説明

排気装置及びこれを含む基板処理装置、そして排気方法

【課題】排気装置及びこれを含む基板処理装置、そして排気方法を提供する。
【解決手段】プロセスチャンバ内のガス及び反応副産物は排気ラインを通して排出される。排気ライン上には排出ポートが連結され、反応副産物は排出ポートを通して捕集される。排出ポートは、排気ラインの側壁に形成された排出口に連結され、捕集された反応副産物を格納する捕集筒と捕集筒を排気ライン上に連結する締結部材を含む。排気ラインは、第1及び第2排気ライン、そして連結ラインを含み、連結ライン上には排出口及びガイド面が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気装置及び方法に関し、さらに詳細には、ガス内の反応副産物を捕集する排気装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体を製造するためには、フォトレジスト(photoresist)を使用するリソグラフィ(lithography)工程が必須的に伴われる。フォトレジストは、光に感応する有機高分子または感光剤と高分子との混合物からなり、露光と溶解過程を経た後、基板上にパターンを形成したフォトレジストは、基板や基板上の膜をエッチングする過程で基板にパターンを転写する。かかる高分子をフォトレジストと称し、光源を用いて基板上に微細パターンを形成する工程をリソグラフィ工程と称する。
【0003】
かかる半導体製造工程において、基板上にライン(line)またはスペース(space)パターンなどのような各種の微細回路パターンを形成したり、イオン注入(ion implantation)工程でマスク(mask)として用いられたりしたフォトレジストは、主にアッシング(ashing)工程により基板から除去される。
【0004】
一般的に使用されるアッシング工程では、高温(200〜300℃)で加熱されたヒータチャック上にウェハを載置した状態で、酸素プラズマをフォトレジストと反応させて、フォトレジストを除去する。反応ガスとしては、主に酸素(O)ガスを使用し、アッシング效率を増加させるために、他のガスを混合して使用することもできる。
【0005】
アッシング工程は、外部から遮断されたプロセスチャンバ内で行われ、アッシング工程の際発生する反応ガス及び未反応ガス、そして反応副産物などは、プロセスチャンバに連結された排気ラインを通して外部に排出される。排気ラインは、反応副産物などを排出するだけでなく、プロセスチャンバ内の工程圧力を調節する機能も有する。
【0006】
しかしながら、従来の排気ラインには、幾つかの問題がある。排気ラインの内部を流れる反応副産物などは、排気ラインの内壁に累積して排気の流れを妨害したり、排気ラインを開閉するバルブに累積したりしてバルブの誤動作を起こす。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、排気ライン内に存在する反応副産物を除去できる排気装置及び排気方法を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は、排気ライン内の反応副産物を容易に除去できる排気装置及び排気方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成すべく、本発明による排気装置は、プロセスチャンバに連結され、前記プロセスチャンバ内の反応副産物を排出する排気ラインと、前記排気ラインの側壁に形成された排出口上に連結され、前記排気ライン内の反応副産物を捕集する容器形状の捕集筒と、前記捕集筒に連結され、前記捕集筒を前記排出口上に連結する締結部材と、を含む。
【0010】
前記締結部材は、前記捕集筒の外壁から前記捕集筒の半径方向に延長されるフランジであり得る。
前記装置は、前記排気ラインと前記締結部材との間に介在されたシーリング部材をさらに含むことができる。
【0011】
一方、前記排気ラインは、前記プロセスチャンバに連結され、地面と略垂直に配置された第1排気ラインと、前記第1排気ラインと平行に配置される第2排気ラインと、前記第1排気ラインと前記第2排気ラインとを連結する連結ラインと、を含み、前記排出口は、前記連結ライン上に形成され得る。
【0012】
前記連結ラインは、前記連結ラインの内部に前記排出口に向かって下方に傾くように設けられ、前記反応副産物を前記排出口に案内するガイド面を含むことができる。
選択的に、前記連結ラインは、前記連結ラインの内部に設けられ、下向に傾くガイド面を含み、前記ガイド面の下端は、前記排出口の鉛直上部に配置され得る。
選択的に、前記排気ラインは、前記排気ラインの内部に前記排出口に向かって下方に傾くように設けられ、前記反応副産物を前記排出口に案内するガイド面を含むことができる。
【0013】
また、前記装置は、前記排気ラインを囲むヒーティングジャケット(heating jacket)をさらに含むことができる。また、前記装置は、前記第2排気ライン上に連結され、前記第2排気ライン内の圧力を調節する圧力調節機をさらに含むことができる。また、前記装置は、前記第2排気ライン上に連結され、前記第2排気ラインを開閉するバルブをさらに含むことができる。
