揮発性物質の消耗状態の表示システム
ディスペンサ内に含まれる揮発性物質の放出を制御するディスペンサを有し、揮発性物質の消耗状態を表示するインジケータシステムである。ディスペンサは膨出部を含み、膨出部は、揮発性物質の放出によって生じる内部の真空力によって凹陥して底壁に接触する蒸気透過膜を含む。膜が凹陥するにつれて、残った揮発性物質はディスペンサの周縁に移動し、これによって揮発性物質の消耗状態が示される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、使用可能な物質の消耗状態(expiration)のインジケータに関する。より具体的には、本発明は、従来技術よりも望ましい外観を可能にする揮発性物質用ディスペンサの消耗状態インジケータに関する。
【0002】
本願は、揮発性物質散布システム(弁護士事件整理番号J−4030)及び照明手段を備えた揮発性物質散布システム(弁護士事件整理番号J−4060)といった、本願と同時に出願された同時係属出願に関連している。
【背景技術】
【0003】
揮発性物質を含み、蒸気としての周囲空気への散布を制御可能にする多様なパッケージが用いられている。従来技術では、所与の容器から揮発性物質を分散させるための透過膜の使用や他の態様が詳述されている。また、多数の揮発性物質ディスペンサが種々の形態の消耗即ち使い尽くしインジケータを用いている。
【0004】
米国特許第5,259,555号は、香料充填チャンバを含む木製のエアーフレッシュナーを記載している。芳香(air freshening)オイルがチャンバ内に配置され、木目の毛細管に沿って木材中を移動し、容器の木材の外側表面に達する。木材は芳香剤を徐々に放出させる計量デバイスとして作用する。オイルが蒸発するにつれ、木製部材のつやが失われて外見が明るくなり、更なる芳香剤が必要であることを知らせる。観察者は、この外見の変化によってチャンバの充填が必要か否かを容易に判断することができる。
【0005】
米国特許第6,555,068号は、空気調整剤を組み込んだ装置を記載している。この空気調整剤と電解質がゲル性の水を含むリザーバ内に混入されており、リザーバは一対の電極と接触している。リザーバからの空気調整剤の消耗の程度は電極活性の消耗の程度に対応する。この電気デバイスの操作性により、空気調整剤がリザーバ内にあることが示される。
【0006】
米国特許第4,293,095号は、有効流体の消耗状態を知らせるインジケータシステムを有する空気処理デバイスを記載している。
【0007】
米国特許第2003/0089791号は揮散インジケータフィルムを記載している。使用の際、この半浸透性膜は、細孔の使用によって有効成分の蒸気の消費者への送出を視覚的に示す。細孔は通常は不透明であり、使用中は飽和して不透明から透明に変わる。リザーバ、そして膜から揮発性物質が消耗すると、膜は再び不透明になる。
【0008】
ヒュームドシリカゲル化剤を用いて溶液拡散送出システムのための消耗状態インジケータを提供することは当技術分野で公知である。これらのシステムに関して、シリカ粒子は有効揮発性液体中に懸濁されており、有効液体が拡散するにつれてシリカ粒子の濃度が増加する。ある一定の時間が経過してこのようなデバイスがほぼ消耗状態になると残留物にひびが生じ、ディスペンサの内容物にひびが入ってぼろぼろに砕け、消耗のレベルが示される。この外見は見た目に悪く不快である。
【特許文献1】米国特許第5,259,555号明細書
【特許文献2】米国特許第6,555,068号明細書
【特許文献3】米国特許第4,293,095号明細書
【特許文献4】米国特許第2003/0089791号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術の揮発性物質ディスペンサは、熱成形されたプラスチック材料からなるトレイ状のホルダを用いている。これらのホルダ内の揮発性物質はヒュームドシリカゲル化剤を含み、このヒュームドシリカゲル化剤は香料と混合されて揮発性物質中に懸濁されている。揮発性物質が消耗すると、ヒュームドシリカ剤が残って見た目に悪くなる。ヒュームドシリカは揮発性物質の粘度を高める。揮発性物質の消耗が生じると薬剤の濃度と粘度が高くなって残りの物質が凝固し、残りの物質がホルダ内で容易に移動しなくなる。これらのシリカゲル化剤を使用すると、比較的底の深いトレイ状ホルダが必要になる。底の深いトレイ状ホルダの中で蒸気の空隙ができ、シリカゲルは蒸気の充満したチャンバ内でいっぱいになり、ぼろぼろに砕けて有効成分の拡散に悪影響をもたらす。揮発性物質は膜を通って拡散されるが、シリカゲル化剤は残る。シリカゲル化剤があることで、残存する揮発性物質と膜との表面積の接触が妨げられる。この表面積接触の減少は揮発性物質の拡散速度に影響する。拡散速度が減少すると、揮発性物質がほぼ消耗状態になるまで一定又はほぼ一定の速度で拡散することができなくなる。その結果、揮発性物質の拡散はほぼ100%未満となる。従来技術のディスペンサでは、約50乃至60%の拡散が通例であった。揮発性物質の消耗状態を正確に示し、かつ効率的で安定した予測可能な拡散レベルを提供する改良された揮発性物質ホルダが必要である。従来技術に関連する問題の一つは、ディスペンサの消耗が近づくと拡散レベルが著しく減少することである。本発明は、膜と揮発性物質との表面積接触を増加させる真空排気可能(evacuatable)で浅底の揮発性物質ディスペンサを提供することによってこの問題を解決する。従来技術のエアーフレッシュナーディスペンサを前述のようなものとして明らかに確認することができるため、社会的に悪いイメージがもたらされる。本発明は、この社会的に有害なイメージダウンを防ぐ装飾的な表示手段を提供する。本発明はこの問題を解決し、ディスペンサがいつ消耗寸前の状態になるのか、あるいは既に消耗しているのかを知ることに関連する問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様に従って、揮発性物質の消耗状態の表示システムが提供される。この表示システムは真空排気可能な揮発性物質ディスペンサを含み、このディスペンサは、第1の表面を有する膨出部と、第1の表面の周縁にシールされた蒸気透過膜とを含む。揮発性物質は有効成分、増粘剤及び着色染料からなり、揮発性物質が透過膜を通って拡散することにより、周囲空気とディスペンサとの間に圧力勾配が生じる。揮発性物質が膨出部から出るにつれて、膨出部が第1の充満状態から第2の凹陥状態に移行する。膨出部内の揮発性物質の量が減少するにつれて膨出部内の真空力が揮発性物質の表面に接触するように膜を保持し、これによって膜と揮発性物質との表面積接触が保たれる。
【0011】
本発明の他の態様に従って、表示システムは蒸気透過面に取り外し可能に結合された蒸気不浸透性のラミネートを更に含み、ラミネートは揮発性物質の拡散を防止する。このラミネートをディスペンサから剥がし、揮発性物質の膜を介する拡散を開始させることができる。
【0012】
本発明の第3の態様に従って、表示システムは、透明な壁、前面及び後面を有する半透明のフレーム構造体である表示手段を更に含む。膨出部はフレームの後面に取り付けられており、透明な壁を介して観察されることができる。膨出部内に含まれる揮発性物質は染料で着色されていてもよく、この色は装飾的に作用するように表示システムと関連して用いられる。
【0013】
本発明の他の態様に従って、表示手段は装飾画像を更に含み、この画像はシステムの寿命にわたって可視である。
【0014】
他の特徴は、図面及び添付の請求の範囲とともに、下記の詳細な説明を検討することで当業者に明らかになるであろう。本明細書に開示されるディスペンサは種々の形による実施の形態が可能であり、例示的なものとして意図された(そして本明細書に述べる特定の実施の形態の開示に限定する意図ではない)特定の実施の形態を後述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1及び図2を参照すると、揮発性物質消耗状態表示システム10が示されている。システム10は、真空排気可能物質ディスペンサ12と、装飾画像14と、ディスペンサ12を保持する表示フレーム16を有する。装飾画像14はフレーム16に取り付けられている。
【0016】
