説明

携帯型磁粉探傷装置

【課題】紫外線発光による蛍光磁粉模様を基に探傷する検査に際して必要な装置全部を容易に携帯可能にして、肉体的な負担を一層軽減して作業効率をさらに向上させ得る携帯型磁粉探傷装置を提供する。
【解決手段】励磁コイルL1が巻回され、かつ先端部が検査対象物の表面にセットされる一対の磁極ヘッド1aとして形成されたコアを備えた磁化器1と、それぞれバッテリ51を電源として磁化用励磁電圧を励磁コイルL1に出力する磁化用励磁回路及び励磁電流レベルを漸次減少させる交流の脱磁用励磁電圧を出力する脱磁用励磁回路としてのインバータ52及び励磁モード選択スイッチS3を収納するコントロールボックス5と、磁化領域に紫外線を照射する紫外線光源2とを備える。磁化器1、コントロールボックス5及び紫外線光源2は、一体もしくは別体で携帯可能に構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、励磁コイルが巻回され、かつ先端部が検査対象物の表面にセットされる一対の磁極ヘッドとして形成されたコアを備えた磁化器により検査対象物を磁化して、紫外線発光による蛍光磁粉模様を基に探傷するためのバッテリ内蔵の携帯型磁粉探傷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の磁粉式探傷装置として、特許文献1により、励磁コイルを備えた探傷磁化器である磁化器或は紫外線光源を、交流商用電源に代えて、バッテリで駆動する携帯可能な磁粉探傷装置が開示されている。これにより、電源ケーブルを引込むことができない場所においても装置を携帯により移動させて探傷することができる。
【特許文献1】特開平11−237368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、この携帯可能な磁粉探傷装置は、関連装置の紫外線光源、検査後に検査領域の脱磁を必要により行う脱磁装置等は別体にするのを前提にしている。その外、通常検査データを残すために検査領域の撮像装置も必要になる。したがって、関連装置の全部を手持ちで移動させるには、作業効率が悪く、長時間にわたる検査の場合には肉体的負担が大きく、依然改良の余地が残されている。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みて、検査に際して必要な装置全部を容易に携帯可能にして、肉体的な負担を一層軽減して作業効率をさらに向上させ得る携帯型磁粉探傷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、この目的を達成するために、請求項1により、励磁コイルが巻回され、かつ先端部が検査対象物の表面にセットされる一対の磁極ヘッドとして形成されたコアを備えた磁化器により検査対象物を磁化して、紫外線発光による蛍光磁粉模様を基に探傷するためのバッテリ内蔵の携帯型磁粉探傷装置において、それぞれバッテリを電源として磁化用励磁電圧を励磁コイルに出力する磁化用励磁回路及び励磁電流レベルを漸次減少させる交流の脱磁用励磁電圧を出力する脱磁用励磁回路と、磁化用励磁電圧又は脱磁用励磁電圧を励磁コイルに選択的に出力させる励磁モード選択スイッチとを備えると共に、少なくとも脱磁用励磁回路は、スイッチング制御回路でスイッチング制御されるスイッチング素子を備えたインバータで構成されることを特徴とする。
【0006】
任意の周波数の交流で磁化するには、請求項2により、磁化用励磁回路が、脱磁用励磁回路と共通のインバータで構成されると共に、スイッチング制御回路が、一定振幅の交流の磁化用励磁電圧を出力させるための磁化用スイッチング制御信号と、脱磁用スイッチング制御信号とを励磁モード選択スイッチの操作に応答して選択的に出力する。磁化コイルの直流抵抗に対応した直流電流を供給するには、請求項3により、励磁モード選択スイッチの脱磁モードの選択操作に応答してインバータの出力端に平滑コンデンサが接続されると共に、磁化用スイッチング制御信号で制御されるスイッチング素子の導通角が、平滑コンデンサから出力すべき直流電圧レベルに応じて設定される。商用電源電圧で直接磁化する場合、好ましくは、請求項4により、励磁コイルに商用電源電圧が直接印加されるように、商用電源ケーブルのコネクタが装着されるソケットを備えると共に、磁化用スイッチング制御信号の周波数が、商用電源電圧の直接印加による場合と、磁化用励磁回路による場合と同程度の励磁電流レベルになるように、バッテリ電源電圧と商用電源電圧との比に応じて設定される。
