携帯端末、その文字入力方法、プログラム及び記録媒体
【課題】タッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末において、文字検索及び文字決定で画面移行を伴うことなく、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力ができるようにする。
【解決手段】携帯端末は、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する文字情報保持手段と、ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する位置検出手段と、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示するとともに、位置検出手段による検出結果に基づいて文字情報保持手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する表示制御手段と、表示制御手段により表示された入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが位置検出手段により検出された場合に、表示位置の入力文字情報を入力する文字入力手段と、を有する。
【解決手段】携帯端末は、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する文字情報保持手段と、ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する位置検出手段と、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示するとともに、位置検出手段による検出結果に基づいて文字情報保持手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する表示制御手段と、表示制御手段により表示された入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが位置検出手段により検出された場合に、表示位置の入力文字情報を入力する文字入力手段と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、その文字入力方法、プログラム及び記録媒体に関し、特に、例えばタッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末における文字入力に好ましく適用される技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等、様々な携帯端末が市場において提供されている。これらの携帯端末は、入出力インタフェースとして、液晶等の表示部や、複数のスイッチ(例えばデジットキー)、タッチパネル等の操作部を備え、ユーザが外出先で簡便に情報を参照し、入力しうるように構成されている。
【0003】
デジットキーによる文字入力では、ユーザが意図した文字を表示するには同一キーを所定回数だけ押下する必要がある。表示される文字はキーの押下回数で決まるため、押下する回数が1回でも多いと意図した文字とは異なる文字が表示され、所望の文字を表示させるためにさらに多くの回数だけキーを押さなければならなくなる。また、拗音、促音、濁音の入力を行う際、QWERTY配列のキーボード入力に比べて入力ステップ数が多くなる。このように、デジットキーによる文字入力は、操作方法としてシンプルであるものの、比較的時間のかかるやり方といえる。
【0004】
他方、タッチパネルによる文字入力は、一般に平仮名の50音を全てディスプレイに表示してユーザに所望の文字を選択させて入力を行う。このため、タッチパネルによる文字入力は、ユーザにとって直感的な端末操作が可能となることもあり、表示機能及び入力機能を備えたタッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末は注目を集めている。ところが、構造上ディスプレイの大きさに制約がある携帯端末においては、ユーザの指でタッチしやすい文字サイズの平仮名50音を全て画面表示することは困難である。
【0005】
例えば特許文献1では、効率的な文字入力を確保しつつ、文字入力のためのキーの表示が、他の情報の表示の妨げになることを最小限に抑制できる携帯端末が開示されている。当該携帯端末においては、ディスプレイの左右両端に50音の各行の頭文字が表示され、一方の側に配置された頭文字をタッチした場合に、その頭文字の属する行の平仮名が他方の側に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−148536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明は、平仮名50音の全てをディスプレイ全体に表示することなく、限られた領域に必要最小限の文字を表示させてユーザに文字入力を行わせるものであるが、ユーザに要求する動作としては冗長な部分があり、スムーズな文字入力を実現するものとはいえない。すなわち、複数の文字を連続して入力しようとする場合、初期画面(50音の各行の頭文字が表示されている状態)と文字選択画面(所望の文字が属する行の全ての文字が表示されている状態)とで操作する必要があり、文字検索と文字決定で画面移行が発生してしまう。また、画面移行のたびに画面へのタッチが必要となってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、タッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末において、文字検索及び文字決定で画面移行を伴うことなく、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯端末は、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する文字情報保持手段と、ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する位置検出手段と、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示するとともに、位置検出手段による検出結果に基づいて文字情報保持手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する表示制御手段と、表示制御手段により表示された入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが位置検出手段により検出された場合に、表示位置の入力文字情報を入力する文字入力手段と、を有する。
【0010】
