説明

携帯用端末機

【課題】携帯用端末機を提供する。
【解決手段】上記携帯用端末機は、ディスプレーパネルと、上記ディスプレーパネルの少なくとも両側を囲むように設けられるケース部材と、上記ケース部材に形成され、上記ディスプレーパネルの少なくとも一側に開放されるスピーカーホールと、を含む。上記のように構成される携帯用端末機は、上記ケース部材の構造だけを変更することにより上記ディスプレーパネルの少なくとも一側に上記スピーカーホールを含み、これにより、スピーカー装置から出力される音の音量及び音質がディスプレーパネルを見ながら端末機を使用するユーザに十分に伝達されることができるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用端末機に関し、特に、音量及び音質の観点で音響品質が向上した構造の携帯用端末機に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、携帯用端末機は、ユーザが音声通話又はメッセージ送信のような通信機能を実行することができるようにし、各種情報の記憶、ゲーム、及び動画鑑賞のようなマルチメディアサービスを楽しむことができるようにする電子装置を意味する。このような携帯用端末機は、電子手帳、パームパソコン(palm personal computer:PC)、携帯用ゲームプレーヤー、動画/音楽ファイルプレーヤー、携帯電話機(cellular phone)、及びノート型パソコン(notebook PC)などのような様々な形態で製造されている。
【0003】
最近では、携帯電話機のような移動通信端末機に電子手帳又はマルチメディア機能が搭載されつつあり、ユーザは、移動通信端末機を介して音声通話のような通信機能だけではなく、小売支払いのような銀行サービス、ゲーム/マルチメディアサービスなどのような様々なコンテンツを楽しむことができる。すなわち、移動通信端末機は、初期の段階では、単純に音声通話又はショートメッセージ送信サービスのみを提供した。しかしながら、電子/通信技術が発達して携帯用端末機が小型化され高集積化されるにしたがって、移動通信端末機は、自身の固有の通信機能だけでなく、ユーザがバンキングサービスを可能にする保安機能、ゲーム/動画などを楽しむことができるようにするマルチメディア機能、及びインターネット又はメール送受信を含む簡素な情報処理機能などを備えている。
【0004】
携帯用端末機のマルチメディア機能が強調されるにつれて、音響品質も向上させる必要性がある。携帯性を保持し且つ向上させつつマルチメディア機能のためにディスプレーパネルを拡張するためには、携帯用端末機の厚さを減少させることが不可避である。したがって、音の出力のための開口部は、通常、端末機の側面又はディスプレーパネルが取り付けられる面の反対側に位置する端末機の背面上に位置する。
【0005】
図1は、従来技術による携帯用端末機を示す図である。図2は、従来技術による携帯用端末機のケース部材の一部を拡大する斜視図である。図3は、従来技術による携帯用端末機の主要部分を示す断面図である。
【0006】
図1乃至図3は、従来技術による携帯用端末機10と携帯用端末機10に設置されたスピーカー装置との構造を示す。携帯用端末機10は、前面上のディスプレーパネル11と、ディスプレーパネル11のエッジを囲い、ディスプレーパネル11の背面に向かい合うように備えられたケース部材13と、を有する。ケース部材13の内部には、携帯用端末機10の動作のための各種回路装置(図示せず)及びバッテリーパック(図示せず)が組み込まれる。
【0007】
さらに具体的に、携帯用端末機10の側面には、ケース部材13の少なくとも一側面にスピーカーホール15が形成され、ケース部材13の内側には、スピーカーモジュール(図示せず)が収容された導波路部材17が取り付けられる。導波路部材17は、スピーカーモジュールの出力音をスピーカーホール15に伝達することにより、スピーカーモジュールから出力された音を携帯用端末機10の側面を介して放射するようにする。
【0008】
このように、従来技術による端末機において、通常、スピーカーホールは側面又は背面に備えられている。ユーザは、ディスプレーパネルを見ながら端末機を使用するが、音が携帯用端末機の側面又は背面を介して放射されるために、ユーザに十分に伝達されることができない問題点がある。さらに、音を出力するためのスピーカーホールが背面に形成された端末機を底面に配置させる場合に、スピーカーホールが底面に接しているために音量及び音質がかなり低下せざるを得ない。特に、タブレットPCのような携帯用端末機の場合に、ユーザが携帯用端末機を手に持って長時間使用することが難しいために、映画などを鑑賞する時には底面に置いて使用することが一般的である。この場合にも、音量及び音質が低下することを避けられない。
