説明

排気装置

【課題】 排気弁の排気口に排出された液体を気体から分離して気体とは別に排出する。
【解決手段】 気液入口14と排気口15が開口した排気弁ケーシング11,12の内部に排気室13を形成し、排気室13に配置した排気部材18により排気弁口16を開閉して気体を排気口15に排気する排気弁10と、気液入口36と排気口37と排液口38が開口した気液分離器ケーシング31,32,33の内部に気液分離室34と排液室35を形成し、気液分離室34に配置した気液分離部材41により気体と液体を分離して気体を排気口37に排気すると共に液体を排液室35に流下させ、排液室35に配置した排液部材41により排液弁口39を開閉して液体を排液口38に排液する気液分離器30とを具備し、排気弁10の排気口15と気液分離器30の気液入口36を接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷水や温水等の液体配管に取り付けて、液体配管内の空気等の気体を排気する排気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の排気弁は、気液入口と排気口が開口した排気弁ケーシングの内部に排気室を形成し、排気室に配置した排気部材により排気室と排気口の間の排気弁口を開閉して気体を排気口に排気するものである。
【0003】
上記従来の排気弁は、気液入口から排気室に液体が流入してくると、フロートからなる排気部材が浮力を受けて浮上して排気弁口を閉じる。気液入口から排気室に気体が流入してくると、排気部材が浮力を失って降下して排気弁口を開き、排気室の気体を排気口に排気する。排気により排気室に液体が流入してくると、排気部材が再び浮上して排気弁口を閉じる。このような動作を繰り返して気体を排気口に排気するものである。しかしながら、排気部材や排気弁口にゴミ等の異物が付着したり、排気部材と排気弁口の当接部が磨耗したり損傷したりすると、排気口に気体のみならず液体をも排出してしまう問題点があった。
【特許文献1】特開2000−234674
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする課題は、排気弁の排気口に気体と共に排出された液体を気体から分離して気体とは別に排出できる排気装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の排気装置は、気液入口と排気口が開口した排気弁ケーシングの内部に排気室を形成し、排気室に配置した排気部材により排気室と排気口の間の排気弁口を開閉して気体を排気口に排気する排気弁と、気液入口と排気口と排液口が開口した気液分離器ケーシングの内部に気液分離室と該気液分離室の下方に排液室を形成し、気液分離室に配置した気液分離部材により気体と液体を分離して気体を排気口に排気すると共に液体を排液室に流下させ、排液室に配置した排液部材により排液室と排液口の間の排液弁口を開閉して液体を排液口に排液する気液分離器とを具備し、排気弁の排気口と気液分離器の気液入口を接続したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、排気弁の排気口に排出された気体と液体が気液分離器で分離され、気体が気液分離器の排気口から排気され、液体が気液分離器の排液口から排液されるので、液体を気体から分離して気体とは別に排出できるという優れた効果を生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
排気弁の排気口に排出された気体と液体は気液分離器の気液入口から気液分離室に流入する。気液分離室に流入した気体と液体は気液分離部材により分離され、気体は排気口に排気され、液体は排液室に流下する。排液室に流下した液体は排液部材により開閉される排液弁口から排液口に排出される。
【実施例1】
【0008】
上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説明する(図1参照)。本発明の排気装置は排気弁10と、排気弁10に接続管20により接続された気液分離器30からなる。排気弁10のケーシングは排気本体11と、排気本体11に締結した排気蓋12からなり、内部に排気室13を形成する。排気本体11の下部には気液入口14が開口し、排気蓋12の上部には排気口15が開口する。排気室13と排気口15を連通する排気弁口16が開口した排気弁座17を排気蓋12にねじ結合する。排気弁座17は排気室13の上部側方に位置する。排気室13に中空球形のフロートからなる排気部材18を自由状態で配置する。排気部材18はその外表面で排気弁口16を直接開閉する。浮上して排気弁口16を閉じた排気部材18を保持する二条のフロート座19を排気蓋12に形成する。
