説明

排泄物処理装置付貯溜タンク。

【課題】
寝たきりの要介護者又は交通事故や手術等で一時的に歩行困難な患者を対象に案出されたオシメ機構において、排便の処理方法が課題であり、そこで、下水道設備がないか配管が困難、或は短期間等で配管不要の要介護者には、下水道での処理方法は困難であり不便であった。
【解決手段】
下水設備の不備な場所又は短期間等で配管不要の排泄物処理方法として、設置取扱いが簡単な排泄物処理装置付貯溜タンクは極めて便利であり、更に配管の手間費用の負担等の問題点を解消できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、粉砕装置付糞尿貯溜タンクに関する。より詳細には、オシメ機構(特開2005−103131)と連動して用いることを目的とした粉砕装置付糞尿貯溜タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、介護用自動排泄処理オシメとして開発されたオシメ機構の糞尿処理は下水道に流す配管設備が必要であった。しかし短期間で要介護者等が配管設備を不要とする場合又は下水道処理設備が未整備の地域では困難なことから、これらに代わる排泄物の処理方法が求められていた。
【0003】
【特許文献1】特開2005−103131(発明の名称、オシメ機構)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
寝たきり状態の要介護者に対して、被介護者が厄介とする課題に看病の苦労や経済的負担に加え排泄物の処理があり、この中で排泄物処理は、臭気が伴い最も面倒で憂慮される介護とされている。そこで下水道整備で配管設備によって排泄物を処理するのが一般的であるが、短期間の利用や配管設備が困難な場所又は下水道が未整備の場合等には排泄物の自動処理が出来ないといった事情もあった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みて案出されたものであって、短期間の利用や配管設備が困難な場所又は下水道が未整備の場所等での排泄物を容易に処理することができる粉砕装置付糞尿貯溜タンクを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願請求項1に記載の、オシメ機構と連動させ介護ベッド下にセットし用いる糞尿貯溜タンクであって、タンク本体にユニット固定用被覆タンクを備え、ユニットドラムを付けその内部に、臭気露出防止開閉弁及び電動モーターと回転羽根を備付、更に泡水センサーと温水センサーを内臓し、タイム自動制御装置とを一体とした粉砕装置ユニットの作動で塊便を粉砕することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の粉砕装置付糞尿貯溜タンクは、特許文献1特開2005−103131のオシメ機構によれば、腹筋圧センサーの作動に応答して泡水が噴射されるように構成され、排便の兆候で泡水が流れることから、内臓の泡水センサーで感知されるとタイム自動制御装置が自動的に作動し、数分後に電動モーターが作動、回転羽根が所定の数秒間高速回転され、又、数分間中止(又は低速回転)してから再び電動モーターが数秒間高速回転する、排便中はその繰返しにより、排便の硬さと塊り(塊便)を粉砕させて貯溜タンクに貯溜させ、排便終りで温水洗浄の流下により温水センサーが作動し回転羽根が停止する仕組みとした。又、貯溜タンク内の糞尿水が満タンになった場合、手動で便槽又は水洗設備等の下水道に運び処理することで、複数の貯溜タンクに効率よく対応でき短時間に空タンクにできる。要介護者のベッド付近には予備の粉砕装置付糞尿貯溜タンクを常時おくことで、余裕持った安心の介護をすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る粉砕装置付糞尿貯溜タンクについて詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい実施の形態に係る粉砕装置付糞尿貯溜タンクを示した標準立体図である。本発明の好ましい実施の形態に係るタンク本体1は、ユニット固定用被覆タンク3を備え、粉砕装置ユニット4とバルブ付流出パイプ5と、浮玉入水量計6と、車輪8と、据付台9は合成樹脂(ポリエチレン又はポリプロピレンなど)又は鋼材等で形成されている。
【0009】
図2は、粉砕装置付糞尿貯溜タンクを示した標準側面図である。ユニット固定被覆タンク3は被覆タンクネジ差込部2にネジ込み固定させ又は取外しができ、空タンク等不使用時はキャップをつける。更にタンク本体1は各種カラーにし色別で病症名が判別できるよう配置する、更に水量計の浮玉は赤色等の色彩とし一目で水量が判るようにし、又、持運び用でC型をした取っ手7と車輪8によりタンク本体の設置や交換及び満タン時の運搬を容易にできるよう形成されている。
【0010】
