説明

接続ユニット、電子機器、及びユニットハーネスの組み付け方法

【課題】接続対象物がハーネスによってコネクタに接続されると共にそのコネクタにおける特定の2つの端子間が短絡線によって短絡されてなる接続ユニットにおいて、当該接続ユニットや当該接続ユニットが装着される電子機器全体の大型化、コストアップを抑えつつ、ハーネスと短絡線がばらけるのを防ぎ、これにより作業性の悪化を防ぐ。
【解決手段】電池ユニット側コネクタ15には、一端側がバックアップ電池に接続されている電池接続用ハーネス13、及び短絡線23が接続されている。電池接続用ハーネス13と短絡線23は、これら両者のうち一方(例えば短絡線23)が他方(例えば電池接続用ハーネス13)に巻き付けられた構成となっている。これにより、電池接続用ハーネス13と短絡線23のうち少なくとも一方は他方によってその動きが規制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器内の本体ユニットに接続される接続ユニット、この接続ユニットが接続された電子機器、及び、接続ユニットを構成するユニットハーネスの組み付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パーソナルコンピュータやファクシミリ装置、複合機などの各種電子機器においては、内蔵時計の動作用電源、或いはメモリのデータ保持用のバックアップ用電源などとして、電池(以下「バックアップ電池」ともいう)が内蔵されている。
【0003】
このバックアップ電池は、電子機器内の本体ユニット(例えばプリント基板)に直接配置される場合もあるが、リード線によってバックアップ電池がコネクタに接続されてなる電池ユニットを構成し、この電池ユニットのコネクタを本体ユニット側のコネクタに接続することで電池の電力を本体ユニットへ供給するように構成されたものも知られている。
【0004】
また、上記のように本体ユニットに電池ユニットが接続されて動作する電子機器以外にも、本体ユニットに他の何らかの部品・ユニット等がコネクタを介して接続されて動作する電子機器は、多種に渡る。
【0005】
そして、このように本体ユニットに対して他の接続ユニット(上記の電池ユニットを含む)が接続されて動作する電子機器においては、本体ユニット側が、接続ユニットの接続の有無や種類等の情報(以下「接続ユニット情報」ともいう)を取得できるように構成される場合がある。その具体的な構成例として、互いに接続される本体ユニット側のコネクタ及び接続ユニット側のコネクタに、接続ユニット情報の取得用の端子を2つ設け、接続ユニット側のコネクタにおいてその2つの端子間をリード線により短絡したものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
特許文献1には、電子回路ユニットにコネクタを介して燃焼器が接続された燃焼装置において、電子回路ユニットが接続対象の燃焼器の機種(上記の接続ユニット情報に相当)を判別するために、双方のコネクタにその判別用に2つの特定端子を設け、そのうち燃焼器側のコネクタにおいてはその2つの特定端子間を開放させるか又はリード線により短絡させることが記載されている。電子回路ユニットは、燃焼器が接続された際、2つの特定端子間が短絡されているか否かによって、接続された燃焼器の機種を判別する。
【0007】
上記の電池ユニットを備えた電子機器についても、特許文献1に記載された燃焼装置と同様に、電池ユニット側のコネクタに特定の2つの端子を設けて両者間を短絡することにより、本体ユニット側が電池ユニットの接続の有無を検出できるよう構成されたものが知られている。このように構成された電子機器に用いられる電池ユニットの一例を、図7(a)に示す。
【0008】
図7(a)に示す従来の電池ユニット100は、複数のボタン電池からなるバックアップ電池108と電池ユニット側コネクタ107とが電池接続用ハーネス103によって接続された構成となっている。電池接続用ハーネス103は、一端がバックアップ電池108の正極に接続された正極リード線101と、一端がバックアップ電池108の負極に接続された負極リード線102とにより構成されている。
【0009】
電池ユニット側コネクタ107は、4つの端子が一列に配列された構成となっており、このうち中央部の2つの端子にはそれぞれ正極リード線101の他端と負極リード線102の他端が接続されている。一方、4つの端子のうち両端部の2つの端子は、図示しない本体ユニットがこの電池ユニット100の接続の有無を検出するために設けられたものであり、この両端部の2つの端子間はリード線(短絡線)105によって短絡されている。
【0010】
本体ユニット側にも、この電池ユニット100の電池ユニット側コネクタ107が接続されるコネクタが設けられている。そして、双方のコネクタが接続されることで、バックアップ電池108の電力が本体ユニット側へ供給される。また、本体ユニットは、本体ユニット側のコネクタにおける、電池側コネクタ107の両端部の2つの端子が接続される2つの端子間が電気的に開放状態となっているか短絡状態となっているかに基づいて、電池ユニット100の接続の有無を検出する。
【0011】
ところで、図7(a)に例示した従来の電池ユニット100は、2本のリード線101,102からなる電池接続用ハーネス103と短絡線105とにより、全体として1つのハーネス(以下「ユニットハーネス」という)が構成されている。
【0012】
しかし、ユニットハーネスを構成する電池接続用ハーネス103及び短絡線105は、互いに独立していてばらけやすい状態になっている。そのため、電池接続用ハーネス103と短絡線105がばらけた状態になればなるほど、電子機器の組み立て時や電池ユニット100のハンドリング時(コネクタ挿抜時)等の各種作業時にユニットハーネスが邪魔になって、作業性が悪化するおそれがある。
【0013】
