説明

損傷した脊椎円板を交換する機器

脊柱の第1椎骨と第2椎骨との間で損傷した脊椎円板(10)を交換する方法は、第1装着部材(100)を脊柱の第1椎骨と接続することを含む。人工円板(10)を、第1椎骨と第2椎骨との間で移動させ、第1装着部材(100)と係合させて、人工円板を第1椎骨と第2椎骨との間の定位置に案内する。人工円板は、第1表面および第2表面を有する弾性芯部(90)と、弾性芯部(90)の第1表面に接続された第1保持部材(20)と、弾性芯部(90)の第2表面に接続された第2保持部材(60)とを含む。第1保持部材(20)は、脊柱の第1椎骨と係合可能な外側表面と、弾性芯部(90)の第1表面に面する内側表面とを有する。第2保持部材(60)は、脊柱の第2椎骨と係合可能な外側表面と、弾性芯部(90)の第2表面に面する内側表面とを有する。脊柱内で損傷した脊椎円板を交換する機器は、弾性芯部(90)の第1表面に接続された第1保持器具(20)を含む。第2保持器具(60)は、弾性芯部(90)の第2表面に接続される。第2保持器具(60)は、第2椎骨に係合可能な外側表面と、弾性芯部(90)の第2表面に面する内側表面とを有する。第1保持器具の内側表面は芯部(90)から隔置される。第1保持器具(20)と第2保持器具(60)とが相対移動すると、芯部(90)が偏向して、第1保持器具(20)の内側表面に係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は脊柱内で損傷した脊椎円板を交換する方法および機器に関し、特に脊柱内で損傷した脊椎円板を交換するために弾性芯部を有する機器に関する。
【背景技術】
【0002】
既知の人工円板部材が米国特許第5,370,697号で開示されている。この米国特許第5,370,697号は、隣接する椎骨に接続された上側および下側支持体、および弾性分離器を有する人工円板を開示している。分離器は、弾性芯部の対向する側に接続されたカバー板を有する。分離器は、支持体を椎骨に接続した後に、上側支持体と下側支持体との間に挿入可能な別個の挿入部品である。分離器は椎骨と係合しない。
【0003】
既知の円板補綴具が米国特許第6,419,706号で開示されている。この米国特許第6,419,706号は、弾性芯部および芯部に取り付ける外装を有する補綴具を開示している。外装は椎骨と係合し、芯部を部分的に覆う。外装はそれぞれ、対向する外装に向かって延在するフラップおよびスカートを有する。フラップおよびスカートは、補綴具が非圧縮状態にある場合、芯部から隔置されている。芯部は、補綴具を最大限に圧縮すると、フラップおよびスカートと係合する。
【特許文献1】米国特許第5,370,697号明細書
【特許文献2】米国特許第6,419,706号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
【課題を解決するための手段】
【0005】
脊柱の第1椎骨と第2椎骨との間の損傷した脊椎円板を交換する方法は、第1装着部材を脊柱の第1椎骨と接続することを含む。人工円板を第1椎骨と第2椎骨との間で移動させ、第1装着部材と係合させて、第1椎骨と第2椎骨との間の定位置に人工円板を案内する。人工円板は、第1表面および第2表面を有する弾性芯部と、弾性芯部の第1表面に接続された第1保持部材と、弾性芯部の第2表面に接続された第2保持部材とを含む。第1保持部材は、脊柱の第1椎骨と係合可能な外側表面と、弾性芯部の第1表面に面する内側表面とを有する。第2保持部材は、脊柱の第2椎骨と係合可能な外側表面と、弾性芯部の第2表面に面する内側表面とを有する。
【0006】
本発明の脊柱内で損傷した脊椎円板を交換する機器は、人工円板と、人工円板を第1椎骨と第2椎骨との間に位置決めするように第1椎骨および人工円板に接続可能な第1装着部材とを含む。第1装着部材は、第1椎骨に接続された後で、人工円板を第1椎骨と第2椎骨との間の定位置に入れる移動を案内するように人工円板に係合可能である。
【0007】
機器の別の態様によると、第1保持器具が弾性芯部の第1表面に接続される。第1保持器具は、脊柱の第1椎骨と係合可能な外側表面、および弾性芯部の第1表面に面する内側表面を有する。第2保持器具は、弾性芯部の第2表面に接続される。第2保持器具は、脊柱の第2椎骨と係合可能な外側表面、および弾性芯部の第2表面に面する内側表面を有する。第1保持器具の内側表面は、芯部から隔置される。芯部は、第1保持器具と第2保持器具の間で相対移動したとき、偏向して、第1保持器具の内側表面と係合する。
【0008】
本発明の前述のおよび他の特徴は、添付図面を参照しながら本発明の以下の説明を考察すると、本発明の当業者には明白になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、人間の脊柱内で損傷または変性した脊椎円板を交換する機器即ち補綴具に関する。図1から図7は、脊柱内で損傷または変性した脊椎円板を交換する機器または補綴具10を示す。機器10(図6)は、人間の隣接する上側椎骨12と下側椎骨14の間で損傷した脊椎円板を交換するために使用される。機器10(図17)は人工円板18、および円板18を隣接する椎骨12および椎骨14に接続するのに役立つ装着部材100を含む。装着部材100は、椎骨12および椎骨14に対して円板18を位置決めするのにも役立つ。
【0010】
機器10(図1)は、上側即ち第1保持器具20と、下側即ち第2保持器具60と、これらの保持器具間に挿入され、これらに接着される弾性芯部90とを含む。上側保持器具20および下側保持器具60は相互に等しく、装着部材100を含む。機器10は、水平に延在する面Aで対称である(図3)。本明細書では、「上側」および「下側」という用語は、図6で示すように人体内にある場合の機器10の方向に関して、参照のために2つの等しい保持器具を識別するように使用される。
【0011】
上側保持器具20は、上側即ち第1保持輪即ち部材21、および装着部材100を含む。人工円板18は上側保持部材21を含む。上側保持部材21は剛性で、生体適合金属またはポリマーのような生体適合材料で作製される。上側保持部材21はチタン合金で作製可能であることが想定される。上側保持部材21は、椎骨12に係合可能な外側表面22を有する。上側保持部材21の凹状内側表面24は、弾性芯部90に固定または接合される。内側表面24は、上側保持部材21を芯部90に接続するのに役立てるために、内側表面に焼結されたビード(図示せず)、または内側表面にエッチングされたテクスチャ(きめ)(図示せず)を有してよい。
