説明

搬送装置

【課題】弾性のあるニップロールを用いてもシワが寄らないような搬送装置を提供する。
【解決手段】薄膜50に複数条の被塗工部50aを形成する際に、弾性を有する弾性ニップロール61を用いて薄膜50のテンションを維持しつつ薄膜50を搬送する搬送機構60において、薄膜50の搬送方向に添って形成された被塗工部50a間に位置する非塗工部50bと、弾性ニップロール61の表面との接触を抑制する抑制手段を、弾性ニップロール61に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄膜を搬送する技術に関し、詳しくは薄膜に対して複数条の被塗工部を形成するグラビア塗工装置に用い、薄膜にシワが発生しないように搬送する搬送装置についての技術である。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの電子機器の電源として二次電池が用いられ、車載用の電源としても二次電池の利用が検討されている。それに伴い、二次電池の大容量化や高出力化及び軽量化の要請も高くなってきた。
このような背景により、リチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池などの各種二次電池の開発が進められている。
【0003】
二次電池の製法としては、金属製の芯材(箔)に活物質を塗布して巻き、電池の電極板として用いる方法が知られている。活物質を塗布した被塗工部の表面にさらに多孔質絶縁膜からなる保護膜を形成する。
このような芯材に保護膜等を塗布する方法は色々提案されているが、膜厚の均一性を保つためにはグラビア塗工装置を用いて塗工材を塗布する方法が考えられる。芯材に形成される被塗工部の厚みが薄い場合は、グラビア塗工装置を用いると有利なためである。
【0004】
グラビア塗工装置を用いて芯材に活物質や保護膜等の塗工材を塗布する場合には、以下のような流れとなる。
まず、グラビア塗工装置を用いて塗工材を芯材に塗布する。その後、被塗工部を乾燥・圧縮処理を行う。最後に、切断加工して所望の大きさの二次電池の電極板を製造する。
このような、グラビア塗工装置によって塗工材を塗布する方法を用いる場合、塗工材を塗布した薄膜を搬送する搬送方法が問題となる。
薄膜を搬送する際に問題となるのは、薄膜の搬送中の蛇行や切断等が大きな問題となるが、被塗工面を形成した後の薄膜については別の問題も発生する。搬送時に薄膜に形成された被塗工面に沿ってシワが形成されるのである。
【0005】
特許文献1では、非水電解液二次電池の製造方法についての発明が開示されている。
特許文献1では、グラビア塗工装置ではなく塗工ダイを用いたダイコーティングであると考えられるが、基材となる薄膜上に塗工材を塗工している。薄膜の両端部分を残して被塗工部を薄膜表面に形成した後、プレスロールを用いて薄膜の表裏の両側から加圧して塗工材の密度を高める。薄膜の塗工されない部分は二次電池の電極となった際にリード部分となる。
【0006】
この際に、薄膜を送りながらプレスするため、プレスロールも回転させつつ加圧することになるが、加圧時に薄膜に形成された被塗工部と非塗工部の境界部分に段差があることで、薄膜上に形成された被塗工部と塗工されていない非塗工部との境界部分に細かいシワや亀裂が発生してしまうことが問題となる。このシワは二次電池の品質に影響を及ぼすため、発生させることは好ましくない。
このシワや亀裂は、プレスロールによる圧縮力が被塗工部にかかることで伸びが発生するのに対し、非塗工部には圧縮力がかからないために伸びが発生しないことが原因で発生する。
そこで、特許文献1ではプレスロールの表面に被塗工部の幅に対応した段差を設け、被塗工部も非塗工部もプレスロールによって同様に圧縮力を加えることでこの問題を解決している。
【0007】
【特許文献1】特開2000−251942号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1には、以下のような課題があると考えられる。
特許文献1に開示される技術は、プレスロールのように金属製の合成の高いローラに用いる場合には有効だと考えられるが、搬送用のニップロールのようにゴム等を用いた弾力を備える搬送用ローラに用いることは困難である。
これは、薄膜搬送中に弾性を有するニップロールが押圧されて変形するために、非塗工部を押圧するようにローラ表面に凹凸を設けると、弾性変形により潰れたニップロールの肉が被塗工部側にはみ出てくるなど、却ってシワや破れに悪影響が出る虞があるためである。