そこで従来は、ユニットハーネスがばらけた状態になるのを防ぐために、図7(b)のように、ユニットハーネスを熱収縮チューブ109で固めるようにしていた。図7(b)に示す電池ユニット110は、図7(a)に示した電池ユニット100に対し、ユニットハーネスにおける電池ユニット側コネクタ107側を熱収縮チューブ109で固めたもの、即ち電池接続用ハーネス103と短絡線105が熱収縮チューブ109によって拘束されたものである。
【0014】
このようにユニットハーネスを熱収縮チューブ109で固めることで、電池接続用ハーネス103と短絡線105が互いにばらけるのを防ぐことができ、組み立て時やハンドリング時などにおける作業性の悪化を防ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開平10−47670号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、図7(b)に示した電池ユニット110は、電池接続用ハーネス103と短絡線105が互いにばらけるのが防止されてはいるものの、そのために熱収縮チューブ109を用いる必要があるため、コストアップを招く。
【0017】
また、熱収縮チューブ109で固めた部分は全体として固くなり、屈曲させることは困難であるため、電子機器内において最低限その熱収縮チューブ109により固められた部分をその形状のまま収容するスペースが必要となる。そのため、例えば本体ユニットがプリント基板であって、そのプリント基板上に設けられたコネクタに対して電池ユニット側コネクタ107を基板垂直方向に接続するよう構成された電子機器においては、基板の上面側に、最低でも熱収縮チューブ109の長さ分のスペース(高さ)は確保することが必要となり、その分、電子機器の大型化を招いてしまう。
【0018】
更に、熱収縮チューブ109を用いて電池接続用ハーネス103と短絡線105をまとめて拘束する作業工程においては、熱収縮チューブ109を熱によって収縮させる際に、ユニットハーネス全体に、電池ユニット側コネクタ107の各コネクタ端子から抜ける方向に負荷がかかる。この負荷は、特に電池ユニット側コネクタ107の両端のリード線(即ち短絡線105)に大きくかかり、これによって、熱収縮時に短絡線105が抜けてしまうおそれもある。
【0019】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、接続対象物がハーネスによってコネクタに接続されると共にそのコネクタにおける特定の2つの端子間が短絡線によって短絡されてなる接続ユニット(電池ユニットなど)において、当該接続ユニットや当該接続ユニットが装着される電子機器全体の大型化、コストアップを抑えつつ、ハーネスと短絡線がばらけるのを防ぎ、これにより作業性の悪化を防ぐことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、電子機器内の本体ユニットと電気的に接続される接続対象物と、この接続対象物を本体ユニットに電気的に接続するための、一端が接続対象物に接続された一又は複数のリード線からなる接続用ハーネスと、本体ユニットに設けられた本体ユニット側コネクタに装着され、上記一又は複数のリード線毎に設けられて該各リード線の他端が接続された一又は複数のハーネス接続用端子、及び、本体ユニットが接続対象物に関する情報を取得するために設けられた2つの情報取得用端子を有する接続ユニット側コネクタと、2つの情報取得用端子の相互間を短絡するために該各情報取得用端子間に接続された短絡線と、を備え、接続用ハーネスと短絡線のうち、一方が、他方に対して一周以上巻き付けられていることを特徴とする接続ユニットである。
【0021】
このように構成された請求項1に記載の接続ユニットによれば、接続用ハーネスと短絡線のうち一方が他方に巻き付けられた状態となっていることから、その両者間の絡みつきによって、少なくともどちらか一方の動きは他方の存在によって規制される。
【0022】
そのため、電子機器の大型化やコストアップを抑えつつ、接続用ハーネスと短絡線が互いにばらけるのを防ぐことができ、これにより接続ユニットの取り扱いや本体ユニットへの取り付け時(ハンドリング時)の作業性が悪化するのを防ぐことができる。
【0023】
尚、本発明の接続ユニットは、情報取得用端子を2つのみ有するものに限定されるものではなく、例えば、情報取得用端子を3つ以上備えていてそのうち特定の2つが短絡線により短絡され、他はダミー(未使用)とされるか又は上記短絡線に接続されることによって上記特定の2つの端子と短絡された構成であってもよいし、また例えば、情報取得用端子を4つ備えていて、そのうち特定の2つが短絡線によって短絡されると共に他の2つも別途短絡線によって短絡された構成(即ち短絡線を複数有する構成)であってもよい。勿論、上記構成はあくまでも一例であって、少なくとも、情報取得用端子を2つ有していてその両者間が短絡線によって短絡された構成を有しているものであればよい。
【0024】
接続用ハーネスと短絡線のうちどちらが主体となって他方へ巻き付けるようにするかは適宜決めることができ、例えば請求項2に記載のように、接続用ハーネスに対して短絡線が一周以上巻き付けられた状態となるようにしてもよいし、逆に、例えば請求項4に記載のように、短絡線に対して接続用ハーネスが一周以上巻き付けられた状態となるようにしてもよい。
【0025】
いずれの巻き付け状態によっても、接続用ハーネスと短絡線のばらつきを抑えることができる。
そして、請求項2に記載のように接続用ハーネスに対して短絡線が一周以上巻き付けられた構成の接続ユニットは、更に、請求項3に記載のように構成するとよい。即ち、本体ユニットには、本体ユニット側コネクタとは別に、該本体ユニット側コネクタの周囲における所定の領域に一又は複数のコネクタが該本体ユニット側コネクタと隣接するように設けられている。
【0026】
そして、当該接続ユニットは、接続ユニット側コネクタが本体ユニット側コネクタに接続されたときに、短絡線が交差する部位が、接続用ハーネスに対して、本体ユニット側コネクタの周囲における所定の領域側に位置するように構成されている。