ディスペンサ12は、膨出部18と、周縁フランジ20と、膨出部18に取り外し可能に取り付けられた不浸透性のラミネート22を含む。膨出部18は、低密度ポリエチレン(LDPE)からなる非孔質の透過膜24とカップ状構造体26を含む。カップ26は、ナイロンラミネートに接着接合された再生ポリエチレンテレフタレート(RPET)層を含む。ナイロンラミネートは、中間のナイロン層の両側に共押し出しされたエチレン酢酸ビニル(EVA)の層を含む。カップ26は底壁28及び4つの側壁30を含み、これらは膜24と共に揮発性物質32を収容する密閉リザーバとして作用する(図7)。
【0017】
ラミネート22はポリプロピレン、アルミニウム箔及びポリエステルの層を含む。ポリプロピレンはアルミニウム箔層に接着接合され、アルミニウム箔層はポリエステル層に接着接合される。これらの層の接合には押出結合材が用いられる。ラミネート22の厚さは0.1乃至0.2mmであることが好ましい。ポリエステル層は印刷に好適であり、ラミネート22の外側表面を構成する。膜24及びラミネート22のポリプロピレン層は膨出部の製造時に共押し出しされることが好ましい。共押し出しにより、拡散時に生じる接着材と揮発性物質32との間の不要な反応を防止する一方で、ラミネート22を膨出部18から剥がして取り除くことができる。
【0018】
カップ26の厚さは0.3乃至0.4mmであることが好ましい。カップ26は概ね長方形であり、好ましくは厚さ約3乃至5mm、長さ50乃至60mm及び幅50乃至60mmの全体寸法を有する正方形である。4つの側壁30の各々の対応する幅は3乃至5mmであり、長さは50乃至60mmである。側壁30は、底壁からフランジ20に向かうにつれてわずかに外向きにテーパーがつけられている。底壁28もほぼ長方形であり、幅が48乃至58mmで高さが48乃至58mmである。カップ26の側壁30及び底壁28はRPET及びナイロンのラミネートからなる1枚のシートから熱成形されることが好ましく、このシートは加熱されて図に示すフランジ−カップ構成にブロー成形されるか又はプレス加工される。膨出部18内に収容される揮発性物質32が見えるように、カップ26は透明及び半透明であることが好ましい。
【0019】
前述のように、カップ26は比較的浅い側壁30を含む。膨出部18の浅い性質により、膜24は底壁28に接触するように凹陥することができる。揮発性物質32が膜24を通って拡散することで膜24が壁28に接触するように凹陥し、この凹陥によって揮発性物質32と膜24との接触が保たれる。この接触によって揮発性物質32の全体的な拡散の割合が更に高くなり、揮発性物質32の消耗状態を示すことが可能になる。
【0020】
周縁フランジ20は平らであることが好ましい。周縁フランジ20はカップ26の上縁部(例えば側壁30の上縁部)に結合されており、ここから外方向に延びている。上記の段落で説明したように、フランジ20は熱成形工程でカップ26と一体的に形成される。
【0021】
揮発性物質32をカップ26内に配置した後、フランジ20と透過膜24との間にシールを形成し、これによりディスペンサ12が形成される。ラミネート22は既に膜24に接着されているため、同時にラミネート22を膨出部18に取り付けることができる。接着剤、ヒートシール又は圧着など任意の従来の手段を用いて、膜24及びラミネート22を膨出部18のフランジ20に取り付けることができる。シールは、空気や揮発性物質32の漏れを防ぐように気密でなければならない。単一工程によってカップ26を膜24及びラミネート22で密閉することが最も好ましい。揮発性物質32は膨出部18内の空隙を完全に満たすわけではない。膨出部18の形成後にディスペンサ12では比較的少量の空気を許容することができる。密閉された膨出部内の空気は、膨出部18の全容積の3乃至6%であることが好ましい。揮発性物質は拡散してディスペンサ12を出るが、空気が透過膜24を通過して膨出部18に入ることはない。膜24は、空気が通過してディスペンサに入ることなく拡張し、凹陥するように構成されている。
【0022】
揮発性物質を散布させる際に膨出部18からラミネート22を取り除く。この除去処理は、使用者がラミネート22の端部を把持してラミネート22を膨出部18から剥がすことによって生じるのが好ましい。ラミネート22の除去を促すために、つまみ、拡張部又は他の把持手段(図示せず)をラミネート22の拡張部として含むことができる。拡張部はラミネート22の角、端部又は表面に設けることができる。
【0023】
透過膜24の厚さは約0.05乃至0.15mmであり、密度は好ましくは0.88乃至0.95g/cm3である。透過膜24はラミネート22と一体的に形成されており、膜24がカップ26全体にわたるようにフランジ20に熱定着される。膜24は、揮発性物質32がカップ26の中に収容された状態でカップ26を囲んで密閉する。これにより、収容された揮発性物質32に対して不浸透性である薄い密閉容器が形成される。この容器は、使用者がラミネート22の角を把持してラミネート22を膜24から剥がし、これにより透過膜24が露出して揮発性物質32が透過膜24を通って移動し、周囲空気に拡散することが可能になるまでは不浸透性のままである。膜24はLDPEからなり、膨出部18内に収容される揮発性物質が見えるように透明及び半透明であることが好ましい。
【0024】
フレーム16は、サイズがほぼ同じである4つの側壁34、前面36(図4)及び後面38を有する長方形、好ましくは正方形の構造体である。フレーム16は、厚さが12乃至22mm、高さと幅が70乃至90mmであることが好ましい。フレーム16の幅は約15mmで高さは約80mmであることがより好ましい。
【0025】
前面36は段付きの凹部40(図4)を有する。凹部40は、凹部40の底壁(即ち後壁)42(図4)を取り囲んでこれに縁をつける写真フレームの外観をフレーム16に与える。図6及び図9に示す好適な実施の形態では、凹部40の壁は、断面では装飾された写真フレームの形で段即ち湾曲部44を有するように見える。凹部40は前面36の中央に位置し、側壁34から離れて配置されることが好ましい。凹部40は前面36のエッジまでは延びていない。代わりに、前面36は凹部40のエッジ付近に延びる境界に見え、この境界は2乃至4mmである一定の幅を有する。
【0026】
壁42は、光を通すことができるように透明又は半透明であることが好ましい。その点では、壁42は窓として機能することができ、この窓によって(前面からの)観察者は壁42のすぐ後ろにあるものを視覚的に認識することができる。
【0027】
フレーム16の後面38も凹部になっている。この凹部も同様に段付きで、ディスペンサ12を完全に収容するように構成されており、ディスペンサ12は膜24の表面が後面38とほぼ面一になるように位置決めされている。また、凹部は段付きで、後面38の周りを延びる浅い周縁凹部46と、深い中央凹部48を有することが好ましい。深い中央凹部48はカップ26を収容するように構成され、寸法決めされており、周縁凹部46はフランジ20を収容し支持するように構成され、寸法決めされている。要するに、中央凹部48及び周縁凹部46は、組み合わされるとディスペンサ12の形状と同一のネガティブ形状を有する。
【0028】
周縁凹部46は、接着剤、スプリングクリップ、又はフランジ20を定位置に保持するように構成された他の機械的保持手段もしくは接着保持手段を有することが好ましい。任意の接着剤を用いて、又は締まりばめなどの機械的手段やスプリングクリップのような別個の機械的留め具を用いて、フランジ20及び周縁凹部46を互いに接着することができる。(本明細書に示すように)接着剤49を用いる場合、フランジ−フレーム接着剤を選択してフランジ12を表示フレーム16に永久的に接着するか、又は取り外しやすいように着脱可能に接着することができる。このように、フレーム16を永久的で再使用可能なアイテムにすることができ、このフレーム16に取替用ディスペンサ12が連続して固定され、後で取り外されて取り替えられる。
【0029】
中央凹部48は、カップ26、フランジ20及び膜24の厚さの合計よりも大きい厚さを許容しなくてはならないため、周縁凹部46よりも深くなっている。カップ26の底部は中央凹部46の底部50に隣接し、好ましくはこの底部50からわずかに離間されている。中央凹部48及び周縁凹部46は後面38の中央に位置され、後面38の内側エッジから離間されていることが好ましい。
【0030】
中央凹部48の底部50(図1)とフレーム16の前面36の凹部40の底部52(図4)(即ち壁44の厚さ)との距離は2乃至5mmであることが好ましい。壁42は透明でもよいし半透明でもよい。壁42の半透明の性質により、使用者は揮発性物質32のほぼ全てが膜24を通って拡散してしまった時を容易に確認することができる。また、壁42の半透明の性質は装飾的な機能をもつ。フレームは、壁42の半透明の性質を示すように最も良く示されている(図3及び図4)。
