説明

接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具を有するパッケージおよびそのための方法

複数の製品のための再閉鎖可能なパッケージを本明細書で説明する。再閉鎖可能なパッケージは、低粘着性接着剤を利用する接着剤ベースの留め具を含み、第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとを枢動可能に接続している。各コンパートメントは、複数の製品を内部に受容するように構成されている。接着剤ベースの留め具は、再閉鎖可能なパッケージを閉じるように内面を共に枢動させることができるように、第1および第2のコンパートメントそれぞれの内面上の再シール可能な接着剤の対向する部分を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2010年2月26日出願の米国特許仮出願第61/308,540号明細書、2010年3月25出願の米国特許仮出願第61/317,592号明細書、2010年10月27日出願の米国特許仮出願第61/407,406号明細書、および2010年10月27日出願の米国特許仮出願第61/407,409号明細書の利益を主張するものであり、それらの文献は参照によりその全体が本明細書に援用される。
【0002】
本開示は、概して、再閉鎖可能なパッケージングに関し、より詳細には、接着剤ベースの再閉鎖可能なパッケージングに関する。
【背景技術】
【0003】
再閉鎖可能なパッケージングは、ユーザがパッケージを繰り返し開放および再閉鎖することが必要なある期間にわたって、取り出すことができる製品を格納するために使用されるときに望ましい。パッケージング上の再閉鎖する機能により、クリップなど副次的なデバイスの使用を必要とせずに消費者が使用中にパッケージングを繰り返し開閉することが可能になる。カートン、箱、または封筒タイプのパッケージのための一般的なあるタイプの再閉鎖機能は、タブをスロットに差し込むタイプの閉鎖具であり、こうした構成では、パッケージはタブをスロットに挿入することによって閉鎖される。このタイプの閉鎖具は、例えば、シリアルの箱およびガムの箱など、厚紙のカートンまたは箱において見い出すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第4,617,223号明細書
【特許文献2】国際公開第2005/110885号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
タブをスロットに差し込むタイプの再閉鎖可能なパッケージは、場合によっては、(1)狭いことがありタブよりもわずかに大きいだけのスロットにタブを位置合わせすること、次いで、(2)タブの幅全体をスロットに通すこと、が本来難しいので、閉鎖するのが煩雑なことがある。多くの場合に、ユーザは、パッケージを開放および再閉鎖するためにタブおよびスロットの動作を行うのに両手を必要とすることがある。他の場合には、タブは、動作可能なタブおよびスロットを引き裂いて開放する際に破れてしまうこともある。さらに、このタイプの閉鎖具を利用する一部のカートンでは、カートンの本体から延在する枢動可能なカバーにタブが設けられる。こうしたカートンでは、枢動可能なカバーは、他のパッケージング材料を必要とし、これは、材料およびパッケージングのコストを増大させる恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具を含む箱、カートン、封筒などのパッケージが提供される。一態様では、パッケージは、少なくとも第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを含み、それらの間に接続部を有する。第1および第2のコンパートメントは、第1および第2のコンパートメントが互いに隣接する閉鎖した構成と、第1および第2のコンパートメントが移動して互いに離れる開放した構成との間で移動するように構成される。別の態様では、パッケージは、第1および第2のコンパートメント上に配置された対向する接着剤部分を含む再閉鎖可能な接着剤ベースの留め具も有し、それらの対向する接着剤部分は、パッケージが閉鎖した構成のときに一体となって接着され、カートンを繰り返し開閉するように剥離および再シールを繰り返す結合になるように構成される。
【0007】
さらに別の態様では、接着剤は、UV硬化性の感圧接着剤とすることができ、その接着剤は、少なくともUV硬化可能なオリゴマーと、粘着性制御成分と、任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料とを含む。UV硬化性の感圧接着剤の接着剤成分比またはACRは、粘着性制御成分と任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料の重量パーセントの合計に対するUV硬化可能なオリゴマーの重量パーセントが約0.5から約1.5である。接着剤はさらに、約200グラム/リニアインチ(gpli)(78.7グラム/リニアセンチメートル(gplcm))から約900gpli(354gplcm)の最初の剥離接着性を有することができ、最大5回の後続の剥離接着性は最初の剥離接着性の約30パーセントから約200パーセントである。
【0008】
別の態様では、接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具を使用してパッケージを形成する方法が提供される。その方法の一態様では、再シール可能な接着剤の第1および第2の部分がカートンブランクに塗布される。次に、少なくとも正面壁を有する第1のコンパートメントを画定するようにカートンブランクの一部分を折り畳む。再シール可能な接着剤の第1の部分は、第1のコンパートメントの正面壁上に配置される。少なくとも正面壁を有する第2のコンパートメントを画定するようにパッケージブランクの別の部分を折り畳む。再シール可能な接着剤の第2の部分は、第2のコンパートメントの正面壁上に配置される。その方法はさらに、第1および第2のコンパートメントを、第1および第2のコンパートメントが互いに隣接して配置されるように第1のコンパートメントと第2のコンパートメントとの間で延在する接続部を中心に枢動させて、その上に配設された再シール可能な接着剤の第1の部分と第2の部分とを互いに接着するステップを含むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1および第2のコンパートメントを有する例示的な再閉鎖可能なパッケージの概略図である。
【図2】図1の再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図3】閉鎖した構成で示す図1の再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図4】概して線4−4に沿った、図3の再閉鎖可能なパッケージの断面図である。
【図5】例示的なカートンブランクの上面図である。
【図6】図5のカートンブランクの斜視図である。
【図7】代替的かつ例示的な2部片のカートンブランクの斜視図である。
【図8】代替的な再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図9】代替的な再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図10】代替的な再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図11】代替的な再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図12】代替的な再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図13】代替的な再閉鎖可能なパッケージの斜視図である。
【図14】パッケージを作製する例示的な方法を示す図である。
【図15】パッケージを作製する例示的な方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
低粘着性接着剤から作られる接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具を含む再閉鎖可能なパッケージを本明細書で説明する。一手法によって、再閉鎖可能な留め具は、パッケージ、カートン、箱、容器、封筒などに設けられる。それらのパッケージは、好ましくは、厚紙、フォイル、金属、板紙、自己支持型プラスチック、積層体、およびそれらの組み合わせなど、比較的硬質の材料から構築される。
【0011】
一態様では、接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具は、低粘着性接着剤の対向する部分、層、ストリップ、パターン、または不連続のパッチを含み、それらは、パッケージを閉鎖するために解放可能に一体となって接着するようにパッケージの対向するセクション上に配置および構成される。別の態様では、留め具に使用される接着剤は、凝集結合強度が比較的高いが、同時に粘着性が比較的低くなるように構成され、そのため、デブリ、小片、繊維くず、小粒子などに曝露されたときでさえ、効果的な再閉鎖可能な留め具として機能することができる。
【0012】
一手法によって、本明細書の接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具および/またはパッケージの構造は、概して、望ましくない面に対する留め具の接着性を最小限に抑えるがやはり同時に効果的な再閉鎖可能な留め具として機能するように構築される。すなわち、接着剤ベースの留め具および/またはパッケージは、消費者が使用する間にパッケージ内の内容物をシールするが同時にパッケージの対向するセクションから層間剥離しないように、接着剤ベースの留め具を複数回開閉することができるように、粘着値および剥離値の選択を実現する固有の配合および構造を有する。このために、再閉鎖可能な留め具は、概して、望まれない面に対する接着性を最小限に抑えるような比較的低い粘着性レベルと、パッケージの確実な再閉鎖を可能にするのに十分な選択した結合強度または開放剥離強度と、パッケージの開閉を繰り返すことを可能にするのに十分に頑強な剥離強度とを有するUV硬化接着剤を含む。接着剤ベースの留め具は、同時に、パッケージの基体に対する強い結合性も有し、そのため、パッケージの開放の際に接着剤が層間剥離しない。
