説明

接着シート積層装置

【課題】直前に接着された接着シートに対し、次の積層対象となる積層対象接着シートの一部を接着して部分重なり領域を有する積層体を形成することができる接着シート積層装置を提供すること。
【解決手段】接着シート積層装置10は、基材シートBの一方の面に接着剤層ADが設けられた接着シートSを順次積層可能に設けられる。接着シート積層装置10は、直前に接着された先行接着シートS1の基材シートB側に次の積層対象となる積層対象接着シートS2の接着剤層ADを押圧する押圧手段14と、この押圧手段14と先行接着シートとを相対移動可能な移動手段12とを備えている。移動手段12は、先行接着シートS1に対し、積層対象接着シートS2の一部が押圧手段14により押圧して貼付されるよう、保持具Hを移動可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着シート積層装置に係り、更に詳しくは、複数枚の接着シートを順次積層することができる接着シート積層装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ラベル等の複数枚の接着シートを利用する場合、例えば、特許文献1に開示されたものが知られている。同文献では、一の接着シートに他の接着シートの一部が重なり合うように積層し、この他の接着シートに更に他の接着シートの一部が重なり合うように積層することで、剥離シートを用いることなく複数枚の接着シートが一連に連なった状態で利用できるようになっている。
【0003】
ところで、複数枚の接着シートを積層する装置として、特許文献2に開示されるものがある。同文献の積層装置は、接着シートと同形状の台紙側に向かって接着シートを移動して貼付し、この貼付を繰り返し行うことで複数枚の接着シートの各外縁が一致した状態、つまり、一の接着シートに他の接着シートの全部が重なり合うように積層できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−249571号公報
【特許文献2】特開2001−301068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献2のような積層装置にあっては、前記特許文献1のように、一の接着シートに他の接着シートの一部が重なり合うように積層した積層体を製造することができない、という不都合を招来する。
【0006】
[発明の目的]
本発明の目的は、直前に接着された接着シートに対し、次の積層対象となる積層対象接着シートの一部を接着して部分重なり領域を有する積層体を形成することができる接着シート積層装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明は、基材シートの一方の面に接着剤層が設けられた接着シートを相互に接着して積層体を形成する接着シート積層装置であって、
直前に接着された先行接着シートの基材シート側に次の積層対象となる積層対象接着シートの接着剤層を押圧して貼付可能な押圧手段と、この押圧手段と先行接着シートとを相対移動可能な移動手段とを備え、
前記移動手段は、前記積層対象接着シートにおける接着剤層の一部を先行接着シートに接着して部分重なり領域を有する積層体を形成可能に設けられる、という構成を採っている。
【0008】
本発明において、帯状の剥離シートの一方の面に前記接着シートが所定間隔を隔てて仮着された原反から前記接着シートを前記押圧手段に供給する供給手段を更に備える、という構成を採ることが好ましい。
【0009】
また、前記積層対象接着シートの積層中に、当該積層対象接着シートにおける部分重なり領域以外の部分を受ける受け手段を備える、という構成が好ましくは採用される。
【0010】
また、前記移動手段は、前記部分重なり領域の量を調整可能に設けられることが好ましい。
【0011】
更に、前記移動手段は、先行接着シートの位置を所定の位置に維持可能に設けられるとよい。
【0012】
また、前記移動手段は、前記積層体を支持する支持手段を備え、この支持手段に支持された積層体を所定の保持具に押圧して転写可能な転写手段を更に備える、という構成を採ってもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、直前に接着された先行接着シートと押圧手段とが移動手段により相対移動可能となるので、先行接着シートに対し、次の積層対象となる積層対象接着シートの一部を接着して部分重なり領域を有する積層体を形成することができる。
【0014】
また、受け手段を有するので、積層対象接着シートを押圧するときに、接着剤層が意図しない場所に接着され、積層不良が発生することを防止することができる。
【0015】
