説明

推奨情報提示装置及び推奨情報提示方法等

【課題】 ユーザが楽曲データ等の提示データを選択する上でより適切な対応を図ることが可能な推奨情報提示装置及び推奨情報提示方法等を提供する。
【解決手段】 本願の推奨情報提示装置は、ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する推奨情報提示手段と、前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する応答認識手段と、を備え、前記推奨情報提示手段は、前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する装置及び方法等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、HD(Hard Disc)等の記録媒体の大容量化や、MP(MPEG Audio Layer)3、ATRAC(Adaptive TRansform Acoustic Coding)3等のデータ圧縮技術の進展により、ユーザが、例えばオーディオ機器やパーソナルコンピュータ等を使用して、例えば、多くのCD(Compact Disc)や、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等に記録された楽曲データを、一つのHD等に記録して再生することが可能になっている。更に、最近では、インターネット上における配信サーバから楽曲データをダウンロードして上記HD等に記録して再生することが可能になった。
【0003】
このように、楽曲データが多く記録されればされるほど、逆に、ユーザは、所望の楽曲データを選択(選曲)することが非常に大変となってくる。
【0004】
例えば、特許文献1には、ユーザの嗜好に合う楽曲を選択するようにした技術が開示されており、これにより選曲の容易性、迅速性を向上することが可能になっている。
【特許文献1】特開2004−212596号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術では、ユーザの意思がある程度は反映されるものの、そのときのユーザの気分によって聴きたい楽曲も変化することが想定されるため、十分ではなかった。また、ユーザが、そもそも何を聴きたいのかが定まっていない場合や、どのような楽曲データが記録されているかを把握していない場合等には、ユーザが楽曲データを選択する上で適切な対応は困難であった。
【0006】
そこで、このような問題の解消を一つの課題とし、ユーザが楽曲データ等の提示データを選択する上でより適切な対応を図ることが可能な推奨情報提示装置及び推奨情報提示方法等を提供することを目的する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の推奨情報提示装置は、ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する推奨情報提示手段と、前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する応答認識手段と、を備え、前記推奨情報提示手段は、前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示することを特徴とする。
【0008】
請求項6に記載の推奨情報提示処理プログラムは、コンピュータを、ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する推奨情報提示手段、及び、前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する応答認識手段として機能させ、前記推奨情報提示手段が、前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示するように機能させることを特徴とする。
【0009】
請求項7に記載の記録媒体は、請求項6に記載の推奨情報提示処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする。
【0010】
請求項8に記載の推奨情報提示方法は、ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する工程と、前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する工程と、を備え、前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本願の最良の実施形態を添付図面に基づいて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、情報再生記録装置に対して本願を適用した場合の実施形態である。
【0012】
先ず、図1を参照して、本実施形態における情報再生記録装置の構成及び機能を説明する。図1は、本実施形態における情報再生記録装置の概要ブロック例を示す図である。
【0013】
図1に示すように、情報再生記録装置1は、情報再生部11、情報出力部12、楽曲特徴量抽出部13、情報記録再生部14、操作・表示部15、マイクロフォン16、音声認識部17、ネットワーク3を介して情報配信サーバ2との間でデータ通信を行うための通信部18、及びシステム制御部19を備えて構成されている。
【0014】
情報再生部11は、システム制御部19の制御下、CD(Compact Disc:CD−DA(Digital Audio)、CD−R、CD−R/W等の総称)、MD(Mini Disc)、DVD(Digital Versatile Disc:DVD−Audio、DVD−Video、DVD−R、DVD−RW等の総称)、又はカード型記録媒体(例えば、メモリースティックやSDカード等)等の記録媒体(記録手段)に記録された楽曲データ(本願の提示データの一例)を再生し、当該楽曲データを情報出力部12、楽曲特徴量抽出部13、及び情報記録再生部14に出力するようになっている。