【0012】
複数の案内部またはリブ26(図3から図4)および中心リブ28が、外側表面22から延在する。上側保持部材21は4つのリブ26を有するものとして図示されているが、上側保持部材は任意の数のリブ26を有してよいことが想定される。リブ26は、図6から図7で示すように椎骨12と係合し、椎骨12と椎骨14との間の定位置に機器10を保持する。外側表面22も、椎骨12と椎骨14との間に機器10をさらに保持するために、外側表面に焼結されたビード(図示せず)、または外側表面にエッチングされたテクスチャ(きめ)(図示せず)を有してよい。
【0013】
リブ26(図1から図4)は、円板18の近位側30から円板の前側32へと相互にほぼ平行に延在する。中心リブ28は、円板18の前側32から、上側保持部材21内で軸線方向に延在する円形開口36まで延在する。リブ26およびリブ28は任意の所望の方向に延在してよいことが想定される。リブ26およびリブ28が延在する方向は、円板18の挿入方向によって決定される。
【0014】
軸線方向に延在する開口36(図2から図4)は、上側保持部材21の外側表面22および内側表面24を通して延在する。上側保持部材21は、開口36を少なくとも部分的に画定する円錐台形表面37を有する。開口36の上側分は第1直径を有し、開口の下側分は、第1直径より小さい第2直径を有する。開口36は、2つのリブ26の間の中心に配置される。したがって、円板18の近位側30から開口36へと延在するリブはない。開口36は円形であるものとして図示されているが、開口は任意の所望の形状を有してよいことが想定される。
【0015】
フランジ部分38が、円板18の前側32で上側保持部材21から延在する。フランジ部分38は、中心リブ28に隣接する窪み40を有する。窪み40は、底部表面42、および底部表面42から上方向に延在する側部表面44および側部表面46によって画定される。楕円形のスロット48が、フランジ部分38の底部表面42を通って延在する。スロット48は、リブ28が延在する方向を横切る方向に延在する。
【0016】
上側保持部材21の凹状内側表面24(図2)が、弾性芯部90に固定または接合される。上側保持部材21は、下側保持器具60に向かって延在する周囲フランジ部分50を含む。フランジ50は芯部90を囲む。フランジ50は、芯部90に面する半径方向の内側表面52を有する。表面52は、凹状表面24から下側保持器具60に向かって半径方向外側に延在する。フランジ50の表面52は、機器10に所定の負荷が加えられるまで、図6で示すように芯部90から隔置される。
【0017】
芯部90は、機器10に負荷が加えられるとフランジ90の表面52に向かって偏向し、上側保持器具20および下側保持器具60を相互に対して移動させる。図7で示すように、機器10に所定の負荷が加えられると、芯部90が偏向して、フランジ50の表面52と係合する。芯部90がフランジ50と係合すると、芯部のさらなる偏向がフランジ50によって制限されるので、芯部が硬くなる。
【0018】
フランジ50の表面52は、任意の所望の形状を有してよい。この表面52は、第2部分より芯部90の近くまで延在する第1部分を有してよく、したがって芯部は、表面52の第2部分と係合する前に、表面52の第1部分と係合する。したがって、芯部90は、機器10に様々な負荷が加えられるにつれて、表面52の様々な部分と係合し、様々な負荷で芯部の剛性を変化させることができる。
【0019】
保持部材21は、凹状内側表面24から開口36へと延在し、機器10に所定の負荷が加えられるまで、芯部90から隔置される内側表面(図示せず)を有してよいことが想定される。機器10に所定の負荷が加えられると、芯部90が偏向し、凹状表面24から開口36へと延在する内側表面(図示せず)に係合する。芯部90が、凹状表面24から開口36へと延在する内側表面と係合すると、保持部材21によって芯部のさらなる偏向が制限されるので、芯部が硬くなる。
【0020】
下側保持器具60(図1から図2)は、形状が上側保持器具20と等しい。下側保持器具60は、下側即ち第2保持部材即ち輪61と、装着部材100とを含む。円板18は下側保持部材61を含む。下側保持部材61は上側保持部材21と等しい。したがって、下側保持部材61については詳細に説明しない。下側保持部材61は剛性であり、チタン合金などの、上側保持部材21と同じ材料から作製される。下側保持部材61は、椎骨14に係合可能な外側表面62を有する。下側保持部材61の凹状内側表面64は、弾性芯部90に固定または接合される。内側表面64は、下側保持部材61を芯部90に接続するのに役立てるために、内側表面に焼結されたビード(図示せず)、または内側表面にエッチングされたテクスチャ(きめ)(図示せず)を有してよいことが想定される。
【0021】
複数の案内部またはリブ66(図2および図3)および中心リブ68が、外側表面62から延在する。下側保持部材61は、任意の数のリブ66を有してよい。リブ66は、図6および図7で示すように椎骨14と係合し、椎骨12と椎骨14との間の定位置に機器10を保持する。外側表面62も、椎骨12と椎骨14との間に機器10をさらに保持するために、外側表面に焼結されたビード(図示せず)、または外側表面にエッチングされたテクスチャ(きめ)(図示せず)を有してよい。
【0022】
リブ66は、円板18の近位側30から前側32へと相互にほぼ平行に延在する。中心リブ68(図2)は、前側32から下側保持部材61内で軸線方向に延在する円形開口70へと延在する。リブ66およびリブ68は任意の所望の方向に延在してよいことが想定される。リブ66およびリブ68が延在する方向は、円板18の挿入方向によって決定される。
【0023】
軸線方向に延在する開口70(図2)は、上側保持部材61の外側表面62および内側表面64を通して延在する。下側保持部材61は、開口70を少なくとも部分的に画定する円錐台形表面71を有する。開口70の下側分は第1直径を有し、開口の上側分は、第1直径より小さい第2直径を有する。開口70は、2つのリブ66、68の間の中心に配置される。したがって、円板18の近位側30から開口70へと延在するリブはない。開口70は円形であるものとして図示されているが、開口は任意の所望の形状を有してよいことが想定される。
【0024】
フランジ部分72が、円板18の前側32で下側保持部材61から延在する。フランジ部分72は、中心リブ68に隣接する窪み74を有する。窪み74は、上側表面76、ならびに上側表面76から下方向に延在する側部表面78および側部表面80によって画定される。楕円形のスロット82が、フランジ部分72の上側表面76を通って延在する。スロット82は、中心リブ68が延在する方向を横切る方向に延在する。
