接続構造及び接続方法
【課題】この発明は、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造及び接続方法を提供することを目的とする。
【解決手段】LEDユニット1に、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7と、前記LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6と、フラットケーブル100の反対側に配して、上側ケース7に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9と、上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を保持するとともにピアス端子6に結線する中間端子5を備えた。中間端子5は、電子部品であるLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状に形成した凸状バネ部51,52を備え、凸状バネ部51,52の一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7に係止し、他方の凸状バネ部51b,52bでLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に押し当てた。
【解決手段】LEDユニット1に、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7と、前記LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6と、フラットケーブル100の反対側に配して、上側ケース7に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9と、上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を保持するとともにピアス端子6に結線する中間端子5を備えた。中間端子5は、電子部品であるLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状に形成した凸状バネ部51,52を備え、凸状バネ部51,52の一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7に係止し、他方の凸状バネ部51b,52bでLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に押し当てた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両の照明装置や制御装置に使用される電子部品を電気ケーブルに接続する接続構造及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の各種コントロールユニットや照明装置等にはプリント基板上に複数の電子部品を実装した電子部品搭載モジュールが用いられている。このような電子部品搭載モジュールは、例えば、半田接続によって電子部品を基板に実装し、モジュールと外部電気回路とは、基板と半田接続された端子を有するコネクタによって接続される(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、電子部品と回路導体とは半田接続されるため、例えば、平面視2mm×2mm角のLEDチップのようにますます小型化する電子部品を接続する場合には、多くの工数もしくは設備投資と品質管理を要するという問題があった。
特に、小型化した電子部品を電気ケーブルに接続するに際し、半田接続によると、多大な工数と品質管理が必要になるといった問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−111435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造及び接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、電子部品を保持する第一函体と、前記電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子と、前記第一函体に嵌着して前記電気ケーブルを挟み込んで取付ける第二函体と、前記第一函体に電子部品を保持させるとともに該電子部品を前記接続端子に結線する端子部材とを備えた接続構造であって、前記端子部材に、少なくとも1対の凸状に形成した凸状バネ部を備え、一方の凸状バネ部を前記第一函体に係止し、他方の凸状バネ部により前記電子部品を前記接続端子に押し当てることを特徴とする接続構造であることを特徴とする。
【0007】
この発明の態様として、前記電子部品と、該電子部品が押し当てられる接続端子とを、一対の凸状バネ部の間に配置することができる。
また、この発明の態様として、複数個の電子部品を配置し、配置する電子部品の個数に応じた数の対の凸状バネ部を備えることができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記電気ケーブルを、幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、前記フラットケーブルに、前記第一函体或いは第二函体に掛合する函体掛合部を備えることができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記接続端子に、前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、前記第二函体に、前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を備えることができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記貫通接続部を、略矩形断面形状で形成して、前記抜止手段を、略円形穴状で形成し、前記略円形穴状の抜止手段の穴径を、前記貫通接続部の矩形断面の長手方向長さに略一致させることができる。
また、この発明の態様として、前記抜止手段を、前記第二函体とは別体に形成することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記電気ケーブルを、幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、前記接続端子に、前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、該貫通接続部を、前記一対の凸状バネ部の間に前記電子部品を組付ける組付方向に対して交差する交差方向に配置することができる。
また、この発明の態様として、前記交差方向が、前記フラットケーブルの長手方向に設定することができる。
【0012】
また、この発明は、フラットケーブルに電子部品を接続する接続方法であって、電子部品を保持する第一函体に、該電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子を仮組みする端子組付け工程と、該接続端子を仮組みした第一函体に、端子部材を仮組みする端子部材組付け工程と、該端子部材と接続端子を仮組みした第一函体に電子部品を組付けて、電子部品と接続端子を第一函体に本組みする第一函体本組み工程と、第二箱体に、前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を仮組みする抜止手段組付け工程と、折り曲げによって、前記第二函体に掛合する函体掛合部を前記フラットケーブルに形成する函体掛合部形成工程と、前記函体掛合部を、前記第二函体に掛合する掛合工程と、前記第一函体と前記第二函体とを、間に前記フラットケーブルを挟み込んで嵌着する函体嵌着工程とを備えた接続方法であることを特徴とする。
【0013】
上記電子部品には、LEDチップ等の光源デバイスや各種センサ、さらには供給電圧を調整する抵抗器を含む。
上記電気ケーブルに電気的に接続する複数の接続端子は、電子部品を電気ケーブルに直接接続する端子や、電子部品同士を接続することで間接的に電気ケーブルに接続する端子であることを含む。
【0014】
上記貫通接続部はピアス刃であることを含み、上記接続端子はピアス刃を複数備えたピアス端子等であることを含む。
なお、電気ケーブルとして丸撚り線を幅方向に並べて一体化したリボン電線を用いても良いが、放熱効果が高いフラットケーブルがより好ましい。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造及び接続方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明のLEDユニット1は、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7と、前記LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6(6A,6B)と、上側ケース7に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9とを備えている。
【0018】
また、LEDユニット1は、上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を保持させるとともに、該LEDチップ3及び抵抗器4を前記ピアス端子6に結線する中間端子5を備えている。
【0019】
中間端子5は、電子部品であるLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状に形成した凸状バネ部51,52を備え、凸状バネ部51,52の一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7に係止し、他方の凸状バネ部51b,52bでLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に押し当てている。
【0020】
なお、LEDチップ3と、該LEDチップ3が押し当てられるピアス端子6aの接触プレート61とは一対の凸状バネ部51の間に配置され、抵抗器4と、抵抗器4が押し当てられるピアス端子6bの接触プレート61とは一対の凸状バネ部52の間に配置されている。
【0021】
また、フラットケーブル100は、幅方向に所定間隔を隔てて配設した2本の導電体101と該2本の導電体101を一体的に平板状に被覆する不導電性ラミネートシート102とで構成し、該フラットケーブル100に、下側ケース9に掛合する掛合凸部110を折り曲げによって形成している。
また、前記下側ケース9には、導電体101を貫通して接続するピアス端子6のピアスプレート63の抜け出しを防止するバックアッププレート8を備えている。
【0022】
なお、上記ピアスプレート63を略矩形断面形状で形成し、上記バックアッププレート8を、略円形穴状、すなわちドーナッツ状に形成し、略円形穴状のバックアッププレート8の穴径と、前記ピアスプレート63の矩形断面の長手方向長さとは略同一に形成している。また、バックアッププレート8を、前記下側ケース9とは別体に形成している。
【0023】
LEDユニット1に関する上記構成について、LEDユニット1の斜視図を示す図1と、LEDユニット1の分解斜視図を示す図2とともに詳述すると、LEDユニット1は、LEDチップ3をフラットケーブル100に接続するとともに電圧調整を行なう抵抗器4も同時に取付けるための接続ユニットである。
【0024】
フラットケーブル100は、幅方向に所定間隔を隔てて平行に配した2本の帯状の導電体101と、この導電体101を表裏から挟みこんで一体的に囲繞する不導電性ラミネートシート102で構成している。
【0025】
そして、フラットケーブル100は可撓性を有しており、折り曲げによって、側面視凸状、すなわち他の部分より高い段状、且つ下側ケース9の長さ分の面状体で構成するケース掛合部110を形成している。
【0026】
なお、図中においてフラットケーブル100の一部のみを示しているが、フラットケーブル100は、必要な長さで形成され、車両内部等において所定箇所に配索されるように構成している。
【0027】
前述のLEDユニット1は、図2に示すように、第一函体である上側ケース7と、この上側ケース7に装着するLEDチップ3と、同様に上側ケース7に装着する抵抗器4と、このLEDチップ3、抵抗器4をフラットケーブル100に接続するピアス端子6(6A,6B)と、LEDチップ3と抵抗器4を固定する中間端子5と、この中間端子5を上方から覆うカバー部材2と、ピアス端子6の抜け出しを防止するバックアッププレート8と、バックアッププレート8を装着する第二函体である下側ケース9とを備えている。
【0028】
カバー部材2は、樹脂製のプレートで形成された平面視縦長矩形体のカバー本体2aと、該カバー本体2aにおける、フラットケーブル100の長手方向(以下、単に「長手方向」とする)の両端に、上側ケース7の上面褄部に係合する係合爪部2bとを備えており、上側ケース7に組付けられたLEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6を上方から覆うように上側ケース7に上方から組付けるように構成している。
【0029】
なお、カバー本体2aにおける、フラットケーブル100の幅方向(以下、単に「幅方向」とする)の中央には、上側ケース7に組付けられた際に、内部に装着されたLEDチップ3の発光部31を外部から視認できる平面視円形の円形窓21を備えている。
【0030】
LEDチップ3は、上面に平面視円形の発光部31を備え、両側面に底面から連続するL型の接触端子32を備えている。抵抗器4は、横長平板状矩形体に構成して、両側面に凹字型の接触端子41,41を備えている。
【0031】
中間端子5は、1枚の適宜の弾性を有する銅製のプレートから形成される。詳しくは、プレス加工により、LEDチップ3および抵抗器4が配置される部品配置開口53,54を打ち抜き、2本の平行する長手方向部5aと、長手方向に所定間隔を隔てて配置した3本の幅方向の渡り部5bとで構成された平面視日の字型に形成している。
【0032】
また、各渡り部5bの間の中央付近の長手方向部5aのそれぞれ相対する位置を下方に側面視Uの字型にプレスし、中間端子5全体で略W字型に形成している。この側面視Uの字型に形成された下方に凸状部分で凸状バネ部51(51a,51b),52(52a,52b)を構成している。
【0033】
そして、凸状バネ部51bのLEDチップ3の接触端子32と接触する部分と、凸状バネ部52bの抵抗器4の接触端子41と接触部分には接点55を備えている。なお、中間端子5は導電性を有すれば金属製部材以外であってもよい。
【0034】
ピアス端子6は、LEDチップ3と接続されるLED用ピアス端子6Aと、抵抗器4と接続される抵抗用ピアス端子6Bとの2種類があり、それぞれは上から順に、LEDチップ3及び抵抗器4の接触端子32,41と接触する接触凸部61aを有する接触プレート61と、該接触プレート61に対して略直角な水平プレート部62と、該水平プレート部62に対して略直角であり、上端部近傍に長手方向に突出する凸部63aを備えたピアスプレート63とが連続して、正面視鈎状に形成されている。
【0035】
なお、LED用ピアス端子6Aの水平プレート部62は抵抗用ピアス端子6Bの水平プレート部62より短く形成されている。また、接触凸部61aは幅方向に付勢力が発生するように湾曲形成している。ピアス端子6は導電性を有するものであれば良く、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【0036】
上側ケース7は樹脂製の平面視縦長矩形体で構成しており、長手方向の両側面と上面とに渡るカバー部材2が嵌着するカバー嵌着部71が形成され、幅方向の両側面の中央下端には、下側ケース9に係合する係合爪72を備えている。さらに、長手方向の両褄面の中央下端には、下方に突出する褄部突出片79を備えている。
【0037】
また、上側ケース7へのピアス端子6の装着を底面側からの斜視図によって説明する図3に示すように、上側ケース7の底面には、LED用ピアス端子6Aの装着を許容する装着凹部73、抵抗用ピアス端子6Bの装着を許容する装着凹部74を備えている。
【0038】
カバー嵌着部71内側の上面の幅方向中央には、LEDチップ3を収容する第一収容部75と、抵抗器4を収容する第二収容部76と長手方向に所定間隔を隔てて並設している。また、この第一収容部75と第二収容部76は、装着凹部73,74に備えた接触プレート61の貫通を許容する貫通孔73a,74aと連通し、装着凹部73,74に装着したピアス端子6の接触プレート61が貫通孔73a,74aを貫通して、第一収容部75と第二収容部76側に突出する態様でピアス端子6を装着することができる。
【0039】
また、この第一収容部75と第二収容部76の幅方向両外側には中間端子5の凸状バネ部51,52の挿入を許容する挿入凹部77,78を備えている。貫通孔73a、74a側の外側に配置された挿入凹部77には凸状バネ部51a,52aが挿入される。その対向側の挿入凹部78は第一収容部75,第二収容部76と連通しており、凸状バネ部51b,52bが挿入される。
【0040】
図2に示すように、バックアッププレート8は、導電性の金属製の円形ドーナツ状のプレート部材で構成している。バックアッププレート8は、第1ピアス端子6A、第二ピアス端子6Bに対応するようにそれぞれ一枚ずつ設けている。そして、バックアッププレート8の中央の嵌合穴81の内径は、ピアス端子6のピアスプレート63の幅と略一致するように設定している(なお、バックアッププレートも導電性を有すれば金属製部材以外であってもよい)。