更に、部分重なり領域の量を調整可能とした場合、部分重なり領域を有する積層体の態様に種々のバリエーションをもたせることができる。
【0016】
また、移動手段によって先行接着シートの位置を所定の位置に維持できるので、押圧手段による押圧力の安定化を図ることができ、これによっても、積層不良の発生を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】(A)は、第1実施形態に係る接着シート積層装置の概略正面図、(B)〜(D)は、同実施形態の接着シートの積層要領を示す説明図。
【図2】(A)は、第2実施形態に係る接着シート積層装置の概略正面図、(B)〜(D)は、同実施形態の接着シートの積層要領を示す説明図。
【図3】第3実施形態に係る接着シート積層装置の概略正面図。
【図4】第4実施形態に係る接着シート積層装置の部分拡大正面図。
【図5】第1変形例に係る押圧手段の概略正面図。
【図6】第2変形例に係る移動手段及び押圧手段の概略正面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書において、特に明示しない限り、「上」、「下」、「左」、「右」は、図1〜図6を基準として用いる。
【0019】
[第1実施形態]
図1(A)〜(D)において、接着シート積層装置10は、基材シートBの一方の面に接着剤層ADが設けられた接着シートSを供給する供給手段11と、紙管等の円筒形状の保持具Hを移動可能に設けられた移動手段12と、供給手段11から供給された接着シートSを保持具H側に押圧可能な押圧手段14と、移動手段12の左側近傍に設けられたセンサ15と備えて構成されている。なお、基材シートBの他方の面には、別の接着シートSの仮着を可能とする表面処理が施されている。
【0020】
前記供給手段11は、帯状の剥離シートRLに接着シートSが所定間隔を隔てて仮着されたロール状の原反Rを支持する支持軸20と、この支持軸20から繰り出された剥離シートRLを折り返して当該剥離シートRLから接着シートSを剥離するピールプレート22と、ピールプレート22を経た後の剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ24及びピンチローラ25と、これらを通過した後の剥離シートRLを図示しない駆動機器によって所定のトルクで巻き取る巻取軸26とを備えている。駆動ローラ24は、駆動機器としてのモータMを介して回転可能に設けられている。
【0021】
前記移動手段12は、ピールプレート22の先端側下方位置にてスライダ28を上下動可能に設けられた駆動機器としての直動モータ29と、スライダ28に連結された駆動機器としてのモータ30と、このモータ30の出力軸30Aに連結されるとともに、保持具Hの内側に挿入されて当該保持具Hを支持可能な支持部材32とを備えている。
【0022】
前記押圧手段14は、下面を吸着面34とし、接着シートSにおける基材シートSの他方の面すなわち上面を吸着して支持可能な吸着ヘッド35と、この吸着ヘッド35を昇降させる駆動機器としての直動モータ36とを備えている。吸着ヘッド35の下側部分は、ゴムやスポンジ等の弾性部材により形成されている。
【0023】
前記センサ15は、押圧手段14で接着シートSを押圧する位置において、保持具Hや積層された接着シートSの上面を検出可能となっている。
【0024】
次に、前記第1実施形態における全体的動作について説明する。この動作説明では、便宜上、順次供給、積層される順番に接着シートSの符号をSn(nは自然数であって順番を示す)とし、同符号を、図面では括弧書きで並記する。
【0025】
初期作業として、支持軸20に支持された原反Rを所定長さ引き出し、ピールプレート22の先端で折り返すように原反Rを掛け回し、駆動ローラ24とピンチローラ25との間に原反Rを通過させた後、当該原反Rのリード端を巻取軸32に固定する。また、支持部材32に保持具Hを取り付け、直動モータ29を作動してスライダ28を上限位置に移動させる。
【0026】
その後、直動モータ29を介してスライダ28を下方に移動させ、センサ15が保持具Hを非検出となった位置で、スライダ28の移動を停止させる。一方、供給手段11では、モータMが駆動されて原反Rが繰り出され、ピールプレート22の先端で剥離シートRLから先行接着シートとしての接着シートS1が剥離されつつ吸着ヘッド35の吸着面34に吸着支持される。その後、直動モータ36を駆動して吸着ヘッド35を下降させ、当該吸着ヘッド35に支持された接着シートS1を保持具Hの外周面に押圧して貼付させる(図1(A)参照)。このとき、直動モータ36による押圧力により、保持具Hの外周面に沿って吸着面34が円弧状に変形し、接着シートS1が全領域に亘って満遍なく押圧されることとなる。
【0027】