【0009】
そこで、本発明はこのような課題を解決するために、弾性のあるニップロールを用いてもシワが寄らないような搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために、本発明による搬送装置は以下のような特徴を有する。
(1)薄膜に複数条の被塗工部を形成する際に、弾性を有するニップロールを用いて前記薄膜のテンションを維持しつつ前記薄膜を搬送する搬送装置において、
前記薄膜の搬送方向に添って形成された前記被塗工部間に位置する非塗工部と、前記ニップロールの表面との接触を抑制する抑制手段を、前記ニップロールに設けたことを特徴とする。
【0011】
(2)(1)に記載の搬送装置において、
前記抑制手段として、前記非塗工部の位置に対応して、前記ニップロールに小径部が設けられたことを特徴とする。
【0012】
(3)(1)に記載の搬送装置において、
前記抑制手段として、前記ニップロールの表面に、前記ニップロール本体よりも弾性が低い低弾性部材が設けられたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
このような特徴を有する本発明による搬送装置により、以下のような作用、効果が得られる。
まず、(1)に記載される発明は、薄膜に複数条の被塗工部を形成する際に、弾性を有するニップロールを用いて薄膜のテンションを維持しつつ薄膜を搬送する搬送装置において、薄膜の搬送方向に添って形成された被塗工部間に位置する非塗工部と、ニップロールの表面との接触を抑制する抑制手段を、ニップロールに設けたものである。
【0014】
薄膜搬送の為には、蛇行やシワなどを防ぐためにも搬送中の薄膜のテンションを維持することが重要である。このテンションを維持し、ローラ間のテンションを区切る役割を果たすのがテンションコントローラとは別に用意されるニップロールと呼ばれる弾性部材を用いたローラである。
このニップロールの表面に非塗工部に対応して設けられる、ニップロールと非塗工部との接触を抑制する抑制手段を備えている。
非塗工部との接触を抑制する抑制手段をニップロールに設けることで、特許文献1に示すように積極的に接触させるのではなく、逆に抑制手段によって、ニップロールと非塗工部とが接触しないようにする。このことで、非塗工部には圧縮力がかからなくなり、被塗工部との圧縮力の差による影響を抑制できるので、薄膜に発生する非塗工部と被塗工部との境界に発生するシワや破れを抑制することが可能となる。
【0015】
ニップロールでの搬送は、ニップロールが弾性変形する程度に加圧して搬送するため薄膜に圧縮力を加える点ではプレスロールと同様ではあるが、加える圧縮力は異なる上に弾性変形するという点でもプレスロールと弾性を有するニップロールでは事情が異なる。
薄膜はニップロールの外周面に接しているが、非塗工部と被塗工部との境界部分には段差があるために、抑制手段が無いと弾性を有するニップロールの変形によって、薄膜は非塗工部と被塗工部との間にある段差の部分で薄膜を伸ばすような無理な力を加えることになる。
したがって、非塗工部にニップロールが接触しない抑制手段を備えることで、非塗工部に中途半端に圧縮力を発生させることが無く、シワや破れの抑制を可能とする。
【0016】
また、(2)に記載される発明は、(1)に記載の搬送装置において、抑制手段として、非塗工部の位置に対応して、ニップロールに小径部が設けられたものである。
抑制手段としてニップロールに小径部を設けることで、ニップロールが薄膜に当接して弾性変形しても、非塗工部にニップロールの小径部が接触しないようにすることができる。
非塗工部にニップロールが接触しないことで、(1)に記載したように非塗工部と被塗工部との境界部分の付近にシワや破れが発生することを抑制することが可能となる。
【0017】
また、(3)に記載される発明は、(1)に記載の搬送装置において、抑制手段として、ニップロールの表面に、ニップロール本体よりも弾性が低い低弾性部材が設けられたものである。
弾性を有するニップロールの表面に低弾性部として例えばPTFE製の熱収縮チューブを設けることで、ニップロール表面の弾性変形を抑えることが可能となり、結果的に非塗工部にニップロールを接触させない抑制手段として作用させることができる。
また、表面の低弾性部材よりも内側は弾性を有するため、薄膜に被塗工部を介して圧縮力を加えることができ、ニップロールとしての機能を損なうことなく、薄膜の搬送が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