【0027】
このように構成された請求項3に記載の接続ユニットによれば、当該接続ユニットの短絡線の、隣接する他のコネクタ側への倒れ込みをより確実に防止することができる。そのため、本体ユニット側における、他のコネクタに対するハンドリング時の作業性の悪化をより確実に防止することができる。
【0028】
一方、請求項4に記載のように短絡線に対して接続用ハーネスが一周以上巻き付けられた構成の接続ユニットの場合、より好ましくは、請求項5に記載のように、その巻き付け回数を二周にするとよい。
【0029】
即ち、巻き付け回数を多くするほど、接続用ハーネスと短絡線との絡みつきもより密になって両者の動きをより規制することができるが、その分、作業工数が増大する。また、巻き付ける側の長さもより長く確保する必要があり、その分コストアップを招く。
【0030】
そこで、短絡線に対する接続用ハーネスの巻き付け回数を二周とすれば、必要最小限の作業工数で短絡線と接続用ハーネスのばらつきを十分に抑えることが可能となる。
次に、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の接続ユニットであって、接続用ハーネスは、2本のリード線からなるものである。そして、接続ユニット側コネクタは、各端子が全体として一列に並んで配置されており、これらのうち2つの情報取得用端子は両端に配置され、2つのハーネス接続用端子は、2つの情報取得用端子の間に隣接して配置されている。
【0031】
このように構成された接続ユニットによれば、接続用ハーネスの両端に短絡線が位置するため、接続用ハーネス自体のばらつきを抑えつつ、上記巻き付けの作業を容易且つ確実に行うことができる。
【0032】
そして、接続ユニットを構成する接続対象物は種々考えら、例えば請求項7に記載のように、接続対象物として電池を備え、各コネクタが互いに接続されることによってその電池の電力が接続用ハーネスを介して本体ユニットへ供給されるような接続ユニットを構成してもよい。
【0033】
次に、請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の接続ユニットと、この接続ユニットと電気的に接続される本体ユニットと、を備えた電子機器であり、本体ユニットは、接続ユニットの接続ユニット側コネクタに装着され、該接続ユニット側コネクタの各端子に対応した複数の端子を有する本体ユニット側コネクタと、その複数の端子のうち接続ユニット側コネクタの2つの情報取得用端子に対応した2つの端子の間が短絡されているか否かを判断し、該判断結果に基づいて所定の機能を実行する機能手段と、を備えている。
【0034】
このように構成された請求項8に記載の電子機器によれば、接続ユニットとして、接続用ハーネスと短絡線が互いに絡み合った構成のものが用いられるため、大型化やコストアップを抑えることが可能となる。
【0035】
次に、請求項9に記載の発明は、電子機器内の本体ユニットと電気的に接続される接続対象物と、この接続対象物を本体ユニットに電気的に接続するための、一端が接続対象物に接続された一又は複数のリード線からなる接続用ハーネスと、本体ユニットに設けられた本体ユニット側コネクタに装着され、上記一又は複数のリード線毎に設けられて該各リード線の他端が接続された一又は複数のハーネス接続用端子、及び、本体ユニットが接続対象物に関する情報を取得するために設けられた2つの情報取得用端子を有する接続ユニット側コネクタと、2つの情報取得用端子の相互間を短絡するために該各情報取得用端子間に接続された短絡線と、を備えた接続ユニットにおける、接続用ハーネス及び短絡線からなるユニットハーネスの組み付け方法であって、接続用ハーネスと短絡線のうち、一方を、他方に対して一周以上巻き付けることを特徴とする。
【0036】
このような組み付け方法によれば、接続用ハーネスと短絡線とが互いに絡み合った状態に組み付けることができるため、請求項1と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】実施形態の電子機器の概略構成を表す構成図である。
【図2】第1実施形態の電池ユニットにおける、ユニットハーネスの組み付け状態を表す説明図である。
【図3】実施形態の電子機器における、メイン基板上の各コネクタの配置と電池ユニットのコネクタ(電池ユニット側コネクタ)との位置関係を説明するための説明図である。
【図4】第2実施形態の電池ユニットにおける、ユニットハーネスの組み付け状態を表す説明図である。
【図5】ユニットハーネスの組み付け状態の他の例を表す説明図である。
【図6】ユニットハーネスの組み付け状態の他の例を表す説明図である。
【図7】従来の電池ユニットの概略構成を表す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
(1)電子機器の構成
図1に示す本実施形態の電子機器1は、例えばパーソナルコンピュータやファクシミリ装置、複合機などの、各種機能を実現可能に構成された機器であって、それら各種機能を実現するための各種回路等がプリント基板上に構成されてなるメイン基板3と、このメイン基板3にバックアップ用の電源を供給するための電池ユニット5と、を備えている。なお、電子機器1には、これらメイン基板3及び電池ユニット5以外にも、他の回路やユニット等が搭載されているが、図1では図示を省略している。
【0039】
電池ユニット5は、バックアップ電池11と電池ユニット側コネクタ15とが電池接続用ハーネス13によって接続された構成となっている。電池接続用ハーネス13は、正極リード線21及び負極リード線22の2本のリード線によって構成されている。
【0040】
バックアップ電池11は、複数(本実施形態では3つ)のボタン電池17が直列接続された構成となっている。そして、このバックアップ電池11の正極には、正極リード線21の一端が接続されており、負極には、負極リード線22の一端が接続されている。このバックアップ電池11は、後述するように、メイン基板3に備えられている内蔵時計の動作用やバックアップメモリ(例えばSRAM)のデータ保持用の電源として用いられるものである。
