説明

排出ガス湿式浄化装置

本発明は有害な排出ガスを湿式で浄化処理するための装置に係り、より詳しくはエリミネーターを備えた浄化処理室に液体を噴霧して、排気ガスに含まれた微粒子と水分を効果的に除去することができる湿式浄化装置に関するものである。また、本発明は、浄化処理の際に時発生するスラッジを効果的に処理して、廃水を放出しなくても排出ガスを浄化することができる湿式浄化装置に関するものである。本発明による排出ガス湿式浄化装置は、入口に流入した排出ガスが出口に向かって水平に流れるように配置され、底面から一定距離だけ離隔した上部の側面に排水孔が形成された湿式浄化チェンバーと、湿式浄化チェンバーの内部に配置され、排出ガスの通路を形成するために配置された複数の折曲ブレードを含み、下面が前記排水孔より下側に位置するように設置されたエリミネーターと、前記排水孔から流出する液体を受け、複数の水槽を順次通過させて浄化処理するための油水分離槽と、湿式浄化チェンバーの入口側空間に噴霧するように設置された噴射ノズルと、前記油水分離槽に沈澱したスラッジを受けて濃縮するための濃縮槽と、濃縮されたスラッジから水分を分離して排出するための脱水器とを含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は有害な排出ガスを湿式で浄化処理するための装置に係り、より詳しくはエリミネーターを備えた浄化処理室に液体を噴霧して、排気ガスに含まれた微粒子と水分を効果的に除去することができる湿式浄化装置に関するものである。また、本発明は、浄化処理の際に発生するスラッジを効果的に処理して、廃水を放出しなくても排出ガスを浄化することができる湿式浄化装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図5は従来粉塵が多く発生する産業現場で排出されるガスを湿式で浄化処理するための装置を示す。図5に示す排出ガス湿式浄化装置は、浄化処理チェンバー10内に設置されたエリミネーター11の前方で液体を噴霧して、排出ガスに含まれた粉塵、又は有害な物質を除去するように構成されている。排出ガスが酸性の場合は、排出ガスを中和処理するためのNaOHのようなアルカリ性溶液を噴霧して酸性排出ガスを中和処理し、エリミネーター11で、酸性ガスがアルカリ溶液と反応して生成された塩又は粉塵を除去して排出させる。エリミネーター11で分離された粉塵又は塩は、水分とともに、浄化処理チェンバー11の底に設置されたドレン管15を通じて油水分離槽20に落下する。油水分離槽20では、分離された溶液がポンプ30によってノズルに供給されて循環するようになっている。
【0003】
しかし、前記のような従来の排出ガス湿式洗浄装置は、ドレン配管が浄化処理チェンバーの底面に設置されているから、排出ガスがエリミネーターと底面との間の空間を通じて(図面で矢印で示すb経路)排出されるようになっているため、エリミネーターでの浄化効果が半減する問題点がある。また、凝縮水又は液体の噴霧による排出ガス内の湿気が完全に除去されなかったままで排出されるから、バッグフィルターのような乾式浄化設置を後端に設置しようとする場合、排出ガスの湿気を除去するための別途の設備が必要な問題点がある。
【0004】
また、従来の排出ガス湿式洗浄装置は、油水分離槽の水槽が一つでなっているため、油水分離槽に沈澱した粉塵又は反応物質がポンプによってノズルに供給される場合、ノズルが詰まって頻繁に補修を行わなければならなく、特に酸性ガスを浄化しようとする場合は、廃水が発生するため、別途の廃水処理設備を備えなければならない問題点がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記のような従来の排出ガス湿式浄化装置の問題点を解決するためになされたものである。本発明は、浄化処理チェンバーのドレン配管の構造を変更して、排出ガスからの粉塵、ミスト、水分、凝縮水などの除去効率を高めることができる浄化装置を提供することをその目的とする。
【0006】
