説明

携帯型電子機器、及び携帯型電話機

【課題】 折り畳まれた状態(閉状態)であっても、表示機能を確保しつつ、効果的なステレオ効果を得ることのできる携帯型電子機器、及び携帯型電話機を提供する。
【解決手段】 蓋部2を180°回転させ、再び、蓋部2を閉じると図に示すビューワモード状態となる。このビューワモード状態であると判断されると、第1スピーカ7Lと第2スピーカ7Rとを駆動してステレオ再生処理を実行する。これにより、仮想的に示したように、第1スピーカ7Lと第2スピーカ7Rから再生音声が放出され、ユーザはビューワモード状態において、ステレオ効果とともにサラウンド効果を得ることができる。このとき、表示部6はユーザと対面した状態にあることから、表示部6に前記メディアファイルに基づく画像が再生表示されることにより、画像等を観賞しつつ両スピーカ7L、7Rから再生される音声によるサラウンド効果を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機能が搭載された携帯型電子機器、及び携帯型電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯型電子機器は、その機能の多様化が要求されている。その一つとして、配信される映像コンテンツを受信・記憶することにより、映像を表示させながら音声を出力する機能を有するものがある。また、最近では、MPEG−2方式やMPEG−4方式で符号化圧縮された高画質、高音質の映像コンテンツを再生すべく、音声再生出力に至っては、蓋部と本体部の両方にスピーカを備えさせることにより、ステレオで再生させる技術が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−57768号公報(第4頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このようなスピーカの配置構造にあっては、ステレオで視聴する際には、前記蓋部を本体部に対して開状態にしなくてはならない。また、一対のスピーカを縦方向に配置している携帯電話も出現するに至っているが、かかるスピーカの配置構造ではサラウンド効果を期待することはできない。
【0004】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、折り畳まれた状態(閉状態)であっても、表示機能を確保しつつ、効果的なステレオ効果を得ることのできる携帯型電子機器、及び携帯型電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するため請求項1記載の発明に係る携帯型電子機器にあっては、第1の筐体と、この第1の筐体に対し第1のヒンジ部を介して回動自在に結合された第2の筐体とを備える携帯型電子機器において、前記第1のヒンジ部は、前記第1の筐体が前記第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態で外部に露出する第1のスピーカを備え、前記第2の筐体は、前記第1の筐体と当該第2の筐体との開閉状態に拘わらず露出する第2のスピーカを備え、音声データを再生させる際、前記第1の筐体と前記第2の筐体との相対的な位置関係により、前記第1のスピーカ、または、前記第2のスピーカを駆動させて再生するか、前記第1のスピーカと前記第2のスピーカとを駆動させて再生するかを判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段によって判断された出力形態で音声データを再生する再生制御手段とを備えている。
【0006】
すなわち、第1のヒンジ部に備に設けられた第1のスピーカにあっては、第1の筐体が第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態で外部に露出し、一方第2の筐体に設けられた第2のスピーカは、第1の筐体と当該第2の筐体との開閉状態に拘わらず露出している。したがって、第1の筐体が第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態において、第1及び第2のスピーカが共に露出している。よって、この状態で両スピーカを駆動させて音声データを再生する出力形態とすることにより、露出した両スピーカからの音声により、効果的なステレオ効果を得ることができる。しかも、第1の筐体は表示手段を有することから、表示機能を確保しつつ、効果的なステレオ効果を得ることができる。