【0015】
例えば、情報再生部11がCD(例えば、CD−DA)に記録された楽曲データを再生するものである場合、当該情報再生部11は、図示しないが、当該CDに光ビームを照射して記録情報を光学的に読み取り電気信号に光電変換し出力する光ピックアップ、当該光ピックアップから出力された電気信号からRF(Radio Frequency)信号等を生成して出力するRFアンプ、当該RF信号に所定の復調処理及び誤り訂正処理等を行いデジタル信号に変換して楽曲データを再生するデジタル信号処理回路(例えばDSP(Digital Signal Processor)等により構成)及び、スピンドルモータ及び光ピックアップをサーボ制御するサーボ回路等を備え、当該楽曲データの再生、出力を行う。
【0016】
また、情報再生部11は、記録媒体に楽曲データに付随する付随情報(例えば、楽曲のタイトル、ジャンル(例えば、ロック、ジャズ、ポップス、クラッシック、ヒップホップ等)などのテキスト情報)、アーティスト名、年代(例えば、いつ製作されたかを示す情報)等)が記録されている場合には、情報再生部11は、システム制御部19の制御下、当該付随情報を記録媒体から読み出し、情報記録再生部14に出力するようになっている。
【0017】
なお、CD以外の記録媒体から楽曲データを再生するための構成及び機能については公知の技術であるので、詳しい説明は省略する。また、マルチメディアプレーヤのように、複数の記録媒体から楽曲データを再生するように構成してもよい。
【0018】
情報出力部12は、図示しないが、情報再生部11により再生出力された楽曲データ(デジタル音声信号)を入力し、これをアナログ音声信号に変換するDAC(Digital-to-Analog Converter)、当該アナログ音声信号を増幅して出力するAMP(Amplifier)、及び増幅されたアナログ音声信号を音波として出力するスピーカ等を備えており、楽曲をスピーカから出力するようになっている。
【0019】
楽曲特徴量抽出部13は、例えばDSP等により構成されており、情報再生部11により再生出力された楽曲データを入力し、当該楽曲データから当該楽曲データの特徴を示す楽曲特徴量を抽出し、情報記録再生部14及びシステム制御部19に出力するようになっている。
【0020】
ここで、楽曲特徴量とは、その楽曲の特徴を定量的に示す情報(例えば、0〜100の間の数値等で表される)であり、これには、例えば、楽曲の楽音から得られる楽音特徴量などが含まれる。
【0021】
楽音特徴量としては、キー(ハ長調、イ短調等の曲の調性)、キーの変化位置(又は変化パターン)、コード(和音、又は和音の組合せ)、当該コードの変化位置(又は変化パターン)、当該コードの変化量(CPM)(又は変化率(HVL))、ビート(拍:強弱を持った一定のパルス信号)、当該ビートの最大値(又は、最小値、平均値)、当該ビートの変化位置(又は変化パターン)、当該ビートの変化量(BPM)(又は変化率)、楽音の最大強度や平均強度、音量、当該音量の変化位置(又は変化パターン)などが挙げられる。
【0022】
これらの楽音特徴量の抽出には、公知の様々な方法を適用可能であるので、詳しい説明を省略するが、例えば、楽曲特徴量抽出部13が、楽曲データを高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)して周波数分析を行い時間軸に沿った所定の時間間隔で周波数毎の音量値を算出してキー及びこれに関する量(キーの変化位置等)、コード及びこれに関する量(コードの変化位置や変化量等)の抽出を行ったり、所定のスレッショルドレベルにて楽曲データに係る波形のエンベロープを検出することによりビート及びこれに関する量(ビート(信号)の最大値等)の抽出を行う。
【0023】
このような楽曲特徴量は、例えばシステム制御部19による楽曲の曲調判別に使用される。この曲調判別の処理では、例えば、予め設定され記憶された、楽曲特徴量と曲調との対応付けを規定した曲調対応付けテーブルが用いられ、楽曲データの楽曲特徴量に基づいて行われる。
【0024】
図2は、曲調対応付けテーブルの一例を示す図である。図2に示す例では、曲調としては、「明るい曲」、「ノリがいい曲」、「静かな曲」、「悲しい曲」が示され、楽曲特徴量としては、「キー」、「コードの変化率(HVL)」、「ビートの変化量(BPM)」、「ビートの最大値」、「楽音の平均強度(平均レベル)」が示されている。
【0025】
また、図2中、「高」、「中」、「低」は、楽曲特徴量のレベルを意味しており、例えば、「高」は、80〜100の数値範囲で、「中」は、30〜79の数値範囲で、「低」は、0〜29の数値範囲で、夫々表される(従って、「中〜高」は、30〜100の数値範囲を、「低〜中」は、0〜79の数値範囲を表す)。また、図2中、「キー」の一例として「ハ長調」若しくは「イ短調」が示されているが、これについても、夫々、例えば、ある数値範囲で表される。
【0026】
このような曲調対応付けテーブルが参照されて曲調判別の処理が行われる場合、例えば、上記特定された楽曲データの楽曲特徴量が、「明るい曲」に対応する楽曲特徴量のレベルを満たすか(言い換えれば、図2に示す数値範囲に入るか)否かが判別され、満たす場合に当該楽曲データは、「明るい曲」に合致すると判別されることになる(他の曲調についても同様である)。こうして一旦楽曲データの曲調が判別されると、判別された曲調を示す情報は、当該楽曲データに対応付けられて後述する楽曲リストに登録されることになる。
【0027】
情報記録再生部14は、例えば、楽曲データを一時的に蓄積するバッファメモリ、楽曲データをエンコード(圧縮等)又はデコード(伸長等)するためのエンコーダ/デコーダ、HD(Hard Disc)、及びHDに楽曲データ等を記録又はHDから再生等を行うためのHDドライブ等を備えている。なお、情報記録再生部14が、MD、DVD−RW、又はカード型記録媒体等の記録媒体を備えて構成されるものであっても良い。