【0007】
装置全体を容易に携帯可能にするには、請求項5により、携帯可能な磁化器と、この磁化器にそれぞれ支持されて、一対の磁極ヘッド間の探傷領域に紫外線を照射する紫外線光源及び探傷領域を撮像するモニタカメラと、その画像を出力表示する携帯可能なモニタユニットと、腰ベルトに装着されるコントロールボックスとで構成され、このコントロールボックスに、バッテリと、磁化用励磁回路及び脱磁用励磁回路磁化用励磁回路と、モニタユニットに出力表示されている画像データを格納し、かつバッテリを電源とするメモリ回路とが収納されると共に、励磁モード選択スイッチと、オン操作によりモニタユニットから信号ケーブル介して画像データをメモリ回路に取込ませる画像取込み指令スイッチとが設けられる。小型で、かつ取扱いの容易な磁化器としては、請求項6により、磁化器が、U字形のコアに対応した形状に形成され、両側のコア脚部の先端部が一対の磁極ヘッドとして形成されて磁化器の脚部の底面から突出し、磁化器の基部の底面に一対のキャスタが下設され、脚部間に紫外線光源及びモニタカメラが配置される。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、バッテリの内蔵により電源ケーブル無しで携帯・探傷が可能になると共に、バッテリ駆動のインバータで脱磁を行うことにより脱磁装置を別途に移動させる必要もなくなる。インバータで磁化する場合、任意の周波数で磁化でき、逆にバッテリを電源とする直流電流で深く磁化することもできる。請求項2の発明によれば、スイッチング制御信号の切換により、インバータを共用して交流磁化も可能になる。請求項3の発明によれば、インバータのスイッチング素子の導通角を制御して平滑することにより、励磁コイルの直流抵抗に適合した直流励磁電圧が出力可能になる。請求項4の発明によれば、励磁コイルに商用電源電圧を直接印加する場合に、バッテリ駆動による交流磁化電圧と同程度の励磁電流レベルにすることができる。請求項5の発明によれば、バッテリ収納のコントロールボックスを腰ベルトに装着し、紫外線光源及びモニタカメラが一体化された磁化器及びモニタユニットを手で持つことにより、探傷に必要な装置全体を携帯して容易に移動できる。磁化後のモニタ作業も簡単になる。請求項6の発明によれば、磁化器が一層コンパクトに構成され、磁極ヘッドを浮かせた状態で磁化器の位置の微調整がスムーズになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1乃至図4を基に本発明の実施の形態による携帯型磁粉探傷装置を説明する。この携帯型磁粉探傷装置は、図1及び図3に示すように、両側先端部が一対の磁極ヘッド1aとして形成されて励磁コイルL1が巻回されたU字形、厳密にはコの字形のコア及び商用電源電圧を直流電圧に変換するコンバータ11が収納された磁化器1と、この磁化器にそれぞれ着脱自在に支持されて、探傷領域に紫外線を照射するUVLEDによる紫外線光源2及びその紫外線照射領域を撮像するモニタカメラ3と、その画像を出力表示する画面41を備えた指掛けベルト42付きの容易に携帯可能な大きさのモニタユニット4と、バッテリ51が収納されて、腰ベルト59に装着されるコントロールボックス5とで構成されている。
【0010】
磁化器1は、対応のコの字形のハウジングにコアを収納する形状に形成され、その基部領域の上面に把手14が突設されて容易に携帯可能な大きさである。その脚部の底面の先端部では、コア脚部の先端部である一対の磁極ヘッド1aが下方へ突出し、基部の両側には一対のキャスタ15が下設されている。また、図4に示すように、背面には、励磁コイルL1に対する励磁電流入力をオンオフする励磁スイッチS1及び励磁用ソケット18が設けられ、後述の給電ケーブル29、44が導入される。
【0011】
コントロールボックス5は、スイッチング素子であるIGBT1〜IGBT4が並列接続されたスイッチング回路及びスイッチング制御回路53で構成される磁化用励磁回路及び脱磁用励磁回路用インバータ52と、モニタユニット4を制御し、かつその出力表示されている画像データを取込んで格納する格納部54aを備えたメモリ回路54を内蔵すると共に、バッテリ51でインバータ52を駆動させる電源スイッチS2、励磁電圧出力用ソケット55、バッテリ電圧出力用ソケット58,59、これらのソケットからバッテリ電圧を出力させるバッテリ出力スイッチS4、画像取込み指令スイッチS5並びにインバータ52の動作を磁化モードから脱磁モードに切換える励磁モード選択スイッチS3が設けられている。
