説明

携帯端末、通信方法及びプログラム

【課題】APに接続する際の利便性を向上した携帯端末、通信方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】携帯電話10は、無線通信部を介して、複数の基地局20のいずれかと通信する。携帯電話10は、無線LAN通信部を介して、無線LANのAP30と通信する。携帯電話10は、AP30との接続を解除したときに、AP30との接続が可能であることを示すAP圏内アイコンを表示部に表示することにより、AP30との接続が可能であることを通知する。また、携帯電話10は、無線通信部が受信した基地局20の電波に基づいて、AP圏内アイコンを非表示にすることにより、AP30との接続ができないことを通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末、通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線LAN(Local Area Network)のAP(Access Point)に接続可能な携帯端末が市販されている。このような携帯端末は、一旦APに接続した後、接続できなくなった場合に、接続していたAPを自動でサーチし、再接続を試みる。
これに関連し、接続できなくなったAPを自動でサーチする際に、サーチ中である旨を表示部に表示しつつ、ユーザの操作指示に応答してサーチを終了する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−266984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術を適用した携帯端末は、APに常時接続するため、消費電力を浪費する。これに対し、必要なときだけAPに接続することができる携帯端末は、APに常時接続しないため、消費電力を抑えることができる。
しかし、携帯端末は移動するため、前述した何れの携帯端末であっても、その位置によってはAPに接続できず、APに接続する際の利便性の向上が望まれていた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、APに接続する際の利便性を向上した携帯端末、通信方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る携帯端末は、
複数の基地局と無線通信する無線通信手段と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信手段と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知手段と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る通信方法は、
複数の基地局と無線通信する無線通信工程と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信工程と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知工程と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知工程と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の第3の観点に係るプログラムは、
コンピュータに、
複数の基地局と無線通信する無線通信手順と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信手順と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知手順と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知手順と、
を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、APに接続する際の利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯電話の構成を示すブロック図である。
【図3】(a)乃至(c)はそれぞれ、接続情報記憶部、基地局情報記憶部、プロファイルDBを説明するための図である。
【図4】図2に示す制御部が実行するAP接続処理を説明するためのフローチャートである。
【図5】図2に示す制御部が実行するAP接続解除処理を説明するためのフローチャートである。
【図6】AP圏アイコンの一例を示す図である。
【図7】(a)及び(b)は、携帯電話が移動した場合の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態に係る無線通信システム100を、図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る無線通信システム100は、図1に示すように、無線LANに接続可能な携帯電話10と、複数の携帯電話10の基地局20(20〜20)と、複数の無線LANのAP30(3011〜30mn)と、を備えている。
携帯電話10は、図1に示すように、基地局20との距離が所定の閾値L以内である範囲内Zjにおいて、基地局20との間で電波を送受信し、他の携帯電話等と通話することができる(j=1、2、・・・、m)。また、携帯電話10は、図1に示すように、AP30jkとの距離が所定の閾値Ljk以内の範囲内RAjkにおいて、AP30jkとの間で電波を送受信し、AP30jkを介して他の通信機器と通信することができる(j=1、2、・・・、m;k=1、2、・・・、n)。
【0013】
携帯電話10は、図2に示すように、無線通信部101と、無線LAN通信部110と、操作部120と、表示部130と、コーデック部140と、スピーカ150と、マイク160と、記憶部170と、制御部180と、を備える。
【0014】