【0025】
下側保持部材61の凹状内側表面64(図2)が、弾性芯部90に固定または接合される。下側保持部材61は、上側保持器具20に向かって延在する周囲フランジ部分84を含む。フランジ84は芯部90を囲む。フランジ84は、芯部90に面する半径方向の内側表面86を有する。表面86は、凹状表面64から上側保持器具20に向かって半径方向外側に延在する。フランジ84の表面86は、機器10に所定の負荷が加えられるまで、図6で示すように芯部90から隔置される。
【0026】
芯部90は、機器10に負荷が加えられるとフランジ84の表面86に向かって偏向し、上側保持器具20および下側保持器具60を相互に対して移動させる。図7で示すように、機器10に所定の負荷が加えられると、芯部90が偏向して、フランジ84の表面86と係合する。芯部90がフランジ84と係合すると、芯部のさらなる偏向がフランジ84によって制限されるので、芯部が硬くなる。
【0027】
フランジ84の表面86は、任意の所望の形状を有してよい。この表面86は、第2部分より芯部90の近くまで延在する第1部分を有してよく、したがって芯部は、表面86の第2部分と係合する前に表面86の第1部分と係合する。したがって、芯部90は、機器10に様々な負荷が加えられるにつれて、表面86の様々な部分と係合し、様々な負荷で芯部の剛性を変化させることができる。機器10に所定の負荷が加えられると、下側保持部材61のフランジ84が上側保持部材21のフランジ50と係合できることも想定される。
【0028】
保持部材61は、凹状内側表面64から開口70へと延在し、機器10に所定の負荷が加えられるまで、芯部90から隔置される内側表面(図示せず)を有してよいことが想定される。機器10に所定の負荷が加えられると、芯部90が偏向し、凹状表面64から開口70へと延在する内側表面(図示せず)と係合する。芯部90が、凹状表面64から開口70へと延在する内側表面と係合すると、保持部材61によって芯部のさらなる偏向が制限されるので、芯部が硬くなる。
【0029】
弾性芯部90は一体部材であり、カリフォルニア州バークレーに位置するPolymer Technology Groupによって製造されるウレタンとシリコンとの混合物で作製することができる。弾性芯部90は、当技術分野で知られている任意の方法で上側保持部材21および下側保持部材61に接着または接合することができる。弾性芯部90は上側保持部材21と下側保持部材61との間に、インサート成形、トランスファ成形または射出成形できることが想定される。芯部90は、芯部用の材料を上側および下側保持部材の開口36または70の一方を通して射出することにより、上側保持部材21と下側保持部材61との間で成形することができる。
【0030】
弾性芯部90は、カリフォルニア州バークレーに位置するPolymer Technology Groupによって製造されるCarboSil(商標)という名前のシリコンポリカーボネートウレタンコポリマーであるポリマーで作製することができる。弾性芯部90は、多段階の大量合成で準備され、合成中にポリジメチルシロキサンを、脂肪族のヒドロキシル基を末端にもつポリカーボネート低ポリマーを有するポリマーの軟質部分に組み込む。硬質部分は、分子量が低いグリコール鎖増量剤を有する芳香族ジイソシアネートで構成される。コポリマー鎖はシリコンを末端にもつ。
【0031】
弾性芯部90の材料は、シリコンエラストマーの生体適合性および生体安定性を熱可塑性ウレタンエラストマーの処理性および靱性と組み合わせる。弾性芯部90の材料は、硬質部分の含有率が相対的に高く、これは患者の体との平衡に到達すると大幅に軟化する。該当する平衡は、約37℃の身体、および体内に植え込んだ後にポリマーが取り込む平衡水および溶質との熱平衡を含む。弾性芯部90の材料は、37℃では、室温と比較して弾性率が低下する。したがって、生体安定性のために、硬度がより高いポリマーを使用することができる。というのは、人間の体内の状態が、ポリマーの弾性率を所望の範囲の圧縮剛性まで低下させるからである。
【0032】
弾性芯部90は楔形である。上側保持部材21は、円板18の近位側30に隣接する第1距離だけ下側保持部材61から隔置される。上側保持部材21は、円板18の前側32に隣接する第1距離より大きい第2距離だけ、下側保持部材61から隔置される。上側保持部材21は、任意の所望の距離だけ下側保持部材61から隔置してよいことが想定される。
【0033】
芯部90は、凸状の上側または第1表面92を有する。凸状上側表面92は、上側保持部材21の凹状内側表面24に固定される。凸状の下側または第2表面94は、下側保持部材61の凹状内側表面64に固定される。
【0034】
芯部90は半径方向外側表面96を含む。弓形の遷移表面98が、半径方向の外側表面96と上側表面92および下側表面94との間に延在する。半径方向の外側表面96は、機器10に所定の負荷が加えられるまで、上側保持部材21および下側保持部材61上のフランジ50および84から隔置される。
【0035】
周囲表面96および遷移表面98は、任意の所望の形状を有してよい。表面96および98は、第2部分よりフランジ50およびフランジ84の近くまで延在する第1部分を有してよく、したがって第1部分は第2部分より前にフランジ50およびフランジ84と係合する。したがって、機器10に様々な負荷が加えられるにつれて、表面96および表面98の様々な部分がフランジ50およびフランジ84と係合し、様々な負荷で芯部90の剛性を変化させることができる。
【0036】
保持器具20および保持器具60(図1から図7)はそれぞれ、円板18を椎骨12および椎骨14に接続するのに役立つ装着部材100を含む。装着部材100は、椎骨12と椎骨14との間に円板18を位置決めするのにも役立つ。装着部材100(図6)は、機器10が椎骨12および椎骨14に接続されると、保持部材21および保持部材61の開口36および開口70内に延在する。円板18は、装着部材100が椎骨に接続された後に、椎骨12と椎骨14との間に挿入される。円板18の開口36および開口70の対向する側にあるリブまたは案内部26および案内部66が、装着部材100に係合し、椎骨12と椎骨14との間の所望の位置に円板を案内する。装着部材100は相互に等しい。したがって、一方の装着部材100についてのみ、詳細に説明する。
【0037】