【0014】
本発明によれば、基板処理装置は、基板に対する工程を行う空間を有し、下部には排気口が形成されるハウジングと、前記ハウジングの内部に設けられ、前記基板が載置されるチャックと、前記ハウジングの上部に連結され、工程時にプラズマを発生させて前記チャックに載置された前記基板の上部に提供するプラズマ生成部材と、前記排気口に連結され、前記ハウジング内の反応副産物を排出する排気装置と、を含み、前記排気装置は、前記ハウジングに連結され、前記ハウジング内の反応副産物を排出する排気ラインと、前記排気ラインの側壁に形成された排出口上に連結され、前記排気ライン内の反応副産物を捕集する容器形状の捕集筒と、前記捕集筒に連結され、前記捕集筒を前記排出口上に連結する締結部材と、を含むことができる。
【0015】
本発明によれば、プロセスチャンバに連結された排気ラインを通して前記プロセスチャンバ内のガスを排気する方法は、前記排気ラインの側壁に前記側壁を貫通する排出口を形成し、前記排出口に捕集筒を連結した後、前記排気ラインを通して前記プロセスチャンバ内のガスを排気すると同時に、前記捕集筒を通して前記ガスに含まれた反応副産物を捕集する。
【0016】
前記排気ラインは、前記排気ラインの内部に設けられたガイド面を含み、前記排気ラインの内壁に沿って流れる前記反応副産物を前記ガイド面を利用して前記排出口に案内することができる。前記ガスの排気の際、前記排気ラインは加熱され得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、排気ライン内の反応副産物が排気ラインまたはバルブ上に累積することを防止できる。また、排気ライン内の反応副産物を捕集でき、捕集された反応副産物を容易に廃棄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図1〜図11に基づき詳細に説明する。本発明の実施の形態は様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が下記で説明する実施の形態に限定されると解釈されてはならない。本実施の形態は、当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明をより詳細に説明するために設けられるものである。従って、図面に示す各要素の形状は、より明確な説明を強調するために誇張され得る。
一方、以下ではアッシング装置を例にあげて説明するが、本発明は洗浄装置及び蒸着装置を含める半導体製造装置に応用できる。
【0019】
図1は、本発明による基板処理装置1の構成を概略的に示す断面図である。
図1に示すように、基板処理装置1は、工程処理部(processing part)10、プラズマ生成部(plasma generating part)20及び排気部(exhausting part)30を含む。工程処理部10は、アッシング工程(ashing process)などのような基板処理工程を行う。プラズマ生成部20は、アッシング工程時に使用されるプラズマを生成して、工程処理部10に供給する。そして、排気部30は、工程処理部10内部のガス及び反応副産物などを外部に排出する。
【0020】
工程処理部10は、ハウジング(housing)12、チャック(chuck)、シャワーヘッド(shower head)16及び電源(power supply)18を含む。ハウジング12は、アッシング工程を行うプロセスチャンバ(processing chamber)を形成する。ハウジング12は、二つの基板Wを同時に処理できるプロセスチャンバを形成する。すなわち、ハウジング12の内部空間は、第1空間a及び第2空間bを有する。第1空間a及び第2空間bは、それぞれ工程時にローディングされた基板Wに対するアッシング工程が行われる空間である。ハウジング12の側壁には、工程時に基板Wが出入する基板出入口12aが形成される。基板出入口12aは、スリットドア(slit door、図示せず)のような開閉部材により開閉される。そして、ハウジング12の下部壁には、ハウジング12内のガスを排出する排気口12bが形成される。排気口12bはチャックの周りに形成され、後述する排気部30と連結される。
【0021】
支持部材(supporter)14は、工程時に基板Wを支持する。支持部材14は、第1空間aに設置される第1支持部材14a及び第2空間bに設置される第2支持部材14bを含む。第1及び第2支持部材14a、14bとしては、静電チャック(electrode chuck)が使用できる。また、支持部材14は、工程時に基板Wを安着させて既設定の工程温度で加熱する。そのために、支持部材14は、基板Wのローディング及びアンローディングのためのリフトピン(lift pin)及び少なくとも一つのヒーター(heater)を含む。シャワーヘッド16は、工程時にハウジング12内部にプラズマ(plasma)を噴射する。シャワーヘッド16はハウジング12の上部壁に設置される。シャワーヘッド16は、第1ヘッド16a及び第2ヘッド16bを含む。第1ヘッド16aは、第1支持部材14aの上部面へ向かってプラズマを噴射し、第2ヘッド16bは、第2支持部材14bの上部面へ向かってプラズマを噴射する。電源18は支持部材14に電力を印加する。すなわち、電源18は、第1支持部材14a及び第2支持部材14bそれぞれに既設定のバイアス電力を印加する。