無線通信部101は、CDMA(Code Division Multiple Access:符号分割多重接続)方式やGSM(Global Systems for Mobile communications)方式などの通信方式に応じた通信装置などから構成され、アンテナ101aを介して、近傍の基地局20と無線通信する。
無線通信部101は、アンテナ101aを介して受信した音声信号を復調した後、復調した音声信号をコーデック部140に供給する。また、無線通信部101は、コーデック部140から供給された音声信号を変調した後、変調した音声信号を、アンテナ101aを介して送信する。
【0015】
無線通信部101は、基地局20から発信される電波を定期的に受信し、受信した電波に含まれる基地局20を識別する基地局ID等を基地局情報記憶部1702に記憶する。無線通信部101は、制御部180の要求に応答して、基地局情報記憶部1702に記憶した基地局ID等を制御部180に供給する。
また、無線通信部101は、今回受信した電波に含まれる基地局IDが基地局情報記憶部1702に記憶されている前回受信した電波に含まれる基地局IDと異なる場合、制御部180に、基地局IDが変わった旨を通知する。
【0016】
無線LAN通信部110は、Ethernet(登録商標)等の通信規格に応じた通信インタフェースなどから構成され、アンテナ110aを介して、近傍のAP30と無線通信する。
【0017】
操作部120は、操作ボタン、テンキー等を備え、ユーザの操作に応じた操作信号を制御部180に供給する。
【0018】
表示部130は、LCD(Liquid Crystal Display)などから構成され、制御部180の制御下、様々な画像を表示する。
【0019】
コーデック部140は、コーデック、DAC(Digital to Analog Converter)、ADC(Analog to Digital Converter)、アンプなどから構成され、無線通信部101から供給されたデジタルの音声信号を復号し、アナログ信号に変換した後、変換したアナログ信号を増幅してスピーカ150に供給し、音声を出力させる。
また、コーデック部140は、マイク160から供給されたアナログの音声信号をデジタルの音声信号に変換し、符号化した後、符号化したデジタル信号を無線通信部101に供給する。
【0020】
記憶部170は、磁気ディスクなどから構成され、接続情報記憶部1701と、基地局情報記憶部1702と、プロファイルDB1703と、を備える。
【0021】
接続情報記憶部1701は、図3(a)に示すように、携帯端末10が接続しているAP30のSSID(Service Set Identifier)、暗号化方式、暗号キー等を記憶する。
基地局情報記憶部1702は、図3(b)に示すように、携帯端末10が通信する基地局20を識別する基地局ID(Identifier)等を記憶する。
プロファイルDB1703は、図3(c)に示すように、携帯端末10がAP30に接続する際に使用する、SSID、暗号化方式、暗号キー等を対応付けて予め記憶している。
【0022】
図2に示す制御部180は、CPU(Central Processing Unit)、メモリなどから構成され、メモリに記憶された所定のプログラムをCPUが実行することにより、AP30と接続することができるか否かを示すアイコンを表示部130に表示し、所定のタイミングで当該アイコンを非表示にする。制御部180の機能と実行する制御の詳細については後述する。
【0023】
次に、上記構成を有する無線通信システムの100の動作を携帯電話10の動作を中心に説明する。
【0024】
携帯電話10は、一般的な携帯電話と同様の通話機能等を有する他、AP30をサーチし、AP30と接続することができるか否かを示すアイコンを表示部130に表示する特徴的な機能を有する。
以下、理解を容易にするため、携帯電話10がAP30に接続した後、AP30との接続を終了する場合を例にして携帯電話10の動作を説明する。
【0025】
(AP接続処理)
まず、携帯電話10がAP30に接続する動作を説明する。
ユーザは、AP30に接続したい場合、操作部120を操作してその旨を指示する。制御部180は、ユーザからの接続指示に応答して、図4に示すAP接続処理を開始し、まず、AP30をサーチする旨のサーチ指示信号を無線LAN通信部110に供給する(ステップS1)。
【0026】
無線LAN通信部110は、制御部180から供給されたサーチ指示信号に応答して、AP30から発信されるビーコン信号を検出することにより、AP30をサーチ(スキャン)する。無線LAN通信部110は、AP30のサーチ結果を制御部180に供給する。
具体的には、無線LAN通信部110は、AP30から発信されるビーコン信号を検出した場合、その旨及びビーコン信号に含まれるSSIDを制御部180に通知し、ビーコン信号を検出できない場合、その旨を制御部180に通知する。
【0027】
制御部180は、AP30のサーチ結果を無線LAN通信部110から取得する(ステップS2)。制御部180は、サーチ結果がビーコン信号を検出したことを示しているか否かを判別する(ステップS3)。
制御部180は、ビーコン信号を検出したこと示していると判別した場合(ステップS3;Yes)、ビーコン信号に含まれるSSIDがプロファイルDB1703に記憶されているSSIDのいずれかと一致するか否かを判別する(ステップS4)。
【0028】
制御部180は、ビーコン信号に含まれるSSIDがプロファイルDB1703に記憶されているSSIDのいずれかと一致すると判別した場合(ステップS4;Yes)、このSSIDに対応する暗号化方式及び暗号キーを含む認証要求を、無線LAN通信部110を介してAP30に送信する(ステップS5)。
【0029】
AP30は、制御部180から送信された認証要求を受信すると、この受信要求に含まれる暗号化方式及び暗号キーに基づいて、認証するか否かを判別する。AP30は、認証結果を無線LAN通信部180に送信する。
【0030】