装着部材100(図5)は剛性であり、生体適合金属またはポリマーのような生体適合材料で作製される。装着部材100はチタン合金で作製可能であることが想定される。装着部材100は、椎骨に面する外側表面102を有する。装着部材100の凹状内側表面104は弾性芯部90に面する。上側保持器具20の装着部材100の凹状内側表面104は、芯部90の上側表面92に面する。下側保持器具60の装着部材100の凹状内側表面104は、芯部90の下側表面94に面する。
【0038】
弾性芯部90は、機器10に負荷が加えられると凹状表面104に向かって偏向し、上側保持器具20および下側保持器具60を相互に対して移動させる。芯部90は、図7で示すように脊柱16が所定の負荷を受けると、偏向して、上側保持部材21および下側保持部材61の開口36および開口70に入り、凹状表面104と係合する。芯部90が装着部材100の表面104と係合すると、保持器具20および保持器具60に向かう芯部のさらなる偏向が制限されるので、弾性芯部が硬くなる。保持部材100は、芯部90と装着部材の間から気体が逃げられるように、軸線方向に延在する開口を有してよいことが想定される。
【0039】
装着部材100の表面104は、任意の所望の形状を有してよい。芯部90は、機器10に様々な負荷が加えられるにつれて、表面104の様々な部分と係合し、様々な負荷で芯部90の剛性を変化させることができる。保持器具20の装着部材100の表面104は、保持器具61の装着部材100の表面104とは異なる形状を有してよいことも想定される。
【0040】
突起106が、装着部材100の外側表面102から延在する。突起106は椎骨12および椎骨14と係合して、椎骨12と椎骨14との間の定位置に機器10を保持するのに役立つ。装着部材100は4つの突起106を有するように図示されているが、装着部材は任意の数の突起を有してよいことが想定される。突起106は、任意の所望の形状、サイズおよび/または先端形状を有してよいことが想定される。突起106は、骨の内殖のための通路を含んだり、かぎを有していたり、フックを有していたりしてよい。
【0041】
装着部材100は、突起106が延在する元となる円形本体110を含む。装着部材100の本体110は円形であるものとして図示されているが、本体110は、装着部材100が円板18の開口36および開口70内へと滑動できるようにする任意の所望の形状を有してよいことが想定される。
【0042】
装着部材100の本体110は、円錐台形の半径方向外側表面112を有する。丸まった遷移表面113が半径方向外側表面112から凹状表面104へと延在する。本体110は、外側表面102に隣接する第1直径、および第1直径より小さく遷移表面113に隣接する第2直径を有する。装着部材100の半径方向外側表面112および/または遷移表面113は、保持部材21および保持部材61のリブまたは案内部26および案内部66に係合して、装着部材ならびに椎骨12および椎骨14に対して第1後方向での円板18の移動を案内する。上側保持部材21および下側保持部材61の中心リブ28および中心リブ68が止め部として作用し、円板が所望の深さまで挿入された後に、第1方向への円板18の移動を防止する。中心リブ28および中心リブ68は、装着部材100の半径方向外側表面112および/または遷移表面113と係合する。中心リブ28および中心リブ68が装着部材100と係合すると、半径方向外側表面112および/または遷移表面113は、装着部材が円板18の開口36および開口70に入るように、第1方向に対して横方向に延在する第2方向にて装着部材と保持部材21および保持部材61との間の相対移動を案内する。
【0043】
装着部材100の円錐台形の半径方向外側表面112は、装着部材が円板18の開口36および開口70に入っている場合、上側保持部材21および下側保持部材61の円錐台形表面37および円錐台形表面71と係合する。表面112と表面37および表面71との係合は、装着部材100と円板18との間の締まり嵌めを生成する。したがって、円板18の装着部材100に対する移動が防止される。
【0044】
半径方向外側表面112は4つの窪み114を有し、その2つが図5に図示されている。窪み114は相互に90°で配置される。装着部材100は4つの窪み114を有するものとして説明するが、装着部材100は任意の数の窪みを有してよいことが想定される。
【0045】
装着部材100は、アクチュエータ120および1対の挿入部材140を含む外科用具(図8および図9)を使用して、椎骨12および椎骨14に接続することができる。装着部材100が部材140に接続され、アクチュエータ120が部材を互いに離して、装着部材を椎骨に接続する。アクチュエータ120(図8)は、ドイツのゾーリンゲンのFriedrich GmbHが製造するモジュール式の脊椎伸延器でよく、これに部材140を接続する。アクチュエータ120は当技術分野で知られているので、詳細には説明しない。
【0046】
アクチュエータ120は1対の起動柄122、および部材140に接続可能な1対の分離器124を含む。柄122は、連結システム126によって分離器124に接続される。柄122が相互に向かって移動すると、連結システム126によって分離器124が互いに離れる。アクチュエータ120は、分離器124を互いに所望の距離でロックするロック機構128も含む。
【0047】
挿入部材140(図9から図13)は、分離器124に接続可能である。部材140は相互に等しい。したがって、一方の部材140についてのみ詳細に説明する。
部材140は、アクチュエータ120の分離器124の一方にある開口(図示せず)に挿入可能な接続端部144を含む。端部144は1対の突起146を含む。突起146(図12)は、相互にほぼ平行に延在し、その間に通路148を画定する。端部144は、アクチュエータ120の分離器124の開口(図示せず)に挿入され、知られている方法で部材140をアクチュエータに接続する。部材140は、知られている方法で分離器124から外すことができる。部材140の端部144は、部材を所望のアクチュエータに接続するために、任意の所望の形状を有してよいことが想定される。
【0048】
突起146(図9から図12)が、部材140の中心本体152の第1端部150から延在する。中心本体152は、中心本体の第1端部150から第2端部158へと延在する上側表面154および平行な下側表面156を有する。突起146は、表面154および表面156に対してある角度で延在する。突起146は、表面154および表面156に対して任意の所望の角度で延在してよいことが想定される。上側表面154は、スカラップ形(ホタテ貝の波形状)の窪み164を有する。