【0028】
そして、情報記録再生部14は、システム制御部19の制御下、情報再生部11から出力された楽曲データを例えば圧縮して、HDに記録すると共に、情報再生部11から出力された付随情報を楽曲データに関連付けて当該記録媒体に記録する。また、情報記録再生部14は、システム制御部19の制御下、楽曲特徴量抽出部13から出力された楽曲特徴量を当該楽曲データに関連付けて記録するようになっている。
【0029】
更に、情報記録再生部14は、システム制御部19の制御下、例えば情報配信サーバ2からネットワーク(例えば、インターネット、移動体通信網等によりからなる)3を介して配信され通信部18を介して受信された楽曲データ及びこれに付随する付随情報を当該記録媒体に記録するようになっている。なお、情報配信サーバ2から取得される楽曲データの楽音特徴量も、例えば当該取得の際に、楽曲特徴量抽出部13により抽出され、当該楽曲データに関連付けて記録される。
【0030】
このように情報記録再生部14におけるHDに記録される各楽曲データには、固有の登録番号(例えば、シリアル番号)が付与され、リスト管理されるようになっている。例えば、HDに記録されている楽曲データの登録番号、データ容量、記録場所、演奏時間、上記付随情報、及び楽曲特徴量等の管理情報が楽曲リストに登録される。この楽曲リストのデータは、例えばHDに記録され、適宜、システム制御部19により読み出され使用される。なお、当該管理情報に楽曲データの曲調(例えば、明るい曲、ノリがいい曲、癒される曲、静かな曲、悲しい曲等)が含まれるようにしても良い。また、楽曲データに付随する付随情報は、楽曲データがHDに記録される際に、ユーザが操作・表示部15を操作して入力され、上記管理情報に登録されるようにしても良い。
【0031】
操作・表示部15は、例えばタッチパネル式の表示パネル(例えば液晶パネル)を備えており、システム制御部19の制御下、上記楽曲リストに含まれる管理情報や、ユーザが各種指示を入力するための操作ボタン等を表示するようになっている。表示パネル上に表示された操作ボタンが押されると、当該操作ボタンに対応する指示信号がシステム制御部19に出力される。
【0032】
マイクロフォン16は、例えばユーザにより発話された各種指示に関する音声を検出(集音)して、その音声信号を音声認識部17に出力するようになっている。
【0033】
音声認識部17は、公知の音声認識処理を行うものであり、マイクロフォン16からの音声信号の周波数分析を行い、予め用意された発話音声候補群の中から最も適合する候補を選定することによって、上記音声信号に含まれる情報を認識し、これをシステム制御部19に出力するようになっている。
【0034】
システム制御部19は、演算機能を有するCPU、作業用RAM、及び各種処理プログラム(推奨情報提示処理プログラム)を含む)やデータを記憶するROM等を備えている。なお、推奨情報提示処理プログラムは、例えばネットワーク8に接続された所定のサーバからダウンロードされるようにしてもよいし、例えば、CD−ROM等の記録媒体に記録されて当該記録媒体のドライブを介して読み込まれるようにしてもよい。
【0035】
そして、CPUがROM等に記憶されたプログラムを実行することにより、コンピュータとしてのシステム制御部19は、情報再生記録装置1全体を統括制御するとともに、本願の推奨情報提示手段及び応答認識手段等として機能するようになっている。
【0036】
具体的には、システム制御部19は、推奨情報提示手段として、ユーザが、HDに記録されている複数の楽曲データのうち何れか1又は複数の楽曲データを選択する上での推奨(お薦め)情報を当該ユーザに提示し(例えば、操作・表示部15における表示パネル上に表示、若しくは、情報出力部12におけるスピーカから音声出力による)、応答認識手段として、上記推奨情報に対するユーザからの応答を認識するようになっている。
【0037】
ここで、楽曲データを選択する上での推奨情報とは、例えば、ユーザが、HDに記録されている多くの楽曲データの中から、再生出力して聴きたい楽曲データの選択(選曲)を助ける(選ぶきっかけを与える)ための情報である。例えば、「ロックはいかがですか?」、「明るい曲はいかがですか?」等のように選択されるべき楽曲データの属性(例えば、ロック、明るい曲、60年代、アーティスト名、ヒット曲、最近記録した曲等)を示す属性情報を含む推奨情報や、「ジャンル(例えば、ロックやポップ等)で選べますがいかがですか?」、「曲調(例えば、明るい曲、静かな曲等)でも選べますがいかがですか?」等のように選択されるべき楽曲データの属性の種別(カテゴリー)を示す属性種別情報を含む推奨情報等が挙げられる。
【0038】
このような推奨情報の候補になる属性情報及び属性種別情報は、推奨情報候補テーブルに登録され、管理されることになる。
【0039】
図3は、推奨情報候補テーブルに登録された情報の一例を示す図である。図3に示す例では、各属性種別情報(例えば、「ジャンル」等)に対して属性情報が対応付けられており(例えば、「ジャンル」に対応するのは、「ロック」、「ポップ」、「ジャズ」、及び「ヒップホップ」である)、各属性情報には、推奨情報提示回数及び楽曲データ再生回数が対応付けられている。推奨情報提示回数は、例えば、所定期間(例えば3日)以内に、対応する属性情報が推奨情報に含まれてユーザに提示された回数を示しており、楽曲データ再生回数は、例えば、所定期間(例えば3日)内に、対応する属性情報に示された属性を有する楽曲データの再生回数を示している。
【0040】