【0041】
下側ケース9は、樹脂製の平面視縦長矩形皿体で構成され、長手方向両側面、すなわち両褄部と上面とに渡ってフラットケーブル100のケース掛合部110が嵌着するケーブル嵌着部91が形成され、ケーブル嵌着部91内側の上面には、バックアッププレート8の位置を規定する位置規定部92を形成し、幅方向側面の中央付近には、上側ケース7を係合固定するための上側ケース7の係合爪72の係合を許容するケース係合部93を備えている。
【0042】
また、位置規定部92の平面視中央には、バックアッププレート8の嵌合穴81を通過したピアスプレート63との干渉を防止する干渉防止凹部92aを形成している。
【0043】
なお、接触プレート61の幅方向位置が同じ状態で上側ケース7の装着凹部73,74に装着されるピアス端子6の水平プレート部62の長さの差異により、下側に突出するピアスプレート63幅方向位置が異なるが、これは、ピアスプレート63で貫通する導電体101の位置に合わせてあり、その位置にバックアッププレート8が配置されるように、下側ケース9の位置規定部92は形成されている。
【0044】
次に、LEDユニット1の組付けおよびフラットケーブル100の取り付け方法について説明する。
本発明のフラットケーブル100にLEDチップ3及び抵抗器4を接続するLEDユニット1の接続方法は端子組付け工程と、中間端子組付け工程と、上側ケース本組み工程と、バックアッププレート組付け工程と、掛合凸部形成工程と、掛合工程と、函体嵌着工程とで構成されている。
【0045】
上記端子組付け工程はLEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7に、該LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6を仮組みする工程である。
中間端子組付け工程は、該ピアス端子6を仮組みした上側ケース7に、中間端子5を仮組みする工程である。
【0046】
上側ケース本組み工程は、該中間端子5とピアス端子6を仮組みした上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を組付けて、LEDチップ3及び抵抗器4とピアス端子6を上側ケース7に本組みする工程である。
【0047】
バックアッププレート組付け工程は、第二箱体である下側ケース9に、前記フラットケーブル100を貫通するピアス部52の抜け出しを防止するバックアッププレート8を仮組みする工程である。
【0048】
掛合凸部形成工程は、折り曲げによって、下側ケース9に掛合する掛合凸部110を前記フラットケーブル100に形成する工程である。
掛合工程は、前記掛合凸部110を、前記下側ケース9に掛合する工程である。
函体嵌着工程は、前記上側ケース7と前記下側ケース9との間に前記フラットケーブル100を挟み込んで嵌着する工程である。
【0049】
上記各工程について、以下において図とともに詳述する。
端子組付け工程について説明する説明図である図3の図3(a)に示すように、上側ケース7を上下逆さまにして、底面側を上側にし、貫通孔73aにLED用ピアス端子6Aの接触プレート61を挿入してLED用ピアス端子6Aを装着凹部73に装着し、貫通孔74aに抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61を挿入して抵抗用ピアス端子6Bを装着凹部74に装着する。
【0050】
これにより、図3(b)に示すように、LED用ピアス端子6Aと抵抗用ピアス端子6Bのピアスプレート63が幅方向及び長手方向にずれた位置で上側ケース7の底面から下方向に突出する態様で上側ケース7にLED用ピアス端子6Aと抵抗用ピアス端子6Bを組付けることができる。
【0051】
中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程について上側ケース7の斜視図によって説明する図4における図4(a)に示すように、上側ケース7のカバー嵌着部71が上面側となるように戻すと、端子組付け工程で組付けられたピアス端子6の接触プレート61が貫通孔73a,74aを通過して第一収容部75及び第二収容部76の底面から突出している。
【0052】
この状態で、上側ケース7の上側から、凸状バネ部51a,52aを挿入凹部77に挿入し、凸状バネ部51b,52bを挿入凹部78に挿入して、中間端子5を上側ケース7に装着する。ここで、中間端子5の部品配置開口53と第一収容部75、そして部品配置開口54と第二収容部76とは上下に対応する位置となる。
【0053】
そして、図4(b)に示すように、上側ケース7の上方からLEDチップ3及び抵抗器4を、部品配置開口53及び部品配置開口54を通過させ、図4(c)に示すように第一収容部75及び第二収容部76に装着する。
【0054】
この状態の平面図である図5(a)、図5(a)におけるa−a矢視図である図5(b)に示すように、第一収容部75内にはLED用ピアス端子6Aの接触プレート61と、LEDチップ3と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部51bの接点55がこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部51bはLEDチップ3を接触プレート61側に押圧している。したがって、LEDチップ3の接触プレート61側の接触端子32は接触プレート61の接触凸部61aと接触し、反対側の接触端子32は接点55と接触している。
【0055】
また、図5(a)におけるb−b矢視図である図5(c)に示すように、第二収容部76内に配置された抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61と、抵抗器4と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部52bの接点55とはこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部52bは抵抗器4を接触プレート61側に押圧している。したがって、抵抗器4の接触プレート61側の接触端子41は接触プレート61の接触凸部61aと接触し、反対側の接触端子41は接点55と接触している。
【0056】
接点55を介してLEDチップ3及び抵抗器4と電気的に接続された中間端子5は、導電性部材である銅製のプレートで構成されているため、LED用ピアス端子6A→LEDチップ3→中間端子5→抵抗器4→抵抗用ピアス端子6Bという電子回路を構成している。
【0057】
なお、凸状バネ部51a及び凸状バネ部52aを挿入凹部77に挿入しているため、中間端子5の上側ケース7に対する相対位置は固定されている。また、ピアス端子6も上側ケース7の底面に備えた装着凹部73,74に装着され、接触プレート61が貫通孔73a,74aを貫通することよって上側ケース7に対する相対位置が固定されている。
【0058】
そして、LEDチップ3及び抵抗器4は、上側ケース7に対して相対位置が固定されたピアス端子6と中間端子5とで付勢された状態で挟みこまれて、上側ケース7に対して位置が固定されている。このように、中間端子5は、LEDチップ3及び抵抗器4の固定具として機能するともに、回路構成具としても機能している。
【0059】
また、LEDチップ3及び抵抗器4は、上側ケース本組み工程における上側ケース7が透過した状態の斜視図による図6に示すように、LEDチップ3及び抵抗器4は、中間端子5の凸状バネ部51b,52bとLED用ピアス端子6A,抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61とで付勢された状態で挟みこまれて固定されているため、上側ケース7においては宙吊りの状態で固定されていることとなる。
なお、この状態で、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6が組み込まれた上側ケース7の上方からカバー部材2を装着する。
【0060】
続いて、バックアッププレート組付け工程、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程について図7及び図8とともに説明する。まず、バックアッププレート組付け工程について説明する図7(a)に示すように、下側ケース9の上方からバックアッププレート8を位置規定部92に装着する。このとき、位置規定部92に装着されたバックアッププレート8の嵌合穴81と位置規定部92の干渉防止凹部92aとの位置が一致する。
【0061】
掛合凸部形成工程について説明する図7(b)に示すように、フラットケーブル100を谷折線Aで谷折りし、山折線Bで山折りして、側面視凸状のケース掛合部110を形成する。なお、谷折線Aと山折線Bとの間隔は下側ケース9のケーブル嵌着部91内側の高さと略同一に形成され、山折線B同士の間隔は下側ケース9のケーブル嵌着部91内側の長さと略同一に形成されている。
【0062】
したがって、掛合工程について説明する図8(a)に示すように、位置規定部92にバックアッププレート8を装着した下側ケース9の上方から、ケース掛合部110をケーブル嵌着部91に被せる様にしてケース掛合部110を下側ケース9に掛合することができる。
【0063】
この状態で、函体嵌着工程について説明する図8(b)に示すように、上側ケース本組み工程でカバー部材2、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6を組付け、底面からピアスプレート63が突出する上側ケース7の係合爪72を、ケース掛合部110が掛合した下側ケース9のケース係合部93に係合させて上側ケース7と下側ケース9とを嵌着させる。
【0064】
このとき、下側ケース9のケーブル嵌着部91を形成する長手方向の両側面、すなわち両褄部及び上面と、上側ケース7の底面及び褄部突出片79の内側とでフラットケーブル100のケース掛合部110を挟み込むこととなる。
【0065】
また、上側ケース7と下側ケース9との嵌着によって、ピアス端子6とフラットケーブル100の導電体101とを接続することができる。詳しくは、ピアス端子6とバックアッププレート8との接続構造についての説明図である図9〜図11とともに詳述する。
【0066】
図9(a)はピアス端子6のピアスプレート63のフラットケーブル100への貫通固定状態を示した上方斜視図、(b)はピアス端子6のピアスプレート63のフラットケーブル100への貫通固定状態を示した下方斜視図、図10(a)はピアスプレート63の貫通固定状態を側方からみた側面図、(b)はピアスプレート63の貫通固定状態を下方からみた底面図、図11(a)は図10(a)のI−I線矢視断面図、(b)は同じくII−II線矢視断面図、(c)は同じくIII−III線矢視断面図である。また(d)はIV−IV線矢視断面図である。
【0067】
図9に示すように、ピアス端子6(6A,6B)のピアスプレート63は、フラットケーブル100のうち導電体101を貫通して、その裏面側に配置されたバックアッププレート8の嵌合穴81に差込み嵌合させることで、この貫通状態を固定している。
【0068】
この貫通状態は、前述のようピアス端子6のピアスプレート63を、上方から下方に下ろすことによって、ピアスプレート63の下端部を導電体101に差込み、得ることになる。導電体101の材質は、ピアス端子6のピアスプレート63よりも柔らかい材質にすることによって、このような貫通状態を容易に得ることができる。
【0069】
但し、バックアッププレート8を適切な位置に設定していないと、導電体101の展性により、確実な貫通状態を得ることができない。そこで、バックアッププレート8を下側ケース9の位置規定部92(図2)に装着することで適切な位置に位置するように設定している。
【0070】
こうして、バックアッププレート8を、適切な位置に設定することで、バックアッププレート8の嵌合穴81とピアス端子6のピアスプレート63との間のクリアランス(距離)を適切に設定して、導電体101にせん断力を作用させ、ピアス端子6のピアスプレート63を適切に貫通させることができる。
【0071】
また、バックアッププレート8は、位置規定部92の範囲内では自由に動くため、ピアス端子6が上方から差込まれる際に、バックアッププレート8が自動的に調芯されることになり、確実に、ピアス端子6の中心とバックアッププレート8の中心とを一致させた状態で、フラットケーブル100の導電体101を貫通させることができる。
【0072】
なお、具体的には、図10及び図11に示すような状態で、差込み固定がなされる。
図11(a)のI−I線矢視断面図に示すように、ピアス端子6の中心Oに近接した位置では、導電体101が大きく下方に折り曲げられる。これは、ピアス端子6とバックアッププレート8までのクリアランスL1が大きいことから、このような変形状態となる。このように導電体101が変形することにより、導電体101のピアス端子6に対する接続圧が十分に確保できないため、ピアス端子6へ電流を適切に流すことができない。
【0073】
一方、図11(b)のII−II線矢視断面図に示すように、ピアス端子6の中心Oからやや離間した位置では、導電体101があまり大きく曲げられず、バックアッププレート8も近接した位置にあることから、導電体101のピアス端子6に対する接続圧を高めることができる。このため、この部分では、ピアス端子6へ電流を適切に流すことができる。
【0074】
しかし、さらに図11(c)のIII−III線矢視断面図に示すように、さらにピアス端子6の中心線Oから離れたピアス端子6の側端部では、ピアス端子6とバックアッププレート8までのクリアランスL2が小さい。このため、導電体101はほとんど変形しないため、接続圧も十分に得られない。このため、この部分では、ピアス端子6へ電流は殆ど流れない。
【0075】
このように、ピアス端子6とバックアッププレート8との間のクリアランスL1,L2(距離)が、円弧と平面(直線)によって変化するため、導電体101のせん断状態と展性状態が、各々の場所で変化することになり、少なくとも所定の場所では、適切な接続状態の部分を得ることができる。
このため、このバックアッププレート8を用いた接続構造によると、細かい貫通位置の調整が不要となるため、接続作業が極めて容易になるという利点がある。
【0076】
また、図11(d)のIV−IV線矢視断面図に示すように、ピアス端子6のピアスプレート63の幅Hとバックアッププレート8の嵌合穴81の径dを略一致するように設定しているため、ピアス端子6のピアスプレート63の側端面631とバックアッププレート8の内周面81aが確実に当接することになり、両者の間で摩擦力が発生して、ピアス端子6のピアスプレート63とバックアッププレート8との嵌合状態が保持される。このため、確実にピアス端子6とフラットケーブル100との電気的な接続状態を保持することができる。
【0077】
このように、カバー部材2、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6を組付けた上側ケース7と、ケース掛合部110が掛合した下側ケース9とを嵌着させることによって、ピアス端子6と導電体101と接続することができ、それにより、LEDチップ3及び抵抗器4を導電体101に接続することができる。
【0078】
次に、本実施形態におけるLEDユニット1の作用効果について説明すると、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7と、LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6と、フラットケーブル100の反対側に配して、上側ケース7に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9と、上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を保持させるとともに該LEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に結線する中間端子5を備えたLEDユニット1であって、中間端子5に、2対の凸状に形成した凸状バネ部51(51a,51b),52(52a,52b)を備え、一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7の挿入凹部77に係止し、凸状バネ部51b,52bによりLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に押し当てることによって、中間端子5はLEDチップ3及び抵抗器4と電気的に接続して、LED用ピアス端子6A→LEDチップ3→中間端子5→抵抗器4→抵抗用ピアス端子6Bという電子回路を構成することができる。
【0079】
また、上側ケース7に対して相対位置が固定されたピアス端子6と中間端子5とでLEDチップ3及び抵抗器4を挟み込んで固定することができる。このように、中間端子5は、LEDチップ3及び抵抗器4の上側ケース7に対する固定具として機能するともに、回路構成具としても機能している。
【0080】
このように、LEDチップ3は中間端子5の凸状バネ部51bとLED用ピアス端子6Aの接触プレート61とで挟み込まれ、抵抗器4は中間端子5の凸状バネ部52bと抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61とで挟みこまれた固定されているが、この状態において、挿入凹部77に挿入されて上側ケース7に位置固定された凸状バネ部51aと、凸状バネ部51bとの間には、その間隔を広げられることによる付勢力が作用し、LEDチップ3、LED用ピアス端子6A及び中間端子5の電気的な接続を維持することができる。