【0009】
したがって、携帯用端末機の音量及び音質を改善するためのシステム及び方法が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】韓国特許出願公開第2007−0119448号明細書
【特許文献2】特許第3763570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するために提案されたものであり、その目的は、ユーザが携帯用端末機のディスプレーパネルを見ていても音量及び音質を低下することなくユーザに音を伝達することができる携帯用端末機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような目的を達成するために、本発明の実施形態の一態様によれば、携帯用端末機を提供する。上記携帯用端末機は、ディスプレーパネルと、上記ディスプレーパネルの少なくとも両側を囲むように設けられるケース部材と、上記ケース部材に形成され、上記ディスプレーパネルの少なくとも一側に開放されるスピーカーホールと、を有することを特徴とする。
【0013】
上記携帯用端末機は、上記ケース部材に組み込まれるスピーカーモジュールと、上記スピーカーモジュールを囲むように設けられる導波路部材と、上記導波路部材に形成されることにより上記スピーカーモジュールから出力される音を伝達する出力導波路と、をさらに有し、上記出力導波路は、上記ディスプレーパネルと平行に延長されることにより上記スピーカーホールに接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の実施形態による携帯用端末機は、ケース部材の構造のみを変更することによりディスプレーパネルの少なくとも一側にスピーカーホールを設け、これにより、スピーカー装置から出力される音をディスプレーパネルを見ながら端末機を使用するユーザに伝達される時に音量及び音質の損失を抑制することができる。また、スピーカーホールを形成するために導波路構造を使用し、これにより、スピーカーモジュールの露出を防止し、スピーカーホールの開口部の露出を最小化することにより端末機の外観を低下させることを抑制することができる。さらに、スピーカーモジュールから出力される音を音響導波路を介して伝達することができるので、スピーカーモジュールの設置位置を自由に設定することができるという長所を有する。
【0015】
本発明の他の目的、効果、及び顕著な特徴は、添付図面が併用される本発明の実施形態を開示する後述の詳細な説明から、当業者にとって一層明らかになる。
【0016】
図面中、同一の図面参照符号は、同一の構成要素、特性、及び構造を意味することが分かるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来技術による携帯用端末機を示す図である。
【図2】従来技術による携帯用端末機のケース部材の一部を拡大する斜視図である。
【図3】従来技術による携帯用端末機の主要部分を示す断面図である。
【図4】本発明の望ましい実施形態による携帯用端末機を示す図である。
【図5】本発明の望ましい実施形態による携帯用端末機のケース部材の一部を拡大する図である。
【図6】本発明の望ましい実施形態による携帯用端末機の主要部分を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
添付の図面を参照した下記の説明は、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるような本発明の実施形態の包括的な理解を助けるために提供されたものであり、この理解を助けるための様々な特定の詳細を含むが、ただ1つの実施形態にすぎない。したがって、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく、ここに説明された実施形態の様々な変更及び修正が可能であるということは、当該技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。また、明瞭性及び簡潔性の観点から、当業者に公知である機能や構成に関する具体的な説明は、省略する。
【0019】
次の説明及び請求項に使用される用語及び単語は、辞典的意味に限定されるものではなく、発明者により本発明の理解を明確にかつ一貫性のあるようにするために使用される。したがって、本発明は特許請求の範囲とこれと均等なものに基づいて定義されるもので、本発明の実施形態の説明がただ実例を提供するためのもので、本発明の目的を限定するものでないことは、本発明の技術分野における通常の知識を有する者には明らかである。
【0020】