また、上記推奨情報に対する応答は、例えば、ユーザから操作・表示部15、若しくはマイクロフォン16等の入力手段を通じて入力されるものであり、当該応答には、上記推奨情報を肯定する肯定的な応答(例えば、「はい」、「いいね」、「それにしよう」等)と、上記推奨情報を否定する否定的な応答(例えば、「いいえ」、「やだ」、「他のお勧めは?」等)と、がある。更に、上記応答には、ユーザが上記入力手段を通じて所定時間応答しない(例えば、無音)或いは応答したけれども認識できない(認識不能な)応答もある。
【0041】
そして、推奨情報提示手段としてのシステム制御部19は、上記提示された推奨情報に対する応答に応じた新たな推奨情報をユーザに対して提示するようになっている。例えば、上記応答が否定的な応答又は認識不能な応答である場合には、楽曲データの選択が確定される(当該応答が肯定的な応答となることによる)まで、既に提示された推奨情報とは異なる推奨情報が繰り返しユーザに対して提示される(つまり、小出しに提示される)ことになる。かかる推奨情報は、上記推奨情報候補テーブル、ユーザの好みの属性情報を示すユーザ嗜好情報等に基づいて生成されることになる(詳細は後述)。
【0042】
このような推奨情報の提示により最終的に楽曲データの選択が確定すると、当該楽曲データは、システム制御部19の制御の下、情報記録再生部14から再生出力され、ユーザに提示される。
【0043】
次に、以上のように構成された情報再生記録装置1における動作について、図4等を参照して説明する。
【0044】
図4は、情報再生記録装置1のシステム制御部19における処理を示すフローチャートである。
【0045】
図4に示す処理は、例えばユーザからの推奨情報の提示要求(例えば、ユーザが提示要求を示す情報(例えば「お勧めは?」)を発話、或いは、ユーザが提示要求を示す操作ボタンを押下することによる)をシステム制御部19が認識することにより開始され、当該システム制御部19には例えばHDに記録されている推奨情報候補テーブル及びユーザ嗜好情報が読み込まれる。なお、ユーザ嗜好情報は、ユーザから操作・表示部15、若しくはマイクロフォン16等の入力手段を通じて入力され、HDに記録されるように構成してもよいし、例えば、楽曲データ再生回数が所定回数(例えば、5回)以上(つまり、再生回数が多い楽曲データ)の属性情報がユーザ嗜好情報としてHDに記録されるように構成しても良い。
【0046】
そして、先ず、システム制御部19は、上記推奨情報候補テーブルに登録されている属性情報のうちから1の属性情報を選定する(ステップS1)。
【0047】
例えば、属性種別情報毎に、対応付けられている属性情報の推奨情報提示回数(或いは、楽曲データ再生回数)が積算され、その総数が互いに比較され、当該総数が相対的に少ない(例えば、最も少ない)属性種別情報(図3の例では、推奨情報提示回数の総数が「2」である「ジャンル」が該当、或いは、楽曲データ再生回数の総数が「5」である「曲調」が該当)が先ず選定され、続いて、選定された属性種別情報に対応付けられた属性情報のうち、推奨情報提示回数(或いは、楽曲データ再生回数)が相対的に少ない(例えば、最も少ない)属性情報(図3の例では、推奨提示回数が「0」である「ポップ」及び「ヒップホップ」が該当、或いは、楽曲データ再生回数が「0」である「明るい曲」が該当)が選定される。
【0048】
この時点で、1の属性情報が選定されていれば、ステップS2に移行されるが、2以上の属性情報が選定されていた場合には、続いて、例えばユーザ嗜好情報に基づいて属性情報が絞り込まれ、1の属性情報が選定される。図3の例では、ユーザ嗜好情報にユーザの好みの属性情報として「ポップ」が示されている場合、「ポップ」と「ヒップホップ」のうち、「ポップ」が選定されることになる。
【0049】
なお、上記ステップS1の処理において、属性種別情報毎に、対応付けられている属性情報の総数(図3の例では、「アーティスト名」に対応付けられた属性情報の総数は4つ)と、これらの属性情報のうちで推奨情報として提示されていない属性情報(つまり、推奨情報提示回数が「0」である属性情報)の未提示数(図3の例では、「アーティスト名」では、3つである)との比(未提示数/総数、つまり、総数に対する未提示数の割合)が算出され、その比が互いに比較され、当該比が相対的に大きい(例えば、最も大きい)(つまり、ユーザに提示されていない属性情報を最も多く有する)属性種別情報(図3の例では、割合(比)が「3/4」である「アーティスト名」が該当)が選定されるように構成しても良い。
【0050】
また、当該処理が実行されている際に、楽曲データが再生出力されている(ユーザが聴いている)場合には、当該楽曲データに対応する属性(例えば、「ヒップホップ」、「1990年代」等)を示す属性情報を除外して上記1の属性情報が選定されるように構成しても良い。
【0051】
以上のように属性情報が選定されると、次に、システム制御部19は、当該選定した属性情報を含む推奨情報を生成(作成)する(ステップS2)。例えば、上記選定された属性情報、例えば、「ポップ」と、予め用意された「は、いかがですか?」を示す情報が組み合わされ、「ポップは、いかがですか?」を示す推奨情報が生成される。
【0052】
次いで、システム制御部19は、上記生成した推奨情報を含む音声信号を、情報出力部12におけるスピーカから音声出力することにより、ユーザに対して提示(つまり、ユーザに対して未だ提示されていない推奨情報若しくは提示された回数又は割合が相対的に少ない推奨情報が優先的に提示される)し(ステップS3)、当該提示した推奨情報に含まれる属性情報を記憶する(後から参照可能となるように)と共に、当該属性情報に対応する推奨情報提示回数(推奨情報候補テーブルにおける)を1つ増すように更新する。
【0053】
次いで、システム制御部19は、応答の候補(例えば、「はい」、「いいね」等の肯定的な応答の候補と、「いいえ」、「やだ」等の否定的な応答の候補)を準備(RAMの所定領域に記憶)し、更にユーザからの応答待機時間の計測を開始して、ユーザからの応答待ち状態となる。
【0054】