まず、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1に、第1実施形態のグラビア塗工装置10の概略側面図を示す。図2に、グラビア塗工装置10の概略正面図を示す。
グラビア塗工装置10は、シートである薄膜50に活物質等の塗工材18を塗工するための装置である。薄膜50は、リチウムイオン電池に用いられる基材であり、数十μm程度の厚みの銅箔、或いはアルミニウム箔である。塗工される塗工材18は数Pas程度の粘度を有するアルミナが混入された液体である。塗工材18は薄膜50上に数μm程度の厚みで塗布され、後述する塗工膜50aが一定の膜厚で形成される。この塗工膜50aは、二次電池に用いられる活物質の表面上に塗られて形成されるか、あるいは活物質の下に塗布され、その上に活物質の層が形成される。
活物質層及び塗工膜50aは3条ずつ薄膜50の両側に形成される。
【0019】
グラビア塗工装置10はベース11の上に取り付けられた支持筐体12と、支持筐体12に支持されるアーム13と、支持機構30の上部に配置される塗工機構部20よりなる。
薄膜50は複数のローラに通され、塗工機構部20に備えるグラビアロール21と、アーム13に備えられる押圧ローラ14の間にも通されている。この結果、薄膜50は押圧ローラ14によってグラビアロール21側にテンションがかけられた状態となる。
グラビア塗工装置10の前工程には、図示しないダイコーティング装置が備えられている。そして、薄膜50の一方の面に活物質を塗工する。
グラビア塗工装置10の後工程にも、ダイコーティング装置が備えられ、薄膜50の他方の面に活物質を塗工し、さらに別途設けられるグラビア塗工装置10で、塗工膜50aが形成された後、分割されて図示しないボビンに電極用薄膜51を巻き取っていく。なお、塗工後の工程には図示しない乾燥炉が設けられている。
【0020】
グラビアロール21は、図2に示すように塗工機構部20に備えられ、カップリング36を介して駆動モータ35が接続されている。この駆動モータ35には、サーボモータ等の回転を制御可能なモータが用いられることが好ましい。
グラビアロール21は駆動モータ35から動力を得て回転する。そして、送られていく薄膜50の表面に、グラビアロール21が塗工材18を塗工していく。グラビアロール21には3条を同時に塗工できるように塗工部が3箇所設けられており薄膜50の表面に被塗工部50aと非塗工部50bを形成する。
【0021】
図3に、搬送機構60の斜視図を示す。また、図4に、搬送機構60の平面図を示す。また、図5に、図4の拡大図を示す。
搬送機構60は、弾性ニップロール61と、剛性ニップロール62とを有する。
弾性ニップロール61は、NBRなどの弾性力を有するゴムで構成されるニップロールであり、その硬度は90程度である。剛性ニップロール62は、スチール製のニップロールである。
弾性ニップロール61は回転可能にグラビア塗工装置10に保持されており、図示しない昇降装置によって剛性ニップロール62に対して近接離間することができる。剛性ニップロール62も回転可能にグラビア塗工装置10に保持されている。
【0022】
弾性ニップロール61と剛性ニップロール62の間には、被塗工部50aの形成された薄膜50が通されている。そして、剛性ニップロール62に対して弾性ニップロール61を押し付け加圧される。
弾性ニップロール61には、大径部61aと小径部61bが設けられている。大径部61aに対して小径部61bの径は、弾性ニップロール61に備えられる昇降装置によって剛性ニップロール62側に押し付けられた時に大径部61aが弾性変形して潰れても小径部61bが薄膜50に接触しない程度に設定されている。実際には数mm程度の段差を設けてあれば良い。また、大径部61aの端部はR加工がされている。
【0023】
このような搬送機構60は、グラビア塗工装置10に複数箇所設けられており、グラビア塗工装置10の後工程に設けられている図示しない乾燥炉や巻取り装置などにも、搬送機構60は備えられている。
ただし、ダイコーティングする前の状態の薄膜50に用いる搬送機構60には、弾性ニップロール61に示すような小径部61bを必要としない。
グラビア塗工装置10は、薄膜50に3条の被塗工部50aを形成する。この際に、薄膜50のテンションを維持するために搬送機構60を用いる。薄膜50のテンションは搬送機構60によって区切られ、各区間でテンションがコントロールされる。
【0024】
第1実施形態のグラビア塗工装置10は上記構成となっているので、以下に説明する作用、効果を示す。
