説明

排煙処理装置と方法

【課題】燃焼排ガスからの炭酸ガスを化学吸収処理により回収するに当たり、排ガスから回収した熱を供給することにより吸収設備の運転コストを低減する排煙処理方法と装置の提供。
【解決手段】ボイラ1から排出される排ガスにより燃焼用空気を予熱してボイラ1に供給し、燃焼用空気の予熱で冷却された排ガスから熱媒により熱を熱回収器4で回収し、熱回収器4から排出される排ガス中の煤塵を集塵装置5で捕集し、集塵後の排ガスを湿式排煙脱硫装置7で処理、湿式排煙脱硫された排ガス中のCO2をアミン吸収液により吸収分離するCO2化学吸収設備9で吸収除去し、さらに熱回収器4とCO2化学吸収設備9との間に設けた熱媒循環路12で熱回収器4で回収した熱をCO2化学吸収設備9でのアミン吸収液の熱源として用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ガス(CO2)の化学吸収設備を備えた排ガス処理装置と方法に係り、特に排ガスのガス温度を低減する熱をCO2化学吸収設備に利用する排ガス処理装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、石炭焚きボイラ等から排出される排ガス中には窒素酸化物、硫黄酸化物および煤塵その他重金属などが含まれているため、前記石炭焚きボイラ等の下流側に排煙処理装置を設置し、排ガス中の前記有害物質を除去した後、クリーンなガスとして大気に放出している。図5は従来の排煙処理システムの一例を示す。ボイラ1から排出される燃焼排ガスは脱硝装置2で窒素酸化物を除去した後、空気予熱器3で熱交換され、例えば120〜170℃に冷却される。
【0003】
該空気予熱器3を通過した排ガスは熱回収器4で熱媒により熱を奪われ、例えば75℃〜110℃に冷却され、集塵装置5で排ガス中の煤塵を除去し、さらに誘引ファン6で昇圧した後、湿式排煙脱硫装置7で硫黄酸化物を除去する。前記湿式排煙脱硫装置7を通過した排ガスの温度は、通常40〜60℃程度まで低下し、水分飽和状態となっており、この排ガスをそのまま煙突11から大気中へ放出すると白煙が発生するため、再加熱器18で昇温され、脱硫ファン10を介して煙突11から排出される。熱回収器4と再加熱器18の伝熱管は熱媒循環ライン12によって連通され、熱媒循環ポンプ13により熱回収器4と再加熱器18との間に熱媒が循環されるようになっている。
【0004】
図5に示す排煙処理システムは熱回収器4で排ガス温度を低減し、灰に三酸化硫黄(SO3)や重金属を吸着させて集塵装置5で灰と共にSO3や重金属を除去することが可能なシステムであり、熱回収器4で回収された熱は煙突11からの白煙防止のため湿式脱硫装置7の出口の水分飽和ガスの再熱に利用されている(特許文献1参照)。今後上記のような排煙処理システムにCO2回収設備が設置されると予想される。
【0005】
CO2回収設備の1つとしてアミン化合物の水溶液を吸収液としてCO2を回収するCO2化学吸収設備(例えば、特許文献2)が提案されている。図6にアミン吸収液による化学吸収設備の一例を示す。ブロワ8によって昇圧された排ガスは吸収塔25に導入され、吸収塔25内でノズル25nから放出されるアミン吸収液と主に吸収用充填層25bで接触しながら流下する間に排ガス中のCOがアミン吸収液に吸収除去される。また、吸収塔25内の吸収用充填層25bの上側には水洗用充填層25aがあり、該水洗用充填層25a内で水洗された排ガスは、脱CO2ガス27として吸収塔25の頂部から排出される。水洗用充填層25aにはポンプ40により洗浄水が循環供給され、また該循環中の水は排ガスに同伴されるアミン吸収液の飛散を極力防止するために熱交換器41で冷却される。また、吸収塔25の下部に貯まったCO2を吸収したアミン吸収液はポンプ28aにより再生塔26に供給される。再生塔26に供給される前のアミン吸収液は熱交換器43で熱交換して温められて、再生塔26の下部充填層26bの上方に供給され、再生塔26の下部充填層26bを流下して気液混合板26cから自然流下してリボイラ30に供給される。リボイラ30では再生塔26から自然流下した吸収液が加熱スチーム32により間接加熱され、発生した蒸気が再生塔26の底部液溜の上方に供給される。この蒸気により、再生塔26の下部充填層26bでCO2を吸収したアミン吸収液が加熱され、キャリーガスとなる蒸気によりCO2が脱気される。すなわち、再生塔26でCO2を脱気した後に自然流下してリボイラ30に供給される吸収液を、リボイラ30は間接加熱して発生する蒸気を再生塔26に供給する機能を有する。