【0007】
また、請求項2記載の発明に係る携帯型電子機器にあっては、前記音声データを再生させる際、この音声データがステレオ出力かモノラル出力かを判断する第2の判断手段を更に備え、前記再生制御手段は、前記第2の判断手段によりステレオ再生であると判断され、且つ、前記第1の判断手段により前記第1のスピーカ、または、第2のスピーカを駆動させて再生すると判断されると、当該音声データの右チャンネルと左チャンネルを合成して再生する。したがって、第1のスピーカを駆動させて再生すると判断された場合であっても、当該音声データの左右チャンネルの一方のみが再生されてしまうようなことはなく、単一のスピーカからではあるが左右チャンネルの音声を再生することができる。
【0008】
また、請求項3記載の発明に係る携帯型電子機器にあっては、前記第1のヒンジ部の回動方向と直交する方向に回動する第2のヒンジ部を更に備え、前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカは、前記第2のヒンジ部により前記第1の筐体が反転され、且つ、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが閉じた状態において、サラウンド効果を奏する位置に配置されている。したがって、ユーザは露出した表示手段により画像等を観賞しつつ第1及び第2のスピーカから再生される音声によるサラウンド効果を得ることができる。
【0009】
また、請求項4記載の発明に係る携帯型電話機にあっては、音声通話のための通話用スピーカとを有する第1の筐体と、この第1の筐体に対し第1のヒンジ部を介して回動自在に結合され音声通話のためのマイクを有する第2の筐体とを備える携帯型電話機において、前記第1のヒンジ部は、前記第1の筐体が前記第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態で外部に露出する第1のスピーカを備え、前記第2の筐体は、前記第1の筐体と当該第2の筐体との開閉状態に拘わらず露出する第2のスピーカを備え、音声データを再生させる際、前記第1の筐体と前記第2の筐体との相対的な位置関係により、前記第1のスピーカ、または、前記第2のスピーカを駆動させて再生するか、前記第1のスピーカと前記第2のスピーカとを駆動させて再生するかを判断する第1の判断手段と、この第1の判断手段によって判断された出力形態で音声データを再生する再生制御手段とを備えている。したがって、第1の筐体が第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態において、露出した両スピーカからの音声により、効果的なステレオ効果を得ることができる。しかも、第1の筐体は表示手段を有することから、表示機能を確保しつつ、効果的なステレオ効果を得ることができる。
【0010】
また、請求項5記載の発明に係る携帯型電子機器にあっては、前記音声データは、当該携帯電話機への着信時に再生する着信メロディデータを含む。したがって、着信時における着信メロディの発生時において、第1のスピーカのみを駆動させて再生する出力形態と、第1のスピーカと第2のスピーカとを駆動させて再生する出力形態とが選択的に形成され、着信報知に興趣性を与えることができる。
【発明の効果】
【0011】
以上説明したように本発明によれば、第1の筐体が第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態のいずれの状態であっても第1及び第2のスピーカが共に露出することから、各状態で両スピーカを駆動させて音声データを再生する出力形態とすることにより、露出した両スピーカからの音声により、効果的なステレオ効果を得ることができる。しかも、第1の筐体は表示手段を有することから、表示機能を確保しつつ、効果的なステレオ効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態を図に従って説明する。図1は、本実施の形態に係る携帯電話1の蓋を開いた状態の正面図に相当する外観図である。
