説明

携帯端末および携帯端末の制御方法

【課題】手振れが発生することなく、遠隔操作で撮像を行うことができる携帯端末および携帯端末の制御方法を提供する。
【解決手段】携帯端末1は、撮像を行う少なくとも一のカメラ部18を有する筐体と、筐体から分離され、カメラ部を遠隔操作する遠隔操作部26とを有し、遠隔操作部は、入力音声を、カメラ部の画角を制御する制御信号S2として出力する出力部22を有し、カメラ部は、出力部が出力した制御信号を受信する受信部11と、受信部が受信した制御信号に応じて、画角を制御する制御部17とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、イヤホンマイクロフォンを使用して、搭載されたカメラの遠隔操作が可能な携帯電話機等の携帯端末および携帯端末の制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
カメラが搭載された携帯電話機等の携帯端末が市場に広く流通している。このような携帯端末を使用して撮像を行う場合には、ユーザは手に携帯端末を把持し、シャッターキー等を押下する。
【0003】
この場合、例えば、シャッターキーが割り当てられた携帯端末のキーを押下する必要があるため、手振れが発生しやすいという問題が生じていた。このような問題を解決すべく、例えば、特許文献1のような携帯端末が開示されている。
この携帯端末によれば、イヤホンマイクロフォン(以下、イヤホンマイク)に取り付けられたリモートコントロール部のスイッチを押下することにより、カメラを遠隔操作して撮像を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−274511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年のカメラが搭載された携帯端末では、ズームインおよびズームアウトが可能なズーム機能を有するものが多い。このような携帯端末を使用して被写体の撮像を行う際には、被写体が適切な大きさで写るように、ズーム倍率の調整が行われることが多い。ズーム倍率を変更するためには、携帯端末のキーが直接操作される。
【0006】
しかしながら、特許文献1が開示する技術では、遠隔操作によって撮像を行うための撮像指示を携帯端末のカメラに与えることができるが、ズーム倍率を遠隔操作で調整することはできない。このため、ズームインまたはズームアウトを行う際には、携帯端末のキーを直接操作する必要がある。したがって、手振れが発生するだけでなく、非常に使い勝手が悪いという不利益が生じる。
【0007】
本発明は、手振れが発生することなく、遠隔操作で撮像を行うことができる携帯端末および携帯端末の制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯端末は、撮像を行う少なくとも一のカメラ部を有する筐体と、前記筐体から分離され、前記カメラ部を遠隔操作する遠隔操作部とを有し、前記遠隔操作部は、入力音声を、前記カメラ部の画角を制御する制御信号として出力する出力部を有し、前記カメラ部は、前記出力部が出力した前記制御信号を受信する受信部と、前記受信部が受信した前記制御信号に応じて、前記画角を制御する制御部とを有する。
【0009】
好適には、前記カメラ部は、前記受信部が受信した前記入力音声としての前記制御信号の継続時間を検出する検出部を有し、前記制御部は、前記検出部によって検出された前記制御信号の継続時間に応じて前記カメラ部の画角を制御する。
【0010】
好適には、前記制御部は、前記検出部によって検出された前記制御信号の継続時間が長い程、前記画角を広角から望遠に制御し、前記画角が最大望遠になった後、前記画角を前記望遠から前記広角に制御する。
【0011】
好適には、前記筐体は、当該筐体における第1の筐体面に配置された第1のカメラ部と、前記第1の筐体面の反対側の第2の筐体面に配置された第2のカメラ部とを有し、前記制御部は、前記第2のカメラ部よりも前記第1のカメラ部を優先して、前記制御信号に基づいて前記第1のカメラ部の画角を制御する。
【0012】