【0006】
また、加熱スチーム32はSOxや酸素と反応して劣化した吸収液を再生させるために用いるリクレーマ31に供給される。再生塔26の底部に貯まったCO2を脱気した吸収液は、熱交換器43を経由してポンプ28bにより吸収塔25の下部充填層25bの上方に供給され、下部充填層25bで気液接触することにより排ガス中のCO2が吸収される。
【0007】
一方、再生塔26において、アミン吸収液から放出されたCO2は下部充填層26bと上部充填層26aを経由して再生塔26の頂部から外部に排出され、熱交換機46で冷却水により冷却され、分離器47で分離されたCO2は、高純度のCO2ガス29として回収される。またCO2を分離して蒸気に同伴されて飛散するアミン含有吸収液成分は上部充填層26aで捕集される。上部充填層26aでは、捕集された吸収液成分を洗浄するためガスを熱交換器46に供給される冷却水により冷却して、蒸気を凝縮したドレン水を分離器47で分離し、上部充填層26aにポンプ49で供給する。
【0008】
再生塔26には、リボイラ30でアミン吸収液を加熱スチーム32で間接加熱することにより発生する蒸気が供給される。また排ガス中の硫黄酸化物が吸収塔25でアミン吸収液に吸収されるとアミンと化合物(アミン−SOx塩)を形成するため、リクレイマー31で炭酸ナトリウムなどのアルカリ塩を添加し、加熱スチーム32で間接加熱することによりアミンを再生している。アミン吸収液によるCO2化学吸収法では加熱スチームなどの莫大な熱を必要とし、現状運転コストが非常に大きくなることが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】再公表特許 WO2004/023040公報
【特許文献2】特開2002−126439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記特許文献2等に開示されているアミン吸収液によるCO2化学吸収設備においては、アミン吸収液の再生に莫大な熱エネルギーが必要であり、運転コストが著しく大きくなる課題がある。
本発明の課題は、燃焼排ガスからの炭酸ガス(CO2)を化学吸収処理により回収するに当たり、膨大な熱エネルギーが必要なCO2化学吸収設備へ排ガスから回収した熱を供給することにより、CO2化学吸収設備の運転コストを低減する排煙処理方法と装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記課題は、ボイラから排出される排ガスから熱媒を循環させた熱回収器により熱を回収し、回収した熱をアミン吸収液によるCO2化学吸収設備の熱源として利用することで達成される。
【0012】
請求項1記載の発明は、ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスにより燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、該空気予熱器から排出される排ガスから熱媒により熱を回収する熱回収器と、該熱回収器から排出される排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置と、該集塵装置から排出される排ガスを湿式処理する湿式排煙脱硫装置と、該湿式排煙脱硫装置から排出される排ガスからアミン吸収液によりCO2を吸収分離するCO2化学吸収設備と、前記熱回収器とCO2化学吸収設備との間に熱媒循環路を設けた排煙処理装置である。
【0013】
請求項2記載の発明は、CO2化学吸収設備にはアミン吸収液を加熱するためのリボイラおよび劣化したアミン吸収液を再生するためのリクレイマーを設け、該リボイラおよびリクレイマーと前記熱回収器との間に熱媒循環路を設け、リボイラおよびリクレイマーに不足する熱量を補うために加熱スチーム導入路をリボイラおよびリクレイマーに接続した請求項1に記載の排煙処理装置である。
【0014】
請求項3記載の発明は、CO2化学吸収設備にはCO2吸収に利用されたアミン吸収液を加熱してCO2を分離して再生するアミン吸収液再生塔を設け、該アミン吸収液再生塔の外周は保温材で覆い、該保温材と前記熱回収器との間に熱媒循環路を設け、熱媒循環路を接続した請求項1記載の排煙処理装置である。
【0015】