【0022】
プラズマ生成部20は、工程時にプラズマを発生してシャワーヘッド16に供給する。プラズマ生成部20としては、遠隔プラズマ発生装置(remote plasma generating apparatus)が使用される。すなわち、プラズマ生成部20は、マグネトロン(magnetron)22、導波管(wave guide line)24、及びガス供給管(gas supply line)26を含む。マグネトロン22は、工程時にプラズマ生成のためのマイクロ波(microwave)を発生する。導波管24は、マグネトロン22で生成されたマイクロ波をガス供給管26へ誘導する。ガス供給管26は、工程時に反応ガスを供給する。この時、ガス供給管26を通して供給された反応ガスから、マグネトロン22で生成されたマイクロ波によってプラズマが発生する。プラズマ生成部20で生成されたプラズマは、アッシング工程の際、工程処理部10のシャワーヘッド16に供給される。
【0023】
排気部30は、工程処理部10の圧力調節及び内部空気の排気を行う。排気部30は、主排気ライン100及び補助排気ライン100aを含む。図1に示すように、主排気ライン100は、第1支持部材14aと第2支持部材14bとの間の領域から第1及び第2空間a、b内のガスを全て排気するように、ハウジング12の下部に連結される。補助排気ライン100aは、第1支持部材14aと第2支持部材14bとの間を除いた領域から第1及び第2空間a、b内のガスをそれぞれ独立的に排気するように、ハウジング12の下部に連結される。補助排気ライン100aは主排気ライン100に連結され、補助排気ライン100aを通して排気されたガスは、主排気ライン100で収斂される。主排気ライン100上には、別途のポンプ(pump、図示せず)が設置されることができる。ポンプは、第1及び第2空間a、b内のガスを強制的に吸入して、ハウジング12内部の圧力を低下させる。
【0024】
以下、図1を参照して基板処理装置1を用いる工程を詳細に説明する。
基板処理装置1の工程が開始されると、基板Wは基板出入口12aを通して第1支持部材14a及び第2支持部材14bにそれぞれローディング(loading)される。基板Wがローディングされると、基板Wは支持部材14により既設定の工程温度で加熱される。そして、電源18は、第1及び第2支持部材14a、14bそれぞれにバイアス電力を印加する。また、ポンプ(図示せず)を用いてハウジング12内部の空気を強制排出することで、ハウジング12の内部を既設定の圧力に減圧する。この時、ハウジング12内の工程圧力は最大159.9864Pa(1200mTorr)であり、支持部材14に印加されるバイアス電力は最大500Wであり得る。もし、工程圧力が159.9864Pa(1200mTorr)を超過したり、バイアス電力が500Wを超過したりしたら、工程時にハウジング12内部に放電現象が発生し得る。
【0025】
ハウジング12内部の工程圧力及び温度などの工程条件が既設定の条件を満足すると、プラズマ生成部20はプラズマを生成して工程処理部10に供給し、排気部30は工程処理部10の内部圧力を一定に維持する。すなわち、プラズマ生成部20のマグネトロン22はマイクロ波を発生させ、導波管24はガス供給管26を通してシャワーヘッド16に供給される反応ガスにマイクロ波を印加してプラズマを発生させる。そして、プラズマがシャワーヘッド16を通過する時、プラズマ内の電子またはイオンなどのような荷電粒子は、接地(ground)された金属材質のシャワーヘッド16により閉じ込められ、酸素ラジカルなどのような電荷を有しない中性粒子だけがシャワーヘッド16を介して基板Wに供給される。このような酸素プラズマは、基板W表面に残留するレジストを除去する。そして、排気部30は、ハウジング12内部に供給されたプラズマ及び反応ガスを一定流量で排気して、ハウジング12の内部圧力を維持する。基板W表面からレジストが除去されると、基板Wは、支持部材14からアンローディング(unloading)された後、基板出入口12aを通してハウジング12内部から搬出される。
【0026】
上述した基板W表面のレジスト除去工程(アッシング工程)が行われる過程で、第1空間a及び第2空間bの排気が行われる。第1空間a及び第2空間b内には、反応ガス及び未反応ガス、そして反応副産物などが存在する。先ず、第1支持部材14aと第2支持部材14bとの間の領域のガスは、主排気ライン100を通して排出され、第1支持部材14aと第2支持部材14bとの間を除いた領域のガスは、補助排気ライン100aを通して排出される。補助排気ライン100aを通して排出されたガスは、主排気ライン100に収斂され、主排気ライン100を通して排出される。