接着シートS1を保持具Hに貼付した後、吸着ヘッド35による吸着を解除し、直動モータ36を駆動させて吸着ヘッド35を元の位置に復帰させる。次いで、移動手段12のモータ30を駆動させ、保持具Hに貼付した接着シートS1の右端側領域が吸着面34の左側直下領域に重なる位置まで保持具Hを図1(A)の矢印R1方向に回転させ、当該接着シートS1と吸着ヘッド35とを相対移動させる。その後、直動モータ29により、センサ15が保持具Hを非検出となる位置までスライダ28を下降させる。
【0028】
そして、再度、接着シートS1と同様にして、吸着面34に積層対象接着シートとしての接着シートS2を吸着させた後、吸着ヘッド35を下降させる。すると、図1(B)に示されるように、接着シートS2における接着剤層ADの一部を接着シートS1の基材シートB側に接着して部分重なり領域LAを有する積層体Uが形成される。
【0029】
接着シートS2が接着されると、次は接着シートS2が先行接着シートとなり、次の積層対象となる接着シートS3が積層対象接着シートとして接着シートS2に接着され(図1(C)参照)、以後、同様の接着が繰り返し行われる。なお、積層対象接着シートSnの積層毎に、センサ15による接着シートSの検出と、これに応じた直動モータ29によるスライダ28の移動とが行われる。これにより、積層体Uの巻取径が増大しても、積層対象接着シートSnの貼付位置Pが一定位置に保たれる。
【0030】
ここで、接着シートSの積層毎に行われるモータ30の回転角度を調整することで、図1(D)に示されるように、部分重なり領域LAの量を調整可能となる。具体例を挙げると、接着シートSの長さL、積層位置Pと保持具Hの中心軸位置との上下間隔rとし、長さLの20%の長さとなる領域を部分重なり領域LAとする場合、接着シートSの積層毎のモータ30の回転角度θは、以下の式(1)により求められる。
θ=(0.8L/2πr)×360°・・・(1)
これにより、積層枚数の増加に伴って部分重なり領域LAの面積が変化しないように一定に保つことが可能となる。なお、間隔rは、直動モータ29におけるスライダ28の移動量により求められる。
【0031】
従って、このような実施形態よれば、積層対象接着シートSnを積層する度に、先行接着シートSn-1を所定角度回転させるので、先行接着シートSn-1の一部に積層対象接着シートSnの一部が接着して部分重なり領域LAを有する積層体Uを形成することが可能となる。
【0032】
次に、本発明の前記以外の実施形態について説明する。なお、以下の説明において、前記第1実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一符号を用いるものとし、説明を省略若しくは簡略にする。
【0033】
[第2実施形態]
図2において、第2実施形態の押圧手段14は、図示しないブラケット等を介して支持された押圧ローラ41からなり、この押圧ローラ41は、ピールプレート22の先端側に図示しない駆動機器を介して上下方向に移動可能に設けられている。
【0034】
第2実施形態の移動手段12は、第1実施形態で説明した構成に加え、押圧ローラ41の下方であって保持具Hの上方に設けられる支持手段42を備えている。この支持手段42は、ピールプレート22先端より右側に設けられ図示しない駆動機器によって駆動される駆動ローラ45と、保持具Hの上方に設けられて図示しない駆動機器により左右方向に移動可能な左右移動ローラ46と、ピールプレート22先端下方に設けられた左右一対のガイドローラ47と、各ガイドローラ47の左右方向中間で、図示しない駆動機器により上下に移動可能な上下移動ローラ48と、各ローラ45〜48に掛け回されるベルト50とを備えている。
【0035】
前記左右移動ローラ46の上方には、転写手段52が設けられている。この転写手段52は、下面を吸着面として接着シートSを吸着保持可能な吸着グリッド54と、この吸着グリッド54を昇降させる駆動機器としての直動モータ55と、吸着グリッド54の下方で接着シートSを保持具H側に押さえ付け可能な押さえローラ56とを備えている。また、左右移動ローラ46の上方には、接着シートSの有無を検出可能な第1センサ57が設けられている。更に、ベルト50の下方にも、接着シートSの有無を検出可能な第2及び第3センサ58、59が上下に並んで設けられている。
【0036】
次に、前記第2実施形態における全体的動作について説明する。同説明においても、順次供給、積層される接着シートSの符号をSn(nは自然数)とし、同符号を、図面では括弧書きで並記する。
【0037】