【0031】
表示フレーム16は、ガラス、射出成形プラスチック及びゴムを含む多様な組成物から構成可能である。好適な実施の形態では、表示フレーム16は透明な成形ガラスから構成される。
【0032】
ディスペンサ12の膨出部18には揮発性物質32が満たされている。膨出部18は、香料、エアーフレッシュナー、殺虫剤など、周囲の空気にゆっくりと拡散される有効成分を含む揮発性物質32を保持する場合の使用に特に適している。好適な実施の形態は、有効成分のほかに、揮発性物質32を着色する染料や粘度を高める増粘剤を含む。染料及び増粘剤は全体の組成の2%未満を構成することが最も好ましい。
【0033】
殺虫剤及び他の関連薬剤を揮発性物質32として用いることもできる。使用者が、外観の悪い防虫デバイスを望まないが防虫剤の実用性を必要とする場合、この装飾的なシステムは好都合であり、周囲の装飾品と調和する。インジケータシステム10は、装飾的な外観を呈する一方でこのような揮発性物質32を放出することができる。
【0034】
揮発性物質32が香料である場合、香料の組成を比較的単純にしてもよいし、香料を天然及び/又は合成の化合物からなる複雑な混合物にしてもよい。インジケータシステムに用いられる揮発性物質の種々の混合物は、少なくて2つ、多くて100を越える薬剤を含むことができる。従来の香料物質の殆どは、例えば、レモン、マンダリン、ニオイヒバ、クローブリーフ、シダーウッド、ベルガモット、ビターオレンジ、ゼラニウム、ラベンダー、オレンジ、ラバンジン、ネロリ、ローズアブソリュート及びシナモンのオイルなどの合成又は天然由来の揮発性精油である。合成タイプの香料組成物(単独又は天然オイルとの組み合わせ)は米国特許第4,314,915号、第4,411,829号及び第4,434,306号に記載されており、これらは本明細書に援用される。
【0035】
画像14(図1及び図8)は図形でもよいし文でもよい。例えば、「取り替えて下さい」と書いてあってもよい。フレームの前面36、フレームの後面38又は底壁28(図4)を含む複数の位置に画像を配置することができるが、これらに限定されない。前述のように、接着剤でシステム10に接着された下塗りポリエステル層に画像を印刷することができる。あるいは、画像を底壁28に熱成形してもよいし、装飾フレーム16に成形してもよい。
【0036】
画像14は木の形で示されているが、クリスマスツリー、メノラー、イースターエッグ、バレンタインのハート、パンプキンなど、種々のホリデーシーズン中に用いられるお祝いの画像から選択してもよい。また、それぞれのホリデーの祝賀に役立つように、揮発性物質の色をこのような画像に関連させて選択することができる。複数の色の組み合わせを使用者の装飾の好みに合わせて用いることができる。画像14は、花、野生動物、宇宙的な表示、スポーツ関連などを含みうる複数の他の画像であってもよい。
【0037】
揮発性物質32に関連して用いる染料の種類と量、そして画像14の配置(揮発性物質32の前又は後ろ)によって、画像14は膨出部18が満たされている際に見えたり見えなかったりすることが可能である。揮発性物質32の消耗状態をより明確に示すように、大部分の揮発性物質32が放出されてディスペンサ12が空の状態即ち第2の状態に近くなるまで画像は見えないことが好ましい。ディスペンサ12がいっぱいであるとき、空であるとき、そしてその間のいずれのときにも画像14が見えることが最も好ましい。しかし、ディスペンサ12の消耗状態に関連させて装飾的な性質を高めるために、画像14はディスペンサ12が空のときにより容易に見える。本発明のために、揮発性物質32又はシステム10の消耗状態は揮発性物質32の使い尽くし状態を示す。
【0038】
本発明の好適な実施の形態により、ディスペンサ12が空かほぼ空の状態で揮発性物質32が殆どないか又は全く残っていないことを示すことができる。消耗状態の表示は、揮発性物質32がほぼ完全に拡散すると容易に見える。しかし、揮発性物質32の拡散は用いる膜のタイプに依存する。ディスペンサ12は、空になる前に30乃至45日もつことが好ましい。もちろん、膜として用いられる材料、膜の厚さ、膜の表面積、膨出部18の容積、ディスペンサ12がいっぱいであるときの揮発性物質32の容量や用いられる特定の揮発性物質の組成に基づいて持続期間を変えることができる。
【0039】
包装の際、ディスペンサ12(図7)が揮発性物質32で満たされ、ラミネート22が透過膜24に接着される。ディスペンサが満たされてラミネート22が膜24を覆っているときは、揮発性物質32の拡散は実質的に生じない。ラミネート22が取り除かれると、システム10は空の状態即ち第2の状態に向けて移行を始める。もちろん、揮発性物質32が少量残っていることも可能であり、この場合のディスペンサ12は第2の状態に達したとみなされる。揮発性物質32が膜24を通って拡散するにつれて、膜24はゆっくりと凹陥して底壁28に接触する。揮発性物質32が膜24をわたって拡散すると、ディスペンサ12内に含まれる物質32は少なくなる。揮発性物質32の拡散後にディスペンサ12に入ってくる新しい空気は実質的にない。その結果、膜24全体に圧力勾配が生じ、周囲空気の圧力がディスペンサ12内の圧力よりも高くなる。圧力勾配によって周囲空気はディスペンサに正味の正の圧力をかけ、残った揮発性物質32、最終的には底壁28に膜24が押圧される。揮発性物質32の拡散が続くと膜24にかかる力が増し、残った揮発性物質は壁28の中央から壁28の周縁に向かって移動する。揮発性物質32の移動及び拡散が続くと、ディスペンサ12が空又はほぼ空になるまで膜24と壁28の表面積接触が増加する。膜24と壁28の接触が増すことにより、画像14がより容易に見えるようになる。最終的に揮発性物質32の移動を生じる圧力勾配は、揮発性物質が膜24をわたって拡散し続けるにつれてディスペンサ12内の真空状態の圧縮が高まるために生じると考えることもできる。
【0040】
図8乃至図11を参照すると、ディスペンサ12がほぼ空であるときは少量の揮発性物質32がディスペンサ12内に残っており、揮発性物質32は底壁28の周縁に向かってリング状の外観で存在する。染料及び増粘剤は、第1の状態でシステム10の揮発性物質の全組成の約2%を構成するように組み合わされる。染料は膜24をわたって実質的に拡散しないため、ディスペンサ12がほぼ空であるときに染料がより高濃度で揮発性物質32に存在することが好ましい。これにより、リング状の外観がより容易に見えるようになる。リング状の画像の色は、染料物質の濃度が高まるために第1の状態の配色よりも濃い。第2の状態では、増粘剤及び染料はディスペンサ12内に残されたほぼ全ての物質を含む。もちろん、このことは揮発性物質32に用いられる特定の染料の組成及び増粘剤によって変わりうる。システム10が第2の状態に近づき、第2の状態になると、消耗寸前のディスペンサ12が寿命を示しているとみなすことができる。
【0041】
ディスペンサ12がいっぱいである、即ち第1の状態にあるときは、着色された即ち不透明の揮発性物質32を介して装飾画像を見ることはできない。ディスペンサ12が空になる、即ち第2の状態に達すると装飾画像14が見えるようになり、消耗状態又は使い尽くし状態のレベルが示される。あるいは、ディスペンサ12がいっぱいであるときと空のときに装飾画像14を見えるようにしてもよい。ディスペンサ12内の着色された揮発性物質がなくなって画像14がより容易に見えるようになったことで、揮発性物質32の消耗状態の表示を達成することができる。特定の揮発性物質組成によっては、透過膜24を通って拡散しない薬剤や、意図された有効成分又は香料よりもゆっくりと拡散する薬剤が多数生じうる。有効成分は、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、テルペン類、アルコール類及び芳香族化合物などの薬剤を含みうる。その結果、取替が必要である消耗状態レベルに近くなったりこのレベルに達したりすると、物質は膨出部18内に残る場合がある。
【0042】
本発明は上記に説明し、本明細書に示した実施の形態に限定されず、添付の請求の範囲に含まれるあらゆる変形例を全て含むものと理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、揮発性物質ディスペンサのための揮発性物質消耗状態表示システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】システムの分解背面斜視図である。