【0049】
側部表面160および側部表面162が上側表面154から下側表面156へと延在する。側部表面160および側部表面162に配置され、長手方向に延在する1対の溝166(図10)が、本体152に沿って延在する。溝166は第1端部150から第2端部158へと延在する。
【0050】
摺動体168(図9および図14)を、部材140の本体152に接続することができる。摺動体168は、椎骨12および椎骨14の一方と係合し、装着部材100が近位方向で椎骨間にさらに挿入されるのを防止する。摺動体168は、ねじ付き開口172がある主要本体部分170を含む。1対のフランジ174が本体部分170から下方向に延在する。フランジ174(図14)は、相互にほぼ平行に延在し、相互に向かって延在する部分176を含む。部分176は、部材140の本体152の溝166で受けられる。摺動体168は、部材140の接続端部144に面していない表面179内に、垂直方向に延在する溝178を含む。
【0051】
摺動体168は、本体152に対して部材140の端部144に向かって、およびそこから移動することができる。止めねじ(図示せず)が、開口172にねじ込まれ、スカラップ形の窪み164内に延在して、本体152に対する摺動体168の移動を防止する。スカラップ形の窪み164は、部材140に対する摺動体168の複数の位置を画定する。
【0052】
部材140の挿入端部180(図9から図13)が、本体152の第2端部158から延在する。挿入端部180は、本体152の上側表面154および下側表面156に対してある角度で、突起146に対してほぼ平行に延在する。挿入端部180は、表面154および表面156に対して任意の所望の角度で延在してよいことが想定される。挿入端部180(図11)は、本体152の下側表面156に対してある角度で延在する下側表面182を有する。
【0053】
挿入端部180(図12)は、装着部材100を受ける窪み184を含む。窪み184は、概ねU字形で、その開放端部186を通して装着部材100を窪みに挿入し、窪みから取り外すことができる。窪み184は、背壁192によって相互接続された側壁188および側壁190によって画定される。底壁194は、側壁188および側壁190ならびに背壁192に対して概ね直角に延在する。
【0054】
側壁188は、半径方向外側に延在する切り欠き198を有する。側壁190は、半径方向外側に延在する切り欠き200を含む。背壁192は、本体152に向かって延在する切り欠き202を有する。溝206(図10および図13)が、側壁188に形成され、開放端部186の隣から切り欠き198へと延在する。溝208が切り欠き198から切り欠き202へと延在する。溝208と同様の、切り欠き202と切り欠き200の間に延在する溝(図示せず)が、側壁190に形成される。溝206と同様の、切り欠き200から開放端部186の隣まで延在する別の溝(図示せず)が、側壁190に形成される。
【0055】
第1円形開口216が底壁194を通って延在し、窪み184の中心に配置される。開口216によって、必要に応じて装着部材100を窪み184から取り外すことができる。これより小さい第2円形開口218が底壁194を通って延在し、切り欠き202に配置される。
【0056】
ばね部材230(図9および図15)を窪み184で受けて、装着部材100を窪み内で保持する。ばね部材230は概ねU字形であり、基部236から延在する1対の腕部232および234を含む。突起238が、腕部232および234から反対の方向に基部236から延在する。突起238は、ピン(図示せず)を受けて、ばね部材230を部材140に接続するために円形開口240を有する。ピン(図示せず)が、ばね部材230の開口240を通って部材140の開口218内へと延在し、ばね部材を部材140に接続する。
【0057】
腕部232は、上方向に延在する端部246を含み、これは装着部材100と係合して、装着部材を部材140内で保持する。端部246は半径方向内側に延在する突起248を有する。突起248は、装着部材100の窪み114の1つの中に延在し、装着部材を部材140内で保持する。
【0058】
腕部234は上方向に延在する端部252を有する。端部252は半径方向内側に延在する突起254を有する。突起254は、装着部材100の窪み114の1つの中に延在し、装着部材を部材140内で保持する。
【0059】
ばね部材230が、開放端部186を通って窪み184に挿入される。ばね230を窪み184に挿入するにつれ、腕部232および腕部234は、切り欠き200から開放端部186の隣まで延在する、側壁188の溝206および側壁190の溝(図示せず)の中へと延在する。腕部232の端部246および腕部234の端部252が、相互に向かって移動する。端部246および端部252が切り欠き198および切り欠き200に隣接すると、端部246および端部252が互いに離れる。
【0060】
ばね230(図9)が窪み184に挿入されると、腕部232が溝208の中に延在して、腕部234が溝(図示せず)の中に延在し、この溝は切り欠き202から部材140の挿入端部180の切り欠き200へと延在する。ばね部材230の突起238の開口240は、挿入端部180の開口218と位置合わせされる。ピン(図示せず)がばね部材230の開口240を通って開口218内へと延在し、ばね部材を窪み184内で保持する。端部246および端部252は上方向に延在して、側壁188の切り欠き198および側壁190の切り欠き200に入る。
【0061】
装着部材100をばね230の端部246と端部252との間に挿入すると、窪み114が突起248および突起254に位置合わせされるまで、端部が半径方向外側に移動して互いに離れ、切り欠き198および切り欠き200に入る。窪み114が突起248および突起254に位置合わせされると、端部246および端部252が相互に向かって移動して、窪みに入り、装着部材100を挿入端部180内で保持する。装着部材100は、ばね部材230によって加えられる保持力を克服することにより、窪み184から取り出すことができる。
【0062】
装着部材100を椎骨12および椎骨14に接続した後に、円板18を椎骨12と椎骨14との間に挿入する挿入用具300を、図16および図17に示す。用具300(図16)は、普通の鋏に類似し、相互に旋回自在に接続する1対の脚部302および脚部304を有する。用具300は、脚部302および脚部304の1対の顎308によって形成された把持端部306を含む。顎308(図17)は、相互に向かって延在する楕円形の突起310を含む。突起310は、円板18の開口48および開口82に挿入されて、椎骨12と椎骨14との間に挿入するために円板を把持する。