本発明の携帯端末の文字入力方法は、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示ステップと、見出し文字表示ステップで表示された見出し文字に対してユーザが接触したディスプレイ上の位置を検出する第1位置検出ステップと、第1位置検出ステップでの検出結果に基づいて、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示ステップと、第入力文字情報表示ステップで表示された入力文字情報に対してユーザが接触を解消したディスプレイ上の位置を検出する第2位置検出ステップと、第2位置検出ステップでの検出結果に基づいて、接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力ステップと、を有する。
【0011】
本発明のプログラムは、コンピュータに、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示処理と、文字表示処理で表示された見出し文字に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示処理と、入力文字情報表示処理で表示された入力文字情報に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力処理と、を実行させる。
【0012】
本発明の記録媒体は、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末において、文字検索及び文字決定で画面移行を伴うことなく、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る携帯端末の構成を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウエア構成を示した図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯電話機の文字入力処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図5】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図6】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図7】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図8】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図9】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図10】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図11】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図12】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図13】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図14】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図15】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図16】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【図19】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明が適用される携帯端末は、図1に示すように、文字情報保持手段2、位置検出手段3、表示制御手段4、文字入力手段5を有して構成される。
【0016】
文字情報保持手段2は、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する。見出し文字は入力文字情報を検索するために用いられる文字であり、例えば、平仮名をローマ字表記した場合の母音以外に用いられるアルファベットや、平仮名50音の各行の頭文字が挙げられる。位置検出手段3は、ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する。
【0017】
表示制御手段4は、ディスプレイにおける対向する左右両端の領域に見出し文字を配置して表示する。また、表示制御手段4は、位置検出手段3での検出結果に基づいて、検出された位置の見出し文字に関連付けられた入力文字情報を文字情報保持手段2から読み出してディスプレイに表示する。文字入力手段5は、表示制御手段4が表示した入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消された(ディスプレイ上からユーザの指がリリースされた)ことが位置検出手段3により検出された場合に、リリースされた位置に表示されていた入力文字情報を入力する。
【0018】
本発明では、表示制御手段4が、文字検索のためにディスプレイの左右両端に見出し文字を表示するとともに、画面遷移を行わずに、画面接触された見出し文字に関連付けられた入力文字情報を表示する。また、文字入力手段5が、画面接触により文字選択を継続させつつ、画面接触の解消をトリガとして、接触が解消された位置に表示された入力文字情報を最終的に決定して文字入力を行う。このため、文字検索及び文字決定のたびに画面移行や所定の操作が必要とならず、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力を行うことが可能である。
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図2は、本発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウエア構成を示した図である。本実施形態の携帯電話機は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access Memory)30、ディスプレイ40、記憶部50を有して構成される。
【0021】
CPU10は、ROM20に格納されたプログラムに従って、携帯電話機の全体動作を制御する。また、CPU10は、本発明特有の文字入力動作を行うためのプログラムをROM20から読み込み、図1の表示制御手段4及び文字入力手段5に相当する手段を主記憶上に構成する。
【0022】
ROM20は、携帯電話機全体の制御プログラムや本発明特有の文字入力処理を行うための専用プログラムを格納する。RAM30は、CPU10による全体制御や文字入力処理の際の用いられる一時的な記憶領域を持つ。
【0023】
ディスプレイ40は、表示部41及びタッチパネル42を有して構成され、表示機能及び入力機能を持つ入出力装置である。表示部41は、各種情報をディスプレイ40上に画面表示する。タッチパネル42は、図1の位置検出手段3に相当する構成で、ユーザの指の触れたディスプレイ上の位置情報を検出する。
【0024】