【図2】図1に示すディスペンサの斜視図である。
【図3】図1に示すシステムの組立後の斜視図である。
【図4】システムの分解前面斜視図である。
【図5】第1の充満状態にあるディスペンサを有するシステムの背面図である。
【図6】図5の線6−6にほぼ沿ったシステムの断面図である。
【図7】図6に示すディスペンサの部分拡大断面図である。
【図8】揮発性物質が部分的に放出したディスペンサを有するシステムの前面図である。
【図9】図8の線9−9にほぼ沿ったシステムの断面図である。
【図10】図9に示すシステムの部分拡大断面図である。
【図11】図8の線11−11にほぼ沿ったディスペンサの部分拡大断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、使用可能な物質の消耗状態(expiration)のインジケータに関する。より具体的には、本発明は、従来技術よりも望ましい外観を可能にする揮発性物質用ディスペンサの消耗状態インジケータに関する。
【0002】
本願は、揮発性物質散布システム(弁護士事件整理番号J−4030)及び照明手段を備えた揮発性物質散布システム(弁護士事件整理番号J−4060)といった、本願と同時に出願された同時係属出願に関連している。
【背景技術】
【0003】
揮発性物質を含み、蒸気としての周囲空気への散布を制御可能にする多様なパッケージが用いられている。従来技術では、所与の容器から揮発性物質を分散させるための透過膜の使用や他の態様が詳述されている。また、多数の揮発性物質ディスペンサが種々の形態の消耗即ち使い尽くしインジケータを用いている。
【0004】
米国特許第5,259,555号は、香料充填チャンバを含む木製のエアーフレッシュナーを記載している。芳香(air freshening)オイルがチャンバ内に配置され、木目の毛細管に沿って木材中を移動し、容器の木材の外側表面に達する。木材は芳香剤を徐々に放出させる計量デバイスとして作用する。オイルが蒸発するにつれ、木製部材のつやが失われて外見が明るくなり、更なる芳香剤が必要であることを知らせる。観察者は、この外見の変化によってチャンバの充填が必要か否かを容易に判断することができる。
【0005】
米国特許第6,555,068号は、空気調整剤を組み込んだ装置を記載している。この空気調整剤と電解質がゲル性の水を含むリザーバ内に混入されており、リザーバは一対の電極と接触している。リザーバからの空気調整剤の消耗の程度は電極活性の消耗の程度に対応する。この電気デバイスの操作性により、空気調整剤がリザーバ内にあることが示される。
【0006】
米国特許第4,293,095号は、有効流体の消耗状態を知らせるインジケータシステムを有する空気処理デバイスを記載している。
【0007】
米国特許第2003/0089791号は揮散インジケータフィルムを記載している。使用の際、この半浸透性膜は、細孔の使用によって有効成分の蒸気の消費者への送出を視覚的に示す。細孔は通常は不透明であり、使用中は飽和して不透明から透明に変わる。リザーバ、そして膜から揮発性物質が消耗すると、膜は再び不透明になる。
【0008】
ヒュームドシリカゲル化剤を用いて溶液拡散送出システムのための消耗状態インジケータを提供することは当技術分野で公知である。これらのシステムに関して、シリカ粒子は有効揮発性液体中に懸濁されており、有効液体が拡散するにつれてシリカ粒子の濃度が増加する。ある一定の時間が経過してこのようなデバイスがほぼ消耗状態になると残留物にひびが生じ、ディスペンサの内容物にひびが入ってぼろぼろに砕け、消耗のレベルが示される。この外見は見た目に悪く不快である。
【特許文献1】米国特許第5,259,555号明細書
【特許文献2】米国特許第6,555,068号明細書
【特許文献3】米国特許第4,293,095号明細書
【特許文献4】米国特許第2003/0089791号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従来技術の揮発性物質ディスペンサは、熱成形されたプラスチック材料からなるトレイ状のホルダを用いている。これらのホルダ内の揮発性物質はヒュームドシリカゲル化剤を含み、このヒュームドシリカゲル化剤は香料と混合されて揮発性物質中に懸濁されている。揮発性物質が消耗すると、ヒュームドシリカ剤が残って見た目に悪くなる。ヒュームドシリカは揮発性物質の粘度を高める。揮発性物質の消耗が生じると薬剤の濃度と粘度が高くなって残りの物質が凝固し、残りの物質がホルダ内で容易に移動しなくなる。これらのシリカゲル化剤を使用すると、比較的底の深いトレイ状ホルダが必要になる。底の深いトレイ状ホルダの中で蒸気の空隙ができ、シリカゲルは蒸気の充満したチャンバ内でいっぱいになり、ぼろぼろに砕けて有効成分の拡散に悪影響をもたらす。揮発性物質は膜を通って拡散されるが、シリカゲル化剤は残る。シリカゲル化剤があることで、残存する揮発性物質と膜との表面積の接触が妨げられる。この表面積接触の減少は揮発性物質の拡散速度に影響する。拡散速度が減少すると、揮発性物質がほぼ消耗状態になるまで一定又はほぼ一定の速度で拡散することができなくなる。その結果、揮発性物質の拡散はほぼ100%未満となる。従来技術のディスペンサでは、約50乃至60%の拡散が通例であった。揮発性物質の消耗状態を正確に示し、かつ効率的で安定した予測可能な拡散レベルを提供する改良された揮発性物質ホルダが必要である。従来技術に関連する問題の一つは、ディスペンサの消耗が近づくと拡散レベルが著しく減少することである。本発明は、膜と揮発性物質との表面積接触を増加させる真空排気可能(evacuatable)で浅底の揮発性物質ディスペンサを提供することによってこの問題を解決する。従来技術のエアーフレッシュナーディスペンサを前述のようなものとして明らかに確認することができるため、社会的に悪いイメージがもたらされる。本発明は、この社会的に有害なイメージダウンを防ぐ装飾的な表示手段を提供する。本発明はこの問題を解決し、ディスペンサがいつ消耗寸前の状態になるのか、あるいは既に消耗しているのかを知ることに関連する問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の態様に従って、揮発性物質の消耗状態の表示システムが提供される。この表示システムは真空排気可能な揮発性物質ディスペンサを含み、このディスペンサは、第1の表面を有する膨出部と、第1の表面の周縁にシールされた蒸気透過膜とを含む。揮発性物質は有効成分、増粘剤及び着色染料からなり、揮発性物質が透過膜を通って拡散することにより、周囲空気とディスペンサとの間に圧力勾配が生じる。揮発性物質が膨出部から出るにつれて、膨出部が第1の充満状態から第2の凹陥状態に移行する。膨出部内の揮発性物質の量が減少するにつれて膨出部内の真空力が揮発性物質の表面に接触するように膜を保持し、これによって膜と揮発性物質との表面積接触が保たれる。
【0011】
本発明の他の態様に従って、表示システムは蒸気透過面に取り外し可能に結合された蒸気不浸透性のラミネートを更に含み、ラミネートは揮発性物質の拡散を防止する。このラミネートをディスペンサから剥がし、揮発性物質の膜を介する拡散を開始させることができる。
【0012】
本発明の第3の態様に従って、表示システムは、透明な壁、前面及び後面を有する半透明のフレーム構造体である表示手段を更に含む。膨出部はフレームの後面に取り付けられており、透明な壁を介して観察されることができる。膨出部内に含まれる揮発性物質は染料で着色されていてもよく、この色は装飾的に作用するように表示システムと関連して用いられる。
【0013】
本発明の他の態様に従って、表示手段は装飾画像を更に含み、この画像はシステムの寿命にわたって可視である。
【0014】
他の特徴は、図面及び添付の請求の範囲とともに、下記の詳細な説明を検討することで当業者に明らかになるであろう。本明細書に開示されるディスペンサは種々の形による実施の形態が可能であり、例示的なものとして意図された(そして本明細書に述べる特定の実施の形態の開示に限定する意図ではない)特定の実施の形態を後述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1及び図2を参照すると、揮発性物質消耗状態表示システム10が示されている。システム10は、真空排気可能物質ディスペンサ12と、装飾画像14と、ディスペンサ12を保持する表示フレーム16を有する。装飾画像14はフレーム16に取り付けられている。
【0016】
