説明

携帯機器及びそれに用いる視野角制御方法

【課題】 プライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題を解決可能な携帯機器を提供する。
【解決手段】 携帯機器(1)は、表示画面(表示部12)の視野角を制限する視野角制御機能(視野角制御部13)と、表示画面毎に視野角制御機能(視野角制御部13)の有効及び無効を設定する制御設定手段(携帯機器制御部11の制御設定部111)とを有する。
【効果】 本発明は、プライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題を解決することができるという効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯機器及びそれに用いる視野角制御方法に関し、特にノートPC(Personal Computer)や携帯電話機等の携帯機器における視野角制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公共交通機関での移動時に携帯機器の使用機会が増加しているが、ノートPCや携帯電話でのメール閲覧・作成等の覗き見される機会も増加しており、その対策として表示画面の視野角を制限する視野角制御機能が搭載されるものが出てきている(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0003】
この視野角制御としては、図4に示すように、視野角制御部によりバックライト光の偏光制御を行う方法がある。図4(a)は視野角制御OFFの状態を示し、図4(b)は視野角制御ONの状態を示している。
【0004】
また、この視野角制御を含む機能設定ツリーを図5に示す。図5において、メニューB0の下には表示設定B1を配置し、表示設定B1の下には視野角制御B11を配置している。さらに、視野角制御B11の下には有効(視野角制御ON)B12と、無効(視野角制御OFF)B13とを配置している。この有効B12と無効B13とのいずれかを設定することで、図4に示す制御が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−319554号公報
【特許文献2】特開2007−011316号公報
【特許文献3】特開2007−096992号公報
【特許文献4】特開2008−052058号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような表示部の視野角制御機能を有する携帯電話等の携帯機器においては、表示部の視野角制御機能を有効にしてしまうと、全ての画面にて有効となってしまい、特にプライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題がある。
【0007】
また、上記の携帯機器においては、表示部の視野角制御機能を有効にした場合、表示部の背景色・フォントの表示色の選択によっては視覚性が著しく低下するという弊害がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、プライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題を解決することができる携帯機器及びそれに用いる視野角制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明による携帯機器は、表示画面の視野角を制限する視野角制御機能と、
前記表示画面毎に前記視野角制御機能の有効及び無効を設定する制御設定手段とを備えている。
【0010】
本発明による視野角制御方法は、携帯機器に表示画面の視野角を制限する視野角制御機能を設け、
前記携帯機器が、前記表示画面毎に前記視野角制御機能の有効及び無効を設定する制御設定処理を実行している。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、プライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題を解決することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施の形態による携帯機器の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における機能設定ツリーを示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態における機能設定ツリーを示す図である。
【図4】(a)は視野角制御OFFの状態を示す図、(b)は視野角制御ONの状態を示す図である。
【図5】本発明に関連する視野角制御を含む機能設定ツリーを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明による携帯機器における視野角制御の概要について説明する。本発明による携帯機器は、携帯電話等の携帯機器における表示部の視野角制御機能において、表示部の視野角制御機能の有効または無効を設定する制御設定手段と、視野角制御機能の有効時に表示画面の表示制御の設定を行う表示制御設定手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