そして、例えば、ユーザが、何らかの応答を発話により行うと、その応答に係る音声がマイクロフォン16により集音(入力)され、音声認識部17によってその音声が認識され、その情報がシステム制御部19に出力される。これに対し、システム制御部19は、音声認識部17からの情報を取得すると、当該情報をユーザからの応答として認識できるか否かを判別する(ステップS4)。例えば、当該情報が、上記準備された応答の候補に有るか否かが判別され、有ると判別された場合には(ステップS4:Y)、無応答カウンタがリセット(0になる)されると共に応答待機時間の計測が終了(0にリセット)されて、ステップS5に移行され、無いと判別された場合には(ステップS4:N)、ステップS6に移行される。なお、ユーザが何らの応答もしない(発話しない、或いは発話しても声が小さい)場合にも、応答を認識できないのでステップS6に移行することになる。
【0055】
ステップS5では、システム制御部19は、上記認識した応答が否定的であるか否かを判別し、否定的である場合(例えば、上記応答が「いいえ」であった場合)には(ステップS5:Y)、否定的応答カウンタを1つ増やして、ステップS8に移行し、否定的でない(肯定的である)場合(例えば、上記応答が「はい」であった場合)には(ステップS5:N)、ステップS17に移行する。
【0056】
ステップS6では、システム制御部19は、上記計測されているユーザからの応答待機時間が所定時間(例えば、3分)を経過したか否かを判別し、経過していない場合には(ステップS6:N)、ステップS4に移行し、経過している場合には(ステップS6:Y)、無応答カウンタを1つ増やすと共に応答待機時間の計測を終了(0にリセット)して、ステップS7に移行する。
【0057】
ステップS7では、システム制御部19は、無応答又は認識不能な応答がn回(例えば、3回)連続したか否かを判別し、無応答がn回連続していない場合には(ステップS7:N)、ステップS9に移行し、n回連続した場合(例えば、無応答カウンタが「n」に達していた場合)には(ステップS7:Y)、ステップS16に移行する。
【0058】
ステップS8では、システム制御部19は、否定的な応答をm回(例えば、10回)認識したか否かを判別し、m回認識していない場合には(ステップS8:N)、ステップS9に移行し、m回認識した場合(例えば、否定的応答カウンタが「m」に達していた場合)には、ステップS16に移行する。なお、否定的な応答がm回連続して認識したか否かが判別され、m回連続して認識していない場合に、ステップS9に移行するように構成しても良い。
【0059】
ステップS9では、システム制御部19は、当該応答(今回の応答(無応答も含む))に対応する推奨情報に属性情報が含まれているか否か(言い換えれば、推奨情報に属性情報が含まれているか、或いは、属性種別情報が含まれているか)を判別し、属性情報が含まれている場合には(ステップS9:Y)、ステップS10に移行し、属性情報が含まれていない場合には(ステップS9:N)、ステップS13に移行する。なお、ステップS1からの流れでは、推奨情報には属性情報が含まれていることになる。
【0060】
ステップS10では、システム制御部19は、当該応答(今回の応答)に対応する推奨情報に含まれる属性情報(例えば、「ポップ」)の属性種別情報(例えば、「ジャンル」)に対応付けられた属性情報のうち、今回の処理(つまり、スタートしてからの処理)において、ユーザに未だ提示されていない(未提示)の属性情報が有るか否かを判別し、未提示の属性情報が有る場合には(ステップS10:Y)、当該属性情報を上記推奨情報候補テーブルから抽出して、ステップS11に移行し、未提示の属性情報が無い場合には(ステップS10:N)、ステップS13に移行する。
【0061】
ステップS11では、システム制御部19は、抽出した未提示の属性情報のうちから1の属性情報を選定する。
【0062】
ここで、未提示の属性情報が1つだけならばこれが選定されるが、未提示の属性情報が2つ以上有る場合には、例えば、未提示の属性情報のうち、推奨情報提示回数(或いは、楽曲データ再生回数)が相対的に少ない(例えば、最も少ない)属性情報が1又は複数選定される。更にこの時点で、1の属性情報が選定されていれば、ステップS12に移行されるが、2以上の属性情報が選定されていた場合には、続いて、例えばユーザ嗜好情報に基づいて属性情報が絞り込まれ、1の属性情報が選定される。
【0063】
なお、当該処理が実行されている際に、楽曲データが再生出力されている(ユーザが聴いている)場合には、当該楽曲データに対応する属性を示す属性情報を除外して上記1の属性情報が選定されるように構成しても良い。
【0064】
次いで、システム制御部19は、ステップS2と同様に、当該選定した属性情報を含む推奨情報を生成し(ステップS12)、当該生成した推奨情報を含む音声信号を、情報出力部12におけるスピーカから音声出力することにより、ユーザに対して提示し(ステップS3)、当該提示した推奨情報に含まれる属性情報を記憶すると共に、当該属性情報に対応する推奨情報提示回数(推奨情報候補テーブルにおける)を1つ増すように更新する。
【0065】
こうして、例えばユーザから否定的な応答又は無応答が続く(繰り返される)場合、ステップS3からS12までの処理が繰り返され(但し、無応答カウンタが「n」に又は否定的応答カウンタが「m」に達する前まで)、上記ステップS5にて肯定的な応答が認識されるまで、既に提示された推奨情報とは異なる推奨情報が繰り返しユーザに対して提示(例えば、「ポップは、いかがですか?」、「ヒップホップは、いかがですか?」、「ロックは、いかがですか?」、「ジャズは、いかがですか?」の順に提示されていく)されることになる。なお、上記ステップS5にて肯定的な応答が認識されたとき、そのときの推奨情報に属性情報が含まれる場合には、楽曲データの選択がその属性情報により確定されることになる。
【0066】