【0012】
スイッチング制御回路53は、図2Aに示すように、磁化用励磁回路としてインバータ52からバッテリ51による電源電圧よりも僅かに低い略同程度の電圧レベルの正負の矩形波の励磁電圧を出力させて励磁コイルL1へ一定振幅の交流の励磁電流を供給するように、IGBT1、IGBT4及びIGBT2、IGBT3に対して交互に矩形波パルスで点弧制御する磁化用スイッチング制御信号と、図2Bに示すように、脱磁用励磁回路としてインバータ52から正負のパルス幅が徐々に狭くなる矩形波の励磁電圧を出力させて励磁コイルL1へ漸次振幅が小さくなる交流の励磁電流を供給するように、IGBT1、IGBT4及びIGBT2、IGBT3に対して交互に徐々に幅が狭くなる矩形波パルスで点弧制御する脱磁用スイッチング制御信号とを選択的に出力する。スイッチング制御信号の周波数は、励磁コイルに商用電源電圧が直接印加された際にバッテリ51による場合と略同程度の励磁電流レベルになるように、バッテリ電源電圧約20Vと商用電源電圧との比約1/5に応じて、10Hzに設定されている。商用電源周波数60Hzに対して10Hzに固定されていても略同程度の励磁電流レベルになる。
【0013】
このように構成された携帯型磁粉探傷装置の使用方法及び動作は次の通りである。バッテリ51で作動させる場合、図3に示すように、ベルト59にコントロールボックス5を装着すると共に、給電ケーブル17の一方の端部のコネクタ17aを励磁電圧出力用ソケット55に、また他方の端部のコネクタを磁化器1の励磁用ソケット18に装着し、給電ケーブル29、44の一方の端部のコネクタ29a、44aをコントロールボックス5のソケット58,59に装着し、信号ケーブル45の一方の端部のプラグ45aをジャック57に装着する。
【0014】
これにより、一方の手で磁化器1の把手14を持ち、他方の手でモニタユニット4を直接又は指掛けベルト42に指を掛けて持ち、検査場所に移動する。磁粉液を噴射するスプレ容器は、磁化器1もしくはモニタユニット4と一緒に持つか、或はフック付きベルトを取付けて把手14もしくは指掛けベルト42に掛けることもできる。探傷に際して、磁化器1を両側の磁極ヘッド1a間が検査領域を占めるようにセットする。必要により、磁極ヘッド1aを浮かせてキャスタ15により移動させ、セット位置を微調整することもできる。
【0015】
次いで、電源スイッチS2をオンにして励磁モード選択スイッチS3で磁化モードを選択し、励磁スイッチS1をオンにすると、インバータ52から励磁コイルL1へ矩形波の励磁電圧が印加され、一定振幅の交流の励磁電流が供給される。これにより、双方の磁極ヘッド1a間の磁性材にその表面から10Hzに対応する深さに磁界が発生し、その間に割れ等の傷が存在すると、その形状に応じた磁極が発生する。
【0016】
検査領域のモニタに際しては、電源スイッチS2及び励磁スイッチS1をオフにする。検査対象の磁性材表面に磁粉液を散布する。予め散布しておいても良い。場合により、溶液に混入しない乾式の磁粉を散布する。これにより、検査領域表面に、発生磁極に対応して磁粉の分布密度が変化して模様が形成される。次いでバッテリ出力スイッチS4をオンにして、紫外線光源2で検査領域に紫外線を照射し、発光した蛍光磁粉模様をモニタカメラ3で撮像する。これにより、モニタユニット4の画面41で磁粉模様が観察される。必要により、画像取込み指令スイッチS5を操作してその画像データを保存する。
【0017】
同様に、磁化器1を移動させて、さらに広い範囲を検査でき、その都度もしくは最後に全域をモニタする。検査の終了後、必要により、励磁モード選択スイッチS3で脱磁モードを選択し、電源スイッチS2及び励磁スイッチS1をオンにして、磁極ヘッド1aを接面させた状態で漸減しつつ交番する磁界で脱磁を行うことができる。磁極ヘッド1aの接面状態でキャスタ15を転動させて、検査全域を移動走査により脱磁する。
【0018】
商用電源で給電する場合には、代わりに励磁用ソケット18に商用電源ケーブルのコネクタ9を装着し、励磁スイッチS1をオンにする間商用電源で磁化が行われる。モニタに際しては、励磁スイッチS1をオフにした状態で、同様にバッテリ出力スイッチS4をオンにして紫外線照射及び蛍光磁粉模様のモニタを行うことができる。脱磁は、商用電源ケーブルを外して、同様にコントロールボックス5から脱磁用励磁電流を供給する。
【0019】