供給手段11におけるピールプレート22先端から先行接着シートとしての接着シートS1が供給されると、当該接着シートS1を押圧ローラ41が下降しベルト50に押圧して仮着させる。このとき、接着シートS1の供給速度に応じ、駆動ローラ45を図2(A)中矢印R2方向に回転してベルト50が回動され、接着シートS1が左方向に搬送される。ベルト50への接着シートS1の仮着を終えると、押圧ローラ41が上昇し駆動ローラ45を同図中矢印R3方向に回転させ、接着シートS1の右端が押圧ローラ41の下端位置よりも右側に位置するまで搬送させる。この状態で、次の積層対象となる積層対象接着シートとしての接着シートS2を接着シートS1と同様に押圧ローラ41により押圧すると、図2(A)に示されるように、接着シートS2における接着剤層ADの一部を接着シートS1の基材シートB側に接着して部分重なり領域LAを有する積層体Uが形成される。
【0038】
接着シートS2が接着されると、次は接着シートS2が先行接着シートとなり、次の積層対象となる接着シートS3が積層対象接着シートとして接着シートS2に接着され図2(A)に示されるように、積層体Uがベルト50上に形成される。
【0039】
前記積層体Uの最初の接着シートS1を第1センサ57が検出すると、供給手段11からの接着シートSの供給が一時停止される。また、駆動ローラ45も停止してベルト50による積層体Uの搬送を一時停止し、接着シートSの積層が中断される。次いで、直動モータ55を駆動して吸着グリッド54を下降させ、当該吸着グリッド54の吸着面に接着シートS1を吸着支持させる(図2(B)参照)。次に、図2(C)に示されるように、左右移動ローラ46を右方向に、上下移動ローラ48を下方向に移動させ、接着シートS1の下方からベルト50を退避させる。その後、保持具Hを上昇させて当該保持具Hに接着シートS1を貼付させる。
【0040】
この貼付を終えた後、吸着グリッド54による吸着を解除し、直動モータ55を駆動させて吸着グリッド54を元の位置に復帰させる。次いで、押さえローラ56を下降させて接着シートSを保持具Hに押圧した後、供給手段11からの接着シートSの供給及び駆動ローラ45の駆動を再開させる。
【0041】
すると、接着シートSが順次積層されて積層体Uが長くなるので、図2(D)の二点鎖線で示されるように、保持具Hと左右移動ローラ46との間の積層体Uが下方に弛むこととなる。この弛んだ積層体Uを第2センサ58が検出すると、第3センサ59で積層体Uが非検出となるまで保持具Hを同図中矢印R4方向に回転させる。この積層体Uの巻き取りの繰り返しによって、ベルト50上での接着シートSの積層が中断することなく継続して行われる。
【0042】
[第3実施形態]
図3において、第3実施形態の押圧手段14は、図示しない昇降手段を介して上下動可能に支持された押圧ローラ61からなる。この押圧ローラ61は、ピールプレート22の先端側において、積層位置Pにおける先行接着シートとしての接着シートS1に対し、供給される積層対象接着シートとしての接着シートS2を押圧して積層できるようになっている。
【0043】
[第4実施形態]
図4において、第4実施形態の押圧手段14は、第1実施形態で説明した構成に加え、吸着ヘッド35の下方で接着シートSを保持具H側に押さえ付け可能な押さえローラ65と、この押さえローラ65を上下に移動させる駆動機器としてのシリンダ66とを備えている。
【0044】
前記吸着ヘッド35の下方には、受け手段68が設けられている。この受け手段68は、駆動機器としてのモータM1を介して回転可能な駆動ローラ70と、この駆動ローラ70の左側に設けられた剥離ローラ71と、これらのローラ70、71の間に設けられたガイドローラ72と、各ローラ70〜72に掛け回されるベルト74と、駆動ローラ70及び剥離ローラ71間のベルト74下面に添設されたプレート75とを備え、図示しない駆動機器によって左右方向に移動可能に設けられている。
【0045】
以上の構成において、積層位置Pにセットされた先行接着シート(ここでは、符号「Sn−1」とする)に積層対象接着シート(ここでは、符号「Sn」とする)を積層する場合、吸着ヘッド35に接着シートSnを吸着保持した後、当該吸着ヘッド35を下降させる。これにより、接着シートSnの左側一部領域が、接着シートSn−1の右側一部領域に押圧されて積層され、接着シートSnの右側領域が受け手段68のベルト74上に接することとなる。この積層後、吸着ヘッド35の吸着を解除してから当該吸着ヘッド35を上昇させた後、シリンダ66を作動して押さえローラ65により接着シートSnの左端側を押さえ付ける。この状態から、ベルト74を図中矢印R5方向に回動させつつ保持具Hを図中矢印R6方向に回転させることで、接着シートSnの積層が進行される。なお、受け手段68は、接着シートSの巻取径の増大に応じて、右方向に移動可能になっている。
【0046】
従って、このような実施形態によれば、吸着ヘッド35による接着シートSの吸着保持が解除された後であっても、当該接着シートSの部分重なり領域LA以外の部分が受け手段68により受けられるので、積層直前に接着シートSnの一部が意図しない箇所に貼付したり、接着シートSnに皺等が生じるような積層不良を防止可能となる。