【0027】
図2は、本発明の一実施の形態による排気部30を概略的に示す斜視図であり、図3は、図2の主排気ライン100及び排出ポート200を示す断面図である。
上述したように、ハウジング12内部のガスは主排気ライン100を通して外部に排出される。この時、主排気ライン100を通して排出されるガスは、反応ガス及び未反応ガスを含み、工程時にハウジング12内部または主排気ライン100内で発生した反応副産物を含む。この他にも、フォトレジスト(photoresist)を含むポリマーがガスと共に主排気ライン100を通して排出される。
【0028】
この時、固体状態(solid state)または液体状態(liquid state)の反応副産物は、主排気ライン100の内壁に累積し得る。累積したフォトレジストは、主排気ライン100内部の流れを妨害し、排気ライン上に設置されたバルブまたはポンプに累積して、バルブまたはポンプの誤動作を起こすおそれがある。このような現象は、フォトレジストだけに限らず、主排気ライン100の内部を流れる液体状態の物質及び固体状態の物質の全てに該当する。また、気体状態(gas state)の物質も同じく、主排気ライン100内部で液体状態または固体状態に転換されかねないので、気体状態の物質からもこのような現象が発生し得る。従って、このような現象を防止するために、主排気ライン100の内部を流れる液体状態または固体状態の物質を、別途に捕集する必要がある。
【0029】
図2に示すように、排気部30は、主排気ライン100上に設置された排気ポート200をさらに含む。排気ポート200は、主排気ライン100内の反応副産物を捕集する。上述したように、反応副産物は液体状態または固体状態であり、ハウジング12の内部で生成した物質や主排気ライン100の内部で生成した物質を含む。一方、本実施の形態では、排気ポート200が主排気ライン100上に設置されると説明しているが、排気ポート200は、補助排気ライン100a上に設置されることができ、主排気ライン100及び補助排気ライン100aの両方に設置されることもできる。
【0030】
図3に示すように、主排気ライン100は、ハウジング12の下端に連結される第1排気ライン120、第1排気ライン120の下端に連結される第2排気ライン140、及び第1排気ライン120と第2排気ライン140とを連結する連結ライン160を含む。第1排気ライン120及び第2排気ライン140は、地面と略垂直に配置される。なお、図3中には、第1排気ライン120,第2排気ライン140,連結ライン160それぞれの範囲を明確に示すために、破線を付記している。
【0031】
第1排気ライン120と第2排気ライン140とは連結ライン160を介して連結され、連結ライン160は地面と略平行に配置される。排出ポート200は、地面と対向する連結ライン160の下部面に連結される。連結ライン160の下部面には排出口162が形成される。連結ライン160の内部を流れる反応副産物は、排出口162を通して排出ポート200に流入することができる。排出ポート200は排出口162上に連結される。排出ポート200と連結ライン160との間には、シーリング部材(sealing member)164が設けられ、シーリング部材164は、反応副産物が排出ポート200と連結ライン160との間から漏洩することを防止する。シーリング部材164はOリング(Oring)を含む。
【0032】
一方、排気部30は、主排気ライン100の外壁に設置されたヒーティングジャケット(heating jacket)300をさらに含む。ヒーティングジャケット300は、主排気ライン100の外壁を介して主排気ライン100の内壁を加熱する。従って、反応副産物が主排気ライン100の内壁に累積して凝固することを防止できる。
【0033】
図4は、図3の排出ポート200を示す斜視図である。排出ポート200は捕集筒220と締結部材240を含む。捕集筒220は、排出口162を通して流入した反応副産物を格納する。捕集筒220は、上部が開放された円筒(cylinder)形状からなり、その上部には入口222が設けられる。入口222は排出口162と対応し、排出口162を通して流入した反応副産物は、入口222を通して捕集筒220に格納される。
【0034】
締結部材240は、捕集筒220を連結ライン160の排出口162上に連結する。図4に示すように、締結部材240は、捕集筒220の上端から捕集筒220の半径方向に延長された四角フランジ(flange)を含む。締結部材240の四つの角には締結孔242が形成される。図3に示すように、締結孔242には締結具166が挿入され、締結具166は、連結ライン160に固定され、締結部材240を連結ライン160の排出口162上に連結する。
また、締結部材240には、シーリング部材164が設置されるシーリング溝244が形成される。シーリング溝244は入口222の周りに配置される。
