説明

搬送システム

【課題】省エネルギーを可能にし、環境を脅かさない加熱システムを提供する。
【解決手段】付着する傾向の材料を搬送する搬送システムF、特に道路マットの建設に用いられる舗装材料用の移動式搬送システムFは、搬送チャネル19内に収容される少なくとも1つの搬送要素13を有する。搬送要素13は、少なくとも1つの燃焼機関によって直接的又は間接的に駆動される。搬送システムFは、主に搬送要素13及び/又は搬送システムF用の一次加熱装置Pを有する。搬送システムFは、一次加熱装置Pの負担を少なくとも部分的に軽減するために少なくとも1つの二次加熱装置Sを有する。二次加熱装置Sは、燃焼機関の直接的又は間接的な流出熱で作動される。代替的に、一次加熱装置P、Eと、一次加熱装置Pの負担を少なくとも部分的に軽減するために燃焼機関から生じる流出熱で作動される少なくとも1つの二次加熱装置Sとは連携する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1又は請求項2の前文部分に記載の搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、道路建設用の車両への給送を行うための移動式搬送システムを開示している。この搬送システムは、搬送要素上で例えば高温の瀝青舗装材料を運搬する役割を果たす。搬送要素及び舗装材料は、搬送中に一次加熱装置によって加熱される。一次加熱装置は、液体ガス又は電気で動作する加熱装置であり得る。キャリアローラ(運搬用ローラ)及び偏向ローラ上で進むコンベヤベルトの加熱は、材料が搬送要素及びローラに詰まるか又は付着する傾向を減らすため、その後の清掃作業が簡単になり、且つ/又は清掃サイクルの頻度を減らすことができる。搬送システムが燃焼機関によって駆動される場合、(冷却システム及び排気システムからの、及び同じく熱を発生する他の構成要素からの)エンジン熱が、用いられることなく環境中に放出される。
【0003】
特許文献2は、燃焼機関を用いて高温の瀝青舗装材料混合物を運搬する車両の搬送システムのチャネルの底部を加熱することで、舗装材料の可燃性熱蒸気を吸い出して正の送り圧力で燃焼機関の高温排ガスと混合し、特別な燃焼領域で燃焼させるようにすることを開示している。排ガスの熱及び燃焼プロセスで発生する熱は、搬送チャネルの底部に沿って案内され、続いて大気中に放出される。この加熱システムは、搬送システムの唯一の加熱装置を構成する。燃焼から生じる排ガス及び物質を搬送システムを経て搬送システム外に案内して放出することは、環境上の理由から許され得ない。
【0004】
特許文献3は、自走収穫・脱穀機(self-propelled harvester thresher)において種子殻を搬送するために複数のコンベヤレベルを設けることを開示している。脱穀プロセスに向けて種子殻又は種子の状態を整えるために、燃焼機関から生じる加熱された流出空気は、搬送方向に逆らって搬送レベル及び搬送システム上を滑走する種子殻に供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】ドイツ実用新案第29519718号
【特許文献2】米国特許第7,300,225号
【特許文献3】旧東ドイツ特許第230990号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
冒頭で開示したような種類の搬送システムを提供すること、及び省エネルギーを可能にすると共に環境を脅かさない加熱システムを提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1の特徴又は請求項2の特徴によって達成される。本願発明の搬送システムでは、付着する傾向がある材料を搬送する搬送システムF、特に、道路マットの建設に用いられる舗装材料用の移動式搬送システムFであって、搬送チャネル19内に収容され、少なくとも1つの燃焼機関2によって直接的又は間接的に駆動される少なくとも1つの搬送要素13と、主に搬送要素13及び/又は搬送システムF全体用の一次加熱装置Pとを備え、一次加熱装置Pの負担を少なくとも部分的に軽減するために少なくとも二次加熱装置Sを有し、二次加熱装置Sは、燃焼機関2によって放出される直接的又は間接的な流出熱で作動されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1によれば、設けられている一次加熱装置を少なくとも部分的に解放する(負担を軽減する:relieve)ために、燃焼機関からの流出熱を搬送システムの二次加熱装置において用いる。このようにして、一次加熱装置を作動させるのに必要なエネルギーを減らすことができる。比較的理想的な条件の場合、一次加熱装置を少なくとも一時的に作動させる必要さえない。燃焼機関からの流出熱に加えて、当然ながら、排気システムから生じる熱も用いることができるが、排ガスが二次加熱装置へ直接誘導されることはない。