【0041】
なお、バックアップ電池11を構成する各ボタン電池17の数は特に限定されるものではない。また、ボタン電池17に限らず他の形状の電池であってもよいし、それが一次電池であるか二次電池であるかについても特に限定されるものではない。
【0042】
電池ユニット側コネクタ15は、電池ユニット側ASIC端子15a、電池ユニット側GND端子15d、電池ユニット側正極端子15b、及び電池ユニット側負極端子15c、の計4つの端子が一列に配列された構成となっている。具体的には、電池ユニット側ASIC端子15aと電池ユニット側GND端子15dがそれぞれ両端に離れて配置されており、電池ユニット側正極端子15bと電池ユニット側負極端子15cは、電池ユニット側ASIC端子15aと電池ユニット側GND端子15dの間に隣接して配置されている。
【0043】
これら4つの端子15a〜15dのうち、電池ユニット側正極端子15bには、正極リード線21の他端が接続され、電池ユニット側負極端子15cには、負極リード線22の他端が接続されている。
【0044】
一方、電池ユニット側ASIC端子15aには、短絡線23の一端が接続され、電池ユニット側GND端子15dには、短絡線23の他端が接続されている。つまり、電池ユニット側ASIC端子15aと電池ユニット側GND端子15dとは、短絡線23によって電気的に短絡されている。
【0045】
なお、以下の説明では、電池ユニット側コネクタ15に接続されている電池接続用ハーネス13及び短絡線23を、まとめてユニットハーネス25と称す。
メイン基板3は、電子機器1の各種機能を実現するための半導体集積回路であるASIC(Application Specific Integrated Circuit )7と、電池ユニット5の電池ユニット側コネクタ15と着脱自在に装着される基板側コネクタ9と、を備えている。メイン基板3には、これらASIC7及び基板側コネクタ9以外にも、図3に示すような他の複数のコネクタ26〜28や他の回路、素子等も搭載されているが、図1では図示を省略している。
【0046】
基板側コネクタ9は、基板側ASIC端子9a、基板側GND端子9d、基板側正極端子9b、及び基板側負極端子9c、の計4つの端子が、電池ユニット側コネクタ15の各端子15a〜15dと対応するように一列に配列された構成となっている。
【0047】
これら4つの端子9a〜9dのうち、基板側正極端子9b及び基板側負極端子9cは、図示は省略したものの、メイン基板における、バックアップ電池11からの電力によって動作する各種回路等に接続されている。バックアップ電池11からの電力によって動作する回路等としては、例えば、電子機器1における各種設定情報などが記憶されたバックアップメモリ(SRAM)や、内蔵時計などがある。
【0048】
一方、基板側ASIC端子9aは、ASIC7における電池接続検出ポート7aに接続されており、基板側GND端子9dは、メイン基板3において接地電位となるグランド(GND)ラインに接続されている。
【0049】
そして、メイン基板3に電池ユニット5が接続される(即ち、基板側コネクタ9と電池ユニット側コネクタ15が相互に接続される)ことにより、電池ユニット5からメイン基板3へバックアップ電池11の電力が供給され、メイン基板3が正常に動作する(延いては電子機器1が正常に動作する)ことになる。
【0050】
即ち、基板側コネクタ9と電池ユニット側コネクタ15が相互に接続されると、基板側正極端子9bと電池ユニット側正極端子15bが接続されると共に、基板側負極端子9cと電池ユニット側負極端子15cも接続される。これにより、バックアップ電池11の電力は、電池接続用ハーネス13から、基板側コネクタ9における基板側正極端子9b及び基板側負極端子9cを介して、メイン基板内の各部(上述したバックアップメモリや内蔵時計など)に供給される。
【0051】
また、基板側コネクタ9と電池ユニット側コネクタ15が相互に接続されると、基板側ASIC端子9aには電池ユニット側ASIC端子15aが接続され、基板側GND端子9dには電池ユニット側GND端子15dが接続され、これにより、基板側コネクタ9における、基板側ASIC端子9aと基板側GND端子9dとの間は、電池ユニット5の短絡線23を介して電気的に短絡された状態となる。つまり、基板側ASIC端子9aの電位は、基板側GND端子9dと同じ接地電位となる。
【0052】
ASIC7は、基板側コネクタ9の基板側ASIC端子9aに接続された電池接続検出ポート7aを備えており、この電池接続検出ポート7aの状態(電位)に基づいて、メイン基板3に電池ユニット5が接続されているか否かを判断する。
【0053】
メイン基板3に電池ユニット5が接続されていない状態では、基板側コネクタ9の基板側ASIC端子9aは電気的に開放された状態となっている。一方、メイン基板3に電池ユニット5が接続されると、既述の通り、基板側ASIC端子9aは接地電位となる。
【0054】
そのため、ASIC7は、電池ユニット5の接続の有無に応じて変化する電池接続検出ポート7aの電位に基づいて、電池ユニット5の接続の有無を判断するのである。これは言い換えれば、基板側ASIC端子9aと基板側GND端子9dの間が短絡されているか開放されているかによって電池ユニット5の接続の有無を判断する、とも言える。
【0055】
このように、電池ユニット側コネクタ15における電池ユニット側ASIC端子15a及び電池ユニット側GND端子15dと、基板側コネクタ9におけるこれら2つの端子15a,15dに接続される基板側ASIC端子9a及び基板側GND端子9dは、ASIC7が電池ユニット5の接続の有無(延いてはバックアップ電池11の接続の有無)を判断するために設けられているのである。
【0056】