本発明の携帯端末の制御方法は、撮像を行う少なくとも一のカメラ部を有する筐体から分離され、前記カメラ部を遠隔操作する携帯端末の制御方法であって、入力音声を、前記カメラ部の画角を制御する制御信号として出力する第1のステップと、前記第1のステップで出力した前記制御信号を受信する第2のステップと、前記第2のステップで受信した前記制御信号に応じて、前記画角を制御する第3のステップとを有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、手振れが発生することなく、遠隔操作で撮像を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク付き携帯端末の構成例を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク付き携帯端末の構成例を示す外観斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク付き携帯端末の信号処理系の構成例を示す概略ブロック図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態に係る検出部を説明するための図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係るINカメラの構成例を示す概略ブロック図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク2付き携帯端末1の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に関連付けて説明する。
【0016】
[イヤホンマイク2付き携帯端末1の全体像]
イヤホンマイク2付き携帯端末1の全体像を図1および図2に関連づけて説明する。
図1および図2は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク付き携帯端末の構成例を示す外観斜視図である。
図1には、イヤホンマイク2が接続された携帯端末1の開状態が例示されている。図2には、携帯端末1のみの閉状態が例示されている。
【0017】
図1に図示するように、携帯端末1は、受話筐体(本発明の筐体)3と、送話筐体4とを有する。携帯端末1は、本実施形態では、携帯電話機として構成されている。携帯端末1は、例えば、PHS(Personal Handyphone System)であってもよい。
【0018】
受話筐体3および送話筐体4は、連結部5により開閉可能に連結されている。受話筐体3および送話筐体4は、閉状態で互いに対向する面(正面)側の正面側ケース3a、4aと、その背面側の背面側ケース3b、4bとをそれぞれ有する。これらケースは、たとえば樹脂によりそれぞれ一体成形される。このように、携帯端末1は、いわゆる折り畳み式の携帯端末として構成されている。
【0019】
図1に図示するように、受話筐体3には、正面側ケース3aの正面側(本発明の第1の筐体面)に画像を表示する表示部111が面に沿って設けられている。その上部の開口部3cには、インカメラ18(以後INカメラ、本発明の第1のカメラ部)が設けられている。このように、INカメラ18は、受話筐体3の正面側に設けられているため、例えば、携帯端末1を把持した者自身を撮像(撮影)する場合に使用される。
以下、携帯端末1を把持し、その操作を行う者を単に「ユーザ」という。このINカメラ18を使用してユーザ自身を撮像することを単に「自分撮り」という。
【0020】
図2に図示するように、受話筐体3には、背面側ケース3bの背面側(本発明の第2の筐体面)に設けられた開口部3dにアウトカメラ(以後OUTカメラ、本発明の第2のカメラ部)19と、画像等を表示する表示部111aと、背面側から発光するストロボ114とが設けられている。このように、OUTカメラ19は、受話筐体3の背面側に設けられているため、例えば、風景や第三者を撮像する場合に使用される。
【0021】
図1に図示するように、送話筐体4は、正面側に操作部110を有する。操作部110には、テンキーボタンやシャッターキーが割り当てられたキー等が配置されている。シャッターキーは、INカメラ18またはOUTカメラ19に撮像指示を与えるキーである。以後、シャッターキーが割り当てられたキーを単に「シャッターキー」という。
撮像時には、INカメラ18およびOUTカメラ19の内、何れか一方のカメラが使用される。シャッターキーが押下された場合には、撮像を行うための撮像指示が、何れか一方のカメラに与えられる。
【0022】
なお、受話筐体3には、音声を出力する端末用スピーカ15(図3参照)が設けられ、送話筐体4には、音声を入力する端末用マイクロフォン16(図3参照)が設けられている。
【0023】