まず、第1の効果として、薄膜に発生する非塗工部と被塗工部との境界に発生するシワや破れを抑制することが可能となる点が挙げられる。
第1実施形態のグラビア塗工装置10は、薄膜50に複数条の被塗工部50aを形成する際に、弾性を有する弾性ニップロール61を用いて薄膜50のテンションを維持しつつ薄膜50を搬送する搬送機構60において、薄膜50の搬送方向に添って形成された被塗工部50a間に位置する非塗工部50bと、弾性ニップロール61の表面との接触を抑制する抑制手段を、弾性ニップロール61に設けたものである。
【0025】
また、抑制手段として、非塗工部50bの位置に対応して、弾性ニップロール61に小径部61bが設けられている。
このように、弾性ニップロール61に抑制手段である小径部61bが設けられることで、弾性ニップロール61が剛性ニップロール62に対して押し付けられたときに、弾性ニップロール61が変形したとしても、薄膜50の非塗工部50bを加圧しないため、不要な変形が発生しない。その結果、シワや破れの要因を低減させることができる。
図6に、小径部61bを設けない弾性ニップロール61で塗工された薄膜50を押圧する場合の模式図を示す。図7は、図6の断面図である。
弾性ニップロール61に小径部61bが設けられていない場合、弾性ニップロール61が弾性変形することによって、図7に示すように非塗工部50bを押圧することになる。薄膜50は剛性ニップロール62に押し付けられ、剛性ニップロール62の表面に沿って搬送されることになる。
【0026】
この結果、図6に示すように被塗工部50aと非塗工部50bの境界部分にシワ55が発生することになる。これは、図7に示すように、弾性ニップロール61によって剛性ニップロール62に押し付けられて搬送することで、非塗工部50bが伸ばされ、変形してしまうことによる。
特に、薄膜50は弾性ニップロール61に沿って曲げられていることが多いため、被塗工部50aと非塗工部50bでは、周長に被塗工部50aの層の厚み分だけ周長に差が出る。
このため、被塗工部50aと非塗工部50bの境界部分にストレスがかかることになりシワ55の発生に繋がってしまう。
【0027】
しかしながら、弾性ニップロール61に小径部61bを設けておくことで、弾性ニップロール61が弾性変形しても小径部61bは非塗工部50bに接触せず、非塗工部50bを変形させることがないので、被塗工部50aと非塗工部50bとの境界部分にストレスがかかり難くなり、シワ55の発生を抑えることが可能となる。
薄膜50には、被塗工部50aが両面に設けられているため、この影響が生じやすい。被塗工部50aの層の厚みは数十μm程度ではあるが、この程度の段差でも弾性ニップロール61の弾性変形によって、影響を受けシワ55を発生させてしまうので、このような簡易な抑制手段を弾性ニップロール61に設けておくことが望ましい。
【0028】
また、弾性ニップロール61の変形に関する配慮としては、弾性ニップロール61の大径部61aの端部をR加工している点も上げられる。図5に示すように、大径部61aの端部をR加工しておけば、弾性ニップロール61の表面が弾性変形を起こした場合、薄膜50の表面に塗工される被塗工部50aのエッジ部分に悪影響を及ぼしにくいと考えられる。
弾性ニップロール61の大径部61aをシャープなエッジのままにしておくと、弾性ニップロール61の弾性変形による余分な肉が薄膜50の表面に対して押圧する虞を避けられる。
【0029】
また、第2の効果として弾性ニップロール61の施工性が用意である点が挙げられる。
弾性ニップロール61の表面に小径部61bを設けることは比較的容易である。弾性ニップロール61は、金属製の芯に対して大径部61a及び小径部61bとなるNBR等の弾性部材を貼り付け、最終的に表面をバイトや砥石などを用いて成形され、回転時に外径がぶれないように加工される。この際に、小径部61bの部分をバイトなどで削り取ることで、小径部61bを形成できる。
また、弾性ニップロール61に対する初期投資だけで良いので、ランニングコストに関しても削減可能になる。
【0030】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
(第2実施形態)
第2実施形態のグラビア塗工装置10は第1実施形態のグラビア塗工装置10の構成に落とほぼ同じであるただし、弾性ニップロール61の構成が若干異なる。
第2実施形態の弾性ニップロール61はその表面に、低弾性部材である低弾性皮膜65が設けられている。低弾性皮膜65はPTFE製の熱収縮チューブなどを用いることが考えられる。