【0081】
同様に、挿入凹部77に挿入されて上側ケース7に位置固定された凸状バネ部52aと凸状バネ部52bとの間には、その間隔を広げられることによる付勢力が作用し、抵抗器4、抵抗用ピアス端子6B及び中間端子5の電気的な接続を維持することができる。
【0082】
なお、凸状バネ部51間及び凸状バネ部52間に生じる付勢力は、中間端子5の渡り部5bが伸ばされることで発生している。このように、板状部材の長手方向の変位に対する付勢力は、例えば板状部材の厚み方向の変形による付勢力と比較して、わずかな変位によって大きな付勢力が生じる。
【0083】
したがって、小さな空間における小さな変位によって安定な接続に必要な付勢力を得ることができ、部品を小型化することができるとともに、電気的接続の信頼性を向上することができる。
【0084】
また、LEDチップ3及び抵抗器4は、中間端子5の凸状バネ部51b,52bとLED用ピアス端子6A,抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61とで付勢された状態で挟みこまれて固定されており、上側ケース7においては宙吊りの状態で固定されているため、安定した電気的接続を得ることができ、信頼性を向上することができる。
【0085】
詳しくは、LEDチップ3の発光部31が発光することによってLEDチップ3や抵抗器4が発熱し、その発熱によって、LEDチップ3及び抵抗器4の周辺の各部材が熱膨張する。しかし、各部材の熱膨張率はその材質によって異なり、金属製部材である中間端子5やピアス端子6より樹脂製部材である上側ケース7の方が熱膨張しやすい。
【0086】
したがって、LEDチップ3及び抵抗器4が上側ケース7に直接位置固定されている場合、部品同士で位置関係がずれてしまい、接続が不安定になる可能性がある。しかし、本発明のLEDユニット1においては、中間端子5を用いることで、部品同士の位置関係がずれたとしても、中間端子5が随時変形することでピアス端子6−LEDチップ3及び抵抗器4−上側ケース7の位置関係を保持するので、発熱による寸法変化が発生しても、安定した電気的接続を得ることができ、信頼性を向上することができる。
【0087】
また、LEDチップ3と、LEDチップ3が押し当てられるLED用ピアス端子6Aとを、一対の凸状バネ部51a,51bの間に配置し、抵抗器4と、該抵抗器4が押し当てられる抵抗用ピアス端子6Bとを、一対の凸状バネ部52a,52bの間に配置したことにより、凸状バネ部51a,51bの間および凸状バネ部52a,52bの間に生じる付勢力の方向、すなわち中間端子5の渡り部5bの方向と、LEDチップ3や抵抗器4をピアス端子6に押し付ける方向とが一致する。
【0088】
したがって、中間端子5で生じる付勢力を効率よく、LEDチップ3及び抵抗器4に作用させることができ、より部品を小型化することができるとともに、電気的接続の信頼性をより向上することができる。
【0089】
また、中間端子5に、配置するLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状バネ部51,52を備えたことにより、確実に凸状バネ部51,52に生じる付勢力をLEDチップ3及び抵抗器4に作用させることができ、電気的接続の信頼性をさらに向上することができる。
【0090】
幅方向に所定間隔を隔てて配設した2本の導電体101と2本の導電体101を一体的に平板状に被覆する不導電性ラミネートシート102とから成るフラットケーブル100に、下側ケース9のケーブル嵌着部91に掛合するケース掛合部110を備えたことにより、LED用ピアス端子6Aのピアスプレート63と、抵抗用ピアス端子6Bのピアスプレート63の2箇所の導電体101との接続をより確実にすることができる。
【0091】
詳しくは、ピアスプレート63が導電体101を貫通する際に、ピアスプレート63の貫通方向、すなわちピアスプレート63の平面視貫通中心に向かって、導電体101は引き寄せられるが、本実施例のように、導電体101を貫通するピアスプレート63が2つある場合において、2つのピアスプレート63が導電体101を貫通するタイミングが相違する場合、後のピアスプレート63の導電体101の貫通による導電体101の引き寄せによって、先に導電体101を貫通したピアスプレート63の接続部分に引張力が付与され、接続部分が移動する。通常は、多少移動しても接続部分に問題は無いが、接続部分の信頼性を特に重視する場合は、移動しないほうが好ましい。
【0092】
本実施例のように、フラットケーブル100を凸状に曲げたケース掛合部110を下側ケース9のケーブル嵌着部91に掛合してから、上側ケース7と下側ケース9で挟み込むように固定したことによって、LED用ピアス端子6Aのピアスプレート63と、抵抗用ピアス端子6Bのピアスプレート63の導電体101を突き抜けるタイミングがずれた場合であっても、ケース掛合部110はケーブル嵌着部91に掛合しているため、ケース掛合部110のケーブル嵌着部91に対する位置は移動しない。
【0093】
したがって、2つのピアスプレート63の貫通タイミングのずれによって生じるフラットケーブル100の移動によるピアスプレート63と導電体101との接続部分への負荷を防止することができる。よって、上側ケース7と下側ケース9との接続における、複数のピアスプレート63が貫通する際の困難性を解消し、ピアスプレート63と導電体101との接続の信頼性をより向上させることができる。
【0094】
また、ケーブル嵌着部91に掛合したケース掛合部110をケーブル嵌着部91を形成する下側ケース9の長手方向側面及び上面と、上側ケース7の底面及び褄部突出片79内面とで挟み込むため、LEDユニット1に長手方向の外力が負荷された場合であっても、フラットケーブル100はケース掛合部110によって上側ケース7及び下側ケース9に位置固定されており、ピアスプレート63とケース掛合部110との接続部分に大きな外力が負荷されることを防止することができる。したがって、ピアスプレート63と導電体101との電気的接続状態を安定して確保することができる。
【0095】
また、上側ケース7と下側ケース9の間にケース掛合部110を挟みこんでいるため、ケース掛合部110を挟み込むことによる反力によって、上側ケース7の装着凹部73と下側ケース9のケース係合部93との係合をより強固にすることができる。
【0096】
また、ピアス端子6に、導電体101を貫通して接続するピアスプレート63を設け、下側ケース9に、フラットケーブル100を貫通するピアスプレート63の抜け出しを防止するバックアッププレート8を備えたことにより、導電体101を貫通したピアスプレート63が不用意にフラットケーブルから抜け出ることを容易に防止でき、フラットケーブルとピアス端子6との電気的接続が安定するため、LEDユニット1における接続の信頼性が向上する。
【0097】
また、ピアスプレート63を略矩形断面形状で形成して、バックアッププレート8を嵌合穴81を有する略円形穴状で形成し、略円形穴状のバックアッププレート8の嵌合穴81の穴径をピアスプレート63の矩形断面の長手方向長さに略一致させたことにより、略円形穴状のバックアッププレート8で略矩形断面のピアスプレート63の抜け出しを防止するとともに、バックアッププレート8とピアスプレート63との間の調芯が容易になり、組付けの方向性の自由度を高めることができる。
【0098】
また、バックアッププレート8の嵌合穴81の内周縁とピアスプレート63の両側端が確実に当接することになり、確実にピアスプレート63の抜け出しを防止することができる。よって、フラットケーブル100の導電体101とピアス端子6の接続作業を、容易に行なうことができるとともに、フラットケーブルとピアス端子6の接続構造の信頼性を、より高めることができる。
【0099】
また、バックアッププレート8を、下側ケース9とは別体に形成したことによって、バックアッププレート8の材質や硬度等を、下側ケース9の材質等に影響されることなく、自由に設定できるため、下側ケース9等の生産コストを高めることなく、確実にバックアッププレート8の抜止力を高めることができる。よって、生産コストを高めることなく、確実にフラットケーブルとピアス端子6の接続構造の信頼性を高めることができる。
【0100】
なお、他の実施形態として、バックアッププレート8を下側ケース9に一体に形成することも可能である。この場合は、下側ケース9をガラス繊維等を混入した材料で形成して強度を高める必要があるが、組付けの作業工程のうち、バックアッププレート8の組付け工程が不要となるため、作業工程を一工程削減することができる。
【0101】
この実施形態では、フラットケーブル100にLEDチップ3及び抵抗器4を接続する接続方法において、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7に、該LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6を仮組みする端子組付け工程と、該ピアス端子6を仮組みした上側ケース7に、中間端子5を仮組みする中間端子組付け工程と、該中間端子5とピアス端子6を仮組みした上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を組付けて、LEDチップ3及び抵抗器4とピアス端子6を上側ケース7に本組みする上側ケース本組み工程と、下側ケース9に、前記フラットケーブル100を貫通するピアスプレート63の抜け出しを防止するバックアッププレート8を仮組みするバックアッププレート組付け工程と、折り曲げによって、前記下側ケース9に掛合するケース掛合部110を前記フラットケーブル100に形成する函体掛合部形成工程と、前記ケース掛合部110を前記下側ケース9に掛合する掛合工程と、前記上側ケース7と前記下側ケース9とを、間に前記フラットケーブル100を挟み込んで嵌着する函体嵌着工程とを備えている。
【0102】
これにより、上側ケース7に保持させたLEDチップ3及び抵抗器4等を容易にフラットケーブル100に接続することができる。特に、一旦、ピアス端子6及び中間端子5を上側ケース7に仮組みした後に、LEDチップ3及び抵抗器4を組付けることによって、LEDチップ3及び抵抗器4等の「保持」と「結線」を中間端子5を用いて、同時に行なえるため、組付け作業性を向上することができる。
よって、この実施形態の方法によると、容易にLEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に接続できる接続方法を提供することができる。
【0103】
なお、本実施例におけるLEDユニット1は、車両に配策されたフラットケーブル100に取付けること前提としており、供給電圧12VをLEDチップ3に適した3.7Vに電圧を調整するための抵抗器4を装備したが、もともと供給電圧が3.7Vなら抵抗器4は不要となり、中間端子5には一対の凸状バネ部51でよく、より単純化した構造となる。この場合においても、本実施例におけるLEDユニット1と同様の効果を得ることができる。
【0104】
なお、本実施例におけるLEDユニット1は、フラットケーブル100のケース掛合部110を下側ケース9のケーブル嵌着部91に掛合して、上側ケース7と下側ケース9とを嵌着する構成であったが、ピアス端子6を装着した上側ケース7にピアスプレート63でフラットケーブル100を貫通させながらケース掛合部110を上側ケース7に掛合させてから上側ケース7と下側ケース9とを嵌着する構成であってもよい。
【実施例2】
【0105】
図12に示す第2の実施例のLEDユニット1’は、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7’と、前記LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6’(6A’,6B’)と、上側ケース7’に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9’とを備えている。
【0106】
また、LEDユニット1’は、上側ケース7’にLEDチップ3及び抵抗器4を保持させるとともに、該LEDチップ3及び抵抗器4を前記ピアス端子6’に結線する中間端子5を備えている。
【0107】
中間端子5は、電子部品であるLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状に形成した凸状バネ部51,52を備え、凸状バネ部51,52の一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7’に係止し、他方の凸状バネ部51b,52bでLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6’に押し当てている。
【0108】
なお、LEDチップ3と、該LEDチップ3が押し当てられるピアス端子6A’の接触プレート61’とは一対の凸状バネ部51の間に配置され、抵抗器4と、抵抗器4が押し当てられるピアス端子6B’の接触プレート61’とは一対の凸状バネ部52の間に配置されている。
【0109】
また、ピアス端子6’には、フラットケーブル100の導電体101を貫通して接続するピアス刃63a’を備えたピアス部63’を設け、ピアス部63’を、一対の凸状バネ部51,52の間にLEDチップ3や抵抗器4を組付ける組付方向Xに対して交差する交差方向である前記フラットケーブル100の長手方向(以下、単に「長手方向」とする)にずらして配置している。
【0110】
LEDユニット1’に関する上記構成について、LEDユニット1’の斜視図を示す図12と、LEDユニット1’の分解斜視図を示す図13とともに詳述すると、実施例1のLEDユニット1と同様に、LEDユニット1’は、LEDチップ3をフラットケーブル100に接続するとともに電圧調整を行なう抵抗器4も同時に取付けるための接続ユニットである。
【0111】
なお、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びフラットケーブル100は、上述の実施例1における構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
フラットケーブル100には、実施例1のフラットケーブル100に形成したケース掛合部110と同様に、側面視凸状、すなわち他の部分より高い段状、且つ下側ケース9’の長さ分の面状体で構成するケース掛合部110’を形成している。
【0112】
前述のLEDユニット1’は、図13に示すように、第一函体である上側ケース7’と、この上側ケース7’に組付けるLEDチップ3、抵抗器4と、このLEDチップ3、抵抗器4をフラットケーブル100に接続するピアス端子6’(6A’,6B’)と、LEDチップ3と抵抗器4を固定する中間端子5と、第二函体である下側ケース9’と、端子カバー8’とで構成している。
【0113】
ピアス端子6’は、LEDチップ3に接続されるLED用ピアス端子6A’と、抵抗器4に接続される抵抗用ピアス端子6B’との2種類があり、それぞれは上から順に、LEDチップ3及び抵抗器4の接触端子32,41と接触する接触凸部61a’を有する接触プレート61’と、該接触プレート61’に対して略直角且つ平面視かぎ状の水平かぎ状プレート部62’と、該水平かぎ状プレート部62’に対して略直角であり、長手方向且つ貫通方向に略平行な側面を有する薄板状で形成するピアス刃63a’を複数備えたピアス部63’とで、側面視かぎ状に構成している。
【0114】
なお、LED用ピアス端子6A’の水平かぎ状プレート部62’は抵抗用ピアス端子6B’の水平かぎ状プレート部62’より長く形成されている。
また、ピアス部63’は、ピアス刃63a’を幅方向に2列状に3個ずつ配置して正面視逆U字状に湾曲形成している。ピアス端子6’は導電性を有するものであれば良く、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【0115】
上側ケース7’は、樹脂製の平面視縦長矩形体で構成しており、長手方向の両側面と上面とに上面開口部71’が形成され、幅方向の両側面の中央下端には、下側ケース9’のケース係合部93’に係合する係合爪72’を備えている。さらに、長手方向手前側の褄面の中央下端には、ピアス端子6’の水平かぎ状プレート部62’の係合を許容する係合溝部79’を備え、長手方向の奥側の褄面の中央下端には、褄部突出片78’(図14参照)を備えている。
【0116】
また、上側ケース7’は、貫通孔73a’を備えた装着凹部73’、貫通孔74a’を備えた装着凹部74’、第一収容部75’、第二収容部76’、挿入凹部77’(77a’、77b’)を備えている。
【0117】
下側ケース9’は、樹脂製の平面視縦長矩形皿体(長手方向が幅方向に対して2倍程度長い)で構成され、長手方向の両側面、すなわち両褄部と上面とに渡ってフラットケーブル100のケース掛合部110’が嵌着するケーブル嵌着部91’が形成され、ケーブル嵌着部91’内側の上面には、ケース掛合部110を貫通したピアス部63’のピアス刃63a’との干渉を防止する干渉防止凹部92’を形成している。
【0118】
また、幅方向側面の後方には、上側ケース7’を係合固定するための係合爪72’の係合を許容するケース係合部93’を備え、幅方向側面の前方には、端子カバー8’を係合固定するための係合爪82’の係合を許容するカバー係合部94’を備えている。
【0119】
端子カバー8’は、樹脂製のプレートで形成された平面視正方形体のカバー本体81’と、該カバー本体81’における幅方向の両端に配置した係合爪82’と、長手方向の手前側褄面81a’の中央下端に配置した褄部突出片83’とで構成している。
【0120】