図1に図示するように、送話筐体4の側面部4cには、イヤホンマイク2を接続するためのイヤホンジャック11(図3参照)が配置されている。図1には、イヤホンマイク2のイヤホンプラグ25が、イヤホンジャック11に挿入されている場合が図示されている。
【0024】
イヤホンマイク2は、携帯端末1が出力する音声を拝聴できる機能と、携帯端末1を遠隔操作することができる遠隔操作機能とを有する。これらの機能を使用する場合には、イヤホンマイク2のイヤホンプラグ25が、携帯端末1のイヤホンジャック11に接続(挿入)される。この場合、遠隔操作部26による遠隔操作によって、通話の切断指示、通話の開始指示、INカメラ18またはOUTカメラ19への撮像指示を与えることができる。
【0025】
具体的には、イヤホンマイク2は、フックスイッチ21、マイクロフォン(本発明の出力部)22、一対のスピーカ23、ケーブル24a、24b、イヤホンプラグ25、および遠隔操作部(本発明の遠隔操作部)26を有する。
【0026】
遠隔操作部26は、フックスイッチ21およびマイクロフォン22を有する。遠隔操作部26は、片手で把持することができるように、樹脂等で形成されている。遠隔操作部26には、その表面に、フックスイッチ21が押下可能に設けられている。
【0027】
フックスイッチ21は、操作部110のシャッターキーと同様の機能を有する。即ち、フックスイッチ21は、INカメラ18またはOUTカメラ19に撮像を行うための撮像指示を与える場合に押下される。何れのカメラを使用するかは、予め設定される。
【0028】
携帯端末1の操作部110を操作してINカメラ18またはOUTカメラ19に撮像指示を与える場合、シャッターキー等を押下するため、手振れが生じやすい。これに対して、フックスイッチ21を押下してINカメラ18またはOUTカメラ19に撮像指示を与える場合、片手で携帯端末1を把持し、他方の手で撮像指示を与えることができるため、手振れを防止することができる。
【0029】
フックスイッチ21の近傍には、音声を入力することができるように、マイクロフォン22が設けられている。マイクロフォン22は、入力された音声を音声信号として携帯端末1に出力する。
【0030】
ところで、INカメラ18およびOUTカメラ19は、被写体をズームインまたはズームアウト(ズームイン/ズームアウト)することができるズーム機能を有する。
即ち、ズームインでは、これらのカメラの画角が望遠となる(小さくなる)ように制御される。ズームアウトでは、これらのカメラの画角が広角となる(大きくなる)ように制御される。
【0031】
先に述べたように、携帯端末1の操作部110を操作してズームイン/ズームアウトをする場合、手振れが生じるだけでなく、使い勝手が悪い。
そこで、本実施形態では、携帯端末1の操作部110を使用してINカメラ18またはOUTカメラ19の画角を制御する替わりに、マイクロフォン22を使用して、これらのカメラの画角を制御することができる。
【0032】
特に、受話筐体3の正面側に設けられたINカメラ18は、自分撮りを行う場合に使用されることが多い。この場合、ユーザは、自分自身が写るように携帯端末1を把持する手を伸ばし、表示部111のプレビュー画像(スルー画像)を確認しながら、ズームイン/ズームアウトを行って、携帯端末1のシャッターキーを押下する。
【0033】
このため、2つのカメラが搭載された携帯端末1では、INカメラ18の画角が、マイクロフォン22に入力される音声によって、優先的に制御されることが望ましい。以下、マイクロフォン22に入力される音声によって、INカメラ18の画角が制御されるものとする。
【0034】
画角の制御は、マイクロフォン22に入力された音声の継続時間によって行われる。具体的には、ユーザは、マイクロフォン22に、例えば、「あ」のような音声を短時間(例えば、200ms)入力する。このような音声がマイクロフォン22に入力されると、例えば、ズーム倍率が2倍(×2)になる。続いて、このような音声がマイクロフォン22に入力されると、ズーム倍率が3倍(×3)になる。このように、音声がマイクロフォン22に入力される度に、ズーム倍率が上がる。即ち、画角が次第に望遠になる(小さくなる)。
【0035】
「あ」のような音声がマイクロフォン22に何度も入力され、ズーム倍率が最大(例えば、10倍)、即ち、画角が最小になったものとする。次に、音声がマイクロフォン22に入力されると、ズーム倍率が9倍(×9)になる。更に音声がマイクロフォン22に入力されると、ズーム倍率が8倍(×8)になる。このように、ズーム倍率が最大倍率に達すると、音声がマイクロフォン22に入力される度に、ズーム倍率が下がる。即ち、画角が次第に広角になる(大きくなる)。