制御部180は、認証結果が認証成功を示すか否かを判別する(ステップS6)。制御部180は、認証結果が認証成功を示すと判別した場合(ステップS6;Yes)、AP30と接続(アソシエーション)する(ステップS7)。制御部180は、AP30と接続する際に使用した情報を示す接続情報として、今回の接続で実際に使用したSSID、暗号化方式及び暗号キーを対応付けて接続情報記憶部1701に記憶する(ステップS8)。
【0031】
なお、制御部180は、前述したステップS3で、サーチ結果がビーコン信号を検出できなかったことを示していると判別した場合(ステップS3;No)、前述したステップS4で、ビーコン信号に含まれるSSIDがプロファイルDB1703に記憶されているSSIDのいずれかと一致しないと判別した場合(ステップS4;No)、前述したステップS6で、認証結果が認証失敗を示すと判別した場合(ステップS6;No)、以後の処理をスキップし、AP接続処理を終了する。
【0032】
このようにして、制御部180は、AP30と接続し、そのときの接続情報を接続情報記憶部1701に記憶する。
【0033】
(AP接続解除処理)
携帯電話10は、ユーザの操作指示に応答して、AP30との接続を終了すると、AP30と接続することができるか否かを示すアイコンを表示部130に表示し、所定のタイミングで非表示とする。
以下、このような携帯電話10の特徴的な動作を説明する。
【0034】
ユーザは、AP30との接続を解除したい場合、操作部120を操作してその旨を指示する。制御部180は、ユーザからの接続解除指示に応答して、図5に示すAP接続解除処理を開始し、まず、AP30との接続を解除する(ステップS11)。続いて、制御部180は、図6に示すように、AP30への接続が可能であることを示すAP圏アイコン131を表示部130に表示する(ステップS12)。
【0035】
制御部180は、基地局20と通信可能な圏内であるか、即ち、携帯電話10が通話圏内であるか否かを判別する(ステップS13)。具体的には、例えば、制御部180は、無線通信部101を介して受信する電波の電波強度が所定の閾値D未満である場合、通話圏外であると判別し、所定の閾値D以上である場合、通話圏内であると判別する。
【0036】
制御部180は、携帯電話10が通話圏内であると判別した場合(ステップS13;Yes)、最寄りの基地局20を識別する基地局ID等を、無線通信部101から取得し、基地局情報記憶部1702に記憶する(ステップS14)。
【0037】
制御部180は、無線通信部101を介して定期的に受信した電波に含まれる基地局IDが変わったか又は携帯電話10が通話圏外となったか否かを判別する(ステップS15)。
具体的には、制御部180は、基地局IDが変わった場合、無線通信部101から通知を受ける。制御部180は、この通知に基づいて、基地局IDが変わったか否かを判別することができる。
ここで、受信した電波に含まれる基地局IDが変わった場合、携帯電話10が移動したとみなすことができる。また、携帯電話10が通話圏外となった場合も、携帯電話10が基地局20からの電波を受信することができない地下や施設内に移動したとみなすことができる。
【0038】
制御部180は、基地局IDが変わらず、且つ、携帯電話10が通話圏内であると判別した場合(ステップS15;No)、ステップ15を繰り返す。
一方、制御部180は、基地局IDが変わった又は携帯電話10が通話圏外となったと判別した場合(ステップS15;Yes)、接続情報記憶部1701に記憶されているSSIDに対応するAP30をサーチすることにより、接続を解除したAP30への再接続が可能であるか否かを判別する(ステップS16)。
具体的には、制御部180は、無線LAN通信部110が受信するビーコン信号に含まれるSSIDが接続情報記憶部1701に記憶されているSSIDと一致する場合、AP30への再接続が可能であると判別し、一致しない場合、AP30への再接続が不能であると判別する。
【0039】
制御部180は、接続を解除したAP30への再接続が可能であると判別した場合(ステップS16;Yes)、ステップ13に処理を戻す。
一方、制御部180は、接続を解除したAP30への再接続ができないと判別した場合(ステップS16;No)、AP圏アイコン131を非表示にする(ステップS17)。
【0040】
制御部180は、前述したステップS13で、携帯電話10が通話圏外であると判別した場合(ステップS13;No)、接続を解除したAP30への再接続が可能であるか否かを判別する(ステップS18)。接続を解除したAP30への再接続が可能であると判別した場合(ステップS18;Yes)、ステップS18を繰り返す。
一方、制御部180は、接続を解除したAP30への再接続ができないと判別した場合(ステップS18;No)、リトライ回数が所定の閾値N以上であるか否かを判別する(ステップS19)。ここで、リトライ回数は、AP30への接続ができないときに、制御部180が、再接続を試みた回数であり、制御部180によってカウントされる。
制御部180は、リトライ回数が所定の閾値N未満であると判別した場合(ステップS19;No)、ステップS18に処理を戻す。
【0041】
一方、制御部180は、リトライ回数が所定の閾値N以上であると判別した場合(ステップS19;Yes)、前述したステップS17に処理を進め、AP圏アイコン131を非表示とし(ステップS17)、AP接続解除処理を終了する。
【0042】
このようにして、制御部180は、AP30との接続を終了したときに、AP圏アイコン131を表示部130に表示し、その後、携帯電話10が移動したとみなされ、且つ、AP30への再接続ができないときに、AP圏アイコン131を非表示とする。
【0043】
以上の動作を、図5及び図7を参照して具体的に説明する。
例えば、図7(a)の軌跡R1に示すように、始点PSでAP3011への接続を解除した後、携帯電話10が始点PSから終点PE(地上)へ移動したとする。