【0013】
別の手法によって、再閉鎖可能な接着剤ベースの留め具は、UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーと粘着性制御剤との特有のブレンドを含むことができる。さらに他の手法では、再閉鎖可能な接着剤ベースの留め具は、UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーと、粘着性制御剤と、エラストマー(ゴム)成分との特有のブレンドを含むことができる。好ましくは、UV硬化性の接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具はUV硬化性の感圧接着剤(PSA)であり、その接着剤は、良好な凝集特性および低粘着性を有するが、低粘着性にもかかわらず、やはり、対向するパッケージパネルを形成するパッケージの基体に対する強い結合を形成する。
【0014】
一般に理解されるように、凝集ベースの材料は、典型的に、同様でない材料よりも同様の材料に簡単に接着する(すなわち、自己接着性)。本明細書で使用される適切な接着剤材料は、概して、望ましくない表面に対して比較的低い粘着性を示すが、同時になお、(パッケージから層間剥離しないなど)望ましい表面に対して良好な結合強度と、同様の表面に対する比較的良好な凝集強度または自己接着性の結合強度とを示し、そのため、パッケージを閉鎖したままに保持するがやはりパッケージを手で開放することができる。選択した接着剤ベースの材料はやはり、こうした同様の材料からの結合解除または剥離を可能にし、そのため、接着剤の層は、接着剤材料および/または下のパッケージの基体への実質的な損傷を与えることなく繰り返し剥離することができる。接着剤材料が結合解除または剥離されるときは、選択した接着剤材料は、十分な内部の完全性を有し、実質的な材料の残留物、糸引き、パッケージの基体からの層間剥離、および/または他の実質的に材料を醜くするもの(すなわち、小滴、ピリングなど)なしに、接着剤が結合する境界面で実質的にきれいに剥離する。以下でより詳細に論じるように、本明細書で説明する接着剤ベースの留め具では、対向する接着剤部分が互いに接触する位置の剥離接着性は、平均の初期の剥離接着性が約200グラム/リニアインチ(gpli)(78.7グラム/リニアセンチメートル(gplcm))よりも大きく、好ましくは約200gpli(78.7gplcm)と約900gpli(354gplcm)との間になるように維持される。さらに、場合によっては、接着剤ベースの留め具は、シールおよびシール解除の動作を5回繰り返した後に、約200gpli(78.7gplcm)超および/または平均の初期の剥離接着性の少なくとも約30%から約200%を保持する。
【0015】
さらに別の態様では、接着剤ベースの留め具がその上に配設されたパッケージは、やはり、比較的硬質のパッケージの基体の壁など、パッケージを形成するパッケージの基体に対するUV硬化性の接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具の結合強度または剥離強度が、留め具自体の対向する部分の間の開放剥離強度よりも概して大きくなるように構築される。このようにして、再閉鎖可能な留め具は、概して、パッケージの基体に接着したままであり、パッケージが消費者によって開放され留め具が剥離して開放したときに、残留せず、糸引きせず、またはパッケージの基体から層間剥離することはない。例えば、一手法では、パッケージの基体に対する接着剤の結合強度または剥離強度は、約600gpli(236gplcm)よりも大きく(場合によっては、約900gpli(354gplcm)よりも大きく)、パッケージの基体から外れることなく複数回の剥離および再シールのサイクルに耐えることが可能である。さらに、接着剤は、メチルエチルケトン(MEK)溶剤との100回超の擦り合わせに耐えることができるように硬化する。
【0016】
効果的な再閉鎖可能な留め具を設けるのに加えて、本明細書で説明する接着剤の構造により、有利なことに、カートンブランクなどのパッケージングの基体の材料に、パッケージの形成前に接着剤を予め塗布することが可能になる。例えば、パッケージの基体は、接着剤を塗布した後に、切断してブランクにし、続けて、隣接するブランクに実質的に望ましくなく貼り付くことなく、積み重ね、処理し、積み重ねから取り出すことができる。これにより、製造/印刷プロセスの一部として接着剤を塗布できるので、カートン作製動作をさらに合理化することができる。これにより、従来の粘着性の接着剤には通常必要な、カートン作製ラインに接着剤をコーティングする機械を組み込む必要がなくなる。さらに、本明細書で説明する低粘着性の接着剤の留め具により、有利なことに、パッケージングの材料が、カバーフラップまたは同様の再閉鎖機能を閉鎖するためにタブをスロットに差し込む構成に使用される他のパッケージと比べて例えば約20%削減される。
【0017】
次に、図1〜図6に示す例示的な再閉鎖可能なパッケージまたはカートン10の詳細に注目する。再閉鎖可能なパッケージ10は、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14を含み、それらのコンパートメント12およびコンパートメント14は、この手法では、図1に示す例示的なガム16など、1つまたは複数の薄く細長い製品を受容するように寸法設定されている。しかし、パッケージ10が本明細書で説明する接着剤ベースの再閉鎖可能な留め具を使用する適切な再閉鎖可能なパッケージの単なる一例でしかないことが理解されよう。他のパッケージは、所望の使用に応じて異なる形状および構成を有することができる。
【0018】
図1に示すように、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14は、接続部、ブリッジ、またはフラップ18によって、ヒンジ接続されるかまたは枢動可能に接続されている。その接続部、ブリッジ、またはフラップ18は、第1のコンパートメント12と第2のコンパートメント14とをつないでおり、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14の隣接する端部を接続している。再閉鎖可能なパッケージ10はさらに、再シール可能な接着剤ベースの留め具20を含む。図1に示すように、接着剤ベースの留め具20は、この形態のパッケージでは、コンパートメント12および14の内面のほぼ大部分にわたって延在する、対向する細長いバンド状の接着剤である。接着剤の代替的構成を以下で論じる。
【0019】
接着剤ベースの留め具20により、パッケージ10が、対向する接着剤部分22を接着させるかまたは剥離させることによって、繰り返し閉鎖または開放することが可能になる。その接着剤部分22は、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14の内面の大部分に塗布される。接着剤部分22が互いに接着されると、パッケージ10は図3に示すような閉鎖した構成になる。接着剤部分22が図1に示すように分離または剥離すると、パッケージ10は開放した構成になる。開放した構成により、ユーザが第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14のうちの一方または両方の内部24にアクセスすることができて、内部に収容された1つまたは複数の製品16に手が届く。その後、ユーザは、例えば第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14を概して互いに向かって枢動させるかまたはずらすことによってパッケージを閉鎖し、対向する接着剤部分22を一体となって接着させるように軽い圧力を加えてパッケージ10を図2に例示するように再閉鎖することができる。以下でより完全に論じるように、接着剤ベースの留め具20を形成するのに使用される接着剤は、接合強度のロスを最小限に抑えながら複数回の開放および再閉鎖の動作を可能にするように構成された固有の配合を有する。
【0020】
少しの間図5に注目すると、パッケージ10は、ダイカットした単体または単一部片のカートンブランク28などのカートンブランクから形成することができ、そのブランク28は、板紙、厚紙、積層体、プラスチック、フォイル、金属などでよい。ブランク28は、中間の接続部18によって互いにつながっている上側部分30および下側部分32を含む。以下でより詳細に説明するように、上側部分30および下側部分32により第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14が形成されるように、様々な刻み目線を中心に折り畳まれるようにしてブランクに刻み目を入れることができる。この手法では、上側部分30および下側部分32は、接続部18を中心にして、概して互いに鏡像である。
【0021】
カートンブランク28のさらに細部に注目すると、ブランクの上側部分30および下側部分32はそれぞれ、中央の概して平坦な部分を含み、その部分はコンパートメントの背面パネルまたは背面壁34を画定する。側方のサイドフラップ36および38は、背面パネル34の対向する側方の縁部または折り目40から延在する。側方のサイドフラップ36および38は、概して互いに鏡像である。側方のサイドフラップ36および38はそれぞれ、側方の折り目40に概して平行に延在する中間の折り目42を含む。折り目42および40は、コンパートメントの概して矩形のサイドパネルまたは壁44を画定する。
【0022】
側方の各サイドフラップ36および38の残りの部分によってサイドウイング46が画定されており、そのサイドウイング46は、中間の折り目42の外側に延在している。サイドウイング46は、狭い上端部分48と概して矩形の底端部分50とを含む。狭い上端部48は、外側に向かって先細りし、底端部50のショルダ部分とつながっている。そのショルダ部分は底端部50のタブ52を形成し、タブ52は上端部48を越えて外側に突出する。
【0023】
接続部18は、背面パネル34の上縁部または折り目54から延在して、上側ブランク部分30と下側ブランク部分32とをつないでおり、それらを接続している。背面パネル34のうちの接続部18の反対側には、底部フラップ60が配置され、その底部フラップ60は、背面パネル34の底縁部または折り目62から延在する。底部フラップ60は側方縁部64を含み、その側方縁部64は、背面パネルの底部の折り目62から底縁部66に概して直交するように延在する。底部フラップ60はさらに中間の折り目68を含む。その中間の折り目68は、背面パネルの底部の折り目62に概して平行に延在し、底部フラップ60を分割して、背面パネルの底部の折り目62に隣接して配置された底面パネルまたは壁70と、中間の折り目64の外側に配置された正面パネルまたは壁72とになる。正面パネル72は、主要な面を有し、概して矩形になるように示されているが、その代わりに、所望に応じて内側に先細りする側方縁部を含むことができる。