【0036】
遠隔操作部26の一端には、ケーブル24aが接続され、他端には、ケーブル24bが接続されている。ケーブル24aの一端には、スピーカ(イヤホン)23が接続されている。ケーブル24bの一端には、イヤホンプラグ25が接続されている。
【0037】
[イヤホンマイク付き携帯端末の信号処理系の詳細]
イヤホンマイク付き携帯端末の信号処理系を図3に関連づけて説明する。
図3は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク付き携帯端末の信号処理系の構成例を示す概略ブロック図である。
【0038】
図3に図示するように、携帯端末1は、イヤホンジャック(本発明の受信部)11、増幅器12、検出部13、音声入出力部14、端末用スピーカ15、端末用マイクロフォン16、CPU(本発明の制御部)17、INカメラ18、OUTカメラ19、操作部110、表示部111、111a、通信部112、アンテナ113、ストロボ114、および記憶部115を有する。
【0039】
なお、イヤホンジャック11、CPU17、およびINカメラ18によって、本発明の第1のカメラ部が構成されている。イヤホンジャック11、CPU17、および、OUTカメラ19によって、本発明の第2のカメラ部が構成されている。
【0040】
図3には、遠隔操作部26を構成するフックスイッチ21およびマイクロフォン22と、スピーカ23とが図示されている。なお、イヤホンプラグ25(図1参照)は、その図示が省略されている。
【0041】
携帯端末1は、例えば、通話機能、電子メール機能、Webサイトの閲覧機能、カメラ機能を有する。
通話機能は、他の通信機器と音声通話を行う機能である。電子メール機能は、電子メールの作成、電子メールの送受信を行う機能である。音声通話や電子メールの使用時には、ネットワークを介して他の通信機器と通信が行われる。
カメラ機能は、INカメラ18またはOUTカメラ19を用いて被写体を撮像することができる機能である。
【0042】
イヤホンジャック11は、イヤホンマイク2のイヤホンプラグに接続される。この場合、携帯端末1とイヤホンマイク2との間で信号の伝達が可能となる。
【0043】
フックスイッチ21は、このスイッチが押下された場合、撮像信号S1を生成し、これを携帯端末1のCPU17に出力する。この撮像信号S1は、INカメラ18またはOUTカメラ19に撮像を行わせるための信号である。
【0044】
マイクロフォン22には、INカメラ18の画角を制御するための音声が入力される。マイクロフォン22は、この音声を音声信号S2として増幅器12に出力する。換言すれば、この音声信号(本発明の制御信号)S2は、ズームイン/ズームアウトを行うための制御信号である。
【0045】
増幅器12は、マイクロフォン22から入力された音声信号S2を検出部13がそれを検出可能な大きさに増幅する。そして、増幅器12は、増幅した音声信号を増幅音声信号S3として検出部13に出力する。
増幅器12は、音声入出力部14が出力した音声を増幅器12し、スピーカ23に出力する。
【0046】
検出部13は、増幅器12から入力された増幅音声信号S3の継続時間を検出する。この継続時間の検出について、図4を参照しながら説明する。
【0047】
図4は、本発明の実施形態に係る検出部を説明するための図である。
図4において、縦軸は、増幅器12によって増幅された増幅音声信号S3の電圧を示す。横軸は、時間を示す。
【0048】
図4に図示するような増幅音声信号S3が、検出部13に入力されるものとする。検出部13は、増幅音声信号S3が所定時間(例えば、200ms)継続し、かつ、電圧が閾値(例えば、3V)に達している有音部分A〜Dを入力音声であるものとして検出する。即ち、有音部分A〜Dは、「あ」のような音声がマイクロフォン22に4回入力されたことを意味する。
検出部13は、有音部分(例えば、有音部分A〜D)を検出する度に、検出信号S4をCPU17に出力する。
【0049】
音声入出力部14は、端末用マイクロフォン16から入力されたアナログの音声信号をデジタルの音声データに変換してCPU17に出力するため、アナログの音声信号に対して、増幅、アナログ・デジタル(A/D)変換、符号化等の処理を施す。
音声入出力部14は、CPU17から供給されたデジタルの音声データを端末用スピーカ15またはイヤホンマイク2のスピーカ23に出力するため、デジタルの音声データに対して、デジタル・アナログ(D/A)変換、増幅等の信号処理を施す。