また、本発明は、油水分離槽の構造を変更して、廃水の発生を防止し、浄化処理チェンバーの噴射ノズルの詰まりを防止することができる湿式浄化装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による排出ガス湿式浄化装置は、排出ガスが流入するための入口及び処理された排出ガスが流出するための出口を備え、前記入口に流入した排出ガスが出口に向かって水平に流れるように配置され、底面から一定距離だけ離隔した上部の側面に排水孔が形成された湿式浄化チェンバーと、前記湿式浄化チェンバーの内部を入口側空間と出口側空間に分離するように、湿式浄化チェンバーの内部に配置され、排出ガスの通路を形成するために配置された複数の折曲ブレードを含み、下面が前記排水孔より下側に位置するように設置されたエリミネーターと、複数の水槽を備え、前記排水孔に流出する液体を受け、前記複数の水槽を順次通過するようにして浄化処理するための油水分離槽と、前記油水分離槽の最後の処理水槽の液体を受け、前記湿式浄化チェンバーの入口側空間に噴霧するように設置された噴射ノズルと、前記油水分離槽に沈澱したスラッジを受けて濃縮するための濃縮槽と、前記濃縮槽で濃縮されたスラッジを受け、濾液を分離して油水分離槽の最後の処理水槽に供給し、濾液が分離されたケーキを排出するための脱水器と、を含むことを特徴とする。
【0008】
本発明による浄化装置で酸性の排出ガスを処理しようとする場合、排出ガス湿式浄化装置は、前記油水分離槽に設置されたpHセンサーと、アルカリ薬品貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクに連結され、アルカリ薬品を油水分離槽に供給するための薬品移送ポンプと、前記pHセンサーの測定値を受け、所定範囲の値の場合に、薬品移送ポンプを動作させて油水分離槽に薬品を供給するための制御装置とをさらに備えることができる。
【0009】
前記エリミネーターで除去される水分又は粉塵などが重力によって湿式浄化チェンバーの底に容易に落ちるように、エリミネーターの複数のブレードは垂直に配置することが好ましい。また、前記エリミネーターの汚染物質除去効率を高めるために、複数のエリミネーターを一定距離だけ離隔して配置し、複数のノズルを設置し、少なくとも一つのノズルは前記離隔して設置されたエリミネーターの間に配置することがより好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の一実施例による湿式浄化装置の概略図である。図1に示されるように、
本実施例の湿式浄化装置は、排出ガスが流入するための入口17及び処理された排出ガスが流出するための出口12を備えた湿式浄化チェンバー10と、前記湿式浄化チェンバーの内部を入口側空間と出口側空間に分離するように、湿式浄化チェンバーの内部に配置された一対のエリミネーター11と、湿式浄化チェンバー10から排出される粉塵などが含まれた液体を浄化処理するための複数の水槽を備えた油水分離槽20と、油水分離槽20に沈澱したスラッジを濃縮するための濃縮槽50と、濃縮されたスラッジから水分を分離するための脱水器70とを含む。また、湿式浄化チェンバー10の入口側空間に液体を噴霧するように設置された噴射ノズル18を含む。
【0012】
湿式浄化チェンバー10の下部には、エリミネーターを底面から一定距離だけ離隔して設置するための設置台14が固定されている。また、湿式浄化チェンバー10は、入口17に流入した排出ガスが出口12に向かって水平に流れるように配置され、エリミネーター11は、排出ガスの流れに対して垂直に設置されている。また、エリミネーター11の下面より高い位置の湿式浄化チェンバー10の側壁には、底面に溜まった液体の排水のための排水孔13が形成されている。また、湿式浄化チェンバー10の底面には、掃除のためのドレン配管15が連結されており、使用時にドレン配管15を閉鎖するためのバルブ16が設置されている。
【0013】
湿式浄化チェンバー10の内部に設置されたエリミネーター11は、湿式浄化チェンバー10を入口側空間と出口側空間に分離するために、湿式浄化チェンバー10の内部に配置される。エリミネーター11の下面は、排水孔13より下側に位置するように設置された設置台14に装着され、下面を除いた側面は湿式浄化チェンバー10の内面と密着するように設置される。したがって、エリミネーター11を通過する排出ガスから分離された水分は湿式浄化チェンバー10の下部に流下して集まり、排水孔13に連結された排水配管19を通じて下部の油水分離槽20の第1水槽20aに排出される。エリミネーター11の下面は排水孔13より下側に位置するので、エリミネーター11の下面と湿式浄化チェンバー10の底面との間の空間にはいつも水又は薬品溶液が満ち、排出ガスが通過することができないようになっているので、排出ガスはいつもエリミネーター11によって水分が除去された状態で出口12に排出される。