記憶部50は、図1の文字情報保持手段2に相当する構成で、文字検索の見出し文字としてのアルファベットと文字入力の対象となる平仮名とを関連付けて保持する。本実施形態では、記憶部50は、図4から図15に示すような、アルファベットと平仮名の対応テーブルである文字変換表を保持する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る携帯電話機の文字入力処理の流れを示したフローチャートである。
【0026】
なお、本実施形態では、文字入力を行う平仮名を検索するための見出し文字としてアルファベットを用い、QWERTY配列に基づいてアルファベットをディスプレイの左右両端の領域に分けて配置する。すなわち、図16に示すように、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bを上から順に表示し、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)を上から順に表示する。アルファベットをQWERTY配列に基づいて配置するのは、デジットキーによる文字入力と比較して入力ステップ数を少なくでき(特に拗音、促音、濁音の場合)、またユーザにとってキーボードを使用した文字入力と同様のスムーズな文字入力を行わせるためである。
【0027】
まず、表示制御手段4としてのCPU10は、表示部41にQWERTY配列によるアルファベットをディスプレイの左右両端の領域に表示させる(ステップS1)。そして、ユーザによるディスプレイ40への入力動作を受けて、位置検出手段3としてのタッチパネル42は、ディスプレイ上のユーザの指の接触位置を検出する(ステップS2)。CPU10は、タッチパネル42が検出した接触位置の情報を取得する。
【0028】
CPU10は、タッチパネル42から取得したユーザの接触位置とアルファベットの表示位置との一致を監視し、指接触位置とアルファベット表示位置が一致した場合(ステップS3/YES)に、該接触位置と一致した表示位置のアルファベットに関連付けられた平仮名の文字群を、文字情報保持手段2としての記憶部50から読み出す(ステップS4)。なお、CPU10は、指接触位置とアルファベット表示位置の一致を監視するに際し、アルファベットの表示位置の情報を保持するように構成してもよいし、RAM30の保持した表示位置情報を参照するように構成してもよい。
【0029】
次に、CPU10は、記憶部50から読み出した平仮名の文字群の情報を表示部41に送出し、表示部41にアルファベットに関連する平仮名の文字群を表示させる(ステップS5)。
【0030】
続いて、ユーザによる平仮名の文字選択を受けて、タッチパネル42はユーザの指の接触位置及び接触状態を検出してその情報をCPU10に送る。CPU10は、ユーザの指がリリースされた状態及びその位置の情報をタッチパネル42から受け取った場合(ステップS6/YES)、リリースされた位置に表示された平仮名を入力文字と決定し(ステップS7)、文字入力を行う(ステップS8)。ユーザの指がリリースされた位置が平仮名文字群の表示位置以外の位置であった場合(ステップS6/NO)、CPU10は、エラーとして文字入力は行わない(ステップS9)。
【0031】
図4から図19を参照してさらに具体的に説明する。本実施形態では、先に述べたように、文字入力を行う際、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bを上から順に表示し、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)を上から順に表示する。いずれかのアルファベットにタッチするとタッチした文字が表示されている右(左端のアルファベットをタッチした場合)か、左(右端のアルファベットをタッチした場合)にタッチしたアルファベットを最初の入力とした関連文字が表示される。そして、タッチしたまま表示されたいずれかの文字を選択し、指をリリースすると文字を確定する。
【0032】
左側のアルファベットをタッチした際に表示される文字は、ローマ字入力で「タッチしたアルファベット」+「“Y”、“H”(対応する文字がある場合のみ)」+「母音(“A”、"I"、"U"、"E"、"O"(母音の並び順は左記順とする))」である。ただし、"A"をタッチした場合には"A"の右側に向かって順に"あ"、"え"を表示する(図16を参照)。また、右側のアルファベットをタッチした際に表示される文字は、ローマ字入力で「タッチしたアルファベット」+「"Y"、"H"(対応する文字がある場合のみ)」+「母音("O"、"E"、 "U"、 "I"、"A"(母音の並び順は左記順とする))」とする。ただし、"U"をタッチした場合には"U"の左側に向かって順に"い"、"う"、"お"を表示する。
【0033】
例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、文字入力を開始し、"A"にタッチする(図16(1))。左右両端のアルファベットの中から"A"が選択されると、図4(a)に示す文字変換表に従って、"A"の右側に"あ"、"え"が表示される。このときユーザの指は"A"の位置にタッチされたままである。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"あ"まで移動した場合、入力文字として"あ"が選択された状態となる(図16(2))。この状態でユーザの指がリリースされた場合には、"あ"が入力文字として確定する(図16(3))。このように、入力文字の確定はリリースされた時点で行われるため、図16(2)のようにディスプレイにタッチした状態であれば、“え”に指を移動させて“え“を選択することが可能である。
【0034】
また例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、"U"がタッチされた場合、図4(b)に示す文字変換表に従って、"U"の左側に"お"、"う"、“い”が表示される(図17(1))。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"う"まで移動した場合は入力文字として"う"が選択された状態となり(図17(2))、この状態でユーザの指がリリースされた場合に"あ"が入力文字として確定する(図17(3))。
【0035】
例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、"T"がタッチされた場合、図7(a)に示す文字変換表に従って、"T"の右側に"た"、"ち"、“つ”、“て”、“と”が表示される。また、「"T"+“H”+母音」及び「"T"+“Y”+母音」でローマ字入力した場合の平仮名の文字が存在するため、"てゃ"、"てゅ"、“てょ”、“ちゃ”、“ちぃ”、“ちゅ”、“ちぇ”、“ちょ”が、"た"、"ち"、“つ”、“て”、“と”の上下に表示される(図18(1))。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"ちぇ"まで移動した場合は入力文字として"ちぇ"が選択された状態となり(図18(2))、この状態でユーザの指がリリースされた場合に"ちぇ"が入力文字として確定する(図18(3))。
【0036】