【0035】
図5は、図3の排出ポート200内に反応副産物が捕集される様子を示す図である。以下、図5を参照して、排出ポート200を用いる反応副産物の捕集方法を詳細に説明する。
上述したように、ハウジング12内のガス及び反応副産物は、主排気ライン100を通して外部に排出される。第1排気ライン120はハウジング12の下端に連結され、ハウジング12内のガス及び反応副産物は第1排気ライン120に流入する。ガス及び反応副産物は第1排気ライン120に沿って流れる。
【0036】
以後、第1排気ライン120内のガス及び反応副産物は、第1排気ライン120と略垂直に連結された連結ライン160に流入する。この時、固体状態の反応副産物は質量を有するので、排出口162に向かって落下し、排出口162及び入口222を通して捕集筒220に格納される。また、液体状態の反応副産物は、第1排気ライン120及び連結ライン160の内壁に沿って流れ、排出口162及び入口222を通して捕集筒220に流入する。しかし、気体状態の反応副産物は非常に小さい質量を有するので、殆どの気体状態の反応副産物は捕集筒220に捕集されない。
【0037】
一方、ガス及び反応副産物の流速が大きい場合、液体状態または固体状態の反応副産物は排出口162を通して排出されず、ガスの流れに沿って第2排気ライン140に流入し得る。特に、固体状態の反応副産物は、ガスにより浮遊状態で移動するので、排出口162を通して捕集筒220に捕集されないおそれがある。従って、ガス及び反応副産物の流速を減少させる必要がある。
【0038】
流速を減少させるための方法として、流路の断面積を増加させることができる。流路に沿って一定の流速で流れる流体の場合、流路の断面積が増加すると流体の流速が減少する原理を利用することができる。従って、連結ライン160のうち排出口162の前端に該当する部分の断面積を増加させると、第1排気ライン120を通して流入したガス及び反応副産物の流速を減少させることができ、反応副産物(特に、固体状態の反応副産物)を容易に捕集筒220内に捕集することができる。
【0039】
捕集筒220内に反応副産物が十分に満たされると、使用者は捕集筒220を連結ライン160から分離した後、捕集筒220内の反応副産物を別途に処理することができる。この時、捕集筒220内に入っている反応副産物の量を把握するために、捕集筒220は透明材質からなることができ、選択的に捕集筒220は透明窓(図示せず)を具備することができる。
【0040】
図6は、図3の第1排気ライン120及び第2排気ライン140を概略的に示す図である。排気部30は、スロットルバルブ(throttle valve)420及び圧力制御機(APC:Auto Pressure Controller)440、そして隔離バルブ(isolation valve)
460をさらに含むことができる。
【0041】
スロットルバルブ420は第2排気ライン140上に設置され、第2排気ライン140の開閉程度を調節する。圧力制御機440はスロットルバルブ420に連結され、スロットルバルブ420を用いてハウジング12内部の圧力を制御する。
隔離バルブ460は第2排気ライン140に設置され、第2排気ライン140を開閉する。隔離バルブ460はゲートバルブ(gate valve)で代替できる。
【0042】
その他にも、排気部30は、第2排気ライン140に設置されたスクラバー(図示せず)をさらに含むことができる。スクラバーは、第2排気ラインを通して排出されるガスを中和させる。また、排気部30は第1排気ライン120または第2排気ライン140に設置された圧力ゲージ(pressure gauge)をさらに含むことができる。圧力ゲージは、第1排気ライン120または第2排気ライン140の圧力を測定することができる。
【0043】
上述によれば、主排気ライン100内を流れる反応副産物(特に、固体状態または液体状態の反応副産物)を捕集することができるので、反応副産物が主排気ライン100の内壁に累積することを防止することができる。また、第2排気ライン140上に設置されたスロットルバルブ420または隔離バルブ460に累積することを防止できるので、スロットルバルブ420または隔離バルブ460の誤作動を防止できる。
また、ガス及び反応副産物が主排気ライン100を通して外部に排出される時、主排気ライン100はヒーティングジャケット300により加熱されるので、反応副産物が主排気ライン100の内壁に累積して凝固することを防止できる。
【0044】
図7は、本発明の他の実施の形態による排気部30を概略的に示す斜視図であり、図8は、図7の主排気ライン100及び排出ポート200を示す断面図である。以下では、図3に示す排気部30と異なる構成要素のみに対して詳細に説明する。以下で省略される説明は、図3に示す排気部30に対する説明を参考とすることができる。
【0045】