【0047】
以上のように、本発明を実施するための最良の構成、方法等は、前記記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。
すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示、説明されているが、本発明の技術的思想及び目的の範囲から逸脱することなく、以上説明した実施形態に対し、形状、位置若しくは配置等に関し、必要に応じて当業者が様々な変更を加えることができるものである。
従って、上記に開示した形状などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0048】
前記押圧手段14は、接着シートSを押圧して積層を行える限りにおいて、種々の設計変更が可能であり、例えば、図5に示されるように、吸着面34からエアを噴出することで接着シートSを押圧してもよい。
【0049】
また、保持具Hは、図6に示されるように、板状に形成してもよい。同図では、移動手段12は、保持具を支持するテーブルと、このテーブルを左右方向に移動可能なスライダ及び駆動機器としての直動モータとを備え、押圧手段14と相対移動可能に設けられる。
更に、前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、単軸ロボット、多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダ及びロータリシリンダ等のアクチュエータ等を採用することができる上、それらを直接的又は間接的に組み合せたものを採用することもできる(実施形態で例示したものと重複するものもある)。
また、前記実施形態では、先行接着シートSn-1側を移動させることで当該先行接着シートSn-1と押圧手段14との相対移動を実現したが、押圧手段14を移動させることで相対移動を実現してもよいし、それら両方を移動させることで相対移動を実現してもよい。
【符号の説明】
【0050】
10 接着シート積層装置
11 供給手段
12 移動手段
14 押圧手段
42 支持手段
52 転写手段
68 受け手段
AD 接着剤層
B 基材シート
LA 部分重なり領域
R 原反
RL 剥離シート
S 接着シート
S1、Sn-1 接着シート(先行接着シート)
S2、Sn 接着シート(積層対象接着シート)
U 積層体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートの一方の面に接着剤層が設けられた接着シートを相互に接着して積層体を形成する接着シート積層装置であって、
直前に接着された先行接着シートの基材シート側に次の積層対象となる積層対象接着シートの接着剤層を押圧して貼付可能な押圧手段と、この押圧手段と先行接着シートとを相対移動可能な移動手段とを備え、
前記移動手段は、前記積層対象接着シートにおける接着剤層の一部を先行接着シートに接着して部分重なり領域を有する積層体を形成可能に設けられていることを特徴とする接着シート積層装置。
【請求項2】
帯状の剥離シートの一方の面に前記接着シートが所定間隔を隔てて仮着された原反から前記接着シートを前記押圧手段に供給する供給手段を更に備えていることを特徴とする請求項1記載の接着シート積層装置。
【請求項3】
前記積層対象接着シートの積層中に、当該積層対象接着シートにおける部分重なり領域以外の部分を受ける受け手段を備えていることを特徴とする請求項1又は2記載の接着シート積層装置。
【請求項4】
前記移動手段は、前記部分重なり領域の量を調整可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の接着シート積層装置。
【請求項5】
前記移動手段は、先行接着シートの位置を所定の位置に維持可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の接着シート積層装置。
【請求項6】
前記移動手段は、前記積層体を支持する支持手段を備え、この支持手段に支持された積層体を所定の保持具に押圧して転写可能な転写手段を更に備えていることを特徴とする請求項1記載の接着シート積層装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−240654(P2011−240654A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−116382(P2010−116382)
【出願日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【Fターム(参考)】