係合爪82’は、下側ケース9’のカバー係合部94’に係合する。褄部突出片83’は、手前側褄面81a’から下方に突出する態様で配置されており、端子カバー8’の装着状態において、褄部突出片83’の内側とケーブル嵌着部91’とでケーブル嵌着部91’に掛合したフラットケーブル100のケース掛合部110’を挟み込むこととなる。
【0121】
次に、LEDユニット1’の組付けおよびフラットケーブル100への取り付け方法について説明する。
本発明のフラットケーブル100にLEDチップ3及び抵抗器4を接続するLEDユニット1’の接続方法は端子組付け工程と、中間端子組付け工程と、上側ケース本組み工程と、掛合凸部形成工程と、掛合工程と、函体嵌着工程とで構成されている。
【0122】
上記端子組付け工程は、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7’に、該LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6’を仮組みする工程である。
中間端子組付け工程は、該ピアス端子6’を仮組みした上側ケース7’に、中間端子5を仮組みする工程である。
【0123】
上側ケース本組み工程は、該中間端子5とピアス端子6’を仮組みした上側ケース7’にLEDチップ3及び抵抗器4を組付けて、LEDチップ3及び抵抗器4と、中間端子5と、ピアス端子6’とを上側ケース7’に本組みする工程である。
【0124】
掛合凸部形成工程は、下側ケース9’に掛合する掛合凸部110’を、折り曲げによって、前記フラットケーブル100に形成する工程である。
掛合工程は、前記掛合凸部110’を、前記下側ケース9’に掛合する工程である。
【0125】
函体嵌着工程は、間に前記フラットケーブル100を挟み込んで上側ケース7’と下側ケース9’とを嵌着し、さらに下側ケース9’に端子カバー8’を嵌着する工程である。
【0126】
上記各工程について、以下において図とともに詳述する。
端子組付け工程について説明する説明図である図14の図14(a)に示すように、上側ケース7’を上下逆さまにして、底面側を上側にし、貫通孔73a’(図15参照)にLED用ピアス端子6A’の接触プレート61’を挿入してLED用ピアス端子6A’を装着凹部73’に装着し、貫通孔74a’(図15参照)に抵抗用ピアス端子6B’の接触プレート61’を挿入して抵抗用ピアス端子6B’を装着凹部74’に装着する。
【0127】
これにより、図14(b)に示すように、LED用ピアス端子6A’と抵抗用ピアス端子6B’のピアス部63’を、上側ケース7’の長手方向手前側に突出する態様で上側ケース7’に組付けることができる。
【0128】
中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程について上側ケース7’の斜視図によって説明する図15における図15(a)に示すように、上側ケース7’の上面開口部71’が上面側となるように戻すと、上述の端子組付け工程で組付けられたピアス端子6’の接触プレート61’が貫通孔73a’,74aを通過して第一収容部75’及び第二収容部76’の底面から突出している。
【0129】
この状態で、上側ケース7’の上側から、凸状バネ部51a,52aを挿入凹部77a’に挿入し、凸状バネ部51b,52bを挿入凹部77b’に挿入して、中間端子5を上側ケース7’に装着する。ここで、中間端子5の部品配置開口53と第一収容部75’、そして部品配置開口54と第二収容部76’とは上下に対応する位置となる。
【0130】
そして、図15(b)に示すように、上側ケース7’の上方からLEDチップ3及び抵抗器4を、矢印で示す組付方向Xで、部品配置開口53及び部品配置開口54を通過させて、図15(c)に示すように第一収容部75’及び第二収容部76’に組付ける。
【0131】
続いて、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程について図16及び図17とともに説明する。掛合凸部形成工程について説明する図16(a)に示すように、フラットケーブル100を谷折線Aで谷折りし、山折線Bで山折りして、側面視凸状のケース掛合部110’を形成する。
【0132】
なお、谷折線Aと山折線Bとの間隔は下側ケース9’のケーブル嵌着部91’内側の高さと略同一に形成され、山折線B同士の間隔は下側ケース9’のケーブル嵌着部91’内側の長さと略同一に形成されている。
【0133】
したがって、掛合工程について説明する図16(c)に示すように、下側ケース9’の上方から、ケース掛合部110’をケーブル嵌着部91’に被せる様にしてケース掛合部110’を下側ケース9’に掛合することができる。
【0134】
この状態で、函体嵌着工程について説明する図17(a)に示すように、上側ケース本組み工程でLEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’を組付け、上側ケース7’の長手方向手前側からピアス部63’が突出する上側ケース7’の係合爪72を、ケース掛合部110’が掛合した下側ケース9’のケース係合部93’に係合させて上側ケース7’と下側ケース9’とを嵌着させる。
【0135】
このとき、ピアス部63’のピアス刃63a’は、フラットケーブル100の不導電性ラミネートシート102ごと導電体101を貫通する。なお、フラットケーブル100を貫通したピアス刃63a’の先端は、干渉防止凹部92’内に挿入されることとなる。
【0136】
そして、ピアス刃63a’でフラットケーブル100を貫通したピアス部63’の上方から、端子カバー8’を装着する。詳しくは、端子カバー8’の係合爪82’を下側ケース9’のカバー係合部94’に係合させて、端子カバー8’と下側ケース9’とを嵌着させる。
【0137】
この状態において、下側ケース9’のケーブル嵌着部91’を形成する長手方向の両側面、すなわち両褄部及び上面と、上側ケース7’の底面及び褄部突出片78’の内側と、端子カバー8’の底面と褄部突出片83’とでフラットケーブル100のケース掛合部110’を挟み込むこととなる。
【0138】
このように、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’が組付けられ、フラットケーブル100に取り付けられたLEDユニット1’は、この状態の平面図である図18(a)、図18(a)におけるa−a矢視図である図18(b)に示すように、第一収容部75’内にはLED用ピアス端子6A’の接触プレート61’と、LEDチップ3と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部51bの接点55がこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部51bはLEDチップ3を接触プレート61’側に押圧している。
【0139】
したがって、LEDチップ3の接触プレート61’側の接触端子32は接触プレート61’の接触凸部61a’と接触し、反対側の接触端子32は接点55と接触している。
【0140】
また、図18(a)におけるb−b矢視図である図18(c)に示すように、第二収容部76’内に配置された抵抗用ピアス端子6B’の接触プレート61’と、抵抗器4と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部52bの接点55とはこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部52bは抵抗器4を接触プレート61’側に押圧している。
【0141】
したがって、抵抗器4の接触プレート61’側の接触端子41は接触プレート61’の接触凸部61a’と接触し、反対側の接触端子41は接点55と接触している。
【0142】
接点55を介してLEDチップ3及び抵抗器4と電気的に接続された中間端子5は、導電性部材である銅製のプレートで構成されているため、LED用ピアス端子6A’→LEDチップ3→中間端子5→抵抗器4→抵抗用ピアス端子6B’という電子回路を構成することができる。
【0143】
なお、凸状バネ部51a及び凸状バネ部52aを挿入凹部77a’に挿入しているため、中間端子5の上側ケース7’に対する相対位置は固定されている。また、ピアス端子6’も上側ケース7’の底面に備えた装着凹部73’,74に装着され、接触プレート61’が貫通孔73a’,74aを貫通することよって上側ケース7’に対する相対位置が固定されている。
【0144】
そして、LEDチップ3及び抵抗器4は、上側ケース7’に対して相対位置が固定されたピアス端子6’と中間端子5とで付勢された状態で挟みこまれて、上側ケース7’に対して位置が固定されている。このように、中間端子5は、LEDチップ3及び抵抗器4の固定具として機能するともに、回路構成具としても機能している。
【0145】
このように、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’を組付けた上側ケース7’と、ケース掛合部110’が掛合した下側ケース9’とを嵌着させることによって、ピアス端子6’と導電体101と接続することができ、上述の実施例1のLEDユニット1と同様に、LEDチップ3及び抵抗器4を導電体101に接続することができる。
【0146】
このように、上述の実施例1のLEDユニット1における効果に加えて、LEDユニット1’はピアス部63’をLEDチップ3及び抵抗器4の組付方向Xに対して交差する方向、すなわちフラットケーブル100の長手方向に偏心させた位置に配置しているため、ピアス刃63a’でフラットケーブル100を貫通する際の貫通負荷による影響が、ピアス端子6’と中間端子5とで付勢された状態で挟みこまれたLEDチップ3及び抵抗器4の回路構成に及ぶことを防止し、信頼性の高い接続を実現することができる。
【0147】
さらに、例えば、ピアス刃63a’でフラットケーブル100を貫通した状態で、取り替え等によってLEDチップ3や抵抗器4を挿着する場合であっても、LEDチップ3や抵抗器4の組付方向Xからピアス部63’がフラットケーブル100も長手方向に偏心しているため、ピアス部63’とフラットケーブル100との接続状態に悪影響を及ぼすことが防止でき、信頼性の高い接続状態を確保することができる。
【0148】
なお、本実施例において、上側ケース本組み工程完了後に、函体嵌着工程を行ってLEDユニット1’をフラットケーブル100に取り付けたが、中間端子組付け工程でピアス端子6’を組付けた上側ケース7’と下側ケース9’とを嵌着させてフラットケーブル100に取り付ける函体嵌着工程を行ってから、上側ケース7’にLEDチップ3、抵抗器4及び中間端子5を組付ける上側ケース本組み工程を行ってもよい。
【0149】
この場合であっても、LEDチップ3及び抵抗器4の組付方向Xからフラットケーブル100の長手方向に偏心した位置にピアス部63’を配置しているため、すでにピアス刃63’aがフラットケーブル100を貫通してピアス部63’と導電体101が接続された状態であっても、LEDチップ3、抵抗器4及び中間端子5を挿着することによるピアス部63’と導電体101との接続状態への悪影響を防止できる。
【0150】
また、上面開口部71’に上述の実施例1に記載したカバー部材2を装着してもよい。これにより、上側ケース7’に組付けたLEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’を保護することができる。
【0151】
以上、この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の電子部品は、LEDチップ3及び抵抗器4に対応し、
以下同様に、
第一函体は、上側ケース7,7’に対応し、
電気ケーブル及びフラットケーブルは、フラットケーブル100に対応し、
接続端子は、ピアス端子6,6’、LED用ピアス端子6A,6A’及び抵抗用ピアス端子6B,6B’に対応し、
第二函体は、下側ケース9,9’に対応し、
接続構造は、LEDユニット1,1’に対応し、
端子部材は、中間端子5に対応し、
平型導体は、導電体101に対応し、
被覆部材は、不導電性ラミネートシート102に対応し、
函体掛合部は、ケース掛合部110,110’に対応し、
貫通接続部は、ピアスプレート63,ピアス部63’のピアス刃63a’に対応し、
抜止手段は、バックアッププレート8に対応するも
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0152】
フラットケーブル100は、ピアス端子6が接続しやすい絶縁部材である不導電性ラミネートシート102で被覆されたフラットケーブル100であればよく、特に、本実施形態のものに限定されるものではないが、不導電性ラミネートシート102の材質としては、具体的にはPET樹脂が好ましい。
【0153】
また、導電体101についても、放熱性に優れる帯状の導電体だけでなく、丸形断面の導電体であってもよく、導電体101の材質としては導電性を有するものであれば良いが、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【0154】
特に、なお、端子部材は、図に示した「日」形状のほかに、「H」「□」「U」等の形状でも良く、組付け時に、LEDチップ3及び抵抗器4を「保持」するとともに「結線」するものであればどのような形状であってもよい。
【0155】
さらにまた、フラットケーブルとピアス刃を先に貫通カール加工した後に、函体嵌着することを行っても良い。
なお、上記長手方向とは、平角導体である導電体101の長さ方向をいう。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】LEDユニットの斜視図。
【図2】LEDユニットの分解斜視図。
【図3】上側ケースへのピアス端子の装着を底面側からの斜視図による説明図。
【図4】中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程について上側ケースの斜視図による説明図。
【図5】上側ケース本組み工程完了後の上側ケースの平面図。
【図6】上側ケース本組み工程における上側ケースが透過した説明斜視図。
【図7】バックアッププレート組付け工程、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程についての説明図。
【図8】バックアッププレート組付け工程、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程についての説明図。
【図9】ピアス端子とバックアッププレートとの接続構造についての説明図。
【図10】ピアス端子とバックアッププレートとの接続構造についての説明図。
【図11】ピアス端子とバックアッププレートとの接続構造についての説明図。
【図12】第2の実施例のLEDユニットの斜視図。
【図13】第2の実施例のLEDユニットの分解斜視図。
【図14】第2の実施例の端子組付け工程について説明する説明図。
【図15】第2の実施例の中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程についての説明図。
【図16】第2の実施例の掛合凸部形成工程及び掛合工程についての説明図。
【図17】第2の実施例の函体嵌着工程についての説明図。
【図18】第2の実施例のLEDユニットの平面図や断面図等による説明図。
【符号の説明】
【0157】
1,1’…LEDユニット
3…LEDチップ
4…抵抗器
5…中間端子
6,6’…ピアス端子
6A,6A’…LED用ピアス端子
6B,6B’…抵抗用ピアス端子
7,7’…上側ケース
8…バックアッププレート
9,9’…下側ケース
51a,51b,52a,52b…凸状バネ部
63…ピアスプレート
63a’…ピアス刃
100…フラットケーブル
101…導電体
102…不導電性ラミネートシート
110,110’…ケース掛合部
X…組付方向
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、車両の照明装置や制御装置に使用される電子部品を電気ケーブルに接続する接続構造及び接続方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車の各種コントロールユニットや照明装置等にはプリント基板上に複数の電子部品を実装した電子部品搭載モジュールが用いられている。このような電子部品搭載モジュールは、例えば、半田接続によって電子部品を基板に実装し、モジュールと外部電気回路とは、基板と半田接続された端子を有するコネクタによって接続される(特許文献1参照)。
【0003】
しかし、電子部品と回路導体とは半田接続されるため、例えば、平面視2mm×2mm角のLEDチップのようにますます小型化する電子部品を接続する場合には、多くの工数もしくは設備投資と品質管理を要するという問題があった。
特に、小型化した電子部品を電気ケーブルに接続するに際し、半田接続によると、多大な工数と品質管理が必要になるといった問題があった。
【0004】
【特許文献1】特開2004−111435号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造及び接続方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、電子部品を保持する第一函体と、前記電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子と、前記第一函体に嵌着して前記電気ケーブルを挟み込んで取付ける第二函体と、前記第一函体に電子部品を保持させるとともに該電子部品を前記接続端子に結線する端子部材とを備えた接続構造であって、前記端子部材に、少なくとも1対の凸状に形成した凸状バネ部を備え、一方の凸状バネ部を前記第一函体に係止し、他方の凸状バネ部により前記電子部品を前記接続端子に押し当てることを特徴とする接続構造であることを特徴とする。