図7に示すように、排気部30は主排気ライン100上に設置された排気ポート200をさらに含む。本実施の形態では、排気ポート200が主排気ライン100上に設置されると説明しているが、排気ポート200は補助排気ライン100a上に設置されることができ、主排気ライン100及び補助排気ライン100aの両方に設置されることもできる。
【0046】
図8に示すように、主排気ライン100は、ハウジング12の下端に連結される第1排気ライン120、第1排気ライン120の下端に連結される第2排気ライン140、及び第1排気ライン120と第2排気ライン140とを連結する連結ライン160を含む。第1排気ライン120は地面と略垂直に配置され、第2排気ライン140は第1排気ライン120と一定の角度θを成す。第1排気ライン120と第2排気ライン140とは、連結ライン160を介して連結される。なお、図8中には、第1排気ライン120,第2排気ライン140,連結ライン160それぞれの範囲を明確に示すために、破線を付記している。また、図8中には、第1排気ライン120,第2排気ライン140それぞれの中心線を一点鎖線で示し、これらの交わる角度θを併記した。
【0047】
図3に示す第2排気ライン140と異なって、図8に示す第2排気ライン140は第1排気ライン120と一定の角度θを成す。ここで、該角度θは、鈍角(90゜より大きい角)である。これは、流路の急激な変化の時、摩擦などによって発生する圧力降下(pressure drop)を防止して、ガス及び反応副産物を円滑に排出するためである。
【0048】
図3に示す主排気ライン100の場合、ガス及び反応副産物は、第1排気ライン120から連結ライン160に流入する時、方向を90゜だけ転換し、また連結ライン160から第2排気ライン140に流入する時、方向を90゜だけ転換する必要がある。しかし、図8に示す主排気ライン100の場合、ガス及び反応副産物は、第1排気ライン120から連結ライン160に流入する時、鋭角(正確には180−θ)だけ方向を転換する。よって、第2排気ライン140が第1排気ライン120と一定の角度θを成すことで、流路が急激に変わることを防止でき、流路の急激な変化の時、摩擦などによって発生する圧力降下を防止することができる。従って、図8に示す主排気ライン100は、図3に示す主排気ライン100に比べて、ガス及び反応副産物を円滑に排出することができる。
【0049】
排出ポート200は、地面と対向する連結ライン160の下部面に連結される。連結ライン160の下部面には、排出口162が形成される。連結ライン160の内部を流れる反応副産物は、排出口162を通して排出ポート200に流入することができる。排出ポート200は排出口162上に連結される。
【0050】
連結ライン160は、排出口162と対向するように配置されたガイド面168を含む。ガイド面168は、排出口162に向かって下方に傾くように配置される。ガイド面168は、連結ライン160の内壁を加工して設けられることもでき、連結ライン160の内壁に別途の構造物を付着して設けられることもできる。
【0051】
図9は、図8の排出ポート200内に反応副産物が捕集される様子を示す図である。以下では、図9を参照して排出ポート200を用いる反応副産物の捕集方法を詳細に説明し、以下で省略される説明は、図5に対する詳細な説明を参考とすることができる。
上述したように、第1排気ライン120内のガス及び反応副産物は、第1排気ライン120に連結された連結ライン160に流入する。ここで、液体状態の反応副産物は、第1排気ライン120及び連結ライン160の内壁に沿って流れる。ここで、連結ライン160の内壁にはガイド面168が設けられるので、反応副産物はガイド面168に沿って流れ、ガイド面168の下端ではガイド面168と略平行な方向にガイド面168を離脱する。前述したように、ガイド面168は、排出口162に向かって下方に傾くので、ガイド面168を離脱した反応副産物は、排出口162に流入し、入口222を通して捕集筒220に流入する。
【0052】
本実施の形態では、反応副産物がガイド面168の下端でガイド面168と略平行な方向にガイド面168を離脱すると説明している。しかし、このような現象は、反応副産物の体積流量(volume flow rate)が大きく、反応副産物の粘性(viscosity)が十分に低くて、反応副産物の流速(fluid velocity)が十分に大きい場合に可能であろう。反応副産物の体積流量が小さかったり、反応副産物の粘性が大きかったり、反応副産物の流速が低い場合、反応副産物はガイド面168の下端で地面に向かって落下するであろう。反応副産物の落下する方向は、重力が作用する方向と一致するであろう。従って、前述したガイド面168の位置または排出口162の位置は変更される必要がある。
【0053】
図10は、本発明のさらに他の実施の形態による主排気ライン100及び排出ポート200を示す断面図である。以下では、図8に示す排気部30と異なる構成要素のみに対して詳細に説明する。以下で省略される説明は、図8に示す排気部30に対する説明を参考とすることができる。
【0054】