【0009】
請求項2によれば、搬送システムは、一次加熱装置と燃焼機関からの流出熱を用いる二次加熱装置との組み合わせ(連携)によって、環境を脅かすことなく加熱することができるが、これは、例えば燃焼機関から発電機を介して電力を供給される一次加熱装置を、二次加熱装置によってかなりの程度まで解放することができるか、又は理想的な条件下では一時的に完全に停止させることさえできるからである。エネルギーが二重に節約され、いずれにせよ運転させなければならない燃焼機関からやむを得ず生じる流出熱が搬送システムの二次加熱装置に供給される際に排ガスが直接導入されることがなく、その熱が機関負荷に対して一定の割合であるため、環境への負担が軽減される。その結果、電気一次加熱装置の消費電力が少なくなり、さらに、機関負荷が少ないため燃料消費を減らすことができる。熱の生成中に排ガスが発生しないため、一次加熱装置の動作はいずれにせよ環境を脅かすことがなく、したがって効率が高く、且つ電気的に生成した熱は制御しやすく要求に応じて誘導及び案内することができる。
【0010】
便宜上の実施形態では、燃焼機関から搬送要素の領域まで延びる機関流出熱空気回収及び/又は案内システムが設けられる。回収及び/又は案内システムでは、燃焼機関が放出した流出熱が空気と共に回収され、高温空気流の形態で搬送要素の領域へ誘導される。空気流は、熱エネルギーの担体である。環境を脅かすことなく二次加熱装置を作動させるために、空気流は燃焼機関の排ガスを全く含まない。
【0011】
機関流出熱空気回収及び/又は案内システムは、例えば以下の群:ブレーキ、排ガス管、駆動システムの構成要素、油圧モータ、ポンプ、発電機、変圧器のうち、直接的又は間接的に燃焼機関によって駆動される構成要素が発生する熱も便宜上回収する。これらの構成要素が発生する流出熱は、搬送システム又はその搬送システムが組み込まれている車両の動作中に発生することが不可避であるが、このようにして、この熱が用いられることなく大気中に放出されることが回避される。さらに、構成要素からの熱さえもが二次加熱装置へ誘導されて、搬送システムで、すなわち搬送システムの構成要素で用いられ、場合によっては搬送される材料で用いられることさえある。
【0012】
環境配慮を目的として、搬送システムにおいて電気加熱装置又はガス加熱装置を一次加熱装置として用いるのが得策である。このような加熱システムは、効率がよく環境への負荷がごくわずかしかないことを特徴とする。
【0013】
便宜上の実施形態では、電気一次加熱装置は、燃焼機関によって駆動されることが好ましい少なくとも1つの発電機と、発電機から電力を供給される赤外線発熱要素及び/又は空気加熱体(aerial heating bodies)及び/又は加熱帯又は加熱棒とを備える。このような電気一次加熱装置は、熱を生成するときに排ガスを発生させず、発生した熱を搬送システムのうち熱を最も有効に利用する領域に非常に効率的に入れることができるという利点を提供する。
【0014】
好ましい実施形態では、一次加熱装置は主に搬送要素の上側に関連付けられ、一方で二次加熱装置は主に搬送要素の下側に関連付けられる。代替的に、この配置は逆であってもよい。好ましくは、搬送要素は、上向きに傾斜した搬送チャネルのゴム製コンベヤベルトであり、搬送チャネル内ではゴム製コンベヤベルトがキャリアローラ及び偏向ローラ上に配置される。一次加熱装置は、コンベヤベルトの上フライト(upper flight)、及び場合によっては搬送される材料を加熱すると共に、コンベヤベルトとキャリアローラ又は偏向ローラとの間の領域、すなわち搬送された汚染物質を侵入させる相対移動が生じるような領域を加熱する。例えばすでに付着している材料を自動的に溶かし落とすように加熱するために、また上方から効率的に加熱しながら一次加熱装置の消費エネルギーを少なくするため熱シールドをさらに作るために、二次加熱装置は、例えば、コンベヤベルトの下フライト(lower flight)を加熱しており、キャリアローラ及び偏向ローラと同じく、その下からコンベヤベルトの周囲も加熱する。