制御設定手段は、表示部の視野角制御機能を有効または無効にする手段であり、表示部の視野角制御を有効にしたい携帯機器の画面を予め設定することができることを特徴とする。例えば、メールに関する画面等は視野角制御を有効とし、その他の画面では視野角制御を無効とすることで、プライバシー保護と視覚性との両立を確保することができる。
【0015】
表示制御設定手段は、視野角制御有効時に、視野角が抑制されることにより、表示部の輝度低下やコントラスト低下等の弊害が発生するが、視野角制御有効時の背景色やフォントの表示色の最適化により視覚性を改善する表示制御機能を有している。
【0016】
このように、本発明の携帯機器は、表示部の視野角制御機能を有する携帯電話等の携帯機器であり、表示部の視野角制御機能を有効・無効にする制御手段と、有効時の表示制御手段とを備えることによって、プライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題を解決することができる。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態による携帯機器の構成例を示すブロック図である。図1において、携帯機器1は、携帯機器制御部11と、表示部12と、視野角制御部13と、バックライト14と、操作部15とを備え、図4に示すように、視野角制御部13によりバックライト14からの出射光の偏光制御を行うことで、表示部12の視野角制御を行っている。
【0018】
携帯機器制御部11は、携帯機器1全体の制御を行うとともに、上述した制御設定部111と表示制御設定部112とを備えている。携帯機器制御部11は、表示部12に表示データを出力し、視野角制御部13に視野角制御信号を出力し、バックライト14にバックライト制御信号を出力し、操作部15から入力信号を入力する。
【0019】
本発明の第1の実施の形態において、携帯機器制御部11の制御設定部111及び表示制御設定部112は上記の制御設定手段及び表示制御設定手段のような動作を行い、これらによりメールに関する画面等の視野角制御を有効とし、その他の画面の視野角制御を無効とすることで、プライバシー保護と視覚性との両立を確保している。
【0020】
図2は本発明の第1の実施の形態における機能設定ツリーを示す図である。図2において、メニューA0の下には表示設定A1を配置し、表示設定A1の下には視野角制御A11を配置している。
【0021】
視野角制御A11の下には有効A12と無効A13とを配置し、有効A12の下には有効画面選択A121を配置している。有効画面選択A121の下には待ち受け画面A122と、メニュー画面A123と、メール画面A124とを配置している。
【0022】
本実施の形態では、このメール画面A124の下に有効(視野角制御ON)A125と、無効(視野角制御OFF)A126とを配置し、これら有効A125と無効A126とのいずれかを設定することで、図4に示す表示部12の視野角制御を行っている。
【0023】
尚、図示していないが、待ち受け画面A122及びメニュー画面A123の下にも有効(視野角制御ON)と、無効(視野角制御OFF)とを配置することも可能である。この場合には、待ち受け画面A122及びメニュー画面A123の視野角制御は無効に設定されているものとする。
【0024】
あるいは、視野角制御が不要な画面(待ち受け画面A122、メニュー画面A1239には、有効(視野角制御ON)と無効(視野角制御OFF)とを配置せず、視野角制御が必要な画面(メール画面A124)のみに有効(視野角制御ON)と無効(視野角制御OFF)とを配置することも可能である。この場合には、有効(視野角制御ON)と無効(視野角制御OFF)とが配置されていない画面の視野角制御は無効に設定されているものとする。
【0025】
図5に示す本発明に関連する技術では、視野角制御機能の有効・無効設定にて機能設定を行っているが、本実施の形態では、図2に示すように、有効画面選択A121にて有効設定実施後、視野角制御を適用したい画面選択機能(待ち受け画面A122、メニュー画面A123、メール画面A124)を追加している。
【0026】
本実施の形態では、視野角制御を適用したい画面(図2ではメール画面A124)を選択し、有効(有効A125)を設定することにより、選択した画面(メール画面A124)にのみ視野角制御が実施されることとなる。一方、無効とした画面(図2では、待ち受け画面A122、メニュー画面A123)には視野角制御を適用せず、通常の視野角での表示となる。
【0027】
このように、本実施の形態では、上記の携帯機器制御部11の制御設定手段及び表示制御設定手段によりメールに関する画面(メール画面A124)等の視野角制御を有効とし、その他の画面(待ち受け画面A122、メニュー画面A123)の視野角制御を無効とすることで、プライバシー保護と視覚性との両立を確保することができる。
【0028】