【0024】
一手法によって、サイドパネル44および底面パネル70は、実質的に同様の幅を有し、そのため、(以下に説明する)カートンの形成後に、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14が、実質的に一様の奥行きを有し、その場合は、接続部18の幅がパネル44および70の幅の2倍に実質的に等しく、そのため、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14が閉鎖した構成のときに、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14の正面パネル72同士を実質的に面一にすることができることも好ましい。
【0025】
コンパートメントを形成するためには、持続性の接着剤部分74が側方のサイドフラップ36および38のサイドウイング46の底端部分50に配設され、一手法では概してその中心に配置される。これらの持続性の接着剤部分74は、強力かつ再閉鎖不能な結合を形成するように構成され、その結合は、適切なポリオレフィン、ホットメルト、または他の概して持続性の接着剤を含むことができる。
【0026】
接着剤ベースの留め具20も、カートンブランクに配置される。一手法では、留め具20の対向する接着剤部分22は、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14の正面パネル72の主要な面に塗布され、一手法では、その全体に延在する。図1および図5に示す形態では、例えば、対向する接着剤部分22は、概して幅広のストリップまたはバンド状の接着剤であり、パネル72の主要な面にわたって延在しているが、様々な用途は、それよりも少ない接着剤しか必要としないか、または様々な形状、パターン、サイズ、量、厚さなどで塗布された接着剤を必要することがある。
【0027】
場合によっては、パッケージの開放力は、接着剤の量または接着剤の接触面積全体/接着剤に曝露された表面積全体に比例することがある。一部の手法によって、接着剤部分22は、パッケージの開放力を調整し、剥離力をパッケージ用途の各タイプの要件に合わせるように、選択した飛び飛びの部分、パターン、またはパッチにして設けることができる。すなわち、結合力を大きくする必要がある場合は、パッケージングの基体(すなわち、正面パネル72)の表面積に対して大きい表面積の接着剤22が設けられる。結合力を小さくする必要がある場合は、パッケージングの基体(すなわち、正面パネル72)に対して小さい表面積の接着剤22が設けられる。したがって、単純に、接着剤のコーティングパターンおよび表面積を選択することで曝露された接着剤/接着剤の接触面積22と正面パネル72の主要な面の面積との比を変更することによって、接着剤の配合、厚さ、および組成を変える必要なしに、パッケージの開放力をカスタマイズすることが可能である。これにより、有利なことに、多くの異なるタイプのパッケージに使用できる頑強な接着剤が提供される。
【0028】
接着剤の力を調整するのに使用できる多くのタイプの接着剤パターンまたは接着剤部分がある。それらのパターンを、規則的、対称、不規則的、または非対称のパターンで繰り返すことが可能である。それらの例には、限定されるものではないが、様々な角度および傾斜度に配向された円形、正方形、他の形状、ライン、ストリップが含まれる。図8〜図11に注目すると、いくつかの例が示されている。一手法によって、図8および図9に示すように、コンパートメント12および14上の接着剤部分22のうちの一方または両方が、それに塗布またはその上に配設されたストリップ状または列状の接着剤76を有することができる。例示の形態では、接着剤のストリップ76は、接着剤の細く長い部分であり、それらの部分は、互いに離間し、正面パネル72の隣接する縁部に対して約45度傾斜して配設されるが、様々な角度、間隔、および傾斜度を用いることができる。一手法によって、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14の接着剤部分22は両方とも、実質的に同じ角度で傾斜して対向するように位置合わせされた接着剤のストリップ76を含み、そのため、正面パネル72が共に枢動するときに、反対側の接着剤部分が、パッケージ10を閉鎖するために一体となって結合する。あるいは、対向する接着剤のストリップ76の一部分のみを、閉鎖したときに位置合わせすることができ、したがって、こうした例では、接着剤部分22間の重なる量が少ないせいで、概して低い結合力によってコンパートメントを接着する。あるいは、図8に示すように、第1のコンパートメント12または第2のコンパートメント14のうちの一方の接着剤のストリップ76は、他方のコンパートメントの接着剤のストリップ76(図示せず)に概して直交する角度で延在することができる。この代替的な手法によって、正面パネル72が共に枢動するときに、接着剤のストリップ76は概して互いに交差し、それらの交点で接着される。
【0029】
別の手法によって、第1のコンパートメント12の接着剤部分22などの接着剤部分のうちの一つは、概して図9に示すように、第2のコンパートメント14上に設けられたより小さい接着剤のストリップ76と組み合わせた一様のまたは比較的大きい矩形の接着剤パッチとすることができる。こうした形態では、接着剤のストリップ76により、概して、接着可能な表面積が小さくなり、それにより、コンパートメントを共に保持する結合力が小さくなる。比較的大きい矩形のパッチ22と組み合わせて接着剤のストリップ76を利用することによって、パッケージ閉鎖具を形成するのに使用する接着剤の量も削減され、コンパートメントを共に保持する接着剤の結合力を、ストリップ76のサイズならびに対向する接着剤部分22の形態および形状に応じて所望に応じて変更することができる。一手法によって、接着剤のストリップ76を含む第2のコンパートメント14は、十分な数の離間した接着剤のストリップ76を含み、そのため、ストリップ全体が、第1のパネル14上の比較的大きい接着剤パッチ22とほぼ同じ正面パネル72の表面積または占有面積をカバーする。理解されるように、接着剤のストリップの数、間隔、傾斜、幅、および長さは、図8および図9の例では、特定の塗布および接着剤の結合力のために必要に応じて変更することができる。
【0030】
他の形態では、図10および図11に示すように、接着剤22を、正面パネル72上において、それらの図に示すような1つまたは複数の円形78など、他の形状で塗布または配設することもできる。円形78は、上記で論じたように、コンパートメント12と14との間の所望の接着強度、接着剤の所望の使用量などに応じて、接着剤部分22の一方または両方を形成することができる。円形を示しているが、矩形、三角形、他の規則的もしくは不規則な多角形、曲線形状、またはそれらの組み合わせなど、任意の適切な形状を利用することができる。接着剤のストリップ76と同様に、両方の接着剤部分22を円形で形成する(図11)ときなどは、パッケージは、コンパートメントを一体となって閉鎖および接着するように円形78を位置合わせすることができる。位置合わせが不適切であると、パッケージが再シールされなくなるか、またはコンパートメント間の接着性が非常に低い状態でパッケージが再シールされることになる。ストリップまたは不連続の形状を利用することによって、その構成により、パックに必要な低粘着性の接着剤の量が削減される傾向になり、これは、同時に、わずかに弱い再シール作用を起こすことができる。さらに、こうした構成は、閉鎖時に様々なストリップまたは不連続の接着剤部分が互いに位置合わせされるときに、単に再シールを可能にする傾向がある。
【0031】
そのように構成されると、パッケージ10を形成するようにカートンブランク28を組み立てることができ、その中間の段階が図6に示されている。パッケージを形成するためには、側方のサイドフラップ36および38を、まず、折り目40および42を中心に折り畳むかまたは概して内側に枢動させることができ、そのため、サイドパネル44が背面パネル34に概して直交し、サイドウイング46が離間し背面パネル34に概して平行になり、持続性の接着剤部分74が外側に背面パネル34から離れる方に向く。次いで、底部フラップ60を折り畳むかまたは内側に背面パネル34に隣接する位置まで枢動させ、そのため、底面パネル70が背面パネル34に概して直交し、正面パネル72が離間し概して背面パネル34に平行になる。次いで、正面パネル72の対向する側方の端部分80を、持続性の接着剤部分74によって、側方のサイドフラップ36および38のサイドウイング46に持続的に固定または添付することができる。あるいは、接着剤部分74を正面パネル端部分80上に配設することもできる。両方のコンパートメントを同様にして作製することができる。
【0032】
このように配置されると、正面パネル72の内面全体に塗布された接着剤ベースの留め具20の接着剤部分22は、ここでは、それぞれ外側に背面パネル34から離れる方に向いている。第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14がそのように形成されると、コンパートメント内部24を介して各コンパートメント12および14内に1つまたは複数の製品16を配設または配置することができる。コンパートメントが所望の量の製品16で満たされると、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14を、図2に示すように接続部18を中心に概して互いに向かってずらすかまたは枢動させ、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14の背面パネル34に軽く内側への圧力を印加することによって共に固定することができ、留め具20の対向する接着剤部分22が一体となって接着される。
【0033】