そして、今回の処理において、推奨情報に含まれる属性情報の属性種別情報に対応付けられた属性情報のうち、未提示の属性情報が無くなった場合、ステップS10からステップS13に移行される。
【0067】
ステップS13では、全ての属性種別情報のうち、今回の処理において、ユーザに未だ提示されていない(未提示)の属性種別情報が有るか否かを判別し、未提示の属性種別情報が有る場合には(ステップS13:Y)、当該属性種別情報を上記推奨情報候補テーブルから抽出して、ステップS14に移行し、未提示の属性種別情報が無い場合には(ステップS13:N)、ステップS16に移行する。
【0068】
ステップS14では、システム制御部19は、抽出した未提示の属性種別情報のうちから1の属性種別情報を選定する。
【0069】
ここで、未提示の属性種別情報が1つだけならばこれが選定されるが、未提示の属性種別情報が2つ以上有る場合には、例えば、抽出された未提示の属性種別情報毎に、対応付けられている属性情報の推奨情報提示回数(或いは、楽曲データ再生回数)が積算され、その総数が互いに比較され、当該総数が相対的に少ない(例えば、最も少ない)属性種別情報が先ず選定される。
【0070】
なお、当該ステップS14において、上記ステップS1と同様、属性種別情報毎に、対応付けられている属性情報の総数と、これらの属性情報のうちで推奨情報として提示されていない属性情報の未提示数との比(未提示数/総数、つまり、総数に対する未提示数の割合)が算出され、その比が互いに比較され、当該比が相対的に大きい(例えば、最も大きい)属性種別情報が選定されるように構成しても良い。
【0071】
また、この時点で、1の属性種別情報が選定されていれば、ステップS15に移行されるが、2以上の属性種別情報が選定されていた場合(例えば、推奨情報提示回数の総数(或いは、楽曲データ再生回数の総数)が同一の場合)には、続いて、例えばユーザ嗜好情報に基づいて属性種別情報が絞り込まれ、1の属性種別情報が選定される。例えば、ユーザ嗜好情報にユーザの好みの属性情報として「1980年代」が示されている場合、当該属性情報に対応する属性識別情報である「年代」が選定されることになる。
【0072】
また、当該処理が実行されている際に、楽曲データが再生出力されている場合には、当該楽曲データに対応する属性を示す属性情報に対応する属性種別情報を除外して上記1の属性種別情報が選定されるように構成しても良い。
【0073】
次いで、システム制御部19は、当該選定した属性種別情報を含む推奨情報を生成する(ステップS15)。例えば、上記選定された属性種別情報、例えば、「年代」と、予め用意された「で選べますがいかがですか?」を示す情報が組み合わされ、「年代で選べますがいかがですか?」を示す推奨情報(言い換えれば、楽曲データの属性による選び方を示す情報)が生成される。
【0074】
次いで、システム制御部19は、当該生成した推奨情報を含む音声信号を、情報出力部12におけるスピーカから音声出力することにより、ユーザに対して提示し(ステップS3)、当該提示した推奨情報に含まれる属性種別情報を記憶する。
【0075】
そして、当該提示された属性種別情報を含む推奨情報に対して、ユーザから否定的又は無応答が続く(繰り返される)場合、ステップS9からステップS13への移行が繰り返され(但し、無応答カウンタが「n」に又は否定的応答カウンタが「m」に達する前まで)、上記ステップS5にて肯定的な応答が認識されるまで、既に提示された推奨情報とは異なる推奨情報が繰り返しユーザに対して提示(例えば、「年代で選べますがいかがですか?」、「曲調で選べますがいかがですか?」・・・の順に提示されていく)されることになる。
【0076】
ステップS16では、システム制御部19は、特別対応処理を行う。この特別対応処理は、例えば推奨情報の提示が良好ではなかった場合の処理であり、例えば、ユーザからの応答に無関係にランダムに楽曲データを選択、再生するようにしても良いし、或いは、「お勧め条件を入力してください」等の選曲条件の入力を促す音声信号を、情報出力部12におけるスピーカから音声出力しても良いし、或いは、当該処理を終了するようにしても良い。
【0077】
上記ステップS5にて肯定的な応答が認識された場合のステップS17では、システム制御部19は、当該応答に対応する推奨情報に属性情報が含まれているか否かを判別し、属性情報が含まれていない場合(つまり、属性種別情報が含まれている場合)には(ステップS17:N)、ステップS18に移行し、属性情報が含まれている場合には(ステップS17:Y)、当該属性情報に対応する楽曲データを楽曲リストから抽出し(つまり、予め準備(キャッシュ)することで、後述するステップS20において楽曲データの検索を速くする)、上記後から参照可能となるために記憶された推奨情報に含まれる属性情報又は属性識別情報を消去すると共に、否定的応答カウンタをリセット(0になる)して、ステップS20に移行する。
【0078】
ステップS18の処理は、例えば「年代で選べますがいかがですか?」等の属性種別情報を含む推奨情報の提示に対する応答が肯定的であった場合の処理であり、例えば上記ステップS11と同様の処理が行われて未提示の属性情報のうちから1の属性情報が選定される。
【0079】
そして、システム制御部19は、ステップS2と同様に、当該選定した属性情報を含む推奨情報を生成し(ステップS19)、当該生成した推奨情報を含む音声信号を、情報出力部12におけるスピーカから音声出力することにより、ユーザに対して提示し(ステップS3)、当該提示した推奨情報に含まれる属性情報を記憶すると共に、当該属性情報に対応する推奨情報提示回数(推奨情報候補テーブルにおける)を1つ増すように更新する。これ以降の処理は、上記処理と同様である。
【0080】