ディスペンサ12は、膨出部18と、周縁フランジ20と、膨出部18に取り外し可能に取り付けられた不浸透性のラミネート22を含む。膨出部18は、低密度ポリエチレン(LDPE)からなる非孔質の透過膜24とカップ状構造体26を含む。カップ26は、ナイロンラミネートに接着接合された再生ポリエチレンテレフタレート(RPET)層を含む。ナイロンラミネートは、中間のナイロン層の両側に共押し出しされたエチレン酢酸ビニル(EVA)の層を含む。カップ26は底壁28及び4つの側壁30を含み、これらは膜24と共に揮発性物質32を収容する密閉リザーバとして作用する(図7)。
【0017】
ラミネート22はポリプロピレン、アルミニウム箔及びポリエステルの層を含む。ポリプロピレンはアルミニウム箔層に接着接合され、アルミニウム箔層はポリエステル層に接着接合される。これらの層の接合には押出結合材が用いられる。ラミネート22の厚さは0.1乃至0.2mmであることが好ましい。ポリエステル層は印刷に好適であり、ラミネート22の外側表面を構成する。膜24及びラミネート22のポリプロピレン層は膨出部の製造時に共押し出しされることが好ましい。共押し出しにより、拡散時に生じる接着材と揮発性物質32との間の不要な反応を防止する一方で、ラミネート22を膨出部18から剥がして取り除くことができる。
【0018】
カップ26の厚さは0.3乃至0.4mmであることが好ましい。カップ26は概ね長方形であり、好ましくは厚さ約3乃至5mm、長さ50乃至60mm及び幅50乃至60mmの全体寸法を有する正方形である。4つの側壁30の各々の対応する幅は3乃至5mmであり、長さは50乃至60mmである。側壁30は、底壁からフランジ20に向かうにつれてわずかに外向きにテーパーがつけられている。底壁28もほぼ長方形であり、幅が48乃至58mmで高さが48乃至58mmである。カップ26の側壁30及び底壁28はRPET及びナイロンのラミネートからなる1枚のシートから熱成形されることが好ましく、このシートは加熱されて図に示すフランジ−カップ構成にブロー成形されるか又はプレス加工される。膨出部18内に収容される揮発性物質32が見えるように、カップ26は透明及び半透明であることが好ましい。
【0019】
前述のように、カップ26は比較的浅い側壁30を含む。膨出部18の浅い性質により、膜24は底壁28に接触するように凹陥することができる。揮発性物質32が膜24を通って拡散することで膜24が壁28に接触するように凹陥し、この凹陥によって揮発性物質32と膜24との接触が保たれる。この接触によって揮発性物質32の全体的な拡散の割合が更に高くなり、揮発性物質32の消耗状態を示すことが可能になる。
【0020】
周縁フランジ20は平らであることが好ましい。周縁フランジ20はカップ26の上縁部(例えば側壁30の上縁部)に結合されており、ここから外方向に延びている。上記の段落で説明したように、フランジ20は熱成形工程でカップ26と一体的に形成される。
【0021】
揮発性物質32をカップ26内に配置した後、フランジ20と透過膜24との間にシールを形成し、これによりディスペンサ12が形成される。ラミネート22は既に膜24に接着されているため、同時にラミネート22を膨出部18に取り付けることができる。接着剤、ヒートシール又は圧着など任意の従来の手段を用いて、膜24及びラミネート22を膨出部18のフランジ20に取り付けることができる。シールは、空気や揮発性物質32の漏れを防ぐように気密でなければならない。単一工程によってカップ26を膜24及びラミネート22で密閉することが最も好ましい。揮発性物質32は膨出部18内の空隙を完全に満たすわけではない。膨出部18の形成後にディスペンサ12では比較的少量の空気を許容することができる。密閉された膨出部内の空気は、膨出部18の全容積の3乃至6%であることが好ましい。揮発性物質は拡散してディスペンサ12を出るが、空気が透過膜24を通過して膨出部18に入ることはない。膜24は、空気が通過してディスペンサに入ることなく拡張し、凹陥するように構成されている。
【0022】
揮発性物質を散布させる際に膨出部18からラミネート22を取り除く。この除去処理は、使用者がラミネート22の端部を把持してラミネート22を膨出部18から剥がすことによって生じるのが好ましい。ラミネート22の除去を促すために、つまみ、拡張部又は他の把持手段(図示せず)をラミネート22の拡張部として含むことができる。拡張部はラミネート22の角、端部又は表面に設けることができる。
【0023】
透過膜24の厚さは約0.05乃至0.15mmであり、密度は好ましくは0.88乃至0.95g/cm3である。透過膜24はラミネート22と一体的に形成されており、膜24がカップ26全体にわたるようにフランジ20に熱定着される。膜24は、揮発性物質32がカップ26の中に収容された状態でカップ26を囲んで密閉する。これにより、収容された揮発性物質32に対して不浸透性である薄い密閉容器が形成される。この容器は、使用者がラミネート22の角を把持してラミネート22を膜24から剥がし、これにより透過膜24が露出して揮発性物質32が透過膜24を通って移動し、周囲空気に拡散することが可能になるまでは不浸透性のままである。膜24はLDPEからなり、膨出部18内に収容される揮発性物質が見えるように透明及び半透明であることが好ましい。
【0024】
フレーム16は、サイズがほぼ同じである4つの側壁34、前面36(図4)及び後面38を有する長方形、好ましくは正方形の構造体である。フレーム16は、厚さが12乃至22mm、高さと幅が70乃至90mmであることが好ましい。フレーム16の幅は約15mmで高さは約80mmであることがより好ましい。
【0025】
前面36は段付きの凹部40(図4)を有する。凹部40は、凹部40の底壁(即ち後壁)42(図4)を取り囲んでこれに縁をつける写真フレームの外観をフレーム16に与える。図6及び図9に示す好適な実施の形態では、凹部40の壁は、断面では装飾された写真フレームの形で段即ち湾曲部44を有するように見える。凹部40は前面36の中央に位置し、側壁34から離れて配置されることが好ましい。凹部40は前面36のエッジまでは延びていない。代わりに、前面36は凹部40のエッジ付近に延びる境界に見え、この境界は2乃至4mmである一定の幅を有する。
【0026】
壁42は、光を通すことができるように透明又は半透明であることが好ましい。その点では、壁42は窓として機能することができ、この窓によって(前面からの)観察者は壁42のすぐ後ろにあるものを視覚的に認識することができる。
【0027】
フレーム16の後面38も凹部になっている。この凹部も同様に段付きで、ディスペンサ12を完全に収容するように構成されており、ディスペンサ12は膜24の表面が後面38とほぼ面一になるように位置決めされている。また、凹部は段付きで、後面38の周りを延びる浅い周縁凹部46と、深い中央凹部48を有することが好ましい。深い中央凹部48はカップ26を収容するように構成され、寸法決めされており、周縁凹部46はフランジ20を収容し支持するように構成され、寸法決めされている。要するに、中央凹部48及び周縁凹部46は、組み合わされるとディスペンサ12の形状と同一のネガティブ形状を有する。
【0028】
周縁凹部46は、接着剤、スプリングクリップ、又はフランジ20を定位置に保持するように構成された他の機械的保持手段もしくは接着保持手段を有することが好ましい。任意の接着剤を用いて、又は締まりばめなどの機械的手段やスプリングクリップのような別個の機械的留め具を用いて、フランジ20及び周縁凹部46を互いに接着することができる。(本明細書に示すように)接着剤49を用いる場合、フランジ−フレーム接着剤を選択してフランジ12を表示フレーム16に永久的に接着するか、又は取り外しやすいように着脱可能に接着することができる。このように、フレーム16を永久的で再使用可能なアイテムにすることができ、このフレーム16に取替用ディスペンサ12が連続して固定され、後で取り外されて取り替えられる。
【0029】
中央凹部48は、カップ26、フランジ20及び膜24の厚さの合計よりも大きい厚さを許容しなくてはならないため、周縁凹部46よりも深くなっている。カップ26の底部は中央凹部46の底部50に隣接し、好ましくはこの底部50からわずかに離間されている。中央凹部48及び周縁凹部46は後面38の中央に位置され、後面38の内側エッジから離間されていることが好ましい。
【0030】