図示のように、蓋部2は本体部3に対し第1ヒンジ部100を回転軸として開閉可能(垂直回転(図3の矢印α)可能)に配置されているほか、第2ヒンジ部12を回転軸として回転可能(水平回転(図1の矢印β)可能)になっている。蓋部2には、通話用スピーカ5、表示部6、及びマグネット51が配置されている。表示部6は蓋部2の内面に配置され、16:9のアスペクト比の映像表示が可能な2.7inch(240×428ドット)TFT液晶(QVGAもしくは、HVGA相当の解像度を備える)カラー液晶からなる。マグネット51は、蓋部2の内面であって自由端側の隅部に配置されている。
【0013】
第1ヒンジ部100は、蓋部2に連繋されて該蓋部2と一体的に回転する可動部101を有している。そして、この可動部101であって、図1及び図3に示す蓋部2を開いた状態で露出し、且つ図2に示す蓋部2を閉じた状態でも露出する位置に第1スピーカ7Lが配置されている。
【0014】
本体部3は、キー入力部8と、第1サイドスイッチ9、マイク10、及び第1磁気検出部28と第2磁気検出部29とを備えるとともに、アンテナ11を内蔵している。キー入力部8は、メニュー表示時におけるフォーカス移動のための十字キー81、決定のための決定キー82、アドレス帳データ閲覧のためのアドレス帳キー83、ネットワーク接続を指示するためのネットワーク接続キー84、ムービー再生モードを起動させるためのムービー再生キー85、メールモード(受信、作成、編集、送信)を起動させるためのメールキー86、オフフックキー87、クリアキー88(キャンセル検出)、オンフックキー89(オールクリア:着信待ち状態にジャンプ指示)、電話番号や文字記号を入力するためのテンキー810等からなる。また、第1サイドスイッチ9は、待受け状態ではマナーキーとして機能し、カメラモードではシャッターキーとして機能する。
【0015】
第1磁気検出部28と第2磁気検出部29とは、本体部3の内面であって自由端側の隅部に配置されている。より詳しくは、第1磁気検出部28は、図1の状態から図2(a)に示すように、蓋部2を表示部6とキー入力部8と対面させる形で折り畳んだ状態で、マグネット51と重なる位置に配置されている。したがって、この折り畳み状態において第1磁気検出部28は、マグネット51の磁気を検出することが可能となり、この磁気の検出の有無を出力する。
【0016】
また、第2磁気検出部29は、図2(a)の状態から蓋部2を開いて、図3に示すように、第1ヒンジ部100を軸にして回動させ、第2ヒンジ部12を軸にして蓋部2を180°回転させて反転状態とし(図1参照)、再び、蓋部2を閉じた図4に示すビューワモード状態で、マグネット51の直下となる位置に配置されている。したがって、この折り畳み状態においては第2磁気検出部29が、マグネット51の磁気を検出することが可能となり、この磁気の検出の有無を出力する。
【0017】
図2において、(a)は蓋部2を折り畳んだ状態における携帯電話1を蓋部2側から見た図、(b)は本体部3側から見た図、(c)は矢示A方向から見た図、(d)は矢示B方向から見た図、(e)は矢示C方向から見た図、(f)は矢示D方向から見た図である。
【0018】
(a)に示すように、蓋部2の外面であって自由端部側には、一対の緩衝部材34、34が設けられている。この緩衝部材34、34は、前記ビューワモードの状態において、キー操作部8が蓋部2の背面と接触して傷付くことを回避するために設けられている。(b)及び(e)に示すように、前記第1スピーカ7Lは蓋部2を閉じた状態でも露出する位置に設けられており、また、(b)に示すように、本体部3の背面には、報知用LED13及び撮像レンズ17が配置されている。
【0019】
また、(c)に示すように、本体部3の一方の側面には、コネクタ32が設けられているとともに、カード記録媒体を挿入するためのカードスロットを覆うカバー33が着脱自在に設けられている。(d)に示すように、本体部3の一方の側面には、第1サイドスイッチ9、第2サイドスイッチ41及び第3サイドスイッチ42が設けられている。第1サイドスイッチ9は、待受け状態ではマナーキーとして機能し、カメラモードではシャッターキーとして機能する。第2サイドスイッチ41はその操作により、メニュー表示等におけるフォーカス移動が実行され、第3サイドスイッチ42の操作により選択メニューの決定がなされる。
【0020】