【0015】
燃焼機関は、便宜上の実施形態では搬送チャネルの下に位置する機関ステーション内に設けられる。機関ステーションは、絶縁されており、燃焼機関のカプセル化(encapsulation)を形成する。機関ステーションは、熱的効果によって周囲空気を吸い込んで、その吸い込まれた周囲空気を上方に移動させるために、地面に向けられていることが好ましい少なくとも1つの周囲空気入口を有する。周囲空気の導入は、ファンによって補助することもできる。代替的に、上記の付加的な構成要素は、異なる方法で配置されてもよい。さらに、機関ステーションは、例えば燃焼機関と搬送要素の下側との間に位置する機関流出熱空気回収及び/又は案内システムと組み合わせられてもよい。燃焼機関の排気システムは、燃焼機関の動作中に熱を生成する構成要素に属する場合もある。しかしながら、燃焼機関の排ガスが二次加熱装置に直接供給されるのではなく、排気システムから得られ得る熱のみが例えば熱交換器等を用いて二次加熱装置に入れられるため、搬送システムは、環境を脅かし得る有害な機関排ガスを放出しない。このように、二次加熱装置は、搬送システムの流出熱空気加熱装置であり、この加熱装置の動作は、環境を脅かすことがなく燃焼機関の排ガスを伴うこともない。
【0016】
搬送システムは、便宜上、道路舗装機又は供給車両であり得る道路建設機械で用いられる。道路建設機械において、二次加熱装置に流出熱を供給する燃焼機関は、搬送要素だけでなく道路舗装機又は供給車両の駆動構成要素及び機能構成要素の直接的又は間接的な駆動源を構成し得る。燃焼機関は、燃焼機関によって駆動されるか又は供給を受ける複数の消費要素(consumers)があることにより比較的高出力を出力しなければならず、すなわち、燃焼機関は、搬送システム単独を作動させるのに必要なよりも大きな力を出力しなければならないため、燃焼機関は、かなりの量の流出熱を発生し、これは二次加熱装置において、搬送システムを加熱すると共に一次加熱装置を大幅に解放するのに大きく寄与する。このとき、一次加熱装置は完全に停止させることさえできる。
【0017】
本発明の実施形態を、図面を用いて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】移動式搬送システムの概略断面図である。
【図2】図1の搬送システムの一部の概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1及び図2に概略的に示されている搬送システムFは、図示の実施形態では移動式搬送システムFであり、この搬送システムFは、燃焼機関2によって駆動され、燃焼機関を用いて移動することができる。本発明の原理は、移動式ではなく少なくとも1つの燃焼機関を駆動源として、例えば搬送システムFの旋回駆動又は傾斜駆動に用いる搬送システムに用いることもできる。
【0020】
図1及び図2の搬送システムFは、例えば、道路舗装機又は供給車両等の道路建設機械に組み込まれる。燃焼機関2及び搬送システムFは、車台1上に、好ましくは他の具体的に図示されていない構成要素及び機能部品と共に配置することができる。燃焼機関2は、搬送システムFの搬送要素13、例えばキャリアローラ及び偏向ローラ14上に配置されるゴム製コンベヤベルトを直接駆動することができる。搬送要素13は、例えば、歯車機構3によって、又は油圧モータ(図示せず)への供給を行うポンプを含むポンプドライブ4によって駆動される。さらに、燃焼機関2は、道路建設機械Mの他の駆動構成要素8を駆動することができる。従来のように、例えば冷却媒体、放熱器、及びファンを含む、冷却システム9が設けられる。さらに、燃焼機関2は、中間歯車機構によって発電機7を直接駆動することができる。発電機7は、場合によっては、搬送システムFの搬送要素13及び/又は道路建設機械の他の構成要素を電力によって駆動するために少なくとも1つの電気モータへの供給を行う。最後に、詳細には図示されていない排気管を含む燃焼機関2の排気システム5が設けられ、排気管は、例えば熱交換器6と協働し、熱交換器6は、機関から排ガス中に放出される熱の少なくとも一部を得る。燃焼機関2は、ディーゼル機関、ガソリン機関、又はガス機関であり得る。