中央凹部48の底部50(図1)とフレーム16の前面36の凹部40の底部52(図4)(即ち壁44の厚さ)との距離は2乃至5mmであることが好ましい。壁42は透明でもよいし半透明でもよい。壁42の半透明の性質により、使用者は揮発性物質32のほぼ全てが膜24を通って拡散してしまった時を容易に確認することができる。また、壁42の半透明の性質は装飾的な機能をもつ。フレームは、壁42の半透明の性質を示すように最も良く示されている(図3及び図4)。
【0031】
表示フレーム16は、ガラス、射出成形プラスチック及びゴムを含む多様な組成物から構成可能である。好適な実施の形態では、表示フレーム16は透明な成形ガラスから構成される。
【0032】
ディスペンサ12の膨出部18には揮発性物質32が満たされている。膨出部18は、香料、エアーフレッシュナー、殺虫剤など、周囲の空気にゆっくりと拡散される有効成分を含む揮発性物質32を保持する場合の使用に特に適している。好適な実施の形態は、有効成分のほかに、揮発性物質32を着色する染料や粘度を高める増粘剤を含む。染料及び増粘剤は全体の組成の2%未満を構成することが最も好ましい。
【0033】
殺虫剤及び他の関連薬剤を揮発性物質32として用いることもできる。使用者が、外観の悪い防虫デバイスを望まないが防虫剤の実用性を必要とする場合、この装飾的なシステムは好都合であり、周囲の装飾品と調和する。インジケータシステム10は、装飾的な外観を呈する一方でこのような揮発性物質32を放出することができる。
【0034】
揮発性物質32が香料である場合、香料の組成を比較的単純にしてもよいし、香料を天然及び/又は合成の化合物からなる複雑な混合物にしてもよい。インジケータシステムに用いられる揮発性物質の種々の混合物は、少なくて2つ、多くて100を越える薬剤を含むことができる。従来の香料物質の殆どは、例えば、レモン、マンダリン、ニオイヒバ、クローブリーフ、シダーウッド、ベルガモット、ビターオレンジ、ゼラニウム、ラベンダー、オレンジ、ラバンジン、ネロリ、ローズアブソリュート及びシナモンのオイルなどの合成又は天然由来の揮発性精油である。合成タイプの香料組成物(単独又は天然オイルとの組み合わせ)は米国特許第4,314,915号、第4,411,829号及び第4,434,306号に記載されており、これらは本明細書に援用される。
【0035】
画像14(図1及び図8)は図形でもよいし文でもよい。例えば、「取り替えて下さい」と書いてあってもよい。フレームの前面36、フレームの後面38又は底壁28(図4)を含む複数の位置に画像を配置することができるが、これらに限定されない。前述のように、接着剤でシステム10に接着された下塗りポリエステル層に画像を印刷することができる。あるいは、画像を底壁28に熱成形してもよいし、装飾フレーム16に成形してもよい。
【0036】
画像14は木の形で示されているが、クリスマスツリー、メノラー、イースターエッグ、バレンタインのハート、パンプキンなど、種々のホリデーシーズン中に用いられるお祝いの画像から選択してもよい。また、それぞれのホリデーの祝賀に役立つように、揮発性物質の色をこのような画像に関連させて選択することができる。複数の色の組み合わせを使用者の装飾の好みに合わせて用いることができる。画像14は、花、野生動物、宇宙的な表示、スポーツ関連などを含みうる複数の他の画像であってもよい。
【0037】
揮発性物質32に関連して用いる染料の種類と量、そして画像14の配置(揮発性物質32の前又は後ろ)によって、画像14は膨出部18が満たされている際に見えたり見えなかったりすることが可能である。揮発性物質32の消耗状態をより明確に示すように、大部分の揮発性物質32が放出されてディスペンサ12が空の状態即ち第2の状態に近くなるまで画像は見えないことが好ましい。ディスペンサ12がいっぱいであるとき、空であるとき、そしてその間のいずれのときにも画像14が見えることが最も好ましい。しかし、ディスペンサ12の消耗状態に関連させて装飾的な性質を高めるために、画像14はディスペンサ12が空のときにより容易に見える。本発明のために、揮発性物質32又はシステム10の消耗状態は揮発性物質32の使い尽くし状態を示す。
【0038】
本発明の好適な実施の形態により、ディスペンサ12が空かほぼ空の状態で揮発性物質32が殆どないか又は全く残っていないことを示すことができる。消耗状態の表示は、揮発性物質32がほぼ完全に拡散すると容易に見える。しかし、揮発性物質32の拡散は用いる膜のタイプに依存する。ディスペンサ12は、空になる前に30乃至45日もつことが好ましい。もちろん、膜として用いられる材料、膜の厚さ、膜の表面積、膨出部18の容積、ディスペンサ12がいっぱいであるときの揮発性物質32の容量や用いられる特定の揮発性物質の組成に基づいて持続期間を変えることができる。
【0039】
包装の際、ディスペンサ12(図7)が揮発性物質32で満たされ、ラミネート22が透過膜24に接着される。ディスペンサが満たされてラミネート22が膜24を覆っているときは、揮発性物質32の拡散は実質的に生じない。ラミネート22が取り除かれると、システム10は空の状態即ち第2の状態に向けて移行を始める。もちろん、揮発性物質32が少量残っていることも可能であり、この場合のディスペンサ12は第2の状態に達したとみなされる。揮発性物質32が膜24を通って拡散するにつれて、膜24はゆっくりと凹陥して底壁28に接触する。揮発性物質32が膜24をわたって拡散すると、ディスペンサ12内に含まれる物質32は少なくなる。揮発性物質32の拡散後にディスペンサ12に入ってくる新しい空気は実質的にない。その結果、膜24全体に圧力勾配が生じ、周囲空気の圧力がディスペンサ12内の圧力よりも高くなる。圧力勾配によって周囲空気はディスペンサに正味の正の圧力をかけ、残った揮発性物質32、最終的には底壁28に膜24が押圧される。揮発性物質32の拡散が続くと膜24にかかる力が増し、残った揮発性物質は壁28の中央から壁28の周縁に向かって移動する。揮発性物質32の移動及び拡散が続くと、ディスペンサ12が空又はほぼ空になるまで膜24と壁28の表面積接触が増加する。膜24と壁28の接触が増すことにより、画像14がより容易に見えるようになる。最終的に揮発性物質32の移動を生じる圧力勾配は、揮発性物質が膜24をわたって拡散し続けるにつれてディスペンサ12内の真空状態の圧縮が高まるために生じると考えることもできる。
【0040】
図8乃至図11を参照すると、ディスペンサ12がほぼ空であるときは少量の揮発性物質32がディスペンサ12内に残っており、揮発性物質32は底壁28の周縁に向かってリング状の外観で存在する。染料及び増粘剤は、第1の状態でシステム10の揮発性物質の全組成の約2%を構成するように組み合わされる。染料は膜24をわたって実質的に拡散しないため、ディスペンサ12がほぼ空であるときに染料がより高濃度で揮発性物質32に存在することが好ましい。これにより、リング状の外観がより容易に見えるようになる。リング状の画像の色は、染料物質の濃度が高まるために第1の状態の配色よりも濃い。第2の状態では、増粘剤及び染料はディスペンサ12内に残されたほぼ全ての物質を含む。もちろん、このことは揮発性物質32に用いられる特定の染料の組成及び増粘剤によって変わりうる。システム10が第2の状態に近づき、第2の状態になると、消耗寸前のディスペンサ12が寿命を示しているとみなすことができる。
【0041】
ディスペンサ12がいっぱいである、即ち第1の状態にあるときは、着色された即ち不透明の揮発性物質32を介して装飾画像を見ることはできない。ディスペンサ12が空になる、即ち第2の状態に達すると装飾画像14が見えるようになり、消耗状態又は使い尽くし状態のレベルが示される。あるいは、ディスペンサ12がいっぱいであるときと空のときに装飾画像14を見えるようにしてもよい。ディスペンサ12内の着色された揮発性物質がなくなって画像14がより容易に見えるようになったことで、揮発性物質32の消耗状態の表示を達成することができる。特定の揮発性物質組成によっては、透過膜24を通って拡散しない薬剤や、意図された有効成分又は香料よりもゆっくりと拡散する薬剤が多数生じうる。有効成分は、エステル類、アルデヒド類、ケトン類、テルペン類、アルコール類及び芳香族化合物などの薬剤を含みうる。その結果、取替が必要である消耗状態レベルに近くなったりこのレベルに達したりすると、物質は膨出部18内に残る場合がある。
【0042】
本発明は上記に説明し、本明細書に示した実施の形態に限定されず、添付の請求の範囲に含まれるあらゆる変形例を全て含むものと理解されたい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、揮発性物質ディスペンサのための揮発性物質消耗状態表示システムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】システムの分解背面斜視図である。