尚、別の実施形態として、磁化用励磁回路及び脱磁用励磁回路は、それぞれバッテリを電源として、一定振幅の正弦波電圧及び振幅が漸減する正弦波電圧を出力するように構成することもできる。また、共通のインバータで構成する場合、スイッチング素子をIGBTに代えてトランジスタで構成して、磁化モード及び脱磁モード共に正弦波のインバータ電圧を出力するようにスイッチング制御することも可能である。また、紫外線光源2、モニタカメラ3及びモニタユニット4の全部又は一部は、コントロールボックス5のバッテリ51の消耗を抑制するために、専用のバッテリを別に内蔵させることも考えられる。これにより、前述の実施形態における給電ケーブル29、44を廃止することもできる。
【0020】
図5は、さらに別の実施形態による携帯型磁粉探傷装置を示すもので、前述のものと同一もしくは同等部分は同一符号で説明する。コントロールボックス5は、IGBT1〜IGBT4が並列接続されたスイッチング回路及びスイッチング制御回路53で構成される磁化用及び脱磁用共用のインバータ52、直流電流で深く磁化するために、その出力端に接続された平滑コンデンサC1及びメモリ回路54を内蔵すると共に、電源スイッチS2、メモリ回路54へのバッテリ出力スイッチS4、画像取込み指令スイッチS5並びにインバータ52の動作を磁化モードから脱磁モードに切換える励磁モード選択スイッチS3が設けられている。
【0021】
紫外線光源2、モニタカメラ3及びモニタユニット4は、専用のバッテリをそれぞれ直接内蔵している。励磁モード選択スイッチS3は、連動の3回路で構成され、所定の周波数の磁化用スイッチング制御信号及び脱磁用スイッチング制御信号間の切換と、平滑コンデンサC1による磁化用直流電圧出力及び平滑コンデンサC1のバイパスによる脱磁用交流電圧出力間の切換を行う。また、IGBT1、IGBT4及びIGBT2、IGBT3に対する磁化用スイッチング制御信号の矩形波パルスの幅は、励磁コイルL1にその直流抵抗に応じて商用電源電圧が直接印加した場合と略同程度の励磁電流レベルにする出力電圧を平滑コンデンサC1から出力させる導通角で点弧制御するように設定されている。
【0022】
励磁電圧出力用ソケット55及び励磁用ソケット18間に給電ケーブル17を接続して電源スイッチS2をオンにして励磁モード選択スイッチS3で磁化モードを選択し、励磁スイッチS1をオンにすると、インバータ52から平滑コンデンサC1を介して励磁コイルL1へ直流の励磁電流が供給され、双方の磁極ヘッド1a間の磁性材に交流よりも深く磁界を発生する。検査領域のモニタに際しては、電源スイッチS2及び励磁スイッチS1をオフにし、バッテリ出力スイッチS4をオンにすると共に、内蔵のバッテリで駆動される紫外線光源2をオンにして検査領域に紫外線を照射し、バッテリ内蔵のモニタカメラ3をオンにして発光した蛍光磁粉模様を撮像する。これにより、バッテリ内蔵のモニタユニット4をオンにして、その画面41で磁粉模様が観察される。
【0023】
必要により、画像取込み指令スイッチS5を操作して、信号ケーブル45を介してその画像データを保存する。検査の終了後、必要により、励磁モード選択スイッチS3で脱磁モードを選択し、平滑コンデンサC1をバイパスさせることにより、脱磁用交流電圧を出力させて漸減する交流磁界で脱磁を行う。商用電源で給電する場合には、代わりに励磁用ソケット18に商用電源ケーブルのコネクタ9を装着し、励磁スイッチS1をオンにすると、その間商用電源で磁化が行われる。
【0024】
尚、直流電圧で励磁する場合、バッテリ電源電圧と励磁コイルの直流抵抗とが整合する場合、磁化用励磁回路は、インバータを介することなく直接励磁電流を供給するように構成することもできる。また、励磁モード選択スイッチを脱磁モード及び2種類の励磁モードとの3段切換式にして、磁化用励磁回路を、インバータによる交流励磁電圧と、インバータ出力を平滑するか又はバッテリ電源電圧そのものの直流励磁電圧とのいずれかを選択的に出力し得るように構成することもできる。例えば、図5において、励磁モード選択スイッチS3を3段切換式にして、3段目で磁化モードを選択し、平滑コンデンサC1をバイパスさせた状態で、交流磁化用スイッチング制御信号でスイッチング回路を制御してインバータ52による交流励磁電圧を出力させる。
【0025】
さらに、前述のいずれの実施形態においても紫外線光源及びカメラを支持する商用電源用ソケット付きの磁化器と、バッテリ、励磁回路、メモリ回路等が収納されるコントロールボックスとを別体として説明したが、これらを一体にしても携帯可能な程度に構成することは可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態による携帯型磁粉探傷装置の回路構成を示す図である。