【0063】
脚部302(図15)は、顎308と反対側に拡大端部312を有する。拡大端部312は、必要に応じて木槌で打って、円板18を椎骨12と椎骨14との間に打ち込むことができる。脚部304は、顎308と反対側に、湾曲した柄314を有する。柄314は、用具300を操作するために外科医によって簡単に把持される。
【0064】
ロック機構320は、突起310を円板18の開口48および開口82に挿入した後に、顎308が旋回して互いに離れるのを防止する。ロック機構320は、装着部分324に旋回自在に接続されて、脚部304から延在する棒322を含む。棒322は、脚部302の開口328を通って延在するねじ付き端部326を有する。ナット332が棒322の端部326とねじで係合し、脚部302と係合して、顎308が互いに旋回するのを防止する。
【0065】
機器10を椎骨12と椎骨14との間に挿入する場合は、後腹膜または経腹膜アプローチを使用して、椎骨に隣接する前方空間を露出させる。正中基準線が確立される。K線のような正中マーカを配置して、椎骨12および椎骨14の一方の中心に基準点を維持する。椎骨12と椎骨14との間の空間を伸延させ、椎骨間の損傷した円板を切除する。損傷した円板を切除した後、軟骨端板を椎骨12および椎骨14から除去する。次いで、椎骨12および椎骨14を所望に応じて彫刻する。
【0066】
適切なサイズの機器10は、試験選別器を使用して決定される。試験選別器は円板18と同様である。試験選別器を椎骨12と椎骨14との間に挿入して、切除した円板と交換するために必要な所望の底面積、くさび角および円板高さを決定する。所望の底面積、くさび角および円板高さは、X線透視検査で確認する。
【0067】
次に、装着部材100を椎骨12および椎骨14に挿入する。椎骨12と椎骨14との間で使用するために、所望のくさび角に基づいて適切な部材140を選択する。装着部材100を、部材140の窪み184に挿入する。正中マーカが摺動体168の溝178内に延在し、摺動体168が正中マーカの真下で椎骨12および椎骨14の一方の前部隆起と係合するまで、部材140の挿入端部180を椎骨12と椎骨14との間に挿入する。部材140の挿入端部180を所望の深さまで挿入したら、挿入端部をアクチュエータ120で互いに離し、装着部材100の突起106を椎骨12および椎骨14に挿入する。装着部材100を椎骨12および椎骨14と接続した後、部材140を椎骨12と椎骨14との間から取り出して、装着部材を後に残す。
【0068】
装着部材100を椎骨12および椎骨14と接続した後、試験選別器を椎骨間に再度挿入することができる。試験選別器の位置の検証は、X線透視検査を使用して遂行される。装着部材100が所望の位置にないと判断された場合は、装着部材を容易に取り外し、椎骨に再度位置決めすることができる。
【0069】
装着部材100を所望の位置で椎骨12および椎骨14に接続した後、挿入用具300を円板18に接続する。次に円板18を、椎骨12と椎骨14との間に挿入する。円板18を挿入する間、開口36および開口70の対向する側にあるリブ26およびリブ66が、装着部材100の表面112および表面113と係合して、円板の挿入を案内する。円板18を椎骨12と椎骨14との間で所望の深さまで挿入すると、中心リブ28および中心リブ68が装着部材100と係合する。円板18のリブ26、28、66、68は、装着部材100を円板18の開口36および開口70に挿入するのを案内する。
【0070】
円板18を椎骨12と椎骨14との間の所望の位置に配置した後、用具300を円板から外す。装着部材100を円板18の開口36および開口70に挿入すると、円板18上のリブ26、28、66、68が、椎骨12および椎骨14に係合する。装着部材100およびリブ26、28、66、68が、椎骨12と椎骨14との間の定位置で機器10を保持する。
【0071】
機器10が脊柱16内で使用されている場合は、上側保持器具20が椎骨12に固定されている。装着部材100のリブ26およびリブ28ならびに突起106は、上側保持器具20と椎骨12との間の相対移動に抗する。下側保持器具60は椎骨14に固定される。装着部材100のリブ66およびリブ68ならびに突起106は、下側保持器具60と椎骨14との間の相対移動に抗する。
【0072】
図7で示すように、脊柱16が圧縮されている場合のように、上側保持器具20および下側保持器具60が相互に対して移動すると、弾性芯部90が装着部材100の凹状表面104に向かって偏向する。弾性芯部90は、機器に負加が加えられた場合に、保持部材21の表面52および保持部材61の表面86に向かっても偏向する。したがって、芯部90は上側保持器具20と下側保持器具60とが相対的に移動すると、芯部内の応力を減少させるためにエネルギを費やして、機器10に比較的長い疲労寿命を提供する。
【0073】
所定の負荷を加えると、弾性芯部90が偏向して、装着部材100の表面104と係合する。所定の負荷を加えると、芯部90が偏向して、保持部材21の表面52および保持部材61の表面86とも係合する。したがって、芯部が表面104、52、86と係合すると、芯部のさらなる偏向が制限されるので、芯部90が硬くなる。芯部90は、加えられる様々な負荷で表面104、52、86に係合できることが想定される。
【0074】
円板18上のリブ26およびリブ66は、装着部材100に係合して、椎骨12と椎骨14との間の円板の挿入を案内するものとして説明されているが、装着部材100は溝を有し、その中に円板18上のリブが延在して、円板の挿入を案内することも想定される。装着部材100は、円板18の溝内に延在して、円板の挿入を案内するリブを有してよいことも想定される。さらに、円板18は、装着部材100を使用せずに、椎骨12と椎骨14との間に挿入してよいことが想定される。装着部材100なしに円板18を使用すると、保持器具20の保持部材21および保持器具60の保持部材61が、装着部材の凹状内側表面104と同様の凹状内側表面を含むことになることが想定される。機器10に所定の負荷が加えられた場合は、芯部90が保持部材21および保持部材61の凹状内側表面から隔置され、偏向して、凹状内側表面と係合することになる。
【0075】