請求項4記載の発明は、(a)リボイラおよびリクレイマーと(b)アミン吸収液再生塔の外周の保温材の両方と前記熱回収器との間にそれぞれ熱媒循環路を設け、該熱媒循環路には(a)リボイラおよびリクレイマーと(b)アミン吸収液再生塔のいずれかに熱媒を供給切替できる切替弁を設けた請求項1記載の排煙処理装置である。
【0016】
請求項5記載の発明は、ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスにより燃焼用空気を予熱して燃焼装置に供給し、燃焼用空気の予熱で冷却された排ガスから熱媒により熱を回収する熱回収器を設け、該熱回収器から排出される排ガス中の煤塵を捕集し、集塵後の排ガスを湿式による排煙脱硫処理を施し、さらに湿式排煙脱硫された排ガス中のCO2をアミン吸収液により吸収分離するCO2化学吸収設備を設け、前記熱回収器とCO2化学吸収設備との間に熱媒循環路を設けて熱回収器で回収した熱をCO2回収設備でのアミン吸収液の熱源として用いる排煙処理方法である。
【0017】
請求項6記載の発明は、熱回収器から回収された熱をCO2化学吸収設備に設けられるリボイラおよびリクレイマーでのアミン吸収液の加熱用熱源として利用し、さらにアミン吸収液の加熱に不足する熱量をスチームで補う請求項5記載の排煙処理方法である。
【0018】
請求項7記載の発明は、熱回収器から回収された熱をCO2化学吸収設備に設けられる再生塔の保温の熱源として利用する請求項5記載の排煙処理方法である。
【0019】
請求項8記載の発明は、熱回収器から回収された熱をCO2化学吸収設備に設けられるリボイラおよびリクレイマーの起動時の助熱として利用し、リボイラおよびリクレイマーの起動後は再生塔の保温の熱源として利用する請求項5記載の排煙処理方法である。
【0020】
(作用)
本発明では、集塵装置の上流に熱回収器を設けることにより排ガスの熱を回収し、その熱をアミン吸収液によるCO2化学吸収設備へ運び、リボイラおよびリクレイマーの熱源や再生塔の保温熱源などをアミン吸収液再生に必要な熱源として利用することにより、CO2回収設備に必要な加熱スチーム量を低減することが可能となり、熱効率の高いシステムとすることが可能となる。
【発明の効果】
【0021】
請求項1、5記載の発明によれば、排ガスからの回収熱をCO2回収設備に利用することが可能となるため、CO2回収に必要な莫大な熱エネルギーを削減することができ、高効的に運用コストを削減することが可能である。
【0022】
請求項2、6記載の発明によれば、請求項1、5記載の発明の効果に加えて、熱回収器で排ガスから回収した熱はCO2化学吸収設備のリボイラおよびリクレイマーの熱源として利用可能となり、リボイラとリクレイマーで必要な加熱スチームの量を低減することができる。
【0023】
請求項3、7記載の発明によれば、請求項1、5記載の発明の効果に加えて、熱回収器で排ガスから回収した熱はCO2化学吸収設備の再生塔の保温材の熱源として利用されることが可能であるため、再生塔からの放熱を低減し、熱効率の高いCO2回収システムを実現することが可能となる。
【0024】
請求項4、8記載の発明によれば、請求項1、5記載の発明の効果に加えて、熱媒の循環路に切り替えることで熱回収器で排ガスから回収した熱はリボイラおよびリクレイマーの起動時の助熱に利用され、リボイラおよびリクレイマーの起動後は、回収熱を再生塔の保温材の熱源として利用することができ、リボイラおよびリクレイマーの起動時の加熱スチームの供給による負荷を低減し、さらに再生塔からの放熱を低減することが可能であるため、熱効率が高く且つ安定した運転が可能なCO2回収システムを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例の排煙処理システムの構成図である。
【図2】図1の排煙処理システムにおけるCO2回収設備の構成図である。
【図3】図1の排煙処理システムにおけるCO2回収設備の他の実施例の構成図である。
【図4】図1の排煙処理システムにおけるCO2回収設備の他の実施例の構成図である。
【図5】従来の排ガス処理システムの構成図である。
【図6】従来のアミン吸収液によるCO2回収設備(化学吸収設備)の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の排煙処理システムの実施例について以下に説明する。
【実施例1】
【0027】