例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、"H"がタッチされた場合、図7(b)に示す文字変換表に従って、"H"の左側に"ほ"、"へ"、“ふ”、“ひ”、“は”が表示される。また、「"H"+“Y”+母音」でローマ字入力した場合の平仮名の文字が存在するため、 “ひょ”、“ひぇ”、“ひゅ”、“ひぃ”、“ひゃ”が、"ほ"、"へ"、“ふ”、“ひ”、“は”の下に表示される(図19(1))。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"ひぇ"まで移動した場合は入力文字として"ひぇ"が選択された状態となり(図19(2))、この状態でユーザの指がリリースされた場合に"ひぇ"が入力文字として確定する(図19(3))。
【0037】
本実施形態によれば、左側に一列、右側に一列の文字表示領域を確保するだけで文字入力を行うことができるため、文字入力以外の表示を効率的に行うことができる。また、一列であるため、左右の間隔を広くするといった配慮を行う必要がなくなる。
【0038】
本実施形態によれば、QWERTY配列のキーボードに慣れ親しんでいるユーザにとっては、左側のアルファベットは左手で押すキー、右側のアルファベットは右手で押すキーとして認識でき、並び順もQWERTY配列を踏襲したものであることから、スムーズな入力が可能になる。
【0039】
本実施形態によれば、左側のアルファベットを選択した際は左側から母音“あ”、“い”、“う”、“え”、“お”の文字を順に表示し、右側のアルファベットを選択した際は右側から母音“あ”、“い”、“う”、“え”、“お”の文字を順に表示することで、同じ母音までの距離が左右のどちらから選択しても同じになるため、スムーズな入力が可能になる。
【0040】
本実施形態によれば、QWERTY配列のキーボード入力のように拗音、促音、濁音の入力を簡単に行える。また、常に2アクション(タッチ+リリース)で文字入力が可能となる。
【0041】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0042】
すなわち、本実施形態における携帯電話機で実行されるプログラムは、先に述べた各手段(表示制御手段4、文字入力手段5)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウエアを用いて具体的手段を実現する。すなわち、コンピュータ(CPU)が所定の記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされて生成される。
【0043】
本実施形態における携帯電話機で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供あるいは配布するように構成してもよい。
【0044】
また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、不揮発性のメモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムは、ROM等にあらかじめ組み込んで提供するように構成してもよい。
【0045】
この場合、上記記録媒体から読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成する。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯端末
2 文字情報保持手段
3 位置検出手段
4 表示制御手段
5 文字入力手段
10 CPU
20 ROM
30 RAM
40 ディスプレイ
41 表示部
42 タッチパネル
50 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、その文字入力方法、プログラム及び記録媒体に関し、特に、例えばタッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末における文字入力に好ましく適用される技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)等、様々な携帯端末が市場において提供されている。これらの携帯端末は、入出力インタフェースとして、液晶等の表示部や、複数のスイッチ(例えばデジットキー)、タッチパネル等の操作部を備え、ユーザが外出先で簡便に情報を参照し、入力しうるように構成されている。
【0003】
デジットキーによる文字入力では、ユーザが意図した文字を表示するには同一キーを所定回数だけ押下する必要がある。表示される文字はキーの押下回数で決まるため、押下する回数が1回でも多いと意図した文字とは異なる文字が表示され、所望の文字を表示させるためにさらに多くの回数だけキーを押さなければならなくなる。また、拗音、促音、濁音の入力を行う際、QWERTY配列のキーボード入力に比べて入力ステップ数が多くなる。このように、デジットキーによる文字入力は、操作方法としてシンプルであるものの、比較的時間のかかるやり方といえる。
【0004】
他方、タッチパネルによる文字入力は、一般に平仮名の50音を全てディスプレイに表示してユーザに所望の文字を選択させて入力を行う。このため、タッチパネルによる文字入力は、ユーザにとって直感的な端末操作が可能となることもあり、表示機能及び入力機能を備えたタッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末は注目を集めている。ところが、構造上ディスプレイの大きさに制約がある携帯端末においては、ユーザの指でタッチしやすい文字サイズの平仮名50音を全て画面表示することは困難である。
【0005】
例えば特許文献1では、効率的な文字入力を確保しつつ、文字入力のためのキーの表示が、他の情報の表示の妨げになることを最小限に抑制できる携帯端末が開示されている。当該携帯端末においては、ディスプレイの左右両端に50音の各行の頭文字が表示され、一方の側に配置された頭文字をタッチした場合に、その頭文字の属する行の平仮名が他方の側に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−148536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の発明は、平仮名50音の全てをディスプレイ全体に表示することなく、限られた領域に必要最小限の文字を表示させてユーザに文字入力を行わせるものであるが、ユーザに要求する動作としては冗長な部分があり、スムーズな文字入力を実現するものとはいえない。すなわち、複数の文字を連続して入力しようとする場合、初期画面(50音の各行の頭文字が表示されている状態)と文字選択画面(所望の文字が属する行の全ての文字が表示されている状態)とで操作する必要があり、文字検索と文字決定で画面移行が発生してしまう。また、画面移行のたびに画面へのタッチが必要となってしまう。
【0008】
