスは、タービン中で圧力を解除され、それが回転エネルギに変換される。得られた回転エネルギは、前記の軸によってコンプレッサに伝達され、コンプレッサは、内燃機関に供給される空気を圧縮する。排ガスのエネルギを、内燃機管中の燃焼プロセスに供給される空気を圧縮するために用いることによって、内燃機関の燃焼プロセスとエネルギ効率を最適化することができる。
【0004】
ロータの一部分は、軸方向及び径方向軸受上で回転可能な状態で、軸受ハウジングの中を導かれ、これらの軸受は、潤滑剤特にオイルによって潤滑される。この潤滑剤がタービンまたはコンプレッサに向かって流出するのを防止するため、ロータの内、軸受ハウジングに支持される部分は、二つのシールを経由して軸受ハウジングから導かれ、これらのシールの一つは、軸受ハウジングをタービンに対して密封し、他の一つは、コンプレッサに対して密封する。
【0005】
排ガス・ターボチャージャで潤滑剤を収容する軸受ハウジングを、タービン軸に対して密封するが、これは、ピストンリングとして実現されるシールリングによって可能である。このシールリングは、軸方向及び径方向に遊びを持たせた上で、ロータの溝、即ちロータの回転軸の周りに設けられた環状の当該溝の中に配置されていて、予荷重をかけられて軸受ハウジングの一つの座面に固定されている。条件の如何によっては、二つまたはそれ以上のシールリングを設け、これらのシールリングは、一般にはやはりピストンリングとして形成され、予荷重をかけられてハウジングのその他の座面に固定されているものとすることもできる。
【0006】
タービンを駆動する排ガスのマスフローと、軸受ハウジングの潤滑剤スペース中の圧力との圧力差によって、ターボチャージャの運転中にシールリングの移動を生じ、それによりこのリングが、環状溝の中でコンプレッサに向かって、嵌め込まれるようになる。この摩擦による嵌め込みによって、軸受ハウジングの密封性が改善される。このシールリングの嵌め込みは、このリングの環状のエッジが軸受ハウジングの座面に接するまで行われる。
【0007】
排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジングを密封するシャフトシールとして実現される前記の種類の装置は、EP1130220A及びEP1507106B1に記載されている。
【0008】
EP1130220Aに記載のシャフトシールの場合、シールリングは、ロータの溝に取り付けられている。排ガス・ターボチャージャの運転中、シールリングの一つの面が溝の側面に当たる。二つの互いに相対回転する面の間に形成された分離間隙は、圧力空気を取り込むコンプレッサと、ターボチャージャのオイルを含む軸受との相互間を、気密及び油密に密封する。シールリング中に形成された溝と、溝の底部に形成されたリブとは、ラビリンスシールの方法に従って配置された複数のシール面を形成し、シャフトシールの密封性を改善する。
【0009】
EP1507106B1に記載の装置は、ピストンリングの仕様であるシールリング、且つそれぞれ異なる材料による二つの領域を持つ同シールリングを備えている。この場合、第一の領域は、軟質で摩耗し易い材料から製造されていて、ターボチャージャのロータと協働する摺動面を備えている。第二の領域は、高耐熱材料から製造されている。このようなシールリングは、その利点として、高耐熱材料製の領域によって、ターボチャージャの軸受ハウジング中にシールリングを固定する際に求められる、径方向の予荷重を長期的に可能とし、同時に、軟質で摩耗しやすい材料によって、シールリングとロータ間に望まれる嵌め込みプロセスを最適に支援する。
【0010】
DE1247097B及びEP1536167A1には、一つの溝の中に取り付けられたシールリングを持つシャフトシールが記載されている。このシャフトシールの場合、シールリングへの入熱は、シールリングの面の寸法を小さくすることによって軽減される(DE1247097B:第1欄、40〜47行、及び図1。EP1536167A1:第10欄、段落([0082]及び[0083])。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許出願公開第EP1130220A号明細書
【特許文献2】欧州特許第EP1507106B1号明細書
【特許文献3】独国特許第DE1247097B号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第EP1536167A1号明細書
【発明の概要】
【0012】
請求項1〜5で定義される本発明の課題は、冒頭に挙げた種類の排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジングを密封する装置と、そのような装置を持つ排ガス・ターボチャージャであって、且つターボチャージャが困難な運転条件下にあっても、信頼性が大きく、寿命が長い点で優れている当該装置、当該排ガス・ターボチャージャを得ることである。
【0013】