図4は、本発明の望ましい実施形態による携帯用端末機を示す図である。図5は、本発明の望ましい実施形態による携帯用端末機のケース部材の一部を拡大する図である。図6は、本発明の望ましい実施形態による携帯用端末機の主要部分を示す断面図である。
【0021】
図4乃至図6を参照すると、ディスプレーパネル111は、携帯用端末機100の前面に取り付けられ、各種回路装置(図示せず)及びバッテリーパック(図示せず)は、ディスプレーパネル111の少なくとも両側面を囲むように結合されるケース部材102の内側に組み込まれる。このとき、ディスプレーパネル111の少なくとも一側には、スピーカーホール115がケース部材102の一側面に開口するように形成されている。スピーカーホール115は、ケース部材102の側面に沿う長円状に形成されている。
【0022】
ディスプレーパネル111は、液晶ディスプレー(LCD)素子、発光ダイオード(LED)素子、有機発光ダイオード(OLED)素子などを使用して製造されて画像を出力する。画像の出力に加えて、ディスプレーパネル111は、タッチパネルを装着することにより入力装置としても使用されることができる。例えば、減圧式タッチパネル又は静電容量式タッチパネルをディスプレー素子の前面に取り付けることにより、ディスプレーパネル111は、タッチスクリーンとして使用される。
【0023】
ケース部材102は、実質的に携帯用端末機100のハウジングを構成し、ディスプレーパネル111は、ケース部材102の前面に装着される。ケース部材102は、ディスプレーパネル111の背面から離間した状態で向かい合う背面パネル121と、背面パネル121の両側からそれぞれ延長されて互いに反対側に位置する側面リブ123と、を含む。好ましくは、側面リブ123は、背面パネル121の全エッジから延長されることによりディスプレーパネル111の周囲を囲む。側面リブ123は、ディスプレーパネル111の両側のエッジを囲むように結合され、これにより、ディスプレーパネル111がケース部材102に固定される。
【0024】
ケース部材102の内側には、スピーカーモジュール103が収容された導波路部材117が設置される。スピーカーモジュール103は、振動板及びボイスコイルを用いて音を発生させ、この発生した音を導波路部材117に形成された出力導波路119を介して出力する。導波路部材117は、シリコン、ウレタンのような弾性材質又は剛性を有する合成樹脂で作られる。出力導波路119は、ディスプレーパネル111及び背面パネル121と平行に延長し、導波路部材117の一側で開放される。スピーカーモジュール103がケース部材102の内側に設置される場合に、出力導波路119は、ディスプレーパネル111と平行に延長されるように配置される。
【0025】
スピーカーホール115は、第1の導波路115a及び第2の導波路115bを含む。第1の導波路115aは、側面リブ123の内側壁から背面パネル121と平行に延長される。導波路部材117の出力導波路119は、側面リブ123の内側壁で第1の導波路115aに接続される。結果的に、第1の導波路115aは、導波路部材117とは個別に形成されるが、導波路部材117と接続され、これにより、実質的に出力導波路119を延長する。第2の導波路115bは、側面リブ123の伸張方向に沿って第1の導波路115aから延長され、側面リブ123の上端で開放される。したがって、ディスプレーパネル111がケース部材102に結合されると、スピーカーホール115は、ディスプレーパネル111の少なくとも一側又はディスプレーパネル111の両側にそれぞれ位置する。なお、第1の導波路115aの幅は、出力導波路119から離れるにしたがって徐々に減少し、第2の導波路115bの幅は、第1の導波路115aから離れるにしたがって徐々に増大する。
【0026】
したがって、スピーカーモジュール103から発生した音は、出力導波路119、第1の導波路115a、及び第2の導波路115bを順次に伝達され、最終的にディスプレーパネル111の少なくとも一側又はディスプレーパネル111の両側を介してそれぞれ出力される。
【0027】
その結果、ユーザは、携帯用端末機100が載せられた位置に無関係に、ディスプレーパネル111を見る時にも音量又は音質が低下しない音を聴取することができる。
【0028】
以上、本発明を具体的な実施形態を参照して詳細に説明してきたが、本発明の範囲及び趣旨を逸脱することなく様々な変更が可能であるということは、当業者には明らかであり、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものの範囲内で定められるべきである。
【符号の説明】
【0029】
100 携帯用端末機、102 ケース部材、103 スピーカーモジュール、111 ディスプレーパネル、115 スピーカーホール、115a 第1の導波路、115b 第2の導波路、117 導波路部材、119 出力導波路、121 背面パネル、123 側面リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用端末機であって、