この場合、制御部180は、始点PSでAP3011への接続を解除した後(ステップS11)、AP圏アイコン131を表示部130に表示する(ステップS12)。携帯電話10は基地局20の電波を受信することができる範囲Z1に属するため、ステップS13でYesとなり、携帯端末10と通信可能な基地局20は基地局20で変わらず、且つ、通話圏外となることもないため、制御部180は、ステップS15の処理を繰り返す。これにより、AP圏アイコン131は表示部130に表示されたままとなる。
【0044】
一方、図7(a)の軌跡R1に示すように、始点PSでAP3011への接続を解除した後、携帯電話10が始点PSから終点PE(電波の届かない地下)へ移動したとする。
この場合、携帯電話10が電波の届かない地下に移動したため、ステップS13でNoとなり、AP3011の電波も届かないため、ステップS18でNo、ステップS19でYesとなり、制御部180は、AP圏アイコンを非表示とする。
【0045】
次に、図7(b)の軌跡R2に示すように、始点PSでAP3011への接続を解除した後、携帯電話10が始点PSから終点PEへ移動したとする。
この場合、制御部180は、始点PSでAP3011への接続を解除した後(ステップS11)、AP圏アイコン131を表示部130に表示する(ステップS12)。携帯電話10は、移動に際し、基地局20の電波を受信することができる範囲Z1又は基地局20の電波を受信することができる範囲Z2に属するため、ステップS13でYesとなり、携帯端末10と通信可能な基地局20は基地局20から基地局20に変わるため、ステップS15でYesとなる。また、携帯電話10はAP3011の電波を受信することができる範囲RA11を離れたため、ステップS16でNoとなり、制御部180は、AP圏アイコンを非表示とする。
【0046】
以上、説明したように、制御部180は、AP30との接続を解除する際にAP圏アイコン131を表示部130に表示する。また、制御部180は、携帯電話10が移動することにより、携帯電話10と通信可能な基地局20が変わり又は携帯電話10が通話圏外となったときに、AP圏アイコン131を非表示とする。
このため、ユーザは、AP30に接続できるか否かを事前に知ることができ、AP30に接続する際の利便性が向上する。また、ユーザは、AP圏アイコン131が表示部130に表示されている場合にのみ、AP30への接続を指示することによって、AP30に接続できない場所で接続を試みることが少なくなる。これにより、AP30への無駄な接続要求が少なくなり、携帯電話10の消費電力を低減することができる。
【0047】
(変形例)
上記実施形態では、携帯電話10と通信可能な基地局20が変わり又は携帯電話10が通話圏外となったときに、AP圏アイコン131を非表示とするが、AP圏アイコン131を非表示とするタイミングはこれに限定されず、携帯電話10と通信可能な基地局20が変わらず、且つ、受信されるこの基地局20の電波の電波強度が所定の閾値TD以下となったときに、AP圏アイコン131を非表示としてもよい。
具体的には、制御部180は、無線通信部101を介して定期的に受信した電波に含まれる基地局IDが変わらず、且つ、この基地局IDに対応する基地局20の電波の電波強度が所定の閾値TD以下となったときに、AP圏アイコン131を非表示とすればよい。
【0048】
この発明は上記の実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、上記説明において示したハードウェアの構成及び動作は一例でありこれらに限定されるものではなく、適宜変更及び応用が可能である。
【0049】
本実施形態では、制御部180は、AP圏アイコン131を表示又は非表示にすることによって、AP30と接続することができるか否かをユーザに通知するが、ユーザへの通知方法はこれに限定されず、例えば、AP30と接続できなくなったときに、所定のインジケータを点滅したり、警告音を発したりしてもよい。
【0050】
本実施形態では、ユーザの操作指示に応答して、制御部180が図5に示すAP接続解除処理を実行するが、AP30に接続した後、所定期間のデータの転送量が所定の閾値P以下であった場合、即ち、無線LANを利用していない場合に、前述したAP接続解除処理を実行するようにしてもよい。
【0051】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0052】
(付記1)複数の基地局と無線通信する無線通信手段と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信手段と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知手段と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【0053】
(付記2)前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段が通信する前記基地局が変わったときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯端末。
【0054】
(付記3)前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段が前記基地局のいずれとも通信することができないときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する、
ことを特徴とする付記1又は2に記載の携帯端末。
【0055】
(付記4)前記無線LAN通信手段が前記アクセスポイントに接続したときに、該アクセスポイントを識別する識別情報を記憶する識別情報記憶手段、を更に備え、
前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段が通信する前記基地局が変わったとき又は前記無線通信手段が前記基地局のいずれとも通信することができないときに、前記識別情報記憶手段に記憶した識別情報が付された前記アクセスポイントをサーチするサーチ手段と、