接着剤ベースの留め具20を適切に機能させるためには、パッケージを形成する基体26の内部強度は、基体の周りの留め具20の剥離強度よりも大きい。したがって、パッケージ10が開放されるときは、パッケージの基体の層間剥離ではなく、剥離力が凝集/凝集結合ライン21(図4)に沿って生じる。接着剤の剥離強度が基体の内部強度を超える場合は、引き裂き、層間剥離、および基体の損傷により、留め具が不適切に機能する恐れがある。一手法によって、パッケージの基体26は、パッケージの基体上にポリマー層を積層またはコーティングすることによって所望の強度を実現することができる。別の手法によって、参照により本明細書にその全体が援用される特許文献1で論じられるような化学的強化剤を、板紙に含浸させることができる。例えば、化学的強化剤はイソシアナートまたはポリイソシアナートとすることができ、それらは、板紙の基体内で水酸基と反応して、硬化したポリウレタン補強材が形成される。他の強化剤を使用することもできる。
【0034】
次に図7に注目すると、一体となって糊付けまたは取り付けられる各コンパートメント12および14用の別々のダイカットブランクを使用して形成したパッケージ10の代替的な形態が示されている。この手法によって、第1のコンパートメント12および第2のコンパートメント14は、同様に構成および形成されるが、接続部18は、別々のセグメント18aおよび18bに分割されている。それらのセグメント18aおよび18bは、後で重ね、接着させるか、または別法で、糊、接着剤、留め具、溶着などによって一体となって固定して、第1のコンパートメント12と第2のコンパートメント14とを接続することができる。例示の形態では、ブランクの第1の部分30は第1の接続部セグメント84を含み、その第1の接続部セグメント84は、背面パネルの折り目54から離れる方に延在する。ブランクの第2の部分32は、背面パネルの折り目54から離れる方に延在する同様の接続用フラップ86を含み、背面パネルの上部の折り目54に隣接する第2の接続部セグメント88と、第2の接続部セグメント86の外側に配置された固定用セグメント90とを有する。次いで、図7に示すように、固定用セグメントに沿って適切な接着剤92を配設することができ、その固定用セグメント上に、第1の接続部セグメント84を重ね、それにより固定することができる。パッケージ10の残りの部分を上記で説明したように形成することができる。
【0035】
折り目40、42、54、56、62、および68は、例えば、刻み目線、けがき線、規則的もしくは不規則なミシン目、リビングヒンジ、しわ、それらの組み合わせ、または他の同様の弱い領域を含む任意の適切な形態をとることができる。さらに、折り目40、42、54、62、および68を、1つまたは複数の成形型、回転成形型、レーザなどを含む任意の適切な手段によって作り出すことができる。
【0036】
一手法によって、パッケージの基体26は、板紙、積層体、厚紙、ダンボール、硬質プラスチック、フォイル、金属、またはそれらの混合物とすることができる。他の手法によって、パッケージの基体26は、この材料の折り畳みの特性が良好なので部分的にSBS(solid bleach sulfate)板紙とすることができる。あるいは、パッケージの基体26を、ポリ塩化ビニル(PVC)など、何らかの他の適切な材料から構成することもできる。
【0037】
別の手法では、パッケージの基体26の少なくとも一部分、場合によっては、外層のうちの接着剤22に接触する部分は、留め具20の接着剤22とパッケージの基体26との間の境界面の結合を強化するように、ポリマーコーティング、層、充填材および/またはシーラント層を含むことができる。一形態では、ポリマーコーティングは、エチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリオレフィン(ポリエチレンなど)、またはそれらのブレンドから選択することができる。使用する場合は、ポリマー層は、接着性を促進する充填材粒子を含むことができる。一形態では、充填材は、少なくともポリマーコーティング、正面パネル72、その上のシーラント層、またはパッケージの基体26の(1つまたは複数の)表層の中または上への、粘土、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、微結晶質シリカ、ドロマイト、タルク、雲母、酸化物(酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタンなど)および他の添加物ならびに/またはそれらの組み合わせのミクロサイズまたはナノサイズの充填材とすることができて、パッケージの基体26への留め具の接着剤22の結合が強化される。
【0038】
具体的には、有機粘土の充填材を使用することができ、一態様では、有機粘土の充填材は有機修飾モンモリロナイトである。有機粘土は、第四アンモニウム塩などの界面活性剤で加工または処理したモンモリロナイト粘土など、有機修飾した自然粘土である。モンモリロナイトは、フィロケイ酸塩族の鉱物であり、典型的には、水和したナトリウムカルシウムアルミニウムマグネシウムシリケート水酸化物を含む。理論で限定することを望むものではないが、有機粘土で充填した基体は、動作可能かつ再閉鎖可能な接着剤ベースの閉鎖具を生産するのを助けることができる。というのは、充填材が低粘着性接着剤とパッケージの基体との間の強い結合の形成を助け、そのため、接着剤はパッケージ10を開放したときにパッケージの基体26から層間剥離しないからである。
【0039】
事実上、粘土の充填材およびある種のポリマーの非融和性のせいで、パッケージの基体26のシーラント層または他のコーティングに使用できるポリエチレンおよびEVAに粘土または他の充填材を拡散することが課題になる場合がある。したがって、融和性のある担体とブレンドされた充填材を含む充填材の組成を利用して充填材を供給することにより、シーラント層への充填材の混合および拡散を促進するのを助ける。一手法によって、粘土充填材を、コーティングに使用または基体に塗布される無水マレイン酸グラフト直鎖低密度ポリエチレン担体(MA−LLDPE)に供給することができる。理論で限定することを望むものではないが、担体の無水マレイン酸の部分は、粘土充填材に関して親和性を有し、担体のポリエチレン部分は、シーラント層の他のポリマーとよく混合する。例示的な粘土充填材の組成は、PolyOne Corporation(Avon Lake、Ohio)から入手することができる。理論で限定することを望むものではないが、極性が高くてよい有機修飾粘土粒子および/または粘土充填材と共に存在する無水マレイン酸グラフト直鎖低密度ポリエチレン(MA−LLDPE)担体合成樹脂が、基体層の表面エネルギーを増大させることによって、基体表面に対する硬化した接着剤コーティングの接着性を促進するように働くと考えられる。
【0040】
さらに、顕微鏡レベルでは、粘土または(1つもしくは複数の)他の充填材添加物が、基体の表面粗さをもたらして、基体の摩擦係数に良い影響を与え、基体とコーティングとの間の利用可能な接触面積を増大させることがあり、それにより、より多くの箇所に化学的および/または力学的な結合が生じるとも考えられている。一手法によって、シーラント層の充填材組成のうちの約0.5重量%から約20重量%は、パッケージの基体26に対する留め具20の結合強度に有益な影響を与え、基体への結合が接着剤部分22間の剥離接着性よりも大きくなり、開放時に留め具20が層間剥離しないことが予期される。さらに、充填材は、基体表面を粗くして、束縛せずにパッケージング装備の金属表面上を自由にスライド可能にすることができ、したがって、ポリマーコーティングまたは層の移動性スリップ添加物(migratory slip additive)を低減するかまたはなくすことができる。
【0041】
場合によっては、基体26上のポリマー層の任意選択の成分は、移動性スリップ添加物を含むことができ、その添加物は、基体と他の表面との間の摩擦係数を低減することを助けて、基体が金属表面またはそれ自体の上を自由にスライドすることができる。一態様では、エルカ酸アミドスリップ添加物(すなわち、不飽和脂肪酸第一アミド)を用意することができる。2000ppmから7000ppmの範囲のスリップ添加物を用いているが、接着が生起できる表面箇所をスリップ添加物がブロックするので、こうした高いレベルでは、接着剤が基体の低エネルギー面に結合することは難しいことが分かっている。しかし、充填材を加えると、約1000ppm未満などずっと低いレベルのスリップ添加物を使用することが可能になる。他の場合には、基体はスリップ添加物を約700ppm未満有するか、またはさらに他の場合にはスリップ添加物を有しない。充填材を使用すると、基体と他の表面との間の摩擦係数が低下するので、移動性スリップ添加物の追加によって前に実現された作用により、移動性スリップ添加物の濃度を低下させるか、またはなくすことが可能になる。典型的に使用するレベルよりも移動性スリップ添加物のレベルが低いと、基体に対するコーティングの結合を妨害する添加物が少ないので、初期の時点でもある期間にわたっても、基体に対する、硬化したコーティングの結合を高めるのを助けることもできる。理論で限定することを望むものではないが、低分子量成分であるスリップ添加物内の脂肪酸アミドは、ポリマー層の表面に移動またはそれを被覆することができ、基体表面と接着剤留め具20との間の結合強度に影響を及ぼすと考えられる。コロナ処理または火炎処理は、最初に、ポリマー層の表面上の脂肪酸アミドを焼き払うことができ、その結果、接着剤の初期の結合強度が良好になる。ある期間にわたって、追加の脂肪酸アミドは、ポリマー層表面に移動またはそれを被覆することができ、それにより、長い保管寿命にわたって結合強度が低下する。
【0042】
さらに、場合によっては、パッケージの基体26に接着剤を塗布する前に、基体は、表面の事前処理を受けて表面エネルギーを増大させ、かつ/または下塗りコートの塗布を受けることができる。例えば、可能な表面処理には、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理などが含まれてよく、または下塗りまたは接着促進剤などの化学的コーティングを使用してもよい。コロナ処理により、基体の表面エネルギーを増大させることができ、これは、コーティングの結合能力を向上させ、基体に結合したままにする。事前コロナ処理は、無数のイオンを含むことができ、それらのイオンは、表面を酸化させ、その表面にコーティングを受容させる。事前コロナ処理は、基本的に、ポリマー基体上の反応性の箇所を酸化させる。コロナ処理の場合は、理想的には、処理後の表面エネルギーは約40ダイン以上になるはずである。