本発明の排煙処理システムの一実施例を図1に示す。ボイラ1からの排ガスは脱硝装置2に導入され、窒素酸化物を除去した後、空気予熱器3においてボイラ1で使用される燃焼用空気が排ガスにより加熱される。該空気予熱器3から排出された排ガスは熱回収器4に導入され、熱回収器4内を循環している熱媒により熱を回収されて冷却される。該熱回収器4から排出された排ガス中の煤塵は集塵装置5で捕集され、該集塵装置5から排出された排ガスは誘引ファン6で昇圧され、湿式脱硫装置7に導入される。該湿式脱硫装置7で排ガスは、噴霧される炭酸カルシウム含有スラリと接触することにより排ガス中の硫黄酸化物が排ガスから除去され、その後、排ガスはブロワ8で昇圧されて図2に示すCO2化学吸収設備9に送られた後、アミン吸収液により排ガス中のCO2が吸収除去され、CO2が除去された排ガスは脱硫ファン10により煙突11を経由して大気中に排出される。
【0028】
上記排煙処理システムにおいて、前記熱回収器4はCO2化学吸収設備9との間に熱媒を循環させる熱媒循環配管12を備えており、熱媒は熱媒循環ポンプ13で循環される構成となっており、熱回収器4で排ガスから回収した熱は熱媒循環ライン12を通り、CO2化学吸収設備9へ送られ、CO2化学吸収設備9全般の熱源として利用することにより、CO2化学吸収設備9で必要な加熱スチーム量を削減することが可能となり、運転コストを低減することが可能となる。また、CO2化学吸収設備9で熱を放出した熱媒は再び熱回収器4に戻される。
【0029】
図1に示す排煙処理システムにおけるCO2化学吸収設備9を図2に示す。図2に示すCO2化学吸収設備9は、図6に示すCO2化学吸収設備9に図1に示す熱回収器4から熱を回収した熱媒を循環させる熱媒循環配管12を設けた構成である。
すなわち、熱媒循環配管12は、CO2化学吸収設備9のリボイラ30およびリクレイマー31に熱回収器4からの熱媒を供給し、再び熱回収器4へ熱媒を循環させる構成となっている。
【0030】
熱回収器4とCO2化学吸収設備9のリボイラ30およびリクレイマー31との間に熱媒循環ライン12を設けているため、熱回収器4で排ガスから回収した熱は熱媒循環ライン12を通りCO2化学吸収設備9のリボイラ30およびリクレイマー31の熱源として利用可能となり、リボイラ30およびリクレイマー31で必要な熱量の一部を排ガスの回収熱で補うことができるため、リボイラ30とリクレイマー31で必要な加熱スチーム32の量を低減することができ、CO2化学吸収設備9の運転コストを削減することが可能となる。
【実施例2】
【0031】
図3は図2に示す排煙処理システムにおけるCO2化学吸収設備9の構成を変形した実施例を示す。本実施例のCO2化学吸収設備9では、熱回収器4から熱を回収した熱媒を循環させる熱媒循環配管12をCO2化学吸収設備9の再生塔26の外側を覆う保温材33に通し、再び熱回収器4へ熱媒を循環させる構成となっている。
【0032】
熱回収器4とCO2化学吸収設備9の再生塔26の保温材33との間に熱媒循環ライン12が備えられていることより、熱回収器4で排ガスから回収した熱は熱媒循環ライン12を通り、CO2化学吸収設備9の再生塔26の保温材33の熱源として利用されることが可能であるため、再生塔26からの放熱を低減し、熱効率の高いCO2回収システムを実現することが可能となる。
【実施例3】
【0033】
図4は図2に示す排煙処理システムにおけるCO2化学吸収設備9の構成を変形した実施例を示す。図1に示す熱回収器4から熱を回収した熱媒を循環させる熱媒循環配管12をCO2化学吸収設備9のリボイラ30およびリクレイマー31、さらに再生塔26の保温材33に通し、再び熱回収器4へ熱媒を循環させる。熱媒循環配管12には切替バルブ34が設置され、リボイラ30およびリクレイマー31への供給または再生塔26の外側を覆う保温材33への供給に切り替えられる構成となっている。
【0034】
熱回収器4とCO2化学吸収設備9のリボイラ30およびリクレイマー31、さらに再生塔26の保温材33との間に熱媒循環ライン12が備えられており、熱媒循環配管12には切替バルブ34が設置されていることにより、熱回収器4で排ガスから回収した熱は熱媒循環ライン12を通り、CO2化学吸収設備9のリボイラ30およびリクレイマー31の起動時の助熱に利用され、リボイラ30およびリクレイマー31起動後は、切替バルブ34の操作により回収熱を再生塔26の保温材33の熱源として利用することにより、リボイラ30およびリクレイマー31の起動時の加熱スチーム32の供給による負荷を低減し、さらに再生塔26からの放熱を低減することが可能であるため、熱効率が高く且つ安定した運転が可能なCO2回収システムを実現することが可能となる。