そこで、本発明は、タッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末において、文字検索及び文字決定で画面移行を伴うことなく、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力ができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯端末は、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する文字情報保持手段と、ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する位置検出手段と、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示するとともに、位置検出手段による検出結果に基づいて文字情報保持手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する表示制御手段と、表示制御手段により表示された入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが位置検出手段により検出された場合に、表示位置の入力文字情報を入力する文字入力手段と、を有する。
【0010】
本発明の携帯端末の文字入力方法は、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示ステップと、見出し文字表示ステップで表示された見出し文字に対してユーザが接触したディスプレイ上の位置を検出する第1位置検出ステップと、第1位置検出ステップでの検出結果に基づいて、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示ステップと、第入力文字情報表示ステップで表示された入力文字情報に対してユーザが接触を解消したディスプレイ上の位置を検出する第2位置検出ステップと、第2位置検出ステップでの検出結果に基づいて、接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力ステップと、を有する。
【0011】
本発明のプログラムは、コンピュータに、ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示処理と、文字表示処理で表示された見出し文字に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示処理と、入力文字情報表示処理で表示された入力文字情報に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力処理と、を実行させる。
【0012】
本発明の記録媒体は、上記のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、タッチパネル式のディスプレイを搭載する携帯端末において、文字検索及び文字決定で画面移行を伴うことなく、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る携帯端末の構成を示した図である。
【図2】本発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウエア構成を示した図である。
【図3】本発明の実施形態に係る携帯電話機の文字入力処理の流れを示したフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図5】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図6】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図7】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図8】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図9】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図10】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図11】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図12】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図13】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図14】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図15】本発明の実施形態における文字変換表(アルファベットと平仮名の対応テーブル)を示した図である。
【図16】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【図19】本発明の実施形態における文字入力例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明が適用される携帯端末は、図1に示すように、文字情報保持手段2、位置検出手段3、表示制御手段4、文字入力手段5を有して構成される。
【0016】
文字情報保持手段2は、見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する。見出し文字は入力文字情報を検索するために用いられる文字であり、例えば、平仮名をローマ字表記した場合の母音以外に用いられるアルファベットや、平仮名50音の各行の頭文字が挙げられる。位置検出手段3は、ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する。
【0017】
表示制御手段4は、ディスプレイにおける対向する左右両端の領域に見出し文字を配置して表示する。また、表示制御手段4は、位置検出手段3での検出結果に基づいて、検出された位置の見出し文字に関連付けられた入力文字情報を文字情報保持手段2から読み出してディスプレイに表示する。文字入力手段5は、表示制御手段4が表示した入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消された(ディスプレイ上からユーザの指がリリースされた)ことが位置検出手段3により検出された場合に、リリースされた位置に表示されていた入力文字情報を入力する。
【0018】
本発明では、表示制御手段4が、文字検索のためにディスプレイの左右両端に見出し文字を表示するとともに、画面遷移を行わずに、画面接触された見出し文字に関連付けられた入力文字情報を表示する。また、文字入力手段5が、画面接触により文字選択を継続させつつ、画面接触の解消をトリガとして、接触が解消された位置に表示された入力文字情報を最終的に決定して文字入力を行う。このため、文字検索及び文字決定のたびに画面移行や所定の操作が必要とならず、最小限度の画面接触動作でスムーズな文字入力を行うことが可能である。