【0043】
理論で限定することを望むものではないが、場合によっては、基体表面のコロナ処理により、基体表面の表面エネルギーが増大するので、コーティング層と基体表面との間の結合を強化するのが助けられると考えられる。コロナ処理に加えて、事前処理を低濃度のスリップ添加物と組み合わせ、かつ基体26内に一緒に充填材組成を組み込むと、再閉鎖可能な留め具と基体との間の結合が強化される。
【0044】
次に、パッケージにガム製品をパッケージングすることに関して、例示的な組み立てプロセスを説明する。組み立てプロセスは、製品が異なる場合は当然に変わる。図面に二点鎖線で示すように、パッケージ10は、細長い板状のガムなどのガムを垂直の向きに保持するようにサイズ設定および構成することができるが、特定の用途の場合に必要に応じて、そのガムをパッケージ内で異なる向きに配置することもできる。典型的には、ガム製品を製造し、次いで、冷却し寝かせる。板ガムおよびスティックガムは、ガム製品を圧延してシート状にし、レーンごとに切り分け、次いで、個々の部片になるように刻み目を入れることによって用意される。場合によっては、ガムの個々の板を別々のろう紙で個別に包装し、次いで、このようにして包装したこうしたガム板の列を、フォイルのハーフポーチ(図示せず)に配置できることが有用な場合がある。ガムのパッケージは同時に組み立てておく。場合によっては、カートンの基体は、印刷し、切断し、刻み目を入れることができ、接着剤は、所望の剥離力のために所望のパターンおよび厚さで、その上に印刷または塗布する。次いで、カートンブランクを折り畳み、充填し、組み立て、閉鎖し、開封テープを有する透明のフィルム(図示せず)を外側に取り付けることができる。12個のこうしたパッケージを有するディスプレイトレイを用意することができ、これらのディスプレイトレイを透明のフィルムで上から包み、次いで、それらを、波形の輸送容器に配置し、パレット化し、次いでシュリンク包装する。次いで格納し、配送センターに輸送する。他の場合には、必要に応じてトレイは保持するパックを増やしても減らしてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、ガム板は、そのパッケージまたはコンパートメントに接着または別法で取り付けることができる。それにより、ガム板が落ちたりパッケージ内でひっくり返ったりしないようにすることができる。したがって、ガム板を、解放可能に固定するか、またはパッケージにもしくはその中に取り付けることができる。ガム板をパッケージに接着させる可能性は多くある。そのうちの一つは、パッケージ中に配置する前に、フォイルのハーフポーチ、紙もしくはプラスチック製のストリップ、巻き付けバンド、または(本明細書ではまとめて「シート」と呼ぶ)他のタイプのシート状の材料の中または上にガム板を配置することである。そのシートは単一の層または複数の層を含むことができる。それらの層の一つは、ガム板がパッケージ内にあるときにガム板が吸収する水分量を減らす吸湿防止材を含むことができる。
【0046】
シートを使用する代替例として、シートを使用せずに直接ガム板をパッケージ中に配置することもできる。それらの板(またはその包装)は、パッケージ中に直接配置されると、そのパッケージに接着してもしなくてもよい。例えば、ガム板を、ろうまたは他の接着剤によって1つまたは複数のパッケージの内面に接着させることができる。ろうまたは接着剤は、複数のガム板に接着する、1つもしくは複数のストリップまたはバンド状の接着剤に含まれるかまたは設けられてよい。パッケージ自体は、ガム板に接着するためにパラフィンまたは他のろう引き材料をその内面に含むことができる。あるいは、パッケージの1つまたは複数の内面上に、複数のろうまたは接着剤の点または領域を作り出すことができ、それぞれ、1つまたは複数のガム板またはガム板周りの包装に取り付けられる。ガム板周りの包装を使用する場合は、ガム板をパッケージに接着させるのに使用する接着剤により、包装をパッケージに接着させる。接着剤の結合は、包装がパッケージから外れる可能性を防止または低減するのに十分に強くすることができる。したがって、包装は、ガム板がパッケージおよび包装から取り出されるときにパッケージ内に残っている。あるいは、包装とパッケージとの間の接着剤結合は、包装およびガム板をパッケージから取り外すことができるが、包装内のガム板をパッケージから落ちたりパッケージ内でひっくり返ったりしないように十分に強くなるようにすることができる。参照によりその全体が本明細書に援用される特許文献2に、いくつかの例を提示することができる。
【0047】
別の代替例として、パッケージ内でシートが使用されているかどうかに関わらず、ガム板を互いに接着させることができる。例えば、ドロップまたはストリップ状の接着剤を、ガム板またはその包装が互いに保持されるようにガム板またはその包装上に配置することができる。ドロップまたはストリップ状の接着剤を、ガム板の1つまたは複数の面に配置することができ、そのガム板は、横に並べた構成でパッケージ内に配置することができる。同じまたは異なる接着剤を使用してガム板を容器および/またはシートに接着させることもできる。
【0048】
シートがある場合は、何らかのタイプの低温または高温の接着剤でガム板をシートに接着させることが可能であり、次いで、シートの外側部分をパッケージの内面または壁に接着させることができる。1つまたは複数の接着剤のストリップ、点、または他の領域を使用して、シートをパッケージの1つまたは複数の内面に接着させることができる。あるいは、シートをパッケージに接着させる必要はなく、単にパッケージの内側に配置することができる。板をシートに接着させず、そのときにシートをパッケージに接着させることが望ましい場合がある。あるいは、シートをパッケージに接着させる必要がない。
【0049】
可能性の一つは、シートおよびガム板の両方をパッケージの1つまたは複数の内面または壁に接着させることを含む。例えば、ガム板がシート上または中に配置されるときにガム板の部分しかカバーしないシートまたはポーチを使用することもでき、そのため、シートおよびガム板がパッケージの内側に配置されるときに、板(またはその包装)の上部分がシートの縁部の上方に延在する。ストリップ状の接着剤を、パッケージのガムコンパートメントの内側の背面壁において、ポーチの上側縁部とほぼ同じ高さかまたはそれに重なる位置に塗布することもできる。接着剤のストリップが十分に大きい場合は、ポーチおよびガム板の上部分の両方がパッケージの内面に貼り付くことを可能にすることもできる。あるいは、異なる2つのストリップ状の接着剤を使用することもでき、一方は板(またはその包装)をパッケージに接着させ、もう一方はシートを1つまたは複数の内壁またはパッケージ表面に接着する。これらの2つのストリップ状の接着剤は、パッケージの同じ内側の背面壁に配置することもでき、または、例えば、パッケージの内側の背面壁にある一方がガム板の上部分をパッケージの内側の背面壁に接着し、パッケージの内側の正面壁にあるもう一方がシートをパッケージの内側の正面壁に接着することもできる。
【0050】
上記で説明したパッケージ10は板ガムに関して説明しているが、他の食品または食品以外の物に対しても機能するように適合することもできる。さらに、各コンパートメントは、大型のガムを1個程度保持することもできる。さらに、本明細書で説明するパッケージを使用して、他のタイプの消耗品(例えば、クッキー、チョコレートバー、タフィ、トフィ、フルーツロールアップスなど)を個別に保持することもできる。あるいは、写真、クーポン、チケット、切手、パズル、ゲーム機など、食料品以外の製品を販売、郵送、配布、または保持するために使用することもできる。パッケージ内の個々のアイテムは、全て同じでもよく、一体となって組み立て可能な異なるアイテムでもよく、食料品の場合は、異なるタイプまたは風味でもよい。パッケージは、錠剤、ビタミン、口腔ケアストリップなどの薬品もしくは栄養補助食品、または咀嚼するかもしくは飲み込むことができないアイテム(例えば、かみタバコ、歯肉の疾患のための鎮痛ストリップなど)を保持するために使用することもできる。
【0051】
理解できるように、接着剤ベースの留め具およびパッケージの設計には多くの利点がある。一つには、その設計により、タブをスロットに差し込む構成を有するより一般的なフラップタイプの閉鎖具と等価の再閉鎖機能がもたらされるが、タップが不要なので、パッケージを形成するのに最大で約20パーセント少ない材料しか使用しない。別の利点は、従来のパッケージに見られる互いに隣接する2列以上のガム板と比べて、単一の列のガム板など、単一の列の製品のためにパッケージをサイズ設定できるカートン構成と、接着剤ベースの再閉鎖機能を組み合わせる。その場合は、一度に単一の部片を抜き出すことがより簡単であり、残りの部片はパッケージから落下する可能性が低い。さらに、パッケージ10の外観は満足のいく人前に出せるものであり、これは、ガム製品を他の人と分けるのを助けることができる。さらに、パッケージは、しっかりと閉鎖し、簡単で単一の動きでガム製品を完全に封入する。ユーザは、狭いスロットに小さいタブを挿入するのに不器用にいじる必要がない。パッケージは、単に指を使ってパッケージを一緒に押圧するだけで片手でしっかりと閉鎖することができる。
【0052】
次に接着剤22の細部に注目すると、低粘着性接着剤の一例が、参照によりその全体が本明細書に援用される2010年2月26日出願の米国特許仮出願第61/308,540号明細書に記載されている。一手法によって、対向する接着剤部分22をそれぞれ、加熱可能な液体コーティング混合物の形態で供給し、約160°F(71℃)などの温かい温度であるが約86°F(30℃)から約190°F(88℃)の範囲とすることができる温度で、パッケージの基体26に所望のパターンで塗布することができる。コーティングを塗布した後で、添加の光開始剤を含有できるその塗布したコーティング混合物にUV処理を行って、そのコーティングを硬化(重合)させ、パッケージの基体上に一様の接着剤ベースの留め具20を形成することができる。一態様では、塗布コーティングの厚さは、約0.0005インチ(0.00127cm)とすることができるが、約0.0001インチ(0.000254cm)から約0.005インチ(0.00127cm)の範囲とすることができる。しかし、パッケージの設計、構成、および要件に応じて、ずっと厚いコーティングを塗布することができる。一手法によって、コーティング混合物は、除去する必要があるどんな溶剤も含有せず、高速コーティングおよび印刷ライン上でパッケージの基体に簡単に塗布することができる。