【0050】
CPU17は、携帯端末1の全般の動作を制御する。具体的には、CPU17は、通話機能、電子メール機能、カメラ機能、Webサイトの閲覧機能等を行うための処理を行う。
カメラ機能において、CPU17は、フックスイッチ21から撮像信号S1が入力されると、これをINカメラ18またはOUTカメラ19に出力する。これにより、INカメラ18またはOUTカメラ19は、被写体を撮像する。
【0051】
詳細には、INカメラ18に対して、CPU17は、検出部13から検出信号S4が入力される度に、画角を広角から望遠に制御し、画角が最大望遠になった後、画角を望遠から広角に制御するように、画角を制御する制御信号S5を駆動部184に出力する。OUTカメラ19に対しても同様に、CPU17は、制御信号S5を駆動部184に出力する。
【0052】
この他、CPU17は、例えば、通信部112の通信制御、記憶部115とのアクセス、音声入出力部14における音声処理の制御、表示部111へのデータ表示、操作部110からの操作の受付、ストロボ114のフラッシュ制御を行う。
【0053】
INカメラ18およびOUTカメラ19は、被写体を撮像する。撮像時には、いずれか一方のカメラが使用される。本実施形態では、マイクロフォン22によって、INカメラ18の画角が制御されるものとする。
【0054】
操作部110は、操作によって入力された操作信号をユーザの指示としてCPU17に出力する。
【0055】
表示部111、111aは、例えば、液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)によって構成されている。表示部111、111aは、プレビュー画面、INカメラ18やOUTカメラ19が出力した画像を表示する。
【0056】
通信部112は、CPU17が出力した送信信号を所定の変調方式に変調し、変調した送信信号を電波信号としてアンテナ113を介して基地局に送信する。通信部112は、アンテナ113を介して基地局から受信した電波信号を変調方式に対応した復調を行い、復調した信号を受信信号としてCPU17に出力する。
【0057】
アンテナ113は、本実施形態においては内蔵型アンテナである。アンテナ113は、例えばロッドアンテナであってもよい。アンテナ113は、所定の周波数帯域における電磁波を基地局(不図示)に向けて送信、または基地局から受信する。
【0058】
ストロボ114は、CPU17の制御に従って、INカメラ18やOUTカメラ19が撮像を行うときにフラッシュを放つ。
【0059】
記憶部115は、例えば、不揮発性の記憶デバイス(フラッシュメモリ)やランダムアクセス可能な記憶デバイス(SRAM、DRAM)で構成されている。記憶部115には、INカメラ18やOUTカメラ19によって撮像された画像、アプリケーションプログラム、CPU17に出力結果、プログラムの処理過程で利用される一時的なデータ等が記憶される。
【0060】
イヤホンマイク2のスピーカ23には、携帯端末1の音声入出力部14が出力した音声が増幅器12を介して入力される。スピーカ23は、この音声を出力する。
【0061】
INカメラ18およびOUTカメラ19の構成例を図5に関連づけて説明する。
図5は、本発明の実施形態に係るINカメラの構成例を示す概略ブロック図である。
なお、OUTカメラ19の構成は、INカメラのものと同一であるため、その図示および説明は省略する。
【0062】
図5に図示するように、INカメラ18は、光学系181、撮像素子(CCD)182、信号処理部183、および駆動部184を有する。
【0063】
光学系181は、レンズLNSを有する。レンズLNSは、ズームイン/ズームアウトに対応するため、例えば、ズームレンズによって構成されている。レンズLNSは、被写体OBJの像を撮像素子182の撮像面に結像させる。光学系181は、駆動部184から入力された駆動信号S184により、画角が制御される。即ち、光学的にズームアウト/ズームインが行われる。
【0064】
この他、光学系181は、例えば、光量を調節する絞り(不図示)や光学ローパスフィルタ(不図示)を有する。光学ローパスフィルタは、ナイキスト周波数以上の高周波成分をカットすることができるフィルタである。
【0065】
撮像素子182は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)によって構成されている。撮像素子182をCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子によって構成することもできる。