そして、ASIC7は、電池ユニット5が接続されていると判断すると、その判断に基づき、電池ユニット5のバックアップ電池11から供給される電力に基づく所定の機能を実行する。
【0057】
(2)ユニットハーネスの組み付け状態の説明
次に、電池ユニット5における、ユニットハーネス25の組み付け状態について、図2を用いて説明する。尚、図2では、バックアップ電池11の図示は省略している。本実施形態では、ユニットハーネス25を構成する電池接続用ハーネス13及び短絡線23は、図2に示すように、電池接続用ハーネス13に対して短絡線23が一周巻き付けられた状態となっている。
【0058】
これは即ち、短絡線23自身によって1つの閉じたループが形成され、そのループ内を電池接続用ハーネス13が挿通された状態になっていると言える。更に換言すれば、電池接続用ハーネス13と短絡線23とが互いに絡み合った状態になっているとも言える。
【0059】
このような構成により、短絡線23の一端側から他端側までの全長(コネクタ15の端子から露出している部分の全長)における中間部23aは、電池接続用ハーネス13に対して、電池ユニット側コネクタ15の一方の側面(図2に示された状態における裏側の面)側に位置する。また、短絡線23を電池接続用ハーネス13に巻き付けたことにより生じる、短絡線23自身が交差する部位であるクロスポイント24は、上記中間部23aとは逆に、電池接続用ハーネス13に対して、電池ユニット側コネクタ15の他方の側面(図2に示されている面)側に位置する。
【0060】
これにより、短絡線23の動きは、電池接続用ハーネス13によって規制される。即ち、図2の紙面手前側への動きについては短絡線23の中間部23a及びその近傍が電池接続用ハーネス13に当接することによってその手前側への動きが規制され、図2の紙面後方側への動きについては短絡線23のクロスポイント24及びその近傍が電池接続用ハーネス13に当接することによってその後方側への動きが規制される。電池接続用ハーネス13の動きについても、上記と相対的に、短絡線23によってその動きが規制される。
【0061】
ユニットハーネス25を図2に示した状態に組み付ける具体的方法(手順)は種々考えられる。例えば、電池ユニット側コネクタ15に対し、まず、電池ユニット側正極端子15bに電池接続用ハーネス13の正極リード線21を接続すると共に電池ユニット側負極端子15cに負極リード線22を接続する。そして、電池ユニット側ASIC端子15a及び電池ユニット側GND端子15dのうちどちらか一方に短絡線23を接続した状態で、その短絡線23を電池接続用ハーネス13に一周巻き付け、その後短絡線23を他方の端子に接続する。
【0062】
或いは、短絡線23を電池接続用ハーネス13に一周巻き付けた後に、その短絡線23の両端をそれぞれ電池ユニット側コネクタ15に接続するようにしてもよい。
更に、ユニットハーネス25全体を、電池ユニット側コネクタ15に接続する前に図2のような状態に組み付け、その組み付けた状態のまま、ユニットハーネス25を構成する4つのリード線をそれぞれ電池ユニット側コネクタ15の各端子15a〜15dに接続するようにしてもよい。
【0063】
更にまた、短絡線23の方から先に、図2に示したようにループを形成した状態で電池ユニット側コネクタ15に接続しておき、その後、電池接続用ハーネス13を、その短絡線23によって形成されたループに挿通させるようにしてもよい。
【0064】
なお、これら組み付け方法はあくまでも一例であり、結果として図2に示すような状態でユニットハーネス25を形成できる限り、その組み付け方法は特に限定されるものではない。
【0065】
(3)メイン基板と電池ユニットのコネクタの位置関係について
次に、メイン基板3における、基板側コネクタ9と電池ユニット5の電池ユニット側コネクタ15との位置関係について、図3を用いて具体的に説明する。図3に示すように、メイン基板3には、上述した基板側コネクタ9の他にも、複数のコネクタ(第1コネクタ26、第2コネクタ27、第3コネクタ28)が設けられている。基板側コネクタ9からみれば、その周囲における所定の領域に、他の各コネクタ26〜28が隣接して設けられている。
【0066】
そして、基板側コネクタ9に対し、電池ユニット5の電池ユニット側コネクタ15は、メイン基板3の板面に対して上下方向(垂直方向)に挿抜される。しかも、電池ユニット側コネクタ15は、基板側コネクタ9に接続したときに、短絡線23のクロスポイント24が、電池接続用ハーネス13に対し、基板側コネクタ9の周囲における所定の領域(他のコネクタ26〜28が隣接している領域)のうち特に第1コネクタ26側に位置するように構成されている。これは即ち、短絡線23の中間部23aに着目して言い換えれば、この中間部23aが、電池接続用ハーネス13に対して、基板側コネクタ9の周囲における上記所定の領域とは異なる領域側に位置するように構成されているということである。
【0067】
このように構成されているのは、次の理由による。本実施形態では、短絡線23は、電池接続用ハーネス13に巻き付けられた状態となっていることにより、それだけでも、図7(a)に示した従来の電池ユニット100に比べて、短絡線23の動きを規制することができる。しかし、例えば短絡線23が長かったり、電池ユニット側コネクタ15に近いところにクロスポイント24が存在していたりすると、短絡線23は、中間部23aやその近傍が、電池接続用ハーネス13から離れる方向に倒れ込んでしまうおそれがある。図3で説明すると、短絡線23の中間部23aが、メイン基板3の第1コネクタ26側とは反対側へと倒れ込んでしまう。
【0068】
この場合に、メイン基板3上において、短絡線23が倒れ込んだ方に他のコネクタが存在していると、そのコネクタに対する接続対象のコネクタの挿抜時に、倒れ込んでいる短絡線23が邪魔になってしまう。また、短絡線23が電池接続用ハーネス13から離れるように倒れ込むことで、電池ユニット5自体の取り扱いもしづらくなり、作業性が悪化するおそれがある。
【0069】