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図2は、本発明の実施形態に係る携帯電話機のハードウエア構成を示した図である。本実施形態の携帯電話機は、CPU(Central Processing Unit)10、ROM(Read Only Memory)20、RAM(Random Access Memory)30、ディスプレイ40、記憶部50を有して構成される。
【0021】
CPU10は、ROM20に格納されたプログラムに従って、携帯電話機の全体動作を制御する。また、CPU10は、本発明特有の文字入力動作を行うためのプログラムをROM20から読み込み、図1の表示制御手段4及び文字入力手段5に相当する手段を主記憶上に構成する。
【0022】
ROM20は、携帯電話機全体の制御プログラムや本発明特有の文字入力処理を行うための専用プログラムを格納する。RAM30は、CPU10による全体制御や文字入力処理の際の用いられる一時的な記憶領域を持つ。
【0023】
ディスプレイ40は、表示部41及びタッチパネル42を有して構成され、表示機能及び入力機能を持つ入出力装置である。表示部41は、各種情報をディスプレイ40上に画面表示する。タッチパネル42は、図1の位置検出手段3に相当する構成で、ユーザの指の触れたディスプレイ上の位置情報を検出する。
【0024】
記憶部50は、図1の文字情報保持手段2に相当する構成で、文字検索の見出し文字としてのアルファベットと文字入力の対象となる平仮名とを関連付けて保持する。本実施形態では、記憶部50は、図4から図15に示すような、アルファベットと平仮名の対応テーブルである文字変換表を保持する。
【0025】
図3は、本発明の実施形態に係る携帯電話機の文字入力処理の流れを示したフローチャートである。
【0026】
なお、本実施形態では、文字入力を行う平仮名を検索するための見出し文字としてアルファベットを用い、QWERTY配列に基づいてアルファベットをディスプレイの左右両端の領域に分けて配置する。すなわち、図16に示すように、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bを上から順に表示し、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)を上から順に表示する。アルファベットをQWERTY配列に基づいて配置するのは、デジットキーによる文字入力と比較して入力ステップ数を少なくでき(特に拗音、促音、濁音の場合)、またユーザにとってキーボードを使用した文字入力と同様のスムーズな文字入力を行わせるためである。
【0027】
まず、表示制御手段4としてのCPU10は、表示部41にQWERTY配列によるアルファベットをディスプレイの左右両端の領域に表示させる(ステップS1)。そして、ユーザによるディスプレイ40への入力動作を受けて、位置検出手段3としてのタッチパネル42は、ディスプレイ上のユーザの指の接触位置を検出する(ステップS2)。CPU10は、タッチパネル42が検出した接触位置の情報を取得する。
【0028】
CPU10は、タッチパネル42から取得したユーザの接触位置とアルファベットの表示位置との一致を監視し、指接触位置とアルファベット表示位置が一致した場合(ステップS3/YES)に、該接触位置と一致した表示位置のアルファベットに関連付けられた平仮名の文字群を、文字情報保持手段2としての記憶部50から読み出す(ステップS4)。なお、CPU10は、指接触位置とアルファベット表示位置の一致を監視するに際し、アルファベットの表示位置の情報を保持するように構成してもよいし、RAM30の保持した表示位置情報を参照するように構成してもよい。
【0029】
次に、CPU10は、記憶部50から読み出した平仮名の文字群の情報を表示部41に送出し、表示部41にアルファベットに関連する平仮名の文字群を表示させる(ステップS5)。
【0030】
続いて、ユーザによる平仮名の文字選択を受けて、タッチパネル42はユーザの指の接触位置及び接触状態を検出してその情報をCPU10に送る。CPU10は、ユーザの指がリリースされた状態及びその位置の情報をタッチパネル42から受け取った場合(ステップS6/YES)、リリースされた位置に表示された平仮名を入力文字と決定し(ステップS7)、文字入力を行う(ステップS8)。ユーザの指がリリースされた位置が平仮名文字群の表示位置以外の位置であった場合(ステップS6/NO)、CPU10は、エラーとして文字入力は行わない(ステップS9)。
【0031】
図4から図19を参照してさらに具体的に説明する。本実施形態では、先に述べたように、文字入力を行う際、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bを上から順に表示し、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)を上から順に表示する。いずれかのアルファベットにタッチするとタッチした文字が表示されている右(左端のアルファベットをタッチした場合)か、左(右端のアルファベットをタッチした場合)にタッチしたアルファベットを最初の入力とした関連文字が表示される。そして、タッチしたまま表示されたいずれかの文字を選択し、指をリリースすると文字を確定する。
【0032】
左側のアルファベットをタッチした際に表示される文字は、ローマ字入力で「タッチしたアルファベット」+「“Y”、“H”(対応する文字がある場合のみ)」+「母音(“A”、"I"、"U"、"E"、"O"(母音の並び順は左記順とする))」である。ただし、"A"をタッチした場合には"A"の右側に向かって順に"あ"、"え"を表示する(図16を参照)。また、右側のアルファベットをタッチした際に表示される文字は、ローマ字入力で「タッチしたアルファベット」+「"Y"、"H"(対応する文字がある場合のみ)」+「母音("O"、"E"、 "U"、 "I"、"A"(母音の並び順は左記順とする))」とする。ただし、"U"をタッチした場合には"U"の左側に向かって順に"い"、"う"、"お"を表示する。
【0033】
例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、文字入力を開始し、"A"にタッチする(図16(1))。左右両端のアルファベットの中から"A"が選択されると、図4(a)に示す文字変換表に従って、"A"の右側に"あ"、"え"が表示される。このときユーザの指は"A"の位置にタッチされたままである。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"あ"まで移動した場合、入力文字として"あ"が選択された状態となる(図16(2))。この状態でユーザの指がリリースされた場合には、"あ"が入力文字として確定する(図16(3))。このように、入力文字の確定はリリースされた時点で行われるため、図16(2)のようにディスプレイにタッチした状態であれば、“え”に指を移動させて“え“を選択することが可能である。
【0034】
また例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、"U"がタッチされた場合、図4(b)に示す文字変換表に従って、"U"の左側に"お"、"う"、“い”が表示される(図17(1))。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"う"まで移動した場合は入力文字として"う"が選択された状態となり(図17(2))、この状態でユーザの指がリリースされた場合に"あ"が入力文字として確定する(図17(3))。