さらに、(f)に示し且つ(c)(d)にも示すように、本体部3における自由端部の端面には第2スピーカ7Rが配置されている。この第2スピーカ7Rは、図5に示すように、メイン基板76において前記アンテナ11と対向する反対面に配置されている。また、同図において、71は第2スピーカ7Rを覆うメッシュ部材、72は本体部3を構成するケース部材より延長して、第2スピーカ7Rの後方でメイン基板76と接触する隔壁部材、73はメイン基板76を支持するための支持部材である。そして、これら隔壁部材72と支持部材73とにより画成される空洞内において、第2スピーカ7Rから音声が出力(横方向)されることにより、音響効果が得られるように構成されている。
【0021】
なお、第1スピーカ7Lは、第1ヒンジ部100に配置されていることから、該第1ヒンジ部100が有する円筒状の空洞により、音響効果が得られるように構成されている。
【0022】
図6は、携帯電話1の回路構成を示すブロック図である。受信信号処理部18は、データ通信モードの開始指示をスイッチ回路201より受けると、外部の無線基地局とのネゴシエーション(端末認証、回線接続)を開始し、通信帯域幅を一時的に占有する処理を行う。そして、アンテナ11により受信された無線信号より自機宛に符号変調された信号を抽出して、スイッチ回路201を介して通信データ処理部202に出力する。
【0023】
通信信号処理部19は、待受け状態においても、また、データ通信モードにおいても、常に電源供給されており、通信データ処理部からのデジタル変調信号(送信音声データ、メールデータ、ネットワーク接続情報を含むパケットデータ)を、符号変調してアンテナ11より出力する。また一方で、無線基地局より送信され、アンテナ11により受信された無線信号より自機宛に符号変調された信号を抽出して、スイッチ回路201を介して通信データ処理部202に出力する。
【0024】
第1制御部20は、無線基地局、及びその後段にあたる、通信サービス事業者、インターネット等のネットワークインフラを介して接続されるデータベース等の、情報資源との接続制御を中心とした処理を行う。なお、本実施の形態においては、携帯電話1は二つの制御部を備えており、通信処理全般等については第1制御部20、その他、撮影処理、画像処理、及び、映像の再生処理に関しては後述の第2制御部22で行う。
【0025】
スイッチ回路201は、通信データ処理部202からの制御信号を受け、受信信号処理部18、通信信号処理部19への電源供給、処理動作開始終了の制御を行う。詳細には、通常電源オン状態、もしくは、受信ONモード状態であれば、通信信号処理部19のみに電源を供給して動作させ、一方で、ユーザがネットワーク接続キー84を操作したか、あるいは、予め設定されたスケジュールに従い、データ通信モードの開始が指示された場合は、受信信号処理部18と通信信号処理部19とを動作させる。
【0026】
通信データ処理部202は、音声処理部205より出力されたCELP系デジタル音声データをPSK系方式に対応する信号に変調、及び拡散符号に変調するとともに、受信信号処理部18、通信信号処理部19にて受信される符号変調された信号をPSK系方式、及び/又は、QAM系方式のデジタル信号に復号する処理を行う。また2020は、IDメモリであり、当該携帯電話1に予め割り当てられ、無線基地局、通信サービス事業者、及びインターネット接続のための固有情報を記憶する。この情報とは、例えば、サービス事業者毎に割り当てられたサービスコードであったり、当該携帯電話1を呼び出すための電話番号であったり、当該携帯電話1のメーカーコードであったり、インターネット接続のためのIPアドレス、メールアドレスが含まれる。
【0027】
システムROM203は、通信制御のための制御プログラムを格納する。本実施の形態の特徴としては、通常の通信ネゴシエーションプログラムの他に受信信号処理部18と通信信号処理部19との動作切替制御プログラムを記憶する。これにより、データ通信モードの開始が指示された場合は、アンテナ11による受信を行わせて、一時的に通信帯域幅を占有し、受信信号処理部18、通信信号処理部19の双方より出力される符号変調された信号をほぼ同時にQAM系方式のデジタル信号(本実施の形態においては、MPEG−2、−4形式で圧縮された映像コンテンツ)に復号、合成して、インターフェイス処理部204を介してバス200に出力するプログラムを記憶する。音声処理部205は、CELP系の音声変調/復調システムを有しており、前記通話用スピーカ5とマイク10とが接続されている。
【0028】