【0007】
この発明の態様として、前記電子部品と、該電子部品が押し当てられる接続端子とを、一対の凸状バネ部の間に配置することができる。
また、この発明の態様として、複数個の電子部品を配置し、配置する電子部品の個数に応じた数の対の凸状バネ部を備えることができる。
【0008】
また、この発明の態様として、前記電気ケーブルを、幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、前記フラットケーブルに、前記第一函体或いは第二函体に掛合する函体掛合部を備えることができる。
【0009】
また、この発明の態様として、前記接続端子に、前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、前記第二函体に、前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を備えることができる。
【0010】
また、この発明の態様として、前記貫通接続部を、略矩形断面形状で形成して、前記抜止手段を、略円形穴状で形成し、前記略円形穴状の抜止手段の穴径を、前記貫通接続部の矩形断面の長手方向長さに略一致させることができる。
また、この発明の態様として、前記抜止手段を、前記第二函体とは別体に形成することができる。
【0011】
また、この発明の態様として、前記電気ケーブルを、幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、前記接続端子に、前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、該貫通接続部を、前記一対の凸状バネ部の間に前記電子部品を組付ける組付方向に対して交差する交差方向に配置することができる。
また、この発明の態様として、前記交差方向が、前記フラットケーブルの長手方向に設定することができる。
【0012】
また、この発明は、フラットケーブルに電子部品を接続する接続方法であって、電子部品を保持する第一函体に、該電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子を仮組みする端子組付け工程と、該接続端子を仮組みした第一函体に、端子部材を仮組みする端子部材組付け工程と、該端子部材と接続端子を仮組みした第一函体に電子部品を組付けて、電子部品と接続端子を第一函体に本組みする第一函体本組み工程と、第二箱体に、前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を仮組みする抜止手段組付け工程と、折り曲げによって、前記第二函体に掛合する函体掛合部を前記フラットケーブルに形成する函体掛合部形成工程と、前記函体掛合部を、前記第二函体に掛合する掛合工程と、前記第一函体と前記第二函体とを、間に前記フラットケーブルを挟み込んで嵌着する函体嵌着工程とを備えた接続方法であることを特徴とする。
【0013】
上記電子部品には、LEDチップ等の光源デバイスや各種センサ、さらには供給電圧を調整する抵抗器を含む。
上記電気ケーブルに電気的に接続する複数の接続端子は、電子部品を電気ケーブルに直接接続する端子や、電子部品同士を接続することで間接的に電気ケーブルに接続する端子であることを含む。
【0014】
上記貫通接続部はピアス刃であることを含み、上記接続端子はピアス刃を複数備えたピアス端子等であることを含む。
なお、電気ケーブルとして丸撚り線を幅方向に並べて一体化したリボン電線を用いても良いが、放熱効果が高いフラットケーブルがより好ましい。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、容易に電子部品を電気ケーブルに接続できる接続構造及び接続方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明のLEDユニット1は、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7と、前記LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6(6A,6B)と、上側ケース7に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9とを備えている。
【0018】
また、LEDユニット1は、上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を保持させるとともに、該LEDチップ3及び抵抗器4を前記ピアス端子6に結線する中間端子5を備えている。
【0019】
中間端子5は、電子部品であるLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状に形成した凸状バネ部51,52を備え、凸状バネ部51,52の一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7に係止し、他方の凸状バネ部51b,52bでLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に押し当てている。
【0020】
なお、LEDチップ3と、該LEDチップ3が押し当てられるピアス端子6aの接触プレート61とは一対の凸状バネ部51の間に配置され、抵抗器4と、抵抗器4が押し当てられるピアス端子6bの接触プレート61とは一対の凸状バネ部52の間に配置されている。
【0021】
また、フラットケーブル100は、幅方向に所定間隔を隔てて配設した2本の導電体101と該2本の導電体101を一体的に平板状に被覆する不導電性ラミネートシート102とで構成し、該フラットケーブル100に、下側ケース9に掛合する掛合凸部110を折り曲げによって形成している。
また、前記下側ケース9には、導電体101を貫通して接続するピアス端子6のピアスプレート63の抜け出しを防止するバックアッププレート8を備えている。
【0022】
なお、上記ピアスプレート63を略矩形断面形状で形成し、上記バックアッププレート8を、略円形穴状、すなわちドーナッツ状に形成し、略円形穴状のバックアッププレート8の穴径と、前記ピアスプレート63の矩形断面の長手方向長さとは略同一に形成している。また、バックアッププレート8を、前記下側ケース9とは別体に形成している。
【0023】
LEDユニット1に関する上記構成について、LEDユニット1の斜視図を示す図1と、LEDユニット1の分解斜視図を示す図2とともに詳述すると、LEDユニット1は、LEDチップ3をフラットケーブル100に接続するとともに電圧調整を行なう抵抗器4も同時に取付けるための接続ユニットである。
【0024】
フラットケーブル100は、幅方向に所定間隔を隔てて平行に配した2本の帯状の導電体101と、この導電体101を表裏から挟みこんで一体的に囲繞する不導電性ラミネートシート102で構成している。
【0025】
そして、フラットケーブル100は可撓性を有しており、折り曲げによって、側面視凸状、すなわち他の部分より高い段状、且つ下側ケース9の長さ分の面状体で構成するケース掛合部110を形成している。
【0026】
なお、図中においてフラットケーブル100の一部のみを示しているが、フラットケーブル100は、必要な長さで形成され、車両内部等において所定箇所に配索されるように構成している。
【0027】
前述のLEDユニット1は、図2に示すように、第一函体である上側ケース7と、この上側ケース7に装着するLEDチップ3と、同様に上側ケース7に装着する抵抗器4と、このLEDチップ3、抵抗器4をフラットケーブル100に接続するピアス端子6(6A,6B)と、LEDチップ3と抵抗器4を固定する中間端子5と、この中間端子5を上方から覆うカバー部材2と、ピアス端子6の抜け出しを防止するバックアッププレート8と、バックアッププレート8を装着する第二函体である下側ケース9とを備えている。
【0028】
カバー部材2は、樹脂製のプレートで形成された平面視縦長矩形体のカバー本体2aと、該カバー本体2aにおける、フラットケーブル100の長手方向(以下、単に「長手方向」とする)の両端に、上側ケース7の上面褄部に係合する係合爪部2bとを備えており、上側ケース7に組付けられたLEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6を上方から覆うように上側ケース7に上方から組付けるように構成している。
【0029】
なお、カバー本体2aにおける、フラットケーブル100の幅方向(以下、単に「幅方向」とする)の中央には、上側ケース7に組付けられた際に、内部に装着されたLEDチップ3の発光部31を外部から視認できる平面視円形の円形窓21を備えている。
【0030】
LEDチップ3は、上面に平面視円形の発光部31を備え、両側面に底面から連続するL型の接触端子32を備えている。抵抗器4は、横長平板状矩形体に構成して、両側面に凹字型の接触端子41,41を備えている。
【0031】
中間端子5は、1枚の適宜の弾性を有する銅製のプレートから形成される。詳しくは、プレス加工により、LEDチップ3および抵抗器4が配置される部品配置開口53,54を打ち抜き、2本の平行する長手方向部5aと、長手方向に所定間隔を隔てて配置した3本の幅方向の渡り部5bとで構成された平面視日の字型に形成している。
【0032】
また、各渡り部5bの間の中央付近の長手方向部5aのそれぞれ相対する位置を下方に側面視Uの字型にプレスし、中間端子5全体で略W字型に形成している。この側面視Uの字型に形成された下方に凸状部分で凸状バネ部51(51a,51b),52(52a,52b)を構成している。
【0033】
そして、凸状バネ部51bのLEDチップ3の接触端子32と接触する部分と、凸状バネ部52bの抵抗器4の接触端子41と接触部分には接点55を備えている。なお、中間端子5は導電性を有すれば金属製部材以外であってもよい。
【0034】
ピアス端子6は、LEDチップ3と接続されるLED用ピアス端子6Aと、抵抗器4と接続される抵抗用ピアス端子6Bとの2種類があり、それぞれは上から順に、LEDチップ3及び抵抗器4の接触端子32,41と接触する接触凸部61aを有する接触プレート61と、該接触プレート61に対して略直角な水平プレート部62と、該水平プレート部62に対して略直角であり、上端部近傍に長手方向に突出する凸部63aを備えたピアスプレート63とが連続して、正面視鈎状に形成されている。
【0035】
なお、LED用ピアス端子6Aの水平プレート部62は抵抗用ピアス端子6Bの水平プレート部62より短く形成されている。また、接触凸部61aは幅方向に付勢力が発生するように湾曲形成している。ピアス端子6は導電性を有するものであれば良く、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【0036】
上側ケース7は樹脂製の平面視縦長矩形体で構成しており、長手方向の両側面と上面とに渡るカバー部材2が嵌着するカバー嵌着部71が形成され、幅方向の両側面の中央下端には、下側ケース9に係合する係合爪72を備えている。さらに、長手方向の両褄面の中央下端には、下方に突出する褄部突出片79を備えている。
【0037】
また、上側ケース7へのピアス端子6の装着を底面側からの斜視図によって説明する図3に示すように、上側ケース7の底面には、LED用ピアス端子6Aの装着を許容する装着凹部73、抵抗用ピアス端子6Bの装着を許容する装着凹部74を備えている。
【0038】
カバー嵌着部71内側の上面の幅方向中央には、LEDチップ3を収容する第一収容部75と、抵抗器4を収容する第二収容部76と長手方向に所定間隔を隔てて並設している。また、この第一収容部75と第二収容部76は、装着凹部73,74に備えた接触プレート61の貫通を許容する貫通孔73a,74aと連通し、装着凹部73,74に装着したピアス端子6の接触プレート61が貫通孔73a,74aを貫通して、第一収容部75と第二収容部76側に突出する態様でピアス端子6を装着することができる。
【0039】
また、この第一収容部75と第二収容部76の幅方向両外側には中間端子5の凸状バネ部51,52の挿入を許容する挿入凹部77,78を備えている。貫通孔73a、74a側の外側に配置された挿入凹部77には凸状バネ部51a,52aが挿入される。その対向側の挿入凹部78は第一収容部75,第二収容部76と連通しており、凸状バネ部51b,52bが挿入される。
【0040】
図2に示すように、バックアッププレート8は、導電性の金属製の円形ドーナツ状のプレート部材で構成している。バックアッププレート8は、第1ピアス端子6A、第二ピアス端子6Bに対応するようにそれぞれ一枚ずつ設けている。そして、バックアッププレート8の中央の嵌合穴81の内径は、ピアス端子6のピアスプレート63の幅と略一致するように設定している(なお、バックアッププレートも導電性を有すれば金属製部材以外であってもよい)。
【0041】
下側ケース9は、樹脂製の平面視縦長矩形皿体で構成され、長手方向両側面、すなわち両褄部と上面とに渡ってフラットケーブル100のケース掛合部110が嵌着するケーブル嵌着部91が形成され、ケーブル嵌着部91内側の上面には、バックアッププレート8の位置を規定する位置規定部92を形成し、幅方向側面の中央付近には、上側ケース7を係合固定するための上側ケース7の係合爪72の係合を許容するケース係合部93を備えている。
【0042】
また、位置規定部92の平面視中央には、バックアッププレート8の嵌合穴81を通過したピアスプレート63との干渉を防止する干渉防止凹部92aを形成している。
【0043】
なお、接触プレート61の幅方向位置が同じ状態で上側ケース7の装着凹部73,74に装着されるピアス端子6の水平プレート部62の長さの差異により、下側に突出するピアスプレート63幅方向位置が異なるが、これは、ピアスプレート63で貫通する導電体101の位置に合わせてあり、その位置にバックアッププレート8が配置されるように、下側ケース9の位置規定部92は形成されている。
【0044】
次に、LEDユニット1の組付けおよびフラットケーブル100の取り付け方法について説明する。
本発明のフラットケーブル100にLEDチップ3及び抵抗器4を接続するLEDユニット1の接続方法は端子組付け工程と、中間端子組付け工程と、上側ケース本組み工程と、バックアッププレート組付け工程と、掛合凸部形成工程と、掛合工程と、函体嵌着工程とで構成されている。
【0045】
上記端子組付け工程はLEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7に、該LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6を仮組みする工程である。
中間端子組付け工程は、該ピアス端子6を仮組みした上側ケース7に、中間端子5を仮組みする工程である。
【0046】
上側ケース本組み工程は、該中間端子5とピアス端子6を仮組みした上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を組付けて、LEDチップ3及び抵抗器4とピアス端子6を上側ケース7に本組みする工程である。
【0047】
バックアッププレート組付け工程は、第二箱体である下側ケース9に、前記フラットケーブル100を貫通するピアス部52の抜け出しを防止するバックアッププレート8を仮組みする工程である。
【0048】
掛合凸部形成工程は、折り曲げによって、下側ケース9に掛合する掛合凸部110を前記フラットケーブル100に形成する工程である。
掛合工程は、前記掛合凸部110を、前記下側ケース9に掛合する工程である。
函体嵌着工程は、前記上側ケース7と前記下側ケース9との間に前記フラットケーブル100を挟み込んで嵌着する工程である。
【0049】
上記各工程について、以下において図とともに詳述する。
端子組付け工程について説明する説明図である図3の図3(a)に示すように、上側ケース7を上下逆さまにして、底面側を上側にし、貫通孔73aにLED用ピアス端子6Aの接触プレート61を挿入してLED用ピアス端子6Aを装着凹部73に装着し、貫通孔74aに抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61を挿入して抵抗用ピアス端子6Bを装着凹部74に装着する。
【0050】
これにより、図3(b)に示すように、LED用ピアス端子6Aと抵抗用ピアス端子6Bのピアスプレート63が幅方向及び長手方向にずれた位置で上側ケース7の底面から下方向に突出する態様で上側ケース7にLED用ピアス端子6Aと抵抗用ピアス端子6Bを組付けることができる。
【0051】
中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程について上側ケース7の斜視図によって説明する図4における図4(a)に示すように、上側ケース7のカバー嵌着部71が上面側となるように戻すと、端子組付け工程で組付けられたピアス端子6の接触プレート61が貫通孔73a,74aを通過して第一収容部75及び第二収容部76の底面から突出している。
【0052】
この状態で、上側ケース7の上側から、凸状バネ部51a,52aを挿入凹部77に挿入し、凸状バネ部51b,52bを挿入凹部78に挿入して、中間端子5を上側ケース7に装着する。ここで、中間端子5の部品配置開口53と第一収容部75、そして部品配置開口54と第二収容部76とは上下に対応する位置となる。
【0053】
そして、図4(b)に示すように、上側ケース7の上方からLEDチップ3及び抵抗器4を、部品配置開口53及び部品配置開口54を通過させ、図4(c)に示すように第一収容部75及び第二収容部76に装着する。