弾性ニップロール61の外周面に低弾性皮膜65を設けることで、弾性ニップロール61は表面が堅く、内部が柔らかい状態になる。
【0031】
第2実施形態のグラビア塗工装置10は上記構成であるので、以下に説明するような作用、効果を奏する。
第2実施形態のグラビア塗工装置10は、抑制手段として、弾性ニップロール61の表面に、弾性ニップロール61本体よりも弾性が低い低弾性部材として低弾性皮膜65が設けられている。
このため、弾性ニップロール61で剛性ニップロール62側に加圧した場合に、弾性ニップロール61の表面が低弾性皮膜65によって変形を抑えられるため、非塗工部50bを低弾性皮膜65で押圧することが無く、シワ55の発生を抑えることができる。
【0032】
低弾性皮膜65の利点は弾性ニップロール61への施工が容易である点にある。低弾性皮膜65の厚みはそれ程必要ないので、弾性ニップロール61を共通化できる。
また、弾性ニップロール61の弾性力自体は失われないため、薄膜50に対する保持力は失われず搬送機構60の本来の目的である薄膜50のテンションを区切り、維持する機能を果たすことが可能となる。
【0033】
以上、本実施形態に則して発明を説明したが、この発明は前記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で構成の一部を適宜変更することにより実施することもできる。
例えば、第1実施形態では弾性ニップロール61の材質や硬度、及び第2実施形態の低弾性皮膜65の材質などを示しているが、これに限定されるものではない。特に第2実施形態では、低弾性皮膜65の硬度とのバランスによって弾性ニップロール61の弾性を柔らかめに設定した方が高い効果が得られると考えられる。適宜変更することを妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】第1実施形態の、グラビア塗工装置の側面図である。
【図2】第1実施形態の、グラビア塗工装置の正面図である。
【図3】第1実施形態の、搬送機構の斜視図である。
【図4】第1実施形態の、搬送機構の正面図である。
【図5】第1実施形態の、図4の拡大図である。
【図6】段差のない弾性ニップロールを用いた場合の上面視図である。
【図7】段差のない弾性ニップロールを用いた場合の断面図である。
【図8】第2実施形態の、弾性ニップロールの断面図である。
【図9】第2実施形態の、搬送機構の正面図である。
【符号の説明】
【0035】
10 グラビア塗工装置
11 ベース
12 支持筐体
13 アーム
14 押圧ローラ
18 塗工材
20 塗工機構部
21 グラビアロール
30 支持機構
35 駆動モータ
36 カップリング
50 薄膜
50a 被塗工部
50b 非塗工部
51 電極用薄膜
55 シワ
60 搬送機構
61 弾性ニップロール
61a 大径部
61b 小径部
62 剛性ニップロール
65 低弾性皮膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜に複数条の被塗工部を形成する際に、弾性を有するニップロールを用いて前記薄膜のテンションを維持しつつ前記薄膜を搬送する搬送装置において、
前記薄膜の搬送方向に添って形成された前記被塗工部間に位置する非塗工部と、前記ニップロールの表面との接触を抑制する抑制手段を、前記ニップロールに設けたことを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送装置において、
前記抑制手段として、前記非塗工部の位置に対応して、前記ニップロールに小径部が設けられたことを特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項1に記載の搬送装置において、
前記抑制手段として、前記ニップロールの表面に、前記ニップロール本体よりも弾性が低い低弾性部材が設けられたことを特徴とする搬送装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−280355(P2009−280355A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−134477(P2008−134477)
【出願日】平成20年5月22日(2008.5.22)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】