そこで本実施形態では、倒れ込む可能性がある短絡線23の中間部23aが、メイン基板3における他のコネクタが存在しない領域側に位置するように、電池ユニット側コネクタ15と基板側コネクタ9とが接続されるのである。
【0070】
(4)第1実施形態の効果等
以上説明した本実施形態の電子機器1によれば、電池ユニット5のユニットハーネス25が、電池接続用ハーネス13に対して短絡線23が一周巻き付けられた構成となっており、これにより電池接続用ハーネス13と短絡線23の動きが互いに規制される。
【0071】
そのため、電子機器1の大型化やコストアップを抑えつつ、電池接続用ハーネス13と短絡線23が互いにばらけるのを防ぐことができ、これにより電池ユニット5の取り扱いやメイン基板3への取り付け時(ハンドリング時)の作業性が悪化するのを防ぐことができる。
【0072】
しかも、メイン基板3を上から見た場合に、短絡線23がメイン基板3における他の各コネクタ26〜28が設けられている所定の領域側に倒れ込まないよう、その所定の領域側にクロスポイント24が位置するよう(中間部23aがその所定の領域とは反対側に位置するよう)にされている。
【0073】
そのため、短絡線23が隣接する他のコネクタ側へ倒れ込むのをより確実に防止でき、これにより、メイン基板3側における、他のコネクタ26〜28に対するハンドリング時の作業性の悪化をより確実に防止することができる。
【0074】
また、電池ユニット側コネクタ15は、4つの端子15a〜15dが一列に配列されており、そのうち中央部の2つが電池接続用ハーネス13が接続される端子であって、両端の2つが短絡線23が接続される端子となっている。そのため、電池接続用ハーネス13自体のばらつきを抑えつつ、電池接続用ハーネス13に対する短絡線23の巻き付け作業を容易且つ確実に行うことができる。
【0075】
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素の対応関係を明らかにする。本実施形態において、電池ユニット5は本発明の接続ユニットに相当し、そのうち特に、バックアップ電池11は本発明の接続対象物に相当し、電池接続用ハーネス13は本発明の接続用ハーネスに相当し、電池ユニット側コネクタ15は本発明の接続ユニット側コネクタに相当し、電池ユニット側正極端子15b及び電池ユニット側負極端子15cは本発明のハーネス接続用端子に相当し、電池ユニット側ASIC端子15a及び電池ユニット側GND端子15dは本発明の情報取得用端子に相当する。また、メイン基板3は本発明の本体ユニットに相当し、ASIC7は本発明の機能手段に相当する。
【0076】
[第2実施形態]
図4に、本実施形態の電池ユニット30を示す。本実施形態の電池ユニット30も、第1実施形態の電池ユニット5と同様、電池ユニット側コネクタ15に電池接続用ハーネス33及び短絡線35が接続されている。電池ユニット側コネクタ15に接続される各リード線の位置関係も第1実施形態と同様であり、1列に配列された各端子15a〜15dのうち両端の2つの端子15a,15dに短絡線35が接続され、その2つの端子に挟まれるように隣接している2つの端子15b,15cに電池接続用ハーネス33(正極リード線31及び負極リード線32)が接続されている。
【0077】
そして、本実施形態の電池ユニット30が第1実施形態の電池ユニット5と異なるのは、電池接続用ハーネス33と短絡線35の相互間の組み付け状態である。第1実施形態の電池ユニット5では、図2に示したように電池接続用ハーネス13に短絡線23が一周巻き付けられた状態となっていたが、本実施形態の電池ユニット30では、図4に示すように、短絡線35に対して電池接続用ハーネス33が二周巻き付けられた状態となっている。
【0078】
具体的な組み付け方法は種々考えられ、例えば、電池接続用ハーネス33及び短絡線35を全て電池ユニット側コネクタ15に接続した状態で、電池接続用ハーネス33を短絡線35に巻き付けるようにしてもよい。
【0079】
また例えば、短絡線35のうち一端側だけは電池ユニット側コネクタ15に接続せずに短絡線35を真っ直ぐに伸びた状態にしておき、その短絡線35に対して電池接続用ハーネス33を二周巻き付け、その後に短絡線35の一端を電池ユニット側コネクタ15に接続するようにしてもよい。
【0080】
もちろん、上述した組み付け方法はあくまでも一例であり、結果として、図4に示すような組み付け状態を実現できる限り、その組み付け方法は特に限定されるものではない。
以上説明した本実施形態の電池ユニット30によれば、短絡線35に対して電池接続用ハーネス33が巻き付けられた状態となっているため、第1実施形態と同様、電子機器1の大型化やコストアップを抑えつつ、電池接続用ハーネス33と短絡線35が互いにばらけるのを防ぐことができ、これにより電池ユニット30の取り扱いやメイン基板3への取り付け時(ハンドリング時)の作業性が悪化するのを防ぐことができる。
【0081】
しかも、短絡線35に対する電池接続用ハーネス33の巻き付け回数は二周であるため、必要最小限の作業工数で、短絡線35と電池接続用ハーネス33のばらつきを十分に抑えることが可能となる。
【0082】
[変形例]
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
【0083】
例えば、上記第1実施形態では、図2に示したように、電池接続用ハーネス13に対して短絡線23を一周巻き付けるようにしたが、逆に、図5に示す電池ユニット40のように、短絡線45に対して電池接続用ハーネス43を一周巻き付けるようにしてもよい。
【0084】
図5の電池ユニット40は、第1実施形態の電池ユニット5(図2)と比較すれば、巻き付けの主従が逆になったものと捉えることができる。即ち、第1実施形態の電池ユニット5では短絡線23が主体となって電池接続用ハーネス13に巻き付いた状態となっているのに対し、図5の電池ユニット40は、電池接続用ハーネス43が主体となって短絡線45に巻き付いた状態になっている。