スイッチ31は、第2制御部22からの制御により、ムービーファイルに格納されるオーディオデータ(音声データ)がステレオ対応である場合、第2スピーカ7Rに音声出力系ドライバ30からのオーディオ信号を出力する。第1スピーカ7Lは、音声出力系ドライバ30のみならず報知ドライバ26によっても駆動され、着信報知音も発生する。
【0029】
第2制御部22は、ムービー再生モードにおけるデータ通信モードによりダウンロードしたムービーファイルや、カメラモードにおける静止画/動画の再生表示処理、及び、カメラモードにおける撮影処理全般の制御を行う。なお、本実施の形態においては、携帯電話機能による着信割り込み時において上述の第1制御部20との並行処理が可能だが、これらの処理に伴うバス200へのアドレス/データの割り込み処理については、インターフェイス処理部204が行うものとする。
【0030】
プログラムROM23は、ムービー再生モード、カメラモード等の各処理プログラムを格納するとともに、後述の表示バッファ62への書き込み開始/終了アドレスの制御を行う表示ドライバ61の制御プログラムを記憶し、ユーザー操作により適宜第2制御部22にロードされる
【0031】
RAM24は、データ通信処理や、音声通信において必要とされる各種データを記憶する。詳細には、図7に記載されるように、電話番号、メールアドレス、住所、固有のイメージ(画像、若しくはイラスト)を対応付けて記憶するアドレス帳記憶領域241、メール通信にて送受信されるメールデータを記憶するメールデータ記憶領域242、メールに添付された画像(静止画、動画)、及びカメラモードにて撮影された画像(静止画/動画)を圧縮処理された状態で記憶する画像記憶領域243、ネットワーク接続により受信した圧縮処理されたマルチメディアファイル(イラスト、静止画、動画(16:9のアスペクト含)、メロディ、オーディオ)を記憶するダウンロードデータ記憶領域244、及び、各種ファイルの圧縮処理、伸張処理の際に一時的に使用するためのワークメモリ245の各領域を備える。
【0032】
圧縮伸張処理部25は、MPEG−2、−4に対応し、カメラモードにて撮影された静止画/動画を圧縮処理するとともに、ムービー再生モードにおけるデータ通信モードによりダウンロードしたムービーファイルや、カメラモードにおける静止画/動画を伸張処理する。
【0033】
報知ドライバ26は、着信処理を検出した際、これを報知せしめるために報知用LED13、第1スピーカ7Lを動作させる。スイッチ処理部27は、キー入力部8、第1サイドスイッチ9、第2サイドスイッチ41及び第3サイドスイッチ52からの操作検出に伴う第1制御部20、第2制御部22への制御信号を出力する。また一方で、後述の第1磁気検出部28、第2磁気検出部29からの検出信号に従い、キー入力部8、第1サイドスイッチ9、第2サイドスイッチ4の操作検出のオン/オフ、機能変更のための信号を受け、これらのキー、及び、スイッチの機能を制御する。第1磁気検出部28と第2磁気検出部29は、前述のようにマグネット51の磁気を検出し、第2制御部22へ信号を出力する。
【0034】
なお、17はカメラレンズであるが、その後段には、CCD、若しくはCMOS等のイメージセンサーと光学ズーム用のステップモータからなる撮像デバイス171と、この撮像デバイスで撮り込まれたアナログ信号をデジタル信号に変換し、イメージデータを生成するためのDSP172とが備えられている。また、本実施の形態におけるイメージセンサーの有効画素領域は4:3のアスペクト比に固定されている。
【0035】
さらに、バス200には、前記コネクタ32がコネクタインターフェースを介して接続されているとともに、前記自在なカバー33より覆われたカードコネクタ330が接続されている。そして、このカードコネクタ330にカード記録媒体331が着脱自在に装着される。
【0036】
以上の構成に係る本実施の形態において、携帯電話1が着信待受け状態にあるとき、第2制御部22は、システムROM203に格納されているプログラムに基づき、図8のフローチャートにおけるステップS9を除く全ての処理を実行する。すなわち、キー操作が検出されたか否かを判断し(ステップS1)、検出されたならば表示部6にメニュー画面を表示させる(ステップS2)。引き続き、この表示されたメニュー画面からのメディアファイルの選択が検出されたか否かを判断し(ステップS3)、検出されたならば再生指示待ちの状態に移行する(ステップS4)。さらに、この再生指示待ちの状態において、再生操作が検出されたか否かを判断し(ステップS5)、検出されたならば、当該再生対象のメディアファイルがステレオ対応ファイルであるか否かを判断する(ステップS6)。