シールとして働く本発明の装置の場合、溝の側面の内、排ガス・ターボチャージャのタービン側の側面に、軸を環状に取り巻く凹部が形成されている。そしてこの凹部の径方向外側を、ロータの中に形成された環状ボディによって規定し、この環状ボディは、ロータの外面の一部分であり、またこの環状ボディは、この外面に隣接し径方向を向く環状エッジを備えている。この環状エッジは、シールリングが溝の側面に当たるときに生じる摩擦面の大きさを減少させるのに役立つ。
【0014】
摩擦面を減少させることによって、シールリングへの入熱は小さく保たれる。シールリングが、ターボチャージャのロータに設けられた溝のタービン側側面に当たり、そのとき摩擦プロセスによって、摩擦熱が、ロータから、衝突時に形成された摩擦面を経由して、シールリングに伝達されるとき、シールリングへの入熱が生じ得る。溝のタービン側側面に対するシールリングの接触は、排ガス・ターボチャージャのタービン側で、内燃機関の排ガスを含むマスフローの圧力が、軸受ハウジング内の圧力より小さい時に生じ得る。これは、内燃機関のアイドリング運転時に生じることである。
【0015】
摩擦面を小さく保つことによって、ロータとシールリング間の摩擦が軽減され、わずかな熱だけがシールリングに送られる。これにより、シールリングの負荷が追加されるのを防止する。そのほか溝の側面の製造が簡単になり、溝の側面を特殊な形状とすることによって、溝の底面と環状エッジとの間に、大きな間隔が得られる。これにより、溝の中にシールリングを良好な状態で通すことができるようになり、同時に、環状エッジが径方向外側に変位するため、ターボチャージャに供給されるマスフローから、汚れが溝に入るのが防止される。
【0016】
本発明のその他の利点は、従属請求項に記載されている。
【0017】
下記では、図面を用いて、排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジングを密封するための本発明による装置の実施例を、模式的に図示し、詳しく説明する。全ての図面において、働きを同じくする諸要素には同じ参照符号が付されている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】排ガス・ターボチャージャの上面図、且つ軸方向に切断した断面図である。この排ガス・ターボチャージャでは、丸で囲まれてシャフトシールとして働く装置が組み込まれている。
【図2】図1で丸で囲んで示された、従来の技術による仕様のシャフトシールであって、且つ嵌め込みプロセス開始前のものの拡大図である。
【図3】図2に示したシャフトシールであって、嵌め込みプロセス終了後、運転状態にあるものである。
【図4】図1に丸で囲んで示した本発明のシャフトシールの3つの実施形態の内の一つを拡大図として示す。
【図5】図1に丸で囲んで示した本発明のシャフトシールの3つの実施形態の内の一つを拡大図として示す。
【図6】図1に丸で囲んで示した本発明のシャフトシールの3つの実施形態の内の一つを拡大図として示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1は、固定配置されたハウジングGと、軸Aの周りを回転可能なロータRと、を持つ排ガス・ターボチャージャの模式的な部分図である。ロータRの左側には、軸3に固定された排ガス・ターボチャージャのコンプレッサホイール1を示す。軸3は、また右側で、排ガス・ターボチャージャのタービンホイール2と結合されている。タービンホイール2は、ここに図示されていないブレードを含み、このブレードを介して、内燃機関で生じた排ガス流に駆動される。コンプレッサホイールは、やはりここに図示されていないブレードを含んでいる。
【0020】
両者ホイール間の領域には、単に図式的に示す軸方向及び径方向軸受Lが配置されていて、この軸受は、ロータRを運転する際に生じる軸方向及び径方向の力を吸収する。
【0021】
ハウジングGは、ロータRを包み、固定された軸受ハウジングとして形成されたハウジング部品4を備えている。このハウジングの一部分は、軸方向及び径方向軸受Lと、ロータRの一部分と、を収容し、これらを残りハウジング部品から遮蔽する。この残りのハウジング部品には、高温のガスの負荷を受ける排ガス・タービンのタービンホイール2と、空気を圧縮するために設けられたコンプレッサホイール1と、が配置されている。従って、軸方向及び径方向軸受Lは、排ガスまたは圧力空気を含むマスフローに対して保護される。
【0022】
これらのマスフローは、それぞれに高圧、高温、高速度を持つものである。これらのマスフローが軸受ハウジング4中で作用することないように、そしてまた潤滑油が軸受ハウジング4から逃げられないようにするため、軸受ハウジング4とロータRとの間に、回転軸Aの周りに環状に導かれた二つのシャフトシールDが配置されている。これらシャフトシールの一つは、軸受ハウジング4の一部分、即ちロータがコンプレッサにつながる際に通る一部分に接し、他の一つは、軸受ハウジングの一部分、即ちロータが排ガス・タービンにつながる際に通る一部分に接する。
【0023】