【0085】
また、見方を変えると、図5の電池ユニット40は、第1実施形態の電池ユニット5(図2)に対し、交差した状態となっている短絡線23を、その交差した状態が解除されるように180度捻った場合の形態である。逆に言えば、図5の電池ユニット50に対し、短絡線45を180度捻ると、第1実施形態の電池ユニット5と同じ形態となる。
【0086】
更に、図5の電池ユニット40は、第2実施形態の電池ユニット30(図4)と比較すれば、巻き付け回数が異なるものと捉えることができる。即ち、図4に示した第2実施形態の電池ユニット30では、短絡線35に対して電池接続用ハーネス33が二周巻き付けられた状態であったのに対し、図5の電池ユニット40では、短絡線45に対して電池接続用ハーネス43が一周巻き付けられた状態となっている。
【0087】
なお、短絡線に対する電池接続用ハーネスの巻き付け回数は、図5の電池ユニット40における一周や、図4の電池ユニット30の二周に限らず、三周以上としてもよい。そのようにすれば、電池接続用ハーネスと短絡線との絡みつきがより密になって、互いの動きをより規制することが可能となる。
【0088】
但し、巻き付け回数を多くするほど、その巻き付けのための作業工数が増加し、しかも、電池接続用ハーネスの長さも長くする必要がある。そのため、必要最小限の作業工数にて短絡線のばらつきを十分に抑えるためには、図4に示した第2実施形態の電池ユニット30のように、二周巻き付けるようにするのが好ましい。
【0089】
また、上記第1実施形態では、図2に示したように、電池接続用ハーネス13に対して短絡線23を一周巻き付けるようにしたが、この短絡線23の巻き付け回数についても特に限定されるものではなく、例えば図6に示した電池ユニット50のように二周巻き付けるようにしてもよいし、三周以上巻き付けるようにしてもよい。
【0090】
図6に示した電池ユニット50は、図示の如く、電池接続用ハーネス53に対して短絡線55が二周巻き付けられた状態となっている。これは、第2実施形態の電池ユニット30(図4)と比較すれば、巻き付けの主従が逆になったものと捉えることができる。即ち、第2実施形態の電池ユニット30では電池接続用ハーネス33が主体となって短絡線35に巻き付いた状態となっているのに対し、図6の電池ユニット50は、短絡線55が主体となって電池接続用ハーネス53に巻き付いた状態になっている。
【0091】
この場合も、短絡線55のクロスポイント54は、第1実施形態の電池ユニット5のクロスポイント24と同様、メイン基板3の基板側コネクタ9に接続したときにこのクロスポイント54がメイン基板3における隣接する第1コネクタ26側(図3参照)に位置するように構成される。これにより、短絡線55における、電池接続用ハーネス53に対してクロスポイント54とは反対側に位置している第1中間部55a及び第2中間部55bが、電池接続用ハーネス53から離れる方向に倒れ込んでしまっても、この短絡線55の存在がメイン基板3における他の各コネクタ26〜28に悪影響を及ぼしてしまうのを防ぐことができる。
【0092】
このように、短絡線と電池接続用ハーネスのどちらを主体的に他方へ巻き付けるようにするか、またその巻き付け回数を何回にするか、等については、適宜決めることができる。
【0093】
また、上記各実施形態では、メイン基板に電池ユニットが接続される構成の電子機器について説明したが、本発明の適用はそのような電子機器に限定されるものではないことはいうまでもなく、例えば既述の特許文献1に記載された技術に対して本発明を適用することもできる。
【0094】
更に、互いに接続されるコネクタの端子数も4つに限らず、例えば、3本以上のリード線からなるハーネスに対して短絡線が巻き付けられた構成(或いは逆に短絡線に対して3本以上のリード線からなるハーネスが巻き付けられた構成)であってもよい。また、コネクタの各端子が一列に配列されているという構成についてもあくまでも一例にすぎず、また、使用しないダミーの端子があってもよい。
【0095】
更にまた、上記各実施形態では、ASIC7が電池ユニット5の接続の有無を判断するために、電池ユニット側コネクタ15においてその判断用に電池ユニット側ASIC端子15a及び電池ユニット側GND端子15dの2つの端子を設け、この2つの端子間を短絡線23で短絡させるようにしたが、本発明の実施の形態は、このように判断用の端子数が2つのみである構成や短絡線が一本のみである構成に限定されるものではない。
【0096】
例えば、電池ユニット側GND端子15dの隣に更に一又は複数の端子を設け、これら各端子を電池ユニット側GND端子15dと短絡させるようにしてもよい。具体的には、短絡線23における所定の部位(例えば短絡線23の全長のうち電池ユニット側GND端子15dに近い部位)と上記一又は複数の端子との間をリード線で接続する、といった構成が考えられる。
【0097】
また例えば、電池ユニット側ASIC端子15a及び電池ユニット側GND端子15dをそれぞれ2つずつ(合計4つ)設け、これらのうち一方の電池ユニット側ASIC端子15aと一方の電池ユニット側GND端子15dを一組としてこの一組の端子間を短絡線で短絡すると共に、他方の電池ユニット側ASIC端子15a及び電池ユニット側GND端子15dも一組としてこの一組の端子間を上記短絡線とは別の短絡線で短絡する、といった構成でもよい。
【0098】
そして、接続用ハーネスと短絡線のうち一方が他方に巻き付けられた状態となることによって両者が互いに絡み合った状態となり、それによって結果として短絡線の動きが規制される(逆に接続用ハーネスの動きが短絡線によって規制される)構成である限り、あらゆる種類の接続ユニット、電子機器に対して本発明を適用可能である。
【符号の説明】
【0099】