連結ライン160は、排出口162と対向するように配置されたガイド面168を含む。ガイド面168は、排出口162に向かって下方に傾くように配置され、ガイド面168の下端は、排出口162の鉛直上部に配置される。同様に、ガイド面168は、連結ライン160の内壁を加工して設けられることもでき、連結ライン160の内壁に別途の構造物を付着して設けられることもできる。
【0055】
図11は、図10の排出ポート200内に反応副産物が捕集される様子を示す図である。以下では、図11を参照して、排出ポート200を用いる反応副産物の捕集方法を詳細に説明し、以下で省略される説明は図9に対する詳細な説明を参考とすることができる。
上述したように、第1排気ライン120内のガス及び反応副産物は、第1排気ライン120に連結された連結ライン160に流入する。ここで、液体状態の反応副産物は、第1排気ライン120及び連結ライン160の内壁に沿って流れる。ここで、連結ライン160の内壁にはガイド面168が設けられるので、反応副産物はガイド面168に沿って流れ、ガイド面168の下端で落下する。ガイド面168の下端は排出口162の上部に配置されるので、落下した反応副産物は排出口162に流入し、入口222を通して捕集筒220に流入する。
【0056】
図9及び図11では、反応副産物の特性(property)によってガイド面168の位置または排出口162の位置を変更すると説明している。しかし、ガイド面168の位置または排出口162の位置によって、反応副産物の特性、特に反応副産物の流速を調節することができる。原理は、前述した流速を減少させる原理と同一である。すなわち、ガイド面168の前端に該当する部分の断面積を増加または減少させることができ、断面積の増減によって流速は調節されることができる。従って、流速を増加させれば、反応副産物がガイド面168の下端でガイド面168と略平行な方向にガイド面168を離脱し、流速を減少させると反応副産物はガイド面168の下端で落下する。
【0057】
上述した本発明の好ましい実施の形態は、例示の目的のために開示されたものであり、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な置換、変形、及び変更が可能であり、このような置換、変更などは、特許請求の範囲に属するものである。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明による基板処理装置の構成を概略的に示す断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態による排気部を概略的に示す斜視図である。
【図3】図2の主排気ライン及び排出ポートを示す断面図である。
【図4】図3の排出ポートを示す斜視図である。
【図5】図3の排出ポート内に反応副産物が捕集される様子を示す図である。
【図6】図3の第1排気ライン及び第2排気ラインを概略的に示す図である。
【図7】本発明の他の実施の形態による排気部を概略的に示す斜視図である。
【図8】図7の主排気ライン及び排出ポートを示す断面図である。
【図9】図8の排出ポート内に反応副産物が捕集される様子を示す図である。
【図10】本発明のまた他の実施の形態による主排気ライン及び排出ポートを示す断面図である。
【図11】図10の排出ポート内に反応副産物が捕集される様子を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
10 工程処理部
20 プラズマ生成部
30 排気部
100 主排気ライン
120 第1排気ライン
140 第2排気ライン
160 連結ライン
162 排出口
166 締結具
200 排出ポート
220 捕集筒
222 入口
240 締結部材
300 ヒーティングジャケット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスチャンバに連結され、前記プロセスチャンバ内の反応副産物を排出する排気ラインと、
前記排気ラインの側壁に形成された排出口上に連結され、前記排気ライン内の反応副産物を捕集する容器形状の捕集筒と、
前記捕集筒に連結され、前記捕集筒を前記排出口上に連結する締結部材と、
を含むことを特徴とする排気装置。
【請求項2】
前記締結部材は、前記捕集筒の外壁から前記捕集筒の半径方向に延長されるフランジであることを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
【請求項3】
前記排気ラインと前記締結部材との間に介在されたシーリング部材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
【請求項4】
前記排気ラインは、
前記プロセスチャンバに連結され、地面と略垂直に配置された第1排気ラインと、
前記第1排気ラインと平行に配置される第2排気ラインと、
前記第1排気ラインと前記第2排気ラインとを連結する連結ラインと、
を含み、
前記排出口は、前記連結ライン上に形成されることを特徴とする請求項1乃至3に記載の排気装置。