【0054】
この状態の平面図である図5(a)、図5(a)におけるa−a矢視図である図5(b)に示すように、第一収容部75内にはLED用ピアス端子6Aの接触プレート61と、LEDチップ3と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部51bの接点55がこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部51bはLEDチップ3を接触プレート61側に押圧している。したがって、LEDチップ3の接触プレート61側の接触端子32は接触プレート61の接触凸部61aと接触し、反対側の接触端子32は接点55と接触している。
【0055】
また、図5(a)におけるb−b矢視図である図5(c)に示すように、第二収容部76内に配置された抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61と、抵抗器4と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部52bの接点55とはこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部52bは抵抗器4を接触プレート61側に押圧している。したがって、抵抗器4の接触プレート61側の接触端子41は接触プレート61の接触凸部61aと接触し、反対側の接触端子41は接点55と接触している。
【0056】
接点55を介してLEDチップ3及び抵抗器4と電気的に接続された中間端子5は、導電性部材である銅製のプレートで構成されているため、LED用ピアス端子6A→LEDチップ3→中間端子5→抵抗器4→抵抗用ピアス端子6Bという電子回路を構成している。
【0057】
なお、凸状バネ部51a及び凸状バネ部52aを挿入凹部77に挿入しているため、中間端子5の上側ケース7に対する相対位置は固定されている。また、ピアス端子6も上側ケース7の底面に備えた装着凹部73,74に装着され、接触プレート61が貫通孔73a,74aを貫通することよって上側ケース7に対する相対位置が固定されている。
【0058】
そして、LEDチップ3及び抵抗器4は、上側ケース7に対して相対位置が固定されたピアス端子6と中間端子5とで付勢された状態で挟みこまれて、上側ケース7に対して位置が固定されている。このように、中間端子5は、LEDチップ3及び抵抗器4の固定具として機能するともに、回路構成具としても機能している。
【0059】
また、LEDチップ3及び抵抗器4は、上側ケース本組み工程における上側ケース7が透過した状態の斜視図による図6に示すように、LEDチップ3及び抵抗器4は、中間端子5の凸状バネ部51b,52bとLED用ピアス端子6A,抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61とで付勢された状態で挟みこまれて固定されているため、上側ケース7においては宙吊りの状態で固定されていることとなる。
なお、この状態で、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6が組み込まれた上側ケース7の上方からカバー部材2を装着する。
【0060】
続いて、バックアッププレート組付け工程、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程について図7及び図8とともに説明する。まず、バックアッププレート組付け工程について説明する図7(a)に示すように、下側ケース9の上方からバックアッププレート8を位置規定部92に装着する。このとき、位置規定部92に装着されたバックアッププレート8の嵌合穴81と位置規定部92の干渉防止凹部92aとの位置が一致する。
【0061】
掛合凸部形成工程について説明する図7(b)に示すように、フラットケーブル100を谷折線Aで谷折りし、山折線Bで山折りして、側面視凸状のケース掛合部110を形成する。なお、谷折線Aと山折線Bとの間隔は下側ケース9のケーブル嵌着部91内側の高さと略同一に形成され、山折線B同士の間隔は下側ケース9のケーブル嵌着部91内側の長さと略同一に形成されている。
【0062】
したがって、掛合工程について説明する図8(a)に示すように、位置規定部92にバックアッププレート8を装着した下側ケース9の上方から、ケース掛合部110をケーブル嵌着部91に被せる様にしてケース掛合部110を下側ケース9に掛合することができる。
【0063】
この状態で、函体嵌着工程について説明する図8(b)に示すように、上側ケース本組み工程でカバー部材2、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6を組付け、底面からピアスプレート63が突出する上側ケース7の係合爪72を、ケース掛合部110が掛合した下側ケース9のケース係合部93に係合させて上側ケース7と下側ケース9とを嵌着させる。
【0064】
このとき、下側ケース9のケーブル嵌着部91を形成する長手方向の両側面、すなわち両褄部及び上面と、上側ケース7の底面及び褄部突出片79の内側とでフラットケーブル100のケース掛合部110を挟み込むこととなる。
【0065】
また、上側ケース7と下側ケース9との嵌着によって、ピアス端子6とフラットケーブル100の導電体101とを接続することができる。詳しくは、ピアス端子6とバックアッププレート8との接続構造についての説明図である図9〜図11とともに詳述する。
【0066】
図9(a)はピアス端子6のピアスプレート63のフラットケーブル100への貫通固定状態を示した上方斜視図、(b)はピアス端子6のピアスプレート63のフラットケーブル100への貫通固定状態を示した下方斜視図、図10(a)はピアスプレート63の貫通固定状態を側方からみた側面図、(b)はピアスプレート63の貫通固定状態を下方からみた底面図、図11(a)は図10(a)のI−I線矢視断面図、(b)は同じくII−II線矢視断面図、(c)は同じくIII−III線矢視断面図である。また(d)はIV−IV線矢視断面図である。
【0067】
図9に示すように、ピアス端子6(6A,6B)のピアスプレート63は、フラットケーブル100のうち導電体101を貫通して、その裏面側に配置されたバックアッププレート8の嵌合穴81に差込み嵌合させることで、この貫通状態を固定している。
【0068】
この貫通状態は、前述のようピアス端子6のピアスプレート63を、上方から下方に下ろすことによって、ピアスプレート63の下端部を導電体101に差込み、得ることになる。導電体101の材質は、ピアス端子6のピアスプレート63よりも柔らかい材質にすることによって、このような貫通状態を容易に得ることができる。
【0069】
但し、バックアッププレート8を適切な位置に設定していないと、導電体101の展性により、確実な貫通状態を得ることができない。そこで、バックアッププレート8を下側ケース9の位置規定部92(図2)に装着することで適切な位置に位置するように設定している。
【0070】
こうして、バックアッププレート8を、適切な位置に設定することで、バックアッププレート8の嵌合穴81とピアス端子6のピアスプレート63との間のクリアランス(距離)を適切に設定して、導電体101にせん断力を作用させ、ピアス端子6のピアスプレート63を適切に貫通させることができる。
【0071】
また、バックアッププレート8は、位置規定部92の範囲内では自由に動くため、ピアス端子6が上方から差込まれる際に、バックアッププレート8が自動的に調芯されることになり、確実に、ピアス端子6の中心とバックアッププレート8の中心とを一致させた状態で、フラットケーブル100の導電体101を貫通させることができる。
【0072】
なお、具体的には、図10及び図11に示すような状態で、差込み固定がなされる。
図11(a)のI−I線矢視断面図に示すように、ピアス端子6の中心Oに近接した位置では、導電体101が大きく下方に折り曲げられる。これは、ピアス端子6とバックアッププレート8までのクリアランスL1が大きいことから、このような変形状態となる。このように導電体101が変形することにより、導電体101のピアス端子6に対する接続圧が十分に確保できないため、ピアス端子6へ電流を適切に流すことができない。
【0073】
一方、図11(b)のII−II線矢視断面図に示すように、ピアス端子6の中心Oからやや離間した位置では、導電体101があまり大きく曲げられず、バックアッププレート8も近接した位置にあることから、導電体101のピアス端子6に対する接続圧を高めることができる。このため、この部分では、ピアス端子6へ電流を適切に流すことができる。
【0074】
しかし、さらに図11(c)のIII−III線矢視断面図に示すように、さらにピアス端子6の中心線Oから離れたピアス端子6の側端部では、ピアス端子6とバックアッププレート8までのクリアランスL2が小さい。このため、導電体101はほとんど変形しないため、接続圧も十分に得られない。このため、この部分では、ピアス端子6へ電流は殆ど流れない。
【0075】
このように、ピアス端子6とバックアッププレート8との間のクリアランスL1,L2(距離)が、円弧と平面(直線)によって変化するため、導電体101のせん断状態と展性状態が、各々の場所で変化することになり、少なくとも所定の場所では、適切な接続状態の部分を得ることができる。
このため、このバックアッププレート8を用いた接続構造によると、細かい貫通位置の調整が不要となるため、接続作業が極めて容易になるという利点がある。
【0076】
また、図11(d)のIV−IV線矢視断面図に示すように、ピアス端子6のピアスプレート63の幅Hとバックアッププレート8の嵌合穴81の径dを略一致するように設定しているため、ピアス端子6のピアスプレート63の側端面631とバックアッププレート8の内周面81aが確実に当接することになり、両者の間で摩擦力が発生して、ピアス端子6のピアスプレート63とバックアッププレート8との嵌合状態が保持される。このため、確実にピアス端子6とフラットケーブル100との電気的な接続状態を保持することができる。
【0077】
このように、カバー部材2、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6を組付けた上側ケース7と、ケース掛合部110が掛合した下側ケース9とを嵌着させることによって、ピアス端子6と導電体101と接続することができ、それにより、LEDチップ3及び抵抗器4を導電体101に接続することができる。
【0078】
次に、本実施形態におけるLEDユニット1の作用効果について説明すると、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7と、LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6と、フラットケーブル100の反対側に配して、上側ケース7に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9と、上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を保持させるとともに該LEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に結線する中間端子5を備えたLEDユニット1であって、中間端子5に、2対の凸状に形成した凸状バネ部51(51a,51b),52(52a,52b)を備え、一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7の挿入凹部77に係止し、凸状バネ部51b,52bによりLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6に押し当てることによって、中間端子5はLEDチップ3及び抵抗器4と電気的に接続して、LED用ピアス端子6A→LEDチップ3→中間端子5→抵抗器4→抵抗用ピアス端子6Bという電子回路を構成することができる。
【0079】
また、上側ケース7に対して相対位置が固定されたピアス端子6と中間端子5とでLEDチップ3及び抵抗器4を挟み込んで固定することができる。このように、中間端子5は、LEDチップ3及び抵抗器4の上側ケース7に対する固定具として機能するともに、回路構成具としても機能している。
【0080】
このように、LEDチップ3は中間端子5の凸状バネ部51bとLED用ピアス端子6Aの接触プレート61とで挟み込まれ、抵抗器4は中間端子5の凸状バネ部52bと抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61とで挟みこまれた固定されているが、この状態において、挿入凹部77に挿入されて上側ケース7に位置固定された凸状バネ部51aと、凸状バネ部51bとの間には、その間隔を広げられることによる付勢力が作用し、LEDチップ3、LED用ピアス端子6A及び中間端子5の電気的な接続を維持することができる。
【0081】
同様に、挿入凹部77に挿入されて上側ケース7に位置固定された凸状バネ部52aと凸状バネ部52bとの間には、その間隔を広げられることによる付勢力が作用し、抵抗器4、抵抗用ピアス端子6B及び中間端子5の電気的な接続を維持することができる。
【0082】
なお、凸状バネ部51間及び凸状バネ部52間に生じる付勢力は、中間端子5の渡り部5bが伸ばされることで発生している。このように、板状部材の長手方向の変位に対する付勢力は、例えば板状部材の厚み方向の変形による付勢力と比較して、わずかな変位によって大きな付勢力が生じる。
【0083】
したがって、小さな空間における小さな変位によって安定な接続に必要な付勢力を得ることができ、部品を小型化することができるとともに、電気的接続の信頼性を向上することができる。
【0084】
また、LEDチップ3及び抵抗器4は、中間端子5の凸状バネ部51b,52bとLED用ピアス端子6A,抵抗用ピアス端子6Bの接触プレート61とで付勢された状態で挟みこまれて固定されており、上側ケース7においては宙吊りの状態で固定されているため、安定した電気的接続を得ることができ、信頼性を向上することができる。
【0085】
詳しくは、LEDチップ3の発光部31が発光することによってLEDチップ3や抵抗器4が発熱し、その発熱によって、LEDチップ3及び抵抗器4の周辺の各部材が熱膨張する。しかし、各部材の熱膨張率はその材質によって異なり、金属製部材である中間端子5やピアス端子6より樹脂製部材である上側ケース7の方が熱膨張しやすい。
【0086】
したがって、LEDチップ3及び抵抗器4が上側ケース7に直接位置固定されている場合、部品同士で位置関係がずれてしまい、接続が不安定になる可能性がある。しかし、本発明のLEDユニット1においては、中間端子5を用いることで、部品同士の位置関係がずれたとしても、中間端子5が随時変形することでピアス端子6−LEDチップ3及び抵抗器4−上側ケース7の位置関係を保持するので、発熱による寸法変化が発生しても、安定した電気的接続を得ることができ、信頼性を向上することができる。
【0087】
また、LEDチップ3と、LEDチップ3が押し当てられるLED用ピアス端子6Aとを、一対の凸状バネ部51a,51bの間に配置し、抵抗器4と、該抵抗器4が押し当てられる抵抗用ピアス端子6Bとを、一対の凸状バネ部52a,52bの間に配置したことにより、凸状バネ部51a,51bの間および凸状バネ部52a,52bの間に生じる付勢力の方向、すなわち中間端子5の渡り部5bの方向と、LEDチップ3や抵抗器4をピアス端子6に押し付ける方向とが一致する。
【0088】
したがって、中間端子5で生じる付勢力を効率よく、LEDチップ3及び抵抗器4に作用させることができ、より部品を小型化することができるとともに、電気的接続の信頼性をより向上することができる。
【0089】
また、中間端子5に、配置するLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状バネ部51,52を備えたことにより、確実に凸状バネ部51,52に生じる付勢力をLEDチップ3及び抵抗器4に作用させることができ、電気的接続の信頼性をさらに向上することができる。
【0090】
幅方向に所定間隔を隔てて配設した2本の導電体101と2本の導電体101を一体的に平板状に被覆する不導電性ラミネートシート102とから成るフラットケーブル100に、下側ケース9のケーブル嵌着部91に掛合するケース掛合部110を備えたことにより、LED用ピアス端子6Aのピアスプレート63と、抵抗用ピアス端子6Bのピアスプレート63の2箇所の導電体101との接続をより確実にすることができる。
【0091】
詳しくは、ピアスプレート63が導電体101を貫通する際に、ピアスプレート63の貫通方向、すなわちピアスプレート63の平面視貫通中心に向かって、導電体101は引き寄せられるが、本実施例のように、導電体101を貫通するピアスプレート63が2つある場合において、2つのピアスプレート63が導電体101を貫通するタイミングが相違する場合、後のピアスプレート63の導電体101の貫通による導電体101の引き寄せによって、先に導電体101を貫通したピアスプレート63の接続部分に引張力が付与され、接続部分が移動する。通常は、多少移動しても接続部分に問題は無いが、接続部分の信頼性を特に重視する場合は、移動しないほうが好ましい。
【0092】
本実施例のように、フラットケーブル100を凸状に曲げたケース掛合部110を下側ケース9のケーブル嵌着部91に掛合してから、上側ケース7と下側ケース9で挟み込むように固定したことによって、LED用ピアス端子6Aのピアスプレート63と、抵抗用ピアス端子6Bのピアスプレート63の導電体101を突き抜けるタイミングがずれた場合であっても、ケース掛合部110はケーブル嵌着部91に掛合しているため、ケース掛合部110のケーブル嵌着部91に対する位置は移動しない。