よって、本実施の形態では、プライバシー保護が必要ない画面(図2の待ち受け画面A122、メニュー画面A123等)においても視覚性が悪くなるという課題を解決することができる。
【0029】
図3は本発明の第2の実施の形態における機能設定ツリーを示す図である。図3において、本実施の形態では、メール画面A124の下の有効A125の下に、その下に背景色設定A1252と文字色設定A1253とが配置された表示設定A1251を配置するようにした以外は、図2に示す本発明の第1の実施の形態と同様の機能設定ツリーとなっている。
【0030】
本実施の形態では、図2に示す本発明の第1の実施の形態の構成に加えて、視野角制御有効とした画面に対し、予め設定されている画面の背景色・フォントをカスタマイズ可能な設定機能(背景色設定A1252と文字色設定A1253とが配置された表示設定A1251)を追加してる。視野角制御時に画面が見にくい色設定・フォント設定となっている場合には、この設定機能にて最適化を実施することができる。
【0031】
本発明は、表示部12の視野角制御部13を有効・無効にする制御手段(携帯機器制御部11)を設け、表示部12の視野角制御を有効にしたい携帯機器1の画面を予め設定できるようにしている。例えば、メールに関する画面等は有効とし、その他画面では無効とし、プライバシー保護と視覚性との両立を確保している。つまり、本発明では、プライバシー保護が必要ない画面においても視覚性が悪くなるという課題を解決することができる。
【0032】
また、本発明では、表示部12の視野角制御有効時の表示制御手段(携帯機器制御部11)を設け、視野角制御有効時に視野角を抑制することにより、ユーザの画面設定状況によっては、表示部12の輝度低下やコントラスト低下等の弊害が発生するが、視野角制御有効時の背景色やフォントの表示色の最適化により、視覚性を改善することができる。
【0033】
尚、本発明は、上記のような画面毎に視野角制御の有無や視野角の設定を行うことに限らず、端末のメニュー画面により選択できる機能毎に視野角制御の有無や視野角の設定を行うことも可能である。
【0034】
例えば、視野角制御を有効と設定する機能としては、メール機能や電話帳を管理する機能等があり、視野角制御を無効と設定する機能としては、Webブラウザ機能やカメラ機能、選択画面を選択制御を行う機能等がある。
【符号の説明】
【0035】
1 携帯機器
11 携帯機器制御部
12 表示部
13 視野角制御部
14 バックライト
15 操作部
111 制御設定部
112 表示制御設定部
A0 メニュー
A1 表示設定
A11 視野角制御
A12 有効
A13 無効
A121 有効画面選択
A122 待ち受け画面
A123 メニュー画面
A124 メール画面
A125 有効
A126 無効
A1251 表示設定
A1252 背景色設定
A1253 文字色設定

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面の視野角を制限する視野角制御機能と、
前記表示画面毎に前記視野角制御機能の有効及び無効を設定する制御設定手段とを有することを特徴とする携帯機器。
【請求項2】
前記制御設定手段は、前記視野角制御機能を有効にしたい表示画面を予め設定可能としたことを特徴とする請求項1記載の携帯機器。
【請求項3】
前記視野角制御機能の有効時に前記表示画面の表示制御の設定を行う表示制御設定手段を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の携帯機器。
【請求項4】
前記表示制御設定手段は、前記表示制御の設定内容に応じて前記表示画面の背景色及びフォントの表示色の最適化を行って視覚性を改善する表示制御機能を含むことを特徴とする請求項3記載の携帯機器。
【請求項5】
携帯機器に表示画面の視野角を制限する視野角制御機能を設け、
前記携帯機器が、前記表示画面毎に前記視野角制御機能の有効及び無効を設定する制御設定処理を実行することを特徴とする視野角制御方法。
【請求項6】
前記携帯機器が、前記制御設定処理において、前記視野角制御機能を有効にしたい表示画面を予め設定可能としたことを特徴とする請求項5記載の視野角制御方法。
【請求項7】
前記携帯機器が、前記視野角制御機能の有効時に前記表示画面の表示制御の設定を行う表示制御設定処理を実行することを特徴とする請求項5または請求項6記載の視野角制御方法。
【請求項8】
前記携帯機器が、前記表示制御設定処理において、前記表示制御の設定内容に応じて前記表示画面の背景色及びフォントの表示色の最適化を行って視覚性を改善する表示制御機能を含むことを特徴とする請求項7記載の視野角制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−169776(P2010−169776A)
【公開日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−10463(P2009−10463)
【出願日】平成21年1月21日(2009.1.21)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】