【0053】
接着剤の第1の成分は、1つまたは複数のUV硬化可能なアクリル系オリゴマーまたはアクリル酸オリゴマーである。例えば、UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーは、複数の反応基または官能基(すなわち、アクリル酸またはメタクリル酸オリゴマー)を有するアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルでよく、通常、官能基はUV反応性の箇所を1つ含む。UV反応性箇所は、最も一般的には、エステルカルボニル基など、別の不飽和箇所に共役な炭素−炭素二重結合である。一手法によって、UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーは、多官能価アルコールのアクリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルであり、これは、オリゴマーが、炭化水素骨格のオリゴマー上に2以上のアクリル化またはメタクリル化した水酸基を有することになる。一手法によって、接着剤は、官能価が約1.2から約6.0の約1重量%から約90重量%のUV硬化可能なアクリル酸オリゴマーを含むことができる。別の手法では、UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの官能価は約2.0から約3.0でよく、かつ/またはそのアクリル酸オリゴマーを接着剤内に約20重量%から約70重量%の量で供給することができる。
【0054】
一形態では、多官能価のUV硬化可能なアクリル酸エステルは、反応性官能価が2.0以上の植物油のアクリル酸エステルである。別の態様では、UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーは、エポキシ化したアクリル系大豆油を含むことができる。通常、(本明細書で論じる)好ましい接着剤の成分比(ACR)に基づいて、使用されるUV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの量は、最終的な接着剤の特性に影響を及ぼすことがある。例えば、好ましいACRに基づいてUV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの量が少なすぎる場合は、最終的な接着剤の硬化速度が過度に遅くなる。他方では、好ましいACRに基づいてUV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの量が多すぎる場合は、最終的な接着剤は、適切に硬化することができるが、シールおよび再シールのための自己接着特性が不適切になる恐れがある。
【0055】
接着剤の第2の成分は粘着性制御剤である。一手法によって、接着剤は、粘着性制御剤を約1重量%から約65重量%含むことができる。別の手法では、粘着性制御剤は、約20%から約65%の量だけ存在することができる。粘着性制御剤は、粘着性合成樹脂または硬化可能なポリマー/モノマーの組み合わせを含むことができ、これは、硬化したときに、再閉鎖可能な留め具20に適した所望のレベルの粘着性および自己接着特性をもたらすことができる。一態様では、粘着性制御剤は、脂肪族ウレタンアクリル化オリゴマーを含むことができる。UV硬化可能なPSA接着剤に適切な他の多くのタイプの粘着性制御剤を、再閉鎖可能な接着剤システムにおいて使用することもできる。
【0056】
接着剤の任意選択の第3の成分は、少なくとも1つのエラストマー成分またはゴム成分である。一手法によって、エラストマー成分は、水酸基末端エラストマーポリマー(すなわち、エラストマーポリオール)の少なくとも1つの硬化可能なアクリル化(すなわち、アクリル酸修飾)エステルまたはメタクリル化エステルを含むことができる。こうしたエラストマー成分は、アクリル酸修飾ポリブタジエン、飽和ポリブタジエンおよび/または軟質ポリウレタンを含むことができる。一態様では、メタクリル化ポリブタジエンを供給することができる。接着剤に使用するときは、エラストマー材料を約0%から約20%の量で供給することができる。一態様では、エラストマー材料は約5%から約15%の量で供給される。エラストマー成分なしで、本明細書で説明するような所望の低粘着性で再シール可能な特性を有する満足の行く接着剤を作製することができるが、エラストマー成分が最適なコーティング性能を実現するのを助けると考えられる。最適な接着剤性能は、いくつか例を挙げると、自己接着性、粘着性、粘度、および硬化速度などの特性によって定義することができる。エラストマー成分は、剥離強度特性、基体接着性強度、軟性の強化、粘度の制御、および硬化速度の調整のために有用である。
【0057】
本明細書で説明するようなパッケージの基体に対する剥離性、粘着性、および結合のバランスを実現するためには、3つの接着剤成分の量がエラストマー成分および粘着性成分に対するアクリル系オリゴマーの特有の接着剤成分比(すなわち、ACR)の範囲内に含まれる必要があると判定されている。好ましくは、接着剤のACRは、
(アクリル系オリゴマーの重量%)/(エラストマー材料の重量%+粘着性制御剤の重量%)=0.5から1.5
である。別の手法では、ACRは約0.8から約1.5の範囲内とすることができる。
【0058】
その配合の3つの成分のACRの範囲は、接着剤の固有の配合に、同様でない物質(すなわち、機械構成要素、小片、微粒子、食品の欠片など)に対する低粘着性特性をもたらすことが分かっているが、汚染に抵抗すると共にそれらの間のシールを維持するのに十分な結合強度または剥離強度でそれ自体をシールすることができる。この特有のACRの接着剤は、繰り返しの開閉動作を受ける際にシール−剥離−再シールの質を大幅に低減させないかまたは失うことがない再シール可能な機能ももたらす。接着剤が硬化するのに非常に多くの量のUVエネルギーを必要とするので、約0.5未満のACR値は通常望ましくない。ACRが約1.5超の場合は、接着剤は、すぐに硬化するが、剥離強度も低い(またはない)ことになり、これは、本明細書の接着剤閉鎖具にとって受容することができない。ACRの所望の範囲に加えて、満足の行く接着剤の配合は、場合によっては、成分の混合安定性、その配合のある一定の粘度、ある一定の硬化速度、および/またはある一定の剥離強度など、ある一定の他のパラメータを有することもできる。
【0059】
接着剤成分のACRが望ましいだけでなく、接着剤成分は、安定した流動可能な液体混合物を形成するように互いに融和性でもなければならない。本明細書で使用するように、接着剤は、(最低でも2または3の主成分)が均質の液体のままであるときに安定している、すなわち、最大3日間室温(約70°F〜75°F)(21.1℃〜23.9℃)に維持される間に、成分の目に見える相分離がなく、ゲルが形成されないと考えられる。
【0060】
さらに、接着剤の配合は、粘度が、室温のときに約10,000から約50,000センチポアズ(cPs)以下、または約160°F(71℃)で約2000cPs以下、場合によっては、160°F(71℃)で約200cPs以下の範囲とすることができる。こうした粘度範囲により、接着剤をフィルム状の基体に従来の印刷、圧延コーティング、またはスロットダイ塗布技法を用いて塗布することが可能になる。
【0061】
十分に硬化する接着剤層を基体上に作製するには、約100mj/cmから約800mj/cmの範囲のエネルギーを送出できるUV光源を用いて接着剤を硬化させることができる。これは、さらに、(本明細書でさらに詳細に論じるように)約100回以上の2重摩擦のMEK摩擦抵抗試験値(ASTM D5402−06)によって判定されるように、接着剤が十分に硬化するのを助ける。
【0062】
適切に硬化した接着剤の初期の平均剥離強度は、ASTM D3330/D3330M−04方法Fによって測定される、約200gpli(78.7gplcm)から約900gpli(354gplcm)、具体的には約280gpli(110gplcm)から約800gpli(315gplcm)の範囲とすることができる。接着剤はまた、開閉動作を繰り返した後でその平均の剥離を保持するように設計されている(すなわち、接着性の保持)。好ましくは、硬化した接着剤は、剥離−再シールサイクルを最大で少なくとも5回繰り返して約280gpli(110gplcm)と約800gpli(315gplcm)との間にその初期の平均剥離接着性を保持することができる。好ましくは、剥離−再シール−剥離の際の接着性の保持値は、初期の値の約30%と約200%との間とすることができる。接着剤がクラッカなどのデブリで汚染される際には、接着性の保持値は、初期の値の約30%から約150%の間にすることができる。
【0063】
例示的なクラッカまたは小片の汚染試験は、以下のステップから構成される:まず、Triscuit(登録商標)クラッカを入手し、それをガラス容器の底部を用いて砕く。このようにして壊したクラッカは小粒子になる。次に、直径の2インチ(5.08cm)のリング状の固定具を、試験するサンプルの接着剤上に配置した。約5グラムの小片を、サンプル上にリング状に配置した。サンプルおよびリングをそっと前後に動かして、再閉鎖可能な留め具の接着剤表面上に小片を落ち着かせた。サンプルからリングを取り除き、サンプルから小片をそっと払いのけ、配設した。そのリングを基体上の元の位置に再度配置し、保持された小片の量について小片に曝露した領域を視覚的に評価した。視覚的評価の尺度にゼロから100を用いた。ゼロは、保持された小片が見えないことを意味し、100は、表面全体が接着した小片でカバーされることを示す。汚染後に、接着剤を再シールし、接着剤の結合力を汚染されていない接着剤の結合力と比較する。
【0064】
一部の手法によって、硬化プロセスの開始を助けるためにUV光開始剤を接着剤に加えることもできる。光開始剤は約0.1%から約5%の量で存在することができる。一態様では、光開始剤は、ベンゾフェノン誘導体と共力薬化合物とのブレンドを含むことができる。共力薬化合物は、励起状態のベンゾフェノン分子と相互作用して電子移行および水素の水抜きによって遊離基を形成する化合物である。一例は、トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、α−ヒドロキシケトン、およびベンゾフェノン誘導体を含む混合物であり、共力薬化合物は列挙したうちの最初の2つの化合物を含む。別の態様では、光開始剤は、UV光によって活性化されるオニウム塩または他の酸性物質を含むことができる。バインダは、エポキシド、ビニルエステルなどのカチオン反応性材料から構成することができる。これらは、任意選択で、カルボン酸基、水酸基、または他の求核基で官能化された合成樹脂と架橋することもできる。