【0093】
したがって、2つのピアスプレート63の貫通タイミングのずれによって生じるフラットケーブル100の移動によるピアスプレート63と導電体101との接続部分への負荷を防止することができる。よって、上側ケース7と下側ケース9との接続における、複数のピアスプレート63が貫通する際の困難性を解消し、ピアスプレート63と導電体101との接続の信頼性をより向上させることができる。
【0094】
また、ケーブル嵌着部91に掛合したケース掛合部110をケーブル嵌着部91を形成する下側ケース9の長手方向側面及び上面と、上側ケース7の底面及び褄部突出片79内面とで挟み込むため、LEDユニット1に長手方向の外力が負荷された場合であっても、フラットケーブル100はケース掛合部110によって上側ケース7及び下側ケース9に位置固定されており、ピアスプレート63とケース掛合部110との接続部分に大きな外力が負荷されることを防止することができる。したがって、ピアスプレート63と導電体101との電気的接続状態を安定して確保することができる。
【0095】
また、上側ケース7と下側ケース9の間にケース掛合部110を挟みこんでいるため、ケース掛合部110を挟み込むことによる反力によって、上側ケース7の装着凹部73と下側ケース9のケース係合部93との係合をより強固にすることができる。
【0096】
また、ピアス端子6に、導電体101を貫通して接続するピアスプレート63を設け、下側ケース9に、フラットケーブル100を貫通するピアスプレート63の抜け出しを防止するバックアッププレート8を備えたことにより、導電体101を貫通したピアスプレート63が不用意にフラットケーブルから抜け出ることを容易に防止でき、フラットケーブルとピアス端子6との電気的接続が安定するため、LEDユニット1における接続の信頼性が向上する。
【0097】
また、ピアスプレート63を略矩形断面形状で形成して、バックアッププレート8を嵌合穴81を有する略円形穴状で形成し、略円形穴状のバックアッププレート8の嵌合穴81の穴径をピアスプレート63の矩形断面の長手方向長さに略一致させたことにより、略円形穴状のバックアッププレート8で略矩形断面のピアスプレート63の抜け出しを防止するとともに、バックアッププレート8とピアスプレート63との間の調芯が容易になり、組付けの方向性の自由度を高めることができる。
【0098】
また、バックアッププレート8の嵌合穴81の内周縁とピアスプレート63の両側端が確実に当接することになり、確実にピアスプレート63の抜け出しを防止することができる。よって、フラットケーブル100の導電体101とピアス端子6の接続作業を、容易に行なうことができるとともに、フラットケーブルとピアス端子6の接続構造の信頼性を、より高めることができる。
【0099】
また、バックアッププレート8を、下側ケース9とは別体に形成したことによって、バックアッププレート8の材質や硬度等を、下側ケース9の材質等に影響されることなく、自由に設定できるため、下側ケース9等の生産コストを高めることなく、確実にバックアッププレート8の抜止力を高めることができる。よって、生産コストを高めることなく、確実にフラットケーブルとピアス端子6の接続構造の信頼性を高めることができる。
【0100】
なお、他の実施形態として、バックアッププレート8を下側ケース9に一体に形成することも可能である。この場合は、下側ケース9をガラス繊維等を混入した材料で形成して強度を高める必要があるが、組付けの作業工程のうち、バックアッププレート8の組付け工程が不要となるため、作業工程を一工程削減することができる。
【0101】
この実施形態では、フラットケーブル100にLEDチップ3及び抵抗器4を接続する接続方法において、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7に、該LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6を仮組みする端子組付け工程と、該ピアス端子6を仮組みした上側ケース7に、中間端子5を仮組みする中間端子組付け工程と、該中間端子5とピアス端子6を仮組みした上側ケース7にLEDチップ3及び抵抗器4を組付けて、LEDチップ3及び抵抗器4とピアス端子6を上側ケース7に本組みする上側ケース本組み工程と、下側ケース9に、前記フラットケーブル100を貫通するピアスプレート63の抜け出しを防止するバックアッププレート8を仮組みするバックアッププレート組付け工程と、折り曲げによって、前記下側ケース9に掛合するケース掛合部110を前記フラットケーブル100に形成する函体掛合部形成工程と、前記ケース掛合部110を前記下側ケース9に掛合する掛合工程と、前記上側ケース7と前記下側ケース9とを、間に前記フラットケーブル100を挟み込んで嵌着する函体嵌着工程とを備えている。
【0102】
これにより、上側ケース7に保持させたLEDチップ3及び抵抗器4等を容易にフラットケーブル100に接続することができる。特に、一旦、ピアス端子6及び中間端子5を上側ケース7に仮組みした後に、LEDチップ3及び抵抗器4を組付けることによって、LEDチップ3及び抵抗器4等の「保持」と「結線」を中間端子5を用いて、同時に行なえるため、組付け作業性を向上することができる。
よって、この実施形態の方法によると、容易にLEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に接続できる接続方法を提供することができる。
【0103】
なお、本実施例におけるLEDユニット1は、車両に配策されたフラットケーブル100に取付けること前提としており、供給電圧12VをLEDチップ3に適した3.7Vに電圧を調整するための抵抗器4を装備したが、もともと供給電圧が3.7Vなら抵抗器4は不要となり、中間端子5には一対の凸状バネ部51でよく、より単純化した構造となる。この場合においても、本実施例におけるLEDユニット1と同様の効果を得ることができる。
【0104】
なお、本実施例におけるLEDユニット1は、フラットケーブル100のケース掛合部110を下側ケース9のケーブル嵌着部91に掛合して、上側ケース7と下側ケース9とを嵌着する構成であったが、ピアス端子6を装着した上側ケース7にピアスプレート63でフラットケーブル100を貫通させながらケース掛合部110を上側ケース7に掛合させてから上側ケース7と下側ケース9とを嵌着する構成であってもよい。
【実施例2】
【0105】
図12に示す第2の実施例のLEDユニット1’は、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7’と、前記LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6’(6A’,6B’)と、上側ケース7’に嵌着してフラットケーブル100を挟み込んで取付ける下側ケース9’とを備えている。
【0106】
また、LEDユニット1’は、上側ケース7’にLEDチップ3及び抵抗器4を保持させるとともに、該LEDチップ3及び抵抗器4を前記ピアス端子6’に結線する中間端子5を備えている。
【0107】
中間端子5は、電子部品であるLEDチップ3及び抵抗器4の個数に応じた2対の凸状に形成した凸状バネ部51,52を備え、凸状バネ部51,52の一方の凸状バネ部51a,52aを上側ケース7’に係止し、他方の凸状バネ部51b,52bでLEDチップ3及び抵抗器4をピアス端子6’に押し当てている。
【0108】
なお、LEDチップ3と、該LEDチップ3が押し当てられるピアス端子6A’の接触プレート61’とは一対の凸状バネ部51の間に配置され、抵抗器4と、抵抗器4が押し当てられるピアス端子6B’の接触プレート61’とは一対の凸状バネ部52の間に配置されている。
【0109】
また、ピアス端子6’には、フラットケーブル100の導電体101を貫通して接続するピアス刃63a’を備えたピアス部63’を設け、ピアス部63’を、一対の凸状バネ部51,52の間にLEDチップ3や抵抗器4を組付ける組付方向Xに対して交差する交差方向である前記フラットケーブル100の長手方向(以下、単に「長手方向」とする)にずらして配置している。
【0110】
LEDユニット1’に関する上記構成について、LEDユニット1’の斜視図を示す図12と、LEDユニット1’の分解斜視図を示す図13とともに詳述すると、実施例1のLEDユニット1と同様に、LEDユニット1’は、LEDチップ3をフラットケーブル100に接続するとともに電圧調整を行なう抵抗器4も同時に取付けるための接続ユニットである。
【0111】
なお、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びフラットケーブル100は、上述の実施例1における構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
フラットケーブル100には、実施例1のフラットケーブル100に形成したケース掛合部110と同様に、側面視凸状、すなわち他の部分より高い段状、且つ下側ケース9’の長さ分の面状体で構成するケース掛合部110’を形成している。
【0112】
前述のLEDユニット1’は、図13に示すように、第一函体である上側ケース7’と、この上側ケース7’に組付けるLEDチップ3、抵抗器4と、このLEDチップ3、抵抗器4をフラットケーブル100に接続するピアス端子6’(6A’,6B’)と、LEDチップ3と抵抗器4を固定する中間端子5と、第二函体である下側ケース9’と、端子カバー8’とで構成している。
【0113】
ピアス端子6’は、LEDチップ3に接続されるLED用ピアス端子6A’と、抵抗器4に接続される抵抗用ピアス端子6B’との2種類があり、それぞれは上から順に、LEDチップ3及び抵抗器4の接触端子32,41と接触する接触凸部61a’を有する接触プレート61’と、該接触プレート61’に対して略直角且つ平面視かぎ状の水平かぎ状プレート部62’と、該水平かぎ状プレート部62’に対して略直角であり、長手方向且つ貫通方向に略平行な側面を有する薄板状で形成するピアス刃63a’を複数備えたピアス部63’とで、側面視かぎ状に構成している。
【0114】
なお、LED用ピアス端子6A’の水平かぎ状プレート部62’は抵抗用ピアス端子6B’の水平かぎ状プレート部62’より長く形成されている。
また、ピアス部63’は、ピアス刃63a’を幅方向に2列状に3個ずつ配置して正面視逆U字状に湾曲形成している。ピアス端子6’は導電性を有するものであれば良く、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【0115】
上側ケース7’は、樹脂製の平面視縦長矩形体で構成しており、長手方向の両側面と上面とに上面開口部71’が形成され、幅方向の両側面の中央下端には、下側ケース9’のケース係合部93’に係合する係合爪72’を備えている。さらに、長手方向手前側の褄面の中央下端には、ピアス端子6’の水平かぎ状プレート部62’の係合を許容する係合溝部79’を備え、長手方向の奥側の褄面の中央下端には、褄部突出片78’(図14参照)を備えている。
【0116】
また、上側ケース7’は、貫通孔73a’を備えた装着凹部73’、貫通孔74a’を備えた装着凹部74’、第一収容部75’、第二収容部76’、挿入凹部77’(77a’、77b’)を備えている。
【0117】
下側ケース9’は、樹脂製の平面視縦長矩形皿体(長手方向が幅方向に対して2倍程度長い)で構成され、長手方向の両側面、すなわち両褄部と上面とに渡ってフラットケーブル100のケース掛合部110’が嵌着するケーブル嵌着部91’が形成され、ケーブル嵌着部91’内側の上面には、ケース掛合部110を貫通したピアス部63’のピアス刃63a’との干渉を防止する干渉防止凹部92’を形成している。
【0118】
また、幅方向側面の後方には、上側ケース7’を係合固定するための係合爪72’の係合を許容するケース係合部93’を備え、幅方向側面の前方には、端子カバー8’を係合固定するための係合爪82’の係合を許容するカバー係合部94’を備えている。
【0119】
端子カバー8’は、樹脂製のプレートで形成された平面視正方形体のカバー本体81’と、該カバー本体81’における幅方向の両端に配置した係合爪82’と、長手方向の手前側褄面81a’の中央下端に配置した褄部突出片83’とで構成している。
【0120】
係合爪82’は、下側ケース9’のカバー係合部94’に係合する。褄部突出片83’は、手前側褄面81a’から下方に突出する態様で配置されており、端子カバー8’の装着状態において、褄部突出片83’の内側とケーブル嵌着部91’とでケーブル嵌着部91’に掛合したフラットケーブル100のケース掛合部110’を挟み込むこととなる。
【0121】
次に、LEDユニット1’の組付けおよびフラットケーブル100への取り付け方法について説明する。
本発明のフラットケーブル100にLEDチップ3及び抵抗器4を接続するLEDユニット1’の接続方法は端子組付け工程と、中間端子組付け工程と、上側ケース本組み工程と、掛合凸部形成工程と、掛合工程と、函体嵌着工程とで構成されている。
【0122】
上記端子組付け工程は、LEDチップ3及び抵抗器4を保持する上側ケース7’に、該LEDチップ3及び抵抗器4をフラットケーブル100に電気的に接続するピアス端子6’を仮組みする工程である。
中間端子組付け工程は、該ピアス端子6’を仮組みした上側ケース7’に、中間端子5を仮組みする工程である。
【0123】
上側ケース本組み工程は、該中間端子5とピアス端子6’を仮組みした上側ケース7’にLEDチップ3及び抵抗器4を組付けて、LEDチップ3及び抵抗器4と、中間端子5と、ピアス端子6’とを上側ケース7’に本組みする工程である。
【0124】
掛合凸部形成工程は、下側ケース9’に掛合する掛合凸部110’を、折り曲げによって、前記フラットケーブル100に形成する工程である。
掛合工程は、前記掛合凸部110’を、前記下側ケース9’に掛合する工程である。
【0125】
函体嵌着工程は、間に前記フラットケーブル100を挟み込んで上側ケース7’と下側ケース9’とを嵌着し、さらに下側ケース9’に端子カバー8’を嵌着する工程である。
【0126】
上記各工程について、以下において図とともに詳述する。
端子組付け工程について説明する説明図である図14の図14(a)に示すように、上側ケース7’を上下逆さまにして、底面側を上側にし、貫通孔73a’(図15参照)にLED用ピアス端子6A’の接触プレート61’を挿入してLED用ピアス端子6A’を装着凹部73’に装着し、貫通孔74a’(図15参照)に抵抗用ピアス端子6B’の接触プレート61’を挿入して抵抗用ピアス端子6B’を装着凹部74’に装着する。
【0127】
これにより、図14(b)に示すように、LED用ピアス端子6A’と抵抗用ピアス端子6B’のピアス部63’を、上側ケース7’の長手方向手前側に突出する態様で上側ケース7’に組付けることができる。
【0128】
中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程について上側ケース7’の斜視図によって説明する図15における図15(a)に示すように、上側ケース7’の上面開口部71’が上面側となるように戻すと、上述の端子組付け工程で組付けられたピアス端子6’の接触プレート61’が貫通孔73a’,74aを通過して第一収容部75’及び第二収容部76’の底面から突出している。
【0129】
この状態で、上側ケース7’の上側から、凸状バネ部51a,52aを挿入凹部77a’に挿入し、凸状バネ部51b,52bを挿入凹部77b’に挿入して、中間端子5を上側ケース7’に装着する。ここで、中間端子5の部品配置開口53と第一収容部75’、そして部品配置開口54と第二収容部76’とは上下に対応する位置となる。
【0130】
そして、図15(b)に示すように、上側ケース7’の上方からLEDチップ3及び抵抗器4を、矢印で示す組付方向Xで、部品配置開口53及び部品配置開口54を通過させて、図15(c)に示すように第一収容部75’及び第二収容部76’に組付ける。
【0131】
続いて、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程について図16及び図17とともに説明する。掛合凸部形成工程について説明する図16(a)に示すように、フラットケーブル100を谷折線Aで谷折りし、山折線Bで山折りして、側面視凸状のケース掛合部110’を形成する。
【0132】
なお、谷折線Aと山折線Bとの間隔は下側ケース9’のケーブル嵌着部91’内側の高さと略同一に形成され、山折線B同士の間隔は下側ケース9’のケーブル嵌着部91’内側の長さと略同一に形成されている。
【0133】
したがって、掛合工程について説明する図16(c)に示すように、下側ケース9’の上方から、ケース掛合部110’をケーブル嵌着部91’に被せる様にしてケース掛合部110’を下側ケース9’に掛合することができる。
【0134】
この状態で、函体嵌着工程について説明する図17(a)に示すように、上側ケース本組み工程でLEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’を組付け、上側ケース7’の長手方向手前側からピアス部63’が突出する上側ケース7’の係合爪72を、ケース掛合部110’が掛合した下側ケース9’のケース係合部93’に係合させて上側ケース7’と下側ケース9’とを嵌着させる。
【0135】
このとき、ピアス部63’のピアス刃63a’は、フラットケーブル100の不導電性ラミネートシート102ごと導電体101を貫通する。なお、フラットケーブル100を貫通したピアス刃63a’の先端は、干渉防止凹部92’内に挿入されることとなる。