【0014】
図3は本発明による湿式浄化装置に使用されるエリミネーターの一例の斜視図である。図3を参照すれば、エリミネーター11は、取っ手が備えられた上板11aと、複数のブレード11bを収容するためのフレーム11dと、下板11cと、上板11a及び下板11cに設置された複数のブレード11bとから構成される。前記複数のブレード11bは、垂直に配置され、排出ガスから除去される水分又は粉塵が重力によって湿式浄化チェンバー10の底面に落ちるようにする。また、それぞれのブレード11bは、排出ガスの流れ方向を案内して微粒子を除去するように折り曲げられている。また、上板11a及び下板11cには、ブレード11bが設置されるための設置溝11c−1が形成されている。
【0015】
図4は本発明による湿式浄化装置において、噴射ノズルとエリミネーターの多様な配置状態図である。図4(a)に示すように、噴射ノズルから液体が噴霧される方向が排出ガス流動方向(矢印方向)の下流に向かうように(図1に示すものと反対に)噴射ノズル18を設置するか、図4(b)に示すように、一対の噴射ノズル18を噴霧方向が対向するように設置するか、図4(c)に示すように、複数のエリミネーター11の間に設置することができる。
【0016】
エリミネーター11によって除去された粉塵又は水分は、湿式浄化チェンバー10の排出孔を通じて油水分離槽20の第1水槽20aに落下する。油水分離槽20は、複数の水槽20a−20fを備え、スラッジを沈澱させるために、隣合う水槽に上澄水と下層水が交互に流れるようにする構造であって、隔壁に貫通孔が形成されている。したがって、中間の水槽で粉塵のような粒子はすべて沈澱して、最後の水槽20fには、清く浄化された上澄水が流入することになっている。最後の水槽20fには、配管31を介してポンプ30が設置され、ポンプは浄化された水又は溶液を湿式浄化チェンバー10内に設置された噴射ノズル18に供給するので、噴射ノズル18の詰まりを防止することになる。
【0017】
油水分離槽20のそれぞれの水槽の下部は、沈澱したスラッジを排出するための自然配管又はポンプ40で連結されている。ポンプ40の場合は、スラッジを吸いこんで濃縮槽50に移送させる。濃縮槽50で濃縮されたスラッジは、配管61に連結されたポンプ60によって脱水器70に送られる。脱水器70は、スラッジから濾液を分離して油水分離槽20の最後の水槽20fに送り、ケーキ状になったスラッジは別に排出して廃棄処理する。未説明符号90は排気ガスを吸引して煙突100に排出するためのブロワーである。
【0018】
本実施例の排出ガス湿式浄化装置は粉塵を多く排出する産業現場で使用することが好ましい。粉塵を多く排出する産業現場で使用する場合、ノズルから噴霧する液体として水を使用することが好ましい。本実施例の浄化装置は、噴霧された水分を含む排出ガスがすべてエリミネーターを通過しながら水分が除去された状態で、出口に排出されるようになっているので、水分の過度な損失を防止することができる。よって、噴霧するための溶液をほとんど補充しなくても良い。また、本実施例の湿式浄化装置は、油水分離槽でスラッジをまったく浄化処理するので、ノズルが詰まらなく、スラッジを別に濃縮してケーキ状で排出し、溶液を循環させて使用するようになっているので、廃水を放流しなくなって、環境保護に寄与することになる。
【0019】
図2は本発明の他の実施例による湿式浄化装置の概略図である。
【0020】
本実施例の排出ガス湿式浄化装置が、図1に示す排出ガス湿式浄化装置と違う点は、排出ガスが酸性の場合、湿式浄化チェンバー10内で酸性の排出ガスを中和させるために、アルカリ性溶液を噴射ノズル18を通じて噴射させるための装置をさらに備える点である。
【0021】
例えば、排出ガスが酸性ガスの場合、排出ガスにはSOx、NOx、HCl、ダイオキシン、その他の有害物質が含まれている。酸性の排出ガスを処理するために、湿式浄化装置にアルカリ性薬剤を噴霧して酸性の排出ガスと接触させて中和させ、排出ガスがエリミネーターを通過するようにして、水分と粉塵を除去する。アルカリ性薬剤は、カルシウム系(CaOH、CaO、CaCO)と、ナトリウム系(NaHCO、NaOH、NaCO)溶液を使用することができるが、カルシウム系溶液を使用する場合、反応生成物の溶解度がナトリウム系より低くて沈澱による反応器内でのスケーリングが多く発生するので、ナトリウム系溶液を使用することが好ましい。