前記サーチ手段が前記アクセスポイントを見つけることができないときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する通知手段と、を備える、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【0056】
(付記5)前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段と通信する前記基地局が変わらず、且つ、前記無線通信手段によって受信される該基地局の電波の電波強度が所定の閾値以下となったときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する、
ことを特徴とする付記1に記載の携帯端末。
【0057】
(付記6)複数の基地局と無線通信する無線通信工程と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信工程と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知工程と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知工程と、
を備えることを特徴とする通信方法。
【0058】
(付記7)コンピュータに、
複数の基地局と無線通信する無線通信手順と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信手順と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知手順と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。
【符号の説明】
【0059】
10 携帯電話
20 基地局
30 AP
100 無線通信システム
101 無線通信部
110 無線LAN通信部
120 操作部
130 表示部
131 AP圏アイコン
140 コーデック部
150 スピーカ
160 マイク
170 記憶部
180 制御部
1701 接続情報記憶部
1702 基地局情報記憶部
1703 プロファイルDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基地局と無線通信する無線通信手段と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信手段と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知手段と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知手段と、
を備えることを特徴とする携帯端末。
【請求項2】
前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段が通信する前記基地局が変わったときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項3】
前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段が前記基地局のいずれとも通信することができないときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯端末。
【請求項4】
前記無線LAN通信手段が前記アクセスポイントに接続したときに、該アクセスポイントを識別する識別情報を記憶する識別情報記憶手段、を更に備え、
前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段が通信する前記基地局が変わったとき又は前記無線通信手段が前記基地局のいずれとも通信することができないときに、前記識別情報記憶手段に記憶した識別情報が付された前記アクセスポイントをサーチするサーチ手段と、
前記サーチ手段が前記アクセスポイントを見つけることができないときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する通知手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の携帯端末。
【請求項5】
前記AP接続不能通知手段は、
前記無線通信手段と通信する前記基地局が変わらず、且つ、前記無線通信手段によって受信される該基地局の電波の電波強度が所定の閾値以下となったときに、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯端末。
【請求項6】
複数の基地局と無線通信する無線通信工程と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信工程と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知工程と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知工程と、
を備えることを特徴とする通信方法。
【請求項7】
コンピュータに、
複数の基地局と無線通信する無線通信手順と、
無線LANのアクセスポイントと無線通信する無線LAN通信手順と、
前記アクセスポイントとの接続を解除したときに、前記アクセスポイントとの接続が可能であることを通知するAP接続可能通知手順と、
前記無線通信手段が受信した前記基地局の電波に基づいて、前記アクセスポイントとの接続ができないことを通知するAP接続不能通知手順と、
を実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−195696(P2012−195696A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57069(P2011−57069)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】