ステップS20では、システム制御部19は、上記提示された推奨情報に含まれる属性情報に基づき、楽曲データ選択処理を行う。この楽曲データ選択処理において、システム制御部19は、上記推奨情報に含まれる属性情報(例えば、「ポップ」、「明るい曲」等)に該当する1又は複数の楽曲データ(楽曲リストから抽出された楽曲データ)のうちから、例えば優先度が高い順(例えば、再生回数が多い楽曲データの優先度を高くする)又はランダムに楽曲データを選択(選曲)し、選曲リスト(プレイリスト)に登録する。
【0081】
そして、システム制御部19は、情報記録再生部14を制御し、上記選曲リストに登録された楽曲データを、HDから再生出力させ(ステップS21)、当該処理を終了する。こうして、上記HDから再生出力された楽曲データは、情報出力部12を通じて外部に音波として出力され、ユーザは当該楽曲を聴くこととなる。
【0082】
なお、上記ステップS10において、未提示の楽曲データがある場合にも、例えば、所定回数(例えば2回)連続して否定的な応答が認識されたときには、ステップS13に移行するように構成しても良い。
【0083】
また、上記処理において、推奨情報の提示から応答を認識するまでの時間間隔に応じて推奨情報の内容を異ならせるように構成しても良い。
【0084】
以上説明したように、上記実施形態によれば、既に提示された推奨情報に対するユーザからの応答に応じた推奨情報を生成し、これをユーザに提示するようにしたので、ユーザが何を聴きたいのかが定まっていない場合や、どのような楽曲データが記録されているかを把握していない場合等にも、ユーザが楽曲データを選択する上で、選択の幅を増やし、より適切な対応を図ることができる。
【0085】
また、ユーザからの応答が否定的な応答又は認識不能な応答である場合には、肯定的な応答が認識されるまで、既に提示された推奨情報とは異なる推奨情報を繰り返しユーザに対して提示するので、少しずつ小出しに異なる推奨情報を提示することが可能となり、ユーザは、どのような属性の楽曲があるのかを少しずつ覚え、全体を把握することができる。従って、膨大な楽曲データが記録されており、ユーザが全てを把握できないような場合であっても、楽曲データを埋もれさせることなく、ユーザに所望する楽曲データを選択させることができる。
【0086】
また、ユーザに対して未だ提示されていない推奨情報若しくは提示された回数又は割合が相対的に少ない推奨情報を優先的に提示するようにしたので、膨大な楽曲データが記録されており、ユーザが全てを把握できないような場合であっても、楽曲データを埋もれさせることなく、ユーザに様々な楽曲データを選択させることができる。
【0087】
また、楽曲データの属性を示す属性情報を含む推奨情報を提示し、当該推奨情報に対するユーザからの応答が所定回数否定的な応答又は認識不能な応答である場合には、楽曲データの属性による選び方を示す情報(例えば、「年代で選べますがいかがですか?」等)を含む推奨情報を提示するようにしたので、よりユーザの選択の幅を増やすことができる。
【0088】
なお、上記実施形態においては、上記推奨情報には、1の属性情報又は1の属性識別情報が含まれる例を示したが、これに限定されるものではなく、複数の属性情報又は複数の属性識別情報が推奨情報に含まれるように構成しても良い。例えば、上記ステップS11において、属性情報を2つまで絞り込み、当該2つの属性情報を含む推奨情報(例えば、「ロック及びジャズはいかがですか?」)を生成してユーザに提示するように構成する。また、上記ステップS14において、属性種別情報を2つまで絞り込み、当該2つの属性種別情報を含む推奨情報(例えば、「ジャンル及び年代で選べますがいかがですか?」)を生成してユーザに提示するように構成する(この場合のステップS11では、「ジャンル」に対応付けられた属性情報及び「年代」に対応付けられた属性情報とのうちから、上記のように1又は複数の属性情報が選定されることになる)。
【0089】
また、上記実施形態においては、各属性情報に対して推奨情報提示回数及び楽曲データ再生回数を対応付け、これらに基づいて推奨情報に含まれるべき属性情報が選定されるように構成したが、別の例として、各属性情報に対して優先度(例えば、1〜10までの数値)を対応付けるように構成し、この属性情報の優先度に基づいて1又は複数の属性情報が選定(例えば、推奨情報提示回数等の代わりに、当該優先度が相対的に大きい(例えば、最も大きい)属性情報が選定)されるように構成しても良い。
【0090】
この属性情報の優先度は、例えば、ユーザにより任意に設定されるようにしてもよいし、システム制御部19により自動的に設定されるように構成しても良い。例えば、システム制御部19は、ユーザ嗜好情報に示された属性情報や当該属性情報に関連する属性情報(例えば、例えば、「1960年代」がユーザ嗜好情報に示されていた場合に、これに近い「1970年代」)の優先度を高く設定したり、或いは、楽曲データ再生回数が所定回数より多い(つまり、ユーザが良く聴く)楽曲データの属性を示す属性情報(例えば、ジャズ)と近い平均楽曲特徴量を持つ属性情報の優先度を高く設定したり、或いは、売れ行きの良くない(ヒットしていない)楽曲データの属性情報の優先度を高く設定したりする。また、例えば、あるアーティストが活躍していた年代やそのアーティストにより提供される楽曲のジャンルの優先度が高く設定されるように構成しても良い。
【0091】
更に、同じ属性情報であっても、優先度の大きさに応じて推奨情報の内容が異なるように構成しても良い。例えば、属性情報を「癒される曲」としたときに、この優先度が所定値より高い場合、推奨情報は例えば「気分転換に、癒される曲はいかがですか?」として生成される一方、この優先度が所定値より低い場合、推奨情報は例えば「癒される曲はいかがですか?」として生成されるように、段階的に推奨情報に含まれる修飾語のレベルを変える構成する。
【0092】
また、上記図4に示す処理においては、推奨情報が音声によりユーザに提示される例について説明したが、これに限定されるものではなく、操作・表示部15における表示パネル上に推奨情報が表示されることによりユーザに提示しても良い。