【0065】
他の例示的なパッケージの構造を図12および図13に示す。図12に示すように、カートン100は、細長い箱の形態であり、対向する正面壁102およびリア壁104と、正面壁102とリア壁104との間を延在する側壁106とを有する。このタイプのパッケージでは、カートン100の上側端部が開放し、端部のフラップ108が正面壁102およびリア壁104から離れる方に延在し、サイドフラップ110が側壁106から延在する。カートン100の開放端を閉鎖する一手法は、まず、折り目112を中心にサイドフラップ110を枢動させるかまたは折り畳み、次いで、折り目114を中心に端部フラップ108を上から重なるように枢動させるかまたは折り畳むことを含む。この用途では、接着剤ベースの留め具20、具体的にはその接着剤部分22を、上記で説明したように、カートン100を再閉鎖できるように端部フラップ108の対向する面116上に配設することができ、そのため、端部フラップ108が重なったときに接着剤部分22が互いに係合または接触する。
【0066】
図13に示す別の手法によって、単一のヒンジフラップ202を用いる封筒またはサシェの形態のパッケージ200が示されており、そのフラップ202は、封筒本体に折り目204によって接続されている。こうした構成では、フラップ202を、封筒の開口部206をカバーするように枢動させるかまたは折り畳むことができる。有利なことに、接着剤ベースの留め具20は、上記で説明したように、フラップ202の内面208上に配設された一方の接着剤部分22と、パッケージ200の本体210の外側の主要面上に配設された他方の接着剤部分22とを有することができる。こうした構成により、フラップ202をパッケージ本体210に接着させることによってパッケージ200を繰り返し開閉することが可能になる。留め具20を、特定の用途の場合に必要に応じて他のタイプの箱、カートン、パッケージなどに使用することもできる。
【0067】
図14および図15に注目すると、パッケージ10を形成する例示的な方法が示されている。概して、図14に示す方法800に従ってパッケージ10を作り出すことができる。一手法によって、低粘着性接着剤をパッケージの基体に適切なパターンで塗布する(802)。次いで、低粘着性接着剤を硬化させる(804)。接着剤ベースの留め具20をパッケージの基体上に塗布し硬化させると、パッケージの基体はパッケージ10を形成するように準備ができる(806)。パッケージ10は、形成されると、次に、食料品などで充填することができる。
【0068】
より具体的には、図15に示すように、パッケージの基体にパッケージ形成プロセス900を実施する。まず、図表および/または英数字の内容を、パッケージの基体上に印刷する(902)か、または別法で、配設することができる。これは、被覆塗料などをパッケージの基体上に印刷すること(902)を含むこともできる。その印刷は、例えばフレキソ処理、オフセット印刷、またはグラビア印刷を含む任意の適切なプロセスによって行うことができる。次いで、その印刷を乾燥させること(906)ができる。所望の場合は、基体にポリマーコーティングを塗布することもできる。次に、スロットダイコーティング、フレキソ印刷、またはグラビア印刷など、適切なプロセスによって、低粘着性接着剤を基体に塗布すること(906)ができる。次いで、低粘着性接着剤を硬化させる(908)。硬化の後に、1つまたは複数の成形型、回転成形型、レーザなど、任意の適切なデイバスによってパッケージの基体を切断して1つまたは複数のブランクなどにし、後で使用するために積み重ねること(910)ができる。使用が望まれるときには、ブランクをパッケージングラインに送り出す(912)。あるいは、ブランクを、パッケージングラインでインライン式に形成することができる。パッケージングライン上では、コンパートメント12、14は、様々な折り目を中心にブランクを折り畳み、ブランク28の正面ウイング46に持続性の接着剤74を塗布し、正面パネル72を正面ウイング46に接着させることによって形成される。図7に示すパッケージの形態に適用可能な場合は、持続性の接着剤を使用して別々のコンパートメント12、14を一体となって接着すること(916)ができる。コンパートメント12、14が作られると、それらを1つまたは複数の製品16で充填し(918)、図3に示す閉位置までブリッジ18を中心に枢動させることができる。次いで、充填されたパッケージ10を、透明の外装フィルムで包装し(920)、外側のマスタポーチまたはパッケージ内で組み立て、他の包装パッケージでシールすること(922)ができる。複数の外側のマスタポーチまたはパッケージを1つまたは複数の容器にパックし(924)、消費者、小売店などに届ける。
【0069】
あるいは、低粘着性接着剤を、そのプロセスの他の段階でパッケージに塗布することができる。例えば、低粘着性接着剤を、特定の用途の場合に必要に応じて、ダイカット910後に、カートンを形成(914)した後に、または充填(918)した後に塗布することができる。
【0070】
記載したパッケージの本質を説明するために本明細書に記載および例示したパッケージの細部、材料、および構成、ならびにその形成プロセスに、添付の特許請求の範囲で示す実施したパッケージおよび方法の原理および範囲を有する様々な変更を実施できることが当業者には理解されよう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パッケージであって、
第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントと、
前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメントとの間の接続部であって、前記コンパートメントが、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントが互いに隣接する閉鎖した構成と、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントが互いに離れる方に移動した開放した構成との間を、移動するように構成された、接続部と、
前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメント上に配置された対向する接着剤部分を含む再閉鎖可能な接着剤ベースの留め具であって、前記対向する接着剤部分が、前記パッケージが前記閉鎖した構成のときに一体となって接着され、前記パッケージを繰り返し開閉できるように剥離および再シールを繰り返す結合になるように構成された、再閉鎖可能な接着剤ベースの留め具と
を備えることを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントが、背面壁、正面壁、底面壁、および1対の側方の側壁によって画定されることを特徴とする請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記対向する接着剤部分が、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの前記正面壁の主要面上に配設されることを特徴とする請求項2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記接続部が、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの前記1対の側方の側壁の幅にほぼ等しい距離だけ、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの端部間を延在することを特徴とする請求項2または3に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記接続部が、前記第1のコンパートメントの前記背面壁と前記第2のコンパートメントの前記背面壁との間を延在することを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項6】
前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの前記正面壁が、部分的な壁であり、そのため、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの内部の空隙にアクセス可能であることを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項7】
前記対向する接着剤部分が、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメント上において複数の不連続の部分に配設されることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項8】
前記第1のコンパートメント、前記第2のコンパートメント、および前記接続部が単体の構造を有することを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項9】
前記第1のコンパートメント、前記第2のコンパートメント、および前記接続部が、前記接続部においてヒンジ接続されたクラムシェル状のカートンを形成することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項10】
前記接着剤が、少なくとも1つのUV硬化可能なアクリル酸オリゴマーと、少なくとも1つの粘着性制御成分と、任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料とを含む、UV硬化性の感圧接着剤を含み、
前記UV硬化性の感圧接着剤が、式(A)によって定義される接着剤成分比(ACR)を含み、前記式(A)では、前記粘着性制御成分および任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料の重量パーセントの合計に対する前記UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの重量パーセントが約0.5から約1.5であり、
(UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの重量%)/(粘着性制御成分の重量%+エラストマー材料の重量%) (A)
前記ACRが、前記UV硬化性の感圧接着剤が、約200グラム/リニアインチ(gpli)から約900gpliの前記対向する接着剤部分間の最初の剥離接着性を有し、前記対向する接着剤部分間の最大5回の後続の剥離接着性が、前記最初の剥離接着性の約30パーセントから約200パーセントになるようになっていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項11】
前記対向する接着剤部分間の結合強度が、前記各接着剤部分と、それぞれ前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントとの間の結合強度よりも低いことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項12】
前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの少なくとも外側部分が、前記コンパートメント上に配置された接着性を促進する充填材粒子を含み、その結果前記接着剤に係合することを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項13】
前記再閉鎖可能な接着剤ベースの留め具にポリマーコーティングが塗布されるように、そのパッケージ上に配置された前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメント上にポリマーコーティングをさらに備えることを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項14】
前記ポリマーコーティングが、有機修飾した層、フィロケイ酸塩、炭酸カルシウム、モンモリロナイト、ドロマイト、タルク、雲母、およびそれらの混合物から選択された充填材を含むことを特徴とする請求項13に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントが、厚紙、板紙、積層体、ダンボール、またはそれらの混合物から選択された基体から構築されることを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項16】
前記基体が、板紙であり、前記板紙上にポリマー層を有することを特徴とする請求項15に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記基体が、イソシアナートを含む化学的強化剤に含浸されることを特徴とする請求項16に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記対向する接着剤部分間の最初の剥離接着性が、約200グラム/リニアインチ(gpli)から約900gpliであり、前記対向する接着剤部分間の後続の剥離接着性が、前記最初の剥離接着性の約30パーセントから約200パーセントであることを特徴とする請求項1から17のいずれかに記載のパッケージ。
【請求項19】
パッケージを形成する方法であって、
再シール可能な接着剤の第1の部分および第2の部分をパッケージブランクに塗布するステップと、
前記再シール可能な接着剤の第1の部分が第1のコンパートメントの正面壁上に配置されるよう、少なくとも前記正面壁を有する第1のコンパートメントを画定するように前記パッケージブランクの一部分を折り畳むステップと、
前記再シール可能な接着剤の第2の部分が第2のコンパートメントの正面壁上に配置されるよう、少なくとも前記正面壁を有する第2のコンパートメントを画定するように前記パッケージブランクの一部分を折り畳むステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
前記再シール可能な接着剤の前記第1の部分および前記第2の部分を前記パッケージブランク上に塗布するステップが、液体接着剤を前記パッケージブランク上に塗布するステップと、前記液体接着剤を硬化させて前記再シール可能な接着剤を作り出すステップとを含むことを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記接着剤を塗布する前にポリマー層を前記パッケージブランク上に塗布するステップをさらに含み、前記ポリマー層が少なくとも有機粘土充填材を含むことを特徴とする請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記接着剤を塗布する前にイソシアナートを含む化学的強化剤を前記パッケージブランクに含浸させるステップをさらに含むことを特徴とする請求項19から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記第1のコンパートメントと前記第2のコンパートメントとの間を延在する接続部を中心に前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントを枢動させて、前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントの前記正面壁を互いに隣接して配置して前記再シール可能な接着剤の第1の部分および第2の部分を一体となって接着するステップをさらに含むことを特徴とする請求項19から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記再シール可能な接着剤が、少なくとも1つのUV硬化可能なアクリル酸オリゴマーと、少なくとも1つの粘着性制御成分と、任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料とを含む、UV硬化性の感圧接着剤を含み、
前記UV硬化性の感圧接着剤が、式(A)によって定義される接着剤成分比(ACR)を含み、前記式(A)では、前記粘着性制御成分および前記任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料の重量パーセントの合計に対する前記UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの重量パーセントが、約0.5から約1.5であり、
(UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの重量%)/(粘着性制御成分の重量%+エラストマー材料の重量%) (A)
前記ACRが、前記UV硬化性の感圧接着剤が、約200グラム/リニアインチ(gpli)から約900gpli(354gplcm)の前記対向する接着剤部分間の最初の剥離接着性を有し、前記対向する接着剤部分間の最大5回の後続の剥離接着性が、前記最初の剥離接着性の約30パーセントから約200パーセントになるようになっていることを特徴とする請求項19から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
折り畳んだパッケージを形成するために折り畳むことが可能なブランクであって、
中心ブリッジ部分と、
前記中心ブリッジ部分の両側に接続された第1の端部分および第2の端部分であって、折り畳まれて第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントになるように構成された、第1の端部分および第2の端部分と、
前記第1の端部分および前記第2の端部分のそれぞれに配設され、形成された第1のコンパートメントおよび第2のコンパートメントを枢動して一体となって接着した低粘着性接着剤によって閉鎖できるように配向される、低粘着性接着剤と
を備えることを特徴とするブランク。
【請求項26】
前記第1の端部分および前記第2の端部分がそれぞれ、上縁部、底縁部、および側方縁部を有する背面パネルを含み、前記背面パネルが、一縁部に沿って前記中心ブリッジ部分に枢動可能に接続されており、サイドパネルが、前記側方縁部に沿って前記背面パネルに枢動可能に接続されており、正面ウイングが、前記サイドパネルのうちの前記背面パネルの反対側の縁部に枢動可能に接続されており、底面パネルが、前記底縁部に沿って前記背面パネルに枢動可能に接続されており、正面パネルが、前記背面パネルのうちの前記底面パネルの反対側の縁部に沿って前記底面パネルに枢動可能に接続されていることを特徴とする請求項25に記載のブランク。
【請求項27】
前記第1のコンパートメントおよび前記第2のコンパートメントを形成するように前記正面ウイング上に配設された持続性の接着剤部分をさらに備えることを特徴とする請求項25または26に記載のブランク。
【請求項28】
前記低粘着性接着剤が、式(A)によって定義される接着剤成分比(ACR)を含み、前記式(A)では、前記粘着性制御成分および任意選択の少なくとも1つのエラストマー材料の重量パーセントの合計に対する前記UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの重量パーセントが約0.5から約1.5であり、
(UV硬化可能なアクリル酸オリゴマーの重量%)/(粘着性制御成分の重量%+エラストマー材料の重量%) (A)
前記ACRが、前記UV硬化性の感圧接着剤が、約200グラム/リニアインチ(gpli)から約900gpliの前記対向する接着剤部分間の最初の剥離接着性を有し、前記対向する接着剤部分間の最大5回の後続の剥離接着性が、前記最初の剥離接着性の約30パーセントから約200パーセントになるようになっていることを特徴とする請求項25から27のいずれかに記載のブランク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公表番号】特表2013−521195(P2013−521195A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555131(P2012−555131)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際出願番号】PCT/US2011/026006
【国際公開番号】WO2011/106486
【国際公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【出願人】(508247877)クラフト・フーヅ・グローバル・ブランヅ リミテッド ライアビリティ カンパニー (53)
【Fターム(参考)】