【0022】
湿式処理工程において、苛性ソーダ(NaOH)を薬剤として使用する場合、酸性の排出ガスは下記の反応式(1)〜(4)によって中和処理される。水又はアルカリ性溶液に易しく溶解する亜硫酸ガス又は塩化水素は湿式処理工程で容易に除去されるが、水又はアルカリ溶液に易しく溶解しないNO、ダイオキシン、その他の害ガスは湿式処理工程でほとんど除去されないで排出されるので、追加の処理工程が必要である。粉塵の場合は、湿式浄化チェンバーの噴射ノズルを通じて噴射される苛性ソーダ溶液液滴との慣性衝突(inertial impaction)、又は液滴粒子による遮断(interception)、微細粒子の場合は、ブラウン運動による拡散(diffusion)、その他の重力及び電気力等によって液滴と衝突して、エリミネーターを通過する過程で除去される。
SO+2NaOH ⇒ NaSO+HO ・・・反応式(1)
SO+NaOH ⇒ NaHSO ・・・反応式(2)
HCl+2NaOH ⇒ NaCl+HO ・・・反応式(3)
NO+2NaOH+1/2O ⇒ NaNO ・・・反応式(4)
【0023】
本実施例の排出ガス浄化装置は、前記のような酸性の排出ガスを中和させ、排出ガス内に含まれた粉塵のような粒子性有害物質を除去するように、図1に示す実施例の浄化装置に、噴霧される溶液に苛性ソーダ(NaOH)薬剤を適切なpHに調節して投入するための装置をさらに備える。すなわち、アルカリ性薬剤を保存するための薬品貯蔵タンク80と、油水分離槽20の水槽20fに設置されたpHセンサー81と、薬品貯蔵タンク80に保存された薬品を水槽20fに移送するための薬品移送用ポンプ83と、配管82、84とをさらに含む。また、図示していないが、pHセンサー81の測定値を受け、所定範囲の値の場合に、薬品移送ポンプを動作させて最後の処理水槽20fに薬品を供給するための制御装置をさらに含む。制御装置は、通常PLCを使用するが、汎用のコンピューターを使用することもできる。
【0024】
以下、本実施例の排出ガス湿式浄化装置の作動について説明する。
【0025】
湿式浄化チェンバー10の入口17に、排出ガスが供給される配管を連結し、ブロワー90を動作させると、湿式浄化チェンバー10の入口17を通じて排出ガスが吸引される。吸引された排出ガスは、噴射ノズル18から噴霧されるアルカリ性薬剤が溶解した溶液によって、前記反応式(1)〜反応式(4)のような反応をして中和処理される。中和処理された排出ガスは、エリミネーター11を通過しながら粉塵又は水分などが除去され、出口12を通じて排出される。エリミネーター11によって除去された排出ガスに含まれた粉塵、又は中和塩、水分、凝縮水などは湿式浄化チェンバー10の底面に集まることになり、エリミネーター11の下面と湿式浄化チェンバー10の底面との間の空間にはいつも薬品が溶解した溶液が満ちることになって、排出ガスが通過することができなくなる。よって、排出ガスはいつもエリミネーター11によって粉塵又は水分が除去された状態で出口12に排出される。湿式浄化チェンバー10の下部に流れて集まった水分は、排水孔13に連結された排水配管19を通じて下部の油水分離槽20の第1水槽20aに排出される。油水分離槽20で順次浄化処理されながら、溶液に含まれた粉塵又は反応塩は油水分離槽20の底に沈澱する。油水分離槽20の底に沈澱したスラッジはポンプ40によって濃縮槽50に送られて濃縮され、脱水器70で脱水され、ケーキ状で排出されて廃棄される。脱水器で脱水された溶液は油水分離槽20に送られ、再使用される。油水分離槽20に設置されたpHセンサー81で測定された値が所定値から外れた場合、図示しない制御装置でポンプ83を動作させて、薬品貯蔵タンク80に保管された薬品を油水分離槽20に供給する。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明によれば、排出ガスの湿式浄化装置において、湿式浄化チェンバーに設置されたエリミネーターの下面より高い位置に排水孔を形成して、排出ガスの水分と粉塵をより効率よく除去することができることになる。また、排出ガスから除去された粉塵を含む溶液を、複数の処理槽を備えた油水分離槽で浄化処理して、ノズルの詰まりを防止することになる。また、油水分離槽から排出されるスラッジに含まれた濾液を脱水器で分離して再使用が可能になり、廃水を放流しなくても良いので、環境保護に寄与することになる。