【0021】
燃焼機関2は、便宜上動作中に同じく熱を発生する上述の構成要素及び機器部品と共に封入機関ステーション10内に収容される。機関ステーション10は、断熱外側シールド11と、例えば周囲空気(矢印17)用の入口開口16とを備えることができ、入口開口16は、例えば地面に面するように配置される。燃焼機関2の冷却システム9は、図示されていない放熱器から機関ステーション10へ流出熱を輸送する強力ファン(図示せず)を備え得る。場合によっては、入口開口16の領域及び/又は加熱空気案内装置18への移行部に、少なくともさらなるファンが設けられ得る。強力ファンは、直接的に(歯車システム又はベルトドライブによって)駆動されてもよく、又は燃焼機関2によって間接的に(電気的に又は油圧式に)駆動されてもよい。
【0022】
機関ステーション10は、搬送システムFの搬送チャネル19の下に、好ましくは搬送チャネル19に近接して配置され、空気案内装置18を介して機関流出(熱)空気回収及び/又は案内システムの一部として、例えば搬送チャネル19の下側領域と連通することで、加熱された流出空気を搬送チャネル19のこの領域に伝達することができるようになる。
【0023】
燃焼機関2及び同じく熱を発生する機器構成要素が発生する流出熱によって加熱された空気は、下方から且つ/又は横方向に搬送要素13並びにキャリアローラ及び偏向ローラ14へ、そして主に搬送要素13の下フライト13aの表面に対しても流れている(矢印12)。
【0024】
搬送要素13は、必ずしもキャリアローラ及び偏向ローラ上に配置されているゴム製コンベヤベルトである必要はなく、その代わりに搬送オーガ(auger)、スラット(slat)ベルトコンベヤ、金属織物帯等であってもよい。搬送システムFは、道路マットの建設に用いられる加熱された瀝青舗装材料のような、搬送中に付着する傾向がある材料を搬送する役割を果たすことが好ましい。
【0025】
搬送システムFは、搬送要素13及び搬送要素13上で搬送される材料に関連付けられる一次加熱装置Pを有し、これは搬送チャネル19のキャリアローラ及び偏向ローラ14にも関連付けられる。一次加熱装置Pは、例えば上及び/又は下から搬送要素13に関連付けられる。一次加熱装置Pは、例えば電気一次加熱装置E又はガス加熱装置Gである。電気一次加熱装置Pの場合、加熱装置Pは、例えば発熱体として赤外線放熱器、放射加熱体、加熱棒、加熱帯15等を含み、これらは例えば燃焼機関2によって駆動される発電機7から電力を供給される。
【0026】
好ましくは、一次加熱装置Pは、搬送要素13の上側に関連付けられる。反対に、機関流出熱(空気)回収及び/又は案内システムは、図示の実施形態では主に搬送要素13の下側又は搬送チャネル19内の下フライト13aに関連付けられる二次加熱装置Sの熱源としての役割を果たす。一次加熱装置Pに必要なエネルギー入力を減らすために、又は一次加熱装置Pを場合によっては完全に停止させることさえ可能にするために、二次加熱装置Sは、機関から生じる流出熱を用いてできる限り一次加熱装置Pを解放するように設けられ、この流出熱は発生が不可避であり適宜回収及び誘導される。搬送システムFに対する加熱装置P、Sの相対的配置は、代わりに逆さにしてもよく、又は完全に異なるように選択されてもよい。
【0027】
本発明の重要な態様は、環境を脅かすことなく一次加熱装置P、Eを少なくとも部分的に解放するために、一次加熱装置P、Eと機関から生じる流出熱で作動される二次加熱装置Sとの組み合わせを機能的に関連付けることである。二次加熱装置Sは、この組み合わせで一次加熱装置の大幅な省エネルギーを可能にする。この組み合わせでは、一次加熱装置Pは環境を脅かすことなく動作している。
【0028】
図2の図では、周囲空気用の入口開口16が空気案内システムの下方領域において機関ステーション10の後端に位置する様子を見ることができる。機関流出熱(空気)回収及び/又は案内システムの空気案内装置18は、機関ステーション10から搬送チャネル19まで、そして主に搬送要素13の下フライト13aまで延び、加熱空気12を搬送要素13に流す。この場合、搬送システムFは、ゴム製コンベヤベルトがキャリアローラ及び偏向ローラ14上に配置されている上向きに延びるコンベヤとすることができる。ローラ14は、ゴム製コンベヤベルトのトラフ(trough)を形成するために互いに対して傾き得る。便宜上、搬送チャネル19は上側が覆われている。