タービン側に配置された従来の技術によるシャフトシールDを、図2及び3に模式的に示す。このシールは、一つのシールリング5を含み、このシールリングは、回転軸の周りを環状に囲むロータRの溝22の中に配置され、ピストンリングとして形成されている。このシールリング5と溝22とは、回転軸に沿って切って見ると、それぞれほぼ四角形の横断面を持つ。シャフトシールDはまた、軸受ハウジング4に配置された座面43を含み、この座面で、シールリングは、その外側を向く外周面を、十分気密、油密に固定されている。
【0024】
シャフトシールはまた、ロータRの回転軸の周りを環状に導かれた、径方向に延びる分離間隙Tを含み、この分離間隙は、重なり合う二つの摺動面で規定されている。一方の摺動面は、シールリング5の面51の上に配置され、他方の摺動面は、溝22の側面21の上に配置されている。これらの重なり合う摺動面と、非常に狭い分離間隙Tとは、排ガスマスフローの軸受ハウジング4への侵入と、オイルの軸受ハウジング4からの流出とを防止する。同時にこれら摺動面と分離間隙は、軸受ハウジング4に固定されたシールリング5が滑り摩擦によって許容されないほど加熱されることなく、ロータRの回転を可能にする。
【0025】
一般には金属製であるシールリング5は、組み付けの際、遊びを付して溝22に組み込まれる。つづいてロータRのタービンホイール2を含む部分が、右側から軸方向に、軸受ハウジング4に挿入される。ハウジング4は、装入経路に沿って、1箇所または複数個所42で、または連続的に狭められるので、シールリング5は、径方向の予荷重を受け、最後に軸受ハウジング4の座面43に固定される。
【0026】
シールDの初回運転開始時には、分離間隙Tで嵌め込みプロセスが生じる。軸受ハウジング4に固定されたシールリング5は、このとき、図2に矢印で示した排ガスマスフローの高い圧力によって、溝22の回転する側面21に押しつけられ、この側面によって、砥石車のように研磨される。シールリングのかつて平らだった面には、リング状の凹部が刻み込まれ、これに分離間隙Tの右側を規定する摺動面51が伴う。
【0027】
嵌め込みプロセス終了後に連続運転を行う際、シールリング5が余りにも深く磨耗されたり、完全に摩耗したりするのを防止するため、軸受ハウジング4に軸方向ストッパ41が設けられている。この軸方向ストッパは、シールリング5の軸方向の移動範囲を規定し、こうしてシールDの密封作用を改善する。従ってターボチャージャが運転状態にあるとき、排ガスマスフローの圧力が高くても、分離間隙Tの領域に軸方向の力の伝達は生じない。矢印方向のシールリング5への力には、軸方向ストッパ41が対抗する。
【0028】
シールリング5を事前取り付けされたロータRを組み付ける際、シールリング5が、溝22の排ガス・タービン側側面23に密着することになり得る。排ガスマスフローの圧力が小さいとき、そして特にエンジンアイドリングのとき、この密着は、シールリングの参照符号52が付された面に嵌め込みを生じる原因となり、これは、追加的な入熱に寄与する。
【0029】
この場合に生じる摩擦面は、側面23の面52において、重なり合って滑り摩擦の負荷を受ける面部分の大きさを決定する。
【0030】
図4〜6に記載されたシャフトシールの本発明による実施形態の場合、溝22の側面23には、軸の周りに環状に設けられた凹部26が各一つ形成されている。この凹部は、溝22をアンダーカットし、そして径方向外側を、ロータに形成された環状ボディ24で規定されている。この環状ボディ24は、ロータRの外面の一部分を形成し、この外面につながり径方向を向く環状エッジ25を備えている。この環状エッジによって、シールリング5が溝の側面23に当たるとき生じる摩擦面の大きさが削減される。これにより、摩擦プロセスの際、滑り摩擦により生じてシールリング5に送り込まれる熱量が軽減される。これと同時に、溝22の底面と環状エッジ25との間には、比較的大きな間隔が存在し、こうして、溝の中でシールリングの良好なセンタリングが得られ、ロータRにシールリング5が固着するのが防止される。環状エッジ25が溝底面から径方向外側に移動するので、ターボチャージャ内を導かれるマスフローから、汚れが溝22に侵入するのも、同時に防止される。
【0031】
図4及び5で認められるように、凹部26の径方向外側が、環状ボディ24に形成されて環状エッジ25につながる円錐形チャンファ27によって規定される場合には、排ガス・ターボチャージャのある特定の用途に有利な、鋭角の環状エッジ25が得られる。この円錐形チャンファ27は、この場合、側面23(図4)の径方向につながる部分から、または溝22の底面から、環状エッジ25につながる。
【0032】
排ガス・ターボチャージャのその他の用途に有利な実施形態の場合、環状エッジは、上記とは異なって比較的鈍角である。図6で認められるように、この実施形態の場合、環状ボディ24に形成されて環状エッジ25につながる円筒面28が、凹部26の半径方向外側を規定する。
【0033】
エッジ25は、一般には中断なくロータRの回転軸の周りに設けるのが、製造技術上有利な方法であるが、複数の段付部によって形成し、これら段付部を円周方向に互いに間隔を取って配置することもできる。これら段付部は、摩擦面を更に減少させ、シールリングへの入熱がさらに少なくなるようにする。