1…電子機器、3…メイン基板、5,30,40,50,100,110…電池ユニット、7…ASIC、7a…電池接続検出ポート、9…基板側コネクタ、9a…基板側ASIC端子、9b…基板側正極端子、9c…基板側負極端子、9d,108…バックアップ電池、13,33,43,53,103…電池接続用ハーネス、15,107…電池ユニット側コネクタ、15a…電池ユニット側ASIC端子、15b…電池ユニット側正極端子、15c…電池ユニット側負極端子、15d…電池ユニット側GND端子、17…ボタン電池、21,31,41,51,101…正極リード線、22,32,42,52,102…負極リード線、23,35,45,55,105…短絡線、23a…中間部、24,54…クロスポイント、25…ユニットハーネス、26…第1コネクタ、27…第2コネクタ、28…第3コネクタ、30…電池ユニット、55a…第1中間部、55b…第2中間部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器内の本体ユニットと電気的に接続される接続対象物と、
前記接続対象物を前記本体ユニットに電気的に接続するための、一端が該接続対象物に接続された一又は複数のリード線からなる接続用ハーネスと、
前記本体ユニットに設けられた本体ユニット側コネクタに装着され、前記一又は複数のリード線毎に設けられて該各リード線の他端が接続された一又は複数のハーネス接続用端子、及び、前記本体ユニットが前記接続対象物に関する情報を取得するために設けられた2つの情報取得用端子を有する接続ユニット側コネクタと、
前記2つの情報取得用端子の相互間を短絡するために該各情報取得用端子間に接続された短絡線と、
を備え、
前記接続用ハーネスと前記短絡線のうち、一方が、他方に対して一周以上巻き付けられている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の接続ユニットであって、
前記接続用ハーネスに対し、前記短絡線が一周以上巻き付けられている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の接続ユニットであって、
前記本体ユニットには、前記本体ユニット側コネクタとは別に、該本体ユニット側コネクタの周囲における所定の領域に一又は複数のコネクタが該本体ユニット側コネクタと隣接するように設けられており、
当該接続ユニットは、前記接続ユニット側コネクタが前記本体ユニット側コネクタに接続されたときに、前記短絡線が交差する部位が、前記接続用ハーネスに対して、前記本体ユニット側コネクタの周囲における前記所定の領域側に位置するように構成されている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項4】
請求項1に記載の接続ユニットであって、
前記短絡線に対し、前記接続用ハーネスが一周以上巻き付けられている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項5】
請求項4に記載の接続ユニットであって、
前記接続用ハーネスは、前記短絡線に対して二周巻き付けられている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項6】
請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の接続ユニットであって、
前記接続用ハーネスは、2本の前記リード線からなり、
前記接続ユニット側コネクタは、前記各端子が全体として一列に並んで配置されており、これらのうち2つの前記情報取得用端子は両端に配置され、2つの前記ハーネス接続用端子は、前記2つの情報取得用端子の間に隣接して配置されている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項7】
請求項1〜請求項6の何れか1項に記載の接続ユニットであって、
前記接続対象物は電池であり、
前記各コネクタが互いに接続されることによって前記電池の電力が前記接続用ハーネスを介して前記本体ユニットへ供給されるよう構成されている
ことを特徴とする接続ユニット。
【請求項8】
請求項1〜請求項7の何れか1項に記載の接続ユニットと、
前記接続ユニットと電気的に接続される本体ユニットと、
を備え、
前記本体ユニットは、
前記接続ユニットの前記接続ユニット側コネクタに装着され、該接続ユニット側コネクタの前記各端子に対応した複数の端子を有する本体ユニット側コネクタと、
前記複数の端子のうち前記接続ユニット側コネクタの前記2つの情報取得用端子に対応した2つの端子の間が短絡されているか否かを判断し、該判断結果に基づいて所定の機能を実行する機能手段と、
を備えたことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
電子機器内の本体ユニットと電気的に接続される接続対象物と、
前記接続対象物を前記本体ユニットに電気的に接続するための、一端が該接続対象物に接続された一又は複数のリード線からなる接続用ハーネスと、
前記本体ユニットに設けられた本体ユニット側コネクタに装着され、前記一又は複数のリード線毎に設けられて該各リード線の他端が接続された一又は複数のハーネス接続用端子、及び、前記本体ユニットが前記接続対象物に関する情報を取得するために設けられた2つの情報取得用端子を有する接続ユニット側コネクタと、
前記2つの情報取得用端子の相互間を短絡するために該各情報取得用端子間に接続された短絡線と、
を備えた接続ユニットにおける、前記接続用ハーネス及び前記短絡線からなるユニットハーネスの組み付け方法であって、
前記接続用ハーネスと前記短絡線のうち、一方を、他方に対して一周以上巻き付ける
ことを特徴とするユニットハーネスの組み付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−154816(P2011−154816A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14464(P2010−14464)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】