【0029】
供給車両において搬送システムFを実施する場合、搬送システムFは、供給車両の材料ホッパから供給車両の後方又は側方にずれて移動している道路舗装機の材料ホッパに、加熱された瀝青舗装材料を搬送する役割を果たす。場合によっては、異なる種類の舗装材料を搬送するか又は複数の道路舗装機に同時に舗装材料を供給するために、供給車両に2つの搬送システムFが設けられてもよい。代替的に、搬送システムFは、道路舗装機に挿入されてもよく、この場合、道路舗装機の舗装スクリードを越えて第1の道路舗装機の後方で作業している道路舗装機に一種類の舗装材料を供給する上向きに傾斜したコンベヤであってもよい。別の場合では、搬送システムは、道路舗装機のシャーシに配置された従来の搬送システムであってもよい。この搬送システムは、道路舗装機の前端に位置する材料ホッパから道路舗装機のシャーシを通して、シャーシの後端とシャーシの後端に配置されている分配オーガ(auger)の前方の場所とに舗装材料を搬送する。
【0030】
一次加熱装置P及び/又は二次加熱装置Sによって加熱しながら搬送システムFを作動させることにより、搬送される材料が搬送要素13及び搬送要素13の案内構成要素に付着する作用が減る。この作用は、少なくとも清掃作業がより行いやすくなるか又は清掃サイクルの頻度を減らすことができる程度までなくすことさえできる。例えば、搬送システムFの構成要素は、最初に両方の加熱装置P、Sによって加熱される。二次加熱装置Sは、常に全出力で作動される。一次加熱装置Pは、例えば特定の温度を維持するために調節され、最終的には、二次加熱装置Sが単独でその温度を実質的に保持できるようになるとすぐに完全に停止させることができる。
【0031】
図1及び図2に示す実施形態では、できる限り多くの流出熱を回収すると共に、回収された流出熱を二次加熱装置Sで用いることを可能にするために、動作中に熱を生成する燃焼機関2の構成要素及び燃焼機関2によって駆動されるシステムの構成要素の事実上全てが、例えば機関ステーション10内で組み合わせられる。しかしながら、その代わりに、より少数の構成要素の流出熱、又は冷却システムを含む燃焼機関2の構成要素のみの流出熱が、二次加熱装置Sへの供給に用いられてもよい。便宜上、燃焼機関2の排ガスシステムは、通常は用いられない多くの熱を発生するため、これも組み込まれる。この熱は、排ガスが搬送チャネル19へ直接案内されるように単純な方法で用いることができる。しかしながら、これは環境上の理由から得策ではない。したがって、環境上の理由から、排ガスの熱の少なくとも一部は、少なくとも1つの熱交換器によって得られてから二次加熱装置Sに供給される。
【符号の説明】
【0032】
F 搬送システム
P、E 一次加熱装置
S 二次加熱装置
2 燃焼機関
7 発電機
13 搬送要素
18 空気案内装置(機関流出熱空気回収及び/又は案内システム)
19 搬送チャネル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
付着する傾向がある材料を搬送する搬送システム(F)、特に、道路マットの建設に用いられる舗装材料用の移動式搬送システム(F)であって、
搬送チャネル(19)内に収容され、少なくとも1つの燃焼機関(2)によって直接的又は間接的に駆動される少なくとも1つの搬送要素(13)と、
主に前記搬送要素(13)及び/又は前記搬送システム(F)全体用の一次加熱装置(P)とを備え、
前記一次加熱装置(P)の負担を少なくとも部分的に軽減するために少なくとも二次加熱装置(S)を有し、
前記二次加熱装置(S)は、前記燃焼機関(2)によって放出される直接的又は間接的な流出熱で作動されることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
付着する傾向がある材料を搬送する搬送システム(F)、特に、道路マットの建設に用いられる舗装材料用の移動式搬送システム(F)であって、
搬送チャネル(19)内に収容され、少なくとも1つの燃焼機関(2)によって直接的又は間接的に駆動される少なくとも1つの搬送要素(13)と、
主に前記搬送要素(13)及び/又は前記搬送システム(F)全体用の一次加熱装置(P)とを備え、