図3は、粉砕装置付糞尿貯溜タンクのユニット拡大図を示したもので、被覆タンクネジ差込部2に取付けたユニット固定被覆タンク3には、ドラム固定差込部3-a、ドーナツ型合成ゴム挿入口3-b、流下パイプ挿入口3-cを設け、粉砕装置ユニット4を取付ける。粉砕装置ユニット4にはユニットドラム4-aに縦型漏糞尿溝4-cと横型漏糞尿溝4-bを空け、内部に臭気露出防止開閉弁4-eと、回転羽根4-g及び泡水センサー4-kと、温水センサー4-jを内臓させ、ユニットドラム4-aと連結の金属又は合成繊維の箱型周囲を合成ゴム等の防水被覆4-nで密閉し固定する。防水内部に電動モーター4-h、Vベルト又は歯車4-iと、センサー内蔵タイム自動制御装置4-Lを設け配線を施し、電源差込/ソケット4-mをユニット外部に出し、4-aから4-Lまでを一体とした粉砕装置ユニットを形成する。又、センサー内蔵タイム自動制御装置4-Lが粉砕装置ユニット内部に設けない場合は、ユニット外部に設置することもできる。
【0011】
上記センサー(即ち、泡水により作動する泡水センサー4-kと、温水によって作動する温水センサー4-j)としては、公知のセンサーが用いられる。また、これらのセンサーは、センサー内蔵タイム自動制御装置4-Lを経由し、電動モーター4-hが作動する。(例えば、泡水の流れで泡水センサーが感知し、作動開始し3分経過後15秒高速回転し、3分間中止[又は低速回転]と、15秒高速回転し、これらを繰返し、温水シャワーの流下で温水センサーが感知し電動モーターが停止する)、これらタイム自動制御装置の作動設定は自在にでき、公知のタイム制御装置が用いられる。回転羽根4-gは山型等にし、Vベルト又は歯車4−iにより公知の方法で回転させ、塊便を粉砕させタンク内糞尿水の廃棄処理を容易にする。
【0012】
ドーナツ型合成ゴム挿入口3-bの中央部には円形の流下パイプ挿入口3-cを設け、オシメ機構と連動させ用いるため、オシメ機構排水ホース保護管接続部12はホース等を用いて接続させ糞尿流下パイプ10には過挿入ストッパー凸部11を設け、流下パイプ挿入口3-c部分はやや狭くし、過挿入ストッパー凸部11まで挿入させ取付ける。泡水、糞尿、温水はタンク本体1に流下させるが、空気抜きは縦横型漏糞尿溝と糞尿流下パイプ10を経由し、オシメ機構内で消化される。
【0013】
図4は、粉砕装置付糞尿貯溜タンクのユニットドラムを示した標準拡大図である。ユニットドラム4-aに流入した泡水、糞尿、温水の内、排便の際に塊便が予想されることから、満タンのタンク本体1を下水施設等で廃棄処分しタンク内を清掃する場合を配慮し、塊便を粉砕しておく必要から、横型漏糞尿溝4-bと、縦型漏糞尿溝4-cとをユニットドラム4-aに儲け、漏糞尿溝を通るように塊便を粉砕する構造とした。
【0014】
ユニットドラム4-aに設けた、臭気露出防止開閉弁4-eと、ユニット固定用被覆タンク3の頂部には、ドーナツ型合成ゴム挿入口3-bによって、タンク本体1の外部及びオシメ機構の内部に臭気が漏出しない工夫を施されている。
【産業上の利用可能性】
【0015】
本発明は、寝たきりの要介護者又は交通事故や手術等で一時的に歩行困難となった患者に用いるもので、オシメ機構と連動させ、下水設備が不備か配管が困難、或は短期間で配管不要の場所に、その代替わりとして提供するもので利用の可能性は明白である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の粉砕装置付糞尿貯溜タンクを示した立体図である。
【図2】粉砕装置付糞尿貯溜タンクを示した側面図である。
【図3】粉砕装置付糞尿貯溜タンクのユニットを示した拡大図である。
【図4】粉砕装置付糞尿貯溜タンクのユニットドラムを示した拡大図である。
【符号の説明】
【0017】
1 タンク本体
2 被覆タンクネジ巻込部
3 ユニット固定用被覆タンク
3-a ドラム固定差込部
3-b ドーナツ型合成ゴム挿入口
3-c 流下パイプ挿入口
4 粉砕装置ユニット
4-a ユニットドラム
4-b 横型漏糞尿溝
4-c 縦型漏糞尿溝
4-d ユニットドラム固定部取付具
4-e 臭気露出防止開閉弁
4-f 開閉弁上下調整バネ
4-g 回転羽根
4-h 電動モーター
4-i Vベルト又は歯車
4-j 温水センサー
4-k 泡水センサー
4-L センサー内蔵タイム自動制御装置
4-m 電源差込/ソケット
5 バルブ付流出パイプ
6 浮玉入水量計
7 持運び用取っ手
8 車輪
9 据付台
10 糞尿流下パイプ
11 過挿入ストッパー凸部
12 オシメ機構排水ホース保護管接続部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
オシメ機構と連動させ介護ベッド下にセットし用いる糞尿貯溜タンクであって、タンク本体にユニット固定用被覆タンクを備え、ユニットドラムを付けその内部に、臭気露出防止開閉弁及び電動モーターと回転羽根を備付、更に泡水センサーと温水センサーを内臓し、タイム自動制御装置とを一体とした粉砕装置ユニットの作動で塊便を粉砕することを特徴とする粉砕装置付糞尿貯溜タンク。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−264099(P2008−264099A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109014(P2007−109014)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(596059691)
【Fターム(参考)】