【0034】
エッジ25を一つだけ設けるのではなく、環状ボディ24が二つまたはそれ以上のエッジを含むものとすることができる。これらのエッジは、ほぼ同軸に配置され、それぞれ互いに軸Aの周りに設けられた凹部によって分離されているものとする。
【0035】
シールリング5を一つだけ設けるのではなく、シールDがその他にもシールリング5を備えるものとすることができる。これらのシールリングは、追加された溝に配置されて、軸受ハウジング4に固定されるものとする。
【0036】
本発明によるシールは、ロータのタービン側だけでなく、コンプレッサ側の軸受ハウジング貫通口にも設けることができる。ターボチャージャの要求事項が許容する場合には、本発明によるシールをタービン側だけで使用することができ、他方、コンプレッサ側のロータ貫通口は、従来の技術によるシールで密封することができる。
【符号の説明】
【0037】
A…回転軸、D…シール、G…ハウジング、L…軸方向及び径方向軸受、R…ロータ、T…分離間隙、1…コンプレッサホイール、2…タービンホイール、21…溝の側面、22…溝、23…溝の側面、24…チャンファ、25…エッジ、26…凹部、27…チャンファ、28…円筒面、4…軸受ハウジング、41…軸方向のストッパ、42…径方向の狭窄部、43…座面、5…シールリング、51、52…面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガス・ターボチャージャの軸受ハウジング(4)を密封するための装置(D)であって、
この軸受ハウジングから、ロータ(R)が、ターボチャージャの、マスフローに曝されるチャンバの中に導かれ、
この装置は、
ロータ(R)の溝(22)の中に配置されたシールリング(5)と;
軸受ハウジング(4)上に配置され、且つ、予荷重が与えられた前記シールリング(5)が、外側に向いた外周面により固定される座面(43)と;
ロータの回転軸(A)の周りに環状に設けられ、径方向に延びる分離間隙(T)と;
を有していて、
この分離間隙は、二つの重なり合う摺動面により規定され、その内の第一の摺動面は、前記シールリング(5)の第一の面(51)上に配置され、第二の摺動面は、前記溝(22)の第一の側面(21)上に配置されている、
装置において、
回転軸(A)の周りに環状に設けられた凹部(26)が、前記溝(22)の第二の側面(23)の中に形成されていること;
この凹部(26)は、ロータ(R)の中に形成された環状のボディ(24)により、径方向外側が規定されていること;
この管状のボディ(24)は、ロータ(R)の外側表面の一部を形成し、且つ外側表面につながり径方向に向けられた環状のエッジ(25)を有していて、この環状のエッジは、前記シールリング(5)が溝の第二の側面(23)に当たった時に生じる摩擦面の寸法を減らす方向に寄与すること;
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記凹部(26)は、前記環状のボディ(24)の中に形成され且つ前記環状のエッジ(25)に至る勾配付きのチャンファ(27)によって規定されること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記勾配付きのチャンファ(27)は、前記溝(22)の底から前記環状のエッジ(25)まで延びていること、を特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記凹部(26)は、前記環状のボディ(24)の中に形成され且つ前記環状のエッジ(25)に至る円筒面(28)によって規定されること、を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記シールリング(5)を収容する前記溝(22)が、タービンホイール(2)を支持するロータ(R)の上に配置されていること、を特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の装置(D)を有する排ガス・ターボチャージャ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2012−503155(P2012−503155A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527263(P2011−527263)
【出願日】平成21年5月20日(2009.5.20)
【国際出願番号】PCT/EP2009/056171
【国際公開番号】WO2010/031604
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【出願人】(501405177)アーベーベー ターボ システムズ アクチエンゲゼルシャフト (37)
【住所又は居所原語表記】Bruggerstrasse 71a, CH−5400 Baden, Switzerland
【Fターム(参考)】