本発明の以上の説明は、様々な修正、変更および適合を加えることができ、これらは特許請求の範囲の均等物の意味および範囲内に包含するものとすることは理解されよう。本明細書で開示した実施形態は、あらゆる面で例示的であり、限定的ではないと見なされる。本発明の範囲は、以上の説明ではなく請求の範囲によって示され、その均等物の意味および範囲に入る全ての変更は、本明細書に含まれるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明により構築された、損傷した脊椎円板を交換する機器の透視図である。
【図2】図1の機器の断面図である。
【図3】図1の機器の人工円板の透視図である。
【図4】図3の人工円板の略上面図である。
【図5】図1の機器の装着部材の透視図である。
【図6】人間の脊柱の隣接する椎骨間にある図1の機器の略断面図である。
【図7】脊柱の隣接する椎骨間にある図1の機器の略断面図であり、圧縮した脊柱を示す。
【図8】図5で示した装着部材を隣接する椎骨に接続する際に使用するアクチュエータの略側面図である。
【図9】装着部材を脊柱の隣接する椎骨と接続するために図8のアクチュエータと共に使用する挿入部材の透視図である。
【図10】図9の挿入部材の1つの透視図である。
【図11】図10の挿入部材の略側面図である。
【図12】図10の挿入部材の略上面図である。
【図13】図12の線13−13に沿って切り取った挿入部材の一部の断面図である。
【図14】図9の挿入部材の1つに接続可能な摺動体の透視図である。
【図15】装着部材を図9の挿入部材の1つに接続するばね部材の透視図である。
【図16】図2の人工円板を隣接する椎骨間に挿入する際に使用する外科用具の透視図である。
【図17】図16の外科用具の一部の拡大図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊柱の第1椎骨と第2椎骨との間で損傷した脊椎円板を交換する方法であって、前記方法は、
前記脊柱の前記第1椎骨に第1装着部材を接続する工程と、
前記第1椎骨と前記第2椎骨との間で人工円板を移動させる工程であって、前記第1装着部材に係合して、前記人工円板を前記第1椎骨と前記第2椎骨との間の位置に案内する、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間で人工円板を移動させる工程とを含み、前記人工円板が、第1表面および第2表面を有する弾性芯部と、前記弾性芯部の前記第1表面に接続された第1保持部材と、前記弾性芯部の前記第2表面に接続された第2保持部材とを含んでおり、前記第1保持部材が、前記脊柱の第1椎骨に係合可能な外側表面と、前記弾性芯部の前記第1表面に面する内側表面とを有しており、前記第2保持部材が、前記脊柱の前記第2椎骨に係合可能な外側表面と、前記弾性芯部の前記第2表面に面する内側表面とを有する、方法。
【請求項2】
前記第1装着部材を、前記第1保持部材の前記外側表面から延在する案内部に係合させる工程と、前記第1椎骨を前記案内部に係合させる工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
さらに、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間の位置への前記第1保持部材の移動を案内するために、前記第1装着部材を、前記第1保持部材上で相互に全体として平行に延在する第1案内部および第2案内部に係合させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
さらに、第1方向で前記第1保持部材と前記第1装着部材との間の相対移動を防止するために、前記第1装着部材を前記第1保持部材上の止め部に係合させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
さらに、前記第1方向に対して横方向に延在する第2方向で、前記第1装着部材に対する前記第1保持部材の移動を案内する工程を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
さらに、前記第1保持部材の開口への前記第1装着部材の移動を案内する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
さらに、前記芯部に面する前記第1装着部材の内側表面を、前記芯部から隔置する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1装着部材に前記人工円板を接続する工程と、前記人工円板に対する前記第1装着部材の移動を防止する工程とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
締まり嵌めで前記第1装着部材に前記人工円板を接続する工程と、前記第1装着部材の円錐台形表面に前記人工円板の円錐台形表面を係合させる工程とを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
さらに、前記第2椎骨に第2装着部材を接続する工程を含み、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間で前記人工円板を移動させる前記工程が、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間の位置への前記人工円板の移動を案内するために、前記第2装着部材を前記人工円板に係合させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1保持部材の第1部分の第1開口内に、外科用具の第1部分を延在させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
脊柱内で損傷した脊椎円板を交換する機器であって、前記機器は、
人工円板であって、当該人工円板が、第1表面および第2表面を有する弾性芯部と、前記弾性芯部の前記第1表面に接続された第1保持部材と、前記弾性芯部の前記第2表面に接続された第2保持部材とを含み、前記第1保持部材が、前記脊柱の第1椎骨と係合可能な外側表面と、前記弾性芯部の前記第1表面に面する内側表面とを有し、前記第2保持部材が、前記脊柱の第2椎骨に係合可能な外側表面と、前記弾性芯部の前記第2表面に面する内側表面とを有する、人工円板と、