【0009】
気液分離器30のケーシングは分離上本体31と、分離上本体31に締結した分離下本体32と、分離下本体32に締結した排液蓋33からなり、内部に気液分離室34と、気液分離室34の下方に排液室35を形成する。分離上本体31の上部には左右に気液入口36と排気口37が開口し、排液蓋33の下部には排液口38が開口する。排液室35と排液口38を連通する排液弁口39が開口した排液弁座40を排液蓋33にねじ結合する。排液弁座40は排液室35の下部側方に位置する。排液室13に中空球形のフロートからなる排液部材41を自由状態で配置する。排液部材41はその外表面で排液弁口39を直接開閉する。降下して排液弁口39を閉じた排液部材41を保持する二条のフロート座42を排液蓋33に形成する。排液部材41を逆カップ状の隔壁部材43で覆う。隔壁部材43は上部が半球状で周囲が円筒状で、下端に手前側と向こう側に突出した2つの足44を有し、足44を分離下本体32と排液蓋33の間に挟んで固定する。隔壁部材17は下端に内外を連通する通液開口45を有し、上部に内外を連通する2つの通気孔46を有する。
【0010】
分離下本体32の上面内端に、二重のほぼ円筒形状で内外円筒の間の環状空間47に旋回羽根48を一体に形成した気液分離部材49を載せ、分離上本体31との間で固定する。気液分離部材49の外側円筒は真直ぐな形状で内側円筒よりも低く形成する。外側円筒は省略して本体1で兼用することもできる。気液分離部材49の内側円筒は上端部と下端部が先端に向かって緩やかに拡がった形状である。気液入口36は下方の気液分離部材49の環状空間47に連結し、気液分離部材49の内側円筒の内側は上方の排気口37に連結する。排気弁10の排気口15と気液分離器30の気液入口36を接続管20により接続する。
【0011】
排気弁10の気液入口14から排気室13に液体が流入してくると、排気部材18が浮力を受けて浮上して排気弁口16を閉じる。気液入口14から排気室13に気体が流入してくると、排気部材18が浮力を失って降下して排気弁口16を開き、排気室13の気体を排気弁口16から排気口15に排気する。排気により排気室13に液体が流入してくると、排気部材18が再び浮上して排気弁口16を閉じる。排気弁10の排気口15に排出された気体と液体は気液分離器30の気液入口36から気液分離室34に流入する。気液分離室34に流入した気体と液体は環状空間47で旋回羽根48により旋回せしめられて液体が遠心力の作用で外側に振り出されて分離される。気体は気液分離部材49の内側円筒の内側から排気口37に排気される。液体は分離下本体32の内周壁に沿って排液室35に流下する。排液室35に流下した液体により排液部材41が浮力を受けて浮上して排液弁口39を開き、排液室35の液体を排液弁口39から排液口38に排液する。排液により排液室35に気体が流入してくると、排液部材41が降下して排液弁口39を閉じる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の排気装置の構成図。
【符号の説明】
【0013】
10 排気弁
11 排気本体
12 排気蓋
13 排気室
14 気液入口
15 排気口
16 排気弁口
18 排気部材
20 接続管
30 気液分離器
31 分離上本体
32 分離下本体
33 排液蓋
34 気液分離室
35 排液室
36 気液入口
37 排気口
38 排液口
39 排液弁口
41 排液部材
48 旋回羽根
49 気液分離部材


【特許請求の範囲】
【請求項1】
気液入口と排気口が開口した排気弁ケーシングの内部に排気室を形成し、排気室に配置した排気部材により排気室と排気口の間の排気弁口を開閉して気体を排気口に排気する排気弁と、気液入口と排気口と排液口が開口した気液分離器ケーシングの内部に気液分離室と該気液分離室の下方に排液室を形成し、気液分離室に配置した気液分離部材により気体と液体を分離して気体を排気口に排気すると共に液体を排液室に流下させ、排液室に配置した排液部材により排液室と排液口の間の排液弁口を開閉して液体を排液口に排液する気液分離器とを具備し、排気弁の排気口と気液分離器の気液入口を接続したことを特徴とする排気装置。


【図1】
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【公開番号】特開2006−226321(P2006−226321A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37768(P2005−37768)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000133733)株式会社テイエルブイ (913)
【Fターム(参考)】