【0035】
例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、"T"がタッチされた場合、図7(a)に示す文字変換表に従って、"T"の右側に"た"、"ち"、“つ”、“て”、“と”が表示される。また、「"T"+“H”+母音」及び「"T"+“Y”+母音」でローマ字入力した場合の平仮名の文字が存在するため、"てゃ"、"てゅ"、“てょ”、“ちゃ”、“ちぃ”、“ちゅ”、“ちぇ”、“ちょ”が、"た"、"ち"、“つ”、“て”、“と”の上下に表示される(図18(1))。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"ちぇ"まで移動した場合は入力文字として"ちぇ"が選択された状態となり(図18(2))、この状態でユーザの指がリリースされた場合に"ちぇ"が入力文字として確定する(図18(3))。
【0036】
例えば、ディスプレイの左端にA、W、R、T、S、D、F、G、Z、X、V、Bの順に、右端にU、Y、P、H、J、K、N、M、ー(長音符)の順に表示された状態で、"H"がタッチされた場合、図7(b)に示す文字変換表に従って、"H"の左側に"ほ"、"へ"、“ふ”、“ひ”、“は”が表示される。また、「"H"+“Y”+母音」でローマ字入力した場合の平仮名の文字が存在するため、 “ひょ”、“ひぇ”、“ひゅ”、“ひぃ”、“ひゃ”が、"ほ"、"へ"、“ふ”、“ひ”、“は”の下に表示される(図19(1))。そして、ユーザの指がタッチされた状態で"ひぇ"まで移動した場合は入力文字として"ひぇ"が選択された状態となり(図19(2))、この状態でユーザの指がリリースされた場合に"ひぇ"が入力文字として確定する(図19(3))。
【0037】
本実施形態によれば、左側に一列、右側に一列の文字表示領域を確保するだけで文字入力を行うことができるため、文字入力以外の表示を効率的に行うことができる。また、一列であるため、左右の間隔を広くするといった配慮を行う必要がなくなる。
【0038】
本実施形態によれば、QWERTY配列のキーボードに慣れ親しんでいるユーザにとっては、左側のアルファベットは左手で押すキー、右側のアルファベットは右手で押すキーとして認識でき、並び順もQWERTY配列を踏襲したものであることから、スムーズな入力が可能になる。
【0039】
本実施形態によれば、左側のアルファベットを選択した際は左側から母音“あ”、“い”、“う”、“え”、“お”の文字を順に表示し、右側のアルファベットを選択した際は右側から母音“あ”、“い”、“う”、“え”、“お”の文字を順に表示することで、同じ母音までの距離が左右のどちらから選択しても同じになるため、スムーズな入力が可能になる。
【0040】
本実施形態によれば、QWERTY配列のキーボード入力のように拗音、促音、濁音の入力を簡単に行える。また、常に2アクション(タッチ+リリース)で文字入力が可能となる。
【0041】
なお、上述する実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0042】
すなわち、本実施形態における携帯電話機で実行されるプログラムは、先に述べた各手段(表示制御手段4、文字入力手段5)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウエアを用いて具体的手段を実現する。すなわち、コンピュータ(CPU)が所定の記録媒体からプログラムを読み出して実行することにより上記各手段が主記憶装置上にロードされて生成される。
【0043】
本実施形態における携帯電話機で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供あるいは配布するように構成してもよい。
【0044】
また、上記プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD、不揮発性のメモリカード等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されるように構成してもよい。また、上記プログラムは、ROM等にあらかじめ組み込んで提供するように構成してもよい。
【0045】
この場合、上記記録媒体から読み出された又は通信回線を通じてロードし実行されたプログラムコード自体が前述の実施形態の機能を実現することになる。そして、そのプログラムコードを記録した記録媒体は本発明を構成する。
【符号の説明】
【0046】
1 携帯端末
2 文字情報保持手段
3 位置検出手段
4 表示制御手段
5 文字入力手段
10 CPU
20 ROM
30 RAM
40 ディスプレイ
41 表示部
42 タッチパネル
50 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する文字情報保持手段と、
ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する位置検出手段と、
ディスプレイの対向する左右両端領域に前記見出し文字を配置して表示するとともに、前記位置検出手段による検出結果に基づいて前記文字情報保持手段から前記入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが前記位置検出手段により検出された場合に、前記表示位置の入力文字情報を入力する文字入力手段と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示制御手段は、QWERTY配列に基づいてアルファベットをディスプレイの対向する左右両端領域に配置して表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記文字情報保持手段は、前記見出し文字として、母音を示すアルファベット及び平仮名をローマ字表記した場合の母音以外に用いられるアルファベットを保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記文字情報保持手段は、前記入力文字情報として、前記見出し文字として用いられるアルファベットからローマ字変換により求められる平仮名の一群を前記アルファベットごとに関連付けて保持することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記文字入力手段は、前記表示制御手段による前記入力文字情報の表示前に、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが前記位置検出手段により検出された場合、前記入力文字情報の入力を行わないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記文字入力手段は、前記表示制御手段により表示された前記入力文字情報の表示位置以外の位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが前記位置検出手段により検出された場合、前記入力文字情報の入力を行わないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示ステップと、