一次加熱装置(P、E)と、前記一次加熱装置(P、E)の負担を少なくとも部分的に軽減するために、前記燃焼機関(2)によって放出される流出熱で作動される少なくとも1つの二次加熱装置(S)とが連携することを特徴とする搬送する搬送システム。
【請求項3】
前記燃焼機関(2)から前記搬送要素(13)の領域まで延びる機関流出熱空気回収及び/又は案内システム(10、18)が設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記機関流出熱空気回収及び/又は案内システム(10、18)は、前記燃焼機関(2)によって放出される流出熱に加えて、構成要素の群の駆動構成要素、ブレーキシステム、排気管、油圧モータ、油圧ポンプ、発電機、変圧器等のうち、前記燃焼機関(2)によって直接的又は間接的に駆動される少なくとも1つの発熱する前記構成要素によって発生される熱を、前記搬送要素(13)の領域に供給することを特徴とする請求項3に記載の搬送システム。
【請求項5】
前記二次加熱装置のみ(S)が、前記燃焼機関(2)の排ガスを直接導入することなく、前記燃焼機関(2)によって放出される直接的又は間接的な流出熱で作動されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
【請求項6】
前記一次加熱装置(P)は、電気加熱装置(E)及び/又はガス加熱装置(G)であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の搬送システム。
【請求項7】
前記電気加熱装置の前記一次加熱装置(P、E)は、前記燃焼機関(2)によって駆動されることが好ましい少なくとも1つの発電機(7)と、赤外線放熱器(15)及び/又は放射加熱体及び/又は加熱帯又は加熱棒とを備えることを特徴とする請求項6に記載の搬送システム。
【請求項8】
前記一次加熱装置(P)は、主に前記搬送要素(13)又は前記搬送チャネル(19)の片側に機能的に関連付けられ、
前記二次加熱装置(S)は、主に前記搬送要素(13)又は前記搬送チャネル(19)の別の側に、好ましくは、上向きに傾斜したコンベヤのゴム製コンベヤベルトの上側又は下側に機能的に関連付けられ、
前記ゴム製コンベヤベルトは、キャリアローラ及び偏向ローラ(14)に取り付けられることを特徴とする請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項9】
少なくとも前記燃焼機関(2)は、機関ステーション(10)に封入され、
前記機関ステーション(10)は、周囲空気用の少なくとも1つの入口開口(16)、好ましくは地面に面する入口開口(16)を有することを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項10】
前記二次加熱装置(S)は、熱的に生成されるか又は能動的に補助される流出熱加熱空気流で作動される被加熱空気による加熱装置であり、前記燃焼機関(2)の排ガスを伴わずに動作していることを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項11】
前記搬送システムは、道路舗装機又は供給車両のような道路建設機械(E)に搭載され、
前記二次加熱装置(S)の熱源を形成する前記燃焼機関(2)は、前記道路舗装機又は前記供給車両及び前記搬送システム(F)の駆動構成要素及び機能構成要素の直接的又は間接的な駆動源を構成することを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の搬送システム。
【請求項12】
前記搬送要素(13)及び/又は前記搬送システム(F)は、少なくとも前記一次加熱装置(P)によって前記搬送要素(13)及び/又は前記搬送システム(F)を最初に加熱した後で、前記一次加熱装置(P)を停止させて前記二次加熱装置(S)のみによって少なくとも一時的に加熱されることを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−43521(P2010−43521A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−118417(P2009−118417)
【出願日】平成21年5月15日(2009.5.15)
【出願人】(596068349)ヨゼフ フェゲーレ アーゲー (35)
【Fターム(参考)】