ディスプレーパネルと、
前記ディスプレーパネルの少なくとも両側を囲むように設けられるケース部材と、
前記ケース部材に形成され、前記ディスプレーパネルの少なくとも一側に開放されるスピーカーホールと、
を有することを特徴とする携帯用端末機。
【請求項2】
前記ケース部材に組み込まれるスピーカーモジュールと、
前記スピーカーモジュールを囲むように設けられる導波路部材と、
前記導波路部材に形成されることにより前記スピーカーモジュールから出力される音を伝達する出力導波路と、をさらに有し、
前記出力導波路は、前記ディスプレーパネルと平行に延長されることにより前記スピーカーホールに接続されることを特徴とする請求項1に記載の携帯用端末機。
【請求項3】
前記ケース部材は、
前記ディスプレーパネルと向かい合う背面パネルと、
前記背面パネルの両側からそれぞれ延長されて互いに反対側に位置する側面リブと、を有し、
前記側面リブが前記ディスプレーパネルの両側をそれぞれ囲むように結合されることを特徴とする請求項1に記載の携帯用端末機。
【請求項4】
前記スピーカーホールは、
前記背面パネルと平行に前記側面リブのそれぞれの内側壁から延長される第1の導波路と、
前記第1の導波路に接続されて前記側面リブを介して延長される第2の導波路と、を有し、
前記第2の導波路が前記側面リブの上端で開放されることを特徴とする請求項3に記載の携帯用端末機。
【請求項5】
前記第1の導波路の幅は、出力導波路から離れるにしたがって徐々に減少し、前記第2の導波路の幅は、前記第1の導波路から離れるにしたがって徐々に増大することを特徴とする請求項4に記載の携帯用端末機。
【請求項6】
前記ケース部材に組み込まれるスピーカーモジュールと、
前記スピーカーモジュールを囲むように設けられる導波路部材と、
前記導波路部材に形成されて前記スピーカーモジュールから出力される音を伝達する出力導波路と、をさらに有し、
前記出力導波路は、前記ディスプレーパネルと平行に延長することにより前記出力導波路の端部が前記第1の導波路に接続されることを特徴とする請求項4に記載の携帯用端末機。
【請求項7】
前記第1の導波路の幅は、前記出力導波路から離れるにしたがって徐々に減少し、前記第2の導波路の幅は、前記第1の導波路から離れるにしたがって徐々に増大することを特徴とする請求項6に記載の携帯用端末機。
【請求項8】
携帯用端末機であって、
ディスプレーパネルと、
前記ディスプレーパネルの少なくとも両側を囲むように設けられるケース部材と、
前記ケース部材に形成され、前記ディスプレーパネルの少なくとも一側に開放されるスピーカーホールと、を有し、
前記スピーカーホールは、前記ディスプレーパネルを囲む側面リブの上端を介して音を出力することを特徴とする携帯用端末機。
【請求項9】
前記ケース部材に組み込まれたスピーカーモジュールと、
前記スピーカーモジュールを囲むように設けられる導波路部材と、
前記導波路部材に形成されて前記スピーカーモジュールから出力される音を伝達する出力導波路と、をさらに有し、
前記出力導波路は、前記ディスプレーパネルと平行に延長されて前記スピーカーホールを構成する第1の導波路に接続されることを特徴とする請求項8に記載の携帯用端末機。
【請求項10】
前記ケース部材は、
前記ディスプレーパネルと向かい合う背面パネルと、
前記背面パネルの両側からそれぞれ延長されて互いに反対側に位置する側面リブと、を有し、
前記側面リブが前記ディスプレーパネルの両側をそれぞれ囲むように結合されることを特徴とする請求項8に記載の携帯用端末機。
【請求項11】
前記スピーカーホールは、
前記背面パネルと平行に前記側面リブのそれぞれの内側壁から延長される第1の導波路と、
前記第1の導波路に接続されて前記側面リブを介して延長される第2の導波路と、を有し、
前記第2の導波路が前記側面リブの上端で開放されることを特徴とする請求項10に記載の携帯用端末機。
【請求項12】
前記第1の導波路の幅は、出力導波路から離れるにしたがって徐々に減少し、前記第2の導波路の幅は、前記第1の導波路から離れるにしたがって徐々に増大することを特徴とする請求項11に記載の携帯用端末機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−90336(P2013−90336A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−226750(P2012−226750)
【出願日】平成24年10月12日(2012.10.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】