前記見出し文字表示ステップで表示された前記見出し文字に対してユーザが接触したディスプレイ上の位置を検出する第1位置検出ステップと、
前記第1位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から前記入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示ステップと、
前記第入力文字情報表示ステップで表示された前記入力文字情報に対してユーザが接触を解消したディスプレイ上の位置を検出する第2位置検出ステップと、
前記第2位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力ステップと、
を有することを特徴とする携帯端末の文字入力方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示処理と、
前記文字表示処理で表示された見出し文字に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、前記見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から前記入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示処理と、
前記入力文字情報表示処理で表示された前記入力文字情報に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、前記接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録しコンピュータ読み取り可能なことを特徴とする記録媒体。
【請求項1】
見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する文字情報保持手段と、
ディスプレイ上のユーザの接触位置を検出する位置検出手段と、
ディスプレイの対向する左右両端領域に前記見出し文字を配置して表示するとともに、前記位置検出手段による検出結果に基づいて前記文字情報保持手段から前記入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段により表示された前記入力文字情報の表示位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが前記位置検出手段により検出された場合に、前記表示位置の入力文字情報を入力する文字入力手段と、
を有することを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記表示制御手段は、QWERTY配列に基づいてアルファベットをディスプレイの対向する左右両端領域に配置して表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記文字情報保持手段は、前記見出し文字として、母音を示すアルファベット及び平仮名をローマ字表記した場合の母音以外に用いられるアルファベットを保持することを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記文字情報保持手段は、前記入力文字情報として、前記見出し文字として用いられるアルファベットからローマ字変換により求められる平仮名の一群を前記アルファベットごとに関連付けて保持することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記文字入力手段は、前記表示制御手段による前記入力文字情報の表示前に、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが前記位置検出手段により検出された場合、前記入力文字情報の入力を行わないことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項6】
前記文字入力手段は、前記表示制御手段により表示された前記入力文字情報の表示位置以外の位置において、ユーザによるディスプレイへの接触が解消されたことが前記位置検出手段により検出された場合、前記入力文字情報の入力を行わないことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項7】
ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示ステップと、
前記見出し文字表示ステップで表示された前記見出し文字に対してユーザが接触したディスプレイ上の位置を検出する第1位置検出ステップと、
前記第1位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から前記入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示ステップと、
前記第入力文字情報表示ステップで表示された前記入力文字情報に対してユーザが接触を解消したディスプレイ上の位置を検出する第2位置検出ステップと、
前記第2位置検出ステップでの検出結果に基づいて、前記接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力ステップと、
を有することを特徴とする携帯端末の文字入力方法。
【請求項8】
コンピュータに、
ディスプレイの対向する左右両端領域に見出し文字を配置して表示する見出し文字表示処理と、
前記文字表示処理で表示された見出し文字に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、前記見出し文字と文字入力の対象となる入力文字情報とを関連付けて保持する記憶手段から前記入力文字情報を読み出してディスプレイに表示する入力文字情報表示処理と、
前記入力文字情報表示処理で表示された前記入力文字情報に対するユーザの接触位置の検出結果に基づいて、前記接触を解消した位置に表示された入力文字情報を入力する文字情報入力処理と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記録しコンピュータ読み取り可能なことを特徴とする記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−191537(P2010−191537A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−33034(P2009−33034)
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月16日(2009.2.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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