撮像素子182は、CPU17から入力された撮像信号S1に基づいて、撮像を行う。このとき、撮像素子182は、光学系181を介して入射された光をその光量に応じたアナログ信号に変換する。そして、撮像素子182は、撮像データとしてのアナログ信号S182を信号処理部183に出力する。
【0066】
信号処理部183は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)で構成されている。信号処理部183は、CPU17の制御に基づいて、撮像素子182から入力されたアナログ信号S182に対して画像処理を施す。この画像処理は、例えば、カラー補間、ガンマ補正、ホワイトバランス処理である。信号処理部183は、画像処理によって生成された画像を表示部111または記憶部115に出力する。なお、CPU17が信号処理部183の機能を実行することもできる。
【0067】
駆動部184は、制御信号S5を受けると、画角を制御する駆動信号S184を光学系181に出力する。
【0068】
[イヤホンマイク2付き携帯端末1の動作例]
イヤホンマイク2付き携帯端末1の動作例を図6に関連づけて説明する。
図6は、本発明の実施形態に係るイヤホンマイク2付き携帯端末1の動作例を示すフローチャートである。
【0069】
以下の説明では、ズームイン/ズームアウトをしながらINカメラ18で被写体OBJの撮像を行うものとする。このとき、ユーザは、片手に携帯端末1を把持し、他方の手にイヤホンマイク2の遠隔操作部26を把持するものとする。あるいは、片手に携帯端末1を把持するのではなく、INカメラ18で被写体OBJを撮像できるように、携帯端末1を机上等に固定することもできる。
【0070】
図6に図示するように、ユーザは、マイクロフォン22に音声を入力する(ST1)。例えば、ズーム倍率を2倍にする場合には、ユーザは、「あ」のような短い音声を一度入力する。
マイクロフォン22は、この音声を音声信号S2として増幅器12に出力する。すると、増幅器12は、マイクロフォン22から入力された音声信号S2を検出部13がその音声信号を検出可能な大きさに増幅する。そして、増幅器12は、増幅した音声信号を増幅音声信号S3として検出部13に出力する。
【0071】
その後、検出部13は、増幅器12から入力された増幅音声信号S3の継続時間を検出する(ST2)。そして、検出部13は、有音部分を検出する度に、検出信号S4をCPU17に出力する。すると、CPU17は、検出部13から検出信号S4が入力される度に、画角を制御する制御信号S5をINカメラ18の駆動部184に出力する。駆動部184は、制御信号S5を受けると、画角を制御する駆動信号S184を光学系181に出力する。これにより、INカメラ18の画角が制御される(ST3)。
【0072】
ズーム倍率が適切になったら、ユーザは、フックスイッチ21を押下する。このとき、フックスイッチ21は、撮像信号S1をCPU17に出力する(ST4)。そして、INカメラ18は、CPU17から撮像信号S1を受けて、被写体OBJの撮像を行う(ST5)。
【0073】
以上の説明では、INカメラ18を例に挙げて説明したが、イヤホンマイク2を使用してOUTカメラ19を遠隔操作する場合も同様である。
【0074】
以上、本実施形態によれば、イヤホンマイク2を使用して、携帯端末1のINカメラ18およびOUTカメラ19を遠隔操作することができるため、携帯端末1の操作部110を操作する必要がない。したがって、手振れを防止することができ、鮮明な画像を得ることができる。
【0075】
特に、ズームイン/ズームインを行う場合には、音声でズーム倍率を調整することができる。このため、手振れを防止することができるだけでなく、被写体を適切な倍率で撮像することができる。更には、ズームイン/ズームアウトの操作が非常に簡単であるという利益が得られる。
【0076】
カメラが搭載された一般的な携帯端末では、集合写真等、ユーザ自身を含めた撮像を行う場合、携帯端末を机上等に固定し、セルフタイマーを使用して撮像を行うことが一般的である。しかしながら、一般的な携帯端末では、適切なシャッターチャンスを得ることが非常に困難である。
これに対して、本実施形態における携帯端末1では、遠隔操作で撮像を行うことができるため、シャッターチャンスを逃さず、容易に集合写真等を撮ることができる。
【0077】