【0093】
図5は、推奨情報が表示された待ち受け画面例を示す図である。図5に示す例おいて、待ち受け画面の上段には、選定された複数の属性情報(例えば、ステップS11で推奨情報提示回数が最も少ない(或いは、優先度が最も高い)属性情報が複数選定)を含む推奨情報(1960年代、1980年代、1990年代)が記述された操作ボタン51乃至53として表示されており、待ち受け画面の下段には、上記「年代」とは別の属性種別情報(ジャンル及び曲調)に対応する属性情報(例えば、ランダムに選定)を含む推奨情報が記述された操作ボタン54及び55として表示されている。この場合も、ユーザは発話にて応答可能であり、また、操作ボタン51乃至55のうち、所望の操作ボタンを押下することにより応答(肯定的な応答)を行うことができる。
【0094】
また、上記実施形態においては、ユーザに対して提示される提示データの一例として楽曲データに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、映画や番組等のコンテンツデータに対して適用するようにしても良い。また、本願は、ユーザが何らかの情報(ファイル等)を検索する際に提示されるヒント(この場合、ヒントが本願の推奨情報に該当する)に対して適用することも可能である。
【0095】
また、本願の情報再生記録装置1は、車載用、家庭用、又は携帯用のオーディオ機器ばかりでなく、パーソナルコンピュータ、PDA等に対しても適用でき、更には車載用ナビゲーション装置に対しても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本実施形態における情報再生記録装置の概要ブロック例を示す図である。
【図2】曲調対応付けテーブルの一例を示す図である。
【図3】推奨情報候補テーブルに登録された情報の一例を示す図である。
【図4】情報再生記録装置1のシステム制御部19における処理を示すフローチャートである。
【図5】推奨情報が表示された待ち受け画面例を示す図である。
【符号の説明】
【0097】
1 情報再生記録装置
2 情報配信サーバ
3 ネットワーク
11 情報再生部
12 情報出力部
13 楽曲特徴量抽出部
14 情報記録再生部
15 操作・表示部
16 マイクロフォン
17 音声認識部
18 通信部
19 システム制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する推奨情報提示手段と、
前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する応答認識手段と、を備え、
前記推奨情報提示手段は、前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示することを特徴とする推奨情報提示装置。
【請求項2】
請求項1に記載の推奨情報提示装置において、
前記推奨情報提示手段は、前記提示データの選択が確定されるまで、既に提示された推奨情報とは異なる推奨情報を繰り返し前記ユーザに対して提示することを特徴とする推奨情報提示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の推奨情報提示装置において、
前記推奨情報提示手段は、前記応答が否定的な応答又は認識不能な応答である場合には、肯定的な応答が認識されるまで、既に提示された推奨情報とは異なる推奨情報を繰り返し前記ユーザに対して提示することを特徴とする推奨情報提示装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の推奨情報提示装置において、
前記推奨情報提示手段は、ユーザに対して未だ提示されていない推奨情報若しくは提示された回数又は割合が相対的に少ない推奨情報を優先的に提示することを特徴とする推奨情報提示装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の推奨情報提示装置において、
前記推奨情報提示手段は、前記提示データの属性を示す属性情報を含む推奨情報を提示し、当該推奨情報に対するユーザからの応答が否定的な応答又は認識不能な応答である場合には、前記提示データの属性による選び方を示す情報を含む推奨情報を提示することを特徴とする推奨情報提示装置。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する推奨情報提示手段、及び、
前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する応答認識手段として機能させ、
前記推奨情報提示手段が、前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示するように機能させることを特徴とする推奨情報提示処理プログラム。
【請求項7】
請求項6に記載の推奨情報提示処理プログラムがコンピュータ読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
【請求項8】
ユーザが複数の提示データのうち何れか1又は複数の提示データを選択する上での推奨情報を当該ユーザに提示する工程と、
前記推奨情報に対するユーザからの応答を認識する工程と、を備え、
前記提示された推奨情報に対する前記応答に応じた新たな推奨情報を前記ユーザに対して提示することを特徴とする推奨情報提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−202127(P2006−202127A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−14447(P2005−14447)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】