【0037】
ステレオ対応ファイルである場合には(ステップS6;YES)、携帯電話1がビューワモード状態か否かを判断する(ステップS7)。すなわち、図4に示したビューワモード状態においては、前述のように第2磁気検出部29がマグネット51の磁気を検出している検出状態となり、第1磁気検出部28はマグネット51の磁気を検出していな非検出状態となる。したがって、第2磁気検出部29が検出状態で、且つ第1磁気検出部28が非検出状態となっている場合には、ビューワモード状態と判断する。
【0038】
そして、ビューワモード状態である場合には、スイッチ31をオンにし、第1スピーカ7Lと第2スピーカ7Rとを駆動してステレオ再生処理を実行する(ステップS8)。これにより、図4に仮想的に示したように、第1スピーカ7Lと第2スピーカ7Rから再生音声が放出され、ユーザはビューワモード状態において、ステレオ効果とともにサラウンド効果を得ることができる。このとき、表示部6はユーザと対面した状態にあることから、表示部6に前記メディアファイルに基づく画像が再生表示されることにより、画像等を観賞しつつ両スピーカ7L、7Rから再生される音声によるサラウンド効果を得ることができる。
【0039】
また、ステップS7での判断の結果、ビューワモード状態でない場合には、第1制御部20が動作して、再生対象となっているステレオ対応ファイルのRチャンネルとLチャンネルとを合成処理する(ステップS9)。そして、第2制御部22はスイッチ31をオフにし、第1スピーカ7Lのみで合成された音声の再生処理を実行する(ステップS10)。
【0040】
他方、ステップS6での判断の結果、ステレオ対応ファイルではなくモノラル対応ファイルであった場合にも、携帯電話1がビューワモード状態か否かを判断する(ステップS11)。ビューワモード状態である場合には、スイッチ31をオンにし、第1スピーカ7Lと第2スピーカ7Rを駆動してモノラル再生処理を実行する(ステップS12)。ビューワモード状態でない場合には、スイッチ31をオフにし、第1スピーカ7Lのみでモノラル音声の再生処理を実行する(ステップS10)。
【0041】
また、以上に説明した再生処理中に着信要求を受けた場合には、ステップS6からの処理を実行し、該ステップS6において着信メロディのファイルがステレオ対応ファイルであるか否かを判断する。そして、着信メロディのファイルがステレオ対応ファイルである場合には、前述したステップS7〜ステップS10の処理を実行し、ステレオ対応ファイルでない場合には、ステップS11〜S13の処理を実行する。したがって、着信メロディが再生される際にも、ビューワモード状態である場合には、ステレオ効果とともにサラウンド効果を得ることができる。
【0042】
なお、本実施の形態においては、モノラル出力の場合は、第1スピーカ7Lのみで行っていたが、第2スピーカ7Rで行うようにしてもよい。
【0043】
なお、本実施の形態においては、CDMA 20000 1xEV−DOにおけるHDR(High Data Rate)をベースにした無線高速データ通信について詳述したが、所謂3.5世代携帯電話サービスにおけるHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)技術による高速データ通信であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の一実施の形態に係る携帯電話の蓋を開いた状態の正面図である。
【図2】(a)は蓋部を折り畳んだ状態における携帯電話を蓋部側から見た図、(b)は本体部側から見た図、(c)は矢示A方向から見た図、(d)は矢示B方向から見た図、(e)は矢示C方向から見た図、(f)は矢示D方向から見た図である。
【図3】蓋部を単に開いた状態の側面図である。
【図4】ビューワモード状態を示す図である。
【図5】第2スピーカの配置構造を示す一部破断断面図である。
【図6】携帯電話の回路構成を示すブロック図である。
【図7】RAMのメモリ構成図である。
【図8】処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0045】
1 携帯電話(携帯型電子機器、携帯型電話機)
2 蓋部(第1の筐体)
3 本体部(第2の筐体)
5 通話用スピーカ
6 表示部(表示手段)