【図2】同装置の動作を説明する波形図である。
【図3】同装置を示す斜視図である。
【図4】同装置の磁化器の背面図である。
【図5】別の実施の形態による携帯型磁粉探傷装置の回路構成を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
1 磁化器
1a 磁極ヘッド
2 紫外線光源
3 モニタカメラ
4 モニタユニット
5 コントロールボックス
15 キャスタ
18 励磁電流用ソケット
51 バッテリ
52 インバータ
L1 励磁コイル
S1 励磁スイッチ
S2 電源スイッチ
S3 励磁モード選択スイッチ
S5 画像取込み指令スイッチ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
励磁コイルが巻回され、かつ先端部が検査対象物の表面にセットされる一対の磁極ヘッドとして形成されたコアを備えた磁化器により検査対象物を磁化して、紫外線発光による蛍光磁粉模様を基に探傷するためのバッテリ内蔵の携帯型磁粉探傷装置において、
それぞれバッテリを電源として磁化用励磁電圧を励磁コイルに出力する磁化用励磁回路及び励磁電流レベルを漸次減少させる交流の脱磁用励磁電圧を出力する脱磁用励磁回路と、前記磁化用励磁電圧又は前記脱磁用励磁電圧を励磁コイルに選択的に出力させる励磁モード選択スイッチとを備えると共に、少なくとも前記脱磁用励磁回路は、スイッチング制御回路でスイッチング制御されるスイッチング素子を備えたインバータで構成されることを特徴とする携帯型磁粉探傷装置。
【請求項2】
磁化用励磁回路が、脱磁用励磁回路と共通のインバータで構成されると共に、スイッチング制御回路が、一定振幅の交流の磁化用励磁電圧を出力させるための磁化用スイッチング制御信号と、脱磁用スイッチング制御信号とを励磁モード選択スイッチの操作に応答して選択的に出力することを特徴とする請求項1記載の携帯型磁粉探傷装置。
【請求項3】
励磁モード選択スイッチの脱磁モードの選択操作に応答してインバータの出力端に平滑コンデンサが接続されると共に、磁化用スイッチング制御信号で制御されるスイッチング素子の導通角が、前記平滑コンデンサから出力すべき直流電圧レベルに応じて設定されていることを特徴とする請求項2記載の携帯型磁粉探傷装置。
【請求項4】
励磁コイルに商用電源電圧が直接印加されるように、商用電源ケーブルのコネクタが装着されるソケットを備えると共に、磁化用スイッチング制御信号の周波数が、前記商用電源電圧の直接印加による場合と、磁化用励磁回路による場合と同程度の励磁電流レベルになるように、バッテリ電源電圧と前記商用電源電圧との比に応じて設定されていることを特徴とする請求項2記載の携帯型磁粉探傷装置。
【請求項5】
携帯可能な磁化器と、この磁化器にそれぞれ支持されて、一対の磁極ヘッド間の探傷領域に紫外線を照射する紫外線光源及び前記探傷領域を撮像するモニタカメラと、その画像を出力表示する携帯可能なモニタユニットと、腰ベルトに装着されるコントロールボックスとで構成され、
このコントロールボックスに、バッテリと、磁化用励磁回路及び脱磁用励磁回路磁化用励磁回路と、前記モニタユニットに出力表示されている画像データを格納し、かつ前記バッテリを電源とするメモリ回路とが収納されると共に、励磁モード選択スイッチと、オン操作により前記モニタユニットから信号ケーブル介して前記画像データを前記メモリ回路に取込ませる画像取込み指令スイッチとが設けられたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の携帯型磁粉探傷装置。
【請求項6】
磁化器が、U字形のコアに対応した形状に形成され、両側のコア脚部の先端部が一対の磁極ヘッドとして形成されて前記磁化器の脚部の底面から突出し、前記前記磁化器の基部の底面に一対のキャスタが下設され、前記脚部間に紫外線光源及びモニタカメラが配置されたことを特徴とする請求項5記載の携帯型磁粉探傷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−33043(P2007−33043A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−212383(P2005−212383)
【出願日】平成17年7月22日(2005.7.22)
【出願人】(591027042)日本電磁測器株式会社 (17)
【Fターム(参考)】