【図2】図1に示すディスペンサの斜視図である。
【図3】図1に示すシステムの組立後の斜視図である。
【図4】システムの分解前面斜視図である。
【図5】第1の充満状態にあるディスペンサを有するシステムの背面図である。
【図6】図5の線6−6にほぼ沿ったシステムの断面図である。
【図7】図6に示すディスペンサの部分拡大断面図である。
【図8】揮発性物質が部分的に放出したディスペンサを有するシステムの前面図である。
【図9】図8の線9−9にほぼ沿ったシステムの断面図である。
【図10】図9に示すシステムの部分拡大断面図である。
【図11】図8の線11−11にほぼ沿ったディスペンサの部分拡大断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
揮発性物質の消耗状態の表示システムであって、
第1の表面を有する膨出部と前記第1の表面の周辺にシールされた蒸気透過膜とを含む真空排気可能な揮発性物質ディスペンサと、
前記膨出部内に含まれる揮発性物質と、
を含み、
前記物質が有効成分、増粘剤及び着色染料からなり、前記揮発性物質が前記透過膜を通って拡散することにより、周囲空気と前記ディスペンサとの間に圧力勾配が生じ、前記膨出部が第1の充満状態から第2の凹陥状態に移行する、
前記システム。
【請求項2】
前記物質ディスペンサが前記蒸気透過面に取り外し可能に結合された蒸気不浸透性ラミネートを更に含み、該ラミネートは前記揮発性物質の拡散を防止する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
表示手段を更に含み、前記ディスペンサが前記表示手段に取り付けられる、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示手段が半透明のフレーム構造体であり、透明な窓を更に含む、請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記膨出部が、前記膨出部の周縁に一体的に接合し該周縁から延びるフランジを更に含む、請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記透過膜が非孔質のポリマー膜であり、前記膨出部が長方形、楕円形、円形、正方形及び台形からなる幾何学形状の群から選択される、請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記透過膜が前記第1の表面に接触するように凹陥することができる、請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記ディスペンサが前記表示手段に取り外し可能に取り付けられている、請求項3に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は所定量の揮発性物質が拡散すると可視になる、請求項3に記載の表示システム。
【請求項10】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は前記第1の状態を含む時点から前記第2の状態までの任意の点において可視になる、請求項3に記載の表示システム。
【請求項11】
前記第1の表面が前記蒸気透過膜に接触するように凹陥することができる、請求項1に記載の表示システム。
【請求項12】
前記着色染料が前記膜を通って拡散可能である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項13】
前記散布液が拡散可能な香料である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項14】
前記散布液が拡散可能な殺虫剤である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項15】
揮発性物質の消耗状態の表示システムであって、
第1の表面を有する膨出部と前記第1の表面にシールされた蒸気透過膜とを含む真空排気可能な揮発性物質ディスペンサと、
前記膨出部内に含まれる散布液であって、有効成分、増粘剤及び着色染料からなり、前記透過膜を通って拡散することにより、周囲空気と前記ディスペンサとの間に圧力勾配が生じ、前記膨出部が第1の充満状態から第2の凹陥状態に移行する、散布液と、
前記ディスペンサが取り付けられた表示手段と、
を含む前記システム。
【請求項16】
前記表示手段が半透明のフレーム構造体であり、透明な窓を更に含む、請求項15に記載の表示システム。
【請求項17】
前記物質ディスペンサが前記蒸気透過面に取り外し可能に結合された蒸気不浸透性ラミネートを更に含む、請求項15に記載の表示システム。
【請求項18】
前記膨出部が、前記膨出部の周縁に一体的に接合し該周縁から延びるフランジを更に含む、請求項15に記載の表示システム。
【請求項19】
前記透過膜が非孔質のポリマー膜である、請求項15に記載の表示システム。
【請求項20】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は所定レベルの揮発性物質が拡散すると可視になる、請求項15に記載の表示システム。
【請求項21】
前記透過膜が前記第1の表面に接触するように凹陥することができる、請求項15に記載の表示システム。
【請求項22】
前記ディスペンサが前記表示手段に取り外し可能に取り付けられている、請求項15に記載の表示システム。
【請求項23】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は必要なレベルの揮発性液体が拡散すると可視になる、請求項15に記載の表示システム。
【請求項24】
前記散布液が拡散可能な香料である、請求項15に記載の表示システム。
【請求項25】
前記散布液が拡散可能な殺虫剤である、請求項15に記載の表示システム。
【請求項26】
揮発性物質の消耗状態の表示システムであって、
第1の表面を有する液体保持リザーバと、前記第1の表面と対向する蒸気透過面と、前記第1の表面を前記蒸気透過面に接合する側壁と、前記リザーバの周縁から側方に延びるフランジとを含む真空排気可能な揮発性物質ディスペンサと、
前記リザーバ内に含まれる揮発性物質であって、揮発性液体からなり、前記透過膜を通って拡散することによって周囲空気と前記リザーバとの間に圧力勾配が生じる、揮発性物質と、
前記ディスペンサが取り付けられた表示手段と、
を含む前記システム。
【請求項27】
前記側壁が凹陥することができる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項28】
前記揮発性物質が染料を含む、請求項26に記載の表示システム。
【請求項29】
前記表示手段が半透明である、請求項26に記載の表示システム。
【請求項30】
前記蒸気透過面が非孔質のポリマー膜である、請求項26に記載の表示システム。
【請求項31】
前記透過面が前記第1の表面に接触するように凹陥することができる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項32】
前記ディスペンサが前記表示手段に取り外し可能に取り付けられている、請求項26に記載の表示システム。
【請求項33】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は必要なレベルの揮発性液体が拡散すると可視になる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項34】
前記第1の表面が前記透過面に接触するように凹陥することができる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項35】
前記リザーバが完全に真空である、請求項26に記載の表示システム。
【請求項36】
揮発性液体ディスペンサの消耗状態の表示方法であって、
ディスペンサから不浸透性のカバーラミネートを取り除くステップと、
前記ディスペンサを最適な観察位置に配置するステップと、
リザーバから前記液体を拡散させて非孔質のポリマー膜に通すステップと、
前記ディスペンサを定期的に観察するステップと、