7L 第1スピーカ(第1のスピーカ)
7R 第2スピーカ(第2のスピーカ)
10 マイク
11 アンテナ
12 第2ヒンジ部(第2のヒンジ部)
13 報知用LED
16 デジタルズーム
16 内蔵アンテナ
17 撮像レンズ
18 受信信号処理部
19 通信信号処理部
20 第1制御部
21 スイッチ
22 第2制御部(第2の判断手段、再生制御手段)
23 プログラムROM
24 RAM
27 スイッチ処理部
28 第1磁気検出部(第1の判断手段)
29 第2磁気検出部(第1の判断手段)
30 音声出力系ドライバ
31 スイッチ
61 表示ドライバ
62 表示バッファ
100 第1ヒンジ部(第1のヒンジ部)
202 通信データ処理部
203 システムROM
205 音声処理部
241 アドレス帳記憶領域
245 ワークメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と、この第1の筐体に対し第1のヒンジ部を介して回動自在に結合された第2の筐体とを備える携帯型電子機器において、
前記第1のヒンジ部は、前記第1の筐体が前記第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態で外部に露出する第1のスピーカを備え、
前記第2の筐体は、前記第1の筐体と当該第2の筐体との開閉状態に拘わらず露出する第2のスピーカを備え、
音声データを再生させる際、前記第1の筐体と前記第2の筐体との相対的な位置関係により、前記第1のスピーカ、または、前記第2のスピーカを駆動させて再生するか、前記第1のスピーカと前記第2のスピーカとを駆動させて再生するかを判断する第1の判断手段と、
この第1の判断手段によって判断された出力形態で音声データを再生する再生制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
前記音声データを再生させる際、この音声データがステレオ出力かモノラル出力かを判断する第2の判断手段を更に備え、
前記再生制御手段は、前記第2の判断手段によりステレオ再生であると判断され、且つ、前記第1の判断手段により前記第1のスピーカ、または、第2のスピーカを駆動させて再生すると判断されると、当該音声データの右チャンネルと左チャンネルを合成して再生することを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
前記第1のヒンジ部の回動方向と直交する方向に回動する第2のヒンジ部を更に備え、
前記第1のスピーカ及び前記第2のスピーカは、前記第2のヒンジ部により前記第1の筐体が反転され、且つ、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが閉じた状態において、サラウンド効果を奏する位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
音声通話のための通話用スピーカとを有する第1の筐体と、この第1の筐体に対し第1のヒンジ部を介して回動自在に結合され音声通話のためのマイクを有する第2の筐体とを備える携帯型電話機において、
前記第1のヒンジ部は、前記第1の筐体が前記第2の筐体に対して開いた状態、及び閉じた状態で外部に露出する第1のスピーカを備え、
前記第2の筐体は、前記第1の筐体と当該第2の筐体との開閉状態に拘わらず露出する第2のスピーカを備え、
音声データを再生させる際、前記第1の筐体と前記第2の筐体との相対的な位置関係により、前記第1のスピーカ、または、前記第2のスピーカを駆動させて再生するか、前記第1のスピーカと前記第2のスピーカとを駆動させて再生するかを判断する第1の判断手段と、
この第1の判断手段によって判断された出力形態で音声データを再生する再生制御手段と
を備えたことを特徴とする携帯型電話機。
【請求項5】
前記音声データは、当該携帯電話機への着信時に再生する着信メロディデータを含むことを特徴とする請求項4記載の携帯型電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−86662(P2006−86662A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−267623(P2004−267623)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】