【請求項5】
前記連結ラインは、前記連結ラインの内部に前記排出口に向かって下方に傾くように設けられ、前記反応副産物を前記排出口に案内するガイド面を含むことを特徴とする請求項4に記載の排気装置。
【請求項6】
前記連結ラインは、前記連結ラインの内部に設けられ、下向に傾くガイド面を含み、前記ガイド面の下端は、前記排出口の鉛直上部に配置されることを特徴とする請求項4に記載の排気装置。
【請求項7】
前記排気ラインは、前記排気ラインの内部に前記排出口に向かって下方に傾くように設けられ、前記反応副産物を前記排出口に案内するガイド面を含むことを特徴とする請求項1に記載の排気装置。
【請求項8】
前記排気ラインを囲むヒーティングジャケット(heating jacket)をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の排気装置。
【請求項9】
前記第2排気ライン上に連結され、前記第2排気ライン内の圧力を調節する圧力調節機をさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の排気装置。
【請求項10】
前記第2排気ライン上に連結され、前記第2排気ラインを開閉するバルブをさらに含むことを特徴とする請求項4に記載の排気装置。
【請求項11】
基板に対する工程を行う空間を有し、下部には排気口が形成されるハウジングと、
前記ハウジングの内部に設けられ、前記基板が載置されるチャックと、
前記ハウジングの上部に連結され、工程時にプラズマを発生させて前記チャックに載置された前記基板の上部に提供するプラズマ生成部材と、
前記排気口に連結され、前記ハウジング内の反応副産物を排出する排気装置と、
を含み、
前記排気装置は、
前記ハウジングに連結され、前記ハウジング内の反応副産物を排出する排気ラインと、
前記排気ラインの側壁に形成された排出口上に連結され、前記排気ライン内の反応副産物を捕集する容器形状の捕集筒と、
前記捕集筒に連結され、前記捕集筒を前記排出口上に連結する締結部材と、を含むことを特徴とする基板処理装置。
【請求項12】
前記排気ラインは、
前記プロセスチャンバに連結され、地面と略垂直に配置される第1排気ラインと、
前記第1排気ラインと平行に配置される第2排気ラインと、
前記第1排気ラインと前記第2排気ラインとを連結する連結ラインと、
を含み、
前記排出口は、前記連結ライン上に形成されることを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記連結ラインは、前記連結ラインの内部に前記排出口に向かって下方に傾くように設けられ、前記反応副産物を前記排出口に案内するガイド面を含むことを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記連結ラインは、前記連結ラインの内部に設けられ、下向に傾くガイド面を含み、前記ガイド面の下端は、前記排出口の鉛直上部に配置されることを特徴とする請求項12に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記排気ラインは、前記排気ラインの内部に前記排出口に向かって下方に傾くように設けられ、前記反応副産物を前記排出口に案内するガイド面を含むことを特徴とする請求項11に記載の基板処理装置。
【請求項16】
プロセスチャンバに連結された排気ラインを通して前記プロセスチャンバ内のガスを排気する方法であって、
前記排気ラインの側壁に前記側壁を貫通する排出口を形成し、前記排出口に捕集筒を連結した後、
前記排気ラインを通して前記プロセスチャンバ内のガスを排気すると同時に、前記捕集筒を通して前記ガスに含まれた反応副産物を捕集することを特徴とする排気方法。
【請求項17】
前記排気ラインは、前記排気ラインの内部に設けられたガイド面を含み、
前記排気ラインの内壁に沿って流れる前記反応副産物を前記ガイド面を利用して前記排出口に案内することを特徴とする請求項16に記載の排気方法。
【請求項18】
前記ガスの排気の際、前記排気ラインは加熱されることを特徴とする請求項16または17に記載の排気方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−212927(P2008−212927A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54902(P2008−54902)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(508092082)ピーエスケー・インコーポレーテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】PSK INC.
【住所又は居所原語表記】2−12,Seogu−dong,Hwaseong−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】