第1装着部材であって、当該第1装着部材が、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間で前記人工円板を位置決めするように、前記人工円板および前記第1椎骨に接続可能であり、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間の位置への前記人工円板の移動を案内するように、前記第1椎骨に接続された後、前記第1装着部材が前記人工円板に係合可能である、第1装着部材とを含む、機器。
【請求項13】
前記第1保持部材が、前記第1装着部材に係合可能な案内部を含み、当該案内部が、前記第1保持部材の前記外側表面から延在し、かつ前記第1椎骨に係合可能である、請求項12に記載の機器。
【請求項14】
前記第1保持部材が、前記第1装着部材に係合可能な第1案内部および第2案内部を含み、前記第1案内部および前記第2案内部が相互に対して全体として平行に延在する、請求項12に記載の機器。
【請求項15】
前記第1保持部材と前記第1装着部材との第1方向での相対移動を防止するために、前記第1保持部材が、前記第1装着部材に係合可能な前記止め部を含み、前記第1方向に対して横方向に延在する第2方向で、前記第1装着部材に対する前記第1保持部材の移動を、前記止め部が案内する、請求項12に記載の機器。
【請求項16】
前記第1保持部材が、当該第1保持部材の前記内側表面および前記外側表面を通って延在する開口を有し、前記第1装着部材が前記開口内に延在する、請求項12に記載の機器。
【請求項17】
前記開口が、前記第1保持部材の前記内側表面および前記外側表面を通って軸線方向に延在する、請求項16に記載の機器。
【請求項18】
前記第1装着部材が、前記芯部に面し、かつ前記芯部から隔置された内側表面を含み、前記第1保持部材と前記第2保持部材とが相対移動すると、前記芯部が偏向して、前記第1装着部材の前記内側表面に係合する、請求項12に記載の機器。
【請求項19】
前記第1装着部材の前記人工円板に対する相対的な移動を防止するために、前記第1装着部材が、前記人工円板の円錐台形表面と係合可能な円錐台形表面を有する、請求項12に記載の機器。
【請求項20】
さらに、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間に前記人工円板を位置決めするように、前記第2椎骨および前記人工円板に接続可能な第2装着部材を含み、前記第1椎骨と前記第2椎骨との間の位置への前記第2保持部材の移動を案内するように、前記第2装着部材が、前記人工円板と係合可能である、請求項12に記載の機器。
【請求項21】
前記芯部が、前記芯部の前記第1表面と第2表面との間に延在する半径方向外側表面を含み、当該半径方向外側表面が、前記第1保持部材および前記第2保持部材の一方の部分に面し、前記半径方向外側表面が、前記第1および第2保持部材の前記一方の前記部分から隔置されており、前記第1保持部材と前記第2保持部材とが相対移動すると、前記芯部が偏向して、前記第1保持部材および前記第2保持部材の一方の前記一部と係合する、請求項12に記載の機器。
【請求項22】
前記第1保持部材が、前記人工円板を前記椎骨間に挿入するために、外科用具に係合可能な部分を含み、前記第1保持部材の前記部分が、前記外科用具の部分が延在する開口を含む、請求項12に記載の機器。
【請求項23】
脊柱内で損傷した脊椎円板を交換する機器であって、前記機器は、
第1表面および第2表面を有する弾性芯部と、
前記弾性芯部の前記第1表面に接続された第1保持器具であって、当該第1保持器具が、前記脊柱の第1椎骨に係合可能な外側表面、および前記弾性芯部の前記第1表面に面する内側表面を有する、第1保持器具と、
前記弾性芯部の前記第2表面に接続された第2保持器具であって、当該第2保持器具が、前記脊柱の第2椎骨に係合可能な外側表面、および前記弾性芯部の前記第2表面に面する内側表面を有する、第2保持器具とを含んでおり、
前記第1保持器具の前記内側表面が前記芯部から隔置され、前記第1保持器具と前記第2保持器具との間で相対移動したときに、前記芯部が偏向して、前記第1保持器具の前記内側表面と係合する、機器。
【請求項24】
前記芯部が、前記芯部の前記第1表面と前記第2表面との間に延在する半径方向外側表面を含み、当該半径方向外側表面が、前記第1保持器具および前記第2保持器具の一方の部分に面し、前記半径方向外側表面が、前記第1保持器具および前記第2保持器具の前記一方の前記部分から隔置され、前記第1保持器具と前記第2保持器具とが相対移動すると、前記芯部が偏向して、前記第1保持器具および前記第2保持器具の一方の前記部分と係合する、請求項23に記載の機器。
【請求項25】
前記第1椎骨と前記第2椎骨との間に、前記第1保持器具を挿入するために、前記第1保持器具が、外科用具に係合可能な部分を含み、前記第1保持器具の前記部分が、前記外科用具の一部が入る開口を含む、請求項23に記載の機器。
【請求項26】
前記第1保持器具が、第1装着部材および第1保持部材を含み、前記第1保持部材が、前記第1椎骨に係合可能な前記外側表面と、前記芯部の前記第1表面に固定される内側表面とを有し、前記第1装着部材は、前記第1保持器具と第2保持器具とが相対移動すると、前記芯部が係合する、前記芯部に面する前記内側表面を含み、前記第1保持部材が、前記第1保持部材の前記内側表面および前記外側表面を通って延在する開口を有し、前記第1装着部材が前記開口内に配置される、請求項23に記載の機器。
【請求項27】
前記第1椎骨と前記第2椎骨との間の位置への前記第1保持部材の移動を案内するために、前記第1保持部材および前記第1装着部材の一方が、前記第1保持部材および前記第1装着部材の他方に係合可能な案内部を含む、請求項26に記載の機器。
【請求項28】
前記第1装着部材と前記第1保持部材との相対的な移動を防止するために、前記第1装着部材が、前記第1保持部材の円錐台形表面に係合する円錐台形表面を有する、請求項23に記載の機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2007−513711(P2007−513711A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544018(P2006−544018)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041402
【国際公開番号】WO2005/058194
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(506196111)アクシオメッド・スパイン・コーポレーション (2)
【Fターム(参考)】