【符号の説明】
【0035】
1 ボイラ 2 脱硝装置
3 空気予熱器 4 熱回収器
5 集塵装置 6 誘引ファン
7 湿式脱硫装置 8 ブロワ
9 CO2化学吸収設備 10 脱硫ファン
11 煙突 12 熱媒循環配管
13 熱媒循環ポンプ 18 再加熱器
25 吸収塔 25n ノズル
25b 吸収用充填層 25a 水洗用充填層
26 再生塔 26a 上部充填層
26b 下部充填層 26c 気液分散板
27 脱CO2ガス 28、40 ポンプ
29 CO2ガス 30 リボイラ
31 リクレイマー 32 蒸気
33 保温材 34 切替バルブ
40 ポンプ 41 熱交換器
43 熱交換器 44 ポンプ
46 熱交換機 47 分離器
49 ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスにより燃焼用空気を加熱する空気予熱器と、
該空気予熱器から排出される排ガスから熱媒により熱を回収する熱回収器と、
該熱回収器から排出される排ガス中の煤塵を捕集する集塵装置と、該集塵装置から排出される排ガスを湿式処理する湿式排煙脱硫装置と、
該湿式排煙脱硫装置から排出される排ガスからアミン吸収液によりCO2を吸収分離するCO2化学吸収設備と、
前記熱回収器とCO2化学吸収設備との間に熱媒循環路
を設けたことを特徴とする排煙処理装置。
【請求項2】
CO2化学吸収設備にはアミン吸収液を加熱するためのリボイラおよび劣化したアミン吸収液を再生するためのリクレイマーを設け、該リボイラおよびリクレイマーと前記熱回収器との間に熱媒循環路を設け、リボイラおよびリクレイマーに不足する熱量を補うために加熱スチーム導入路をリボイラおよびリクレイマーに接続したことを特徴とする請求項1記載の排煙処理装置。
【請求項3】
CO2化学吸収設備にはCO2吸収に利用されたアミン吸収液を加熱してCO2を分離して再生するアミン吸収液再生塔を設け、該アミン吸収液再生塔の外周は保温材で覆い、該保温材と前記熱回収器との間に熱媒循環路を設け、熱媒循環路を接続したことを特徴とする請求項1記載の排煙処理装置。
【請求項4】
(a)リボイラおよびリクレイマーと(b)アミン吸収液再生塔の外周の保温材の両方と前記熱回収器との間にそれぞれ熱媒循環路を設け、該熱媒循環路には(a)リボイラおよびリクレイマーと(b)アミン吸収液再生塔のいずれかに熱媒を供給切替できる切替弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の排煙処理装置。
【請求項5】
ボイラを含む燃焼装置から排出される排ガスにより燃焼用空気を予熱して燃焼装置に供給し、燃焼用空気の予熱で冷却された排ガスから熱媒により熱を回収する熱回収器を設け、該熱回収器から排出される排ガス中の煤塵を捕集し、集塵後の排ガスを湿式による排煙脱硫処理を施し、さらに湿式排煙脱硫された排ガス中のCO2をアミン吸収液により吸収分離するCO2化学吸収設備を設け、前記熱回収器とCO2化学吸収設備との間に熱媒循環路を設けて熱回収器で回収した熱をCO2回収設備でのアミン吸収液の熱源として用いることを特徴とする排煙処理方法。
【請求項6】
熱回収器から回収された熱をCO2化学吸収設備に設けられるリボイラおよびリクレイマーでのアミン吸収液の加熱用熱源として利用し、さらにアミン吸収液の加熱に不足する熱量をスチームで補うことを特徴とする請求項5記載の排煙処理方法。
【請求項7】
熱回収器から回収された熱をCO2化学吸収設備に設けられる再生塔の保温の熱源として利用することを特徴とする請求項5記載の排煙処理方法。
【請求項8】
熱回収器から回収された熱をCO2化学吸収設備に設けられるリボイラおよびリクレイマーの起動時の助熱として利用し、リボイラおよびリクレイマーの起動後は再生塔の保温の熱源として利用することを特徴とする請求項5記載の排煙処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−227742(P2010−227742A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−75362(P2009−75362)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000005441)バブコック日立株式会社 (683)
【Fターム(参考)】