【0027】
以上で説明し、図面に示した本発明の一実施例は本発明の技術的思想を限定するものと解釈してはいけない。本発明の保護範囲は請求範囲に記載した事項によって限定され、本発明の技術分野で通常の知識を持った者は、本発明の技術的思想を多様な形態に改良変更することが可能である。よって、このような改良及び変更は通常の知識を持った者に自明なものである限り、本発明の保護範囲に属するものであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】図1は本発明の一実施例による湿式浄化装置の概略図である。
【図2】図2は本発明の他の実施例による湿式浄化装置の概略図である。
【図3】図3は本発明による湿式浄化装置に使用されるエリミネーターの一例の斜視図である。
【図4】図4は本発明による湿式浄化装置において、噴射ノズルとエリミネーターの多様な配置状態図である。
【図5】図5は従来の湿式浄化装置の概略図である。
【符号の説明】
【0029】
10 湿式浄化チェンバー、11 エリミネーター、20 油水分離槽、50 濃縮槽、70 脱水器、80 薬品貯蔵タンク、81 pHセンサー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出ガスが流入するための入口及び処理された排出ガスが流出するための出口を備え、前記入口に流入した排出ガスが出口に向かって水平に流れるように配置され、底面から一定距離だけ離隔した上部の側面に排水孔が形成された湿式浄化チェンバーと、
前記湿式浄化チェンバーの内部を入口側空間と出口側空間に分離するように、前記湿式浄化チェンバーの内部に配置され、排出ガスの通路を形成するために配置された複数の折曲ブレードを含み、下面が前記排水孔より下側に位置するように設置されたエリミネーターと、
複数の水槽を備え、前記排水孔に流出する液体を受け、前記複数の水槽を順次通過するようにして浄化処理するための油水分離槽と、
前記油水分離槽の最後の処理水槽の液体を受け、前記湿式浄化チェンバーの入口側空間に噴霧するように設置された噴射ノズルと、
前記油水分離槽に沈澱したスラッジを受けて濃縮するための濃縮槽と、
前記濃縮槽で濃縮されたスラッジを受け、濾液を分離して前記油水分離槽の最後の処理水槽に供給し、濾液が分離されたケーキを排出するための脱水器と、を含むことを特徴とする、排出ガス湿式浄化装置。
【請求項2】
前記排出ガスは酸性排出ガスであり、
前記油水分離槽に設置されたpHセンサーと、アルカリ薬品貯蔵タンクと、前記貯蔵タンクに連結され、アルカリ薬品を前記油水分離槽に供給するための薬品移送ポンプと、前記pHセンサーの測定値を受け、所定範囲の値の場合に、前記薬品移送ポンプを動作させて前記油水分離槽に薬品を供給するための制御装置とをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の排出ガス湿式浄化装置。
【請求項3】
前記エリミネーターの複数のブレードは垂直に配置され、排出ガスから除去される水分又は粉塵が重力によって前記湿式浄化チェンバーの底に落ちるようになることを特徴とする、請求項1又は2に記載の排出ガス湿式浄化装置。
【請求項4】
前記エリミネーターは複数であり、互いに一定距離だけ離隔して設置され、前記ノズルは複数であり、少なくとも一つのノズルは前記離隔して設置されたエリミネーターの間に設置されることを特徴とする、請求項3に記載の排出ガス湿式浄化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2008−534263(P2008−534263A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−503925(P2008−503925)
【出願日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【国際出願番号】PCT/KR2005/003233
【国際公開番号】WO2006/104304
【国際公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(507324223)ダイ ソン エンジニアリング エンヴァイラメント カンパニー リミテッド (1)
【Fターム(参考)】