揮発性液体が前記膜を通って拡散し、前記リザーバの周縁に少量残っている状態のときに前記ディスペンサを取り外すステップであって、前記液体が着色されており、内部の真空力によって前記リザーバの周縁に移動させられる、取り外しステップと、
を含む前記方法。
【請求項1】
揮発性物質の消耗状態の表示システムであって、
第1の表面を有する膨出部と前記第1の表面の周辺にシールされた蒸気透過膜とを含む真空排気可能な揮発性物質ディスペンサと、
前記膨出部内に含まれる揮発性物質と、
を含み、
前記物質が有効成分、増粘剤及び着色染料からなり、前記揮発性物質が前記透過膜を通って拡散することにより、周囲空気と前記ディスペンサとの間に圧力勾配が生じ、前記膨出部が第1の充満状態から第2の凹陥状態に移行する、
前記システム。
【請求項2】
前記物質ディスペンサが前記蒸気透過面に取り外し可能に結合された蒸気不浸透性ラミネートを更に含み、該ラミネートは前記揮発性物質の拡散を防止する、請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
表示手段を更に含み、前記ディスペンサが前記表示手段に取り付けられる、請求項1に記載の表示システム。
【請求項4】
前記表示手段が半透明のフレーム構造体であり、透明な窓を更に含む、請求項3に記載の表示システム。
【請求項5】
前記膨出部が、前記膨出部の周縁に一体的に接合し該周縁から延びるフランジを更に含む、請求項1に記載の表示システム。
【請求項6】
前記透過膜が非孔質のポリマー膜であり、前記膨出部が長方形、楕円形、円形、正方形及び台形からなる幾何学形状の群から選択される、請求項1に記載の表示システム。
【請求項7】
前記透過膜が前記第1の表面に接触するように凹陥することができる、請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記ディスペンサが前記表示手段に取り外し可能に取り付けられている、請求項3に記載の表示システム。
【請求項9】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は所定量の揮発性物質が拡散すると可視になる、請求項3に記載の表示システム。
【請求項10】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は前記第1の状態を含む時点から前記第2の状態までの任意の点において可視になる、請求項3に記載の表示システム。
【請求項11】
前記第1の表面が前記蒸気透過膜に接触するように凹陥することができる、請求項1に記載の表示システム。
【請求項12】
前記着色染料が前記膜を通って拡散可能である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項13】
前記散布液が拡散可能な香料である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項14】
前記散布液が拡散可能な殺虫剤である、請求項1に記載の表示システム。
【請求項15】
揮発性物質の消耗状態の表示システムであって、
第1の表面を有する膨出部と前記第1の表面にシールされた蒸気透過膜とを含む真空排気可能な揮発性物質ディスペンサと、
前記膨出部内に含まれる散布液であって、有効成分、増粘剤及び着色染料からなり、前記透過膜を通って拡散することにより、周囲空気と前記ディスペンサとの間に圧力勾配が生じ、前記膨出部が第1の充満状態から第2の凹陥状態に移行する、散布液と、
前記ディスペンサが取り付けられた表示手段と、
を含む前記システム。
【請求項16】
前記表示手段が半透明のフレーム構造体であり、透明な窓を更に含む、請求項15に記載の表示システム。
【請求項17】
前記物質ディスペンサが前記蒸気透過面に取り外し可能に結合された蒸気不浸透性ラミネートを更に含む、請求項15に記載の表示システム。
【請求項18】
前記膨出部が、前記膨出部の周縁に一体的に接合し該周縁から延びるフランジを更に含む、請求項15に記載の表示システム。
【請求項19】
前記透過膜が非孔質のポリマー膜である、請求項15に記載の表示システム。
【請求項20】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は所定レベルの揮発性物質が拡散すると可視になる、請求項15に記載の表示システム。
【請求項21】
前記透過膜が前記第1の表面に接触するように凹陥することができる、請求項15に記載の表示システム。
【請求項22】
前記ディスペンサが前記表示手段に取り外し可能に取り付けられている、請求項15に記載の表示システム。
【請求項23】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は必要なレベルの揮発性液体が拡散すると可視になる、請求項15に記載の表示システム。
【請求項24】
前記散布液が拡散可能な香料である、請求項15に記載の表示システム。
【請求項25】
前記散布液が拡散可能な殺虫剤である、請求項15に記載の表示システム。
【請求項26】
揮発性物質の消耗状態の表示システムであって、
第1の表面を有する液体保持リザーバと、前記第1の表面と対向する蒸気透過面と、前記第1の表面を前記蒸気透過面に接合する側壁と、前記リザーバの周縁から側方に延びるフランジとを含む真空排気可能な揮発性物質ディスペンサと、
前記リザーバ内に含まれる揮発性物質であって、揮発性液体からなり、前記透過膜を通って拡散することによって周囲空気と前記リザーバとの間に圧力勾配が生じる、揮発性物質と、
前記ディスペンサが取り付けられた表示手段と、
を含む前記システム。
【請求項27】
前記側壁が凹陥することができる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項28】
前記揮発性物質が染料を含む、請求項26に記載の表示システム。
【請求項29】
前記表示手段が半透明である、請求項26に記載の表示システム。
【請求項30】
前記蒸気透過面が非孔質のポリマー膜である、請求項26に記載の表示システム。
【請求項31】
前記透過面が前記第1の表面に接触するように凹陥することができる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項32】
前記ディスペンサが前記表示手段に取り外し可能に取り付けられている、請求項26に記載の表示システム。
【請求項33】
前記表示手段が装飾画像を更に含み、該画像は必要なレベルの揮発性液体が拡散すると可視になる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項34】
前記第1の表面が前記透過面に接触するように凹陥することができる、請求項26に記載の表示システム。
【請求項35】
前記リザーバが完全に真空である、請求項26に記載の表示システム。
【請求項36】
揮発性液体ディスペンサの消耗状態の表示方法であって、
ディスペンサから不浸透性のカバーラミネートを取り除くステップと、
前記ディスペンサを最適な観察位置に配置するステップと、
リザーバから前記液体を拡散させて非孔質のポリマー膜に通すステップと、
前記ディスペンサを定期的に観察するステップと、
揮発性液体が前記膜を通って拡散し、前記リザーバの周縁に少量残っている状態のときに前記ディスペンサを取り外すステップであって、前記液体が着色されており、内部の真空力によって前記リザーバの周縁に移動させられる、取り外しステップと、
を含む前記方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2008−506425(P2008−506425A)
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−520373(P2007−520373)
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023227
【国際公開番号】WO2006/004900
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年6月29日(2005.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2005/023227
【国際公開番号】WO2006/004900
【国際公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】
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