【0136】
そして、ピアス刃63a’でフラットケーブル100を貫通したピアス部63’の上方から、端子カバー8’を装着する。詳しくは、端子カバー8’の係合爪82’を下側ケース9’のカバー係合部94’に係合させて、端子カバー8’と下側ケース9’とを嵌着させる。
【0137】
この状態において、下側ケース9’のケーブル嵌着部91’を形成する長手方向の両側面、すなわち両褄部及び上面と、上側ケース7’の底面及び褄部突出片78’の内側と、端子カバー8’の底面と褄部突出片83’とでフラットケーブル100のケース掛合部110’を挟み込むこととなる。
【0138】
このように、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’が組付けられ、フラットケーブル100に取り付けられたLEDユニット1’は、この状態の平面図である図18(a)、図18(a)におけるa−a矢視図である図18(b)に示すように、第一収容部75’内にはLED用ピアス端子6A’の接触プレート61’と、LEDチップ3と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部51bの接点55がこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部51bはLEDチップ3を接触プレート61’側に押圧している。
【0139】
したがって、LEDチップ3の接触プレート61’側の接触端子32は接触プレート61’の接触凸部61a’と接触し、反対側の接触端子32は接点55と接触している。
【0140】
また、図18(a)におけるb−b矢視図である図18(c)に示すように、第二収容部76’内に配置された抵抗用ピアス端子6B’の接触プレート61’と、抵抗器4と挿入凹部78に挿入された凸状バネ部52bの接点55とはこの順で配置され、接点55を介して凸状バネ部52bは抵抗器4を接触プレート61’側に押圧している。
【0141】
したがって、抵抗器4の接触プレート61’側の接触端子41は接触プレート61’の接触凸部61a’と接触し、反対側の接触端子41は接点55と接触している。
【0142】
接点55を介してLEDチップ3及び抵抗器4と電気的に接続された中間端子5は、導電性部材である銅製のプレートで構成されているため、LED用ピアス端子6A’→LEDチップ3→中間端子5→抵抗器4→抵抗用ピアス端子6B’という電子回路を構成することができる。
【0143】
なお、凸状バネ部51a及び凸状バネ部52aを挿入凹部77a’に挿入しているため、中間端子5の上側ケース7’に対する相対位置は固定されている。また、ピアス端子6’も上側ケース7’の底面に備えた装着凹部73’,74に装着され、接触プレート61’が貫通孔73a’,74aを貫通することよって上側ケース7’に対する相対位置が固定されている。
【0144】
そして、LEDチップ3及び抵抗器4は、上側ケース7’に対して相対位置が固定されたピアス端子6’と中間端子5とで付勢された状態で挟みこまれて、上側ケース7’に対して位置が固定されている。このように、中間端子5は、LEDチップ3及び抵抗器4の固定具として機能するともに、回路構成具としても機能している。
【0145】
このように、LEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’を組付けた上側ケース7’と、ケース掛合部110’が掛合した下側ケース9’とを嵌着させることによって、ピアス端子6’と導電体101と接続することができ、上述の実施例1のLEDユニット1と同様に、LEDチップ3及び抵抗器4を導電体101に接続することができる。
【0146】
このように、上述の実施例1のLEDユニット1における効果に加えて、LEDユニット1’はピアス部63’をLEDチップ3及び抵抗器4の組付方向Xに対して交差する方向、すなわちフラットケーブル100の長手方向に偏心させた位置に配置しているため、ピアス刃63a’でフラットケーブル100を貫通する際の貫通負荷による影響が、ピアス端子6’と中間端子5とで付勢された状態で挟みこまれたLEDチップ3及び抵抗器4の回路構成に及ぶことを防止し、信頼性の高い接続を実現することができる。
【0147】
さらに、例えば、ピアス刃63a’でフラットケーブル100を貫通した状態で、取り替え等によってLEDチップ3や抵抗器4を挿着する場合であっても、LEDチップ3や抵抗器4の組付方向Xからピアス部63’がフラットケーブル100も長手方向に偏心しているため、ピアス部63’とフラットケーブル100との接続状態に悪影響を及ぼすことが防止でき、信頼性の高い接続状態を確保することができる。
【0148】
なお、本実施例において、上側ケース本組み工程完了後に、函体嵌着工程を行ってLEDユニット1’をフラットケーブル100に取り付けたが、中間端子組付け工程でピアス端子6’を組付けた上側ケース7’と下側ケース9’とを嵌着させてフラットケーブル100に取り付ける函体嵌着工程を行ってから、上側ケース7’にLEDチップ3、抵抗器4及び中間端子5を組付ける上側ケース本組み工程を行ってもよい。
【0149】
この場合であっても、LEDチップ3及び抵抗器4の組付方向Xからフラットケーブル100の長手方向に偏心した位置にピアス部63’を配置しているため、すでにピアス刃63’aがフラットケーブル100を貫通してピアス部63’と導電体101が接続された状態であっても、LEDチップ3、抵抗器4及び中間端子5を挿着することによるピアス部63’と導電体101との接続状態への悪影響を防止できる。
【0150】
また、上面開口部71’に上述の実施例1に記載したカバー部材2を装着してもよい。これにより、上側ケース7’に組付けたLEDチップ3、抵抗器4、中間端子5及びピアス端子6’を保護することができる。
【0151】
以上、この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の電子部品は、LEDチップ3及び抵抗器4に対応し、
以下同様に、
第一函体は、上側ケース7,7’に対応し、
電気ケーブル及びフラットケーブルは、フラットケーブル100に対応し、
接続端子は、ピアス端子6,6’、LED用ピアス端子6A,6A’及び抵抗用ピアス端子6B,6B’に対応し、
第二函体は、下側ケース9,9’に対応し、
接続構造は、LEDユニット1,1’に対応し、
端子部材は、中間端子5に対応し、
平型導体は、導電体101に対応し、
被覆部材は、不導電性ラミネートシート102に対応し、
函体掛合部は、ケース掛合部110,110’に対応し、
貫通接続部は、ピアスプレート63,ピアス部63’のピアス刃63a’に対応し、
抜止手段は、バックアッププレート8に対応するも
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【0152】
フラットケーブル100は、ピアス端子6が接続しやすい絶縁部材である不導電性ラミネートシート102で被覆されたフラットケーブル100であればよく、特に、本実施形態のものに限定されるものではないが、不導電性ラミネートシート102の材質としては、具体的にはPET樹脂が好ましい。
【0153】
また、導電体101についても、放熱性に優れる帯状の導電体だけでなく、丸形断面の導電体であってもよく、導電体101の材質としては導電性を有するものであれば良いが、好ましくは金属製、より好ましくは導電性に優れる銅、銅合金が良い。
【0154】
特に、なお、端子部材は、図に示した「日」形状のほかに、「H」「□」「U」等の形状でも良く、組付け時に、LEDチップ3及び抵抗器4を「保持」するとともに「結線」するものであればどのような形状であってもよい。
【0155】
さらにまた、フラットケーブルとピアス刃を先に貫通カール加工した後に、函体嵌着することを行っても良い。
なお、上記長手方向とは、平角導体である導電体101の長さ方向をいう。
【図面の簡単な説明】
【0156】
【図1】LEDユニットの斜視図。
【図2】LEDユニットの分解斜視図。
【図3】上側ケースへのピアス端子の装着を底面側からの斜視図による説明図。
【図4】中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程について上側ケースの斜視図による説明図。
【図5】上側ケース本組み工程完了後の上側ケースの平面図。
【図6】上側ケース本組み工程における上側ケースが透過した説明斜視図。
【図7】バックアッププレート組付け工程、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程についての説明図。
【図8】バックアッププレート組付け工程、掛合凸部形成工程、掛合工程及び函体嵌着工程についての説明図。
【図9】ピアス端子とバックアッププレートとの接続構造についての説明図。
【図10】ピアス端子とバックアッププレートとの接続構造についての説明図。
【図11】ピアス端子とバックアッププレートとの接続構造についての説明図。
【図12】第2の実施例のLEDユニットの斜視図。
【図13】第2の実施例のLEDユニットの分解斜視図。
【図14】第2の実施例の端子組付け工程について説明する説明図。
【図15】第2の実施例の中間端子組付け工程及び上側ケース本組み工程についての説明図。
【図16】第2の実施例の掛合凸部形成工程及び掛合工程についての説明図。
【図17】第2の実施例の函体嵌着工程についての説明図。
【図18】第2の実施例のLEDユニットの平面図や断面図等による説明図。
【符号の説明】
【0157】
1,1’…LEDユニット
3…LEDチップ
4…抵抗器
5…中間端子
6,6’…ピアス端子
6A,6A’…LED用ピアス端子
6B,6B’…抵抗用ピアス端子
7,7’…上側ケース
8…バックアッププレート
9,9’…下側ケース
51a,51b,52a,52b…凸状バネ部
63…ピアスプレート
63a’…ピアス刃
100…フラットケーブル
101…導電体
102…不導電性ラミネートシート
110,110’…ケース掛合部
X…組付方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を保持する第一函体と、
前記電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子と、
前記第一函体に嵌着して前記電気ケーブルを挟み込んで取付ける第二函体と、
前記第一函体に電子部品を保持させるとともに該電子部品を前記接続端子に結線する端子部材とを備えた接続構造であって、
前記端子部材に、少なくとも1対の凸状に形成した凸状バネ部を備え、
一方の凸状バネ部を前記第一函体に係止し、
他方の凸状バネ部により前記電子部品を前記接続端子に押し当てることを特徴とする
接続構造。
【請求項2】
前記電子部品と、該電子部品が押し当てられる接続端子とを、
一対の凸状バネ部の間に配置した
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
複数個の電子部品を配置し、
配置する電子部品の個数に応じた数の対の凸状バネ部を備えた
請求項1又は2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記電気ケーブルを、
幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、
前記フラットケーブルに、
前記第一函体或いは第二函体に掛合する函体掛合部を備えた
請求項1、2又は3に記載の接続構造。
【請求項5】
前記接続端子に、
前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、
前記第二函体に、
前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を備えた
請求項4に記載の接続構造。
【請求項6】
前記貫通接続部を、略矩形断面形状で形成して、
前記抜止手段を、略円形穴状で形成し、
前記略円形穴状の抜止手段の穴径を、前記貫通接続部の矩形断面の長手方向長さに略一致させた
請求項5に記載の接続構造。
【請求項7】
前記抜止手段を、前記第二函体とは別体に形成した
請求項5または6に記載の接続構造。
【請求項8】
前記電気ケーブルを、
幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、
前記接続端子に、
前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、
該貫通接続部を、
前記一対の凸状バネ部の間に前記電子部品を組付ける組付方向に対して交差する交差方向に配置した
請求項3に記載の接続構造。
【請求項9】
前記交差方向が、
前記フラットケーブルの長手方向である
請求項8に記載の接続構造。
【請求項10】
フラットケーブルに電子部品を接続する接続方法であって、
電子部品を保持する第一函体に、該電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子を仮組みする端子組付け工程と、
該接続端子を仮組みした第一函体に、端子部材を仮組みする端子部材組付け工程と、
該端子部材と接続端子を仮組みした第一函体に電子部品を組付けて、電子部品と接続端子を第一函体に本組みする第一函体本組み工程と、
第二箱体に、前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を仮組みする抜止手段組付け工程と、
折り曲げによって、前記第二函体に掛合する函体掛合部を前記フラットケーブルに形成する函体掛合部形成工程と、
前記函体掛合部を、前記第二函体に掛合する掛合工程と、
前記第一函体と前記第二函体とを、間に前記フラットケーブルを挟み込んで嵌着する函体嵌着工程とを備えた接続方法。
【請求項1】
電子部品を保持する第一函体と、
前記電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子と、
前記第一函体に嵌着して前記電気ケーブルを挟み込んで取付ける第二函体と、
前記第一函体に電子部品を保持させるとともに該電子部品を前記接続端子に結線する端子部材とを備えた接続構造であって、
前記端子部材に、少なくとも1対の凸状に形成した凸状バネ部を備え、
一方の凸状バネ部を前記第一函体に係止し、
他方の凸状バネ部により前記電子部品を前記接続端子に押し当てることを特徴とする
接続構造。
【請求項2】
前記電子部品と、該電子部品が押し当てられる接続端子とを、
一対の凸状バネ部の間に配置した
請求項1に記載の接続構造。
【請求項3】
複数個の電子部品を配置し、
配置する電子部品の個数に応じた数の対の凸状バネ部を備えた
請求項1又は2に記載の接続構造。
【請求項4】
前記電気ケーブルを、
幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、
前記フラットケーブルに、
前記第一函体或いは第二函体に掛合する函体掛合部を備えた
請求項1、2又は3に記載の接続構造。
【請求項5】
前記接続端子に、
前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、
前記第二函体に、
前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を備えた
請求項4に記載の接続構造。
【請求項6】
前記貫通接続部を、略矩形断面形状で形成して、
前記抜止手段を、略円形穴状で形成し、
前記略円形穴状の抜止手段の穴径を、前記貫通接続部の矩形断面の長手方向長さに略一致させた
請求項5に記載の接続構造。
【請求項7】
前記抜止手段を、前記第二函体とは別体に形成した
請求項5または6に記載の接続構造。
【請求項8】
前記電気ケーブルを、
幅方向に所定間隔を隔てて配設した複数の平型導体と該複数の平型導体を一体的に平板状に被覆する被覆部材とから成るフラットケーブルで構成し、
前記接続端子に、
前記平型導体を貫通して接続する貫通接続部を設け、
該貫通接続部を、
前記一対の凸状バネ部の間に前記電子部品を組付ける組付方向に対して交差する交差方向に配置した
請求項3に記載の接続構造。
【請求項9】
前記交差方向が、
前記フラットケーブルの長手方向である
請求項8に記載の接続構造。
【請求項10】
フラットケーブルに電子部品を接続する接続方法であって、
電子部品を保持する第一函体に、該電子部品を電気ケーブルに電気的に接続する接続端子を仮組みする端子組付け工程と、
該接続端子を仮組みした第一函体に、端子部材を仮組みする端子部材組付け工程と、
該端子部材と接続端子を仮組みした第一函体に電子部品を組付けて、電子部品と接続端子を第一函体に本組みする第一函体本組み工程と、
第二箱体に、前記フラットケーブルを貫通する貫通接続部の抜け出しを防止する抜止手段を仮組みする抜止手段組付け工程と、
折り曲げによって、前記第二函体に掛合する函体掛合部を前記フラットケーブルに形成する函体掛合部形成工程と、
前記函体掛合部を、前記第二函体に掛合する掛合工程と、
前記第一函体と前記第二函体とを、間に前記フラットケーブルを挟み込んで嵌着する函体嵌着工程とを備えた接続方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2009−105026(P2009−105026A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−83338(P2008−83338)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【出願人】(391045897)古河AS株式会社 (571)
【Fターム(参考)】
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