本実施形態では、検出部13が、「あ」のような短時間の音を検出する度に、ズーム倍率が変更される。例えば、検出部13が「あー」のような連続した音を検出することで、マイクロフォン22に入力する音声が長い程、ズーム倍率が連続的に大きく、または小さくなるように携帯端末1を構成することもできる。
【0078】
マイクロフォン22に入力する音声は、例えば、「ズームアウト」のような単語であってもよい。具体的なズーム倍率を音声でマイクロフォン22に入力し、所望するズーム倍率となるように、INカメラ18およびOUTカメラ19の画角を制御できるようにしてもよい。
【0079】
本実施形態では、イヤホンマイク2のイヤホンプラグ25と携帯端末1のイヤホンジャック11が、有線接続されるが、両者を無線で接続できるようにすることもできる。検出部13をINカメラ18やOUTカメラ19に組み込み、検出信号S4を直接駆動部184に出力して画角を制御するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0080】
1…携帯端末、2…イヤホンマイク、3…受話筐体、3a…正面側ケース(第1の筐体面)、3b…背面側ケース(第2の筐体面)、3c、3d…開口部、4…送話筐体、4c…側面部、5…連結部、11…イヤホンジャック(受信部)、12…増幅器、13…検出部、14…音声入出力部、15…端末用スピーカ、16…端末用マイクロフォン、17…CPU、18…INカメラ(インカメラ)、19…OUTカメラ(アウトカメラ)、21…フックスイッチ、22…マイクロフォン(出力部)、23…スピーカ、24a、24b…ケーブル、25…イヤホンプラグ、26…遠隔操作部、110…操作部、111、111a…表示部、112…通信部、113…アンテナ、114…ストロボ、115…記憶部、181…光学系、182…撮像素子、183…信号処理部、184…駆動部、S1…撮像信号、S2…音声信号、S3…増幅音声信号、S4…検出信号、S5…制御信号、S182…アナログ信号、S184…駆動信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像を行う少なくとも一のカメラ部を有する筐体と、
前記筐体から分離され、前記カメラ部を遠隔操作する遠隔操作部と
を有し、
前記遠隔操作部は、
入力音声を、前記カメラ部の画角を制御する制御信号として出力する出力部を有し、
前記カメラ部は、
前記出力部が出力した前記制御信号を受信する受信部と、
前記受信部が受信した前記制御信号に応じて、前記画角を制御する制御部と
を有する
携帯端末。
【請求項2】
前記カメラ部は、
前記受信部が受信した前記入力音声としての前記制御信号の継続時間を検出する検出部を有し、
前記制御部は、
前記検出部によって検出された前記制御信号の継続時間に応じて前記カメラ部の画角を制御する
請求項1記載の携帯端末。
【請求項3】
前記制御部は、
前記検出部によって検出された前記制御信号の継続時間が長い程、前記画角を広角から望遠に制御し、前記画角が最大望遠になった後、前記画角を前記望遠から前記広角に制御する
請求項2記載の携帯端末。
【請求項4】
前記筐体は、
当該筐体における第1の筐体面に配置された第1のカメラ部と、
前記第1の筐体面の反対側の第2の筐体面に配置された第2のカメラ部と
を有し、
前記制御部は、
前記第2のカメラ部よりも前記第1のカメラ部を優先して、前記制御信号に基づいて前記第1のカメラ部の画角を制御する
請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯端末。
【請求項5】
撮像を行う少なくとも一のカメラ部を有する筐体から分離され、前記カメラ部を遠隔操作する携帯端末の制御方法であって、
入力音声を、前記カメラ部の画角を制御する制御信号として出力する第1のステップと、
前記第1のステップで出力した前記制御信号を受信する第2のステップと、
前記第2のステップで受信した前記制御信号に応じて、前記画角を制御する第3のステップと
を有する携帯端末の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−177898(P2010−177898A)
【公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−16918(P2009−16918)
【出願日】平成21年1月28日(2009.1.28)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】